JP2853561B2 - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JP2853561B2
JP2853561B2 JP7348394A JP7348394A JP2853561B2 JP 2853561 B2 JP2853561 B2 JP 2853561B2 JP 7348394 A JP7348394 A JP 7348394A JP 7348394 A JP7348394 A JP 7348394A JP 2853561 B2 JP2853561 B2 JP 2853561B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリンタ等の画
像形成装置に給紙カセットを着脱自在に装着して給紙を
行う給紙装置に関し、詳しくは給紙カセットを装置本体
に対して容易に着脱することが可能であり、しかも給紙
時に給紙カセットががたつくことのない給紙装置を提供
することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタ等の画像形成装置に
備えられる給紙装置として、装置本体に対して給紙カセ
ットを着脱自在に装着し、この給紙カセットに備えられ
る給紙ローラーを装置本体に設けられた駆動機構によっ
て駆動することにより、装置本体側に給紙を行うものが
知られている。そして、特に給紙カセットの着脱を容易
に行うことのできるものとして、装置本体に所定の間隔
を隔てて設けられた2つの係止面の間に給紙カセットを
挿入して挟み、これによって給紙カセットを装置本体に
装着保持するものが用いられている。
【0003】図14,15に、本発明との比較のために
創作した給紙装置を備えたプリンタP1を示す。プリン
タP1は、プリンタ本体P11と、プリンタ本体P11
と別体に設けられた給紙カセットP13とからなる。給
紙カセットP13は、図15(給紙カセットP13の要
部側断面図である)に示すように、その内部に回動自在
に架設された回転軸P15と、この回転軸P15と一体
的に回転する断面略D字状の給紙ローラーP17とを備
えている。また、図14に示すように、給紙カセットP
13の外側には、回転軸P15の一端に固定された歯車
P19と、この歯車P19に噛み合わされる歯車P21
とが設けられている。
【0004】一方、プリンタ本体P11側には、用紙の
搬送方向において所定の間隔を隔てて2つの係止面P2
3,P25が設けられている。この内、係止面P23
は、プリンタ本体P11の傾斜面P27の上に突設され
た四角柱状の突起P29の一側面を成すものである。
【0005】よって、給紙カセットP13をプリンタ本
体P11に装着する場合は、図14(A)に示すよう
に、給紙カセットP13をプリンタ本体P11の外側か
ら内側に(矢印D方向に)挿入し、図14(B)に示す
ように、給紙カセットP13の背面P13aをプリンタ
本体P11の一方の係止面P25に当接させるととも
に、プリンタ本体P11側の突起P29を給紙カセット
P13の装着溝P33の中に嵌入させ、装着溝P33の
内側の面P35を係止面P23に当接させる。すると、
給紙カセットP13の自重によって、給紙カセットP1
3の背面P13aが係止面P25に押し付けられるとと
もに、同じく給紙カセットP13の面P35が係止面P
23に押し付けられるので、給紙カセットP13は両係
止面P23の間に挟まれて安定的に装着される。尚、こ
の際、給紙カセットP13の面P41,P43がプリン
タ本体P11の傾斜面P27に当接するので、給紙カセ
ットP13の内側方向(矢印D方向)への挿入が停止さ
れる。
【0006】そして、プリンタ本体P11側には、給紙
カセットP13の歯車P21を回転駆動するための駆動
歯車P31が設けられており、図14(B)のように給
紙カセットP13を装着すると、この駆動歯車P31と
給紙カセットP13の歯車P21が噛み合わされる。よ
って、給紙を行う場合は、プリンタ本体P11に備えら
れた駆動モータ(図示略)によって駆動歯車P31を図
中反時計回り方向に回転駆動させ、歯車P21を介し
