JPH09114120A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH09114120A
JPH09114120A JP7336410A JP33641095A JPH09114120A JP H09114120 A JPH09114120 A JP H09114120A JP 7336410 A JP7336410 A JP 7336410A JP 33641095 A JP33641095 A JP 33641095A JP H09114120 A JPH09114120 A JP H09114120A
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electrophotographic photosensitive
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岳 阿形
Akira Imai
彰 今井
Yasuo Yamamoto
保夫 山本
Yutaka Sugizaki
裕 杉崎
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/07Polymeric photoconductive materials
    • G03G5/071Polymeric photoconductive materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性、光感度および繰り返し安定性等にお
いて改良された特性を有する電子写真感光体を提供す
る。 【解決手段】 導電性基材上に下引き層及び光導電層を
有し、該下引き層が、下記一般式(1)で表される単量
体の少なくとも1種を用いて得られた高分子化合物の少
なくとも1種を含有する電子写真感光体である。 【化1】 [式中、R1 はH、メチル基を示す。Aは上記一般式
(2)で表される基等を示し、XはO、C(CN)2
C(CN)COOR2 又はC(COOR2 )(COOR
3 )、YはO又は−COO(CH2 )n O−を示す(た
だし、R2 及びR3は、アルキル基、アリール基、nは
1〜20の整数。)、R4 及びR5 は、H、アルキル
基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、
シアノ基、m及びlは0〜2の整数。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の高分子化合物を
含有する下引き層を用いた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特に電子写真方式を採用した複写
機、プリンターおよびファクシミリ等に用いられる電子
写真用感光体において、特に、導電性支持体上に直接光
導電層を形成した場合、帯電性が低くなり、また繰り返
し使用時の電位の安定性に欠けるという問題があった。
また、導電性支持体と光導電層との接着性の不足により
光導電層が剥離したり、導電性支持体上に光導電層を塗
布する際に塗布欠陥が発生するという問題もあった。さ
らに、導電性支持体表面に凹凸が存在すると、光導電層
の膜厚が不均一となり、その結果、黒点および白抜け等
の画像欠陥が発生するという問題もあった。
【0003】これらの問題を解決するための手段とし
て、導電性支持体と光導電層との間に下引き層を設ける
ことが試みられている。この下引き層に要求される基本
的な役割としては、1)未露光時には、導電性支持体か
らの電荷の注入を防止すること、2)露光時には、感光
体中の電荷を導電性支持体に放出すること、3)電荷の
蓄積がなく、連続使用時において電気特性の変化がない
こと、4)導電性支持体表面の凹凸の影響を軽減させる
こと、5)導電性支持体との密着性及び下引き層の上に
形成される光導電層等に対して、均一かつ強固な密着性
を有すること等が挙げられる。
【0004】上記した下引き層を構成する材料として
は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルフォルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステ
ル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を用いることが検討されている(特開昭4
8−47344号公報、特開昭52−20386号公
報、特開昭58−30757号公報、特開昭60−22
5856号公報等)。しかしながら、これらの樹脂を主
成分とする下引き層を用いた場合、前述の帯電性や画像
欠陥などに対する改善の効果を十分に引き出すべく下引
き層の膜厚を厚くすると、感光体の残留電位の増大を招
きやすいという難点があった。また、これらの材料を用
いた下引き層の多くは、樹脂層内部における電荷の移動
を主にイオン伝導に依存しているため、大気中の湿度変
化の影響を受けやすく、特に低温低湿度環境下において
光感度の低下や残留電位の増大が著しくなるという問題
もあった。
【0005】これらの問題を回避するため、高分子樹脂
中に低分子系の電子輸送性物質または電子受容性物質を
添加した下引き層を用いることが検討されている(特開
昭55−142356号公報、特開昭59−17084
6号公報)。しかし、これらの低分子化合物は、有機溶
剤に溶解し易いものである場合、導電性支持体上に形成
された下引き層の上に光導電層を塗布する工程におい
て、上層中に浸出して下引き層中での濃度の低下を起こ
したり、あるいはその逆に、有機溶剤に溶解し難いもの
である場合には、下引き層中で結晶化を起こしてしま
い、目的とする改善効果を発現し難いという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した諸問題を解決するためになされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、帯電性、光感度お
よび繰り返し安定性等において改良された特性を有する
電子写真感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、特定の高分子化合
物を含有する下引き層を用いることにより優れた電子写
真感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。本発明の電子写真感光体は、導電性基材上に、
下引き層及び光導電層を有し、該下引き層が、下記一般
式(1)で表される単量体の少なくとも1種を用いて得
られた高分子化合物の少なくとも1種を含有することを
特徴とする。
【0008】
【化3】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、Aは下記一
般式(2)〜(6)で示される基を示す。)
【0009】
【化4】 [式(2)ないし式(6)中、Xは酸素原子、C(C
N)2 、C(CN)COOR2 またはC(COOR2
(COOR3 )、Yは酸素原子または−COO(C
2 )n O−を示す。R2 及びR3 は、それぞれアルキ
ル基またはアリール基を示し、また、R4 及びR5 は、
それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニト
ロ基、アシル基またはシアノ基を示す。Wは−(C
2 )n O−または−Ar −(R)k −COO(C
2 )n O−(ただし、Ar はアリーレン基、Rはアル
キレン基を示し、kは0または1である。)、Zはアル
キル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル
基またはシアノ基を示す。nは1〜20の整数、また、
m及びlは0〜2の整数を意味する。]
【0010】上記の高分子化合物は、電子輸送性を有す
るものであり、これを電子写真感光体の下引き層の構成
材料として用いた場合、光導電層から導電性基材への正
電荷の注入を阻止し、かつ負電荷のみを選択的に輸送す
ることにより、大気中の湿度変化の影響を受けることな
く、高い帯電性、高い光感度及び低い残留電位を実現す
