JPH0519516A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0519516A
JPH0519516A JP3196011A JP19601191A JPH0519516A JP H0519516 A JPH0519516 A JP H0519516A JP 3196011 A JP3196011 A JP 3196011A JP 19601191 A JP19601191 A JP 19601191A JP H0519516 A JPH0519516 A JP H0519516A
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JP
Japan
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undercoat layer
layer
silane coupling
coupling agent
electrophotographic
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JP3196011A
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English (en)
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Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/142Inert intermediate layers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下引層が低湿度下における連続使用時におい
ても、体積抵抗が上昇しないようにして、残留電位が小
さく、良好な画質を有する、耐久性に優れた電子写真感
光体を提供する。 【構成】 導電性支持体上に、少なくとも、下引層と感
光層を有する電子写真感光体において、下引層に、2個
以上のカルボキシル基を分子中に有する多塩基酸化合物
からなる吸湿剤が含まれていることを特徴とする電子写
真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
さらに詳しくは、改良された下引層を有する電子写真感
光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体における光導電性
物質としては、種々の無機系および有機系の光導電性物
質が知られている。有機系の光導電性物質は、それを電
子写真感光体に使用した場合、膜の透明性、良好な成膜
性、可とう性を有し、コストが低くなるなどの利点が有
るが、無機系の光導電性物質に比べて感度および耐久性
が劣るという欠点を有している。そのため、有機系光導
電性物質を使用する場合、感光体の感度および耐久性を
改善するために、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離
した積層型電子写真感光体が提案されている。
【0003】一方、電子写真感光体が有する欠点とし
て、(1)現像コントラストの繰り返し安定性や、環境
安定性に欠ける、(2)白ポチ、黒ポチ、ガサツキ、ピ
ンホール等と称される画像欠陥が発生し易い、(3)基
体と感光層との間の接着強度が低く、使用時に感光層が
剥がれ、耐久性が不十分である等が知られていた。
【0004】この様な問題点を解決するための対策とし
て、基体と感光層との間に、下引層として樹脂層を設け
ることが試みられている。樹脂としては、例えば、ポリ
パラキシレン、カゼイン、ポリビニルアルコール、フェ
ノール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、メラミン樹
脂、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合
体、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルピリジン、ポリビニルメチルエーテル等
を用いることが知られている。
【0005】また、特願平2ー287232で記載した
ように、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムア
ルコキシド等の有機ジルコニウム化合物や、シランカッ
プリング剤を使用して下引層を形成することも提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、下引層とし
て樹脂層を設ける場合、比較的極性基を多く含有する樹
脂を主体とすることによって、電子写真特性を劣化させ
ない程度に体積抵抗を低位にコントロールするものであ
るが、樹脂の体積抵抗は、イオン伝導性に依存した性質
が強く、従って、温度、湿度により著しく影響を受ける
ため、感光体が低温低湿、或るいは高温高湿下におかれ
たとき、樹脂層が著しく高抵抗になって、感光層の電子
写真特性の劣化をきたしたり、或るいは樹脂層が著しく
低抵抗になって、目的とした樹脂層の機能を消失したり
する。従って、従来公知の樹脂層においては、感光体が
有する欠点の一部しか改善されず、或るいは環境特性な
どを含めれば効果が半減し、技術的に極めて不十分なも
のであった。
【0007】一方、ジルコニウムキレート化合物、ジル
コニウムアルコキシド等の有機ジルコニウム化合物或る
いはシランカップリング剤を用いた場合、更には、ジル
コニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド等
の有機ジルコニウム化合物或るいはシランカップリング
剤とともに結着樹脂を用いた場合、特に感光体が低温低
湿下におかれたとき、樹脂層に吸着された水分の蒸発に
より体積抵抗が増加し、残留電位の上昇に伴う現像コン
トラストの低下が生じ、白ポチ、黒ポチ、ガサツキ、ピ
ンホール等と称される画像欠陥が発生し易い等の問題が
伴い、未だ必ずしも満足し得るものではなかった。そこ
で、特開昭64−44450号公報には、低湿度下にお
いても電荷発生層や下引層の体積抵抗が上昇しないよう
