JP2000038390A - テトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

テトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用いた電子写真感光体

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JP2000038390A
JP2000038390A JP20989798A JP20989798A JP2000038390A JP 2000038390 A JP2000038390 A JP 2000038390A JP 20989798 A JP20989798 A JP 20989798A JP 20989798 A JP20989798 A JP 20989798A JP 2000038390 A JP2000038390 A JP 2000038390A
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tetrapyrazinoporphyrazine
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compound
photosensitive layer
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JP20989798A
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Kaoru Tadokoro
薫 田所
Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Michihiko Nanba
通彦 南場
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷発生物質として有用な新規結晶型を有す
るテトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用い
た高感度な電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 CuKαのX線回折におけるブラッグ角
2θ±0.3°が、4.6°および、または7.1°お
よび、または8.0°および、または24.0°に回析
ピークを有する下記一般式(1)で表されるテトラピラ
ジノポルフィラジン化合物。 【化1】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
または化合物を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な結晶型を有
するテトラピラジノポルフィラジン化合物、およびそれ
を用いた電子写真用の感光体に関し、更に詳しくは光を
照射したとき電荷担体を発生する物質(以下「電荷発生
物質」という)として有用な、新規な結晶型を有するテ
トラピラジノポルフィラジン化合物、およびそれを電荷
発生物質として含有する感光層を設けた電子写真感光体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の光導電性素材として用いられているものにセレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機物質がある。
ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感
光体をまず暗所で、例えばコロナ放電によって帯電せし
め、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸散
せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料などの
着色剤と高分子物質とから構成される検電微粒子(トナ
ー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画像
形成法の一つである。このような電子写真法において感
光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で
適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電荷
の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電
荷を逸散せしめうることなどが挙げられる。
【0003】ところで、前記の無機物質はそれぞれが多
くの長所を持っていることと同時に、様々な欠点を持っ
ているのが現状である。例えば、セレン感光体は製造す
る条件が難しく、製造コストが高かったり、可撓性がな
いためにベルト状に加工することが難しく、熱や機械的
な衝撃に鋭敏なため取り扱いに注意を要するなどの欠点
もある。硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結合剤としての
樹脂に分散されて感光体として用いられているが、平滑
性、硬度、引っ張り強度、耐摩擦性などの機械的な欠点
があるためにそのままでは反復して使用することができ
ない。
【0004】近年、これら無機物質の欠点を排除するた
めにいろいろな有機物質を用いた電子写真感光体が提案
され、実用に供されているものもある。例えば、ポリ−
N−ビニルカルバゾールと2,4,7−トリニトロフル
オレン−9−オンとからなる感光体(米国特許第348
4237号明細書に記載)、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールをピリジウム塩系色素で増感してなる感光体(特公
昭48−25658号公報に記載)、有機顔料を主成分
とする感光体(特開昭47−37543号に記載)、染
料と樹脂とからなる共晶錯体を主成分とする感光体(特
開昭47−10735号公報に記載)などの増感方法か
ら分類されるその代表的なものである。とりわけ有機顔
料の薄膜を導電性支持体上に形成し(電荷発生層)、こ
の上に電荷輸送物質を主体とする層(電荷輸送層)を形
成した積層型の感光体が従来の有機系の感光体に比べ高
い感度を示すこと、及びその材料のバリエーションの豊
富さとから活発に研究がなされている。
【0005】他方、複写業界においては、近年高画質、
編集機能及び複合処理機能が要請されるようになってい
る。これに伴ってノンインパクトプリンター技術が展開
し、レーザープリンター、レーザーファクシミリ、デジ
タル複写機等に見られるデジタル方式に記録装置が広く
普及しつつある。前記デジタル方式の記録装置に用いら
れる光源としては、小型、安価、簡便さ等の点から、多
くは半導体レーザーが用いられているが、現在用いられ
ている半導体の発振波長は、600nm以上の波長領域
に限定されている。従って、これらの装置に用いられる
電子写真感光体としては、少なくとも600〜850n
mの波長領域に光感度を有することが要求される。
【0006】この要求を満たす有機光導電材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン顔料、ア
ズレン顔料、スクアリウム顔料などが知られているが、
特に、フタロシアニン顔料は、比較的長波長領域まで分
光吸収を持つと共に光感度を有し、また中心金属や結晶
形の種類によって様々なバリエーションが得られること
から、半導体レーザー用の電子写真感光体として盛んに
研究が行われている。これまでに知られているフタロシ
アニン顔料としては、ε型銅フタロシアニン、X型無金
属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、バナジ
ルフタロシアニン、チタニルオキシフタロシアニン(特
開平8−231869、特開平5−66595、特公平
8−13942)等が挙げられるが、いずれも感度、帯
電能、繰り返し耐久性の点でなお充分ではなく、より一
層の改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
複写機用としてはもちろんレーザープリンター用として
も実用に供し得る電子写真感光体に用いられる有機光導
電体として有用な新規テトラピラジノポルフィラジン化
合物を提供することにあり、また該化合物を有効成分と
して含有する感光層を有する電子写真感光体を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.