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の電子写真感光体において、
下引き層に使用する高分子化合物は、主として、下記一
般式(1)で示される単量体を原料として合成される。
【化5】 (式中、R1 は水素またはメチル基、Aは下記一般式
(2)〜(6)で示される基を示す。)
【0012】上記一般式(1)で示される単量体は、下
記一般式(2a)ないし一般式(6a)で示される化合
物と下記一般式(7)で示される(メタ)アクリル酸ク
ロリドとを塩基の存在下で反応させるか、または、下記
一般式(2b)ないし一般式(6b)で示されるカルボ
ン酸クロリドと下記一般式(8)で示される(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルエステルとを塩基の存在下
で反応させる等の方法によって合成することができる。
【0013】
【化6】 [式(2a)ないし(6a)中、Xは酸素原子、C(C
N)2 、C(CN)COOR2 またはC(COOR2
(COOR3 )、Yは酸素原子または−COO(C
2 )n O−を示す。R2 及びR3 は、それぞれアルキ
ル基またはアリール基を示し、また、R4 及びR5 は、
それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニト
ロ基、アシル基またはシアノ基を示す。Wは−(C
2 )n O−または−Ar −(R)k −COO(C
2 )n O−(ただし、Ar はアリーレン基、Rはアル
キレン基を示し、kは0または1である。)、Zはアル
キル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル
基またはシアノ基を示す。nは1〜20の整数、また、
m及びlは0〜2の整数を意味する。]
【化7】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示す。)
【0014】
【化8】 [式(2b)ないし(6b)中、X、Y、W、Z、
4 、R5 、k、l、mは、いずれも前記したと同意義
を有する。]
【化9】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、nは1〜2
0の整数を意味する。)
【0015】上記一般式(1)で示される単量体として
は、具体例として下記表1〜表5に示すものがあげられ
るが、本発明はこれらを用いるものに限定されるもので
はない。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】本発明に用いる高分子化合物を合成するに
は、上記の単量体を単独重合させてもよいし、2種以上
を共重合させてもよく、または上記の単量体と他の一般
的なオレフィン系重合性単量体とを共重合させてもよ
い。上記の単量体と共重合するために用いられる重合性
単量体としては、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸グリシジル等のアクリル酸誘導体、メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン等のアクリルオキシシラン
類、あるいはアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン等の各種ビニル系
化合物等が挙げられる。
【0022】本発明において、下引き層に含有させる側
鎖に電子受容性基を有する高分子化合物としては、上記
一般式(1)で示される単量体を原料として得られる高
分子化合物を単独で用いても、2種以上を混合して用い
てもよく、または、他の一般的な高分子材料と混合して
用いてもよい。混合する他の高分子材料としては、各種
ポリアクリル酸エステル誘導体のほか、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、
ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等を
用いることができる。
【0023】本発明の電子写真感光体においては、電気
的特性をさらに改善するなどの目的で、下引き層中に上
記一般式(1)で示される単量体より得られる高分子化
合物とともに、さらに任意の有機低分子化合物を含有さ
せてもよい。ここでいう有機低分子化合物とは、低分子
系の電子受容性化合物、電子供与性化合物または有機金
属錯体等であり、上記の高分子化合物とは独立に、ある
いは電荷移動錯体の形成等の相互作用により、電子伝導
性を補強もしくは制御する機能を有するものを意味す
る。
【0024】本発明に使用される電子受容性化合物の例
としては、4−ニトロベンズアルデヒド等の芳香族ニト
ロ化合物、無水マレイン酸等の環状カルボン酸無水物、
N−(n−ブチル)−1,8−ナフタルイミド等の芳香
族カルボン酸イミド類、p−クロラニル、2,3−ジク
ロロアントラキノン等のキノン類、テトラシアノキノア
ントラキノジメタン等のテトラシアノキノジメタン誘導
体、9−ジシアノメチレンフルオレン−4−カルボン酸
n−オクチル等のフルオレノン誘導体等が挙げられる。
また、電子供与性化合物の例としては、2,5−ビス
(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾールに代表されるオキサジアゾール類、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセンに代表される
スチリル化合物、N−メチル−N−フェニルヒドラゾン
−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールに代表され
るカルバゾール化合物、1−フェニル−3−(p−ジメ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−ピラゾリンに代表されるピラゾリン系化合物、
N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフ
ェニル)ベンジジンやトリ(4−メチルフェニル)アミ
ン等のトリフェニルアミン系化合物、あるいはテトラチ
アフルバレン、N,N,N′,N′−テトラエチルフェ
ニレンジアミン等が挙げられる。さらに、有機金属化合
物の例としては、遷移金属元素またはIII 族、VI族金属
元素等のアセチルアセトン錯体、アセト酢酸エステル錯
体、オキシキノリン錯体等の各種キレート錯体、あるい
はフェロセン等のシクロペンタジエニル錯体等が挙げら
れる。
【0025】本発明において、下引き層に使用する上記
の有機低分子化合物は、各々の化合物を単独で用いて
も、または、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そ
の添加量は、下引き層に使用する全構成成分に対して、
1〜30重量%の範囲で任意に設定される。また、下引
き層には、それ自体の機械的強度、導電性基材との接着
強度または光導電層を塗布形成する時に使用する溶剤に
対する耐溶解性を改善するために、各種硬化処理を施し
てもよい。硬化処理の方法としては、上記一般式(1)
で表される単量体を原料として得られる高分子化合物
に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の
熱硬化性樹脂、または、シランカップリング剤、ジルコ
ニウムカップリング剤、チタネートカップリング剤等の
各種カップリング剤を混合し、導電性基材上に塗布後加
熱して硬化させる方法、あるいは上記一般式(1)で表
される単量体を重合する際の共重合成分として、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジ
ル、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン等の
反応性の残基を有する単量体を用い、導電性基材上に塗
布後、加熱、光照射または適当な化学処理等の方法で架
橋化、硬化させる方法等が挙げられる。
【0026】下引き層は、上記の材料を有機溶剤に溶解
し、その溶液を浸漬塗布等の方法で導電性基体上に塗布
した後、加熱乾燥することにより形成することができ
