JP2611433B2

JP2611433B2 - 電子写真感光体

Info

Publication number: JP2611433B2
Application number: JP15582289A
Authority: JP
Inventors: 正彦穂積; 弘朗森山; 倫明高橋; 誠次芦谷
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1989-06-20
Filing date: 1989-06-20
Publication date: 1997-05-21
Anticipated expiration: 2012-05-21
Also published as: JPH0323464A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、電子写真感光体に関し、更に詳しくは、改
良された中間層を有する電子写真感光体に関する。

従来の技術電子写真複写機は、年々高速化し、多様な紙サイズを
複写できるものが開発されている。それに伴い、感光体
もそれに対応できるような高光感度、長寿命のものが要
求されている。

また、近年、感光体機能を複数の部材に分担させる機
能分離型電子写真感光体が、電荷保持性、繰り返し安定
性、光応答性、分光特性、機械的強度等の電子写真特性
改善のために数多く提案されている。これ等の電子写真
感光体の有する欠点として、現像コントラストの繰り
返し安定性や環境安定性に欠ける、白点、黒点、がさ
つき、ピンホール等と称される画像欠陥が発生し易い、
支持体と感光層との接着強度が低く、使用時に感光層
が剥がれ、耐久性が不充分である等が知られていた。

この様な欠点を解決するために、支持体と感光層との
中間に、密着層、下引き層、樹脂層、バリアー層と様々
ではあるが0.数μｍ〜数十μｍの範囲で、樹脂よりなる
中間層を設けたものが公知である。

樹脂としては、例えば、ポリパラキシレン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロース、
エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド（ナイロ
ン６、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、ア
ルコキシメチル化ナイロン等）ポリウレタン、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリ
ビニルメチルエーテル等が用いられる。

発明が解決しようとする課題しかしながら、これ等の樹脂を用いた中間層の機能
は、主として水分を媒体としたイオン伝導であり、湿度
により著しく影響を受けるものであるから、感光体が低
湿下におかれ、樹脂中の含水率が低下すると、中間層が
著しく高抵抗になり、感光層の電子写真特性の劣化、例
えば現像コントラストの低下を生じるという難点があっ
た。

本発明の目的は、高光感度、長寿命を特徴とする積層
型感光体において、現像コントラストの繰り返し安定性
や環境安定性が良好であり、白点、黒点、がさつき、ピ
ンホール等の画像欠陥が発生しにくい電子写真感光体を
提供することにある。

課題を解決するための手段および作用本発明の上記目的は、導電性基体上に中間層および感
光層を順次設けた電子写真感光体であって、その中間層
がポリエチレングリコールを含有することを特徴とする
電子写真感光体によって達成される。

以下、本発明について詳細に説明する。

第１図及び第２図は、本発明の電子写真感光体の模式
的断面図である。第１図においては、導電性支持体１上
に中間層２が設けられており、その上に単層構造の感光
層３が設けられている。又、第２図においては、感光層
が積層構造を有し、電荷発生層31および電荷輸送層32よ
り構成されている。

本発明の電子写真感光体において、導電性支持体とし
てはアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケルなどの金属
のドラム、及びシート、紙、プラスチック又はガラス上
にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタ
ン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム
等の金属を蒸着するか、導電性金属化合物（例えばIn₂O
₃、Sb₂O₃−SnO₂、SnO₂、TiO_x）粉、金属粉等を結着樹脂
に分散し、塗布するなどの方法によって導電処理したド
ラム状、シート状、プレート状のもの等が使用できる。

更に、必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に
影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理、薬品処理、着色処理等を行うこと
ができる。

導電性支持体上には、中間層が設けられる。中間層
は、下記構造式（Ｉ）で示されるポリエチレングリコー
ルを単独で、または他の樹脂との混合物より形成され
る。なお、本発明において使用される下記構造式（Ｉ）
で示されるポリエチレングリコールは、分子量が200〜3
0000、好ましくは1000〜20000の範囲にあるものであ
る。

