JP2018158548A - 熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法 - Google Patents

熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部材又は材料を共通化させることが可能な熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法を提供する。【解決手段】熱膨張性シート20は、基材11と、基材11の一方の主面上に設けられたアンカー層22と、アンカー層22上に設けられた熱膨張層13と、を備える。アンカー層22は、基材11と熱膨張層13とに対する良好な接着性を有するだけでなく、インクを受容可能な材料から形成される。【選択図】図7

Description

本発明は、吸収した熱量に応じて発泡して膨張する熱膨張性シート及び熱膨張性シートを製造する方法に関する。
従来、基材シートの一方の面上に、吸収した熱量に応じて発泡し膨張する熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成した熱膨張性シートが知られている。この熱膨張性シート上に光を熱に変換する光熱変換層を形成し、光熱変換層に光を照射することで、熱膨張層を部分的又は全体的に膨張させることができる。また、光熱変換層の形状を変化させることで、熱膨張性シート上に立体的な造形物(立体画像)を形成する方法も知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭64−28660号公報 特開2001−150812号公報
このような熱膨張性シートでは、用途等に応じて層の構成が異なり、例えばカラーインク層又は光熱変換層を印刷するためのインク受容層が上面のみに設けられている構成、インク受容層が上面及び下面に設けられる構成などがある。
このような異なる層構成の熱膨張性シートを製造する際、部材又は材料の調達性の向上、製造コストを下げるという観点から、部材又は材料を共通化させることが求められている。同様に、複数の層を有する1種類の熱膨張性シートを製造する際であっても、熱膨張性シート内に含まれる目的とする機能の異なる層の間で材料を共通化させることが求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、部材又は材料を共通化させることが可能な熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法を提供する。
本発明に係る熱膨張性シートは、
基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層と、
前記インク受容層上に形成され、熱膨張性材料を含む熱膨張層と、を備える、
ことを特徴とする。
本発明に係る熱膨張性シートの製造方法は、
基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層の上に、熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する工程を含む、
ことを特徴とする。
本発明によれば、部材又は材料を共通化させることができる。
実施形態に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの製造方法の概要を示す断面図である。 実施形態に係るコロナ処理装置の概要を示す図である。 実施形態に係る立体画像形成ユニットの概要を示す図である。 実施形態に係る立体画像形成プロセスを示すフローチャートである。 実施形態に係る立体画像形成プロセスの概要を示す断面図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの製造方法の概要を示す断面図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。 実施形態に係る熱膨張性シートの製造方法の概要を示す断面図である。 変形例に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。 変形例に係る熱膨張性シートの概要を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。詳細に後述するように、本実施形態では、熱膨張性シート10と熱膨張性シート20との間、又は熱膨張性シート10と熱膨張性シート30との間で部材を共通化させる構成を例に挙げる。また、熱膨張性シート20内に含まれる層において材料を共通化させる構成を例に挙げる。
(熱膨張性シート10)
熱膨張性シート10は、図1に示すように、基材11、アンカー層12、熱膨張層13、第1のインク受容層14、第2のインク受容層15、を備える。また、詳細に後述するように、熱膨張性シート10は、図4(a)〜図4(c)に概要を示す立体画像形成システム70で、印刷が施され、凹凸を有する造形物(立体画像)が形成される。
基材11は、熱膨張層13等を支持するシート状の部材である。基材11としては、一般的に使用されている樹脂製のシート状(フィルムを含む)の材料を適宜選択して使用することができる。基材11としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等から選択される材料を含むシート状の材料を使用することができる。また、基材11は、熱膨張層13が全体的又は部分的に発泡により膨張した時に、基材11の反対側(図1に示す下側)に隆起せず、また、しわを生じたり、大きく波打ったりしない程度の強度を備える。加えて、熱膨張層を発泡させる際の加熱に耐える程度の耐熱性を有する。更に、基材11は、上記の強度及び耐熱性に加えて、伸縮性を有していてもよい。
なお、後述するように本実施形態では、インク受容層とシートとが一体に形成されたシート状の部材を基材11として使用することもできる。具体的に、基材11として、上述した材料から形成されたシート(フィルム)の最上面(最表面)にインク受容層を備えるシート状の部材を用いて、熱膨張性シート10を製造することもできる。このようなシートを基材11として使用する場合、基材11に設けられているインク受容層を第2のインク受容層15として使用する。