3°が、4.6°および、または7.1°および、また
は8.0°および、または24.0°に回折ピークを有
する下記一般式(1)で表されるテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物が提供される。
【化5】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
または化合物を表す。)
【0009】第二に、導電性支持体上に感光層を有する
電子写真感光体において、該感光層中に、CuKαのX
線回折におけるブラッグ角2θ±0.3°が、4.6°
および、または7.1°および、または8.0°およ
び、または24.0°に回折ピークを有する下記一般式
(1)で表されるテトラピラジノポルフィラジン化合物
を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真感
光体が提供される。
【化6】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
または化合物を表す。)
【0010】第三に、前記感光層が、電荷発生物質より
なる電荷発生層、及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送
層の2層からなり、該電荷発生層中にCuKαのX線回
折におけるブラッグ角2θ±0.3°が、4.6°およ
び、または7.1°および、または8.0°および、ま
たは24.0°に回折ピークを有する上記一般式(1)
で表されるテトラピラジノポルフィラジン化合物の少な
くとも1種含有することを特徴とする請求項1記載の電
子写真感光体が提供される。
【0011】第四に、前記感光層が、電荷発生物質より
なる電荷発生層と、正孔輸送物質よりなる電荷輸送層と
を、導電性支持体上に順次設けた感光層であることを特
徴とする請求項3記載の負帯電型の電子写真感光体が提
供される。
【0012】第五に、前記電荷輸送層中の正孔輸送物質
が、下記一般式(2)で表されるスチルベン系化合物で
あることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体が
提供される。
【化7】 (式中、R1、R2は、置換または無置換のアルキル基、
置換または無置換のアリール基を表し、R3、R4は、水
素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無
置換のアリール基、複素環基を表す。また、R1、R2
互いに環を形成していても良い。Ar1は置換または無
置換のアリール基、複素環基を表す。)
【0013】第六に、前記感光層が、電荷発生物質より
なる電荷発生層と、電子輸送物質よりなる電荷輸送層と
を、導電性支持体上に順次設けた感光層であることを特
徴とする請求項3記載の正帯電型の電子写真感光体が提
供される。
【0014】第七に、前記電荷輸送層中の電子輸送物質
が、下記一般式(3)で表される(2、3−ジフェニル
−1−インデニリデン)マロノニトリルであることを特
徴とする請求項6記載の電子写真感光体が提供される。
【化8】
【0015】第八に、前記感光層が、少なくとも電荷発
生物質として、CuKαのX線回折におけるブラッグ角
2θ±0.3°が、4.6°および、または7.1°お
よび、または8.0°および、または24.0°に回折
ピークを有する新規な結晶型の前記一般式(1)で表さ
れる、テトラピラジノポルフィラジン化合物を含有する
単一層であることを特徴とする請求項2記載の電子写真
感光体が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳しく説明す
る。本発明の前記一般式(1)で表されるテトラピラジ
ノポルフィラジン化合物において、該一般式(1)中、
Mとしては、例えばCu、TiO、Mg、Co、Pb、
VO、Fe、Zn、Ge、Sn、Ni、Al、Ga、M
o、In等の金属原子、金属酸化物、金属水酸化物、及
び金属ハロゲン化物、または水素原子を挙げられる。
【0017】本発明に使用される前記一般式(1)に表
されるテトラピラジノポルフィラジン化合物を得るため
に、まず下記反応式に従い、相当するジニトリル化合物
を合成する。反応は通常無溶媒か、エタノール、ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ニト
ロベンゼン等の芳香族系溶媒、ジクロロベンゼン、トリ
クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、酢酸等の酸性溶媒
の存在下で加熱することにより行なうことができる。反
応収率、原料の溶解性向上の目的で、酢酸、硫酸、塩酸
等の酸性触媒の存在下で反応させることが好ましい。反
応温度は通常室温〜300℃で行い、特に100℃〜2
00℃で行うことが、反応収率の点から好ましい。
【0018】
【化9】
【0019】次いで、上述のジニトリル化合物と、金属
塩化物またはアルコキシ金属とを、無溶媒か、α−クロ
ロナフタレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン
等のハロゲン系溶剤、ペンタノール、オクタノール等の
アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン等のアミン系溶剤、ベンゼン、トル
エン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒の存在下で加熱
することにより目的とするテトラピラジノポルフィラジ
ン化合物を得ることができる。反応温度は通常室温〜3
00℃で行い、特に100℃〜250℃で行うことが、
反応収率の点から好ましい。
【0020】
【化10】 (反応式中、Mは前記定義と同じ。またXは、ハロゲン
原子、又はアルコキシ基を表す。)
【0021】また、前記一般式(1)で表されるテトラ
ピラジノポルフィラジン化合物は、ピラジン酸無水物
と、金属塩化物、及び、触媒として、尿素、モリブデン
酸アンモニウム等のアミンの存在下合成することも可能
である。この場合の反応は通常無溶媒か、α−クロロナ
フタレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の
ハロゲン系溶剤、ペンタノール、オクタノール等のアル
コール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドン等のアミン系溶剤、ベンゼン、トルエ
ン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒の存在下で加熱す