に、電荷発生層あるいは下引層に多価アルコール類から
なる湿潤剤を添加する方法が、また特開平3−2346
4号公報には、下引層にポリエチレングリコールを添加
する方法が提案されているが、多価アルコール類やポリ
エチレングリコールの保水能力は十分でなく、低湿度下
における連続使用時の下引層の体積抵抗の上昇を防ぐ効
果は、十分とはいえなかった。従って、本発明は、特に
下引層が低湿度下における連続使用時においても、体積
抵抗が上昇しないようにして、残留電位が小さく、良好
な画質を有する、耐久性に優れた電子写真感光体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、特に下引層が
環境の変化に拘わらず、安定した水分量を維持すること
により体積抵抗の変動を少なくするために、下引層に、
2個以上のカルボキシル基を分子中に有する吸湿剤をふ
くませたことを特徴とする。すなわち、本発明は、導電
性支持体上に、少なくとも、下引層および感光層を有す
る電子写真感光体において、下引層に、2個以上のカル
ボキシル基を分子中に有する吸湿剤が含まれていること
を特徴とする。
【0009】以下、本発明の電子写真感光体について詳
細に説明する。本発明において導電性支持体としては、
電子写真感光体において使用されるものであれば、如何
なるものでも使用できる。また、必要に応じて、導電性
支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を
行うことができる。例えば、表面の陽極酸化処理、液体
ホーニング等による粗面化処理、薬品処理、着色処理等
を行うことができる。
【0010】導電性支持体上には、下引層が設けられ
る。本発明における下引層は、結着樹脂、或るいはジル
コニウムアセチルアセトネート化合物とシランカップリ
ング剤、もしくはジルコニウムアセチルアセトネート化
合物とシランカップリング剤及び結着樹脂、のいずれか
の組み合せのものより構成されるが、更に、吸湿剤が添
加されていることが特徴である。
【0011】吸湿剤としては、分子中に2個以上のカル
ボキシル基を有する化合物が保水能力の高い水分吸収剤
として用いられ、その代表的なものとしては、シュウ
酸、マロン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、フ
タル酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、リンゴ酸、シ
クロヘキサノン−1,2−ジカルボン酸、ベンゼン−
1,3,5−トリカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、エチレン−アクリル酸共重合体、塩ビ−ア
クリル酸共重合体、およびこれらのハロゲン置換体、水
酸基置換体、ニトロ基置換体、アルキル基置換体、アミ
ノ基置換体、フェニル基置換体等の化合物が好適であ
る。また、これらの吸湿剤は2種以上を混合して用いる
こともできる。分子中のカルボキシル基の数が1個以下
である場合は、保水能力が低いため効果が十分ではな
い。
【0012】下引層における吸湿剤の添加量は、下引層
の固形分に対して、0.01〜10重量%程度、好まし
くは0.1〜5重量%の範囲で使用される。添加量が上
記の範囲よりも少ないと保湿効果が得られず、多すぎる
場合には下引層の成膜性が悪くなるだけでなく、基体と
の接着性が低下し、使用時に感光層が剥がれる等の不具
合を生じる。
【0013】上記吸湿剤と混合して使用される樹脂とし
ては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリビニルアル
コール、フェノール樹脂、アルコール可溶性ポリアミ
ド、共重合ナイロン、セルロース類、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルメチルエーテ
ル、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリ
スチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリアクリ
レート、ポリアリレート、ポリパラキシレン、ポリイミ
ド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、カゼイン、ゼラチン等があげられる。
【0014】また、上記樹脂のかわりに、ジルコニウム
キレート化合物、ジルコニウムアルコキシド等の有機ジ
ルコニウム化合物とシランカップリング剤を用いること
もできる。このときの有機ジルコニウム化合物の代表的
なものとしては、ジルコニウムテトラブトキサイド、ジ
ルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウム
ジプロピオキシジアセチルアセトネート、トリブトキシ
ジルコニウムアセチルアセトネート等があげられる。シ
ランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、γ−2−
アミノエチルプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピ
ルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチルトリメトキシシラン等をあげることができ
る。
【0015】有機ジルコニウム化合物とシランカップリ
ング剤との混合割合は、Zr/Siのモル比が、1/1
〜5/1の範囲にあることが好ましい。Zrの割合が上
記の範囲よりも大きくなると、電荷発生層を塗布する際
のヌレ性が劣化し、ムラのある塗膜が形成される。ま
た、Siの割合が上記の範囲よりも大きくなると、残留
電位を増大するので好ましくない。
【0016】一方、吸湿剤を有機ジルコニウム化合物と
シランカップリング剤と結着樹脂との混合物に添加して
使用することもできる。このときの結着樹脂としては、
前述のものを用いることができる。結着樹脂の有機ジル
コニウム化合物とシランカップリング剤に対する混合割
合は、必要に応じて、下引層の膜厚を厚くしたいときは
結着樹脂の含有量を多くし、下引層の膜厚を薄くしたい
