JPH1165142A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH1165142A
JPH1165142A JP23956097A JP23956097A JPH1165142A JP H1165142 A JPH1165142 A JP H1165142A JP 23956097 A JP23956097 A JP 23956097A JP 23956097 A JP23956097 A JP 23956097A JP H1165142 A JPH1165142 A JP H1165142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tetrapyrazinoporphyrazine
electrophotographic photoreceptor
layer
charge
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23956097A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Tadokoro
薫 田所
Masayuki Shiyoji
正幸 所司
Michihiko Nanba
通彦 南場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP23956097A priority Critical patent/JPH1165142A/ja
Publication of JPH1165142A publication Critical patent/JPH1165142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高感度の電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、前記感光層中に下記一般式(1)で
示されるテトラピラジノポルフィラジン化合物の一種を
含有させる。 (式中、Mは水素原子、またはテトラピラジノポルフィ
ラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子ま
たは化合物を表し、r、r、r、rは各々独立
に水素原子または、アルキル基、ハロゲン原子等の置換
基を表す。k、l、m、nは1又は2を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、更に詳しくは、光を照射したとき電荷担体を発生
する物質(以下「電荷発生物質」という)として特定の
テトラピラジノポルフィラジン化合物を含有する感光層
を設けた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式において使用される
感光体の光導電性素材として用いられているものにセレ
ン、硫化カドミウム、硫化亜鉛などの無機物質がある。
ここにいう「電子写真方式」とは一般に、光導電性の感
光体をまず暗所で、例えば、コロナ放電によって帯電せ
しめ、次いで像露光し、露光部のみの電荷を選択的に逸
散せしめて静電潜像を得、この潜像部を染料、顔料など
の着色剤と高分子物質とから構成される検電微粒子(ト
ナー)で現像し可視化して画像を形成するようにした画
像形成法の一つである。このような電子写真法において
感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所
で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電
荷の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに
電荷を散逸せしめうることなどがあげられる。
【0003】ところで、前記の無機物質はそれぞれが多
くの長所を持っていることと同時に、様々な欠点を持っ
ているのが実状である。例えば、セレン感光体は製造す
る条件が難しく、製造コストが高かったり、可撓性がな
いためにベルト状に加工することが難しく、熱や機械的
な衝撃に鋭敏なため取り扱いに注意を要するなどの欠点
もある。また、硫化カドミウムや酸化亜鉛は、結合剤と
しての樹脂に分散されて感光体として用いられている
が、平滑性、硬度、引っ張り強度、耐摩擦性などの機械
的な欠点があるためにそのままでは反復して使用するこ
とが出来ない。
【0004】そうしたことから近年、これら無機物質の
欠点を排除するためにいろいろな有機物質を用いた電子
写真感光体が提案され、実用に供されているものもあ
る。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールと2,4,
7−トリニトロフルオレン−9−オンとからなる感光体
(米国特許第3484237号明細書に記載)、ポリ−
N−ビニルカルバゾールをピリリウム塩系色素で増感し
てなる感光体(特公昭48−25658号公報に記
載)、有機顔料を主成分とする感光体(特開昭47−3
7543号公報に記載)、染料と樹脂とからなる共晶錯
体を主成分とする感光体(特開昭47−10735号公
報に記載)などの増感方法から分類されるものである。
とりわけ有機顔料の薄膜を導電性支持体上に形成し(電
荷発生層)、この上に電荷輸送物質を主体とする層(電
荷輸送層)を形成した積層型の感光体が従来の有機系の
感光体に比べ高い感度を示すこと、及びその材料のバリ
エーションの豊富さを有することから活発に研究がなさ
れている。他方、複写業界においては、高画質に加え、
編集機能及び複合処理機能の充実が要請されるようにな
っている。これに伴ってノンインパクトプリンター技術
が展開し、レーザープリンター、レーザーファクシミ
リ、デジタル複写機等に見られるデジタル方式に記録装
置が広く普及しつつある。前記デジタル方式の記録装置
に用いられる光源としては、小型、安価、簡便さ等の点
から、多くは半導体レーザーが用いられているが、現在
用いられている半導体の発振波長は600nm以上の波
長領域に限定されている。従って、これらの装置に用い
られる電子写真感光体としては、少なくとも600〜8
50nmの波長領域に光感度を有することが要求され
る。
【0005】この要求を満たす有機光導電材料として
は、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、シアニン顔料、ア
ズレン顔料、スクアリウム顔料などが知られている。特
に、フタロシアニン顔料は、比較的長波長領域まで分光
吸収を持つと共に光感度を有し、また中心金属や結晶形
の種類によって様々なバリエーションが得られることか
ら、半導体レーザー用の電子写真感光体として盛んに研
究が行われている。これまでに知られているフタロシア
ニン顔料としては、ε型銅フタロシアニン、X型無金属
フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、バナジル
フタロシアニン、チタニルオキシフタロシアニン(特開
平8−231869号、特開平5−66595号、特公
平8−13942号などの公報に記載)等が挙げられる
が、いずれも感度、帯電能、繰り返し耐久性の点でなお
充分ではなく、よりいっそうの改良が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高速
複写機用としてはもちろん、レーザープリンター用とし
ても実用に供し得る電子写真感光体に用いられる有機光
導電体として有用な顔料を提供することにあり、本発明
