JP2704657B2 - 感光体 - Google Patents

感光体

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JP2704657B2 JP17373389A JP17373389A JP2704657B2 JP 2704657 B2 JP2704657 B2 JP 2704657B2 JP 17373389 A JP17373389 A JP 17373389A JP 17373389 A JP17373389 A JP 17373389A JP 2704657 B2 JP2704657 B2 JP 2704657B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は感光体に関し、特に光導電性材料として特定
のチタニルフタロシアニン顔料を用い、プリンタ、複写
機等に有効であって、露光手段として半導体レーザー光
及びLED光等を用いて像形成を行うときにも好適な電子
写真感光体に関するものである。
ロ.従来技術 近年、電子写真感光体に用いられる光導電性材料とし
て、無機光導電性材料に代えて有機光導電性材料が多く
用いられるようになった。その理由は、有機光導電性材
料においては、合成物質及び合成条件の組合せにより多
種多様の材料を得ることができ、材料の選択の自由度が
大きく、目的に応じて所望の感光体を容易に作製できる
からである。
更にまた、前記有機光導電性材料を用いた感光体にお
いては、キャリア発生機能とキャリア輸送機能とを異な
る材料に分担させた機能分離型とすることにより、材料
の選択の自由度が一層拡大され、帯電能、感度及び耐久
性等の電子写真特性の改善が期待されるようになった。
他方、複写業界において、一層の画質の改善及び画像
の編集機能が要請され、これに対応したデジタル方式の
複写機又はプリンター等の記録装置の開発が進められて
おり、そのための記録媒体としての感光体の改善が切望
されている。前記デジタル方式の記録装置においては、
一般に、画像信号により変調されたレーザー光を用いて
ドット状に露光して感光体上にドット潜像を形成し、こ
れを反転現像方式により現像して像形成を行うようにし
ている。この場合、前記レーザー光としては、露光装置
の単純化、小型化及び低価格化が可能な半導体レーザー
装置が好ましく用いられ、その発振波長は750nm以上の
赤外領域とされている。従って、用いられる感光体とし
ては、少なくとも750〜850nmの波長領域に高感度を有す
ることが要求される。
ところで、前記機能分離型の感光体に用いられるキャ
リア発生物質として、種々の有機染料又は有機顔料が提
案されており、例えば、ジブロムアンスアンスロンに代
表される多環キノン顔料、ピリリウム染料、及び該ピリ
リウム染料とポリカーボネートとの共晶錯体、スクェア
リウム顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料等が実用化
されている。これらのうち、特開昭61−239248号公報、
特開昭61−217050号公報、特開昭62−67094号公報及び
特開昭63−218768号公報等には、750nmの長波長領域に
主感度を有するチタニル系フタロシアニン顔料が記載さ
れている。こうしたチタニル系フタロシアニン顔料はい
ずれも、特定の凝集構造もしくは結晶構造をもたせるこ
とによって、主吸収を長波長化させ、高感度化を図った
ものであるが、前記した顔料の製造条件の設定が難し
く、このため、帯電能、感度、繰り返し特性等の特性全
般を満足するものが得られず、また、感度の点では一層
の高感度化が望まれる。
本出願人は先に、前記高感度化の要望に対応するもの
として、特開昭64−17066号明細書(昭和62年7月10日
出願)及び特願昭63−286537号明細書(昭和63年11月11
日出願)により高感度チタニル系フタロシアニン感光体
を提案した。この感光体は、キャリア発生物質としてCu
−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブラッグ角度で
2θの主要ピークが少なくとも27.2゜±0.2゜及び9.6゜
±0.2゜にあるチタニルフタロシアニン顔料を用いた点
に特徴がある。即ち、この顔料は、従来公知のチタニル
系フタロシアニン顔料とは全く異なった前記X線回折ス
ペクトルを有していて、可視及び近赤外の吸収スペクト
ルが780nm〜860nmに最大吸収を示す凝集状態を有し、前
記レーザー光に対して極めて高感度な特性を発揮しうる
ものである。
ハ.本発明が解決しようとする問題点 本出願人が先に提案した上記チタニルフタロシアニン
顔料は前記のように優れた感度特性を有し、また、感光