る。その有機溶剤としては、2−プロパノール、1−ブ
タノール等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジクロロメタン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン系溶
媒、クロロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶
媒、N,N,−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等のアミド系溶媒等の中から適宜選択して用いる
ことができ、また、その加熱乾燥は50〜200℃の温
度範囲で行う。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmの
範囲で任意に設定することができるが、0.5〜5μm
の範囲が特に好ましい。
【0027】本発明における光導電層は、電荷発生材料
と電荷輸送材料を含有する単一の層からなる単層型、ま
たは電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料
を含有する電荷輸送層の2層からなる積層型のいずれで
あってもよいが、特に、積層型の光導電層を採用した場
合に、本発明による著しい改善の効果が得られる。ま
た、これらの光導電層の上には、さらに必要に応じて表
面層を設けてもよい。
【0028】積層型の電子写真感光体の場合、電荷発生
層は、電荷発生材料を適当な結着樹脂とともに有機溶剤
中に分散し、下引き層の上に浸漬塗布等の方法により塗
布した後に乾燥するか、あるいは真空蒸着する等の方法
により形成することができる。電荷発生材料としては、
フタロシアニン系顔料、各種アゾ顔料、ペリレン系顔
料、ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族系顔料、
あるいはスクエアリリウム顔料等を用いることができる
が、特に、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタ
ロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジク
ロロスズフタロシアニン、あるいはチタニルフタロシア
ニン等のフタロシアニン系顔料を用いた場合において、
本発明による著しい改善の効果が得られる。また、用い
る結着樹脂としては、ポリビニルフォルマール、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の
中から適宜選択することができる。電荷発生層の膜厚
は、0.1〜5μmの範囲で任意に設定することができ
るが、0.1〜1.5μmの範囲が特に好ましい。
【0029】積層型の電子写真感光体の場合、電荷輸送
層は、電荷輸送層材料を適当な結着樹脂とともに有機溶
剤に溶解し、前記の電荷発生層上に浸漬塗布等の方法で
塗布した後、乾燥することにより形成することができ
る。また、用いる電荷輸送材料としては、アントラセ
ン、ピレン等の多環芳香族化合物、カルバゾール、イミ
ダゾール等の含窒素複素環化合物誘導体、ヒドラゾン誘
導体、スチルベン誘導体、トリフェニルアミン誘導体ま
たはテトラフェニルベンジジン誘導体等の中から適宜選
択することができる。また、結着樹脂としては、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート
等の中から適宜選択することができる。電荷輸送層の膜
厚は、5〜40μmの範囲で任意に設定することができ
るが、15〜30μmの範囲が特に好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明に用いられる化合物の合成例お
よび実施例等により、本発明を具体的に説明する。 合成例1(例示化合物(1)の合成) ジクロロメタン30mlに、ピリジン3.00g(38
mmol)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル5.
00g(38mmol)およびヒドロキノン30mgを
導入し、窒素雰囲気中で氷冷し、5℃で撹拌しながら、
アントラキノン−2−カルボン酸クロリド9.00g
(33mmol)を5〜15℃で少量ずつ添加した。添
加終了後室温において4時間反応を行った後、反応生成
液を減圧濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル;酢酸エチル)を用いて精製すること
により、例示化合物(1)を6.23g得た。得られた
例示化合物(1)の融点は、128〜130℃であっ
た。また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共鳴ス
ペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3452,
2956,1736,1720,1684,1636。1 HNMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,p
pm):8.8〜7.1(m,7H),6.1(s,1
H),5.4(s,1H),4.3〜4.5(m,4
H),1.9(s,3H)。
【0031】合成例2(例示化合物(14)の合成) アクリル酸2−ヒドロキシエチル7.7ml(0.06
3mol)、ハイドロキノン0.08gおよびピリジン
10ml(0.12mol)を塩化メチレン70mlに
溶解し、氷冷下約5℃で攪拌しながら、9−フルオレノ
ン−4−カルボン酸クロリド17.0g(0.070m
ol)を塩化メチレン250mlに溶解した溶液を約1
時間で滴下した。約5℃で2時間撹拌を続けた後、反応
生成物をヘキサン700mlで希釈し、カラムクロマト
グラフィー(シリカゲル;塩化メチレン/ヘキサン(1
/3〜1/2))に通して不純物を除去した後、その溶
液を減圧濃縮し、析出した緑黄色結晶を濾取、減圧乾燥
することにより、例示化合物(14)を15.2g(6
7%)得た。得られた例示化合物(14)の融点は、1
05〜106℃であった。また、その赤外吸収スペクト
ルおよび核磁気共鳴スペクトルは、下記のとおりであ
る。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3430,
2960,1720。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):8.3(d,1H),7.95(d,1H),
7.85(d,1H),7.7(d,1H),7.5
(t,1H),7.35(t,2H),6.45(d,
1H),6.2(q,1H),5.9(d,1H)。
【0032】合成例3(例示化合物(15)の合成) 2−ヒドロキシ−9−フルオレノン2.07g(0.0
11mol)、ハイドロキノン0.01gおよびピリジ
ン1.7ml(0.02mol)を塩化メチレン20m
lに溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しながらメタクリル酸
クロリド1.55ml(0.016mol)を塩化メチ
レン10mlに溶解した溶液を約10分間かけて滴下し
た。約5℃で1時間撹拌を続けた後、反応生成物をヘキ
サン150mlで希釈し、カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;塩化メチレン/ヘキサン(1/4))に
通して不純物を除去した後、その溶液を減圧濃縮し、析
出した黄色結晶を濾取し、これを減圧乾燥することによ
り、例示化合物(15)を2.6g(93%)得た。得
られた例示化合物(15)の融点は、130〜133℃
であった。また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気
共鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3450,
2920,1732,1716。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):7.2〜7.7(m,7H),6.4(s,1