の他の目的は、該顔料を有効成分として含有する感光層
を有する電子写真感光体を提供することにある。
【0007】本発明によれば、第一に、導電性支持体上
に感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層
中に下記一般式(1)で示されるテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴
とする電子写真感光体が提供される。
【化1】 (式中、Mは水素原子、またはテトラピラジノポルフィ
ラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子ま
たは化合物を表し、r1,r2,r3,r4は各々独立に水
素原子またはアルキル基、ハロゲン原子等の置換基を表
す。k,l,m,nは1又は2を表す。)
【0008】第二に、上記第一の電子写真感光体におい
て、感光層が少なくとも電荷発生物質として一般式
(1)で示されるテトラピラジノポルフィラジン化合物
の少なくとも一種を含有する単一層であることを特徴と
する単層型電子写真用感光体が提供される。
【0009】第三に、上記第一の電子写真感光体におい
て、感光層が電荷発生物質よりなる電荷発生層及び電荷
輸送物質を含有する電荷輸送層の積層からなり、該電荷
発生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴
とする積層型電子写真感光体が提供される。
【0010】第四に、上記第一の電子写真感光体におい
て、感光層が導電性支持体上に設けられる電荷発生物質
を含む電荷発生層と、その電荷発生層上に設けられる正
孔輸送物質を含む電荷輸送層の積層からなり、該電荷発
生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポルフィ
ラジン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴と
する負帯電型電子写真感光体が提供される。
【0011】第五に、上記第一の電子写真感光体におい
て、感光層が、導電性支持体上に設けられる電荷発生物
質よりなる電荷発生層と、その電荷発生層上に設けられ
る電子輸送物質よりなる電荷輸送層の積層からなり、該
電荷発生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポ
ルフィラジン化合物の少なくとも一種を含有することを
特徴とする正帯電型電子写真感光体が提供される。
【0012】第六に、上記第一、第二、第三、第四、第
五の電子写真感光体において、テトラピラジノポルフィ
ラジン化合物がCuKαのX線回折におけるブラッグ角
2θ±0.2°が27.2°に強い回折ピークを有する
新規な結晶型テトラピラジノポルフィラジン化合物であ
ることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0013】第七に、上記第一、第二、第三、第四、第
五の電子写真感光体において、テトラピラジノポルフィ
ラジン化合物が、酸処理を行なうことにより、CuKα
のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が27.
2°にブロードな回折ピークを有する新規な低結晶型の
テトラピラジノポルフィラジン化合物であることを特徴
とする電子写真感光体が提供される。
【0014】第八に、上記第一、第二、第三、第四、第
五の電子写真感光体において、テトラピラジノポルフィ
ラジン化合物が、酸処理後更に、アルコール系溶剤、ケ
トン系溶媒、エーテル系溶剤、アミン系溶媒、水から成
る群より選ばれた溶剤で処理を行うことにより、CuK
αのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が2
7.2°に強い回折ピークを有する新規な結晶型のテト
ラピラジノポルフィラジン化合物であることを特徴とす
る電子写真感光体が提供される。
【0015】第九に、上記第一、第二、第三、第四、第
五の電子写真感光体において、テトラピラジノポルフィ
ラジン化合物が、塩基性溶剤でミリング処理を行うこと
により、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
0.2°が27.2°に強い回折ピークを有する新規な
結晶型のテトラピラジノポルフィラジン化合物であるこ
とを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0016】第十に、上記第一から第九までの電子写真
感光体において、単一感光層又は電荷輸送層中の電荷輸
送物質が、下記一般式(2)で示されるスチルベン系化
合物であることを特徴とする電子写真感光体が提供され
る。
【化2】 (式中、R1、R2は置換または無置換のアルキル基、置
換または無置換のアリール基を表し、R3、R4はH原
子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換
のアリール基、置換または無置換の複素環基を表す。ま
たR1、R2は互いに環を形成していても良い。Arは置
換または無置換のアリール基、置換または無置換の複素
環基を表す。)
【0017】第十一に、上記第一から第九までの電子写
真感光体において、単一感光層又は電荷輸送層中の電荷
輸送物質が下記式(3)で示される(2,3−ジフェニ
ル−1−インデニリデン)マロノニトリルであることを
特徴とする電子写真感光体が提供される。
【化3】
【0018】本発明の電子写真感光体は、電荷発生物質
として一般式(1)で表わされるテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物を用いたことにより、この化合物が高い
電荷発生能を有するため高感度な電子写真感光体として
得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の電子写真感光体においては、前記一般式
(1)で表わされるテトラピラジノポルフィラジン化合
物の少なくとも一種を感光層に含むことを特徴とする
が、このものは、Cu−Ka線に対するX線回折スペク
トルにおいて、少なくともブラック角2θ±0.2°が
27.2°に強い回折ピークを示すものである。一般式
(1)のM、r1〜r4などをより詳しく説明すれば、次
のとおりである。Mとしては、例えばCu、TiO、M
g、Co、Pb、VO、Fe、Zn、Ge、Sn、N
i、Al、Ga、Mo、In等の金属原子、金属酸化
物、金属水酸化物、及び金属ハロゲン化物、または水素
原子を挙げられる。r1、r2、r3、r4は、各々独立
に、水素原子または、メチル基、エチル基、プロピル
基、t−ブチル基等のアルキル基、またはアリル基、ま
たは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等により置換
された置換アルキル基、または塩素原子、臭素原子等の
ハロゲン原子、水酸基等の置換基を表す。k、l、m、
nは1又は2を表す。
【0020】一般式(1)に示すテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物の具体例としては表1に示すものが挙げ
られるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、置換基r1、r2、r3、r4は各々置換位置が2カ
