JPH06258854A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH06258854A
JPH06258854A JP6597093A JP6597093A JPH06258854A JP H06258854 A JPH06258854 A JP H06258854A JP 6597093 A JP6597093 A JP 6597093A JP 6597093 A JP6597093 A JP 6597093A JP H06258854 A JPH06258854 A JP H06258854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chlorogallium phthalocyanine
photosensitive member
parts
layer
additive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6597093A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Hongo
和哉 本郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP6597093A priority Critical patent/JPH06258854A/ja
Publication of JPH06258854A publication Critical patent/JPH06258854A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高い光感度を有すると同時に、繰り返し
使用特性および環境安定性に優れた電子写真感光体を提
供する。 【構成】 電子写真感光体は、導電支持体上に電荷発生
層および電荷輸送層よりなる積層型のものであって、電
荷発生層が、フタロシアニン顔料と添加剤として下記一
般式(I)で示されるアクリジニウム塩または下記一般
式(II)で示されるフェナントリジニウム塩を含有す
る。 【化1】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、アリールオキシカルボニ
ル基、アラルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表
し、RA およびRB は、それぞれ水素原子、置換もしく
は非置換のアルキル基または置換もしくは非置換アリー
ル基を表し、Xはアニオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電支持体上に電荷発
生層および電荷輸送層とを設けてなる積層型電子写真感
光体に関し、さらに詳しくは、光感度に非常に優れ、繰
り返し特性および環境安定性に優れた電子写真感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真感光体の感光層には
電荷発生材料として光導電性物質が提案され、また使用
されている。例えば、セレン、酸化亜鉛のごとき無機系
物質、あるいはポリビニルカルバゾールに代表される有
機系物質が使用されている。有機系の光導電性物質は、
膜の透明性、良好な成膜性を有しており、また、形成さ
れ光導電膜が可塑性を有していること、さらにコストが
安いことなどの利点を有することから研究が盛んに進め
られている。また、最近では、電子写真感光体の光感度
を改善するため、電荷発生能に優れた材料および電荷輸
送能に優れた材料を組み合わせて用いる構成、すなわ
ち、積層型電子写真感光体が提案され、さらに、増感剤
の改良、増感方法の開発が行われている。
【0003】一方、レーザー光を光源とした電子写真複
写機やレーザープリンター等に使用されるものとして、
フタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体も知られて
いる。この電子写真感光体は、無毒性、加工性、コスト
等の点で無機感光体よりも優れた性質を有しているが、
光感度、電子写真特性の繰り返し安定性や環境安定性が
必ずしも充分ではなく、実用上問題があった。そのため
に、種々の添加剤を添加して増感を行うことが試みられ
ている。例えば、特開昭53−89434号公報に記載
されているように、多環芳香族ニトロ化合物を添加剤と
して使用したり、特開平3−163559号公報に開示
されているように、増感剤としてフタル酸またはその誘
導体を添加することにより、光感度を向上させることが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案された添加剤は、フタロシアニン顔料を用いた電子写
真感光体に使用した場合、感度の向上をはかることはで
きるが、帯電性が悪化したり、繰り返し使用特性が低下
し、耐久性に問題を生じたり、或いは環境安定性が低下
するなどの欠点を有していた。したがって、フタロシア
ニン顔料を用いた電子写真感光体に対して、満足のいく
添加剤の開発が望まれていた。本発明は、従来の技術に
おける上記のような実状に鑑みてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、より高い光感度を有すると
同時に、繰り返し使用特性および環境安定性に優れた電
子写真感光体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、フタロシアニン顔料に特定の化合物を添
加することにより、上記目的が達成することができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明の電子写真感光体は、導電支持体上に電荷発生層お
よび電荷輸送層よりなるものであって、電荷発生層が、
フタロシアニン顔料と添加剤としてアクリジニウム塩ま
たはフェナントリジニウム塩を含有することを特徴とす
る。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と電荷輸送層が積層されたものであるが、電荷発生
層と電荷輸送層の積層の順序はいずれが導電性支持体側
にあってもよい。
【0007】次に、上記アクリジン化合物およびフェナ
ントリジン化合物のオニウム塩を電荷発生層の添加剤と
して用いた電子写真感光体について説明する。本発明に
おいて、上記導電性支持体としては、電子写真感光体と
