JP6992287B2 - フィルム成型シート、カラー画像形成フィルムシートの製造方法及びカラー画像形成フィルムシートの成型方法 - Google Patents

フィルム成型シート、カラー画像形成フィルムシートの製造方法及びカラー画像形成フィルムシートの成型方法 Download PDF

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本発明は、吸収した熱量に応じて発泡して膨張する熱膨張層を用いたフィルム成型シート、カラー画像形成フィルムシートの製造方法及びカラー画像形成フィルムシートの成型方法に関する。
従来、フィルムを凹凸状に成型することが行われている。フィルムの成型方法としては、例えば凹状の型と凸状の型とからなるエンボス型を用いるエンボス加工が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平6-8254号公報
しかし、エンボス加工を施すためには、成型する形ごとに事前に型を用意する必要があるという問題がある。更にエンボス型を作成するには、時間と費用とが必要であるという問題もある。
従って、事前に型などを用意せず、容易にフィルムを成型することが可能な方法が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フィルム成型シート、カラー画像形成フィルムシートの製造方法及びカラー画像形成フィルムシートの成型方法を提供することを目的とする。
本発明に係るフィルム成型シートは、
基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルム層と、を備えるフィルム成型シートであって、
前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成された、電磁波を熱に変換する熱変換層と、
前記所定の2領域に、又は前記熱変換層が部分的に形成された部分と形成されていない部分とに、少なくとも形成されたカラー画像とを、さらに備える、
ことを特徴とする。
本発明に係るカラー画像形成フィルムシートの製造方法は、
基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルム層とを備える、フィルム成型シートを準備する成型シート準備工程と、
前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、電磁波を熱に変換する熱変換層を、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成する熱変換層形成工程と、
前記フィルム成型シートの前記フィルム層の一面上にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
前記熱変換層に前記所定の電磁波を照射することにより前記熱変換層の前記帯熱量に応じて前記熱膨張層を膨張させて前記熱膨張層の表面を隆起させるとともに、前記フィルム層を前記熱膨張層の前記表面の隆起に伴わせて変形させるフィルム層変形工程と、
変形した前記フィルム層を前記熱膨張層から剥離する剥離工程と、を有る、
ことを特徴とする。
本発明に係るカラー画像形成フィルムシートの成型方法は、
基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルムとを備えるフィルム成型シートを準備する成型シート準備工程と、
前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、電磁波を熱に変換する熱変換層を、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成する熱変換層形成工程と、
前記フィルム成型シートの前記フィルム層の一面上にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
記熱変換層に前記所定の電磁波を照射することにより前記熱変換層の前記帯熱量に応じて前記熱膨張層を膨張させて前記熱膨張層の表面を隆起させるとともに、前記フィルム層を前記熱膨張層の前記表面の隆起に伴わせて変形させるフィルム層変形工程と、
を有する
ことを特徴とする。
本発明によれば、フィルム成型シート、カラー画像形成フィルムシートの製造方法及びカラー画像形成フィルムシートの成型方法を提供することができる。
第1実施形態に係るフィルム成型シートの概要を示す断面図である。 第1実施形態に係るフィルム成型シートの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係るフィルム成型シートの製造に用いるラミネート装置の概要を示す図である。 第1実施形態に係るフィルム成型装置の概要を示す図である。 第1実施形態に係る成型プロセスを示すフローチャートである。 第1実施形態に係る成型プロセスを示す断面図である。 第1実施形態に係る成型プロセスを示す平面図である。 第2実施形態に係る成型プロセスを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る成型プロセスを示す断面図である。 第2実施形態に係る成型プロセスを示す平面図である。 (a)は、フィルム成型シートの変形例を示す図であり、(b)は、成型プロセスの変形を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係るフィルム成型シート、フィルム成型シートの製造方法及びフィルム成型方法について、図面を用いて詳細に説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るフィルム成型シート10は、基材11、熱膨張層12、フィルム13、インク受容層14を備える。