所存在するが、本発明に使用するテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物においては置換位置はどちらであっても
良く、限定されるものではない。
【0021】
【表1−(1)】
【0022】
【表1−(2)】
【0023】本発明に使用される一般式(1)に示され
るテトラピラジノポルフィラジン化合物は、相当するジ
ニトリル化合物と、金属塩化物またはアルコキシ金属と
を、無溶媒か、ジクロロベンゼン、トルクロロベンゼン
等のハロゲン系溶剤、ペンタノール、オクタノール等の
アルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルピロリドン等のアミン系溶剤、ベンゼン、トル
エン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒の存在下で加熱
する事により得ることができる。反応温度は通常室温〜
300℃で行い、特に100℃〜250℃で行うこと
が、反応収率の点から好ましい。
【0024】
【化4】
【0025】また、一般式(1)に示すテトラピラジノ
ポルフィラジン化合物は、ピラジン酸無水物と、金属塩
化物、及び触媒として、尿素、モリブデン酸アンモニウ
ム等のアミンの存在下合成することも可能である。反応
は通常無溶媒か、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン等のハロゲン系溶剤、ペンタノール、オクタノール等
のアルコール系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン等のアミン系溶剤、ベンゼン、ト
ルエン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶媒の存在下で加
熱する事により得ることができる。反応温度は通常室温
〜300℃で行い、特に100℃〜250℃で行うこと
が、反応収率の点から好ましい。
【0026】得られたテトラピラジノポルフィラジン化
合物の処理方法としては、例えば酸処理、溶媒処理、ミ
リング処理等がある。酸処理とは、硫酸中に顔料を溶解
させた後、これを氷水上に滴下して顔料の結晶析出さ
せ、濾過等の手段により結晶を得る事を示す。溶媒処理
とは室温下あるいは加熱下での、溶媒中における顔料の
懸濁撹拌処理を示す。ミリング処理とは、例えばガラス
ビーズ、スチールビーズ、アルミナボール等を用いてサ
ンドミル、ボールミル等のミリング装置を用いて行う処
理を示す。また、溶媒処理に使用する溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、シ
クロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶
媒、n−ブチルエーテル、エチレングリコールn−ブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、キノリン等のアミン系溶剤、水等がある。ミリング
処理に使用する溶剤としては、例えばメタノール、エタ
ノール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン等のケトン系溶媒、n−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン、キノリン等のアミン
系溶剤、水、ピリジン、キノリン等の塩基性溶媒等があ
る。
【0027】本発明で使用されるテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料は、例えば以下に示す様な有機顔料を混
合、分散して使用しても良い。その有機顔料としては、
例えば、シーアイピグメントブルー25(カラーインデ
ックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド
41(CI 21200)、シーアイアシッドレッド5
2(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3
(CI 45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ
顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチ
リルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−13
3445号公報)、トリフェニルアミン骨格を有するア
ゾ顔料(特開昭53−132347号公報に記載)、ジ
ベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−
21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有
するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記
載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54
−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有
するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記
載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔
料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリル
カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−14
967号公報に記載)などのアゾ顔料、例えば、シーア
イピグメントブルー16(CI 74100)、チタニ
ルフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例え
ば、シーアイバットブラウン5(CI 73410)、
シーアイバットダイ(CI 73030)などのインジ
コ系顔料、アルゴスカーレットB(バイエル社製)、イ
ンダンスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペ
リレン顔料などが挙げられる。なお、これらの有機顔料
は単独あるいは2種類以上が併用させても良い。
【0028】本発明の一般式(1)で示される有機顔料
を電荷発生物質とし、電荷輸送物質を組み合わせて分散
型もしくは機能分離型の電子写真用感光体が作成でき
る。層構成としては分散型の場合、導電性基体の上に、
結着剤中に電荷発生物質、電荷輸送物質を分散させた感
光層を設ける。機能分離型の場合は、基体上に電荷発生
物質および結着剤を含む電荷発生層、その上に電荷輸送
物質および結着剤を含む電荷輸送層を形成するものであ
るが、正帯電型をする場合には、電荷発生層、電荷輸送
層を逆に積層しても良い。
【0029】また、接着性、電荷ブロッキング性を向上
させるために、感光層と基体との間に中間層を設けても
良い。さらに、耐摩擦性など、機械的耐久性を向上させ
るために、感光層上に保護層を設けても良い。電荷発生
物質は、適当な溶媒に、必要に応じてバインダー樹脂と
共に溶解もしくは分散せしめ、塗布し乾燥させることに
より設けることができる。電荷発生物質の分散方法とし
ては、例えば、ボールミル、超音波、ホモミキサー等が
挙げられ、また塗布手段としては、ディッピング塗工
法、ブレード塗工法、スブレー塗工法等が挙げられる。