ときは少なくすると良い。
【0017】本発明において、下引層の膜厚は、一般に
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μmに設定
される。下引層を形成するためには、塗布液を調整する
ことが必要になるが、エタノール、メタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、酢酸エチル、セロソルブアセテート
等のエステル類を単独または混合して使用することがで
きる。
【0018】塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コ
ーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコー
ティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーテ
ィング法、カーテンコーティング法等のコーティング法
を用いることができ、乾燥は10〜200°C、好まし
くは30〜180°Cの範囲の温度で、5分〜6時間、
好ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥機により、
または静止乾燥下で行うことができる。
【0019】下引層上には少なくとも電荷発生層と電荷
輸送層とが積層された感光層が設けられるが、その積層
の順序はいずれが基体側にあっても良い。電荷発生層
は、電荷発生材料を適当な結着樹脂溶液とともに分散し
塗布・乾燥することによって得られる。なおこの時、結
着樹脂は無くてもよい。
【0020】電荷発生材料としては、公知のものであれ
ば、如何なるものでも使用できる。また、結着樹脂とし
ては、周知のもの、例えば、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリエステル、ポリビニルブチラール、メタク
リル酸エステル重合体、酢酸ビニル重合体または共重合
体、セルロースエステルまたはエーテル、ポリブタジエ
ン、ポリウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。電荷
発生材料と結着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好
ましくは20:1〜1:2である。電荷発生材料の比率
が高すぎる場合には、塗布溶液の安定性が低下し、低す
ぎる場合には、感度が低下するので、上記の範囲にする
のが好ましい。
【0021】分散に使用される溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤或るい
はこれらの混合溶剤をあげることができる。電荷発生層
の膜厚は、0.01〜5μm、好ましくは0.03〜2
μm程度である。
【0022】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
より構成されるもので、電荷輸送材料としては、公知の
ものであればいずれのものでも使用できる。成膜性樹脂
としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、ポリスルホン、ポリメタクリル酢エステ
ル、スチレン−メタクリル酢エステル共重合体、ポリオ
レフィン等が挙げられる。これらの中では、ポリカーボ
ネートの一種であるポリカーボネートZが好適である。
【0023】電荷輸送材料と成膜性樹脂の配合比は、
5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3である。電
荷輸送材料の比率が高すぎる場合には、電荷輸送層の機
械的強度が低下し、低すぎる場合には、感度が低下する
ので、上記の範囲にするのが好ましい。また、電荷輸送
材料が成膜性を有する場合には、上記成膜性樹脂を省く
こともできる。電荷輸送層は、上記電荷輸送材料と成膜
性樹脂とを適当な溶剤に溶解し、塗布することによって
形成するが、膜厚は、5〜50μm、好ましくは10〜
40μmの範囲になるように形成するのが好ましい。
【0024】これらの感光層の塗布方法としては、ブレ
ードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ス
プレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコ
ーティング法、カーテンコーティング法等通常採用され
る方法を用いることができる。
【0025】更に、耐刷性を改善するために、これらの
感光層の上に保護層を設けてもよい。本発明の電子写真
感光体は、電子写真複写機に効果的に使用されるが、更
にレーザービームプリンター、LEDプリンター、CR
Tプリンターや、マイクロフィルムリーダー、電子写真
製版システム等に適用可能である。
【0026】
【作用】本発明の電子写真感光体は、下引層に吸湿剤を
添加することにより、下引層に水分を取り込み保持させ
て、乾燥しすぎることを防止し、あるいは吸湿剤そのも
のの低抵抗性によって、下引層の体積抵抗の上昇を防止
することにより、低湿環境下での下引層中の電荷移動性
を改善でき、現像コントラストの繰り返し安定性および
環境安定性に優れ、良好な電子写真特性を示す。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明する。 実施例1および比較例1〜3 アルコール可溶性共重合ナイロン(CM−4000、東
レ(株)製)10gをメタノール90gに溶解し、更に
この溶液に吸湿剤として分子中に2個のカルボキシル基
を有するマロン酸0.5gを加え、下引層形成用の塗布
液を作製した。
【0028】一方、84φ×310mmのアルミパイプ
を用意し、この表面にリング塗布機により、上記下引層
形成用塗布液を塗布し、135°Cにおいて10分間加
熱乾燥し、0.5μm厚の下引層を形成した。次に、ポ
リビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−
2、積水化学工業(株)製)の5%シクロヘキサノン溶
液を準備した。臭素化アントアントロン顔料(C.I.