ることにより得ることができる。反応温度は通常室温〜
300℃で行い、特に100℃〜200℃で行うこと
が、反応収率の点から好ましい。
【0022】得られたテトラピラジノポルフィラジン化
合物は、例えば、粒径の微細化、分散性、純度向上のた
めに種々の処理を行なうことができる。このような処理
方法としては、例えば酸処理、溶媒処理、ミリング処理
等がある。酸処理とは、硫酸等の酸中に顔料を溶解また
は分散させた後、これを氷水上に滴下して顔料の結晶を
析出させ、濾過等の手段により結晶を得ることを示し、
溶媒処理とは、室温下あるいは加熱下での、溶媒中にお
ける顔料の懸濁撹拌処理を示し、ミリング処理とは、例
えばガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボール等
を用いてサンドミル、ボールミル等のミリング装置を用
いて行う処理を示す。また、溶媒処理に使用する溶媒と
しては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール
系溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケ
トン系溶媒、n−ブチルエーテル、エチレングリコール
n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、キノリン等のアミン系溶剤、水等がある。ミ
リング処理に使用する溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、n−ブチル
エーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン、ピ
リジン等のアミン系溶剤、水等がある。
【0023】次に、本発明の電子写真感光体について説
明する。本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に
感光層を有する電子写真感光体において、該感光層中
に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.
3°が、4.6°および、または7.1°および、また
は8.0°および、または24.0°に回折ピークを有
する下記一般式(1)で表されるテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物を少なくとも1種含有させたものであ
る。
【化11】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
または化合物を表す。)
【0024】本発明で使用されるテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料は、他の顔料と混合、分散して使用しても
良い。このような有機顔料としては、例えば、シーアイ
ピグメントブルー25(カラーインデックスCI211
80)、シーアイピグメントレッド41(CI2120
0)、シーアイアシッドレッド52(CI4510
0)、シーアイベーシックレッド3(CI4521
0)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53
−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格
を有するアゾ顔料(特開昭53−133445号公
報)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開
昭53−132347号公報に記載)、ジベンゾチオフ
ェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号
公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料
(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノ
ン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公
報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特
開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキ
サジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21
29号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有
するアゾ顔料(特開昭54−14967号公報に記載)
などのアゾ顔料、また、例えば、シーアイピグメントブ
ルー16(CI74100)、チタニルフタロシアニン
などのフタロシアニン系顔料、更に例えば、シーアイバ
ットブラウン5(CI73410)、シーアイバットダ
イ(CI73030)などのインジコ系顔料、更にまた
アルゴスカーレットB(バイエル社製)、インタンスレ
ンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン顔料
などが挙げられる。なお、これらの有機顔料は単独ある
いは2種類以上が併用されても良い。
【0025】本発明においては、前記一般式(1)で表
される有機顔料を電荷発生物質とし、電荷輸送物質と組
み合わせて分散型もしくは機能分離型の電子写真用感光
体が作製できる。層構成としては分散型の場合、導電性
基体の上に、結着剤中に電荷発生物質、電荷輸送物質を
分散させた感光層を設ける。機能分離型の場合は、基体
上に電荷発生物質および結着剤を含む電荷発生層、その
上に電荷輸送物質および結着剤を含む電荷輸送層を形成
するものであるが、正帯電型とする場合には、電荷発生
層、電荷輸送層を逆に積層しても良い。
【0026】電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送
物質がある。正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−N
−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルム
アルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、
ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミ
ダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体等があり、
なかでも、下記一般式(2)のスチルベン化合物が、電
荷輸送能が高いという点で好適に使用される。
【0027】
【化12】 (式中、R1、R2は置換または無置換のアルキル基、置
換または無置換のアリール基を表し、R3、R4は水素原
子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換
のアリール基または複素環基を表す。また、R1、R2
互いに環を形成していてもよい。Ar1は置換または無
置換のアリーレン基または複素環基を表す。)
【0028】該一般式(2)で表されるスチルベン系化
合物の具体例を表1〜5に示すが、これらに限定される
ものではない。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】なお、電子輸送物質としては、例えば、ク
ロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テ
トラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9
−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ〔1,2−
b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジ
ベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げる
ことができ、電子輸送能が高い等の理由により下記化1
3、14、15式に挙げる電子輸送物質を好適に使用す
ることができる。これらの電荷輸送物質は単独または2
種類以上を混合して用いられる。
【0035】
【化13】
【化14】
【化15】
【0036】電荷発生層、電荷輸送層および分散型感光
層形成時に用いる結着剤としては、絶縁性が良い結着剤
であれば何れも使用可能であり、特に限定はない。結着
剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリスチレン樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリプロピレン、アクリル樹脂、
メタクリル酸樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂等の
付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、ならび
にこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共
重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体樹脂等の絶縁性樹脂のほか、
ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が
挙げられる。これらのバインダーは単独または2種類以
上の混合物として用いることができる。
【0037】以上のような層構成、物質を用いて感光体
を作製する場合には、膜厚、物質の割合に好ましい範囲
がある。例えば、負帯電型(基体/電荷発生層/電荷輸
送層の積層)の場合、電荷発生層において、結着剤に対
する電荷発生物質の割合は20重量%、膜厚は0.01
〜5μmが好ましい。電荷輸送層においては、結着剤に
対する電荷輸送物質の割合は20〜200重量%、膜厚
は5〜100μmとするのが好ましい。また、正帯電型
の場合、電荷輸送層においては、結着剤に対する電荷輸
送物質の割合は20〜200重量%以上、膜厚は5〜1
00μmとするのが好ましい。電荷発生層においては電
荷発生物質を結着剤に対し20重量%以上含有すること
が好ましい。さらに、電荷発生層中には電荷輸送物質を
含有することが好ましく、含有させることにより残留電
位の抑制、感度の向上に対し効果を持つ。この場合の電
荷輸送物質は、結着剤に対し20〜200重量%含有さ
せることが好ましい。更にまた、電荷発生物質と電荷輸
送物質を結着剤樹脂中に分散してなるいわゆる、分散型
の感光体の場合は、その感光層中に結着剤樹脂に対する
電荷発生物質としての顔料の割合は5〜95重量%、膜
厚は10〜100μmとするのが好ましい。またその場
合の結着剤樹脂に対する電荷輸送物質の割合は30〜2
00重量%が好ましい。
【0038】更にこれら感光層中には、分散型、機能分
離型ともに、特に繰り返し使用時における帯電性の向上
等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキノン化合
物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化
合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールが同一
分子中に存在する化合物などを添加することができる。
【0039】本発明において、導電性基体としては、ア
ルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等
の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、ニ
ッケル、銅、チタン、金酸化錫、酸化インジウムなどを
蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物質を塗布
した紙、プラスチックなどのフィルムまたはドラム等が
挙げられる。
【0040】本発明の電子写真感光体は、例えば次のよ
うにして製造することができる。すなわち、電荷発生物
質として前記本発明のテトラピラジノポルフィラジン化
合物を用い、それと必要に応じて結着剤およびその他の
添加物を溶媒に溶解もしくは分散せしめ、それを導電性
基体上に塗布し乾燥させることにより電荷発生層を設
け、ついで電荷輸送物質と必要に応じて結着剤およびそ
の他の添加物を溶媒に溶解せしめた溶液を電荷発生層上
に塗布し乾燥させて電荷輸送層を形成することにより、
電子写真感光体を製造することができる。
【0041】電荷発生物質を分散せしめて電荷発生層を
形成する場合、電荷発生層中への分散性を良くするため
に、その電荷発生物質は2μm以下、好ましくは1μm
以下の平均粒径を有するものが好ましい。ただし、粒径
があまりに小さいとかえって凝集しやすく、電荷発生層
の抵抗が上昇したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返