て、回転軸P15に連結された歯車P19を図中反時計
回りに回転させる。これにより、図15に示すように、
給紙ローラーP17が矢印A方向に回転し、給紙カセッ
トP13内に積層された用紙P45の内の最上位置の用
紙のみが給紙ローラー4の接触面P17aと接触し、用
紙P45はホルダP47に取り付けられた分離パッドP
49と給紙ローラーP17の間に押圧挾持されて、プリ
ンタ本体P11に向けて矢印B方向に搬送される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の給紙装置においては、図14(B)に示すように、
給紙動作の際に駆動歯車P31を回転させると、この駆
動歯車P31と給紙カセットP13の歯車P21の噛み
合わせ部分Bにおいて、駆動歯車P31より矢印Fで示
す方向(駆動歯車P31の圧力角方向)に押圧力が加わ
り、給紙カセットP13が矢印F方向に押されてしま
う。この矢印Fの力を受ける側の係止面P25が矢印F
と鋭角をなすので、給紙カセットP13が係止面P25
に沿って外側方向(矢印E方向)に押し出されて、給紙
を行う度に給紙カセットP13ががたついて動いてしま
うという問題があった。そして、これが原因で用紙先端
の送り出し位置がずれたり、給紙される用紙が斜行する
等、各種の給紙性能が悪化してしまうという不都合が生
じていた。また、最悪では噛み合わされている歯車P2
1,P31が歯飛びしてしまい、給紙ができなくなる場
合もあった。
【0008】尚、上述の様な給紙カセットのがたつきを
防ぐために、例えば前後2個のピンあるいは軸をプリン
タ本体P11に設け、給紙カセットP13を一方のピン
に引掛けてそのピンの回りに回転させながらフックレバ
ーを他方のピンに引掛ける等して、プリンタ本体P11
と給紙カセットP13とを確実に固定することも考えら
れる。しかしながら、この様な方法を取ったとしても、
給紙カセットP13のがたつきを完全に抑えることは難
しく、しかも給紙カセットP13の着脱作業が困難ある
いは複雑なものとなってしまうので好ましくない。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れ、給紙カセットを装置本体に対して容易に着脱するこ
とが可能であり、しかも給紙時に給紙カセットががたつ
くことのない給紙装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1の発明は、装置本体に着脱自在に装着される
給紙カセットを備え、該給紙カセットは給紙ローラーと
該給紙ローラーに連動して回転する歯車とを有し、上記
装置本体に用紙の搬送方向において所定の間隔を隔てて
設けられた2つの係止部の間に上記給紙カセットを上記
装置本体の外側から内側に挿入して挟むことにより上記
装置本体に装着保持し、この装着状態において給紙カセ
ット側の上記歯車と装置本体側に備えられた駆動用の歯
車とを噛み合わせ、該装置本体側の歯車を回転駆動させ
ることにより給紙カセット側の給紙ローラーを回転させ
て給紙を行う給紙装置において、上記係止部のうちの一
方の係止部と上記給紙カセットとを、上記装置本体側の
歯車より上記給紙カセット側の歯車に加わる押圧力によ
って当接させるとともに、その係止部と給紙カセットの
当接部より上記内側へ延長したその当接部の接線と、上
記歯車の押圧方向とがなす上記内側に向いた角度がほぼ
90゜以上となるように上記係止部を形成したことを特
徴とする。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
給紙装置において、上記装置本体は、上記2つの係止部
間を上記外側方向へ開放し、上記給紙カセットの上記内
側方向への挿入を停止するスットパ面を有することを特
徴とする。更に、請求項3の発明は、請求項2記載の給
紙装置において、上記装置本体は、上記搬送方向と平行
な一対の側壁を有するとともに、その側壁に上記2つの
係止部の一方をそれぞれ形成したことを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1記載の給紙装