して使用することが可能なものならば、如何なるものも
使用することができる。具体的には、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類の他に、アル
ミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス
鋼、金、バナジウム、酸化スズ、酸化インジウム、IT
O等の薄膜を被覆したプラスチックフィルムなどあるい
は導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチッ
クフィルムなどがあげられる。これらの導電性支持体
は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状の
ものとして使用されるが、これらに限定されるものでは
ない。さらに必要に応じて、導電性支持体の表面は画質
に影響のない範囲で各種の処理を行ってもよく、例え
ば、表面の陽極酸化処理、液体ホーニング等による粗面
化処理、薬品処理および着色処理等を行うことができ
る。
【0008】電荷発生層は、フタロシアニン顔料を結着
樹脂中に分散してなるものであるが、本発明において
は、さらに添加剤としては、上記したアクリジニウム塩
またはフェナントリジニウム塩を含有することを特徴と
する。なお、電荷発生層は、結着樹脂を用いないで形成
してもよいが、以下、結着樹脂を用いる場合について述
べる。
【0009】本発明で用いられる上記フタロシアニン顔
料は、公知のものであれば如何なるものでも使用できる
が、例えば、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2
θ±0.2°)の少なくとも11.0°、13.5°2
7.1°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタ
ロシアニン、少なくとも7.4°、16.6°、25.
5°および28.3°に強い回折ピークを有するクロロ
ガリウムフタロシアニン、少なくとも6.8°、17.
3°、23.6°および26.9°に強い回折ピークを
有するクロロガリウムフタロシアニンおよび少なくとも
8.7°〜9.2°、17.6°、27.4°および2
8.8°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタ
ロシアニンが、高い光感度をするために、特に有効な電
荷発生材料として使用できる。
【0010】本発明において添加剤として使用されるア
クリジニウム塩は、下記一般式(I)で示され、また、
フェナントリジニウム塩は、下記一般式(II)で示され
る。
【化1】 (式中、R1 〜R18は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、置換もしくは非置換のアルキル基、置換
もしくは非置換のアリール基、アリールオキシカルボニ
ル基、アラルキル基、アリル基またはアルコキシ基を表
し、RA およびRB は、それぞれ水素原子、置換もしく
は非置換のアルキル基または置換もしくは非置換アリー
ル基を表し、Xはアニオンを表す。)
【0011】本発明において使用される上記一般式
(I)および(II)で示されるアクリジニウム塩および
フェナントリジニウム塩の具体例としては、例えば、ア
クリジン塩酸塩、9−クロロアクリジン塩、3,6−ジ
アミノアクリジニウムブロミド、フェナントリジン塩酸
塩、5−フェニナントリジニウムブロミド等の他、次の
化合物があげられる。
【化2】
【化3】
【化4】 これ等のアクリジニウム塩およびフェナントリジニウム
塩は、単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用
いることもできる。
【0012】フタロシアニン顔料と上記添加剤の使用割
合は、任意に設定できるが、好ましくは、フタロシアニ
ン顔料1重量部に対して、添加剤0.001〜1重量
部、特に0.01ないし0.5重量部の範囲に設定され
る。添加剤の添加量が、0.001重量部よりも小さい
場合には、増感効果、繰り返し使用時の電位安定効果、
環境安定効果の全てにおいて効果が小さくなり、また、
1重量部よりも多い場合には、帯電電位の低下、繰り返
し使用時の安定性の低下が生じ易くなるばかりでなく、
成膜性が悪くなって、添加剤として添加したアクリジニ
ウム塩またはフェナントリジニウム塩が電荷発生層表面
に晶出するようになる。
【0013】また、結着樹脂としては、公知のものなら
ば如何なるものも使用できる。例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、酢酸
ビニル重合体または共重合体、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン
樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。フタロシアニン顔
料と結着樹脂の配合比(重量比)は、40:1〜1:
4、好ましくは20:1〜1:2である。電荷発生材料
の比率が40より高すぎる場合には、塗布溶液の安定性
が低下し、1より低くすぎる場合には、感度が低下す
る。
【0014】電荷発生層を形成する際に用いられる溶剤
としては、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、1−ブタノ−ル、ベンジルアルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化
メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、モノクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等の通常の有機溶剤があげられるが、
これらの溶剤は、2種以上混合して用いることもでき
る。
【0015】電荷発生層は、結着樹脂を予め前記溶剤に
溶解した溶液に、フタロシアニン顔料をボールミル、ロ
ールミル、サンドミル、アトライター等の通常用いられ
る分散手段によって均一に分散させ、ブレードコーティ
ング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング
法、カーテンコーティング法等の塗布方法よって塗布
し、乾燥することにより形成することができる。その
際、添加剤として上記アクリジニウム塩またはイソキノ