基材11は、熱膨張層12等を支持するシート状の部材である。基材11の一方の面(表面、図1では上面)上には、熱膨張層12が形成される。基材11としては、上質紙等の紙を使用する。または一般的に使用されている樹脂製のシート(フィルムを含む)を適宜選択して使用することができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂等から選択される材料を含む。また、基材11は、熱膨張層12が全体的又は部分的に発泡により膨張した時に、基材11の反対側(図1に示す下側)に隆起せず、また、しわが生じたり、大きく波打ったりしない程度の強度を備える。加えて、熱膨張層12を発泡させる際の加熱に耐える程度の耐熱性を有する。なお、基材11として、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂製のシートを用いる場合は、後述するように基材11の裏面へ良好に電磁波熱変換層を形成することができるよう、基材11の裏面にインク受容層を設けることが好ましい。
熱膨張層12は、基材11の一方の面(図1では、上面)上に形成される。熱膨張層12は、加熱温度、加熱時間に応じた大きさに膨張する層であって、バインダ中に複数の熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル、マイクロカプセル)が分散配置されている。バインダとしては、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の熱可塑性樹脂を用いる。また、熱膨張性マイクロカプセルは、プロパン、ブタン、その他の低沸点気化性物質を、熱可塑性樹脂の殻内に含むものである。殻は、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、あるいは、それらの共重合体等の熱可塑性樹脂から形成される。熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径は、約5~50μmである。このマイクロカプセルを熱膨張開始温度以上に加熱すると、樹脂からなる高分子の殻が軟化し、内包されている低沸点気化性物質が気化し、その圧力によってカプセルが膨張する。用いるマイクロカプセルの特性にもよるが、マイクロカプセルは膨張前の粒径の5倍程度に膨張する。なお、マイクロカプセルの粒径には、ばらつきがあり、全てのマイクロカプセルが同じ粒径を有するものではない。
また、詳細に後述するように、本実施形態では、熱膨張層12は、フィルム13を成型する際の型として機能させる。具体的には、基材11の下面(裏面)に電磁波を熱へと変換させる電磁波熱変換層(以下、単に熱変換層とも呼ぶ)を形成し、電磁波を照射することで、電磁波熱変換層が設けられた領域を発熱させる。電磁波熱変換層は、電磁波の照射により、熱を帯びるため、帯熱層とも呼べる。この熱を吸収し、熱膨張層12は発泡、膨張し、少なくとも一部において熱膨張層12の層表面が隆起する。これを利用し、電磁波熱変換層の濃度、形状を調整し、フィルム13を成型するための型の形状に熱膨張層12を発泡、膨張させる。具体的には、電磁波熱変換層の帯熱量が少なくとも所定の2領域間で、もしくは部分的に異なるように電磁波熱変換層を形成する。フィルム13は、この熱膨張層12を膨張させる際に電磁波熱変換層から発せられる熱により軟化し、更に熱膨張層12の膨張に追従し、熱膨張層12に沿って変形する。従って、フィルム13を、熱膨張層12の膨張(変形)と同時に変形させ、熱膨張層12の膨張後の形状とほぼ一致するように変形させることができる。また、換言すると、熱膨張層12は、いわゆるエンボス加工における凸状の型の機能を果たす。
フィルム13は、熱膨張層12上に設けられる。詳細に後述するように、フィルム13は、電磁波熱変換層において生じた熱により軟化し、更に熱膨張層12の膨張に追従して変形し、成型されるべき形へと変形する。このため、フィルム13は、電磁波熱変換層において生じた熱によって軟化されることが可能な材料から形成される。更に、フィルム13は、熱膨張層12の膨張に追従して変形可能であり、変形後はその形を保持可能な材料から形成される。加えて、フィルム13は、変形後の形を保持可能な厚みを備える。また、フィルム13としては、このような条件を満たす材料であれば、任意の材料からなるフィルムを使用することができる。フィルム13は、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン系、ポリビニルアルコール系、ポリプロピレン系、ポリ塩化ビニル系、又はこれらの共重合体等から選択される樹脂から形成される。フィルム13は、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体から形成される。また、フィルム13は、成型後に熱膨張層12から剥離されるため、熱膨張層12上に剥離可能に接着されている。なお、フィルム13は、単層のフィルムに限られず、複数の層を有するラミネートフィルムであってもよい。
インク受容層14は、フィルム13上に形成される。インク受容層14は、印刷工程で使用されるインク、例えば、インクジェットプリンタのインクを受容し、定着させる層である。インク受容層14は、印刷工程で使用されるインクに応じて、汎用されている材料を使用して形成される。例えば水性インクを利用する場合で、空隙を利用してインクを受容するタイプでは、インク受容層14は、例えば多孔質シリカを用いて形成される。インクを膨潤させて受容するタイプでは、インク受容層14は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等から選択される樹脂を用いて形成される。なお、フィルム13の成型のみ行い、フィルム13上に印刷を施さない場合、フィルム13がその表面に印刷可能な材料からなる場合等では、インク受容層14を省略することも可能である。
(フィルム成型シート10の製造方法)