【0030】前記電荷発生物質を分散せしめて電荷発生
層を形成する場合、層中への分散性を良くするために、
その電荷発生物質は2μm以下、好ましくは1μm以下
の平均粒径のものが好ましい。ただし、上記の粒径があ
まりに小さいとかえって凝集しやすく、層の抵抗が上昇
したり、結晶欠陥が増えて感度及び繰り返し特性が低下
したり、或いは微細化する上で限界があるため、平均粒
径の下限を0.01μmとするのが好ましい。
【0031】電荷発生層或いは電荷輸送層の分散液或い
は溶液を調整する際に使用する溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、
モノクロルベンゼン、1,2−ジクロルエタン、1,
1,1−トリクロルエタン、ジクロルメタン、1,1,
2−トリクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラヒ
ドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を
挙げることができる。
【0032】電荷発生層、電荷輸送層および分散型感光
層形成時に用いる結着剤としては、絶縁性が良い結着剤
であれば何れも使用可能であり、特に限定はない。例え
ば、ポリエチレン、ポリビニルブチラ−ル、ポリビニル
ホルマ−ル、ポリスチレン樹脂、フエノキシ樹脂、ポリ
プロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、シリコ
ン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹
脂、重縮合型樹脂、ならびにこれらの樹脂の繰り返し単
位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体
樹脂等の絶縁性樹脂のほか、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらのバイ
ンダーは単独または2種類以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0033】以上のような層構成、物質を用いて感光体
を作製する場合には、膜厚、物質の割合に好ましい範囲
がある。負帯電型(基体/電荷発生層/電荷輸送層の積
層)の場合、電荷発生層において、結着剤に対する電荷
発生物質の割合は20重量%以上、膜厚は0.01〜5
μmが好ましい。電荷輸送層においては、結着剤に対す
る電荷輸送物質の割合は20〜200重量%以上、膜厚
は5〜100μmとするのが好ましい。
【0034】電荷発生層においては、記述のとおり、電
荷発生物質を結着剤に対し20重量%以上含有すること
が好ましいが、さらに、電荷発生層中には電荷輸送物質
を含有することが好ましく、含有させることにより残留
電位の抑制、感度の向上に対し効果を持つ。この場合の
電荷輸送物質は、結着剤に対し20〜200重量%含有
させることが好ましい。また、電荷発生物質と電荷輸送
物質を結着剤樹脂中に分散してなるいわゆる、分散型
(単一感光層の)感光体の場合には、その感光層中に結
着剤樹脂中に対する電荷発生物質としての顔料の割合は
5〜95重量%、膜厚は10〜100μmとするのが好
ましい。またその場合の結着剤樹脂に対する電荷輸送物
質の割合は30〜200重量%が好ましい。
【0035】更に、これら感光層中には、分散型、機能
分離型ともに、特に繰り返し使用時における帯電性の向
上等を目的に、フェノール化合物、ハイドロキノン化合
物、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化
合物、ヒンダードアミンとヒンダードフェノールが、同
−分子中に存在する化合物などを添加することが出来
る。
【0036】本発明における導電性基体としては、アル
ミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、ステンレス等の
金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、ニッ
ケル、銅、チタン、金、酸化錫、酸化インジウムなどを
蒸着したプラスチックフィルム或いは導電性物質を塗布
した紙、プラスチックなどのフィルムまたはドラム等が
挙げられる。
【0037】また、下引き層の材料としては、前記バイ
ンダー樹脂として挙げたものの他に、ポリアミド樹脂、
ポリビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロ−ス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、カ
ゼイン、N−アルコキシメチルナイロン等に樹脂をその
まま、または酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、或いは酸化インジウムなどを分散させ
たもの、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン或い
は酸化ケイ素などの蒸着膜等が挙げられる。
【0038】更にまた、前記保護層に用いられる材料と
しては、前述の樹脂をそのまま使用するか、または酸化
スズや酸化インジウムなどの低抵抗物質を分散させたも
のが適当である。また、有機プラズマ重合膜も使用で
き、その有機プラズマ重合膜は、必要に応じて適宜酸
素、ハロゲン、周期律表の第III族、第V族原子を含ん
でも良い。
【0039】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質がある。正孔輸送物質としては、例えば、ポリ−
N−カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾ
リルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、
イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体等があ
り、なかでも、一般式(2)で表わされるスチルベン化
合物が、電荷輸送能が高いという点で好適に使用され
る。表2に一般式(2)の例示化合物を示すが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0040】
【表2−(1)】
【0041】
【表2−(2)】
【0042】
【表2−(3)】
【0043】
【表2−(4)】
【0044】電荷輸送物質としては、例えば、クロルア
ニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシ
アノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1、2−b]チ
オフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾ
チオフェン−5,5−ジオキサイドなどを挙げることが
でき、電子移動能が高い等の理由により下記式(3)、
(4)、(5)に挙げられる電子輸送部物質を好適に使
用することができる。これらの電荷輸送物質は単独また
は2種類以上混合して用いられる。
【0045】
【化3】
【化4】
【化5】
【0046】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、こ
れにより本発明の実施例の態様が限定されるものでな
い。なお、ここでの部は重量基準である。
【0047】(顔料製造例1)o−ジシアノピラジン5