リニウム塩を添加するが、添加時期は、フタロシアニン
顔料の分散時、結着樹脂の溶解時、塗布液調合時あるい
はフタロシアニン顔料の製造時等のいずれの時点でもよ
い。形成された電荷発生層の膜厚は、0.05μmから
5μmの範囲に設定することが好ましい。
【0016】電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂と
から構成される。電荷輸送材料としては、公知のものな
らばいずれも使用できる。例えば、2,4,7−トリニ
トロフルオレノン、テトラシアノキノジメタン等の電子
吸引性物質、カルバゾール、インドール、イミダゾー
ル、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピ
ラゾリン、チアジアゾール等の複素環化合物、アニリン
誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチ
ルベン誘導体、あるいはこれらの化合物からなる基を主
鎖もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が
あげられる。これ等の電荷輸送材料は、単独または二種
以上混合して用いることができる。
【0017】結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ポリスルホン樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ス
チレンメタクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン
樹脂等があげられる。これ等の中では、耐久性の点でポ
リカーボネートが好適である。電荷輸送物質と結着樹脂
の配合比(重量比)は、5:1〜1:5、好ましくは
3:1〜1:3である。電荷輸送材料の比率が5より高
すぎる場合には、電荷輸送層の機械的強度が低下し、1
より低すぎる場合には感度が低下する。電荷輸送層は、
上記輸送材料と結着樹脂とを適当な溶剤に溶解し、電荷
発生層の場合と同様にして塗布し、乾燥することによっ
て形成することができる。膜厚は、5〜50μm、好ま
しくは10〜40μmの範囲に設定することが好まし
い。
【0018】また、本発明の電子写真感光体は、必要に
応じて、感光層と導電支持体との間に下引き層を設けて
もよい。下引き層は、感光層の帯電時において導電性支
持体から感光層への電荷の注入を阻止すると共に感光体
の帯電量を高くし、さらに感光層を導電性支持体に対し
て一体的に接着保持させる接着層としての作用、あるい
は場合によっては、導電性支持体の反射防止作用等を有
する。下引き層を構成する材料としては、ポリビニルア
ルコール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリ
ジン、セルロースエーテル類、セルロースエステル類、
ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、カゼイン、ゼラチ
ン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、ア
ミノスターチ、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等
があげられる。
【0019】上記結着樹脂のかわりにジルコニウムキレ
ート化合物、ジルコニウムアルコキド等の有機ジルコニ
ウム化合物とシランカップリング剤を用いることもでき
る。有機ジルコニウム化合物の具体例としては、ジルコ
ニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラアセチル
アセトネート、ジルコニウムジプロピオキシジアセチル
アセトネート、トリブトキシジルコニウムアセチルアセ
トネート等があげられる。シランカップリング剤として
は、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−
2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、β−3、4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメ
トキシシラン等があげられる。
【0020】有機ジルコニウム化合物とシランカップリ
ング剤との混合割合は、Zr/Siのモル比は、1/1
〜5/1の範囲にあることが好ましい。Zrの割合が、
5より大きい場合には、電荷発生層を塗布する際のヌレ
性が劣化し、ムラのある塗膜が形成される。また、1よ
り小さい場合には、残留電位を増大させるので好ましく
ない。また、本発明においては、有機ジルコニウム化合
物およびシランカップリング剤と結着樹脂との混合物を
使用することもできる。この場合結着樹脂としては前記
した樹脂を用いることができる。結着樹脂の有機ジルコ
ニウム化合物およびシランカップリング剤に対する混合
割合は、必要に応じて、下引き層の膜厚を厚くする場合
には、結着樹脂の含量を多くし、薄くする場合には、少
なくする。
【0021】さらに、下引き層には、微粒子無機粉体を
加えてもよい。微粒子無機粉体としては、酸化チタン、
酸化アンチモン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化アルミナ、
酸化インジウム、酸化マグネシウム、シリカ、三酸化モ
リブデン、酸化第二銅等があげられる。
【0022】下引き層は、上記材料を含有する塗布液を
調製し、塗布することによって形成されるが、その際使
用される溶剤としては、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、1−ブタノ−ル等のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、セロソル
ブアセテート等のエステル類等の有機溶剤があげられ
る。これらの溶剤は2種以上混合して用いることもでき
る。
【0023】下引き層は、結着樹脂および/または有機
ジルコニウム化合物およびシランカップリング剤の溶液
に、必要に応じて、微粒子無機粉体を混合、分散した塗
布液をブレードコーティング法、スピンナーコーティン
グ法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、