体上への像形成に際して、画像信号により変調されたレ
ーザー光によりドット露光して前記感光体上にドット潜
像を形成し、該潜像のドット露光部を反転現像してドッ
ト上のトナー画像を良好に得ることができる。ところ
が、そうした感光体に用いるチタニルフタロシアニン顔
料の感度特性は、その分散方法によって左右されること
があり、分散方法の確立によって安定した特性を得るこ
とが望まれている。
他方、通常の電子写真感光体においては、接地された
導電層と感光層との間の電気的接触は微視的には均一で
はなく、例えば導電層側からのキャリア注入が場所によ
って異なるために、感光体表面に保持される電荷分布
に、局所的な差異が生じる。これは、現像の後に、画像
欠陥として顕在化し、ポジ型現像方式においては黒地に
白色斑点、ネガ型の反転現像方式においては白地に黒色
斑点となる。特に反転現像方式における黒色斑点は、地
かぶりと同様に、画像品質を著しく損なうものである。
この問題は、前記の高感度化された感光体においては特
に鋭敏に生じ、前記反転現像方式における黒色斑点の発
生が顕著となる。
ニ.発明の目的 本発明の目的は、半導体レーザー等の長波長光に対し
て高感度特性を有する感光体を提供することにある。
本発明の他の目的は、画像欠陥、特に反転現像時にお
ける黒色斑点の少ない感光体を提供することにある。
ホ.発明の構成及びその作用効果 前記の目的は、導電性支持体上に感光層を有する感光
体において、前記感光層がCUKα特性X線(波長1.54
Å)に対するX線回折スペクトルのブラッグ角2θが少
なくとも27.2度±0.2度においてX線強度のピークを示
すチタニルフタロシアニン顔料とアルコール系溶剤に可
溶の樹脂とが前記感光層に主成分として含有され、か
つ、前記導電性支持体と前記感光層との間にアルコール
系溶剤に難溶又は不溶の樹脂からなる中間層を有するこ
とを特徴とする感光体により達成される。
特に、導電性支持体上に感光層(特に光導電性有機顔
料を含有する感光層)を有する感光体において、前記感
光層がCu−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブラッ
グ2θの主要ピークが少なくとも27.2゜±0.2゜及び9.6
゜±0.2゜にあるチタニルフタロシアニン顔料とアルコ
ール系溶剤に可溶の樹脂とが前記感光層に主成分として
含有され、かつ、前記導電性支持体と前記感光層との間
にアルコール系溶剤に難溶又は不溶の樹脂からなる中間
層を有する感光体により達成される。上記チタニルフタ
ロシアニンにおいて、9.6度±0.2度でのピークのX線強
度が27.2度±0.2度でのピークのX線強度の40%以上で
あるのが望ましい。
本発明に係る前記チタニルフタロシアニン顔料は、前
記した各公報で知られたチタニル系フタロシアニン顔料
とは顔料結晶の凝集状態が異なり、後記の実施例の第3
図及び第4図に示されるような独特のX線回折スペクト
ルを有していて、可視及び近赤外の吸収スペクトルが78
0nm〜860nmに最大吸収を示す凝集状態を有し、半導体レ
ーザー光等に対して極めて高感度な特性を発揮しうるも
のである。本発明に係る前記チタニルフタロシアニン顔
料の基本構造は次の一般式で表される。
(但し、X1、X2、X3、X4はCl又はBrを表し、n、m、
l、kは0〜4の整数を表す。) また、上記のX線回折スペクトルは次の条件で測定し
たもの(以下同様)である。
X線管球 Cu 電圧 40.0 KV 電流 100.0 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. また、上記のX線回折スペクトルは、「JDX−8200」
(日本電子社製)を用いて測定した。
本発明に係る前記チタニルフタロシアニンの製造方法
を次に説明する。例えば、四塩化チタンとフタロジニト
リルとをα−クロルナフタレーン等の不活性高沸点溶媒
中で反応させる。反応温度は160℃〜300℃で、特に160
℃〜260℃が好ましい。これによって得られるジクロロ
チタニウムフタロシアニンを塩基もしくは水で加水分解
することによって、後記の比較例による第5図のX線回
折スペクトルを有するα型のチタニルフタロシアニンが
得られる。次にこれを溶媒処理することによって、第3
図又は第4図に示す目的の結晶型のチタニルフタロシア
ニンを得ることができるが、処理に用いられる装置とし
ては一般的な撹拌装置の他に、ホモミキサ、ディスパー
サ、アジター、或いはボールミル、サンドミル、アトラ
イタ等を用いることができる。
本発明では、上記のチタニルフタロシアニンの他に、
他のキャリア発生物質を併用してもよい。そのような併
用可能なキャリア発生物質としては、本発明のチタニル
フタロシアニンとは結晶型において異なる、例えばα
