JPH1010766A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1010766A
JPH1010766A JP15818296A JP15818296A JPH1010766A JP H1010766 A JPH1010766 A JP H1010766A JP 15818296 A JP15818296 A JP 15818296A JP 15818296 A JP15818296 A JP 15818296A JP H1010766 A JPH1010766 A JP H1010766A
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JP
Japan
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electrophotographic photoreceptor
layer
undercoat layer
compound
general formula
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Pending
Application number
JP15818296A
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English (en)
Inventor
Akira Imai
彰 今井
Takeshi Agata
岳 阿形
Yasuo Yamamoto
保夫 山本
Yutaka Sugizaki
裕 杉崎
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性、光感度が環境に余り影響を受けずに
高く、しかも、繰り返し安定性等において改良された特
性を有する電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基材上に下引き層を介して、光導
電層を有する電子写真感光体において、該下引き層が、
下記一般式(1)で示される単量体を重合して得られる
高分子化合物の少なくとも1種を含有することを特徴と
する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の高分子化合
物を含有する下引き層を用いた電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、特に電子写真方式を採用した複写
機、プリンターおよびファクシミリ等に用いられ、光導
電層を少なくとも有する電子写真用感光体において、特
に、導電性支持体上に直接光導電層を形成した場合、帯
電性が低くなり、また繰り返し使用時の電位の安定性に
欠ける等の問題があった。
【0003】また、導電性支持体と光導電層との接着性
の不足により光導電層が剥離したり、導電性支持体上に
光導電層を塗布する際に塗布欠陥が発生する等の問題も
あった。
【0004】さらに、導電性支持体表面に凹凸が存在す
ると、光導電層の膜厚が不均一となり、その結果、黒点
あるいは白抜け等の画像欠陥が発生するという問題もあ
った。
【0005】これらの問題を解決するための手段とし
て、導電性支持体と光導電層との間に下引き層を設ける
ことが広く試みられている。この下引き層に要求される
基本的な役割としては、1)未露光時には、導電性支持
体から、光導電層への電荷の注入を防止すること、2)
露光時には、光導電層中の電荷を導電性支持体に放出す
ること、3)電荷の蓄積がなく、連続使用時において電
気特性の変化がないこと、4)導電性支持体表面の凹凸
の影響を軽減させること。5)導電性支持体との密着性
及び下引き層の上に形成される光導電層に対して均一か
つ強固な密着性を有すること等が挙げられる。
【0006】上記した下引き層を構成する材料として
は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルフォルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステ
ル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂あるいはエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を用いることが検討されている(特開昭4
8−47344、特開昭52−20836、特開昭58
−30757、特開昭60−225856等記載)。
【0007】しかしながら、これらの樹脂を主成分とす
る下引き層を用いた場合、前述の帯電性や画像欠陥等に
対する改善の効果を十分に引き出すべく下引き層の膜厚
を厚くすると、感光体の残留電位の増大を招きやすいと
いう難点があった。
【0008】また、これらの樹脂材料を用いた下引き層
の多くは、その樹脂層内部での電荷の移動を主にイオン
伝導に依存しているため、大気中の湿度変化の影響を受
けやすく、特に低温低湿度環境下において、感光体とし
ての光感度の低下や残留電位が増大が著しくなるという
問題もあった。
【0009】これらの問題を回避するため、高分子樹脂
中に低分子系の電子輸送性物質もしくは電子受容性物質
を添加した下引き層を用いることが検討されている(特
開昭55−142356、特開昭59−170846等
記載)。
【0010】しかし、これらの低分子化合物は、有機溶
剤に溶解し易いものである場合、導電性支持体上に形成
された下引き層の上に光導電層を塗布する工程におい
て、上層中に浸出して下引き層中での濃度の低下を起こ