アンカー層12は、基材11の一方の面(図1に示す上面)上に設けられ、アンカー層12の上には熱膨張層13が設けられる。アンカー層12は、基材11と熱膨張層13との両方に対し、良好な接着性を有する層である。また、アンカー層12は、基材11と熱膨張層13との間の接着力を高める機能を有する。特に樹脂製の基材11上に直接熱膨張層13を設けると、膨張させた際に剥離が生じやすいが、アンカー層12を設けることによって、熱膨張層13を発泡、膨張させる際に、熱膨張層13の下面が剥離することを防ぐことができる。
アンカー層12は、基材11と熱膨張層13とに対して良好な接着性を有する材料を含む層である。具体的に、アンカー層12は、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、又はこれらのいずれかの共重合体からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を含む。例えば、アンカー層12に含まれる樹脂は、例えばポリエステル系樹脂のみであってもよく、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂とを含んでもよい。また、アンカー層12に含まれる樹脂は変性剤によって変性されていてもよい。特に、本実施形態では、アンカー層12は、ポリエステル・アクリル・ウレタン複合樹脂を含むことが好ましい。なお、これに限られるものではないが、ポリエステル・アクリル・ウレタン複合樹脂を含む水分散液としては、例えば、高松油脂(株)社製「WAC−17XC」が挙げられる。
また、本実施形態では、アンカー層12は、上記の材料から形成される場合に限られず、基材11の表面にコロナ処理を施すことによって形成される表面改質層を含む。具体的には、表面改質層は、後述する図3に示すコロナ処理装置60を用いて形成される。この表面改質層は、改質されていない基材11と比較して、熱膨張層13に対する接着性が向上された層である。表面改質層は、熱膨張層13と良好に接着するため、熱膨張層13の膨張時に、熱膨張層13の剥離を抑制することができる。
熱膨張層13は、基材11の一方の面(図1では、上面)上に設けられたアンカー層12の上に、アンカー層12に接して形成される。熱膨張層13は、加熱温度、加熱時間に応じた大きさに膨張する層であって、バインダ中に複数の熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル、マイクロカプセル)が分散配置されている。また、詳細に後述するように、本実施形態では、基材11の上面(表面)に設けられた第1のインク受容層14上、及び/又は基材11の下面(裏面)に光熱変換層を形成し、光を照射することで、光熱変換層が設けられた領域を発熱させる。熱膨張層13は、熱膨張性シート10の表面及び/又は裏面の光熱変換層で生じた熱を吸収して発泡し、膨張するため、熱膨張性シート10の特定の領域のみを選択的に膨張させることができる。
バインダとしては、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑性樹脂を用いる。また、熱膨張性マイクロカプセルは、プロパン、ブタン、その他の低沸点気化性物質を、熱可塑性樹脂の殻内に含むものである。殻は、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいは、それらの共重合体等の熱可塑性樹脂から形成される。熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径は、約5〜50μmである。このマイクロカプセルを熱膨張開始温度以上に加熱すると、樹脂からなる高分子の殻が軟化し、内包されている低沸点気化性物質が気化し、その圧力によってカプセルが膨張する。用いるマイクロカプセルの特性にもよるが、マイクロカプセルは膨張前の粒径の5倍程度に膨張する。なお、マイクロカプセルの粒径には、ばらつきがあり、全てのマイクロカプセルが同じ粒径を有しているわけではない。
第1のインク受容層14は、熱膨張層13上に形成される。第1のインク受容層14は、印刷工程で使用されるインク、例えば、インクジェットプリンタのインクを受容し、定着させる層である。第1のインク受容層14は、印刷工程で使用されるインクに応じて、汎用されている材料を使用して形成される。例えば水性インクを利用する場合で、空隙を利用してインクを受容するタイプでは、第1のインク受容層14は、例えば多孔質シリカを用いて形成される。インクを膨潤させて受容するタイプでは、第1のインク受容層14は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等から選択される樹脂を用いて形成される。
第2のインク受容層15は、基材11の他方の面(図1に示す下面)上に形成される。第2のインク受容層15は、第1のインク受容層14と同様に印刷工程で使用されるインク、例えば、インクジェットプリンタのインクを受容し、定着させる層である。本実施形態では、基材11として樹脂からなるフィルムを用いるため、基材11の裏面(図1に示す下面)に光熱変換層を形成する際にインクを定着させるために必要な層である。
(熱膨張性シート10の製造方法)
次に、熱膨張性シート10の製造方法を図2(a)〜図2(d)を用いて説明する。
まず、基材11としてシート状の材料を用意する。基材11としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムの一方の面上にインク受容層が形成されているものを使用することが好ましい。このような基材としては、最表面にインク受容層が形成されたOHP(Overhead projector)フィルムなどが挙げられる。基材11上に予め設けられたインク受容層は、図2(a)に示すように、その機能通り第2のインク受容層15として使用する。基材11は、ロール状であっても、予め裁断されていてもよい。なお、第2のインク受容層15を構成する材料、例えば多孔質シリカ、PVA等から選択される材料を用いて塗布液を公知の塗布装置によって基材11上に塗布し、乾燥させることにより、第2のインク受容層15を形成してもよい。