し特性が低下し、或いは微細化する上で限界があるた
め、平均粒径の下限は0.01μmとするのが好まし
い。電荷発生物質の分散方法としては、例えば、ボール
ミル、超音波、ホモミキサー等が挙げられる。また、電
荷発生層および電荷輸送層を形成する際の塗布手段とし
ては、ディッピング塗工法、ブレード塗工法、スプレー
塗工法等が挙げられる。
【0042】電荷発生層用あるいは電荷輸送層用の分散
液もしくは溶液を調製する際に使用する溶媒としては、
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キ
シレン、モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタ
ン、1,1,1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、
1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、
テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどを挙げることができる。
【0043】また、本発明の電子写真感光体において、
接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために、感光
層と導電性基体との間に中間層を設けてもよく、さら
に、耐摩擦性など、機械的耐久性を向上させるために感
光層上に保護層を設けてもよい。
【0044】また、中間層の材料としては、前記バイン
ダー樹脂として挙げたものの他に、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、カゼ
イン、N−アルコキシメチルナイロン等の樹脂をそのま
ま、または酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、或いは酸化インジウムなどを分散させたも
の、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、或いは
酸化ケイ素などの蒸着膜等が挙げられる。
【0045】更にまた、前記保護層に用いられる材料と
しては、前述の樹脂をそのまま使用するか、または酸化
スズや酸化インジウムなどの低抵抗物質を分散させたも
のが適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用で
き、その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸
素、ハロゲン、周期律表の第III族、第V族原子を含ん
でもよい。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これにより本発明が何ら限定されるものではな
い。
【0047】中間体(2,3−ジシアノ−5,6−ジフ
ェニルピラジン)の合成 ベンジル0.1mol、ジアミノマレオニトリル0.1
mol、酢酸を、reflux下で6時間撹拌した。室
温まで自然冷却した後、析出した2,3−ジシアノ−
5,6−ジフェニルピラジンをろ取し、粗生成物を得
た。これに再結晶溶媒N,N−ジメチルホルムアミドを
用いて、再結晶を行ない、収率90%で目的物2,3−
ジシアノ−5,6−ジフェニルピラジンを得た(融点2
42℃)。
【0048】製造例1 2,3−ジシアノ−5,6−ジフェニルピラジン0.4
molと第1塩化銅0.1mol、α−クロロナフタレ
ン1000mlを撹拌混合し、窒素気流下、徐々に20
0℃まで昇温し、反応温度を190〜210℃に保ちな
がら、3時間加熱撹拌した。反応終了後、放冷し130
℃になったところで熱時ろ過し、ついでα−クロロナフ
タレンで粉体が青色になるまで洗浄し、更にメタノー
ル、水で数回洗浄した後、乾燥し収率80%の粗Cuテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を得た。図1にIRス
ペクトルを示す。Cuテトラピラジノポルフィラジン顔
料の元素分析結果を表6に示す。
【表6】
【0049】製造例2 製造例1で得られた粗Cuテトラピラジノポルフィラジ
ン顔料40gを5℃で、98%硫酸3000ml中に少
しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温度
を保ちながら撹拌する。続いて硫酸溶液を10000m
lの氷水中に、ゆっくり注ぎ、析出した結晶をろ過し
た。結晶を、酸が残留しなくなるまで蒸留水で洗浄した
後、乾燥し36gの低結晶性Cuテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料を得た。
【0050】製造例3 製造例2で得られた低結晶性Cuテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、シクロヘキ
サノン200mlと共に撹拌下4時間環流する。その後
室温まで冷却し、濾過、乾燥したところ、3.9gの結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0051】製造例4 製造例2で得られた低結晶性Cuテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、テトラヒド
ロフラン200mlと共に撹拌下4時間環流する。その
後室温まで冷却し、濾過、乾燥したところ、3.9gの
結晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0052】製造例5 製造例2で得られた低結晶性Cuテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、メチルエチ
ルケトン200mlと共に撹拌下4時間環流する。その
後室温まで冷却し、濾過、乾燥したところ、3.9gの
結晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0053】製造例6 製造例2で得られた低結晶性Cuテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、N,N−ジ
メチルホルムアミド200mlと共に撹拌下4時間環流
する。その後室温まで冷却し、濾過、乾燥したところ、
3.8gの結晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を得た。
【0054】製造例7 2,3−ジシアノ−5,6−ジフェニルピラジン0.4
mol、Ti(OBu)4を0.1molと、尿素を0.