H),5.8(s,1H),2.1(s,3H)。
【0033】合成例4(例示化合物(13)の合成) メタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.7ml(0.0
63mol)、ハイドロキノン0.1gおよびピリジン
10ml(0.12mol)を塩化メチレン60mlに
溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら9−フルオレノン
−4−カルボン酸クロリド14.5g(0.060mo
l)を塩化メチレン240mlに溶解した溶液を約2時
間かけて滴下した。約5℃で2時間撹拌を続けた後、反
応生成物をヘキサン700mlで希釈し、カラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン/ヘキサン
(1/3〜1/2))に通して不純物を除去した後、そ
の溶液を減圧濃縮し、析出した緑黄色結晶を濾取、減圧
乾燥して例示化合物(14)を10.5g(52%)得
た。得られた例示化合物(13)の融点は、127〜1
28℃であった。また、その赤外吸収スペクトルおよび
核磁気共鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3440,
2968,1724。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):8.3(d,1H),7.95(d,1H),
7.85(d,1H),7.7(d,1H),7.5
(t,1H),7.35(t,2H),6.15(s,
1H),5.6(s,1H),4.7(t,2H),
4.55(t,2H),1.95(s,3H)。
【0034】合成例5(例示化合物(25)の合成) ジクロロメタン30mlにピリジン2.37g(30m
mol)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル4.2
0g(32mmol)及びヒドロキノン30mgを窒素
気流下で、氷冷下5℃で撹拌しながら、ベンゾフェノン
−4−カルボン酸クロリド7.30g(30mmol)
をジクロロメタン20mlに溶解したものを5〜15℃
において滴下する。滴下終了後、室温において4時間反
応を行った後、析出している結晶を吸引濾過し、その濾
液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥後、減圧下においてジクロロメタンを回収し白
色結晶を得た。この結晶をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;n−ヘキサン−酢酸エチル)を用いて精
製し、例示化合物(25)を6.06g得た。得られた
例示化合物(25)の融点は、50〜52℃であった。
また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペク
トルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3432,
2956,1720,1656。1 HNMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,p
pm):8.2〜7.5(m,9H),6.2(s,1
H),5.6(s,1H),4.7〜4.5(m,4
H),1.9(s,3H)。
【0035】合成例6(例示化合物(19)の合成) エチレングリコール60ml(1.1mol)およびピ
リジン10ml(0.12mol)をジクロロメタン1
00mlに溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら9−フ
ルオレノン−4−カルボン酸クロリド14.6gをジク
ロロメタン250mlに溶解した溶液を約1時間で滴下
した。約5℃で30分間撹拌し、次いで室温で30分撹
拌を続けた後、反応生成物をジクロロメタン300ml
で希釈し、5%炭酸カリウム水溶液500ml、1N−
塩酸500ml、0.1N−塩酸500ml、最後に1
%炭酸カリウム水溶液500mlで順次洗浄し、無水硫
酸ナトリムを加えて乾燥した後、この溶液をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/酢酸エ
チル(10/1))を用いて不純物を除去した後、その
溶液を減圧濃縮し、これにヘキサン500mlを加え
て、析出した結晶を濾取、減圧乾燥して9−フルオレノ
ン−4−カルボン酸2−ヒドロキシエチルを14.4g
(89%)得た。得られた化合物の融点は、130〜1
32℃であり、また、その赤外吸収スペクトルおよび核
磁気共鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3320,
2928,1730,1712。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):8.2(d,1H),7.9(d,1H),7.
8(d,1H),7.7(d,1H),7.5(t,1
H),7.3(m,2H),4.7(t,2H),4.
55(t,2H),4.05(t,2H),2.3
(s,1H)。
【0036】次に、上記で得られた9−フルオレノン−
4−カルボン酸2−ヒドロキシエチル13.4g(0.
05mol)と、マロンニトリル4.0g(0.06m
ol)およびピペリジン0.5mlをトルエン300m
lに溶解し、還流下(約110℃)で5時間攪拌した。
放冷後、不溶物を濾過しジクロロメタンで抽出、その溶
液を減圧濃縮した後、ヘキサン100mlを加えて析出
した結晶を濾取、減圧乾燥して9−マロニリデンフルオ
レン−4−カルボン酸2−ヒドロキシエチルの橙色結晶
8.3g(53%)を得た。得られた化合物の融点は、
146〜148℃であり、また、その赤外吸収スペクト
ルおよび核磁気共鳴スペクトルは、下記のとおりであ
る。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3400,
2952,2224,1728。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):8.55(d,1H),8.4(d,1H),
8.2(d,1H),7.9(d,1H),7.5
(t,1H),7.35(m,2H),4.6(t,2
H),4.0(t,2H),2.0(s,1H)。
【0037】次に、上記で得られた9−マロニリデンフ
ルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロキシエチル5.4
g(0.017mol)と、ハイドロキノン0.05g
およびピリジン4ml(0.05mol)をジクロロメ
タン250mlに溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しなが
ら、これにメタクリル酸クロリド2.2ml(0.02
3mol)をジクロロメタン20mlに溶解した溶液を
約10分で滴下した。約5℃で1時間撹拌を続けた後、
反応生成物をヘキサン1リットルで希釈し、この溶液を
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタ
ン/ヘキサン(1/2))に通して不純物を除去した
後、橙色結晶を濾取、減圧乾燥することにより、例示化
合物(19)を4.5g(68%)得た。得られた例示
化合物(19)の融点は、124〜126℃であった。
また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペク
トルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3440,
2960,2224,1724。 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz,pp
m):8.6(d,1H),8.45(d,1H),
8.2(d,1H),7.9(d,1H),7.5
(t,1H),7.4(m,2H),6.15(s,1
H),5.6(d,1H),4.7(t,2H),4.