次に、基材11の一方の面上(図2(a)に示す上面)に、アンカー層12として用いる材料の溶液またはエマルジョンを調製する。続いて、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の公知の塗布装置を用いて、塗布液を基材11上に塗布する。続いて塗膜を乾燥させ、図2(b)に示すように、アンカー層12を形成する。
アンカー層12を形成する工程は、上記に代えて、図3に模式的に示すコロナ処理装置60を用いてコロナ処理を施してもよい。コロナ処理装置60は、図3に示すように、いわゆるロールtoロールの処理装置であり、処理ロール61、電極62及びガイドロール63を備える。処理前の基材11は、ガイドロール63によって処理ロール61へと導かれる。高周波電源装置(図示せず)から高周波の高電圧が処理ロール61と電極62との間に印加されると、図3に点線で示す領域内で処理ロール61と電極62との間にコロナ放電が生ずる。この放電下を基材11が通過することにより、基材11の表面にコロナ処理が施され、基材11上に表面改質層(アンカー層12)が形成される。また、コロナ処理装置60はロールtoロールに限らず、枚葉式であってもよい。
次に、熱可塑性樹脂等からなるバインダと熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル)とを混合させ、熱膨張層13を形成するための塗布液を調製する。続いて、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の公知の塗布装置を用いて、塗布液をアンカー層12上に塗布する。続いて、塗膜を乾燥させ、図2(c)に示すように熱膨張層13を形成する。なお、目標とする熱膨張層13の厚みを得るため、塗布液の塗布及び乾燥を複数回行ってもよい。
次に、第1のインク受容層14を構成する材料、例えば多孔質シリカ、PVA等から選択される材料を用いて塗布液を調製する。続いて、この塗布液を、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の方式による公知の塗布装置を用いて、熱膨張層13上に塗布する。なお、目標とする第1のインク受容層14の厚みを得るため、塗布液の塗布及び乾燥を複数回行ってもよい。続いて、塗膜を乾燥させ、図2(d)に示すように、第1のインク受容層14を形成する。また、ロール状の基材11を用いた場合は、立体画像形成システム70に適合する大きさに裁断を行う。
以上の工程により、熱膨張性シート10が製造される。
(立体画像形成システム)
次に、本実施形態の熱膨張性シート10に立体画像を形成する立体画像形成システム70について説明する。図4(a)〜図4(c)に示すように、立体画像形成システム70は、制御ユニット71と、印刷ユニット72と、膨張ユニット73と、表示ユニット74と、天板75と、フレーム80と、を備える。図4(a)は、立体画像形成システム70の正面図であり、図4(b)は、天板75を閉じた状態における立体画像形成システム70の平面図であり、図4(c)は、天板75を開いた状態における立体画像形成システム70の平面図である。なお、図4(a)〜図4(c)において、X方向は水平方向と同一であり、Y方向はシートが搬送される搬送方向Dと同一であり、更にZ方向は鉛直方向と同一である。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する。
制御ユニット71、印刷ユニット72、膨張ユニット73は、それぞれ図4(a)に示すようにフレーム80内に載置される。具体的に、フレーム80は、一対の略矩形状の側面板81と、側面板81の間に設けられた連結ビーム82とを備え、側面板81の上方に天板75が渡されている。また、側面板81の間に渡された連結ビーム82の上に印刷ユニット72及び膨張ユニット73がX方向に並んで設置され、連結ビーム82の下に制御ユニット71が固定されている。表示ユニット74は天板75内に、天板75の上面と高さが一致するように埋設されている。
制御ユニット71は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、印刷ユニット72、膨張ユニット73及び表示ユニット74を制御する。
印刷ユニット72は、インクジェット方式の印刷装置である。図4(c)に示すように、印刷ユニット72は、熱膨張性シート10を搬入するための搬入部72aと、熱膨張性シート10を排出するための排出部72bと、を備える。印刷ユニット72は、搬入部72aから搬入された熱膨張性シート10の表面又は裏面に指示された画像を印刷し、画像が印刷された熱膨張性シート10を排出部72bから排出する。また、印刷ユニット72には、後述するカラーインク層92を形成するためのカラーインク(シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y))、と、表側光熱変換層91と裏側光熱変換層93とを形成するための黒色インク(カーボンブラックを含む)とが備えられている。なお、カラーインク層92において黒又はグレーの色を形成するため、カラーインクとして、カーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に備えてもよい。
印刷ユニット72は、熱膨張性シート10の表面に印刷するカラー画像(カラーインク層92)を示すカラー画像データを制御ユニット71から取得し、カラー画像データに基づいて、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー)を用いてカラー画像(カラーインク層92)を印刷する。カラーインク層92の黒又はグレーの色は、CMYの3色を混色して、もしくはカーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に使用して形成する。
