JPH06242622A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH06242622A
JPH06242622A JP4992893A JP4992893A JPH06242622A JP H06242622 A JPH06242622 A JP H06242622A JP 4992893 A JP4992893 A JP 4992893A JP 4992893 A JP4992893 A JP 4992893A JP H06242622 A JPH06242622 A JP H06242622A
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JP
Japan
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unsubstituted
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JP4992893A
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English (en)
Inventor
Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06242622A publication Critical patent/JPH06242622A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高い光感度を有すると共に、繰り返し使用特
性と環境安定性に優れた電子写真感光体を提供する。 【構成】 電子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷
発生層および電荷輸送層よりなる感光層を有し、電荷発
生層がフタロシアニン顔料と、一般式I〜VII の含窒素
複素環オニウム化合物を含有する。(Aは、炭素環また
は複素環を表し、Y1 は、水素原子、アルキル基、アリ
ール基を表し、Y2 、Y3 、Y4 およびY5 は、それぞ
れアルキル基、アリール基、複素環基、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基等の置換基を表し、
- はアニオンを表し、ZはS、OまたはSeを表し、
nは0〜6の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性支持体上に電荷
発生層および電荷輸送層とを設けてなる積層型電子写真
感光体に関し、詳細には、光感度に優れ、繰り返し特性
の安定した電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の感光層には、種
々の光導電性物質が提案され、使用されている。例え
ば、セレン、酸化亜鉛の如き無機系物質、或いはポリビ
ニルカルバゾールに代表される有機系物質が使用されて
いる。有機系の光導電性物質は、膜の透明性が良好で、
成膜性を有しており、また、形成された光導電膜が可塑
性を有していること、さらにコストが安いこと等の利点
を有することから、盛んに研究が進められている。ま
た、最近では、電子写真感光体の光感度を改善するため
に、電荷発生能に優れた材料および電荷輸送能に優れた
材料を組み合わせて用いる構成、すなわち、積層型電子
写真感光体が提案され、さらに、増感剤の改良、増感方
法の開発が行われている。一方、レーザー光を光源とし
た電子写真プロセスを利用する電子写真複写機やレーザ
ープリンター等に使用されるものとして、フタロシアニ
ン顔料を用いた電子写真感光体も知られている。
【0003】これらの有機系物質を使用する電子写真感
光体は、無毒性、加工性、コスト等の点で無機系物質を
使用する電子写真感光体よりも優れた性質を有している
が、光感度、電子写真特性の繰り返し安定性や環境安定
性が必ずしも十分ではなく、実用上問題があった。その
ために、種々の添加剤を添加して増感を行うことが試み
られている。例えば、特開昭53−89434号公報に
開示されているような多環芳香族ニトロ化合物を添加剤
として使用したり、特開平3−163559号公報に開
示されているように、増感剤としてフタル酸またはその
誘導体を添加することにより、光感度を向上させること
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている添加剤は、フタロシアニン顔料を用いた電
子写真感光体に使用した場合、感度の向上をはかること
はできるが、一方で帯電性が悪化したり、繰り返し使用
特性が低下し、耐久性に問題が生じたり、或いは環境安
定性が低下するなどの欠点を併せ有していた。したがっ
て、フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体に対し
て、満足のいく添加剤の開発が望まれていた。本発明
は、従来の技術における上記のような事情の下になされ
たものであって、その目的は、より高い光感度を有する
と共に、繰り返し使用特性および環境安定性に優れた電
子写真感光体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、フタロシアニン顔料に特定の化合物を添
加すると、光感度が向上すると共に、繰り返し使用特性
および環境安定性に優れた電子写真感光体が得られるこ
とを見出だし、本発明を完成するに至った。本発明の電
子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷発生層および
電荷輸送層よりなる感光層を有するものであって、電荷
発生層がフタロシアニン顔料と、下記一般式(I)ない
し(VII )で表される含窒素複素環オニウム化合物を含
有することを特徴とする。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Aは、置換もしくは非置換の単環