次に、フィルム成型シート10の製造方法を図2(a)~図2(c)及び図3を用いて説明する。
まず、基材11としてシート状の紙を用意する。基材11は、例えばロール紙を使用する。また、以下に示す製造方法はロール式に限らず、一部又は全部の工程を枚葉式で行うことも可能である。
次に、熱可塑性樹脂等からなるバインダと熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル)とを混合させ、熱膨張層12を形成するための塗布液を調製する。続いて、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の公知の塗布装置を用いて、塗布液を基材11の一方の面(図2(a)に示す上面)上に塗布する。続いて、塗膜を乾燥させ、図2(a)に示すように熱膨張層12を形成する。なお、目標とする熱膨張層12の厚みを得るため、塗布液の塗布及び乾燥を複数回行ってもよい。
次に、図3に示すラミネート装置70を用いて、フィルム13を貼り付ける。ラミネート装置70は、図3に示すように、入力ローラ71、ヒータローラ72、ローラ73、及び出力ローラ74を備える。熱膨張層12が形成された基材11は、巻き取られた状態で、装置の巻き出し位置に置かれる。基材11は、入力ローラ71に向かって搬送される。基材11は、一対の入力ローラ71の間を通り、ヒータローラ72及びローラ73に向かって搬送される。フィルム13はヒータローラ72へと供給される。フィルム13は、ヒータローラ72によって熱せられるとともに、ヒータローラ72とローラ73との間を通過する際、圧がかけられ基材11(熱膨張層12)に対して剥離可能に接着される。フィルム13の接着後、基材11は、一対の出力ローラ74の間を通り、搬出され、巻き取られる。これにより、図2(b)に示すように、フィルム13が貼り付けられる。
次に、インク受容層14を構成する材料、例えば多孔質シリカ、PVA等から選択される材料を用いて塗布液を調製する。続いて、この塗布液を、バーコータ、ローラーコータ、スプレーコータ等の方式による公知の塗布装置を用いて、フィルム13上に塗布する。なお、目標とするインク受容層14の厚みを得るため、塗布液の塗布及び乾燥を複数回行ってもよい。続いて、塗膜を乾燥させ、図2(c)に示すように、第2のインク受容層14を形成する。また、インク受容層14、塗布液を用いて形成する構成に限られず、例えばフィルム13として、表面に予めインク受容層が形成されたフィルムを使用し、この予め形成されているインク受容層をインク受容層14として用いることも可能である。
また、ロール状の基材11を用いた場合は、フィルム成型システム50に適合する大きさに裁断を行う。
以上の工程により、フィルム成型シート10が製造される。
(フィルム成型システム)
次に、本実施形態のフィルム成型シート10を用いてフィルム13を成型するフィルム成型システム50について説明する。図4(a)~図4(c)に示すように、フィルム成型システム50は、制御ユニット51と、印刷ユニット52と、膨張ユニット53と、表示ユニット54と、天板55と、フレーム60と、を備える。図4(a)は、フィルム成型システム50の正面図であり、図4(b)は、天板55を閉じた状態におけるフィルム成型システム50の平面図であり、図4(c)は、天板55を開いた状態におけるフィルム成型システム50の平面図である。なお、図4(a)~図4(c)において、X方向は水平方向と同一であり、Y方向はシートが搬送される搬送方向Dと同一であり、更にZ方向は鉛直方向と同一である。X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する。
制御ユニット51、印刷ユニット52、膨張ユニット53は、それぞれ図4(a)に示すようにフレーム60内に載置される。具体的に、フレーム60は、一対の略矩形状の側面板61と、側面板61の間に設けられた連結ビーム62とを備え、側面板61の上方に天板55が渡されている。また、側面板61の間に渡された連結ビーム62の上に印刷ユニット52及び膨張ユニット53がX方向に並んで設置され、連結ビーム62の下に制御ユニット51が固定されている。表示ユニット54は天板55内に、天板55の上面と高さが一致するように埋設されている。
制御ユニット51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、印刷ユニット52、膨張ユニット53及び表示ユニット54を制御する。
印刷ユニット52は、インクジェット方式の印刷装置である。図4(c)に示すように、印刷ユニット52は、フィルム成型シート10を搬入するための搬入部52aと、フィルム成型シート10を排出するための排出部52bと、を備える。印刷ユニット52は、搬入部52aから搬入されたフィルム成型シート10の表面及び/又は裏面に指示された画像を印刷し、画像が印刷されたフィルム成型シート10を排出部52bから排出する。また、印刷ユニット52には、後述するカラーインク層41a,41bを形成するためのカラーインク(シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y))、と、裏側熱変換層42a,42bとを形成するための黒色インク(カーボンブラックを含む)とが備えられている。なお、カラーインク層41a,41bにおいて黒又はグレーの色を形成するため、カラーインクとして、カーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に備えてもよい。
印刷ユニット52は、フィルム成型シート10の表面に印刷するカラー画像(カラーインク層41a,41b)を示すカラー画像データを制御ユニットから取得し、カラー画像データに基づいて、カラーインク(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))を用いてカラー画像(カラーインク層41a,41b)を印刷する。カラーインク層41a,41bの黒又はグレーの色は、CMYの3色を混色して形成する、もしくは、カーボンブラックを含まない黒のカラーインクを更に使用して形成する。