11molとオクタノール1000mlを撹拌混合し、
窒素気流下、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を1
80〜190℃に保ちながら、3時間加熱撹拌した。反
応終了後、放冷し130℃になったところで熱時ろ過
し、ついでオクタノールで粉体が青色になるまで洗浄
し、更にメタノール、水で数回洗浄した後、乾燥し収率
70%の粗TiOテトラピラジノポルフィラジン顔料を
得た。TiOテトラピラジノポルフィラジン顔料の元素
分析結果を表7に示す。
【表7】
【0055】製造例8 製造例7で得られた粗TiOテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料40gを5℃で、98%硫酸3000ml中に
少しずつ溶解し、その混合物を約1時間、5℃以下の温
度を保ちながら撹拌する。続いて硫酸溶液を10000
mlの氷水中に、ゆっくり注ぎ、析出した結晶をろ過す
る。結晶を酸が残留しなくなるまで蒸留水で洗浄、乾燥
し38gの低結晶性TiOテトラピラジノポルフィラジ
ン顔料を得た。
【0056】製造例9 製造例8で得られた低結晶性TiOテトラピラジノポル
フィラジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、N,N−
ジメチルホルムアミド200mlと共に撹拌下8時間環
流する。その後室温まで冷却し、濾過、乾燥したとこ
ろ、3.9gの結晶性TiOテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を得た。
【0057】製造例10 金属Mg0.4mol、触媒量のヨウ素、ペンタノール
500mlを撹拌混合し、窒素気流下、徐々に120℃
まで昇温し、反応温度を110〜120℃の間に保ちな
がら1時間撹拌し、Mgの活性化を行った。反応終了
後、放冷し室温になったところ、2,3−ジシアノ−
5,6−ジフェニルピラジン0.4molを加え、撹拌
混合し、窒素気塵下、徐々に180℃まで昇温し、反応
温度を180〜190℃に保ちながら、3時間加熱撹拌
した。反応終了後、放冷し130℃になったところ熱時
ろ過し、ついでオクタノールで粉体が青色になるまで洗
浄し、更にメタノール、水で数回洗浄した後、乾燥し収
率70%の粗Mgテトラピラジノポルフィラジン顔料を
得た。この粗Mgテトラピラジノポルフィラジン顔料4
0gを5℃で、トリフルオロ酢酸3000ml中に少し
ずつ加え、約1時間、5℃以下の温度を保ちながら撹拌
した後、10000mlの氷水中にゆっくり注ぎ、析出
した結晶をろ過する。結晶を酸が残留しなくなるまで蒸
留水で洗浄、乾燥し32gの低結晶性無金属テトラピラ
ジノポルフィラジン顔料を得た。無金属テトラピラジノ
ポルフィラジン顔料の元素分析結果を表8に示す。
【表8】
【0058】製造例11 製造例10で得られた無金属テトラピラジノポルフィラ
ジン顔料4gを三角フラスコ中に入れ、N,N−ジメチ
ルホルムアミド200mlと共に撹拌下4時間還流す
る。その後室温まで冷却し、濾過、乾燥したところ、
3.9gの結晶性無金属テトラピラジノポルフィラジン
顔料を得た。
【0059】以上、得られたテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料についてX線回折スペクトルを、以下に示す条
件で測定した。 X線管球 Cu(波長1.54Å) 電圧 40 kV 電流 20 mA 走査速度 1 deg/min 走査範囲 3〜40 deg 図2〜12に、製造例1から11で得たテトラピラジノ
ポルフィラジン顔料のX線回折スペクトルを示す。何れ
においても、ブラッグ角2θ±0.3°が4.6°およ
び、または7.1°および、または8.0°および、ま
たは24.0°の位置にピークを有することが判る。
【0060】実施例1 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料1部、ポリビニールブチラール樹脂(BM−S:積
水化学工業社製)の2重量%酢酸ブチル溶液を50部、
酢酸n−ブチル49部を、2mmφのガラスビーズを用
いたサンドミルにて2時間分散を行なった。これを75
μmのアルミ蒸着PETベース上に塗布し、80℃、5
分間乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式で表される正孔輸送物質(D−1)4
2部、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200:三
菱ガス化学社製)60部、シリコンオイル(KF50、
信越化学社製)0.001部をジクロロメタン638部
に溶解し、電荷輸送層用塗工液を調製した。これを前記
電荷発生層上に塗布し、80℃で5分、110℃で10
分間乾燥して膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、実
施例1の電子写真感光体を得た。
【化16】
【0061】実施例2 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例2で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は実
施例1と同様にして実施例2の電子写真感光体を得た。
【0062】実施例3 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例3で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は実
施例1と同様にして実施例3の電子写真感光体を得た。
【0063】実施例4 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例4で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は実
施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を得た。
【0064】実施例5 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例5で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は実
施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を得た。
【0065】実施例6 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例6で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は実