したり、あるいはその逆に有機溶剤に溶解し難いもので
ある場合には、下引き層中で結晶化を起こしてしまい、
目的とする改善効果を発現し難いという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した諸問題を下引き層の改善によって解決
するためになされたものである。すなわち本発明の目的
は、その下引き層材料として低分子系の化合物を含まな
い場合であっても、帯電性、光感度が環境に余り影響を
受けずに高く、しかも、残留電位の低レベル維持能のよ
うな、繰り返し安定性等において改良された特性を有す
る電子写真感光体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の高分子化合物
を含有する下引き層を用いることにより優れた電子写真
感光体が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0013】即ち、本発明は、導電性基材上に下引き層
を介して、光導電層を有する電子写真感光体において、
該下引き層が、下記一般式(1)で示される単量体を重
合して得られる高分子化合物の少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする。
【0014】
【化4】
【0015】なお、本発明の電子写真感光体では、その
効果を発揮するかぎり、下引き層及び光導電性以外の任
意の層が、任意の位置に積層されてよい。
【0016】上記の高分子化合物は、電子輸送性を有す
る特定構造の高分子樹脂材料であり、これを電子写真感
光体の下引き層の構成材料として用いることにより、光
導電層から導電性基材への正電荷の注入が阻止され、か
つ負電荷のみが選択的に輸送され、このことによって、
また、その特定構造の及ぼす作用(詳細は不明)によっ
て、大気中の湿度変化の影響を受けることなく、長期に
わたって、高い帯電性、高い光感度および低い残留電位
を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0018】本発明の電子写真感光体において、下引き
層に使用される高分子化合物は、下記一般式(1)で示
される単量体を少なくとも原料として合成される高分子
化合物(以下、「本高分子化合物」と称する)である。
【0019】
【化5】
【0020】R4 、R5 がアルキル基の場合には、好ま
しくは、その炭素数は、1〜4、R 6 がアルキル基の場
合には、好ましくは、その炭素数は、1〜4、R 2、R
3 がアルキル基の場合には、好ましくは、その炭素数
は、1〜4、R 2、R3 がアリール基の場合には、好ま
しい基は、置換されていてもよいフェニル基(置換基
は、例えば、C1 〜C4 のアルキル基、ハロゲン、ニト
ロ基、アシル基、シアノ基であって、どの位置の水素と
置換されていてもよい)、ナフチル基、nは、好ましく
は、2〜12である。
【0021】本高分子化合物の好ましい形態は、下記一
般式(1’)で示される単量体を少なくとも原料として
合成される高分子化合物である。
【0022】
【化6】
【0023】本高分子化合物のより好ましい形態は、下
記一般式(1”)で示される単量体を少なくとも原料と
して合成される高分子化合物である。
【0024】
【化7】
【0025】上記一般式(1)で示される単量体は、代
表的には、下記一般式(3)で示される化合物と下記一
般式(4)で示される(メタ)アクリル酸塩化物とを塩
基存在下で反応させるか、または下記一般式(5)で示
される芳香族カルボン酸塩化物と下記一般式(6)で示
される(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル
とを塩基存在下で反応させる方法で合成することができ
る。一般式(1a)で示される単量体は、それに相当
し、且つ一般式(3)〜(6)の下位範疇の構造で示さ
れる化合物によって、同様に合成できる。
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】一般式(1)で示される単量体の上記代表
的な製造方法は、脱HCl反応であり、当業者には、そ
の反応系や反応条件を適宜選定して、容易に実施可能で
ある。
【0031】上記一般式(1)で示される単量体の具体
例としては下記表(1)に示すものがあげられるが、本
発明における下引き層はこれらを原料として用いるもの
に限定されるものではない。
【0032】
【表1】
【0033】本高分子化合物は、上記の単量体のみで調
製してもよいし、後述するような他の単量体を原料とし
て併用し、共重合として調製してもよい。前者の場合、
その高分子化合物の主な構造は、一般式(4)又は
(6)で示される単量体が、主鎖の繰り返し単位に、ま
た、一般式(3)又は(5)で示される単量体が側鎖に
相当する構造である。後者の場合には、必ずしも構造は
明確ではないが、上記一般式(1)で示される単量体か
ら構成される構造体の特性を活かすために、その他の単
量体は、全原料の、通常50モル%以下、好ましくは、
30モル%以下使用する。
【0034】また、本高分子化合物の重量平均分子量
は、通常、5万以上、好ましくは、10万〜100万で
ある。
【0035】本高分子化合物は、上記の単量体をラジカ
ル重合法等の方法により重合させることにより合成する
ことができる。なお、この場合、上記の単量体を単独で
重合させても、2種以上を共重合させてもよく、または
上記の単量体と他の一般的なオレフィン系重合性単量体
とを共重合させてもよい。ラジカル重合法の場合、これ
らの単量体を適当な溶媒に溶解し、ラジカル重合開始剤