また、印刷ユニット72は、熱膨張性シート10の表面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである表面発泡データに基づき、黒色インクを用いて表側光熱変換層91を印刷する。同様に、熱膨張性シート10の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである裏面発泡データに基づき、黒色インクを用いて裏側光熱変換層93を印刷する。また、カーボンブラックを含む黒色インクは、光を熱に変換する材料の一例である。黒色インクの濃度がより濃く形成された部分ほど、熱膨張層13の膨張高さは高くなる。このため、黒色インクの濃度は、目標高さに対応するように濃淡が決定される。
膨張ユニット73は、熱膨張性シート10に熱を加えて膨張させる膨張装置である。図4(c)に示すように、膨張ユニット73は、熱膨張性シート10を搬入するための搬入部73aと、熱膨張性シート10を排出するための排出部73bと、を備える。膨張ユニット73は、搬入部73aから搬入された熱膨張性シート10に熱を加えて膨張させ、膨張した熱膨張性シート10を排出部73bから排出する。膨張ユニット73は内部に照射部(図示せず)を備える。照射部は、例えば、ハロゲンランプであり、熱膨張性シート10に対して、近赤外領域(波長750〜1400nm)、可視光領域(波長380〜750nm)又は中赤外領域(波長1400〜4000nm)の光を照射する。カーボンブラックを含む黒色インクが印刷された熱膨張性シート10に光を照射すると、黒色インクが印刷された部分では、黒色インクが印刷されていない部分に比べて、より効率良く光が熱に変換される。そのため、熱膨張層13のうち、黒色インクが印刷された領域が主に加熱されて、その結果、熱膨張層13は、黒色インクが印刷された領域が膨張する。
表示ユニット74は、タッチパネル等から構成される。表示ユニット74は、例えば図4(b)に示すように、印刷ユニット72によって熱膨張性シート10に印刷される画像(図4(b)に示す星)を表示する。また、表示ユニット74は、操作ガイド等を表示し、ユーザは、表示ユニット74に触れることで、立体画像形成システム70を操作することが可能である。
(立体画像形成処理)
次に、図5に示すフローチャート及び図6(a)〜図6(e)に示す熱膨張性シート10の断面図を参照して、立体画像形成システム70によって熱膨張性シート10に立体画像を形成する処理の流れを説明する。
第1に、ユーザは、立体画像が形成される前の熱膨張性シート10を準備し、表示ユニット74を介して、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを指定する。そして、熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷ユニット72に挿入する。印刷ユニット72は、挿入された熱膨張性シート10の表面に光熱変換層(表側光熱変換層91)を印刷する(ステップS1)。表側光熱変換層91は、光を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷ユニット72は、指定された表面発泡データに従って、熱膨張性シート10の表面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図6(a)に示すように、第1のインク受容層14上に表側光熱変換層91が形成される。なお、理解を容易とするため、第1のインク受容層14上に表側光熱変換層91が形成されているように図示しているが、より正確には黒色インクは第1のインク受容層14中に受容されているため、第1のインク受容層14中に表側光熱変換層91が形成されている。
第2に、ユーザは、表側光熱変換層91が印刷された熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて膨張ユニット73に挿入する。膨張ユニット73は、挿入された熱膨張性シート10へ表面から光を照射して加熱する(ステップS2)。具体的に説明すると、膨張ユニット73は、照射部によって熱膨張性シート10の表面に光を照射する。熱膨張性シート10の表面に印刷された表側光熱変換層91は、照射された光を吸収することによって発熱する。その結果、図6(b)に示すように、熱膨張性シート10のうちの表側光熱変換層91が印刷された領域が盛り上がって膨張する。また、図6(b)において、右に示す表側光熱変換層91の黒色インクの濃度を、左に示す表側光熱変換層91と比較して濃くすると、図示するように、濃く印刷された領域をより高く膨張させることが可能となる。
第3に、ユーザは、表面が加熱されて膨張した熱膨張性シート10を、その表面を上側に向けて印刷ユニット72に挿入する。印刷ユニット72は、挿入された熱膨張性シート10の表面にカラー画像(カラーインク層92)を印刷する(ステップS3)。具体的には、印刷ユニット72は、指定されたカラー画像データに従って、熱膨張性シート10の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを吐出する。その結果、図6(c)に示すように、第1のインク受容層14及び表側光熱変換層91の上にカラーインク層92が形成される。
第4に、ユーザは、カラーインク層92が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張ユニット73に挿入する。膨張ユニット73は、挿入された熱膨張性シート10を裏面から加熱し、熱膨張性シート10の表面に形成されたカラーインク層92を乾燥させる(ステップS4)。具体的に説明すると、膨張ユニット73は、照射部によって熱膨張性シート10の裏面に光を照射させ、カラーインク層92を加熱し、カラーインク層92中に含まれる溶媒を揮発させる。