施例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を得た。
【0066】実施例7 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例7で得られたTiOテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は
実施例1と同様にして実施例7の電子写真感光体を得
た。
【0067】実施例8 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例8で得られたTiOテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は
実施例1と同様にして実施例8の電子写真感光体を得
た。
【0068】実施例9 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例9で得られたTiOテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外は
実施例1と同様にして実施例9の電子写真感光体を得
た。
【0069】実施例10 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例10で得られた無金属
テトラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外
は実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体を
得た。
【0070】実施例11 製造例1で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン
顔料を使用する代わりに、製造例11で得られた無金属
テトラピラジノポルフィラジン顔料を使用すること以外
は実施例1と同様にして実施例11の電子写真感光体を
得た。
【0071】実施例12 実施例1で使用した正孔輸送物質(D−1)の代わり
に、下記構造式で表される正孔輸送物質(D−2)を使
用すること以外は実施例1と同様にして、実施例12の
電子写真感光体を得た。
【化17】
【0072】実施例13 実施例1で使用した正孔輸送物質(D−1)の代わり
に、下記構造式で表される正孔輸送物質(D−3)を使
用すること以外は実施例1と同様にして、実施例13の
電子写真感光体を得た。
【化18】
【0073】実施例14 実施例1で使用した正孔輸送物質(D−1)の代わり
に、下記構造式で表される正孔輸送物質(D−4)を使
用すること以外は実施例1と同様にして、実施例14の
電子写真感光体を得た。
【化19】
【0074】評価 実施例1〜14で作製した感光体を川口電機社製の静電
特性測定装置EPA−8200を用い、−6kVでコロ
ナ放電を20秒行って帯電せしめ、続いて20秒暗減衰
させた後の表面電位Vo(V)、20ルックスの光照射
後、Voが1/2になるのに必要な露光量E1/2(lu
x・sec)を測定した。その結果を表9に示す。
【0075】
【表9】
【0076】実施例15 実施例1と同様にして、アルミ蒸着PETベース上に電
荷発生層を形成した。次に、下記構造式(3)で表され
る電子輸送物質8重量部、ポリカーボネートZ(帯人化
成社製)11重量部、シリコンオイル(KF50,信越
化学社製)0.02重量部をテトラヒドロフラン91重
量部に溶解し、これを電荷発生層上にドクターブレード
にて流延塗布し、乾燥させて膜厚が20μmの電荷輸送
層を設け、実施例15の電子写真感光体を得た。
【化20】
【0077】実施例16 実施例15において用いた電子輸送物質の代わりに、下
記構造式(4)の電子輸送物質を用いる他は実施例15
と同様に操作して実施例16の電子写真感光体を得た。
【化21】
【0078】実施例15、16で作製した感光体を上述
の測定装置を用い、+5.3kVでコロナ放電を20秒
行って帯電せしめ、続いて20秒暗減衰させた後の表面
電位Vo(V)、20ルックスの光照射後、Voが1/
2になるのに必要な露光量E 1/2(lux・sec)を
測定した。その結果を表10に示す。
【0079】
【表10】
【0080】実施例17 製造例1で得たCuテトラピラジノポルフィラジン顔料
0.5gをポリカーボネートZ(帯人化成社製)溶液1
0g(テトラヒドロフラン中に10重量%の濃度になる
ように溶解したもの)、テトラヒドロフラン9gととも
にボールミリングした後、顔料組成2重量%、ポリカー
ボネートZ組成が50重量%、電荷輸送物質(D−1)
が28重量%となるように10重量%のポリカーボネー
トZ溶液を加え、十分に撹拌し、感光層塗布液を調製し
た。このようにして調製した塗布液をアルミニウムを蒸
着したポリエステルフィルム上にドクターブレードにて
流延塗布し、乾燥後の膜厚が15μmの感光層を有す
る、実施例17の単層型電子写真感光体を得た。実施例
17で作製した感光体を上述の測定装置を用い、−6k
Vでコロナ放電を20秒行って帯電せしめ、続いて20
秒暗減衰させた後の表面電位Vo(V)、20ルックス
の光照射後、Voが1/2になるのに必要な露光量E
1/2(lux・sec)を測定した。その結果を表11
に示す。
【0081】
【表11】
【0082】
【発明の効果】本発明により、電子写真感光体の電荷発
生物質として有用な新規結晶型を有するテトラピラジノ
ポルフィラジン化合物を提供することができる。また、
本発明により、該化合物を使用することにより、高感度
な電子写真感光体を提供することができる。例えば、電
荷発生物質としてテトラピラジノポルフィラジン化合物
を使用し、高感度な積層型又は単層型電子写真感光体を
提供することができる。具体的には、電荷発生物質とし
て本発明のテトラピラジノポルフィラジン化合物を使用
し、電荷輸送物質として、正孔輸送物質或いは電子輸送
物質を用いることにより、高感度な積層型電子写真感光
体を提供することができる。そして、電子写真感光体に
おいて、電荷発生物質としてテトラピラジノポルフィラ
ジン化合物を使用し、電荷輸送物質として、特定の正孔
輸送物質或いは特定の電子輸送物質を用いることによ
り、更に高感度な積層型電子写真感光体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のIRスペクトル図。