もしくは多環式炭素環または複素環を形成する原子団を
表し、Y1 は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル
基、置換もしくは非置換アリール基を表し、Y2
3 、Y4 およびY5 は、それぞれ置換もしくは非置換
アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もし
くは非置換複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、スルホン酸基、−OR1、−SR2 、−COO
3 、−NR4 5 、−SO2 NR6 7 、−SO3
8、−SO2 9 、−CH2 NHCOCH2 NR
1011、−CONR1213、−NHCOR14、−N=N
15または−N=CHR16(ただし、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10、R
11、R12、R13、R14、R15およびR16は、互いに同一
であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子、置
換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリ
ール基、置換もしくは非置換アシル基、置換もしくは非
置換シクロアルキル基、またはポリエーテル基を表し、
またR6 とR7 、R10とR11、およびR12とR13は、そ
れぞれ互いに結合して4〜7員環を形成してもよ
い。)、X- はアニオンを表し、Zは硫黄原子、酸素原
子またはセレン原子を表し、nは0〜6の整数であっ
て、置換基Y2 の個数を意味する。)
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、導電性支持体としては、電子写真感光体
において使用されるものであれば、如何なるものでも使
用することができる。また、必要に応じて、導電性支持
体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を施す
ことができる。例えば、表面の陽極酸化処理、液体ホー
ニング処理等による粗面化処理、薬品処理、着色処理等
を行うことができる。
【0009】導電性支持体上には、少なくとも電荷発生
層と電荷輸送層とが積層された感光層が設けられるが、
その積層の順序は、いずれが導電性支持体側にあっても
よい。
【0010】本発明における電荷発生層は、フタロシア
ニン顔料と適当な結着樹脂とにより構成されるが、さら
に添加剤として、上記一般式(I)ないし(VII )で示
される含窒素複素環オニウム化合物が添加されている。
なお、電荷発生層においては、結着樹脂は存在しなくて
もよい。上記一般式(I)ないし(VII )において、A
は、置換もしくは非置換の単環もしくは多環式炭素環ま
たは複素環を表すが、より具体的には、Aはベンゼン
環、ナフタレン環、部分水素化ナフタレン環、ピリジン
環、ピラジン環、キノキサリン環、カルバゾール環、ナ
フトキノン環を形成する原子団を表す。
【0011】上記一般式(I)ないし(VII )で示され
る含窒素複素環オニウム化合物の代表的なものとして
は、下記のものを例示することができる。
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】電荷発生層における上記含窒素複素環オニ
ウム化合物の添加量は、フタロシアニン顔料1重量部に
対して1重量部以下に設定するのが好ましく、特に好ま
しい範囲は、0.01〜0.5重量部である。含窒素複
素環オニウム化合物の添加量が1重量部よりも多すぎる
場合には、帯電電位の低下、繰り返し使用時の安定性の
低下、環境安定性の低下が生じやすくなるばかりでな
く、含窒素複素環オニウム化合物が電荷発生層表面に晶
出し、成膜性が悪くなる。また、余りにも少ない場合
は、増感効果、繰り返し使用時の電位安定性、環境安定
効果の全てにおいて効果が小さくなる。
【0015】電荷発生材料としては、公知のフタロシア
ニン顔料であれば如何なるものでも使用することができ
る。例えば、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニ
ン、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニ
ン、クロロインジウムフタロシアニン、クロロアルミニ
ウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ク
ロロガリウムフタロシアニン、クロロゲルマニウムフタ
ロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等を代
表的なものとしてあげることができる。
【0016】電荷発生層における結着樹脂としては、周
知のもの、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エ
ステル重合体、酢酸ビニル重合体または共重合体、セル
ロースエステルまたはエーテル、ポリブタジエン、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂等が用いられる。電荷発生材料
と結着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好ましくは
20:1〜1:20である。電荷発生材料の比率が高す
ぎる場合には、塗布液の安定性が低下し、低すぎる場合
には、感度が低下するので、上記の範囲にするのが好ま
しい。電荷発生層は、電荷発生材料を結着樹脂の溶液に
分散させ、塗布することによって形成するが、その際、
上記含窒素複素環オニウム化合物を添加する。添加時期
は特に制限はなく、電荷発生材料の分散時、結着樹脂の
用か維持、塗布液の調合時、或いは電荷発生材料の製造
時等、適宜の時点でよい。
【0017】分散に使用される溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、
酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メ
チレンクロライド、クロロホルム、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤またはこれらの
混合溶剤をあげることができる。分散手段としては、ボ
ールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター等、
通常用いられるものが使用できる。電荷発生層は、膜厚
0.05〜5μmの範囲になるように形成するのが好ま
しい。
【0018】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
より構成されるもので、電荷輸送材料としては、公知の
ものであればいずれのものでも使用することができる。
成膜性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタク
リル酸エステル、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、ポリオレフィン等があげられる。これらの中で
は、耐久性の点でポリカーボネートが好適である。
【0019】電荷輸送材料と成膜性樹脂の配合比は、
5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3である。電
荷輸送材料の比率が高すぎる場合には、電荷輸送層の機
械的強度が低下し、低すぎる場合には、感度が低下する
ので、上記の範囲にするのが好ましい。また、電荷輸送
材料が成膜性を有する場合には、上記成膜性樹脂を省く
こともできる。電荷輸送層は、上記電荷輸送材料と成膜
性樹脂とを適当な溶剤に溶解し、塗布することによって
形成するが、膜厚は、5〜50μm、好ましくは10〜
40μmの範囲になるように形成する。これらの感光層
の塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬
コーティング法、ビードコーティング法、カーテンコー
テイング法等、通常採用される方法を用いることができ
る。
【0020】また、本発明の電子写真感光体は、必要に
応じて、感光層と導電性支持体の間に下引き層を設けて
もよい。下引き層は、導電性支持体からの不必要な電荷
の注入を阻止するために有効であり、感光体の帯電性を
高くする作用がある。さらに感光層と導電性支持体との
接着性を向上させる作用もある。下引き層を構成する材
料としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルピリジン、セルロースエーテル類、セ
ルロースエステル類、ポリアミド、ポリウレタン、カゼ
イン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチア
セテート、アミノスターチ、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド等があげられる。
【0021】また、上記樹脂の代わりに、ジルコニウム
キレート化合物、ジルコニウムアルコキシド等の有機ジ
ルコニウム化合物とシランカップリング剤とを用いるこ
ともできる。有機ジルコニウム化合物の代表的なものと
しては、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウム
テトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジプロポキ
シジアセチルアセトネート、トリブトキシジルコニウム
アセチルアセトネート等があげられる。シランカップリ
ング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロ
ルプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチル
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキ
シシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
トリメトキシシラン等をあげることができる。
【0022】有機ジルコニウム化合物とシランカップリ
ング剤との混合割合は、Zr/Siのモル比が、1/1
〜5/1の範囲にあることが好ましい。Zrの割合が上
記の範囲よりも大きくなると、電荷発生層を塗布する際
のヌレ性が劣化し、ムラのある塗膜が形成される。ま
た、Siの割合が上記の範囲よりも大きくなると、残留
電位を増大するので好ましくない。また、有機ジルコニ
ウム化合物とシランカップリング剤と結着樹脂との混合
物を使用することもできる。結着樹脂の有機ジルコニウ
ム化合物とシランカップリング剤に対する混合割合は、
必要に応じて適宜設定する。例えば、下引き層の膜厚を
厚くする場合には、結着樹脂の含有量を多くし、薄くす
る場合には少なくすればよい。
【0023】さらに下引き層には微粒子無機粉体を含有
させてもよい。例えば、微粒子無機粉体を上記結着樹脂
と混合、分散した溶液を塗布、乾燥させて下引き層を形
成することができる。微粒子無機粉体としては、酸化チ
タン、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、アルミナ、
酸化インジウム、酸化マグネシウム、シリカ、三酸化モ
リブデン、酸化第2銅等が使用される。
【0024】本発明において、下引き層の膜厚は、一般
に0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μmに設
定される。下引き層を形成するためには、塗布液を調製
することが必要になるが、エタノール、メタノール、プ
ロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、セロソルブアセテ