2g(0.4mol)と第1塩化銅10g(0.1mo
l)、N,N−ジメチルホルムアミド600mlを撹拌
混合し、窒素気流下、徐々に200℃まで昇温し、反応
温度を100〜110℃の間に保ちながら5時間撹拌
し、反応させた。反応終了後、放冷し80℃になったと
ころで熱時濾過し、続いて、α−クロロナフタレンで粉
体が青色になるまで洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗
浄した後、乾燥して43g(収率73%)の粗Cuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を得た。これの元素分析
値を表3に示し、IRスペクトルを図1に示す。
【0048】
【表3】
【0049】(顔料製造例2)製造例1で得られた粗C
uテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを5℃で、9
8%硫酸80g中に少しずつ溶解し、その混合物を約1
時間、5℃以下の温度を保ちながら撹拌する。続いて、
硫酸溶液を高速撹拌した800mlの氷水中にゆっくり
注ぎ、析出した結晶を濾過した。結晶を酸が残留しなく
なるまで蒸留水で洗浄した後、乾燥して3.6gの低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0050】(顔料製造例3)製造例2で得られた低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを50
0ml三角フラスコ中に入れ、MeOH200mlと共
に加熱撹拌下8時間環流する。その後室温まで冷却し、
濾過、乾燥して3.95gの結晶性Cuテトラピラジノ
ポルフィラジン顔料を得た。
【0051】(顔料製造例4)製造例2で得られた低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを50
0ml三角フラスコ中に入れ、シクロヘキサノン200
mlと共に加熱撹拌下8時間環流する。その後室温まで
冷却し、濾過、乾燥して3.95gの結晶性Cuテトラ
ピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0052】(顔料製造例5)製造例2で得られた低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを50
0ml三角フラスコ中に入れ、テトラヒドロフラン20
0mlと共に加熱撹拌下8時間環流する。その後室温ま
で冷却し、濾過、乾燥して3.95gの結晶性Cuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料4gを得た。
【0053】(顔料製造例6)製造例2で得られた低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを50
0ml三角フラスコ中に入れ、メチルエチルケトン20
0ml、水mlと共に加熱撹拌下8時間環流する。その
後室温まで冷却し、濾過、乾燥して3.95gの結晶性
Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを得た。
【0054】(顔料製造例7)製造例2で得られた低結
晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを50
0ml三角フラスコ中に入れ、N,N−ジメチルホルム
アミド200mlと共に加熱撹拌下8時間環流する。そ
の後室温まで冷却し、濾過、乾燥して3.95gの結晶
性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを得た。
【0055】(顔料製造例8)製造例1で得られたCu
テトラピラジノポルフィラジン顔料4g、ピリジン10
gを2mmφのガラスビーズを用いたサンドミルにて、
4時間分散を行った。その後、濾過して得られたCuテ
トラピラジノポルフィラジン顔料4g、メタノール10
gを再び2mmφのガラスビーズ用いたサンドミルに
て、1600rpmで2時間分散を行った。濾過、乾燥
して3.95gの結晶性Cuテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を得た。
【0056】(顔料製造例9)製造例1で得られたCu
テトラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わり
に、製造例2で得られたCuテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を使用すること以外は製造例8と同様にして、
結晶性Cuテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0057】(顔料製造例10)o−ジシアノピラジン
52g(0.4mol)、Ti(OBu)4を34.4
g(0.1mol)とオクタノール550mlを撹拌混
合し、窒素気流下、徐々に170℃まで昇温し、反応温
度を160〜170℃の間に保ちながら5時間撹拌、反
応させた。反応終了後、放冷し130℃になったところ
で熱時濾過し、ついでオクタノールで粉体が青色になる
まで洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥
して41g(収率70%)の粗TiOテトラピラジノポ
ルフィラジン顔料を得た。これの元素分析値を表4に示
し、IRスペクトルを図2に示す。
【0058】
【表4】
【0059】(顔料製造例11)製造例10で得られた
TiOテトラピラジノポルフィラジン顔料4gを、5℃
で98%硫酸80g中に少しずつ溶解し、その混合物を
1時間、5℃以下の温度を保ちながら撹拌する。続い
て、硫酸溶液を高速撹拌した800mlの氷水中にゆっ
くり注ぎ、析出した結晶を濾過する。結晶を酸が残留し
なくなるまで蒸留水で洗浄し、アセトンで精製した後、
乾燥して3.6gの低結晶性TiOテトラピラジノポル
フィラジン顔料を得た。
【0060】(顔料製造例12)製造例11で得られた
低結晶性TiOテトラピラジノポルフィラジン顔料4g
を500ml三角フラスコ中に入れ、MeOH200m
lと共に加熱撹拌下8時間環流する。その後室温まで冷
却し、濾過、乾燥して3.95gの結晶性TiOテトラ
ピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0061】(顔料製造例13)製造例11で得られた
低結晶性TiOテトラピラジノポルフィラジン顔料4g
を500ml三角フラスコ中に入れ、シクロヘキサノン
200mlと共に加熱撹拌下8時間環流する。その後室
温まで冷却し、濾過、乾燥して、3.95gの結晶性T
iOテトラピラジノポルフィラジン顔料を得た。
【0062】以上、得られたテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料についてX線回折スペクトルを、以下に示す条
件で測定した。 X線管球 Cu(波長1.54Å) 電圧 40kV 電流 20mA 走査速度 1deg/min 走査範囲 3〜40deg 時定数 2sec 図3〜図12に、顔料製造例1から10まで得たテトラ
ピラジノポルフィラジン顔料のX線回折スペクトルを示
す。何れにおいても、ブラッグ角(2θ±0.2°)2
7.2degに主要なピークを有することが判る。
【0063】(実施例1)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料1部、ポリビニルブチラ