HO（CH₂CH₂O）_nCH₂CH₂OH （Ｉ）（ｎは重合度を意味する）上記ポリエチレングリコールと混合して使用される樹
脂としては、例えば、ポリビニルアセタール、ポリビニ
ルアルコール、フェノール樹脂、ポリアミド、セルロー
ス類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポ
リビニルメチルエーテル、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビ
ニルブチラール、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプ
ロピレン、ポリアクリレート、ポリパラキシレン、カゼ
イン、ゼラチン等があげられる。

これ等樹脂と混合させる場合、上記ポリエチレングリ
コールの比率は、１重量％以上、好ましくは５重量％以
上である。ポリエチレングリコールの比率が、１重量％
よりも低くなると、低湿度下での電子写真感光体の現像
コントラストの低下が著しくなる。

導電性基体上に中間層を形成させる方法としては、浸
漬コーティング法、スプレイコーティング法、ブレード
コーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコ
ーティング法、カーテンコーティング法等を用いること
ができ、乾燥は、10〜200℃、好ましくは30〜150℃の範
囲の温度で、５分〜５時間、好ましくは10分〜２時間の
時間で送風乾燥機により、又は静止乾燥下で行うことが
できる。

中間層の膜厚は、一般に0.01〜５μｍの範囲が好まし
い。

中間層の上には、感光層が形成されるが、感光層は、
単層構造でも、機能分離型の積層構造でもよい。

単層構造の例としては、色素増感されたZnO感光層、C
dS層や、電荷発生物質を電荷輸送物質に分散させた感光
層などをあげることができる。一方、機能分離型の積層
構造の場合には、まず電荷発生層が形成され、その上に
電荷輸送層が形成される。

電荷発生層は、電荷発生物質よりなるか、或いは必要
に応じて結着樹脂中に分散させて形成される。

電荷発生物質としては、例えば、セレン及びセレン合
金;CdS、CdSe、CdSSe、ZnOおよびZnS等の無機光導電
体；金属フタロシアニンおよび無金属フタロシアニン顔
料；ピスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料；スク
エアリウム化合物；アズレニウム化合物；ペリレン系顔
料；インジゴ顔料；キナクリドン顔料；多環キノン顔
料；シアニン色素；キサンテン染料；ポリ−Ｎ−ビニル
カルバゾールとトリニトロフルオレノン等からなる電荷
移動錯体、ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂か
らなる共晶錯体等があげられる。

結着樹脂としては、周知のもの、例えばポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルブチラ
ール、メタクリル酸エステル重合体又は共重合体、酢酸
ビニル重合体又は共重合体、セルロースエステル又はエ
ーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、エポキシ樹脂
等が用いられる。

電荷発生層の膜厚は、0.01μｍ〜５μｍ、好ましくは
0.03μｍ〜２μｍ程度である。

電荷発生層の上に設けられる電荷輸送層は、電荷輸送
材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成される。

電荷輸送材料としては、可視光に対して透明であり、
かつ、電荷輸送能力を有するものであれば、特に限定さ
れるものではなく、具体的には、イミダゾール、ピラゾ
リン、チアゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、
ヒドラゾン、ケタジン、アジン、カルバゾール誘導体、
ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、トリフェニル
アミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体等
があげられる。

結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン
樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスル
ホン、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体等、公知のものがあげられる。

電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は10:1〜1:5（重
量比）が好ましい。本発明で用いる電荷輸送材の膜厚
は、一般的には５〜50μｍ、好ましくは10〜30μｍの範
囲に設定される。

本発明の電子写真感光体は、現像コントラストの繰り
返し安定性および環境安定性に優れ、良好な電子写真特
性を示すが、その理由は、中間層に含有されるポリエチ
レングリコールが湿潤剤として作用し、中間層中に水分
を取り込み保持させて、低湿環境下での中間層中の電荷
移動（イオン伝導）性を向上させる為と推測される。

