JP2002264597A

JP2002264597A - インクジェット画像転写方法

Info

Publication number: JP2002264597A
Application number: JP2001114627A
Authority: JP
Inventors: Naoko Suematsu; 直子末松
Original assignee: PIKUA KK
Current assignee: PIKUA KK
Priority date: 2001-03-08
Filing date: 2001-03-08
Publication date: 2002-09-18

Abstract

(57)【要約】【目的】パソコン用のインクジェットプリンターを用
いて、プリント用紙以外の表材に、カラー画像を自由に
転写することができるインクジェット画像転写方法であ
る。【構成】紙基材の表面に水溶性糊料、接着剤層、合成
樹脂層及び吸水性樹脂層を積層した第１転写用紙と、シ
ート状基材に剥離層、熱可塑性樹脂層を積層し第２転写
用紙とを有し、第１転写用紙の該吸水性樹脂層の表面に
インクジェットプリンターで、カラーの水性インク画像
を形成した後、第２転写用紙の熱可塑性樹脂層の表面を
該水性インク画像の表面に重合して加熱圧着した後、該
水溶性糊料に対して水を含浸した後、紙基材を剥離し、
その後、該接着剤層の表面に被転写素材の重合した後、
シート状基材を剥離するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、近年普及が著しいパソ
コン用のインクジェットプリンターを使用して、プリン
ト用紙以外の各種の被転写素材に、カラー画像を自由に
転写することができるインクジェット画像転写方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、本発明者が先に出願した特許
の構成要件を更に押し進めた発明であって、その先願の
内容は、主にカラーレーザープリンターまたは、熱溶融
型プリンターによるカラー画像を転写する方法に関する
ものであった。

【０００３】また、前記出願に述べた如くインクジェッ
トプリンターの出力の転写方法に関する記述があるが、
これは、予め別紙にプリントアウトした画像の表面部分
を剥離して転写する方法であり、その後の研究結果、こ
の方法では、アルミナを配合した白色の受像層のみに有
効であり、透明ベースの転写が不可能であることと、主
要目的の一つである。シュリンクフィルムに転写した
後、フィルムを熱収縮させてボトル用ラベルを制作する
場合、受像層が収縮せず、皺が入る事により、実用化が
できないと云う問題点があった。本発明は、上記の問題
点のインクジェットプリンターを用いても、透明な転写
画像と、熱収縮する画像を転写できるようにした方法を
提供するものである。（例えば、特願２０００−２４５
２７９号参照）

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ットプリンターで直接プリントできるような転写用紙を
得るため、表面が吸水性の受像層を有する転写機能用紙
を用意する必要と、インクジェットプリンターのインク
は水性であるため、水で転写紙の台紙を剥離する際に、
インク画像を溶融しないような方法である必要がある。
また、透明な被転写素材に対して裏面転写ができるため
には、画像の接着面側に使用する材料に透明なものが用
意されている必要がある。そして、先願の転写方法に比
べて、作業の手間と困難さが増さないようなインクジェ
ット画像転写方法を提供しようとしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット画像転写方法において、紙
基材の表面に水溶性糊料と接着剤層と合成樹脂層及び吸
水性樹脂層を順次積層してなる第１転写用紙と、シート
状基材に剥離層と熱可塑性樹脂層とを順次積層してなる
第２転写用紙を用意する。そして、該第１転写用紙の表
面にインクジェットプリンターによって、カラーの水性
インク画像を形成する。その後、第２転写用紙の熱可塑
性樹脂層の表面をカラーの該水性インク画像の表面に重
合し、ラミネーター等の熱ローラーにより加熱圧着する
と、上下の両者は互いに接着する。この段階でインクジ
ェットの水性インクは、第１転写用紙の合成樹脂層と、
第２転写用紙の熱可塑性樹脂層に挟まれるため、次の水
に浸漬する工程で、インクジェットの水性インクが水に
溶融する恐れがなくなるものである。次に、該紙基材と
水溶性糊料を水に含浸させることにより、水溶性糊料を
溶融し、該紙基材を接着層から剥離させるものである。
この時、該接着剤層が表面に露出するため、被転写素材
に該接着剤層を重合し、押圧または、加熱押圧すること
により、該被転写素材に接着する。この場合、接着剤に
常温で粘着性を有する接着剤を使用すれば、圧力を加え
るのみで接着し、いわゆるホットメルトと呼ばれる熱溶
融型接着剤を使用すれば、加熱押圧することで接着でき
る。その後、第２転写用紙のシート状基材を剥離するこ
とにより、転写が完成されるものである。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面について説明す
ると、図１（イ）図に示すものは、紙基材（１）の表面
に水溶性糊料（２）と接着剤層（３）と合成樹脂層
（４）及び吸水性樹脂層（５）とを順次積層した第１転
写用紙（Ａ）を構成する。次に、（ロ）図に示すもの
は、シート状基材（６）に剥離層（７）に剥離層（７）
と熱可塑性樹脂層（８）を順次積層した第２転写用紙
（８）を構成する。前記第１転写用紙（Ａ）の該吸水性
樹脂層（５）の表面にインクジェットプリンターによっ
て、カラーの水性インク画像（９）を形成する。その
後、前記第２転写用紙（Ｂ）の該熱可塑性樹脂層（８）
の表面を該水性インク画像（９）の表面に重合して加熱
圧着する。その後、該紙基材（１）より水溶性糊料
（２）に対して水（１１）を含浸した後に、該紙基材
（１）を剥離する。その後、該接着剤層（３）の表面に
被転写素材（１０）を重合圧着した後に、該シート状基
材（６）を剥離することを特徴とするものである。更
に、第１転写用紙（Ａ）の該接着剤層（３）と該合成樹
脂層（４）と吸水性樹脂層（５）とを各々透明としたも
のである。また、該第１転写用紙（Ａ）の接着剤層
（３）は、常温においても粘着性を有する粘着剤を使用
するものである。