55(t,2H),1.55(s,3H)。
【0038】合成例7(例示化合物(24)の合成) 1,8−オクタンジオール60mlおよびピリジン10
ml(0.12mol)をジクロロメタン100mlに
溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら、9−フルオレノ
ン−4−カルボン酸クロリド14.6gをジクロロメタ
ン250mlに溶解した溶液を約1時間かけて滴下し
た。その後約5℃で30分間撹拌し、次いで室温で30
分間撹拌を続けた後、反応生成物をジクロロメタン30
0mlで希釈し、5%炭酸カリウム水溶液500ml、
1N−塩酸500ml、0.1N−塩酸500ml、最
後に1%炭酸カリウム水溶液500mlで順次洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、この溶液をカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン
/酢酸エチル(10/1))に通して不純物を除去した
後、その溶液を減圧濃縮し、ヘキサン500mlを加え
て、析出した結晶を濾取、減圧乾燥して、9−フルオレ
ノン−4−カルボン酸2−ヒドロキシオクチル18.4
gを得た。次に、上記で得られた9−フルオレノン−4
−カルボン酸2−ヒドロキオクチル13.4g(0.0
5mol)と、マロンニトリル4.0g(0.06mo
l)およびピペリジン0.5mlをトルエン300ml
に溶解し、還流下(約110℃)で5時間撹拌した。放
冷後、その不溶物を濾過し、ジクロロメタンで抽出し、
その溶液を減圧濃縮した後、ヘキサン100mlを加
え、析出した結晶を濾取、減圧乾燥して9−ジシアノメ
チリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロキシオ
クチル8.3gを得た。次に、上記で得られた9−ジシ
アノメチリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロ
キシオクチル7.0g(0.026mol)を、20%
塩化水素を含むエタノール200mlを用いて加熱還流
下10時間加水分解反応を行い、その反応終了後反応液
を減圧下に回収して、9−ジ(エトキシカルボニル)メ
チリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロキシエ
チル6.0gを得た。
【0039】上記で得られた9−ジ(エトキシカルボニ
ル)メチリデンフルオレン−4−カルボン酸2−ヒドロ
キシエチル5.0gと、ハイドロキノン0.05gおよ
びピリジンペリジン4ml(0.05mol)をジクロ
ロメタン250mlに溶解し、氷冷下約5℃で撹拌しな
がら、メタクリル酸クロリド2.2ml(0.023m
ol)をジクロロメタン20mlに溶解した溶液を約1
0分かけて滴下した。約5℃で1時間撹拌を続けた後、
反応生成物をヘキサン1リットルで希釈し、この溶液を
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタ
ン/ヘキサン(1/2))に通して不純物を除去した
後、橙色結晶を濾取、減圧乾燥することにより、例示化
合物(24)を4.5g得た。
【0040】合成例8(例示化合物(38)の合成) N−ヒドロキシエチルフタルイミド19.1g(0.1
mol)、ハイドロキノン0.1gおよびピリジン16
ml(0.2mol)をジクロロメタン200mlに溶
解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら、メタクリル酸クロ
リド14.5ml(0.15mol)をジクロロメタン
30mlに溶解した溶液を、約1時間かけて滴下した。
約5℃で1時間撹拌を続けた後、混合物を0.1N−塩
酸1リットル、次いで5%−炭酸カリウム水溶液1リッ
トル、最後に水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加
えて乾燥し、この溶液をカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル;ジクロロメタン)に通して不純物を除去した
後、この溶液にヘキサン500mlを加えて減圧濃縮
し、析出した結晶を濾取し、減圧乾燥して例示化合物
(38)を17.0g(50%)得た。得られた例示化
合物(38)の融点は、104〜106℃であった。ま
た、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペクト
ルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3960,
2960,1778,1712。 NMRスペクトル(CDCl3 ,C,300MHz,p
pm):8.6(d,2H),8.2(d,2H),
7.75(t,2H),6.1(s,1H),5.5
(s,1H),4.35(t,2H),4.3(t,2
H),1.9(s,3H)。
【0041】合成例9(例示化合物(39)の合成) N−(3−ヒドロキシプロピル)フタルイミド13.9
g(68mmol)、ハイドロキノン0.1gおよびピ
リジン7.11ml(90mmol)を112mlに溶
解し、氷冷下約5℃で撹拌しながら、メタクリル酸クロ
リド9.4g(90mmol)をジクロロメタン20m
lに溶解した溶液を約15分で滴下した。約5〜15℃
で3時間撹拌を続けた後、この混合物を0.1N−塩酸
1リットル、次いで5%−炭酸カリウム水溶液1リット
ル、最後に水を用いて洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
を加えて乾燥し、この溶液をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル;ヘキサン)に通して不純物を除去した
後、減圧濃縮し、析出した結晶を濾取し、減圧乾燥して
例示化合物(39)を9.58g(52%)得た。得ら
れた例示化合物(39)の融点は、104〜106℃で
あった。また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共
鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3100,
2984,2960,1770,1720。 NMRスペクトル(CDCl3 ,C,300MHz,p
pm):7.8(d,2H),7.7(d,2H),
6.1(s,1H),5.5(s,1H),4.35
(t,2H),4.3(t,2H),2.1(m,2
H),1.9(s,3H)。
【0042】合成例10(例示化合物(42)の合成) メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル4.50g(35
mmol)、ピリジン2.37g(30mmol)およ
びハイドロキノン30mgをジクロロメタン100ml
に溶解し、窒素雰囲気下、氷冷下約5℃で撹拌しなが
ら、N−(4−クロロカルボキシルフェニル)フタルイ
ミド9.00g(30mmol)を5〜15℃で少量づ
つ添加した。添加終了後、室温で4時間反応を行った
後、析出した結晶を吸引濾過し、濾液を飽和食塩水で洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。乾燥
後、溶媒を減圧除去し、得られた白色結晶をアセトンで
再結晶し、例示化合物(42)を6.63g(%)得
た。得られた例示化合物(42)の融点は、143〜1
46℃であった。また、その赤外吸収スペクトルおよび
核磁気共鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3082,
2968,1714,1638。1 HNMRスペクトル(CDCl3 ,C,300MH
z,ppm):8.2〜7.6(8H),6.2(s,
1H),5.6(s,1H),4.7〜4.5(4
H),1.9ppm(s,3H)。
【0043】合成例11(例示化合物(51)の合成) N−(3′−ヒドロキシプロピル)−1,8−ナフタル
イミド20.0g(0.078mol)、ハイドロキノ
ン0.1gおよびピリジン9.5ml(0.12mo
l)をジクロロメタン200mlに溶解し、氷冷下約5
℃で撹拌しながら、メタクリル酸クロリド9.0ml
(0.093mol)をジクロロメタン20mlに溶解
した溶液を約30分で滴下した。約5℃で1時間撹拌を
続けた後、混合物を0.1N−塩酸500ml、次いで
5%−炭酸カリウム水溶液500ml、最後に水で洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、この溶液
をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメ
タン)に通して不純物を除去した後、ヘキサン400m