型、β型、α,β混合型、アモルファス型等のチタニル
フタロシアニンをはじめ、他のフタロシアニン顔料、ア
ゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料、多環キノ
ン顔料、スクエアリウム顔料等が挙げられる。
本発明の感光体を作製するには、例えば、バインダー
樹脂をアルコール系溶剤中に溶解した溶液中に本発明に
係る前記チタニルフタロシアニン顔料を混合分散し、か
つこれに後述するキャリア輸送物質を溶解してなる塗布
液を、予め中間層を設けた導電性支持体上に例えばディ
ップコーティング、スプレーコーティング、スパイラル
コーティング等の方法により塗布加工して、第1図の単
層構成の感光体を得る。なお、図中の1は導電性支持
体、2は単層構成の感光層、3は中間層である。
しかしながら、高感度特性及び高耐久性の感光体を得
る上から、機能分離型の第2図の2層構成の感光体とす
るのが好ましい。この場合、アルコール系溶剤中にバイ
ンダー樹脂を溶解した溶液中に前記顔料を混合分散して
なる塗布液を、前記中間層を有する支持体1上に塗布し
てキャリア発生層5を形成した後、該キャリア発生層上
にキャリア輸送物質を含む塗布液を塗布加工してキャリ
ア輸送層6を積層し、2層構成の感光層4を形成する。
以下、2層構成の感光体を中心として説明する。
前記の2層構成の感光層4のキャリア発生層5を形成
するには、アルコール系溶剤中に前記バインダー樹脂を
混合溶解し、得られた溶液中に前記チタニルフタロシア
ニン顔料を混合し、ホモミキサー、ボールミル又は超音
波分散器等により分散して、前記顔料の微細粒子を含む
塗布液を作成し、前記導電性支持体1の表面に設けた中
間層3上に塗布加工される。
前記2層構成の感光体におけるキャリア発生層を形成
するに際して、分散含有される前記チタニルフタロシア
ニン顔料の分散液中での、及び層形成後の結晶性及び凝
集性の安定化にとって、アルコール系溶剤が分散媒とし
て有利であることが判明した。そして、こうしたアルコ
ール系溶剤に溶解するキャリア発生層のバインダー樹脂
としては、下記(1)〜(3)の樹脂を用いることがで
きる。
(1) アルコール可溶性ポリアミド樹脂 ポリアミド樹脂は構造中のアミド基水素原子の架橋作
用により結晶化が進み、アルコール系溶剤への溶解性が
減少する。そこで、本発明では、アミド基の水素原子を
例えばアルキル基又はアルコキシ基等で置換した同種の
モノマーを重合して得たポリアミド樹脂、又は同様の置
換基を有する異種のモノマーを重合して得たポリアミド
樹脂(コポリマー樹脂)が用いられる。
本発明に好ましく用いられるポリアミド樹脂の具体例
としては、 ラッカマイド5003(大日本インキ社製) ラッカマイド5216(大日本インキ社製) CM4000 (東レ社製) CM8000 (東レ社製) AQナイロンA−70(東レ社製) AQナイロンA−90(東レ社製) AQナイロンP−70(東レ社製) トレジンF30 (帝国化学産業社製) トレジンMF−30 (帝国化学産業社製) トレジンEF−30T (帝国化学産業社製) トレジンM−20 (帝国化学産業社製) トレジンFS−350 (帝国化学産業社製) トレジンFS−500 (帝国化学産業社製) 等が挙げられる。
(2) アルコール可溶性アセタール系樹脂 こうしたアセタール系樹脂としては、ビニルアセター
ル基、ビニルアルコール基及び酢酸ビニル基の三元共重
合体からなり、通常はアセタール化度が15〜60モル%の
ものが好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられるアセタール系樹脂の具体
例としては、 デンカブチラール:#2000、#3000、#4000、#5000及
び#6000(電気化学工業社製) エスレックB系列:BL−S、BM−S及びBX−1(積水化
学工業社製) エスレックW系列:W−101、W−102、W−201及びW−2
02(積水化学工業社製) XYHL (ベークライト社製) 等があげられる。
(3) アルコール可溶性セルロース系樹脂 こうしたセルロース系樹脂としては、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキル
セルロース等、多数知られている。
本発明に好ましく用いられるセルロース系樹脂の具体
例としては、 メトローズ (信越化学社製) 日曹 HPC (日本曹達社製) 等が挙げられる。
次に、前記バインダー樹脂の溶剤として用いられるア
ルコール系溶剤としては、例えばメチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコール及
びメチルセロソルブ等を挙げることができる。
前記キャリア発生層5に用いられるバインダー樹脂