置において、上記歯車の押圧力によって当接する上記係
止部と上記給紙カセットの一方は、上記給紙カセットの
挿入方向に延びるガイド面を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3記載の給紙装置において、
上記給紙カセットは、上記搬送方向に下り傾斜する形状
に構成され、上記装置本体の2つの係止部のうち、上記
搬送方向上流側に位置する係止部は、上記給紙カセット
の背面を受けるよう上記搬送方向に下り傾斜する面を有
し、また上記搬送方向下流側に位置する係止部は、上記
側壁に上記搬送方向に上り傾斜状に形成された上記スト
ッパ面からほぼ直角に立ち上がって形成されていること
を特徴とする。
【0013】
【作用】上記構成を有する請求項1の給紙装置において
は、給紙ローラーとこの給紙ローラーに連動して回転す
る歯車とを有する給紙カセットを、装置本体に所定の間
隔を隔てて設けられた2つの係止部の間に装置本体の外
側から内側に挿入して挟むことにより、給紙カセットを
装置本体に対して容易に装着保持することができる。そ
して、この装着状態において給紙カセット側の歯車と噛
み合わされた装置本体側の歯車を回転駆動させることに
より、給紙カセット側の給紙ローラーを回転させて給紙
を行う。尚、給紙カセットを装置本体より取り外す場合
は、給紙カセットを2つの係止面の間より外側に引き抜
くように操作する。
【0014】そして、給紙の際に装置本体側の歯車を回
転駆動させると、装置本体側の歯車より給紙カセット側
の歯車に対して押圧力が加わるが、本発明においては、
この押圧力を受ける側の係止部と給紙カセットの当接部
から装置本体の内側に延長した当接部の接線と上記歯車
の押圧力の方向とが成す内側(即ち装置本体の内側)に
向いた角度がほぼ90゜以上となるように、係止部が形
成されている。よって、装置本体側の歯車より加わる押
圧力が、上述の当接部またはこれから内側に延長した接
線に向いているので、給紙カセットが歯車の押圧力によ
って係止部に確実に押し付けられる。そして、上記内側
に向いた角度がほぼ90゜以上となるように係止部が形
成されているので、装置本体側の歯車の押圧力は、カセ
ットを装置本体の外側方向に押し出してがたつかせる様
な方向に働かない。
【0015】また、上記請求項2の給紙装置において
は、給紙カセットを装着する場合、装置本体の外側に開
放された2つの係止部の間に給紙カセットを挿入する。
すると、装置本体のストッパ面によって給紙カセットの
内側方向への挿入が停止され、給紙カセットが装着状態
に保持される。これにより、給紙カセットを装置本体に
対して容易に装着保持することができる。
【0016】更に、上記請求項3の給紙装置において
は、2つの係止部の一方を装置本体の一対の側壁に形成
することにより、その一方の係止部を用紙搬送に支障を
きたさない位置でしかも他方の係止面と充分な間隔を持
って配置することができ、給紙カセットを十分な間隔の
ある両係止部間に容易に挿入でき、かつ安定して装着保
持することが可能となる。
【0017】上記請求項4記載の給紙装置においては、
給紙カセットを装着する場合、係止部と給紙カセットを
当接し、ガイド面に沿って滑らせることにより、給紙カ
セットと係止部を上記請求項1記載の位置に容易に配置
することができる。上記請求項5の給紙装置において
は、給紙カセットを装着する場合、作業者が装置本体の
用紙搬送方向下流に立って、給紙カセットを両手に持っ
て、上流から下流側へ下り傾斜状に挿入すればよいの
で、給紙カセットを傾けることなく安定して容易に装着
することができる。また、2つの係止部およびストッパ
面を装置本体と合成樹脂などにより一体に形成するのに
有利な形状であり、安価に製作することが可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、実施例の給紙装置を備えるプリンタ1
の概略側断面図であり、図2はプリンタ本体2の外観を
示す斜視図であり、図3は給紙カセット3をプリンタ本
体2より取り外した状態にて示す側面図であり、図4は
給紙カセット3をプリンタ本体2に装着した状態にて示