ビードコーティング法、カーテンコーティング法等の塗
布方法よって塗布し、10〜200℃、好ましくは30
〜180℃の範囲の温度で、5分〜6時間、好ましくは
10分〜2時間送風乾燥機によりまたは静止乾燥するこ
とにより形成することができる。下引き層の膜厚は、
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜2μmに設定
される。さらに、本発明の電子写真感光体は、耐刷性を
改善するために、感光層の上に保護層を設けてもよい。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例および合成例において、「部」
は、「重量部」を意味する。
【0025】(クロロガリウムフタロシアニンの合成) 合成例1 1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリ
ウム9.1部をキノリン230部中に添加し、200℃
において3時間反応させた後、生成物を濾過し、N、N
−ジメチルホルムアミドおよびメタノールで洗浄し、次
いで、湿ケーキを乾燥してクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶28部を得た。得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を図1に示す。
【0026】合成例2 合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を、自動乳鉢(商品名:Lab Mill UT−
21型、ヤマト科学社製)で3時間粉砕した。得られた
クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を
図2に示す。
【0027】合成例3 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
0.5部を、1mmφガラスビーズ60部と共に、ベン
ジルアルコール20部中で、室温において24時間ボー
ルミリング処理した後、瀘別し、メタノール10部で洗
浄し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折
図を図3に示す。
【0028】合成例4 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を1mmφガラスビーズ60部と共に、室温におい
て、塩化メチレン20部中で24時間ボールミリングし
た後、濾別し、メタノール10部で洗浄してクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を得た。得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図4に示す。
【0029】合成例5 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
3部を、1mmφガラスビーズ60部と共に、室温にお
いて、メタノール20部中で24時間ボールミリングし
た後、濾別し、メタノール10部で洗浄してクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を得た。得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
【0030】実施例1 40mmφ×319mmの鏡面アルミニウムパイプを用
意し、液体ホーニング装置を用いて湿式ホーニング処理
を行った。すなわち、研磨剤(商品名:グリーンデシッ
クGC#400、昭和電工社製)10kgを水40リッ
トルに懸濁させ、懸濁液をポンプにより6リットル/分
の流量でガンに送液し、吹き付け速度60mm/分、空
気圧0.85kgf/cm2 で、アルミニウムパイプを
100rpmで回転させながら軸方向に移動させ、アル
ミニウムパイプ上に研磨剤の懸濁液を吹き付けた。この
ときのアルミニウムパイプ表面の中心線平均粗さRaは
0.15μmであった。次に、ポリビニルブチラール
(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業社製)8
部をn−ブチルアルコール152部を加え、撹拌溶解
し、5重量%のポリビニルブチラール溶液を作製した。
次に、トリブトキシジルコニウム・アセチルアセトネー
トの50%トルエン溶液(商品名:ZC540、松本交
商社製)113部およびγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン(商品名:A1100、日本ユニカー社製)1
5部とn−ブチルアルコール111部を混合した溶液
を、前記のポリビニルブチラール溶液中に加え、スター
ラーで撹拌して下引き層形成用塗布液を作製した。この
塗布液をアルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、160℃
において15分間加熱乾燥し、膜厚1.5μmの下引き
層を形成した。
【0031】次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂(商品名:VMCH、ユニオンカーバイド社製)2部
を予めn−ブチルアルコール100部に溶解した溶液
に、合成例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン
結晶1部とアクリジン塩酸塩0.5部を混合し、24時
間サンドミルで分散で分散し、n−ブチルアルコールで
希釈し、固形分濃度3.0重量%の電荷発生層形成用塗
布液を調製した。この塗布液を上記下引き層の上にリン
グ塗布機により塗布し、120℃において15分間加熱
乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。ま
た、分散後のクロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶
型をX線回折によって調べたところ、分散前の結晶型と
同一であり、まったく変化していないことを確認した。
【0032】次に、N,N′−ジフェニル−N,N′−
ビス(3−メチルフェニル)[1,1′−ビフェニル]
−4,4′−ジアミン4部を電荷輸送材料とし、ポリカ
ーボネートZ樹脂6部と共にモノクロロベンゼン40部
に溶解し、得られた塗布液を、電荷発生層が形成された