また、印刷ユニット52は、フィルム成型シート10の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである裏面発泡データに基づき、黒色インクを用いて裏側電磁波熱変換層42a,42bを印刷する。また、カーボンブラックを含む黒色インクは、電磁波を熱に変換する材料の一例である。従って、電磁波を熱に変換することが可能であれば、この他の材料を用いることも可能である。黒色インクの濃度がより濃く形成された部分ほど、熱膨張層12の膨張高さは高くなる。このため、黒色インクの濃度は、目標高さに対応するように濃淡が決定される。
膨張ユニット53は、フィルム成型シート10に熱を加えて熱膨張層12を膨張させる膨張装置である。図4(c)に示すように、膨張ユニット53は、フィルム成型シート10を搬入するための搬入部53aと、フィルム成型シート10を排出するための排出部53bと、を備える。膨張ユニット53は、搬入部53aから搬入されたフィルム成型シート10に熱を加えて熱膨張層12を膨張させ、膨張したフィルム成型シート10を排出部53bから排出する。膨張ユニット53は内部に照射部(図示せず)を備える。照射部は、例えば、ハロゲンランプであり、フィルム成型シート10に対して、近赤外領域(波長750~1400nm)、可視光領域(波長380~750nm)又は中赤外領域(波長1400~4000nm)の光(電磁波)を照射する。カーボンブラックを含む黒色インクが印刷されたフィルム成型シート10に光を照射すると、黒色インクが印刷された部分では、黒色インクが印刷されていない部分に比べて、より効率良く光が熱に変換される。そのため、熱膨張層12のうち、黒色インクが印刷された領域が主に加熱されて、その結果、熱膨張層12は、黒色インクが印刷された領域が膨張する。熱膨張層12の膨張に追従し、熱膨張層12の形状に沿ってフィルム13が変形し、フィルム13は成型が施される。なお、照射部はハロゲンランプに限られず、電磁波を照射可能であれば、他の構成を採ることも可能である。また、電磁波の波長も上記の範囲に限定されるものではない。
表示ユニット54は、タッチパネル等から構成される。表示ユニット54は、例えば図4(b)に示すように、印刷ユニット52によってフィルム成型シート10に印刷される画像(図4(b)に示す星)を表示する。また、表示ユニット54は、操作ガイド等を表示し、ユーザは、表示ユニット54に触れることで、フィルム成型システム50を操作することが可能である。
(フィルム成型処理)
次に、図5に示すフローチャート及び図6(a)~図6(d)に示すフィルム成型シート10の断面図及び図7(a)~図7(c)に示すフィルム成型シート10の平面図を参照して、フィルム成型システム50によってフィルム成型シート10上でフィルム13を成型する処理の流れを説明する。
第1に、ユーザは、成型前のフィルム成型シート10を準備し、表示ユニット54を介して、カラー画像データ及び裏面発泡データを指定する。そして、フィルム成型シート10を、その表面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入されたフィルム成型シート10の表面(インク受容層14上)にカラー画像(カラーインク層41a,41b)を印刷する(ステップS1)。具体的には、印刷ユニット52は、指定されたカラー画像データに従って、フィルム成型シート10の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを吐出する。その結果、図6(a)に示すように、インク受容層14上にカラーインク層41a,41bが形成される。図7(a)はステップS1が終了した時点でのフィルム成型シート10の平面図である。なお、図6(a)は、図7(a)のA-A’線断面図に相当し、図6(a)では両端を省略して図示するものである。なお、理解を容易とするため、インク受容層14上にカラーインク層41a,41bが形成されているように図示しているが、より正確にはカラーインクはインク受容層14中に受容されているため、インク受容層14中にカラーインク層41a,41bが形成されている。
第2に、ユーザは、カラーインク層41a,41bが印刷されたフィルム成型シート10を、その裏面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入されたフィルム成型シート10の裏面に電磁波熱変換層(裏側熱変換層42a,42b)を印刷する(ステップS2)。裏側熱変換層42a,42bは、電磁波を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷ユニット52は、指定された裏面発泡データに従って、フィルム成型シート10の裏面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図6(b)及び図7(b)に示すように、基材11の裏面に裏側熱変換層42a,42bが形成される。なお、図7(b)は、フィルム成型シート10の裏面からの平面図である。