は、単独或いは2種以上の混合物として用いることがで
きる。またバインダー樹脂に対するキャリア発生物質の
割合は好ましくは10〜600重量%、更に好ましくは50〜4
00重量%とされる。
このようにして形成されるキャリア発生層5の厚さは
0.01〜20μmであることが好ましいが、更に好ましくは
0.05〜5μmである。
上記キャリア発生物質を分散せしめてキャリア発生層
5を形成する場合においては、当該キャリア発生物質は
2μm以下、好ましくは1μm以下の平均粒径の粉粒体
とされるのが好ましい。即ち粒径が余り大きいと、層中
への分散が悪くなるとともに、粒子が表面に一部突出し
て表面の平滑性が悪くなり、場合によっては粒子の突出
部分で放電が生じたり、あるいはそこにトナー粒子が付
着してトナーフィルミング現象が生じ易い。
次に、前記キャリア発生層5上にキャリア輸送層6を
設けて感光体が作製されるが、前記キャリア輸送層6を
形成するための塗布液に用いられる溶剤としては、後述
するバインダー樹脂及びキャリア輸送物質等を溶解する
が下層のキャリア発生層5を溶解又は浸食しないものが
選択される。
前記キャリア輸送物質としては、種々のものが使用で
きるが、代表的なものとしては例えば、オキサゾール、
オキサジアゾール、チタゾール、チアジアゾール、イミ
ダゾール等に代表される含窒素複素環核及びその縮合環
核を有する化合物、ポリアリールアルカン系の化合物、
ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリー
ルアミン系化合物、スチリル系化合物、スチリルトリフ
ェニルアミン系化合物、α−フェニルスチリルトリフェ
ニルアミン系化合物、ブタジエン系化合物、ヘキサトリ
エン系化合物、カルバゾール系化合物、縮合多環系化合
物等が挙げられる。
これらのキャリア輸送物質の具体例としては、例えば
特開昭61−107356号に記載のキャリア輸送物質を挙げる
ことができるが、特に代表的なものの構造を次に例示す
る。
前記キャリア輸送物質と共にキャリア輸送層を形成す
るためのバインダー樹脂としては、任意のものを選ぶこ
とができるが、疎水性でかつフィルム形成能を有するも
のとされ、以下のものを挙げることができる。
ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン共重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルカルバゾール スチレン−アルキッド樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン−アルキッド樹脂 ポリエステル フエノール樹脂 ポリウレタン エポキシ樹脂 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 キャリア輸送層を形成するのに用いる溶剤としては、
例えば、n−ブチルアミン、エチレンジアミン、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、テトラピドロフラン、ジオキサ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチ
ルセルソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、
トルエン、キシレン、アセトフェノン、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
が挙げられる。
バインダー樹脂に対するキャリア輸送物質の割合は好
ましくは10〜500重量%とされ、また、キャリア輸送層
の厚みは好ましくは1〜100μm、更に好ましくは5〜3
0μmとされる。
本発明の感光体の感光層には感度の向上や残留電位の
減少、或いは反復使用時の疲労の低減を目的として、電
子受容性物質を含有させることができる。このような電
子受容性物質としては例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、テトラ
クロル無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、3−
ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピ
ロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレ
ン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼ
ン、m−ジニトロベンゼン、1,3,5−トリニトロベンゼ