第5に、ユーザは、カラーインク層92が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて印刷ユニット72に挿入する。印刷ユニット72は、挿入された熱膨張性シート10の裏面に光熱変換層(裏側光熱変換層93)を印刷する(ステップS5)。裏側の光熱変換層93は、熱膨張性シート10の表面に印刷された光熱変換層91と同様に、光を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷ユニット72は、指定された裏面発泡データに従って、熱膨張性シート10の裏面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図6(d)に示すように、基材11の裏面に光熱変換層93が形成される。裏側光熱変換層93についても、右に示す光熱変換層93の黒色インクの濃度を、左に示す光熱変換層93と比較して濃くすると、図示するように濃く印刷された領域をより高く膨張させることが可能となる。
第6に、ユーザは、裏側光熱変換層93が印刷された熱膨張性シート10を、その裏面を上側に向けて膨張ユニット73に挿入する。膨張ユニット73は、挿入された熱膨張性シート10へ裏面から光を照射して加熱する(ステップS6)。具体的に説明すると、膨張ユニット73は、照射部(図示せず)によって熱膨張性シート10の裏面に光を照射させる。熱膨張性シート10の裏面に印刷された裏側光熱変換層93は、照射された光を吸収することによって発熱する。その結果、図6(e)に示すように、熱膨張性シート10のうちの裏側光熱変換層93が印刷された領域が盛り上がって膨張する。
以上のような手順によって、熱膨張性シート10に立体画像が形成される。
なお、光熱変換層は表側のみ又は裏側のみに形成されてもよい。光熱変換層を表側のみに印刷する場合は、上記の処理のうちステップS1〜S4を実施する。一方、光熱変換層を裏側のみに形成する場合は、上記の処理のうち、ステップS3〜S6を実施する。
(熱膨張性シート20)
次に、熱膨張性シート20を図7に示す。熱膨張性シート20が熱膨張性シート10と異なるのは、インク受容層として機能可能な層をアンカー層22として利用する点、又はアンカー層22を第1のインク受容層14と同じ材料を用いて形成する点にある。熱膨張性シート10と同様の構成要素には、同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
熱膨張性シート20は、図7に示すように、基材11、アンカー層22、熱膨張層13及び第1のインク受容層14を備える。基材11及び熱膨張層13は、熱膨張性シート10と同様の構成を採る。
また、熱膨張性シート20は、第1のインク受容層14のみを備える構成を例に挙げているため、光熱変換層は表側のみに形成される。従って、立体画像形成処理は、図5に示すフローチャートのステップS1〜S4を行う。なお、熱膨張性シート20は、基材11の裏面に熱膨張性シート10と同様に第2のインク受容層を備えてもよい。この場合は、立体画像形成処理は、図5に示すフローチャートのステップS1〜S6を行う。
熱膨張性シート20のアンカー層22は、基材11と熱膨張層13とのいずれに対しても良好な接着性を有し、更にインクジェットプリンタのインクを受容し、定着させることが可能な材料から形成される。熱膨張層13は、アンカー層22に接するように、アンカー層22上に形成される。アンカー層22としては、例えば、インクを膨潤させて受容するタイプとして用いられる、ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系等からなる群から選択される樹脂を用いることができる。これらの材料は、膨潤してインクを受容することもできるが、熱膨張層13を構成する材料とも良好な接着性を備える。このため、インク受容層としてだけでなくアンカー層22として機能させることが可能である。なお、アンカー層22としては、上述した材料以外にも、インクを受容するために使用され、熱膨張層13との接着性が良好な材料であれば、任意の材料を使用することができる。
第1のインク受容層14は、熱膨張性シート10の第1のインク受容層14と同様であり、印刷工程で使用されるインクに応じて、汎用されている材料を使用して形成される。例えば水性インクを利用する場合で、空隙を利用してインクを受容するタイプでは、第1のインク受容層14は、例えば多孔質シリカを用いて形成される。インクを膨潤させて受容するタイプでは、第1のインク受容層14は、例えば、ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系等から選択される樹脂を用いて形成される。第1のインク受容層14は任意の材料から形成されてよいが、特に、熱膨張性シート20を製造する際に、基材11上に塗布液を用いてアンカー層22を形成する場合では、第1のインク受容層14は、アンカー層22と同じ材料を用いて形成されることが好ましい。
(熱膨張性シート20の製造方法)
次に、熱膨張性シート20の製造方法を図8(a)〜図8(c)を用いて説明する。
まず、基材11としてシート状の材料を用意する。基材11としては、熱膨張性シート10の製造方法と同様に、例えばPETからなるフィルムの一方の面上にインク受容層が形成されているものを使用することが好ましい。このような一体型の基材としては、一方の面の最表面にインク受容層が形成されたOHPフィルムなどが挙げられる。基材11は、ロール状であっても、予め裁断されていてもよい。特に、基材11上に予め設けられたインク受容層は、図8(a)に示すようにアンカー層22として機能させるため、予め設けられているインク受容層は基材11だけでなく、熱膨張層13との接着性が良好である必要がある。このため、予め設けられるインク受容層は、インクを膨潤させて受容するタイプとして用いられる、ポリビニルアルコール系、ポリエステル系、ポリウレタン系脂、アクリル系等から選択される樹脂から形成される。
なお、アンカー層22として使用するインク受容層は、熱膨張性シート10と同様に、塗布液を調製し、塗布及び乾燥させることによって形成してもよい。この場合は、第1のインク受容層14を形成する材料と同じ材料を用いると、熱膨張性シート20の製造工程中で、異なる機能のために設けられる層を同じ材料によって形成することができる。