す側面図である。図1において右側、図2において左側
がプリンタ1の前面である。
【0019】まず、プリンタ1の全体構成について説明
する。本実施例のプリンタ1は、図1〜4より明かなよ
うに、プリンタ本体2と、このプリンタ本体2と別体に
設けられた給紙カセット3とを備えており、プリンタ本
体2の後部上側に給紙カセット3を着脱自在に装着して
給紙を行うものである。給紙を行う場合は、給紙カセッ
ト3内の給紙ローラー4を回転させて、給紙カセット3
内に積層された用紙32を図1に示す搬送ローラー対6
に搬送し、この搬送ローラー対6によって、用紙32を
感光体ドラム7と転写ローラー8等とからなる感光体ユ
ニット9に搬送する。感光体ユニット9に隣接して前記
給紙カセット3側に近い位置には、トナーカートリッジ
26からトナーが供給される現像装置10が配置され、
反対側には、加熱ローラー11と押圧ローラー12とか
らなる定着ユニット13が配置されている。また、感光
体ユニット9の下方には、レーザー発光部14、レンズ
15、反射鏡16などからなるスキャナユニット17、
制御基板18、19および電源ユニット20等が配置さ
れており、カバー体21には複数の操作ボタン22が設
けられている。
【0020】尚、用紙32に印刷を行う動作は、周知の
レーザープリンタと同様である。即ち、まず帯電器23
にて予め帯電させた感光体ドラム7の表面に、図示しな
いコンピュータ等の外部機器から伝送された画像データ
に応じて、スキャナユニット17よりレーザー光を照射
して静電潜像を形成する。次いで、現像装置10にて供
給し磁化された粉体状のトナーにより前記潜像を可視像
化する。そして、感光体ドラム7と転写ローラー8との
間に供給された用紙32に前記トナー像を転写し、次
に、定着ユニット13にて用紙32にトナー像を定着さ
せ、この用紙32を排紙ローラー対24から排紙トレイ
25に排出する。
【0021】次に、プリンタ本体2の構成を詳細に説明
する。プリンタ本体2は、図2に示すように、上述の感
光体ユニット9や現像装置10等の内部機構を収納する
箱状の本体フレーム2aを有し、この本体フレーム2a
の外側を、開閉可能な上部カバー2pを有する本体ケー
ス2bにて覆ったものである。尚、図2において、本体
フレーム2a内に備えられている内部機構については、
図示を省略してある。
【0022】本体フレーム2aは、搬送ローラー対6と
感光体ユニット9と定着ユニット13を通る用紙搬送路
の両側において平行に延びる左右一対の側壁2c,2c
を有する。本体フレーム2aの左右一対の側壁2c,2
cの上端には、プリンタ本体2の用紙搬送方向に向けて
上りに傾斜する傾斜面2e,2eが形成されており、こ
の傾斜面2e,2eの上には、その面から直角に後部側
へ向けて上り傾斜しながらほぼ上下方向に延びる平面状
の係止面2h,2hが形成されている。即ち、両傾斜面
2e,2eの上には、給紙カセット3を装着するための
係止部即ち突起2g,2gが左右対称に突設されてお
り、この突起2gは、図5に示すように略四角柱状に形
成されている。そして、この突起2gの後部側の一側面
が係止面2hとされている。また、この係止面2hに直
交する傾斜面2eが、給紙カセット3の内側方向への挿
入を停止するスットパ面としての役割を果たす。
【0023】また、図2に示すように、本体フレーム2
aの後部側の壁部2jの上端には、同じく給紙カセット
3を装着するための係止部即ち左右一対の支持部2k,
2kが突設されている。この支持部2k,2kの前部側
には、用紙搬送方向に向けて下り傾斜し、給紙カセット
3の背面に当接する傾斜平面状の係止面2m,2mが形
成されている。図3より明かなように、係止面2mと上
述の突起2gの係止面2hは、用紙の搬送方向において
所定の間隔を隔てて平行に設けられており、係止面2h
と2mの間は、後部側に向けて上り傾斜し、上端におい
てプリンタ本体2の外側方向へ開放されている。そし
て、図2に示すように、本体ケース2bの後部上側に設
けられた開閉可能な上部カバー2pには、給紙カセット
3を挿通可能な開口部2rが形成されており、この上部