lを加え減圧濃縮し、析出した結晶を濾取、減圧乾燥し
て、化合物(51)を13.9g(55%)得た。得ら
れた例示化合物(51)の融点は、117〜118℃で
あった。また、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共
鳴スペクトルは、下記のとおりである。 赤外吸収スペクトル(KBr法,cm-1):3450,
2964,1712,1668。 NMRスペクトル(CDCl3 ,C,300MHz,p
pm):7.85(q,2H),7.7(q,2H),
6.05(s,1H),5.55(s,1H),4.4
(s,2H),4.0(t,2H),1.9(s,3
H)。
【0044】以下、合成例12〜24は、高分子化合物
の合成例を示す。 合成例12 合成例1で得られた例示化合物(1)1.00gをテト
ラヒドロフラン6.00gに溶解し、窒素置換した後、
アゾビスイソブチロニトリル5.00mgを添加し、6
0℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、その反
応液をメタノール200mlに注ぎ、析出した固形物を
濾過、乾燥した後、固形物をテトラヒドロフラン20m
lに再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析
出した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、高分子
化合物0.98gを得た。得られた高分子化合物の分子
量をGPC(THF移動層)により測定したところ、そ
の重量平均分子量は10万5千であった。
【0045】合成例13 合成例6で得られた例示化合物(19)1.00gを
N,N−ジメチルアセトアミド6.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル5.00m
gを添加し、60℃で48時間重合反応を行った。反応
終了後、その反応液をメタノール200mlに注ぎ、析
出した固形物を濾過、乾燥した後、固形物をクロロホル
ム20mlに再度溶解してメタノール200ml中に注
入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することによ
り、高分子化合物0.98gを得た。得られた高分子化
合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測
定したところ、その重量平均分子量は12万4千であっ
た。
【0046】合成例14 合成例1で得られた例示化合物(1)1.00gおよび
メタクリル酸メチルエステル1.00gをテトラヒドロ
フラン6.00gに溶解し、窒素置換した後、アゾビス
イソブチロニトリル5.00mgを添加し、60℃で4
8時間重合反応を行った。反応終了後、その反応液をメ
タノール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、
乾燥した後、固形物をテトラヒドロフラン20.00g
に再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析出
した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、高分子化
合物0.98gを得た。得られた高分子化合物の分子量
をGPC(THF移動層)により測定したところ、その
重量平均分子量は15万5千であった。
【0047】合成例15 合成例2で得られた例示化合物(14)2.00gおよ
びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをテ
トラヒドロフラン25mlに溶解し、窒素置換した後、
アゾビスイソブチロニトリル20.00mgを添加し、
60℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、メタ
ノール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、乾
燥した後、その固形物をテトラヒドロフラン20.00
gに再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析
出した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、高分子
化合物3.98gを得た。得られた高分子化合物の分子
量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したとこ
ろ、その重量平均分子量は15万であった。
【0048】合成例16 合成例8で得られた例示化合物(38)1.00gを
N,N−ジメチルアセトアミド4.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル5.0mg
を加えて、60℃で48時間重合反応を行った。反応終
了後、その反応液をメタノール200mlに注ぎ、析出
した固形物を濾過、乾燥した後、その固形物を再度ジク
ロロメタン30mlに溶解して酢酸エチル300ml中
に注入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することに
より、高分子化合物0.86gを得た。得られた高分子
化合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により
測定したところ、その重量平均分子量は2万5千であっ
た。
【0049】合成例17 合成例9で得られた例示化合物(39)1.00gをテ
トラヒドロフラン4.00gに溶解し、窒素置換した
後、アゾビスイソブチロニトリル2.0mgを加えて、
60℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、その
反応液をメタノール200ml中に注ぎ、析出した固形
物を濾過、乾燥した後、その固形物をテトラヒドロフラ
ン20mlに再度溶解してメタノール200ml中に注
入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することによ
り、高分子化合物0.61gを得た。得られた高分子化
合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測
定したところ、その重量平均分子量は6万6千であっ
た。
【0050】合成例18 合成例10で得られた例示化合物(42)1.00gを
N,N−ジメチルアセトアミド4.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル1.5mg
を加えて、60℃で48時間重合反応を行った。反応終
了後、その反応液をメタノール200ml中に注ぎ、析
出した固形物を濾過、乾燥した後、その固形物をジクロ
ロメタン30mlに再度溶解してトルエン200ml中
に注入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することに
より、高分子化合物0.81gを得た。得られた高分子
化合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により
測定したところ、その重量平均分子量は4万2千であっ
た。
【0051】合成例19 合成例11で得られた例示化合物(51)1.00gを
N,N−ジメチルアセトアミド6.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル1.5mg
を加えて、60℃で48時間重合反応を行った。反応終
了後、その反応液をメタノール200ml中に注ぎ、析
出した固形物を濾過、乾燥した後、その固形物を再度ジ
クロロメタン30mlに溶解してトルエン200ml中
に注入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することに
より、高分子化合物0.88gを得た。得られた高分子
化合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により
測定したところ、その重量平均分子量は3万4千であっ
た。
【0052】合成例20 合成例1で得られた例示化合物(1)3.00gをテト
ラヒドロフラン9.00gに溶解し、窒素置換した後、
アゾビスイソブチロニトリル12.00mgを加えて、
60℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、その
反応液をメタノール200ml中に注ぎ、析出した固形
物を濾過、乾燥した後、その固形物をテトラヒドロフラ
ン20mlに再度溶解してメタノール200ml中に注
入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することによ