また、裏面発泡データは、熱膨張層12の発泡、膨張後の形状が、フィルム13を成型する型として機能するように決定される。電磁波照射時の帯熱量は、電磁波熱変換層の有無、又は電磁波熱変換層の印刷濃度(インク濃度)によって変化する。このため、裏面発泡データを決定する際、熱膨張層12の膨張後の形状が、型として機能可能な凹凸形状となるよう、少なくとも2領域間において、電磁波熱変換層のインク濃淡(印刷濃度)及び/又は電磁波熱変換層を形成する領域を、決定する。具体的には、i)ある領域では電磁波熱変換層を形成し、別の領域では電磁波熱変換層を形成しない、ii)ある領域ではインク濃度(印刷濃度)を濃くし、別の領域ではインク濃度を薄くする、又はiii)これらを組み合わせることにより、裏面発泡データを決定する。また、上記i)~iii)の決定は、所定の2領域間で行う場合に限らず、3以上の領域間で行うことも可能である。図6(b)及び図7(b)を例に挙げると、本実施形態では、カラーインク層41a,41bが設けられた領域が盛り上がるような形(凸状)となるように変形させるため、裏側熱変換層42aは、星形の枠状に、裏側熱変換層42bは、中を塗りつぶした星型に形成される。これにより、裏側熱変換層42aが形成された領域は、熱膨張層12は膨張により、その表面を星型の枠状に隆起させ、裏側熱変換層42bが形成された領域の熱膨張層12を、全体的に星型に隆起させることができる。これに対し、裏側熱変換層が形成されなかった領域では、熱膨張層12は膨張しない。このようにして、熱膨張層12の膨張後の形状を、型として機能させることが可能となる。なお、裏側熱変換層42a,42bの面内で濃度を変える、又は裏側熱変換層42aの印刷濃度を裏側熱変換層42bと異ならせることも可能である。
第3に、ユーザは、裏側熱変換層42a,42bが印刷されたフィルム成型シート10を、その裏面を上側に向けて膨張ユニット53に挿入する。膨張ユニット53は、挿入されたフィルム成型シート10へ裏面から電磁波を照射して加熱する(ステップS3)。具体的に説明すると、膨張ユニット53は、照射部(図示せず)によってフィルム成型シート10の裏面に電磁波を照射させる。フィルム成型シート10の裏面に印刷された裏側熱変換層42a,42bは、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、図6(c)に示すように、フィルム成型シート10のうちの裏側熱変換層42a,42bが印刷された領域は、裏側熱変換層42a,42bが熱を帯びるため、熱膨張層12が盛り上がって膨張する。具体的には裏側熱変換層42aが形成された領域は、星形の枠状に盛り上がり、裏側熱変換層42bが形成された領域aは、星型に全体に盛り上がる。また、図7(b)はステップS3が終了した時点でのフィルム成型シート10の平面図である。なお、図6(c)は、図7(c)のC-C’線断面図に相当し、図6(c)では両端を省略して図示するものである。裏側熱変換層42a,42bから発せられる熱により、熱膨張層12が膨張し、更にフィルム13は軟化する。続いて、図6(c)に示すように、フィルム13は熱膨張層12の膨張に追従し、熱膨張層12の層表面に沿って変形する。続いて、フィルム13は空冷等により、冷却される。これにより、フィルム13は、熱膨張層12の膨張後の形状に沿った形に成型される。換言すると、本実施形態では、熱膨張層12は、いわゆるエンボス加工における凸状の型の機能を果たす。
第4に、ユーザは、フィルム13を熱膨張層12から剥離し(ステップS4)、成型されたフィルム13が得られる。
以上のような手順によって、フィルム成型シート10上でフィルム13を成型することができる。
上述したように、本実施形態のフィルム成型シート、フィルム成型シートの製造方法及びフィルム成型方法では、基材11の一方の面上に設けられ、吸収した熱量に応じて発泡、膨張する熱膨張層12と、熱膨張層12上に剥離可能に接着されたフィルム13とを備えるフィルム成型シート10を用い、基材11の他方の面上に電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成する。続いて、電磁波熱変換層に電磁波を照射し、熱膨張層12を膨張させ、フィルム13を熱膨張層12に沿って変形させ、フィルム13を成型する。このように、熱膨張層12をフィルム13を成型する型として利用することにより、容易にフィルムを成型することが可能となる。また、事前に型を用意する必要がなく、型を形成する費用、時間も不要である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るフィルム成型方法について、図面を用いて詳細に説明する。第2実施形態のフィルム成型方法が、第1の実施形態と異なるのは、電磁波熱変換層をフィルム成型シート10の表面にも形成する点にある。フィルム成型シート10、フィルム成型シート10の製造方法及びフィルム成型システムについては、第1実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
(フィルム成型処理)
以下、図8に示すフローチャート及び図9(a)~図10(f)に示すフィルム成型シート10の断面図を参照して、フィルム成型システム50によってフィルム成型シート10上でフィルム13を成型する処理の流れを説明する。なお、第2実施形態でも、フィルム13は第1実施形態と同じ形(星型)に成型する場合を例に挙げるが、一方の形を表側に形成される電磁波熱変換層を用いて成型し、他方を裏側に形成される電磁波熱変換層を用いて成型する点が異なる。
第1に、ユーザは、フィルム13が成型される前のフィルム成型シート10を準備し、表示ユニット54を介して、カラー画像データ、表面発泡データ及び裏面発泡データを指定する。そして、フィルム成型シート10を、その表面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入されたフィルム成型シート10の表面(インク受容層14上)に電磁波熱変換層(表側熱変換層45)を印刷する(ステップS21)。表側熱変換層45は、電磁波を熱に変換する材料、具体的にはカーボンブラックを含む黒色インクで形成された層である。印刷ユニット52は、指定された表面発泡データに従って、フィルム成型シート10の表面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図9(a)に示すように、インク受容層14上に表側熱変換層45が形成される。なお、理解を容易とするため、インク受容層14上に表側熱変換層45が形成されているように図示しているが、より正確には黒色インクはインク受容層14中に受容されているため、インク受容層14中に表側熱変換層45が形成されている。また、本実施形態では、一方の形(図7(c)に示す右側の星型)を表側熱変換層を用いて成型する。
