JPH0830913B2 - 搬送ユニットの取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、転写紙を感光体から定着装置へ搬送する
エンドレスベルトを備えた搬送ユニットを、画像形成装
置本体に取付ける搬送ユニットの取付け構造に関する。

〈従来の技術〉 従来、画像形成装置、例えば複写機において、感光体
から分離した転写紙を定着装置に搬送するために、エン
ドレスベルトを用いた搬送装置が提供されている。

上記の搬送装置においては、エンドレスベルトを駆動
するための駆動用ゴムローラを取付けた駆動軸、及び上
記駆動用ゴムローラと協働してエンドレスベルトを周回
させるための従動用ゴムローラを取付けた従動軸を、複
写機本体の側板に設けた軸支持部に、軸受を介して支持
させていた。

したがって、上記搬送装置については、複写機の組立
の際に、当該搬送装置を構成する駆動軸や従動軸を複写
機本体の側板に組付ける作業が必要であり、複写機の組
立に手間がかかるという問題があった。

また、一般に、上記搬送装置の下方には電源トランス
や電源基板等の電装品が配設されているので、上記電装
品の交換の際に上記搬送装置を取り外す必要があり、複
写機本体内の狭い場所で作業を行うため、機器のメンテ
ナンスに手間がかかるという問題もあった。

そこで、上記問題点を解決するために、上記搬送装置
の主要部分を予めハウジング内に搬送ユニットとして組
立てておき、複写機の組立て時に、当該搬送ユニットの
ハウジングを複写機本体にビス止めするようにしたもの
が提供されている。

〈発明が解決しようとする課題〉 これにより、複写機組立て時や電装品メンテナンス時
の作業工数を多少削減できるが、複写機本体内の狭い場
所でビス止め作業を行う必要があり、やはり手間がかか
るという問題があった。また、ビス止め作業中に、ビス
止め用のドライバによって、感光体を傷付けたりする虞
があった。

そこでこの発明の目的は、複写機等の画像形成装置に
おいて、その組立て時に搬送ユニットの装着作業が容易
に行える搬送ユニットの取付け構造を提供することであ
る。

〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するためのこの発明にかかる搬送ユニ
ットの取付け構造は、以下の構成を備えている。すなわ
ち、 搬送ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に備え
られた駆動軸および従動軸と、両軸間に巻き掛けられた
転写紙搬送用のエンドレスベルトとを有する。

駆動軸および従動軸のうちのいずれか一方は、その軸
両端がハウジングに回転自在に取付けられており、 駆動軸および従動軸のうちのいずれか他方は、その軸
両端がハウジング外に突出するとともに、軸の径方向に
ハウジングに対して遊動可能とされている。

また、ハウジングには、遊動可能とされたいずれか他
方の軸と離れた所定位置に、係合突片が備えられてい
る。

一方、画像形成装置本体には、搬送ユニットのハウジ
ングから突出する駆動軸および従動軸のうちのいずれか
他方の軸の両端が挿入保持される溝部と、 溝部に軸両端が挿入保持された他方軸を中心に、他方
軸と一方軸との両軸間に巻き掛けられたエンドレスベル
トに張力を与えるように、他方軸から一方軸を遠ざける
方向にハウジングを変位させたときに、係合突片と係合
する爪片と、が備えられていることを特徴とするもので
ある。

〈作用〉 上記の構成の搬送ユニットの取付け構造によれば、画
像形成装置に取付ける搬送ユニットには、ハウジングと
駆動軸および従動軸と、両軸間に巻き掛けられたエンド
レスベルトとが備えられている。そして駆動軸および従
動軸のうちのいずれか一方の軸、たとえば従動軸はハウ
ジングに回転自在に取付けられているが、いずれか他方
の軸、たとえば駆動軸はハウジングに対して遊動可能で
ある。

そこでこの遊動可能なたとえば駆動軸を、画像形成装
置本体に設けられた溝部に嵌め込む。そして溝部に嵌め
込まれた軸がハウジングに対して遊動可能である特徴を
活かして、溝部に嵌め込まれたたとえば駆動軸と、ハウ
ジングに取付けられたたとえば従動軸との間が離れる方
向、言い換えればエンドレスベルトに張力を与える方向
にハウジングを変位させ、ハウジングに備えられた係合
突片と画像形成装置本体に備えられた爪片とを係合させ
る。これにより画像形成装置本体に搬送ユニットが取付
けられる。