ン、p−ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、
キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ジクロ
ルジシアノ−p−ベンゾキノン、アントラキノン、ジニ
トロアントラキノン、9−フルオレニリデンマロノジニ
トリル、ポリニトロ−9−フルオレニリデンマロノジニ
トリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチ
ル酸、フタル酸、メリット酸、その他の電子親和力の大
きい化合物を挙げることができる。電子受容性物質の添
加割合はキャリア発生物質の重量100に対して0.01〜200
が望ましく、更には0.1〜100が好ましい。
また、上記感光層中には、保存性、耐久性、耐環境依
存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤等の劣化
防止剤を含有させることができる。
なお、第1図に示した単層構成の感光体においては、
感光層2に用いるキャリア発生物質は本発明に係るチタ
ニルフタロシアニン等であり、キャリア輸送物質は上述
したものから選択してもよい。また、感光層2のバイン
ダー樹脂はアルコー系溶剤に可溶の上述したものを少な
くとも使用し、上述したアルコール系溶剤に溶解して塗
布液を調整してよい。その他、感光層2への添加物質も
上述したものと同様であってよい。
次に、上記の感光体では、第2図のように、キャリア
発生層5が中間層3を介して導電性支持体1上に設けら
れる。第1図の感光体でも同様の中間層3が設けられ
る。
前記中間層3は、主として、支持体1からの不所望な
キャリアの注入を阻止し、ポジ型現像方式においては黒
地に白色斑点、ネガ型の反転現像方式においては白地に
黒色斑点が生じるのを防止して、画像品質を向上させる
ためのものである。そして、この中間層3には特に、ア
ルコール系溶剤に難溶又は不溶の樹脂が選択して用いら
れる。その理由としては、前記中間層3上に設けられる
キャリア発生層(又は感光層)にはアルコール系溶剤に
可溶なバインダー樹脂が用いられるため、キャリア発生
層形成用塗布液の溶剤としてアルコール系溶剤が用いら
れるからである。これに反し、通常の電子写真感光体の
ようにアルコール系溶剤に可溶な中間層を設けた場合、
前記キャリア発生層形成の際に前記溶剤により溶解又は
浸食されて、中間層3が電気的に欠陥の多い不均一な層
となってしまい、この結果、レーザー光により感光体上
にドット露光して形成された静電潜像を反転現像したと
きに黒色斑点が発生し、画質の劣化が大きく、かつ感光
体の耐久性も低下する。
そこで本発明では、前記欠点を排除するため、中間層
3にアルコール系溶剤に難溶又は不溶の樹脂を用いるよ
うにしている。これによって、常に均一で電気的に欠陥
のない中間層3を形成でき、支持体からのキャリアの注
入を効果的に阻止でき、かつ感光層の接着性向上により
耐久性も良くなる。
前記中間層3に使用可能な樹脂としては、 ポリカーボネート ポリカーボネートZ樹脂 アクリル樹脂 メタクリル樹脂 ポリ塩化ビニル ポリ塩化ビニリデン ポリスチレン スチレン−ブタジエン共重合体 ポリ酢酸ビニル ポリビニルカルバゾール スチレン−アルキッド樹脂 シリコーン樹脂 シリコーン−アルキッド樹脂 ポリエステル フエノール樹脂 ポリウレタン エポキシ樹脂 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 エチレン共重合体 等を用いることができ、その内、本発明に好ましく用い
られる樹脂の具体例としては以下のものが挙げられる。
塩ビ−酢ビ−無水マレイン酸共重合体: MF−10(積水化学社製) エチレン−酢ビ共重合体: KA−10(住友化学社製) また、前記中間層3を形成するための溶剤としては、
例えばブチルアミン、エチレンジアミン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸
エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトフェ
ノン、クロロホルム、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン、トリクロルエタン等が挙げられる。
前記中間層は、この上に設けられるキャリア輸送層と
の接着性、及び感光体上に形成される画像の画質の調整
等の機能を有し、かつ感光体上に付与される電荷の保持
等の機能も有する。また、露光時、発生する一方のキャ
リアのアース(支持体側)への移動を阻害しないこと等
も要請され、そのため、導電性支持体上に設けられる中
間層の厚みは好ましくは10μm以下、更に好ましくは0.