ール樹脂(BM−S:積水化学工業社製)の2重量%酢
酸ブチル溶液50部、酢酸n−ブチル49部を、2mm
φのガラスビーズを用いたサンドミルにて2時間分散を
行った。これを75μm厚のアルミ蒸着PETベース上
に塗布し、80℃で5分間乾燥して膜厚0.2μmの電
荷発生層を形成した。次に、正孔輸送物質(D−1)4
2部、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ200、:
三菱ガス化学社製)60部、シリコンオイル(KF5
0、信越化学社製)0.001部をジクロロメタン63
8部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を調製した。これを
前記電荷発生層上に塗布し、80℃で5分、110℃で
10分間乾燥して膜厚が20μmの電荷輸送層を形成
し、実施例1の電子写真感光体を得た。
【0064】
【化7】
【0065】(実施例2)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例2で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例2
の電子写真感光体を得た。
【0066】(実施例3)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例3で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例3
の電子写真感光体を得た。
【0067】(実施例4)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例4で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例4
の電子写真感光体を得た。
【0068】(実施例5)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例5で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例5
の電子写真感光体を得た。
【0069】(実施例6)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例6で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例6
の電子写真感光体を得た。
【0070】(実施例7)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例7で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例7
の電子写真感光体を得た。
【0071】(実施例8)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例8で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例8
の電子写真感光体を得た。
【0072】(実施例9)製造例1で得られたCuテト
ラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製
造例9で得られたCuテトラピラジノポルフィラジン顔
料を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例9
の電子写真感光体を得た。
【0073】(実施例10)製造例1で得られたCuテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、
製造例10で得られたTiOテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を使用する
【0074】こと以外は実施例1と同様にして実施例1
0の電子写真感光体を得た。 (実施例11)製造例1で得られたCuテトラピラジノ
ポルフィラジン顔料を使用する代わりに、製造例11で
得られたTiOテトラピラジノポルフィラジン顔料を使
用すること以外は実施例1と同様にして実施例11の電
子写真感光体を得た。
【0075】(実施例12)製造例1で得られたCuテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、
製造例12で得られたTiOテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を使用すること以外は実施例1と同様にして実
施例12の電子写真感光体を得た。
【0076】(実施例13)製造例1で得られたCuテ
トラピラジノポルフィラジン顔料を使用する代わりに、
製造例13で得られたTiOテトラピラジノポルフィラ
ジン顔料を使用すること以外は実施例1と同様にして実
施例13の電子写真感光体を得た。
【0077】(実施例14)実施例1で使用した正孔輸
送物質(D−1)の代わりに、正孔輸送物質(D−2)
を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例14
の電子写真感光体を得た。
【化8】
【0078】(実施例15)実施例1で使用した正孔輸
送物質(D−1)の代わりに、正孔輸送物質(D−3)
を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例15
の電子写真感光体を得た。
【化9】
【0079】(実施例16)実施例1で使用した正孔輸
送物質(D−1)の代わりに、正孔輸送物質(D−4)
を使用すること以外は実施例1と同様にして実施例16
の電子写真感光体を得た。
【化10】
【0080】実施例1〜16で作製した感光体を川口電
機社製の静電特性測定装置EPA−8200を用い、−
6kVでコロナ放電を20秒行って帯電せしめ、続いて
20秒暗減衰させた後の表面電位Vo(V)、20ルッ
クスの光照射後、Voが1/2になるのに必要な露光量
E1/2(lux.sec)を測定した。その結果を表
5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】(実施例17)実施例1と同様にして、ア
ルミ蒸着PETベース上に電荷発生層を形成した。次
に、下記構造式(化11)の電子輸送物質8部、ポリカ
ーボネートZ(帝人化成社製)11部、シリコーンオイ
ル(KF50、信越化学社製)0.02部をテトラヒド
ロフラン91部に溶解し、これを電荷発生層上にドクタ
ーブレードにて流延塗布し、乾燥させて膜厚が20μm
の電荷輸送層を設け、実施例17の電子写真感光体を得
た。
【化3】
【0083】(実施例18)実施例17において用いた
電子輸送物質の代わりに下記構造式(化12)の電子輸
送物質を用いる他は実施例17と同様にして実施例18
の電子写真感光体を得た。
【化12】
【0084】実施例17、18で作製した感光体を上述
の測定装置を用い、+5.3kVでコロナ放電を20秒
行って帯電せしめ、続いて20秒暗減衰させた後の表面
電位Vo(V)、20ルックスの光照射後、Voが1/
2になるのに必要な露光量E1/2(lux.sec)
を測定した。その結果を表6に示す。
【0085】
【表6】
【0086】(実施例19)製造例1で得たCuテトラ
ピラジノポルフィラジン顔料0.5gをポリカーボネー
トZ(帝人化成社製)溶液10g(テトラヒドロフラン
中に10重量%の濃度になるように溶解したもの)、テ