次に、熱膨張性シート10と同様に、熱可塑性樹脂等からなるバインダと熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル)とを用いて、図8(b)に示すように、熱膨張層13をアンカー層22の上に形成する。続いて、図8(c)に示すように、熱膨張層13上に第1のインク受容層14を形成する。ロール状の基材11を用いた場合は、立体画像形成システム70に適合する大きさに裁断を行う。
以上の工程により、熱膨張性シート20が製造される。
なお、上記の工程に加え、基材11の裏面に第2のインク受容層15を形成する工程を更に実施してもよい。また、第2のインク受容層15を形成する場合は、第1のインク受容層14及びアンカー層22と異なる材料を用いてもよいが、同じ材料を用いて形成することが更に材料を共通化することができ、好ましい。
上記のように熱膨張性シート20及びその製造方法では、インク受容層として機能する層が熱膨張層13に対して良好な接着性も有する場合、このインク受容層をアンカー層22として利用することにより、異なる層構成を有する熱膨張性シート10を製造する際に用いる部材と同じ部材を用いることが可能となる。具体的に、熱膨張性シート10及びその製造方法では、予め基材の一方の面に設けられたインク受容層を、その機能通りに第2のインク受容層15として使用し、他方の面にアンカー層12、熱膨張層13及び第1のインク受容層14を形成する。一方、熱膨張性シート20およびその製造方法では、予め基材の一方の面に設けられたインク受容層をアンカー層22として使用し、アンカー層22の上に熱膨張層13及び第1のインク受容層14を形成する。これにより、異なる層構成を有する熱膨張性シート10と熱膨張性シート20との間で、部材を共通化させ、部材の調達性の向上、製造コストダウンを図ることができる。
また、熱膨張性シート20の製造方法によれば、用いる材料を共通化することができる。具体的に、基材11上に予めインク受容層が形成されていない場合であっても、インクを受容可能であり更に熱膨張層13と良好な接着性を有する材料を用いてアンカー層22を形成し、同じ材料を用いて第1のインク受容層14を形成する。これにより、熱膨張性シート20に含まれる第1のインク受容層14とアンカー層22とを同じ材料から形成することができ、材料の調達性の向上及び製造コストダウンを図ることができる。
(熱膨張性シート30)
次に、熱膨張性シート30を図9に示す。熱膨張性シート30が熱膨張性シート10と異なるのは、第3のインク受容層31の上にアンカー層32が形成される点にある。実施形態1と同様の構成要素には、同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
熱膨張性シート30は、図9に示すように、基材11、第3のインク受容層31、アンカー層32、熱膨張層13及び第1のインク受容層14を備える。なお、熱膨張性シート30は、実施形態1と同様に基材11の裏面に第2のインク受容層15を備えてもよい。
第3のインク受容層31は、第1のインク受容層14を構成する材料と同様に、インクジェットプリンタのインクを受容し、定着させることが可能な材料から形成される。第3のインク受容層31は、実施形態2のアンカー層22と異なり、インクジェットプリンタのインクを受容することができる層ではあるが、熱膨張層13との接着性がアンカー層22と比較して低い層である。例えば、第3のインク受容層31としては、空隙を利用するタイプである、多孔質シリカ等が用いられる。
アンカー層32は、実施形態1のアンカー層12として挙げた材料から形成され、第3のインク受容層31と、熱膨張層13とに対して良好な接着性を有する層である。アンカー層32によって、熱膨張層13を膨張させた際、熱膨張層13が剥離することを抑制する。
(熱膨張性シート30の製造方法)
次に、熱膨張性シート30の製造方法を図10(a)〜図10(d)を用いて説明する。
まず、基材11としてシート状の材料を用意する。基材11としては、熱膨張性シート10の製造方法と同様に、例えばPETからなるフィルムの一方の面の最表面(最上面)上にインク受容層が形成されているものを使用する。このような基材としては、一方の面にインク受容層が形成されたOHPフィルムなどが挙げられる。基材11は、ロール状であっても、予め裁断されていてもよい。特に、基材11上に予め設けられたインク受容層は、図10(a)に示すように第3のインク受容層31として使用する。また、熱膨張性シート30では、予め設けられているインク受容層は、その上にアンカー層32が形成されるため、熱膨張層13との間の接着性は低くてよく、多孔質シリカ等から選択される材料から形成される。
次に、基材11の一方の面上(図10(a)に示す上面)に、アンカー層32として用いる材料の溶液またはエマルジョンを調製する。続いて、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の公知の塗布装置を用いて、塗布液を基材11上に塗布する。続いて塗膜を乾燥させ、図10(b)に示すように、アンカー層32を形成する。
次に、熱膨張性シート10と同様に、熱可塑性樹脂等からなるバインダと熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル)とを用いて、図10(c)に示すように、熱膨張層13をアンカー層32の上に形成する。続いて、図10(d)に示すように、熱膨張層13上に第1のインク受容層14を形成する。ロール状の基材11を用いた場合は、立体画像形成システム70に適合する大きさに裁断を行う。
以上の工程により、熱膨張性シート30が製造される。
なお、上記の工程に加え、基材11の裏面に第2のインク受容層15を形成する工程を更に実施してもよい。