実施例以下、実施例によって本発明を説明する。

実施例１下記構造式で示されるポリビニルアセタール樹脂の４
％ｎ−プロピルアルコール／水混合溶液に、ポリエチレ
ングリコール（平均分子量8300）をポリビニルアセター
ル樹脂固形分100重量部に対して35重量部になるように
添加し、混合して中間層形成用塗布液を得た。

ｌ＝30〜36、ｍ＝63〜69、ｎ＝0.5〜3.0（いずれもモル
％）アルミニウムパイプ（外径84mm、長さ340mm）を基体
として、これに上記中間層形成用塗布液を浸漬塗布し、
100℃において５分間熱乾燥し、0.5μｍ厚の中間層を設
けた。

一方、粒状三方晶セレン87重量部と塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体（商品名ソルーション・ビニル・VMCH・
ユニオン・カーバイド社製）13重量部を酢酸ｎ−ブチル
200重量部に溶解した溶液とをアトライターで24時間分
散した。次いで、この分散液30重量部に対し酢酸ｎ−ブ
チル57重量部を加え稀釈させ、浸漬塗布液とした。

この浸漬塗布液を、中間層が形成されたアルミニウム
パイプ上に塗布した。すなわち、浸漬塗布槽中で100mm/
分の速度で引き上げ、100℃において５分間加熱乾燥
し、厚さ0.1μｍの電荷発生層を積層させた。

次にN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス（３−メチルフ
ェニル）−［1,1′−ビスフェニル］−4,4′−ジアミン
10重量部、ポリカーボネートＺ樹脂10重量部をモノクロ
ルベンゼン80重量部に溶解し電荷輸送層用塗布液を調製
した。この液を前記電荷発生層上に塗布し、100℃60分
熱風乾燥し25μｍ厚の電荷輸送層を形成した。

形成された電子写真感光体を、複写機（富士ゼロック
ス（株）製複写機5030改造機）に装着し、暗部電位ＶD
が−800Vになる様に調整した後、2erg/cm²の露光を与え
たときの明部電位ＬLを測定した。次に、その電子写真
感光体を10℃、15％RHの環境下にて同様の測定を行っ
た。その後、同様な環境下で、10万枚コピーの耐久試験
を行い、暗部電位ＶD、明部電位ＶLの変化を測定した。
同時に画質評価を行った。結果を後記第１表に示す。

実施例２ポリエチレングリコール（平均分子量20000）１重量
部とポリアミド樹脂（CM8000、東レ（株）製）10重量部
とを、メタノール180重量部及び水20重量部の混合物に
溶解し、中間層形成用塗布液を得た。この塗布液を用い
た以外は、実施例１と同様にして電子写真感光体を作成
し、実施例１と同様に評価を行った。結果を後記第１表
に示す。

比較例１実施例１において、ポリエチレングリコールを添加し
ない以外は、実施例１と同様にして電子写真感光体を作
成し、実施例１と同様に評価を行った。結果を後記第１
表に示す。

発明の効果上記の比較からも明らかなように、本発明の電子写真
感光体は、中間層にポリエチレングリコールが含有され
ているので、低温低湿環境下でも、あるいは繰り返し使
用した場合でも、優れた安定性を示し、良好な現像コン
トラストの画像が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、それぞれ本発明の電子写真感光体
の模式的断面図である。１……導電性基体、２……中間層、３……感光層、31…
…電荷発生層、32……電荷輸送層。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者芦谷誠次神奈川県南足柄市竹松1600番地富士ゼロックス株式会社竹松事業所内 (56)参考文献特開昭63−206762（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−206756（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性支持体上に中間層および感光層を設
けてなる電子写真感光体において、該中間層がポリエチ
レングリコールを含有することを特徴とする電子写真感
光体。