り、高分子化合物2.9gを得た。得られた化合物の分
子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定したと
ころ、重量平均分子量は22万5千であった。
【0053】合成例21 合成例6で得られた例示化合物(19)3.00gを
N,N−ジメチルアセトアミド6.00gに溶解し、窒
素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル12.00
mgを加えて、60℃で48時間反応を行った。反応終
了後、反応液をメタノール200ml中に注ぎ、析出し
た固形物を濾過、乾燥した後、その固形物をクロロホル
ム20mlに再度溶解してメタノール200ml中に注
入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することによ
り、高分子化合物2.93gを得た。得られた高分子化
合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測
定したところ、重量平均分子量は55万3千であった。
【0054】合成例22 合成例2で得られた例示化合物(14)2.00gおよ
びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをテ
トラヒドロフラン15.00gに溶解し、窒素置換した
後、アゾビスイソブチロニトリル15mgを加えて、6
0℃で48時間反応を行った。反応終了後、反応液をメ
タノール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、
乾燥した後、その固形物をテトラヒドロフラン20ml
に再度溶解してメタノール200ml中に注入し、析出
した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、高分子化
合物3.98gを得た。得られた高分子化合物の分子量
をGPC(クロロホルム移動層)により測定したとこ
ろ、重量平均分子量は23万であった。
【0055】合成例23 合成例7で得られた例示化合物(24)2.00gおよ
びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをN
MP(N−メチルピペリジン)15.00gに溶解し、
窒素置換した後、アゾビスイソブチロニトリル15.0
0mgを加えて、60℃で48時間重合反応を行った。
反応終了後、メタノール200ml中に注ぎ、析出した
固形物を濾過、乾燥した後、その固形物をNMP20.
00gに再度溶解してメタノール200ml中に注入
し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することにより、
高分子化合物3.98gを得た。得られた高分子化合物
の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測定し
たところ、その重量平均分子量は21万であった。
【0056】合成例24 合成例5で得られた例示化合物(25)2.00gおよ
びメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル2.00gをテ
トラヒドロフラン15.00gに溶解し、窒素置換した
後、アゾビスイソブチロニトリル15.00mgを加え
て、60℃で48時間重合反応を行った。反応終了後、
メタノール200ml中に注ぎ、析出した固形物を濾
過、乾燥した後、その固形物をテトラヒドロフラン2
0.00gに再度溶解してメタノール200ml中に注
入し、析出した固形物を濾過、減圧乾燥することによ
り、高分子化合物3.98gを得た。得られた高分子化
合物の分子量をGPC(クロロホルム移動層)により測
定したところ、その重量平均分子量は23万であった。
【0057】実施例1 合成例12で得られた高分子化合物2.00gを、3−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン1.00
gとともにジクロロメタン50mlに溶解し、得られた
溶液をアルミニウムパイプ(40mmφ×318mm)
上に浸漬塗布し、150℃で30分間乾燥して膜厚1.
0μmの下引き層を形成した。次に、X型無金属フタロ
シアニン1重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(VMCH;ユニオンカーバイド社製)1重量部および
酢酸n−ブチル40重量部を、1mmφのガラスビーズ
を用いたサンドミルで2時間分散して得られた分散液
を、上記の下引き層の上に浸漬塗布し、100℃で10
分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
最後に,N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−
メチルフェニル)ベンジジン1重量部およびポリ(4,
4−シクロヘキシリデンフェニレンカーボネート)樹脂
1重量部をモノクロロベンゼン6重量部に溶解した溶液
を、上記の電荷発生層の上に浸漬塗布し、135℃で1
時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成すること
により、電子写真感光体を作製した。
【0058】実施例2 下引き層の構成成分として合成例13で得られた高分子
化合物を用い、3−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシランを用いた以外は、実施例1と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0059】実施例3 下引き層の構成成分として合成例12で得られた高分子
化合物を用い、電荷発生層の構成成分として、X型無金
属フタロシアニンの代わりにα型チタニルフタロシアニ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光
体を作製した。 実施例4 下引き層の構成成分として合成例14で得られた高分子
化合物を用い、電荷発生層の構成成分としてX型無金属
フタロシアニンの代わりに、特開平5−194523号
公報記載の方法で調製したクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製した。
【0060】実施例5 合成例16で得られた高分子化合部2.00gを3−メ
タクリルオキシプロピルトリメトキシシラン1.00g
とともに1,1,2,2−テトラクロロエタン50ml
に溶解し、得られた溶液をアルミニウムパイプ(40m
mφ×318mm)上に浸漬塗布し、150℃で30分
間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成した。次
に、X型無金属フタロシアニン1重量部、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社
製)1重量部および酢酸n−ブチル40重量部を、1m
mφのガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散し
て得られた分散液を、上記の下引き層上に浸漬塗布し、
これを100℃で10分間乾燥して膜厚0.2μmの電
荷発生層を形成した。最後に、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン1重
量およびポリ(4,4−シクロヘキシリデンジフェニレ
ンカーボネート)樹脂1重量部をモノクロロベンゼン6
重量部に溶解した溶液を、上記の電荷発生層上に浸漬塗
布し、135℃で1時間乾燥して膜厚0.2μmの電荷
輸送層を形成することにより、電子写真感光体を作製し
た。
【0061】実施例6 下引き層の構成成分として、合成例17で得られた高分
子化合物を用いた以外は、実施例5と同様にして電子写
真感光体を作製した。
【0062】実施例7 下引き層の構成成分として、合成例18で得られた高分
子化合物を用い、電荷発生層の構成成分として、X型無
金属フタロシアニンの代わりにα型チタニルフタロシア
ニンを用いた以外は、実施例5と同様にして電子写真感
光体を作製した。
【0063】実施例8 下引き層の構成成分として、合成例19で得られた高分
子化合物を用い、電荷発生層の構成成分として、X型無
金属フタロシアニンの代わりに特開平5−279591
号公報記載の方法で調整したヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶を用いた以外は、実施例5と同様にして電
子写真感光体を作製した。
【0064】実施例9 合成例19で得られた高分子化合物2.00gおよび9
−ジシアノメチレンフルオレン−4−カルボン酸n−オ
クチル0.1gをジクロロメタン50mlに溶解、分散