第2に、ユーザは、表側熱変換層45が印刷されたフィルム成型シート10を、その表面を上側に向けて膨張ユニット53に挿入する。膨張ユニット53は、挿入されたフィルム成型シート10へ表面から電磁波を照射して加熱する(ステップS22)。具体的に説明すると、膨張ユニット53は、照射部によってフィルム成型シート10の表面に電磁波を照射する。フィルム成型シート10の表面に印刷された表側熱変換層45は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、図9(b)に示すように、熱膨張層12のうちの表側熱変換層45が印刷された領域が盛り上がって膨張する。表側熱変換層45から発せられる熱により、熱膨張層12が膨張し、更にフィルム13は軟化する。続いて、図9(b)に示すように、熱膨張層12の膨張に追従し、フィルム13が変形する。これにより、フィルム13は、熱膨張層12の膨張する高さに沿った形に成型される。
第3に、ユーザは、表面が加熱されて膨張したフィルム成型シート10を、その表面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入されたフィルム成型シート10の表面にカラー画像(カラーインク層46a,46b)を印刷する(ステップS23)。具体的には、印刷ユニット52は、指定されたカラー画像データに従って、フィルム成型シート10の表面に、シアンC、マゼンタM及びイエローYの各インクを吐出する。その結果、図9(c)に示すように、インク受容層14及び表側熱変換層45の上にカラーインク層46a,46bが形成される。カラーインク層46a,46bについても、理解を容易とするため、インク受容層14上又は表側熱変換層45上にカラーインク層46a,46bが形成されているように図示しているが、より正確にはカラーインクはインク受容層14中に受容されている。
第4に、ユーザは、カラーインク層46a,46bが印刷されたフィルム成型シート10を、その裏面を上側に向けて印刷ユニット52に挿入する。印刷ユニット52は、挿入されたフィルム成型シート10の裏面に電磁波熱変換層(裏側熱変換層47)を印刷する(ステップS24)。印刷ユニット52は、指定された裏面発泡データに従って、フィルム成型シート10の裏面に、カーボンブラックを含む黒色インクを吐出する。その結果、図9(d)に示すように、基材11の裏面に裏側熱変換層47が形成される。本実施形態では、他方の形(図7(c)に示す左側の星型)を、裏側熱変換層47を用いて成型する。
第5に、ユーザは、裏側熱変換層47が印刷されたフィルム成型シート10を、その裏面を上側に向けて膨張ユニット53に挿入する。膨張ユニット53は、挿入されたフィルム成型シート10へ裏面から電磁波を照射して加熱する(ステップS25)。具体的に説明すると、膨張ユニット53は、照射部(図示せず)によってフィルム成型シート10の裏面に電磁波を照射させる。フィルム成型シート10の裏面に印刷された裏側熱変換層47は、照射された電磁波を吸収することによって発熱する。その結果、図10(e)に示すように、フィルム成型シート10のうちの裏側熱変換層47が印刷された領域が盛り上がって膨張する。裏側熱変換層47から発せられる熱により、熱膨張層12が膨張し、更にフィルム13は軟化する。続いて、図10(e)に示すように、熱膨張層12の膨張に追従し、フィルム13が変形する。続いて、フィルム13は空冷等により、冷却される。これにより、フィルム13は、熱膨張層12の膨張後の形状に沿った形に成型される。
第6に、ユーザは、図10(f)に示すように、フィルム13を熱膨張層12から剥離し(ステップS26)、成型されたフィルム13が得られる。
以上のような手順によって、フィルム成型シート10上でフィルム13を成型することができる。
なお、本実施形態でも第1実施形態と同様に、表面発泡データ及び裏面発泡データを決定する際、熱膨張層12の膨張後の形状が、型として機能可能な凹凸形状となるよう、少なくとも2領域間において、電磁波熱変換層のインク濃淡(印刷濃度)及び/又は電磁波熱変換層を形成する領域を、決定する。
上述したように、本実施形態のフィルム成型方法では、基材11の他方の面だけでなく、フィルム13上にも電磁波熱変換層(表側熱変換層45)を形成する。表側熱変換層45は、裏側熱変換層47と比較して熱膨張層12の近くに位置するため、表側熱変換層45から発せられる熱は、裏側熱変換層47から発せられる熱と比較し、熱膨張層12によく伝わる。このため、容易にフィルム13を成型することが可能となることに加え、熱膨張層12の発泡後の形状をよりシャープとすることができる。
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、図11(a)に示すように、フィルム成型シート10は、フィルム13の下面(熱膨張層12と対向する面)に、更に接着層18を設けてもよい。接着層18は、熱膨張層12上にフィルム13を剥離可能に接着するだけでなく、フィルム13の成型後に剥離した後、別の媒体に再接着可能であることが好ましい。接着層18としては、汎用されている材料を使用可能である。
また、フィルム13は全体が剥離される場合に限られない。例えば、フィルム13を熱膨張層12から剥離する前に、フィルム13及びインク受容層14に対して切り込みを形成し、フィルム13のうち、印刷及び/又は成型が施された領域のみを剥離することも可能である。この場合、例えば、図11(b)に示すように、カラーインク層41aの周囲に切り込み48を入れ、カラーインク層41aとその周囲の領域においてのみ、フィルム13を剥離させる。この切り込み48は、フィルム成型プロセスを実行する前又はプロセスの途中で行うことも可能である。カラーインク層41bについても、同様にしてもよい。