【図2】製造例1で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図3】製造例2で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図4】製造例3で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図5】製造例4で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図6】製造例5で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図7】製造例6で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図8】製造例7で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図9】製造例8で得られた本発明の新規テトラピラジ
ノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図10】製造例9で得られた本発明の新規テトラピラ
ジノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図11】製造例10で得られた本発明の新規テトラピ
ラジノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
【図12】製造例11で得られた本発明の新規テトラピ
ラジノポルフィラジン化合物のX線回折スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南場 通彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA31 AA32 AA37 BA12 BA14 BA16 FB02 FB07 FC02 4C050 PA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKαのX線回折におけるブラッグ角
    2θ±0.3°が、4.6°および、または7.1°お
    よび、または8.0°および、または24.0°に回折
    ピークを有する下記一般式(1)で表されるテトラピラ
    ジノポルフィラジン化合物。 【化1】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
    ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
    または化合物を表す。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層中に、CuKαのX線回折
    におけるブラッグ角2θ±0.3°が、4.6°およ
    び、または7.1°および、または8.0°および、ま
    たは24.0°に回折ピークを有する下記一般式(1)
    で表されるテトラピラジノポルフィラジン化合物を少な
    くとも1種含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、Mは、水素原子、またはテトラピラジノポルフ
    ィラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子
    または化合物を表す。)
  3. 【請求項3】 前記感光層が、電荷発生物質よりなる電
    荷発生層、及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層の2
    層からなり、該電荷発生層中にCuKαのX線回折にお
    けるブラッグ角2θ±0.3°が、4.6°および、ま
    たは7.1°および、または8.0°および、または2
    4.0°に回折ピークを有する上記一般式(1)で表さ
    れるテトラピラジノポルフィラジン化合物の少なくとも
    1種含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】 前記感光層が、電荷発生物質よりなる電
    荷発生層と、正孔輸送物質よりなる電荷輸送層とを、導
    電性支持体上に順次設けた感光層であることを特徴とす
    る請求項3記載の負帯電型の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記電荷輸送層中の正孔輸送物質が、下
    記一般式(2)で表されるスチルベン系化合物であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。 【化3】 (式中、R1、R2は、置換または無置換のアルキル基、
    置換または無置換のアリール基を表し、R3、R4は、水
    素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無
    置換のアリール基、複素環基を表す。また、R1、R2
    互いに環を形成していても良い。Ar1は置換または無
    置換のアリール基、複素環基を表す。)
  6. 【請求項6】 前記感光層が、電荷発生物質よりなる電
    荷発生層と、電子輸送物質よりなる電荷輸送層とを、導
    電性支持体上に順次設けた感光層であることを特徴とす
    る請求項3記載の正帯電型の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記電荷輸送層中の電子輸送物質が、下
    記一般式(3)で表される(2,3−ジフェニル−1−
    インデニリデン)マロノニトリルであることを特徴とす
    る請求項6記載の電子写真感光体。 【化4】
  8. 【請求項8】 前記感光層が、少なくとも電荷発生物質
    として、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
    0.3°が、4.6°および、または7.1°および、
    または8.0°および、または24.0°に回折ピーク
    を有する新規な結晶型の前記一般式(1)で表される、
    テトラピラジノポルフィラジン化合物を含有する単一層
    であることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101105796B1 (ko) 2009-03-13 2012-01-17 한양대학교 산학협력단 테트라피라지노폴피라진 유도체 및 이의 제조방법
KR101105966B1 (ko) 2009-02-09 2012-01-17 한양대학교 산학협력단 테트라피라지노폴피라진 유도체 및 테트라피라지노폴피라진- 금속 착제
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