を加え、適温で放置または攪拌することにより反応を行
うことができる。反応溶媒は、トルエン、テトラヒドロ
フラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン等の中から適宜選択して用いる。また、重合開
始剤は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾビス
ブチロニトリル等の中から選択して用いることができ
る。
【0036】上記の単量体と共重合するために用いられ
る、他の重合性単量体としては、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル等のアクリル酸エステル
類、あるいはアクリロニトリル、スチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン等の各種ビニル系
化合物等があげられる。これらは、溶解性、可塑性、機
械的強度の改善等の目的で使用される。
【0037】また、他の重合性単量体として、強度向上
等の目的で、架橋性単量体、例えば、メタクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン等のアクリルオキシシラン
類も好ましく利用できる。
【0038】重合法としては、ラジカル重合又はアニオ
ン重合、好ましくは溶液ラジカル重合が利用できる。
【0039】重合の条件は、単量体原料に応じて形成さ
れる本高分子化合物が前記したような特性を有するよう
に、適宜選定すればよいが、好ましい溶液ラジカル重合
を利用する場合の代表的な反応条件は、以下のとおりで
ある。
【0040】溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、N,N−ジメチルアセトアシド、N−メチルピロ
リドン等、反応開始剤として、過酸化ラウロイル、過酸
化ベンゾイル、アゾビスブチロニトリル等、反応時間
は、通常、5時間以上、好ましくは、10〜100時
間、反応温度は、通常、20〜80℃、好ましくは、4
0〜70℃である。
【0041】本発明において、下引き層に含有させる本
高分子化合物としては、本高分子化合物を単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。または、溶解
性、可塑性、機械的強度の改善等の目的で、他の一般的
な高分子材料と混合して用いてもよい。この場合には、
組成比に応じて、他の高分子材料の持つ特性を所定の程
度活かし、かつその材料の欠点を本高分子化合物が相殺
することができるが、本高分子化合物の特性を相当程度
活かすためには、本高分子化合物を、全体の、好ましく
は50モル%以上、より好ましくは70モル%以上とす
る。
【0042】上記混合する他の高分子材料としては、各
種ポリアクリル酸エステル類のほか、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール、ポリビニルフォルマール、ポリ
ビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアミド等の熱可塑性樹脂、またはエポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂等を用いる
ことができる。
【0043】本発明の電子写真感光体においては、電気
的特性をさらに改善する等の目的で、本高分子化合物と
ともに、さらに任意の有機低分子化合物を含有・添加さ
せてもよい。勿論、その添加は、低分子化合物の従来技
術の項で記した欠点を許容する範囲内で行う。ここで言
う有機低分子化合物とは、低分子系の電子受容性物質、
電子供与性物質または有機金属錯体等であり、上記の高
分子化合物とは独立に、あるいは電荷移動錯体の形成等
の相互作用により、電気伝導性を補強もしくは制御する
機能を有するものを意味する。
【0044】その電子受容性化合物の例としては、4−
ニトロベンズアルデヒド等の芳香族ニトロ化合物、無水
マレイン酸等の環状カルボン酸無水物、N−(n−ブチ
ル)−1,8−ナフタルイミド等の芳香族カルボン酸イ
ミド類、p−クロラニル、2,3−ジクロロアントラキ
ノン等のキノン類、テトラシアノアントラキノジメタン
等のテトラシアノキノジメタン誘導体、9−ジシアノメ
チレンフルオレン−4−カルボン酸n−オクチル等のフ
ルオレノン誘導体等が挙げられる。
【0045】また、電子供与性化合物の例としては、
2,5−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾールに代表されるオキサジアゾー
ル類、9−(4−ジメチルアミノスチリル)アントラセ
ンに代表されるスチリル化合物、N−メチル−N−フェ
ニルヒドラゾン−3−メチリデン−9−エチルカルバゾ
ールに代表されるカルバゾール系化合物、1−フェニル
−3−(p−ジメチルアミノスチリル)−5−(p−ジ
メチルアミノフェニル)ピラゾリンに代表されるピラゾ
リン系化合物、トリ(4−メチルフェニル)アミンや
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフ
ェニル)ベンジジンなどのトリフェニルアミン系化合
物、あるいはテトラチアフルバレン、N,N,N’,
N’−テトラエチルフェニレンジアミン等が挙げられ
る。
【0046】さらに、有機金属錯体の例としては、遷移
金属元素またはIII 族、VI族元素等のアセチルアセトン
錯体、アセト酢酸エステル錯体、オキシキノリン錯体な
どの各種キレート錯体、あるいはフェロセンなどのシク