また、第1実施形態では、フィルム成型シート10の裏面のみに電磁波熱変換層を設ける構成を例に挙げ、第2実施形態では、フィルム成型シート10の表面及び裏面に電磁波熱変換層を設ける構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、フィルム成型シート10の表面のみに電磁波熱変換層を設けてもよい。この場合、例えば図8に示すフローチャートにおいて、ステップS24とS25とを省略して行う。また、熱膨張層12の特定の領域を表側熱変換層と裏側熱変換層との両方を用いて発泡、膨張させることも可能である。
また、フィルム成型システム50は、上述した実施形態に限定されない。例えば、印刷ユニット52と膨張ユニット53とは、1つのフレーム内に設置される構成に限定されない。例えば、印刷ユニット52と膨張ユニット53とは独立して設置されていてもよく、更には独立して制御されていてもよい。
また、上述した実施形態では、熱膨張層12を膨張させる領域をカラーインク層が設けられた領域のみとする構成を例に挙げたが、これに限られない。熱膨張層12を膨張させる領域、つまり表側又は裏側熱変換層を設ける位置は任意に変更可能であり、カラーインク層が設けられる領域とは別の領域であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、
前記熱膨張層上に、剥離可能に接着されたフィルムと、を備え、
前記フィルムは、前記熱膨張層の変形に追従して変形可能である、
ことを特徴とする、フィルム成型シート。
[付記2]
基材の一面上に、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層を形成する工程と、
前記熱膨張層上に、フィルムを剥離可能に接着する工程と、を有し、
前記フィルムは、前記熱膨張層の変形に追従して変形可能である、
ことを特徴とするフィルム成型シートの製造方法。
[付記3]
前記フィルムを接着する工程の後に、当該フィルム上にインク受容層を形成する工程を有する、
ことを特徴とする付記2に記載のフィルム成型シートの製造方法。
[付記4]
基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されたフィルムとを備えるフィルム成型シートを用い、前記基材の他方の面上、及び/又は前記フィルム上に電磁波を熱に変換する電磁波熱変換層を形成する電磁波熱変換層形成工程と、
前記電磁波熱変換層に電磁波を照射し、前記熱膨張層を膨張させる膨張工程と、
前記熱膨張層から前記フィルムを剥離する剥離工程と、を有し、
前記膨張工程において、前記フィルムが前記熱膨張層の変形に追従して変形し、前記フィルムは前記熱膨張層に沿って成型される、
ことを特徴とするフィルム成型方法。
[付記5]
エンボス状に成型されたフィルムを成型する方法であって、
加熱されることにより膨張することで層表面が隆起する膨張層上に成型対象となるフィルムがフィルム層として積層されているフィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、所定の電磁波が照射されることにより熱を帯びる帯熱層を、前記所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成する帯熱層形成工程と、
前記帯熱層形成工程で形成された帯熱層に前記所定の電磁波を照射することにより前記帯熱層に熱を帯びさせることで前記帯熱層における前記層表面を隆起させるとともに前記フィルム層を前記層表面の隆起に伴わせて変形させるフィルム層変形工程と、
前記膨張層から前記フィルム層を剥離する剥離工程と、
を有する、
ことを特徴とするフィルム成型方法。
[付記6]
付記5に記載のフィルム成型方法であって、
前記フィルム層は、前記帯熱層の帯熱に伴って軟化する、
ことを特徴とするフィルム成型方法。
[付記7]
付記5又は6に記載のフィルム成型方法であって、
前記剥離工程に先立って前記帯熱層の帯熱に伴って軟化したフィルム層を冷却させる冷却工程を有する、
ことを特徴とするフィルム成型方法。
10・・・フィルム成型シート、11・・・基材、12・・・熱膨張層、13・・・フィルム、14・・・インク受容層、18・・・接着層、41a,41b,46a,46b・・・カラーインク層、42a,42b,47・・・裏側熱変換層、45・・・表側熱変換層、48・・・切り込み、50・・・フィルム成型システム、51・・・制御ユニット、52・・・印刷ユニット、52a・・・搬入部、52b・・・排出部、53・・・膨張ユニット、53a・・・搬入部、53b・・・排出部、54・・・表示ユニット、55・・・天板、60・・・フレーム、61・・・側面板、62・・・連結ビーム、70・・・ラミネート装置、71・・・入力ローラ、72・・・ヒータローラ、73・・・ローラ、74・・・出力ローラ

Claims (13)

  1. 基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルム層とを備える、フィルム成型シートを準備する成型シート準備工程と、
    前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、電磁波を熱に変換する熱変換層を、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成する熱変換層形成工程と、
    前記フィルム成型シートの前記フィルム層の一面上にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
    前記熱変換層に前記所定の電磁波を照射することにより前記熱変換の前記帯熱量に応じて前記熱膨張層を膨張させて前記熱膨張表面を隆起させるとともに前記フィルム層を前記熱膨張の前記表面の隆起に伴わせて変形させるフィルム層変形工程と、