上記のように熱膨張性シート30及びその製造方法では、本来インク受容層として機能する層の上にアンカー層32を形成することにより、熱膨張性シート10を製造する際に用いる部材と同じ部材を用いることが可能となる。具体的に、熱膨張性シート10及びその製造方法では、予めシートの一方の面に設けられたインク受容層を、その機能通りに第2のインク受容層15として使用し、他方の面にアンカー層12、熱膨張層13及び第1のインク受容層14を形成する。一方、熱膨張性シート30では、予め一方の面に設けられたインク受容層は、熱膨張層13に対する接着性が高くないため、インク受容層の上にアンカー層32を形成し、アンカー層32の上に熱膨張層13及び第1のインク受容層14を形成する。これにより、異なる層構成を有する熱膨張性シート10と熱膨張性シート30との間で、部材を共通化し、調達性の向上及び製造コストダウンを図ることができる。
上述したように本実施形態の熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法によれば、インク受容層として機能する層をアンカー層として用いる、又はインク受容層の上にアンカー層を更に形成することにより、他の熱膨張性シートを製造する際に使用される部材と同じ部材を用いて熱膨張性シートを製造することができる。従って、本実施形態の熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法によれば、部材の調達性が向上し、製造コストを下げるという効果が得られる。
加えて、1種類の熱膨張性シートを製造する場合であっても、目的とする機能が異なる第1のインク受容層とアンカー層との材料を共通化させることによって材料の調達性が向上し、製造コストの低下を図ることができる。
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な応用が可能である。
上述した各実施形態では、基材11の裏面に第2のインク受容層15を備える構成、もしくは第2のインク受容層15を備えない構成を例に挙げているが、これに限られず、基材11の裏面に、接着層及び剥離紙を備える構成であってもよい。接着層及び剥離紙を備えることにより、立体画像が印刷された熱膨張性シートを、容器等の様々な物に貼り付けることが可能となる。
例えば、図11に示す熱膨張性シート40は、熱膨張性シート20の裏面に接着層45及び剥離紙46を設けたものである。この場合、図11に示すように、熱膨張性シート40は、基材11、アンカー層22、熱膨張層13、第1のインク受容層14、接着層45、剥離紙46を備える。接着層45は、一般的に使用されている接着剤であり、熱膨張性シートを貼り付ける対象物に応じて適宜選択される。剥離紙46は、シール等の台紙として一般的に使用されている材料から形成される。剥離紙46は、紙に限らず、フィルムであってもよい。アンカー層22は、熱膨張性シート20と同様に、インク受容層としても用いられる材料から形成されており、更に熱膨張層13との接着性が良好な層である。また、剥離紙46上(図11では、剥離紙46の下面)に第2のインク受容層15を設けてもよい。
また、熱膨張性シート40を製造する際は、基材11の一方の面にインク受容層(アンカー層22)が設けられており、他方の面に接着層45及び剥離紙46が設けられたシートを入手し、このシートを利用し、熱膨張層13等を形成すると製造工程を簡略化できて好ましい。
同様に、図12に示す熱膨張性シート50は、熱膨張性シート30の裏面に接着層及び剥離紙を設けたものである。この場合、図12に示すように、熱膨張性シートは、基材11、第3のインク受容層31、アンカー層32、熱膨張層13、第1のインク受容層14、接着層45及び剥離紙46を備える。接着層45は、一般的に使用されている接着剤であり、熱膨張性シートを貼り付ける対象物に応じて適宜選択される。剥離紙46は、シール等の台紙として一般的に使用されている材料から形成される。第3のインク受容層31は、実施形態3と同様に、インクを受容し定着させる層であるが、熱膨張層との接着性が低い層である。アンカー層32は熱膨張性シート30と同様に熱膨張層13との接着性が良好な層である。また、剥離紙46上(図11では、剥離紙46の下面)に第2のインク受容層15を設けてもよい。
また、熱膨張性シート50を製造する際は、基材11の一方の面にインク受容層(第3のインク受容層31)が設けられており、他方の面に接着層45及び剥離紙46が設けられたシートを入手し、このシートを利用し、アンカー層32、熱膨張層13等を形成すると製造工程を簡略化できて好ましい。
なお、各実施形態において用いられている図は、いずれも各実施形態を説明するためのものである。従って、熱膨張性シートの各層の厚みが、図に示されているような比率で形成されると限定して解釈されることを意図するものではない。例えば、図1では基材11は熱膨張層13より薄く図示されているが、基材11が熱膨張層13と同じ厚みに形成される構成、又は熱膨張層13より厚く形成される構成を排除するものではない。他の層についても同様である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層と、
前記インク受容層上に形成され、熱膨張性材料を含む熱膨張層と、を備える、
ことを特徴とする熱膨張性シート。
[付記2]
前記インク受容層は、前記基材と前記熱膨張層とに対して接着性を有し、アンカー層として機能する、
ことを特徴とする付記1に記載の熱膨張性シート。
[付記3]
前記熱膨張層上に形成された第1のインク受容層を備え、
前記第1のインク受容層は、前記インク受容層と同じ材料から形成される、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の熱膨張性シート。
[付記4]
前記インク受容層の上に設けられたアンカー層を更に備え、
前記熱膨張層は前記アンカー層上に形成される、
ことを特徴とする付記1に記載の熱膨張性シート。
[付記5]
基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層の上に、熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する工程を含む、
ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