トラヒドロフラン9gとともにボールミリングしたした
後、顔料組成2重量%、PC−Z組成が50重量%、電
荷輸送物質(D−1)が28%となるように10重量%
のポリカーボネートZ溶液を加え、十分に撹拌し、感光
層塗布液を調製した。このようにして調製した塗布液を
アルミニウムを蒸着したポリエステルフィルム上にドク
ターブレードにて流延塗布し、乾燥後の膜厚が15μm
の感光層を有する、実施例19の単層型電子写真用感光
体を得た。
【0087】実施例19で作製した感光体を上述の装置
を用い、−6kVでコロナ放電を20秒行って帯電せし
め、続いて20秒暗減衰させた後の表面電位Vo
(V)、20ルックスの光照射後、Voが、1/2にな
るのに必要な露光量E1/2(lux.sec)を測定
した。その結果を表7に示す。
【表7】
【0088】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、電子写真感光体の電荷
発生物質としてテトラピラジノポルフィラジン化合物を
使用することにより、高感度な電子写真感光体を提供す
ることが可能である。 (2)請求項2の発明によれば、単層型電子写真感光体
の電荷発生物質としてテトラピラジノポルフィラジン化
合物を使用することにより、高感度な電子写真感光体を
提供することが可能である。 (3)請求項3の発明によれば、電荷発生物質としてテ
トラピラジノポルフィラジン化合物を使用し、高感度な
積層型電子写真感光体を提供することが可能である。 (4)請求項4の発明によれば、積層型電子写真感光体
において、電荷発生物質としてテトラピラジノポルフィ
ラジン化合物を使用し、電荷輸送物質として、正孔輸送
物質を用いることにより、高感度な電子写真感光体を提
供することが可能である。 (5)請求項5の発明によれば、積層型電子写真感光体
において、電荷発生物質としてテトラピラジノポルフィ
ラジン化合物を使用し、電荷輸送物質として、電子輸送
物質を用いることにより、高感度な電子写真感光体を提
供することが可能である。 (6)請求項6〜9の発明によれば、電子写真感光体の
電荷発生物質として特定のテトラピラジノポルフィラジ
ン化合物を使用することにより、高感度な電子写真感光
体を提供することが可能である。 (7)請求項10の発明によれば、積層型電子写真感光
体において、電荷発生物質としてテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物を使用し、電荷輸送物質として、特定の
正孔輸送物質を用いることにより、高感度な電子写真感
光体を提供することが可能である。 (8)請求項11の発明によれば、積層型電子写真感光
体において、電荷発生物質としてテトラピラジノポルフ
ィラジン化合物を使用し、電荷輸送物質として、特定の
電子輸送物質を用いることにより、高感度な電子写真感
光体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】顔料製造例1で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のIRスペクトル図。
【図2】顔料製造例10で得られたテトラピラジノポル
フィラジン顔料のIRスペクトル図。
【図3】顔料製造例1で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図4】顔料製造例2で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図5】顔料製造例3で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図6】顔料製造例4で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図7】顔料製造例5で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図8】顔料製造例6で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図9】顔料製造例7で得られたテトラピラジノポルフ
ィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図10】顔料製造例8で得られたテトラピラジノポル
フィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図11】顔料製造例9で得られたテトラピラジノポル
フィラジン顔料のX線回折スペクトル図。
【図12】顔料製造例10で得られたテトラピラジノポ
ルフィラジン顔料のX線回折スペクトル図。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、前記感光層中に下記一般式(1)で
    示されるテトラピラジノポルフィラジン化合物の少なく
    とも一種を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Mは水素原子、またはテトラピラジノポルフィ
    ラジン化合物と共有結合もしくは配位結合し得る原子ま
    たは化合物を表し、r1,r2,r3,r4は各々独立に水
    素原子または、アルキル基、ハロゲン原子等の置換基を
    表す。k,l,m,nは1又は2を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、感光層が少なくとも電荷発生物質として一般式
    (1)で示されるテトラピラジノポルフィラジン化合物
    の少なくとも一種を含有する単一層であることを特徴と
    する単層型電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、感光層が電荷発生物質よりなる電荷発生層及び電荷
    輸送物質を含有する電荷輸送層の積層からなり、該電荷
    発生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポルフ
    ィラジン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴
    とする積層型電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、感光層が導電性支持体上に設けられる電荷発生物質
    を含む電荷発生層と、その電荷発生層上に設けられる正
    孔輸送物質を含む電荷輸送層の積層からなり、該電荷発
    生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポルフィ
    ラジン化合物の少なくとも一種を含有することを特徴と
    する負帯電型電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、感光層が、導電性支持体上に設けられる電荷発生物
    質よりなる電荷発生層と、その電荷発生層上に設けられ
    る電子輸送物質よりなる電荷輸送層の積層からなり、該
    電荷発生層に一般式(1)で示されるテトラピラジノポ
    ルフィラジン化合物の少なくとも一種を含有することを
    特徴とする正帯電型電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、テトラピラジノポルフィラジン化合
    物がCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.