アルミニウム基板上に浸漬塗布装置により塗布し、13
0℃において60分加熱乾燥して、膜厚21μmの電荷
輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0033】得られた電子写真用感光体を、レーザープ
リンター改造スキャナー(XP−15改造機:富士ゼロ
ックス社製)を用いて、常温常湿(20℃、50%R
H)の環境下、グリッド印加電圧−700Vのスコロト
ロン帯電器で帯電し(A)、780nmの半導体レーザ
ーを用いて、1秒後に10ergs/cm2 の光を照射
して露光を行い(B)、さらに、3秒後に50ergs
/cm2 の赤色LED光を照射して除電を行う(C)と
いうプロセスによって、各部の電位を測定した。なお、
(A)の電位VH が高いほど、感光体の受容電位が高い
ので、コントラストを高くとることができ、(B)の電
位VL は低いほど高感度であり、(C)の電位VRPは低
いほど残留電位が少なく、画像メモリーやカブリが少な
い感光体であると評価される。また、5000回繰り返
し帯電後の測定も行った。さらに、低温低湿(10℃、
15%RH、)、高温高湿(28℃、85%RH)の各
々の環境下でも行い、3環境下間での各電位の変動量
(△VH △VL 、△VRP)を測定し、環境安定性評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0034】比較例1 アクリジン塩酸塩を電荷発生層に添加しないこと以外
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評
価した。その結果を表1に示す。
【0035】実施例2および3 4元共重合ナイロン樹脂(商品名:CM8000、東レ
社製)10部を、メタノール60部とn−ブタノール3
0部を溶解し、得られた溶液にアルミナ被覆した平均粒
径0.5μmのルチル型酸化チタン微粉末(アルミナ被
覆顔料:3重量%)10部を混合し、次いで、2mmφ
のガラスビーズとともにサンドミルで2時間分散混合さ
せ、下引き層形成用塗布液を作製した。この塗布液を実
施例1と同様にして、40mmφ×319mmの鏡面ア
ルミニウムパイプ上に塗布し、135℃において10分
間加熱乾燥し、膜厚1.5μmの下引き層を形成した。
次に、添加剤として、それぞれフェナントリジン塩酸塩
0.2部(実施例2)および1部(実施例3)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして電荷発生層形成用塗布
液を調製した。以後、実施例1と同様にして、前記下引
き層の上に電荷発生層、電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作製し、同様の評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0036】比較例2 フェナントリジン塩酸塩を電荷発生層に含まなかったこ
と以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製
し、評価した。その結果を表1に示す。
【0037】実施例4 フェナントリジン塩酸塩の量を、クロロガリウムフタロ
シアニン結晶1部に対して2部に変更したこと以外は、
実施例2と同様にして電子写真感光体を作製し、評価し
た。その結果を表1に示す。
【0038】実施例5 合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
1部を使用し、添加剤として例示化合物(2)0.05
部を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光
体を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0039】比較例3 例示化合物(2)を加えなかったこと以外は、実施例5
と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。その
結果を表1に示す。
【0040】実施例6 合成例4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
1部を使用し、添加剤として例示化合物(5)0.1部
を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0041】比較例4 添加剤として例示化合物(5)を加えなかったこと以外
は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、評
価した。その結果を表1に示す。
【0042】実施例7 合成例5で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
1部を使用し、添加剤として例示化合物(7)0.2部
を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0043】比較例5 添加剤として例示化合物(7)を加えなかったこと以外
は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評
価した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】上記表の結果から明らかなように、アクリ
ジニウム塩またはフェナントリジニウム塩を加えた実施
例1〜7の電子写真感光体は、それらを添加しない比較
例1〜5の場合に比して、感度が非常に高いことが分か
る。
【0046】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、電荷発生層
にアクリジニウム塩またはフェナントリジニウム塩を含
有するので、非常に高感度で繰り返し使用特性および環
境安定性に優れている。したがって、本発明の電子写真
感光体は、電子写真複写機に効果的に使用されるばかり
でなく、さらに、レーザービームプリンター、LEDプ
リンター、CRTプリンター、マイクロフィルムリーダ