また、ハウジングと画像形成装置本体との取付けは、
上述のように係合突片と爪片とにより達成されているか
ら、ハウジングを画像形成装置本体から取り外す場合
も、容易に取り外すことができる。

〈実施例〉 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第１図は搬送ユニット（Ａ）を画像形成装置本体とし
ての複写機本体（Ｂ）に取付けた状態を示す側面図であ
り、同図において、搬送ユニット（Ａ）のハウジング
（１）の係合突片（15）と、複写機本体（Ｂ）の側板
（20）の爪片（21）とを係合することにより、後述する
エンドレスベルト（２）の張力によって搬送ユニット
（Ａ）の抜取りが防止された状態で、搬送ユニット
（Ａ）が複写機本体（Ｂ）に取付けられている。

上記の搬送ユニット（Ａ）は、第３図に示すように、
上部ハウジング（11）及び下部ハウジング（12）からな
るハウジング（１）と、複数のエンドレスベルト（２）
と、該エンドレスベルト（２）を巻き掛けるためのロー
ラ（４），（６）をそれぞれ取付けた、駆動軸（３）及
び従動軸（５）とを有している。

上記上部ハウジング（11）は、下向きに開いた略コ字
形断面をしており、その上面（13）にはエンドレスベル
ト（２）を露出させる複数のベルト露出孔（14）が形成
されている。上記の係合突片（15）は、上面（13）の両
端部に一対ずつ水平に延設されている。（18）は上部ハ
ウジング（11）の上面（13）に形成した一対の挿通孔で
ある。

下部ハウジング（12）は、上部ハウジング（11）を組
合わせ可能な、上方の開放した容器状をしており、その
底部（16）に立設した支持用リブ（17）によって軸受
（９）を介して従動軸（５）の両端部を支持している。
また、下部ハウジング（12）の側壁（19）が駆動軸
（３）の周囲において欠除されており、これにより、駆
動軸（３）がエンドレスベルト（２）を巻き掛けられた
状態で遊動できるようになっている。該駆動軸（３）の
両端部は、ハウジング（１）の外方へ突出している。
（30）は、上部ハウジング（11）と下部ハウジング（1
2）の組合わせ状態で、一対の挿通孔（18）から突出す
る一対の指引っ掛け用の突起である。

なお、上部ハウジング（11）と下部ハウジング（12）
との組付けは、上部ハウジング（11）によって下部ハウ
ジング（12）を弾性的に挾持することにより行っても良
く、また、ビス止めやリベット止めにより行っても良
い。

上記複写機本体（Ｂ）の側板（20）は、複写機本体
（Ｂ）の底面から一対立設されている。上記の爪片（2
1）は、上記各側板（20）の上部に一対ずつ垂直に延設
されている。該爪片（21）は、第２図においてその右方
に突設部（22）を形成しており、該突設部（22）と側板
（20）の上端面（20a）との間に、上記係合突片（15）
を保持可能な空所が設けられている。また、上記突設部
（22）の上端面（22a）は、上記右方に向かって傾斜し
ており、係合突片（15）が上記傾斜した上端面（22a）
に沿った状態で爪片（21）に容易に係合できるようにな
っている。なお、（25）は加工時の肉ぬすみである。

上記一対の側板（20）のうちの一方には、駆動軸
（３）の一端部（31）を軸受（７）を介して固定する挿
通孔（23）が設けられており、他方には、駆動軸（３）
の他端部（32）を軸受（７）を介して固定する、第１図
において左方に向かって傾斜した溝部（24）が設けられ
ている。この溝部（24）は、軸受（７）の移動を防止で
きるように、入口部分の幅が狭くなっている（第３図参
照）。

この実施例によれば、まず、駆動軸（３）の一端部
（31）を、側板（20）の挿通孔（23）に嵌挿した軸受
（７）に挿通して固定した後、駆動軸（３）の他端部
（32）を溝部（24）内に挿入する。この状態で上記他端
部（32）に軸受（７）を嵌挿しつつ軸受（７）を溝部
（24）内に挿入して、上記他端部（32）を固定する。上
記駆動軸（３）の一端部（31）には、駆動装置（図示せ
ず）との駆動伝達を行うためのギア類（８）を取付け
る。そして、第４図に示すように、搬送ユニット（Ａ）
の駆動軸（３）を中心として従動軸（５）側を下方に回
動させて上部ハウジング（11）の係合突片（15）を側板
（20）の爪片（21）に係合させることにより、容易に搬
送ユニット（Ａ）を複写機本体（Ｂ）に取付けることが
できる。このとき、上部ハウジング（11）を下方へ押し
下げるだけで、係合突起（15）が傾斜した上端面（22
a）に沿って移動し、エンドレスベルト（２）を一旦伸
長させることができるので、上記係合をワンタッチで容
易に行うことができる。そして、この係合状態で、エン
ドレスベルト（２）に張力が掛けられている。したがっ
て、このエンドレスベルト（２）の張力によって、上記
の係合が確実に保持され、ハウジング（１）の抜取りを
防止することができる。