させた後、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン1.00gとともにジクロロメタンを添加し、充
分混合させて調整し、得られた溶液をアルミニウムパイ
プ(40mmφ×318mm)上に浸漬塗布し、150
℃で30分間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成
した。次に、X型無金属フタロシアニン1重量部、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH;ユニオンカー
バイド社製)1重量部および酢酸n−ブチル40重量部
を、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで2時
間分散して得られた分散液を、上記の下引き層の上に浸
漬塗布し、100℃で10分間乾燥して膜厚0.2μm
の電荷発生層を形成した。最後に,N,N′−ジフェニ
ル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン
1重量部およびポリ(4,4−シクロヘキシリデンフェ
ニレンカーボネート)樹脂1重量部をモノクロロベンゼ
ン6重量部に溶解した溶液を、上記の電荷発生層の上に
浸漬塗布し、135℃で1時間乾燥して膜厚20μmの
電荷輸送層を形成することにより、電子写真感光体を作
製した。
【0065】実施例10 下引き層の構成成分として、合成例20で得られた高分
子化合物2.00g、9−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン0.06gを用いた以外は、実施例9
と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0066】実施例11 下引き層の構成成分として、合成例21で得られた高分
子化合物2.00g、ジルコニウムアセチルアセトネー
ト0.2gおよび3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン0.05gを用いて調液し、電荷発生層の構成成分と
して、X型無金属フタロシアニンの代わりに特開平5−
194523号公報に記載の方法で調整したクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を用いた以外は、実施例9と同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0067】実施例12 下引き層の構成成分として、合成例24で得られた高分
子化合物2.00g、2,5−ジエチル−7,7,8,
8−テトラシアノキノジメタン0.4gおよび3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン0.2gを用いて調液
し、電荷発生層の構成成分として、X型無金属フタロシ
アニンの代わりに特開平5−194523号公報に記載
の方法で調整したクロロガリウムフタロシアニン結晶を
用いた以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を
作製した。
【0068】比較例1 ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績社製)
1.5重量部および2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン0.5重量部を1,1,2,2−テトラクロロエタン
20重量部に溶解した溶液をアルミニウムパイプ上に浸
漬塗布し、150℃で10分間乾燥して膜厚1.0μm
の下引き層を形成した。以下、実施例1と同様にして電
子写真感光体を作製した。
【0069】比較例2 共重合ナイロン樹脂(アラミンCM8000、東レ社
製)1重量部をエタノール8重量部に溶解した溶液をア
ルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150℃で10分間
乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成した。以下、
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0070】上記実施例1〜12及び比較例1〜2にお
いて作製した電子写真感光体について、レーザープリン
ター(XP−11;富士ゼロックス社製)を改造した評
価装置により、電気特性の試験を行った。電気特性の評
価は、常温常湿下(20℃、40%RH)および低温低
湿下(10℃、20%RH)における、帯電後レーザー
光を照射しない場合の感光体の表面電位(VH )、12
erg/cm2 のレーザー光を照射した場合の表面電位
(VL )、30erg/cm2 の光を照射した場合の表
面電位(VR )を測定することにより行った。それらの
結果を表6に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、上記した
特定の高分子化合物を含有する下引き層を用いることに
より、帯電性に優れ、また低温低湿下においても高い光
感度を有し、低い残留電位を示すことで、常に安定した
特性を示すという優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉崎 裕 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 克洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材上に、下引き層及び光導電層
    を有し、該下引き層が、下記一般式(1)で表される単
    量体の少なくとも1種を用いて得られた高分子化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とする電子写真感
    光体。 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、Aは下記一
    般式(2)〜(6)で示される基を示す。) 【化2】 [式(2)〜式(6)中、Xは酸素原子、C(C
    N)2 、C(CN)COOR2またはC(COOR2
    (COOR3 )、Yは酸素原子または−COO(C
    2)n O−を示す。R2 及びR3 は、それぞれアルキ
    ル基またはアリール基を示し、また、R4 及びR5 は、
    それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、アシル基またはシアノ基を示す。Wは−(C
    2 )n O−または−Ar−(R)k −COO(C
    2 )n O−(ただし、Ar はアリーレン基、Rはアル
    キレン基を示し、kは0または1である。)、Zはアル
    キル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル
    基またはシアノ基を示す。nは1〜20の整数、また、
    m及びlは0〜2の整数を意味する。]
  2. 【請求項2】 下引き層が、さらに有機低分子化合物を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】 高分子化合物が、他の単量体との共重合
    体であることを特徴とする請求項1または2に記載の電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 他の単量体が、架橋性単量体であること
    を特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 有機低分子化合物が、電子受容性物質で
    あることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 有機低分子化合物が、電子供与性物質で
    あることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光
    体。
  7. 【請求項7】 有機低分子化合物が、有機金属化合物で
    あることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光
    体。
  8. 【請求項8】 光導電層が、電荷発生層及び電荷輸送層
    を有する積層構造であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 光導電層が、フタロシアニン系顔料を含
    有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体。
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