カバー2pを矢印C方向に本体ケース2lに対して閉
め、開口部2rより給紙カセット3をプリンタ本体2に
外側から内側に挿入することができる。尚、突起2g、
傾斜面2eおよび支持部2kは、本体フレーム2aの上
端に位置するから、本体フレーム2aをこれらと一体に
合成樹脂材で成形できる。
【0024】そして、図3に示すように、プリンタ本体
2の本体フレーム2aの一方の側壁2cの側面には、後
述する給紙カセット3の給紙ローラー4を駆動するため
の駆動歯車67が設けられている。この駆動歯車67
は、突起2gの後部側でかつ支持部2kの前部側に位置
し、プリンタ本体2の本体フレーム2a内に設けられた
駆動モータ68および複数の歯車を噛み合わせてなる伝
導ギア機構(図示略)によって、用紙搬送方向と平行な
垂直面内即ち側壁2cと平行な面内において回転駆動さ
れるものである。給紙を行う場合は、駆動モータ68の
駆動力を伝導ギア機構によって駆動歯車67に伝達し、
駆動歯車67を図3において時計回り方向に回転駆動さ
せることができる。
【0025】次に、上述のプリンタ本体2に装着される
給紙カセット3の構成について詳細に説明する。ここ
で、図6は給紙カセット3の平面図(図3におけるX矢
視図)であり、図7は給紙カセット3の要部側断面図
(図6におけるB−B断面図)である。
【0026】給紙カセット3は、図3、図6および図7
に示すように、その内部に給紙ローラー4を有するもの
であり、背面壁3aと、左右一対の側壁3b,3bと、
給紙ローラー4の上方を覆う湾曲した上壁3cと、開閉
自在な略平板状の上蓋3dとを備え、用紙搬送方向に下
り傾斜する形状に構成されている。尚、図6の平面図に
おいては、上壁3cと上蓋3dを取り外した状態で図示
している。図7に示すように、給紙カセット3内には、
ばね30により上向き付勢された用紙載置板31が給紙
ローラー4の下面側に接近するように配置されており、
用紙載置板31の上に用紙32が多数枚積層されてい
る。また、上蓋3dの下側には用紙出口3mが開口して
おり、給紙ローラー4によって矢印B方向に搬送される
用紙32は、この用紙出口3mを通ってプリンタ本体2
へ送られる。
【0027】給紙ローラー4は、給紙カセット3内に架
設された回転軸33に取り付けられている。回転軸33
は、図6に示すように、その両端部33a,33bが給
紙カセット3の両側壁3b,3bの取付部3f,3fに
挿通されて回動自在に取り付けられており、給紙ローラ
ー4は、回転軸33と一体的に回転する筒体34の左右
両側端部に形成されている。この給紙ローラー4は、ゴ
ム等の摩擦係数の大きい部材よりなり、図7に示すよう
に、用紙32に接触可能な円周面状の接触面4aと、用
紙32と接触しない被接触面4bとからなる側断面略D
字状に形成されている。また、回転軸33の両給紙ロー
ラー4,4の側方に、給紙カラー38,38を遊嵌させ
ている。この給紙カラー38,38は、給紙ローラー4
よりも摩擦係数の著しく小さい滑り易い部材よりなり、
ホルダ5に設けられた分離パッド5a(ゴム等の摩擦係
数の大きい部材よりなるパッド)に常に当接しており、
給紙ローラー4,4の側縁における用紙32の屈曲を防
止するためのものである。
【0028】そして、上記回転軸33の一方の端部33
bは側壁3bの外側に突出し、その先端には回転軸33
と一体に回転する歯車81が同軸上に固定されている。
また、図3に示すように、側壁3bの外側には、歯車8
1に噛み合わされる歯車85と、この歯車85に噛み合
わされる歯車87が設けられている。歯車85,87
は、各々側壁3bの外側に突設された軸89,91を介
して回転可能に取り付けられており、各歯車81,8
5,87は、用紙搬送方向と平行な垂直面内において回
転することができる。歯車87は、図4に示すように給
紙カセット3を装着した場合に、上述のプリンタ本体2
側の駆動歯車67に噛み合わされる位置に設けられてい
る。
【0029】更に、図6に示すように、給紙カセット3
の両側壁3b,3bの先端側(用紙出口3m側の端部)
には、上述のプリンタ本体2の突起2g,2gに係止す