ート等のエステル類を単独または混合して使用すること
ができる。塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬コー
ティング法、スプレーコーティング法、ブレードコーテ
ィング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティ
ング法、カーテンコーテイング法等の方法が使用でき、
乾燥は10〜200℃、好ましくは30〜180℃の範
囲の温度で、5分〜6時間、好ましくは10分〜2時間
の間、送風乾燥機により、または静止乾燥下で行うこと
ができる。
【0025】なお、下引き層と電荷発生層との界面の電
荷注入性を改善するために、下引き層に上記含窒素複素
環オニウム化合物を混入させたり、電荷発生層と電荷輸
送層との界面の電荷注入性を改善するために、電荷輸送
層に上記含窒素複素環オニウム化合物を混入させること
も可能である。さらに本発明の電子写真感光体は、耐刷
性を改善するために、感光層の表面に保護層を設けても
よい。
【0026】
【作用】本発明の電子写真感光体は、フタロシアニン顔
料を含む電荷発生層中に、上記特定の含窒素複素環オニ
ウム化合物を含有させることにより、フタロシアニン顔
料に存在する正孔トラップによる感度の低下を防止し、
下引き層−電荷発生層間および電荷発生層−電荷輸送層
間の界面の電荷注入性を改善するため、高い感度を示
し、繰り返し使用時の安定性および環境安定性が改善さ
れる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 先ず、40mmφ×319mmの鏡面アルミニウムパイ
プを用意し、湿式ホーニング処理を行った。すなわち、
液体ホーニング装置において、研磨材(グリーンデシッ
クGC#400、昭和電工社製)10kgを水40リッ
トルに懸濁させ、それをポンプで6リットル/分の流速
でガンに送液し、吹き付け速度60mm/分、空気圧
0.85kgf/cm2 で、アルミニウムパイプを10
0rpmで回転させながら軸方向に移動させながら、吹
き付け、湿式ホーニング処理を行った。このときの中心
線平均粗さRaは0.15μmであった。次に、ポリビ
ニルブチラール(エスレックBM−1、積水化学工業社
製)8部をn−ブチルアルコール152部に加え、攪拌
溶解し、5重量%のポリビニルブチラール溶液を作製し
た。次に、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネ
ートの50%トルエン溶液(ZC540、松本交商社
製)113部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(A1100、日本ユニカー社製)15部およびn−ブ
チルアルコール111部を混合した溶液を、上記ポリビ
ニルブチラール溶液中に加え、攪拌機で攪拌し、下引き
層形成用塗布液を作製した。この塗布液を、アルミニウ
ムパイプ上に浸漬塗布し、170℃において10分間加
熱乾燥して、膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
【0028】一方、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂(VMCH、ユニオンカーバイド社製)2部を、予め
酢酸n−ブチル100部に溶解した溶液に、X型無金属
フタロシアニン1部と、添加剤として上記例示化合物
(1)0.3部を混合し、6時間サンドミルで分散し、
酢酸n−ブチルで稀釈して、固形分濃度4.0重量%の
電荷発生層形成用塗布液を調製した。得られた塗布液を
前記下引き層の上に、リング塗布機により塗布し、10
0℃において15分間加熱乾燥して、膜厚0.25μm
の電荷発生層を形成した。形成された電荷発生層の上に
電荷輸送層を形成して、電子写真感光体を作製した。す
なわち、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−
メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,
4′ージアミン4部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネ
ートZ樹脂6部と共にモノクロロベンゼン40部に溶解
させ、得られた溶液を浸漬塗布法によって上記電荷発生
層上に塗布し、100℃で60分加熱乾燥して、膜厚2
0μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0029】比較例1 実施例1の電荷発生層において、上記例示化合物(1)
を添加しない以外は、上記と同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0030】実施例1および比較例1の電子写真用感光
体を、レーザープリンター改造スキャナー(XP−15
改造機:富士ゼロックス社製)を用いて、(1)20
℃、50%RHの環境下、グリッド印加電圧−700V
のスコロトロン帯電器で帯電し(A)、780nmの半
導体レーザーを用いて、1秒後に10ergs/cm2
の光を照射して放電を行い(B)、さらに、3秒後に5
0ergs/cm2 の赤色LED光を照射して除電を行
う(C)というプロセスによって、各部の電位を測定し
た。なお、(A)の電位VH が高いほど、感光体の受容
電位が高いので、コントラストを高くとることができ、
(B)の電位VL は低いほど高感度であり、(C)の電
位VRPは低いほど残留電位が少なく、画像メモリーやカ
ブリが少ない感光体であると評価される。また、500
0回繰り返し帯電後の各部の電位の測定も行った。さら
に、この測定を、(2)28℃、85%RHおよび
(3)10℃、15%RH、の各々の環境下でも行い、
両環境下間での各電位の変動量(△VH △VL 、△
RP)を測定し、環境安定性評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0031】