ロペンタジエニル錯体等が挙げられる。
【0047】上記の有機低分子化合物は、各々の化合物
を単独で用いても、または2種以上を組合せて用いても
よい。その添加量は、下引き層の全構成成分に対して、
1〜30重量%の範囲で任意に設定することができる。
【0048】また、下引き層には、それ自体の機械的強
度、導電性基剤との接着強度または光導電層を塗布形成
する時に使用する溶剤に対する耐溶解性を改善するため
に、各種硬化処理を施してもよい。硬化処理の方法とし
ては、本高分子化合物に、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、またはシランカ
ップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、チタネー
トカップリング剤などの各種カップリング剤を混合し、
導電性基材上に塗布後加熱して硬化させる方法、あるい
は上記一般式(1)で示される単量体を重合する際の共
重合成分として、メタタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジル、メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン等、反応性の残基を有する単量体
を用い、導電性基材上に塗布後、加熱、光照射または適
当な化学処理などの方法で反応、硬化させる方法などが
挙げられる。
【0049】下引き層は、本高分子化合物、及び所望に
より混合する前記材料を、有機溶剤に溶解し、その溶液
を浸漬塗布等の方法で導電性基体上に塗布した後、加熱
乾燥することにより形成することができる。その有機溶
剤としては2−プロパノール、1−ブタノール等のアル
コール系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のハロゲン系溶媒、ジクロロメタン、1,1,2,2
−テトラクロロエタン等のケトン系溶媒クロロベンゼ
ン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、N,N’−ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系
溶媒等の中から適宜選択して用いることができる。ま
た、その加熱乾燥は50〜200°Cの範囲で行う。下
引き層の膜厚は0.1〜10μmの範囲で任意に設定す
ることができるが、0.1〜5μmの範囲が特に好まし
い。
【0050】本発明の電子写真感光体における光導電層
は、当業界で使用し得る任意の材料、形態から選択する
ことができ、電荷発生材料、電荷輸送材料を含有する単
一の層からなる単層型、あるいは電荷発生材料を含有す
る電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層との
2層からなる積層型のいずれであってもよい。特に積層
型の光導電層を採用した場合に、本発明による著しい改
善の効果が得られる。また、これらの光導電層の上に
は、必要に応じてさらに表面層を設けてもよい。
【0051】積層型の電子写真用感光体の場合、電荷発
生層は、電荷発生材料を適当な結着樹脂とともに有機溶
剤中に分散し、下引き層上に浸漬塗布などの方法で塗布
した後に乾燥するか、あるいは真空蒸着する等の方法に
より形成することができる。電荷発生材料としてはフタ
ロシアニン系顔料、各種アゾ顔料、ペリレン系顔料、ジ
ブロモアントアントロンなどの縮環芳香族系顔料、ある
いはスクエアリリウム顔料などを用いることができる
が、特に無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロ
シアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロ
ロスズフタロシアニン、あるいはチタニルフタロシアニ
ンなどのフタロシアニン系顔料を用いた場合において、
本発明による著しい改善の効果が得られる。
【0052】また、用いる結着樹脂としてはポリビニル
フォルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
コール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート等の中から適宜選択することができる。
電荷発生層の膜厚は0.1〜5μmの範囲で任意に設定
することができるが、0.1〜0.5μmの範囲が特に
好ましい。
【0053】また、積層型の電子写真用感光体の場合、
電荷輸送層は、電荷発生材料を適当な結着樹脂とともに
有機溶剤中に溶解し、前記の電荷発生層上に浸漬塗布な
どの方法で塗布した後、乾燥することにより形成するこ
とができる。用いる電荷輸送材料としてはアントラセ
ン、ピレン等の多・環芳香族化合物、カルバゾール誘導
体、イミダゾール誘導体の含窒素複素環化合物、ヒドラ
ゾン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルアミン誘
導体、テトラフェニルベンジジン等の中から適宜選択す
ることができる。また、結着樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等の
中から適宜選択することができる。電荷発生層の膜厚は
5〜40μmの範囲で任意に設定することができるが1
5〜30μmの範囲が特に好ましい。
【0054】
【実施例】以下、本発明に用いられる化合物の合成例、
および実施例等により、本発明をより具体的に説明す