ピグメント・レッド168)8部(重量部、以下同じ)
を上記溶液20部に混合し、サンドミル装置によって5
時間分散した。分散液に更にシクロヘキサノン60部を
加えて浸漬塗布液とした。この浸漬塗布液を、下引層が
形成されたアルミパイプ上に浸漬塗布し、100°Cに
おいて10分間加熱乾燥し、1.0μm厚の電荷発生層
を形成した。
【0029】形成された電荷発生層の上に電荷輸送層を
形成した。即ち、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−メチルフェニル)[1.1’−ビフェニル]−
4,4’−ジアミン4部を電荷輸送材料とし、ポリカー
ボネートZ樹脂6部と共に、モノクロロベンゼン40部
に溶解させ、得られた溶液を浸漬塗布装置によって、前
記電荷発生層上に塗布し、115°C60分加熱乾燥
し、20μm厚の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体
を得た。
【0030】また、マロン酸の添加量を2.0gに代え
たこと(比較例1)、マロン酸の代わりに分子中のカル
ボキシル基が1個のプロピオン酸0.5gを添加したこ
と(比較例2)、更にはマロン酸を下引層中に添加しな
いこと(比較例3)以外は上記実施例1とすべて同様に
電子写真感光体を作製した。
【0031】これらの電子写真感光体に対して、−5.
5KVのコロトロン帯電器で帯電し(A)、1秒後に
9.0ergs/cm2の白色光を照射して放電を行い
(B)、更に、3秒後に50ergs/cm2の緑色光
を照射して除電を行う(C)というプロセスによって、
各部の電位を測定した。(A)の電位が高い程、感光体
の受容電位が高いので、コントラストを高くとることが
でき、(B)の電位は低い程高感度であり、(C)の電
位は低い程残留電位が少なく、画像メモリーやカブリが
少ない感光体といえる。この測定を28°C85%R
H、10°C15%RHの両環境下で行った。また、
5000回繰り返し帯電後の測定も行った。更に、これ
らの電子写真感光体を、複写機(富士ゼロックス(株)
製複写機2700)に装着し、同様な環境で10000
枚の耐久試験を行い、画質評価を行った。これらの結果
を表1に示す。
【0032】これらの表に示される結果から明らかなよ
うに、マロン酸を加えなかった比較例3の電子写真感光
体は、低湿度下における電位の上昇が大きく、5000
回繰り返し帯電後の電位の上昇も著しかった。また、1
0000枚の耐久試験後の画質は、高温高湿環境下にお
いては、白ポチ状の画像欠陥を生じ、更に低湿度下にお
いては、細かい白点が多発した。一方、比較例1からわ
かるように、マロン酸の添加量が多すぎると、下引層の
基体及び感光層との接着性が悪くなるため、耐久試験後
の画質が低下した。マロン酸の代わりにプロピオン酸を
添加した比較例2の電子写真感光体は、低湿度下におけ
る電位の上昇を防ぐ効果が見られなかった。
【0033】実施例2 トリブトキシジルコニウム・アセチルアセトネートの5
0%トルエン溶液(商品名:ZC540、松本交商
(株)製)100部、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン(商品名:A1110、日本ユニカー(株)製)
11部、i−プロピルアルコール440部およびn−ブ
チルアルコール220部を混合した後、吸湿剤としてフ
ェニルコハク酸1部を加え、スターラーで撹はんし、下
引層形成用の塗布液を作製した。この塗布液を実施例1
と同様にしてアルミパイプ上に塗布し、175°Cにお
いて10分間加熱乾燥し、0.1μm厚の下引層を形成
した。以下、実施例1と同様にして電子写真感光体を製
造し、実施例2とした。
【0034】また、これとは別に、フェニルコハク酸を
加えなかったこと以外は、実施例2とすべて同様にして
電子写真感光体を作製した。これを比較例4とした。こ
れらの感光体に対し、実施例1と同様の評価を行った。
その結果を第2表に示す。
【0035】表2に示される結果から明らかなように、
フェニルコハク酸を加えなかった比較例2の電子写真感
光体は、低湿度下における電位の上昇が大きく、500
0回繰り返し帯電後の電位の上昇も著しかった。また、
10000枚の耐久試験後の画質は、低湿度下におい
て、細かい白点が多発した。
【0036】実施例3および比較例5 まず、特開平2−87154号公報に記載されているア
ルミパイプの湿式ホーニング処理を次のようにして行っ
た。40φ×319mmの鏡面アルミパイプを用意し、
液体ホーニング装置を用いて、研磨剤(商品名:グリー
ンデシックGC#400、昭和電工(株)製)10Kg
を水40lに懸濁させ、それをポンプで6l/分の流量
でガンに送液し、吹きつけ速度60mm/分、空気圧
0.85kgf/cm2で、アルミパイプを100rp
mで回転させながら軸方向に移動させ、湿式ホーニング
処理を行った。このときの中心線平均粗さRaは0.1