    2°が27.2°に強い回折ピークを有する結晶型テト
    ラピラジノポルフィラジン化合物であることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5いずれかに記載の電子写真
    感光体において、テトラピラジノポルフィラジン化合物
    が、酸処理を行なうことにより、CuKαのX線回折に
    おけるブラッグ角2θ±0.2°が27.2°にブロー
    ドな回折ピークを有する低結晶型のテトラピラジノポル
    フィラジン化合物であることを特徴とする電子写真感光
    体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、テトラピラジノポルフィラジン化合
    物が、酸処理後更に、アルコール系溶剤、ケトン系溶
    媒、エーテル系溶剤、アミン系溶媒、水から成る群より
    選ばれた溶剤で処理を行うことにより、CuKαのX線
    回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が27.2°に
    強い回折ピークを有する結晶型のテトラピラジノポルフ
    ィラジン化合物であることを特徴とする電子写真感光
    体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体において、テトラピラジノポルフィラジン化合
    物が、塩基性溶剤でミリング処理を行うことにより、C
    uKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が
    27.2°に強い回折ピークを有する結晶型のテトラピ
    ラジノポルフィラジン化合物であることを特徴とする電
    子写真感光体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真感光体において、単一感光層又は電荷輸送層中の電
    荷輸送物質が、下記一般式(2)で示されるスチルベン
    系化合物であることを特徴とする電子写真感光体。 【化2】 (式中、R1、R2は置換または無置換のアルキル基、置
    換または無置換のアリール基を表し、R3、R4はH原
    子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換
    のアリール基、置換または無置換の複素環基を表す。ま
    たR1、R2は互いに環を形成していても良い。Arは置
    換または無置換のアリール基、置換または無置換の複素
    環基を表す。)
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の電子
    写真感光体において、単一感光層又は電荷輸送層中の電
    荷輸送物質が下記式(3)で示される(2,3−ジフェ
    ニル−1−インデニリデン)マロノニトリルであること
    を特徴とする電子写真感光体。 【化3】
JP23956097A 1997-08-15 1997-08-15 電子写真感光体 Pending JPH1165142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23956097A JPH1165142A (ja) 1997-08-15 1997-08-15 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23956097A JPH1165142A (ja) 1997-08-15 1997-08-15 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1165142A true JPH1165142A (ja) 1999-03-05

Family

ID=17046625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23956097A Pending JPH1165142A (ja) 1997-08-15 1997-08-15 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1165142A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7695850B2 (en) 2005-08-25 2010-04-13 Panasonic Corporation Electrode for use in oxygen reduction

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7695850B2 (en) 2005-08-25 2010-04-13 Panasonic Corporation Electrode for use in oxygen reduction

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3569422B2 (ja) 結晶型オキソチタニルフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体並びに画像形成方法
JP5522128B2 (ja) フタロシアニン組成物並びにそれを用いた光導電性材料、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
US6524761B2 (en) Mixture of titanyltetraazaporphyrin compounds and electrophotographic photoconductor using the same
JPH11242348A (ja) 電子写真用顔料および該顔料を使用した電子写真用感光体
JP5181410B2 (ja) フタロシアニン組成物並びにそれを用いた光導電性材料、電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP4293694B2 (ja) チタニルテトラアザポルフィリン誘導体混合物及びそれを用いた電子写真感光体
JP3525238B2 (ja) 電子写真感光体
JP4128247B2 (ja) フェノール系化合物及び電子写真感光体
JP2000038390A (ja) テトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用いた電子写真感光体
JP2867045B2 (ja) 電子写真感光体
JPH1165142A (ja) 電子写真感光体
JP2013194068A (ja) チタニルフタロシアニン誘導体混合物及びその製造方法
JP2000155434A (ja) 電子写真感光体
JP2000129155A (ja) 結晶型オキソチタニルフタロシアニン及び電子写真感光体
JP2000122316A (ja) 電子写真感光体
JPH08283599A (ja) チタニルフタロシアニン顔料の製造方法及びかかる方法によって得られるチタニルフタロシアニン顔料を含有する電子写真感光体
JP3462931B2 (ja) フタロシアニン組成物とそれを用いた電子写真感光体
JP2693955B2 (ja) チタンフタロシアニン化合物,その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体
JPH11166129A (ja) テトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用いた電子写真感光体
JPH11166130A (ja) テトラピラジノポルフィラジン化合物及びそれを用いた電子写真感光体
JPH0518424B2 (ja)
JP2000122317A (ja) 電子写真感光体
JPH0829999A (ja) 電子写真感光体
JPH06256680A (ja) バナジルフタロシアニン化合物及びそれを用いた電子写真感光体
JPH0713349A (ja) 電子写真感光体及び製造方法