る。 合成例1(単量体の例示化合物(11)の合成) ヘキサメチレングリコール50gにジクロロメタン20
0mlおよびピリジン20mlを加え、約35°Cに加
熱溶解し、この溶液を撹拌しながら、9−オキソ−9H
−チオキサンテン−3−カルボン酸クロリド10,10
−ジオキシド28.8g(mmol)を少量ずつ約30
分かけて添加した。約40°Cで2時間撹拌を続けた
後、1M−塩酸500ml、次いで5%−炭酸カリウム
水溶液500ml、最後に水500mlで洗浄し、無水
硫酸ナトリウムを加え乾燥した後、溶媒を減圧留去し、
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル;ジクロロメタン/ヘキサン(1/1))により分離
精製し、9−オキソ−9H−チオキサンテン−3−カル
ボン酸 1−(6−ヒドロキシ)ヘキシル10,10−
ジオキシド13.7g (38%)を得た。 融点:114〜117°C 赤外吸収スペクトル(KBr法):3456,294
0,2860,1724,1678,1576,147
6,1442,1390,1294,1238,c11
50,1126,1058,986,930,890,
804,768,752,666,598,560,5
36,474m-1 NMRスペクトル(CDCl3 ,300MHz):8.
8(s,1H),8.4(d,2H),8.35(d,
1H),8.2(d,1H),7.9 (t,1H),
7.8(t,1H),7.8(t,1H),4.4
(t,2H),3.65(t,2H),1.85(m,
2H),1.6(m,2H),1.5(m,4H),
1.4(s,1H)ppm 上記で得られた9−オキソ−9H−チオキサンテン−3
−カルボン酸1−(6−ヒドロキシ)ヘキシル10,1
0−ジオキシド12.5g (0.032mol)、ハ
イドロキノン0.1gおよびピリジン5ml(0.mo
l)をジクロロメタン80mlに溶解し、氷冷下約5°
Cで撹拌しながら、メタクリル酸クロリド3.8ml
(0.0mol)をジクロロメタン5mlに溶解した溶
液を約20分かけて滴下した。約5°Cで1時間撹拌を
続けた後、混合物を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムを加
え乾燥した後、溶媒を減圧留去し、得られた残さをカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン/
ヘキサン(1/1))に通し不純物を除去した後、溶液
を減圧濃縮、メタノールを加え、析出した結晶を濾取、
減圧乾燥して化合物(11)4.3g(29%)を得
た。 融点:79〜81°C 赤外吸収スペクトル(KBr法):2956,172
4,1710,1680,1482,1394,130
6,1288,1226,1180,1166,224
8,962,930,886,750,660,48
0,434cm-1NMRスペクトル(CDCl3,30
0MHz):8.8(s,1H),8.4(d,2
H),8.35(d,1H),8.2(d,1H),
7.9(t,1H),7.8(t,1H),7.8
(t,1H),6.1(s,1H),5.55(s,1
H),4.4(t,2H),4.15(t,2H),
1.95(s,3H),1.85(m,2H),1.7
5(m,2H),1.5(m,4H)ppm 合成例2(本高分子化合物の一例の合成) 合成例1で得られた化合物(11)2.0gをテトラヒ
ドロフラン12gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリ
ル10mgを加え60°Cで48時間反応を行った。反
応終了後、メタノール200mlに反応液を注ぎ、析出
した固形物を濾過、乾燥後、固形物を1,1,2,2−
テトラクロロエタン20mlに溶解し、メタノール20
0ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、減圧乾燥して
目的の高分子化合物1.9gを得た。
【0055】得られた高分子化合物の分子量をゲルパー
ミエイションクロマトグラフィーGPC(クロロホルム
移動層)測定したところ重量平均分子量は21万であっ
た。
【0056】ガラス転移点(DSC):115℃ 赤外吸収スペクトル(KBr法):2944、172
8、1680、1592、1476、1396、131
6、1284、1226、1166、1144、97
2、930、866、750、666、480、434
cm-1 合成例3(本高分子化合物の一例の合成) 合成例1で得られた化合物(11)1.5gおよびメタ
クリル酸 2−ヒドロキシエチル1.5gをテトラヒド
ロフラン18gに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル
15mgを加え60°Cで48時間反応を行った。反応
終了後、メタノール300mlに反応液を注ぎ、析出し
た固形物を濾過、乾燥後、固形物を1,1,2,2−テ
トラクロロエタン30mlに溶解し、メタノール800
ml中に注ぎ、析出した固形物を濾過、減圧乾燥して目
的の高分子化合物2.81gを得た。
【0057】得られた高分子化合物の分子量をGPC
(クロロホルム移動層)測定したところ重量平均分子量
は32万であった。 実施例1 合成例2で得られた高分子化合物0.6gを、3−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン0.3gとと
もに1,1,2,2−テトラクロロエタン15mlに溶
解し、得られた溶液をアルミニウムパイプ(40mmφ
×318mm)上に浸漬塗布し、150°Cで30分間
乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成した。
【0058】次に、X型無金属フタロシアニン1重量
部、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体(商品名:VMC
H、ユニオンカーバイド社製)1重量部および酢酸n−
ブチル40重量部を、1mmφのガラスビーズを用いた
サンドミルで2時間分散して得られた分散液を、上記の
下引き層の上に浸漬塗布し、100°Cで10分間乾燥
して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0059】最後に、N,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン1重量部およ
びポリ(4,4−シクロヘキシリデンジフェニレンカー
ボネート)樹脂1重量部をモノクロロベンゼン6重量部
に溶解した溶液を、上記の電荷発生層上に浸漬塗布し、
135°Cで1時間乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層
を形成することにより、電子写真感光体を作製した。 実施例2 合成例3で得られた高分子化合物1.0gを1,1,
2,2−テトラクロロエタン15mlに溶解し、得られ
た溶液をアルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150°
Cで10分間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成
した。
【0060】以下、実施例1と同様にして電荷発生層お
よび電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例3 電荷発生層の構成成分として、X型無金属フタロシアニ
ンの代わりにα型チタニルフタロシアニンを用いた以外
は、実施例2と同様にして電荷発生層および電荷輸送層
を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例4 電荷発生層の構成成分として、X型無金属フタロシアニ
ンの代わりに、特開平5−194523号公報記載の方
法で調製したクロロガリウムフタロシアニン結晶を用い
た以外は、実施例2と同様にして電荷発生層および電荷
輸送層を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例5 電荷発生層の構成成分として、X型無金属フタロシアニ
ンの代わりに、特開平5−279591号公報記載の方
法で調製したヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を
用いた以外は、実施例1と同様にして電荷発生層および
電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例6 合成例2で得られた高分子化合物0.6g、および9−
ジシアノメチレンフルオレノン−4−カルボン酸n−オ
クチル0.03gを、3−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン0.3gとともに1,1,2,2−テ
トラクロロエタン15mlに溶解し、得られた溶液をア
ルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150°Cで30分
間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成した。以
下、実施例1と同様にして電荷発生層および電荷輸送層
を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例7 合成例2で得られた高分子化合物0.6g、およびN,
N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4
−アミン0.03gを、3−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン0.3gとともに1,1,2,2−
テトラクロロエタン15mlに溶解し、得られた溶液を
アルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150°Cで30
分間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成した。以
下、実施例1と同様にして電荷発生層および電荷輸送層
を形成して電子写真感光体を作製した。 実施例8 合成例3で得られた高分子化合物1.0g、およびジル
コニウムアセチルアセトネート0.1gを1,1,2,
2−テトラクロロエタン15mlに溶解し、得られた溶
液をアルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150°Cで
10分間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成し
た。以下実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し
た。 比較例1 ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡績
社製)1.5重量部および2,4,7−トリニトロフル
オレノン0.5重量部を1,1,2,2−テトラクロロ
エタン20重量部に溶解した溶液をアルミニウムパイプ
上に浸漬塗布し、150°Cで10分間乾燥して膜厚