    を有する、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  2. 請求項1に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記フィルム層は、熱可塑性樹脂からなる、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  3. 請求項又はに記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記フィルム層は、前記熱変換層の帯熱に伴って軟化する、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記フィルム層変形工程の後に、前記熱膨張層から前記フィルム層を剥離する剥離工程をさらに有し、
    前記剥離工程に先立って前記熱変換層の帯熱に伴って軟化した前記フィルム層を冷却させる冷却工程を有する、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記カラー画像形成工程は、
    少なくとも、前記所定の2領域に、又は前記熱変換層が部分的に形成された部分と形成されていない部分とに、前記カラー画像を形成することを含む、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記熱変換層形成工程は、前記フィルム層の一面上に前記熱変換層を形成することを含み、
    前記カラー画像形成工程は、前記フィルム層の一面上に形成した前記熱変換層上に前記カラー画像を形成することを含む、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記カラー画像形成工程は、
    前記フィルム層の前記一面上に形成されたインク受容層に受容されるように、前記フィルム層に形成することを含む、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載のカラー画像形成フィルムシートの成型方法であって、
    前記フィルム層変形工程の後に、前記フィルム層の前記一面上に少なくとも前記カラー画像を形成した領域を含むように、前記フィルム層に切り込みを入れる切り込み形成工程と、
    前記フィルム層の前記切り込みを入れた部分を前記熱膨張層から剥離する剥離工程と、をさらに有する、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの成型方法。
  9. 基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルム層とを備える、フィルム成型シートを準備する成型シート準備工程と、
    前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、電磁波を熱に変換する熱変換層を、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成する熱変換層形成工程と、
    前記フィルム成型シートの前記フィルム層の一面上にカラー画像を形成するカラー画像形成工程と、
    前記熱変換層に前記所定の電磁波を照射することにより前記熱変換層の前記帯熱量に応じて前記熱膨張層を膨張させて前記熱膨張層の表面を隆起させるとともに、前記フィルム層を前記熱膨張層の前記表面の隆起に伴わせて変形させるフィルム層変形工程と、
    変形した前記フィルム層を前記熱膨張層から剥離する剥離工程と、を有する、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの製造方法。
  10. 請求項9に記載のカラー画像形成フィルムシートの製造方法であって、
    前記カラー画像形成工程は、
    少なくとも、前記所定の2領域に、又は前記熱変換層が部分的に形成された部分と形成されていない部分とに、前記カラー画像を形成することを含む、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載のカラー画像形成フィルムシートの製造方法であって、
    前記フィルム層変形工程の後であって、前記剥離工程の前に、前記フィルム層の前記一面上に少なくとも前記カラー画像を形成した領域を含むように、前記フィルム層に切り込みを入れる切り込み形成工程をさらに有し、
    前記剥離工程は、
    前記フィルム層の前記切り込みを入れた部分を前記熱膨張層から剥離することを含む、
    ことを特徴とするカラー画像形成フィルムシートの製造方法。
  12. 基材の一面上に設けられ、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層と、前記熱膨張層上に剥離可能に接着されかつ前記熱膨張層の変形に追従して変形可能なフィルム層とを、備えるフィルム成型シートであって、
    前記フィルム成型シートにおける表裏面のうち少なくとも一方の面に、所定の電磁波が照射されたときの帯熱量が少なくとも所定の2領域間で異なるように、または部分的に形成された、電磁波を熱に変換する熱変換層と、
    前記所定の2領域に、又は前記熱変換層が部分的に形成された部分と形成されていない部分とに、少なくとも形成されたカラー画像とを、さらに備える、
    ことを特徴とするフィルム成型シート。
  13. 請求項12に記載のフィルム成型シートであって、
    前記フィルム層は、熱可塑性樹脂からなり、前記熱変換層の前記帯熱量に応じて膨張した前記熱膨張層の表面の隆起に伴って変形しており、前記カラー画像が形成された領域において凹凸形状を有する、
    ことを特徴とするフィルム成型シート。
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