また、搬送ユニット（Ａ）を複写機本体（Ｂ）から取
り外す際には、突起（30）に指を引っ掛けてハウジング
（１）を駆動軸（３）から離反する方向に引張り、エン
ドレスベルト（２）を一旦伸長させて、上記の係合を解
除することにより、容易に取外しを行うことができる。

さらに、搬送ユニット（Ａ）をビス止めする場合のよ
うに、ビス止め用のドライバによって、感光体を傷付け
たりすることがない。

なお、この発明の搬送ユニットの取付け構造は、上記
実施例に限定されるものでなく、例えば、下部ハウジン
グ（12）と複写機本体（Ｂ）の底面とを係合させるこ
と、挿通孔（23）に代えて溝部（24）と同じ溝を用いる
こと、駆動軸（３）をハウジング（１）に固定し、従動
軸（５）をその径方向に遊動可能として該従動軸（５）
を側板（20）に固定すること等、この発明の要旨を変更
しない範囲で種々の設計変更を施すことができる。

〈発明の効果〉 以上のように、この発明にかかる搬送ユニットの取付
け構造によれば、画像形成装置本体に対して容易に搬送
ユニットを取付けることができる。また、搬送ユニット
の取付けが容易ということは、保守等の必要上、搬送ユ
ニットを画像形成装置から外す際において、搬送ユニッ
トの取り外しが容易に行える。

特に、この発明にかかる取付け構造では、ハウジング
に対して遊動可能に備えられたたとえば駆動軸を画像形
成装置本体の溝に嵌合させ、ハウジングに回転可能に取
付けられたたとえば従動軸を駆動軸から遠ざける方向に
ハウジングを変位させることにより、ハウジングを画像
形成装置本体に固定できる。具体的には、画像形成装置
本体に備えられた爪片にハウジングに備えられた係合突
片を係合させて、画像形成装置本体にハウジングを固定
することができる。

それゆえ従来のようにビス等を用いないので、搬送ユ
ニットの装着時に、ビス等を締付けるためにドライバを
用い、ドライバで感光体を傷付けたりする心配がない。

また、ハウジングは画像形成装置に取付けられた際、
駆動軸と従動軸に巻き掛けられたエンドレスベルトに張
力が与えられるので、当該エンドレスベルトの張力によ
って、ハウジングが画像形成装置本体から抜け落ちたり
するのを防止することができるという特有の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は搬送ユニットの取付け状態を示す側面図、 第２図は係合突片と爪片との係合状態を示す拡大詳細
図、 第３図は搬送ユニットの分解斜視図、 第４図は搬送ユニットの取付け過程を示す一部欠截概略
斜視図である。 （１）…ハウジング、（２）…エンドレスベルト、
（３）…駆動軸、（５）…従動軸、（Ａ）…搬送ユニッ
ト、（Ｂ）…複写機本体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】転写紙を搬送するための搬送ユニットを画
   像形成装置本体に取付ける取付け構造において、 搬送ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に備えら
   れた駆動軸および従動軸と、両軸間に巻き掛けられた転
   写紙搬送用のエンドレスベルトとを有し、 駆動軸および従動軸のうちのいずれか一方は、その軸両
   端がハウジングに回転自在に取付けられており、 駆動軸および従動軸のうちのいずれか他方は、その軸両
   端がハウジング外に突出するとともに、軸の径方向にハ
   ウジングに対して遊動可能とされており、 ハウジングには、遊動可能とされたいずれか他方の軸と
   離れた位置に、係合突片が備えられており、 画像形成装置本体には、 搬送ユニットのハウジングから突出する他方軸両端が挿
   入保持される溝部と、 溝部に挿入保持された他方軸を中心に、他方軸と一方軸
   との両軸間に巻き掛けられたエンドレスベルトに張力を
   与えるように他方軸から一方軸を遠ざける方向にハウジ
   ングを変位させたときに、係合突片と係合する爪片と、
   が備えられていることを特徴とする搬送ユニットの取付
   け構造。