1.0μmの下引き層を形成した。以下、実施例1と同
様にして電子写真感光体を作製した。 比較例2 共重合ナイロン樹脂(商品名:アラミンCM8000、
東レ社製)1重量部をエタノール10重量部に溶解した
溶液をアルミニウムパイプ上に浸漬塗布し、150°C
で10分間乾燥して膜厚1.0μmの下引き層を形成し
た。以下、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。上記実施例1〜8および比較例1〜2で作製した
電子写真感光体について、レーザープリンター(商品
名:XP−11、富士ゼロックス社製)を改造した評価
装置により、電気特性の試験を行った。電気特性の評価
は、常温常湿下(20°C,40%RH)及び低温低湿
下(10°C,20%RH)における、帯電後レーザー
光を照射しない場合の感光体の表面電位(暗部電位:V
H )、12mJ/m2 のレーザー光を照射した場合の表
面電位(明部電位:VL )、30mJ/m 2 の光を照射
した場合の表面電位(残留電位:VR )を測定すること
により行った。その結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】この表から、明らかなように、本発明に係
わる実施例では、常温常湿、低温低湿で電位差が小さ
く、また、暗部電流も小さく、更に、残留電位は、理想
値(0)により近いが、比較例では、いずれかの特性に
欠点が生じている。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の電
子写真感光体は、上記した特定の高分子化合物を含有す
る下引き層を用いることにより、帯電性に優れ、また種
々の環境、特に低温低湿下においても高い光感度を有
し、低い残留電位を示すことで、常に安定した特性を示
すという優れた効果を奏するものである。また、それら
の特性は、経時的にも優れ、繰り返し安定性においても
優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉崎 裕 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 克洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材上に下引き層を介して、光導
    電層を有する電子写真感光体において、該下引き層が、
    下記一般式(1)で示される単量体を重合して得られる
    高分子化合物の少なくとも1種を含有することを特徴と
    する電子写真感光体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で示される単量体が下
    記一般式(1’)で示される化合物である、請求項1に
    記載の電子写真感光体。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)で示される単量体が下
    記一般式(1”)で示される化合物である、請求項1に
    記載の電子写真感光体。 【化3】
  4. 【請求項4】 下引き層が、さらに有機低分子化合物を
    含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 高分子化合物が、他の単量体との共重合
    体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 他の単量体が、架橋性単量体であること
    を特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 有機低分子化合物が、電子受容性物質で
    あることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光
    体。
  8. 【請求項8】 有機低分子化合物が、電子供与性物質で
    あることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光
    体。
  9. 【請求項9】 有機低分子化合物が、有機金属錯体であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 光導電層が、電荷発生層および電荷輸
    送層からなる積層構造であることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 光導電層が、フタロシアニン系顔料を
    含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1
    項に記載の電子写真感光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003330209A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2017223868A (ja) * 2016-06-16 2017-12-21 キヤノン株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

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JP2003330209A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
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