ーや電子写真製版システムなどに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 合成例2で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図3】 合成例3で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図4】 合成例4で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図5】 合成例5で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電支持体上に電荷発生層および電荷輸
    送層よりなる電子写真感光体において、電荷発生層が、
    フタロシアニン顔料と添加剤としてアクリジニウム塩ま
    たはフェナントリジニウム塩を含有することを特徴とす
    る。
  2. 【請求項2】 上記添加剤の添加量が、フタロシアニン
    顔料1重量部に対して0.001〜1重量部であること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン顔料がクロロガリウムフ
    タロシアニンであることを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 クロロガリウムフタロシアニンが、Cu
    Kα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の
    少なくとも11.0°、13.5°および27.1°に
    強い回折ピークを有することを特徴とする請求項3に記
    載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 クロロガリウムフタロシアニンが、Cu
    Kα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の
    少なくとも7.4°、16.6°、25.5°および2
    8.3°に強い回折ピークを有することを特徴とする請
    求項3に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 クロロガリウムフタロシアニンが、Cu
    Kα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の
    少なくとも6.8°、17.3°、23.6°および2
    6.9°に強い回折ピークを有することを特徴とする請
    求項3に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 クロロガリウムフタロシアニンが、Cu
    Kα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の
    少なくとも8.7°〜9.2°、17.6°、27.4
    °および28.8°に強い回折ピークを有することを特
    徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
JP6597093A 1993-03-03 1993-03-03 電子写真感光体 Pending JPH06258854A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6597093A JPH06258854A (ja) 1993-03-03 1993-03-03 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6597093A JPH06258854A (ja) 1993-03-03 1993-03-03 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06258854A true JPH06258854A (ja) 1994-09-16

Family

ID=13302370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6597093A Pending JPH06258854A (ja) 1993-03-03 1993-03-03 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06258854A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5393629A (en) Electrophotographic photoreceptor
JP3123185B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶、その新規な結晶よりなる光導電材料及びそれを用いた電子写真感光体
GB2255980A (en) Hydroxygallium phthocyanine
JPH06236056A (ja) 電子写真感光体
JP3008601B2 (ja) 電子写真感光体
JPH07271078A (ja) 下引き層を有する電子写真感光体
JPH06236057A (ja) 電子写真感光体
JPH0545914A (ja) ハロゲン化インジウムフタロシアニンとハロゲン化ガリウムフタロシアニンとの混合結晶およびそれを用いた電子写真感光体
JPH06258854A (ja) 電子写真感光体
JPH0822136A (ja) 電子写真法
JPH06258853A (ja) 電子写真感光体
JP3146594B2 (ja) 電子写真感光体
JPH10213912A (ja) 電子写真感光体
JP2797847B2 (ja) 電子写真感光体
JPH06250419A (ja) 電子写真感光体
US5510217A (en) Gallium phthalocyanine halide crystals, method for preparing the same and electrophotographic photoreceptor using the same
JPH06242622A (ja) 電子写真感光体
JPH05341537A (ja) 電子写真感光体の再生方法
JP2689562B2 (ja) 電子写真感光体
JPH04162047A (ja) 電子写真感光体
JP3084882B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0728255A (ja) 電子写真感光体
JP2650467B2 (ja) 電子写真感光体
JPH06186767A (ja) 電子写真感光体
JPH07253682A (ja) ペリレン顔料を用いた電子写真感光体