【表1】 表1に示される結果から明らかなように、添加剤として
上記例示化合物(1)を加えた実施例1の電子写真感光
体は、感度が非常に高く、5000回繰り返し後の電位
の変化も少ない。また、環境による電位の変動も小さ
い。
【0032】実施例2および3 先ず、ポリアミド樹脂として、4元共重合ナイロン樹脂
(CM8000、東レ社製)を用い、その10部を、メ
タノール60部とn−ブタノール30部を溶解し、得ら
れた溶液に、アルミナ被覆した平均粒径0.5μmのル
チル型酸化チタン微粉末(アルミナ被覆顔料:3重量
%)10部を混合し、次いで、2mmφのガラスビーズ
と共にサンドミルで2時間分散混合させ、下引き層形成
用塗布液を作製した。この塗布液を実施例1と同様にし
て、40mmφ×319mmの鏡面アルミニウムパイプ
上に塗布し、150℃において15分間加熱乾燥し、膜
厚1.5μmの下引き層を形成した。次に、電荷発生材
料として、特開平4−214769号公報に記載のバナ
ジルフタロシアニン結晶1部を使用し、それぞれ添加剤
として、例示化合物(7)0.5部(実施例2)、1部
(実施例3)および2部(実施例4)を使用した以外
は、実施例1と同様にして電荷発生層形成用塗布液を調
製した。以後、実施例1と同様にして、前記下引き層の
上に電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真感光体
を作製し、同様の評価を行った。その結果を表2に示
す。
【0033】比較例2 電荷発生層中に例示化合物(7)を含ませないこと以外
は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、評
価した。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】 上記表2に示される結果から明らかなように、例示化合
物(7)を加えた場合には、感度が高く、また、500
0回繰り返し後の電位の変化および環境による電位の変
動が小さいことが分かる。
【0035】実施例4 電荷発生材料として、特開平3−269064号公報に
記載のチタニルフタロシアニン結晶1部を使用し、添加
剤として例示化合物(10)0.2部を加えた以外は、
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、同様に
評価を行った。その結果を表3に示す。 比較例3 電荷発生層に例示化合物(10)を含有させない以外
は、実施例5と同様にして電子写真感光体を作製し、同
様に評価を行った。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、上記のよう
にフタロシアニン顔料と共に、添加剤として上記特定の
含窒素複素環オニウム化合物を含有する電荷発生層を有
するから、高い光感度を有し、また、繰り返し使用時、
特に明部電位、暗部電位の変動や、環境安定性の低下を
生じることがない。したがって、本発明の電子写真感光
体は、電子写真複写機に効果的に使用され、また、レー
ザービームプリンター、LEDプリンター、CRTプリ
ンター、マイクロフィルムリーダー、電子写真製版シス
テム等にも好適に使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷発生層および電
    荷輸送層よりなる感光層を有する電子写真感光体におい
    て、電荷発生層がフタロシアニン顔料と、下記一般式
    (I)ないし(VII )で示される含窒素複素環オニウム
    化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Aは、置換もしくは非置換の単環もしくは多環
    式炭素環または複素環を形成する原子団を表し、Y
    1 は、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換
    もしくは非置換アリール基を表し、Y2 、Y3 、Y4
    よびY5 は、それぞれ置換もしくは非置換アルキル基、
    置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換複
    素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン
    酸基、−OR1、−SR2 、−COOR3 、−NR4
    5 、−SO2 NR6 7 、−SO3 8、−SO
    2 9 、−CH2 NHCOCH2 NR1011、−CON
    1213、−NHCOR14、−N=NR15または−N=
    CHR16(ただし、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
    6 、R7 、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13
    14、R15およびR16は、互いに同一であっても異なっ
    ていてもよく、それぞれ水素原子、置換もしくは非置換
    アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もし
    くは非置換アシル基、置換もしくは非置換シクロアルキ
    ル基、またはポリエーテル基を表し、またR6 とR7
    10とR11、およびR12とR13は、それぞれ互いに結合
    して4〜7員環を形成してもよい。)、X- はアニオン
    を表し、Zは硫黄原子、酸素原子またはセレン原子を表
    し、nは0〜6の整数であって、置換基Y2 の個数を意
    味する。)
  2. 【請求項2】 含窒素複素環オニウム化合物の添加量
    が、フタロシアニン顔料1重量部に対して1重量部以下
    である請求項1記載の電子写真感光体。
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