[付記6]
前記インク受容層は、前記基材と前記熱膨張層とに対して接着性を有し、
前記インク受容層をアンカー層として機能させる、
ことを特徴とする付記5に記載の熱膨張性シートの製造方法。
[付記7]
前記熱膨張層上に第1のインク受容層を形成する工程を更に含み、
前記第1のインク受容層と、前記インク受容層とを同じ材料から形成する、
ことを特徴とする付記5又は6に記載の熱膨張性シートの製造方法。
[付記8]
前記インク受容層の上にアンカー層を形成する工程を更に含み、
前記アンカー層の上に前記熱膨張層を形成する、
ことを特徴とする付記5に記載の熱膨張性シートの製造方法。
[付記9]
熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程を含み、
前記熱膨張層形成工程では、インクを受容することが可能なインク受容層を最表面に有する基材を用い、
前記インク受容層を前記基材と前記熱膨張層との間におけるアンカー層として機能させるために、前記熱膨張層を前記インク受容層に接するように形成する、
ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
[付記10]
熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程を含み、
前記熱膨張層形成工程では、インクを受容することが可能なインク受容層を最表面に有する基材を用い、
前記インク受容層を前記基材と前記熱膨張層との間の接着力を高める層として機能させるために、前記熱膨張層を前記インク受容層に接するように形成する、
ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
10、20、30、40、50・・・熱膨張性シート、11・・・基材、12、22、32・・・アンカー層、13・・・熱膨張層、14・・・第1のインク受容層、15・・・第2のインク受容層、31・・・第3のインク受容層、45・・・接着層、46・・・剥離紙、60・・・コロナ処理装置、61・・・処理ロール、62・・・電極、63・・・ガイドロール、70・・・立体画像形成システム、71・・・制御ユニット、72・・・印刷ユニット、72a・・・搬入部、72b・・・排出部、73・・・膨張ユニット、73a・・・搬入部、73b・・・排出部、74・・・表示ユニット、75・・・天板、80・・・フレーム、81・・・側面板、82・・・連結ビーム、91・・・表側光熱変換層、92・・・カラーインク層、93・・・裏側光熱変換層

Claims (10)

  1. 基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層と、
    前記インク受容層上に形成され、熱膨張性材料を含む熱膨張層と、を備える、
    ことを特徴とする熱膨張性シート。
  2. 前記インク受容層は、前記基材と前記熱膨張層とに対して接着性を有し、アンカー層として機能する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱膨張性シート。
  3. 前記熱膨張層上に形成された第1のインク受容層を備え、
    前記第1のインク受容層は、前記インク受容層と同じ材料から形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱膨張性シート。
  4. 前記インク受容層の上に設けられたアンカー層を更に備え、
    前記熱膨張層は前記アンカー層上に形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱膨張性シート。
  5. 基材の一方の面に形成され、インクを受容することが可能なインク受容層の上に、熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する工程を含む、
    ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
  6. 前記インク受容層は、前記基材と前記熱膨張層とに対して接着性を有し、
    前記インク受容層をアンカー層として機能させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱膨張性シートの製造方法。
  7. 前記熱膨張層上に第1のインク受容層を形成する工程を更に含み、
    前記第1のインク受容層と、前記インク受容層とを同じ材料から形成する、
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の熱膨張性シートの製造方法。
  8. 前記インク受容層の上にアンカー層を形成する工程を更に含み、
    前記アンカー層の上に前記熱膨張層を形成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱膨張性シートの製造方法。
  9. 熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程を含み、
    前記熱膨張層形成工程では、インクを受容することが可能なインク受容層を最表面に有する基材を用い、
    前記インク受容層を前記基材と前記熱膨張層との間におけるアンカー層として機能させるために、前記熱膨張層を前記インク受容層に接するように形成する、
    ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
  10. 熱膨張性材料を含む熱膨張層を形成する熱膨張層形成工程を含み、
    前記熱膨張層形成工程では、インクを受容することが可能なインク受容層を最表面に有する基材を用い、
    前記インク受容層を前記基材と前記熱膨張層との間の接着力を高める層として機能させるために、前記熱膨張層を前記インク受容層に接するように形成する、
    ことを特徴とする熱膨張性シートの製造方法。
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