5μmであった。
【0037】次に、ポリビニルブチラール(商品名:エ
スレックBM−S、積水化学工業(株)製)8部をn−
ブチルアルコール152部に加え、撹はん溶解し、5w
t%のポリビニルブチラール溶液を作製した。次に、ト
リブトキシジルコニウム・アセチルアセトネートの50
%トルエン溶液(商品名:ZC540、松本交商(株)
製)113部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(商品名:A1100、日本ユニカー(株)製)15部
およびn−ブチルアルコール111部を混合した溶液
を、前述のポリビニルブチラール溶液中に加え、更に吸
湿剤としてベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸1部
を添加し、スターラーで撹はんし、下引層形成用の塗布
液を作製した。この塗布液を実施例1と同様にして、ア
ルミパイプ上に塗布し、175°Cにおいて10分間加
熱乾燥し、1.0μm厚の下引層を形成した。
【0038】一方、ポリビニルブチラール樹脂(商品
名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)3部
(重量部、以下同じ)を予め、シクロヘキサノン100
部に溶解した溶液に、X型無金属フタロシアニン3部を
混合し、20時間サンドミルで分散し、シクロヘキサノ
ンで希釈し、固形分濃度3.5重量%の電荷発生層形成
用塗布液を調整した。これを、前述の下引層の上にリン
グ塗布機により塗布し、100°Cにおいて10分間加
熱乾燥し、0.3μm厚の電荷発生層を形成した。この
層の上に、実施例1と同様に電荷輸送層を形成して電子
写真感光体を製造し、実施例3とした。
【0039】また、これとは別に、下引層にベンゼン−
1,3,5−トリカルボン酸を加えなかったこと以外
は、実施例3とすべて同様にして電子写真感光体を作製
した。これを比較例5とした。
【0040】これらの電子写真感光体に対して、グリッ
ド印加電圧−700Vのスコロトロン帯電器で帯電し
(A)、780nmの半導体レーザーを用いて、1秒後
に29.0ergs/cm2の光を照射して放電を行い
(B)、更に、3秒後に50ergs/cm2の赤色L
ED光を照射して除電を行う(C)というプロセスによ
って、各部の電位を測定した。(A)の電位VHが高い
程、感光体の受容電位が高いので、コントラストを高く
とることができ、(B)の電位VLは低い程高感度であ
り、(C)VRPの電位は低い程残留電位が少なく、画
像メモリーやカブリが少ない感光体といえる。この測定
を28°C85%RH、10°C15%RHの両環
境下で行った。また、5000回繰り返し帯電後の測定
も行った。更に、これらの電子写真感光体を、レーザー
プリンター(XP−11、富士ゼロックス(株)製)に
装着し、同様な環境で10000枚の耐久試験を行い、
画質評価を行った。これらの結果を表3に示す。
【0041】表3に示される結果から明らかなように、
ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸を加えなかった
比較例5の電子写真感光体は、低湿度下における電位の
上昇が大きく、5000回繰り返し帯電後の電位の上昇
も著しかった。また、10000枚の耐久試験後の画質
は、低湿度下において、細かいカブリ状の黒点が多発し
た。また、実施例3の感光体はホーニング処理された基
板上に形成されたものであるが、画質は良好で、下引層
が均一な層となっていることが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体においては、上
記のごとく、下引層に吸湿剤を含有させることによっ
て、低湿度下における残留電位の上昇を防ぎ、環境変動
が少なく耐久性に優れた電子写真特性を有するものとな
る。
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも、下引層
    と感光層を有する電子写真感光体において、下引層に、
    2個以上のカルボキシル基を分子中に有する多塩基酸化
    合物からなる吸湿剤が含まれていることを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 下引層が、有機ジルコニウム化合物とシ
    ランカップリング剤、および吸湿剤の混合溶液を塗布
    し、硬化させて形成した層である請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 下引層が、有機ジルコニウム化合物とシ
    ランカップリング剤、結着樹脂、および吸湿剤の混合溶
    液を塗布し、硬化させて形成した層である請求項1に記
    載の電子写真感光体。
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