【０００７】前記第１転写用紙（Ａ）の水溶性糊料
（２）としては、ポリビニルアルコール、デキストリン
等が適している。また、接着剤（３）に用いる接着剤に
は、粘着剤として、アクリル樹脂系粘着剤、合成ゴム系
粘着剤を用い、更に、ホットメルト型接着剤としては、
ポリウレタン、ＥＶＡ、ポリエステル等が適している。
また、吸水性樹脂としては、ポリビニルアルコール、水
性アクリル樹脂等が適している。更に、第２転写用紙
（Ｂ）のシート状基材（６）としては、ＰＥＴフィルム
の１００ミクロン程度の厚さのものが適している。ま
た、該剥離層（７）としては、シリコン樹脂、あるい
は、アルキド樹脂が適している。前記熱可塑性樹脂層の
材料としては、アクリル樹脂、ポリウレタン、ＥＶＡ、
ポリエステル等が適している。

【０００８】

【実験例】前記第１転写用紙（Ａ）は、吸水性を有する
紙基材（１）の表面に水溶性のデキストリンを塗布した
窯業用水転写紙を用いる。この用紙の表面にシルクスク
リーン印刷にて、帝国インキ社製の透明粘着剤、ポリウ
レタン系透明インク及びポリビニルアルコール系透明イ
ンクを順次塗布乾燥して得た転写用紙に、エプソン社製
インクジェットプリンターＣＣ７００機にてカラー写真
をプリントした。

【０００９】また、第２転写用紙（Ｂ）は、ミラーコー
ト紙にシリコン樹脂系離型剤を塗布したものにシルクス
クリーン印刷にて帝国インキ社製アクリル樹脂系白色イ
ンクを塗布乾燥したものを用意した。該第１転写用紙
（Ａ）のプリント面に第２転写用紙（Ｂ）の白色インク
面を重合して、フジプラ製ラミネーターを用いて、１４
０℃、７０ｃｍ／分の設定で加熱押圧したところ、両者
が接着合体した。その後、第１転写用紙（Ａ）の裏面に
刷毛で水（１１）を塗り、１分間放置した後、紙基材
（１）を剥離した。その後、現出した第１転写用紙
（Ａ）の粘着面に被転写素材（１０）としてポリプロピ
レンフィルムを重合し、ヘラで強く圧着した後、第２転
写用紙（Ｂ）のミラーコート紙を剥離して転写が完了し
た。完成品は、ポリプロピレンフィルムの裏面に白い裏
打ちのされたカラー写真が貼り付いたものとなり、表面
よりポリプロピレンフィルムを透かして美しい画像を鑑
賞することができた。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット画像転写方法によれば、インクジェットによる水
溶性のインク受像層が第１転写用紙の合成樹脂層と、第
２転写用紙の熱可塑性樹脂層に挟まれた状態で容易に作
業が進行でき、インク受像層が水に侵されないと云う実
利的な効果のため、製作工程でも水を使用することが可
能な効果と、完成後も水濡れに強い製品が提供できる優
れた効果がある。更に、第１転写用紙の接着剤層と、合
成樹脂層と吸水性樹脂層に透明な材料を使用し、第２転
写用紙の熱可塑性樹脂層を白色の材料を使用した場合
は、透明素材の裏面に転写する用途に著しく適応する効
果と、また、第１転写用紙の合成樹脂層に白色を第２転
写用紙の熱可塑性樹脂層に透明の材料を使用すれば、各
種濃色素材の表面に転写すると云う用途にも著しく優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の（イ）乃至（ヘ）図に至るインクジェ
ット画像転写方法を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１紙基材２水溶性糊料３接着剤層４合成樹脂層５吸水性樹脂層６シート状基材７剥離層８熱可塑性樹脂層９水性インク画像１０被転写素材１１水

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2C056 FB02 FC06 FD13 2H086 BA02 BA15 BA19 3B005 EA02 EB05 EC04 GA24 GB01

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙基材（１）の表面に水溶性糊料（２）
と接着剤層（３）と合成樹脂層（４）及び吸水性樹脂層
（５）とを順次積層してなる第１転写用紙と、シート状
基材（６）に剥離層（７）と熱可塑性樹脂層（８）とを
順次積層してなる第２転写用紙（Ｂ）を有し、前記第１
転写用紙（Ａ）の該吸水性樹脂層（５）の表面にインク
ジェットプリンターによって、カラーの水性インク画像
（９）を形成した後、前記第２転写用紙（Ｂ）の該熱可
塑性樹脂層（８）の表面をカラーの該水性インク画像
（９）の表面に重合して加熱圧着した後、該紙基材
（１）より該水溶性糊料（２）に対して水（１１）を含
浸した後、該紙基材（１）を剥離し、その後、該接着剤
層（３）の表面に被転写素材（１０）を重合圧着した
後、該シート状基材（６）を剥離することを特徴とした
インクジェット画像転写方法。
【請求項２】請求項１の該第１転写用紙（Ａ）の該接
着剤層（３）と該合成樹脂層（４）と該吸水性樹脂層
（５）とは各々透明であることを特徴とした請求項１の
インクジェット画像転写方法。
【請求項３】請求項１の該第１転写用紙（Ａ）の該接
着剤層（３）は、常温で粘着性を有する粘着剤を使用し
たことを特徴とした請求項１のインクジェット画像転写
方法。