1〜4μmの範囲とされる。
前記導電性支持体としては、金属板、金属ドラム等が
用いられる他、導電性ポリマーや酸化インジウム等の導
電性化合物、もしくはアルミニウム、パラジウム等の金
属の薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により紙や
プラスチックフィルムなどの上に設けてなるものが用い
られる。
なお、上記した感光体においては、中間層3を支持体
1上に直接設けたが、この中間層3は基本的にはキャリ
ア発生層又は感光層の直下に隣接して設ければよいか
ら、同様の中間層は必ずしも支持体1上に直接設けなく
てもよい。例えば、支持体1上に直接設ける樹脂層とし
て支持体1及び上層との接着性に優れたもの(例えば接
着性を高める官能基を有する樹脂)を形成し、この樹脂
上に上述の中間層3を形成することができる。この場
合、上記樹脂層はアルコール系溶剤に難溶又は不溶であ
ってもよいし、或いはアルコール系溶剤に可溶であって
もよい。
本発明の感光体の構成は以上に例示したが、以下の実
施例からも明らかなように、レーザー光を露光手段とす
る感光体として高感度特性を有し、且つ、反転現像時に
黒色斑点などの欠点を生ずることのない優れた特性を有
する。
ヘ.実施例 以下、本発明を実施例について更に詳細に説明する。
まず、各種のチタニルフタロシアニン顔料の合成例を
述べる。
(合成例1) フタロジニトリル65gとα−クロルナフタレン500mlと
の混合物中に、窒素気流下で14.7mlの四塩化チタンを滴
下した後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を200℃〜
220℃の間に保って3時間撹拌して反応を完結させた。
その後に放冷し、130℃になったところで熱時濾過し、
α−クロルナフタレンで洗浄した後、メタノールで数回
洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した。
次に、得られたヌッチェケーキにo−ジクロルベンゼ
ンを加え、サンドミルを用いて40〜60℃の温度範囲でミ
リングを行った。メタノールで希釈後、濾過し、アセト
ン、メタノールで洗浄して、本発明のチタニルフタロシ
アニンを得た。この結晶は第3図に示すように、X線回
折においてブラッグ角2θの27.3℃に最大強度のピーク
を有し、また、9.5゜、9.7゜、11.7゜、24.1゜に特徴的
なピークを示す本発明のチタニルフタロシアニン顔料で
あるが、同時に、若干量のα型チタニルフタロシアニン
顔料を含有するものである。
(合成例2) 合成例1において得られるヌッチェケーキを乾燥し、
その5gを96%硫酸100g中で3〜5℃で撹拌した後、濾過
して得られた硫酸溶液を水1.5リットル中にあけ、析出
した結晶を濾取した。次いで、洗浄液が中性となるまで
水洗を繰り返した。
このようにして得られたヌッチェケーキに1,2−ジク
ロルエタンを加え、室温で1時間撹拌した後、濾過し、
メタノール洗浄して本発明の結晶を得た。この結晶は第
4図に示すようにブラッグ角2θの27.3゜に最大強度の
ピークを有し、また、9.6゜、11.7゜、24.1゜に特徴的
なピークを示した。
〔比較合成例1〕 合成例2のヌッチェケーキを乾燥後、メチルセロソル
ブを用いて、ミリングすることによって、第5図に示す
α型のチタニルフタロシアニン顔料を得た。
実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体「スミテートKA−10」
(住友化学社製)3部(部は重量部を意味する:以下同
じ)をトルエン100部に加熱溶解し、0.6μmフィルタで
濾過した後、浸漬塗布法によって、アルミニウムドラム
1上に塗布し、膜厚0.5μmの中間層3を形成した。
一方、合成例1において得られた第3図のX線回折パ
ターンを有するチタニルフタロシアニン3部、バインダ
ー樹脂としてポリアミド樹脂「AQナイロンA−70」3
部、分散媒としてi−プロパノール100部をサンドミル
を用いて分散し、得られた分散液を先の中間層3の上に
浸漬塗布法によって塗布して、膜厚0.2μmのキャリア
発生層5を形成した。
次いで、キャリア輸送物質T−1 1部、ポリカーボ
ネート樹脂「ユーピロンZ 200」(三菱瓦斯化学社製)
1.5部、微量のシリコーンオイル「KF−54」(信越化学
社製)を1,2−ジクロルエタン10部に溶解した液を用い
て、浸漬・塗布及び乾燥して膜厚25μmのキャリア輸送
層6を形成し、感光体を得た。これを試料1とした。
実施例2 キャリア発生物質の種類、中間層及びキャリア発生層
の樹脂の種類及びそれらの溶剤の種類を第1表のものと
した他は実施例1と同様にして、7種類の感光体を得、
これらを試料2〜8とした。
比較例1 キャリア発生物質の種類、中間層及びキャリア発生層
の樹脂の種類及びそれらの溶剤の種類を第2表のものと
した他は実施例1と同様にして、3種類の感光体を得、
これらを比較試料1〜3とした。
(評価) 前記試料1〜8及び比較試料1〜3を「U−Bix 155
0」(コニカ社製)(半導体レーザ光源搭載)改造機に
搭載し、未露光部電位VHが−700±10〔V〕になるよう
にグリッド電圧を調節し、0.7mWの照射時の露光部の電
位VLを測定した。また、現像バイアス−600〔V〕で反
転現像を行い、複写画像の白地部分の黒斑点を評価し
た。
なお、黒斑点の評価は、画像回折装置「オムニコン30
00形」(島津製作所社製)を用いて黒斑点の粒径と個数
を測定し、φ(径)0.05mm以上の黒斑点が1cm2当たり何
個あるかにより判定した。黒斑点評価の判定基準は、下
記表に示す通りである。
評価の結果は第3表に示される。
第3表から、本発明の感光体は、比較感光体に比して
高感度特性を有し、かつ画像欠陥が少なく、反転現像時
の黒斑点が少ないことがわかる。
ト.発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の感光体によ
れば、反転現像時の黒ポチ等の発生がなく、高感度、高
画質の画像が安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明するためのものであって、 第1図及び第2図は本発明の感光体の層構成を例示する
断面図、 第3図及び第4図は本発明の実施例のチタニルフタロシ
アニン顔料のX線回折スペクトル図 である。 第5図は比較例のチタニルフタロシアニン顔料のX線回
折スペクトル図である。 なお、図面に示す符号において、 1……導電性支持体 2……単層構成の感光層 3……中間層 4……2層構成の感光層 5……キャリア発生層 6……キャリア輸送層 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 寛 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−82044(JP,A) 特開 昭64−82043(JP,A) 特開 昭64−82042(JP,A) 特開 昭64−17066(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に感光層を有する感光体に
    おいて、 前記感光層がCUKα特性X線(波長1.54Å)に対するX
    線回折スペクトルのブラッグ角2θが少なくとも27.2度
    ±0.2度においてX線強度のピークを示すチタニルフタ
    ロシアニン顔料とアルコール系溶剤に可溶の樹脂とが前
    記感光層に主成分として含有され、 かつ、前記導電性支持体と前記感光層との間にアルコー
    ル系溶剤に難溶又は不溶の樹脂からなる中間層を有する
    ことを特徴とする感光体。
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