る係止部103,103が左右対称に突設されている。
図8の斜視図に拡大して示すように、この係止部103
には、突起2gが嵌入される断面コの字状の溝101が
下側に開放して形成されており、給紙カセット3をプリ
ンタ本体2側に装着した場合、図9の側面図に拡大して
示すように、溝101の内面のうち、歯車81,85,
87側の面107が突起2gの係止面2hに当接し、溝
101の外側の面109,111が本体フレーム2aの
傾斜面2eに当接するように構成されている。
【0030】よって、上記構成を有する給紙カセット3
をプリンタ本体2に装着する場合は、図3に示すよう
に、給紙カセット3を、プリンタ本体2の上部カバー2
pの開口部2rよりプリンタ本体2の内側(矢印D方
向)に挿入し、図4に示すように給紙カセット3の背面
3hを支持部2kの係止面2mに当接させるとともに、
係止部103の溝101に突起2gに嵌入させて、給紙
カセット3を一方の係止面2hと他方の係止面2mの間
に挿入して挟む。すると、給紙カセット3は搬送方向に
下りに傾斜した形状であり、その重心Gはおよそ傾斜し
た背面壁3aの上方の位置にあるので、給紙カセット3
は、その自重によって図において半時計方向即ち給紙カ
セットの前端下部が上方へ移動するように傾こうとす
る。よって、給紙カセット3の背面3hが係止面2mに
押し付けられるとともに、給紙カセット3の溝101内
の面107が係止面2hに押し付けられるので、給紙カ
セット3は両係止面2h,2mの間に確実に挟まれる。
また、給紙カセット3は、その自重によってプリンタ本
体の内側(矢印D方向)に進もうとするが、係止部10
3の面109,111が本体フレーム2aの傾斜面2e
に押し付けられるので、給紙カセット3の内側方向(矢
印D方向)への挿入が停止される。このようにして、給
紙カセットは、プリンタ本体2に対して安定的に装着さ
れる。一方、給紙カセット3をプリンタ本体2より取り
外す場合は、給紙カセット3をプリンタ本体2の外側
(即ち矢印D´方向)に引き抜くだけで容易に取り外す
ことができる。
【0031】即ち、本実施例においては、プリンタ本体
2の前面に作業者が立って、給紙カセットの両側を両手
で持って、前後の係止面2hと2mおよび給紙カセット
3の背面3hと溝の内面107をガイド面として滑らせ
ながら、後方側から前方側へ向けて斜めに下ろすように
挿入して給紙カセット3を装着することができる。ま
た、その逆に斜めに後方側へ抜くことにより、取り外す
ことができる。その際に、給紙カセットが左右方向に傾
いたりすることが少なく、安定した動作が可能である。
【0032】そして、図4に示すように給紙カセット3
を装着し、給紙時に駆動歯車67を時計回り方向に回転
駆動させた場合、両歯車67,87の噛み合わせ部Bに
おいて、駆動歯車67より給紙カセット3側の歯車87
に対して矢印Fで示す方向(即ち歯車67の圧力角θの
方向)に押圧力が加わる。ここで、特に本実施例におい
ては、図9に示すように、この押圧力の方向(矢印F方
向)が係止面2hと傾斜面2eとの間の角部121に向
けられている。更に、給紙カセット3の面107と係止
面2hとの当接部の接線面をこの押圧力の方向と係止面
2hをプリンタ本体2の内側(矢印D方向)に向けて延
長した仮想面M(2点鎖線で示す)と押圧力の方向Fと
がなす内側に向いた角度αが約110゜(即ち90゜以
上)となるように、係止面2hが形成されている。つま
り、噛み合わせ部Bより押圧方向に延ばした仮想線Lと
仮想面Mとが成す内側に向いた角度αが約110゜とさ
れている。ここで、内側に向いた角度αとは、図10の
斜視図に概略的に示すように、上記仮想線Lと、点P
(仮想線Lが係止面2hまたは仮想面Mと交わる点)よ
り仮想面Mの面上に沿って内側方向(矢印D方向)に延
ばした仮想線L2とがなす角度αである。尚、圧力角θ
は、図9に示すように、噛み合わせ部Bを通って中心線
L1(両歯車67,87の回転中心C1,C2を通る線
L1)に直交する線L2と、上記押圧力の方向とが成す
角度θであり、本実施例においてはθが約20゜程度と
されている。
【0033】ここで、上記構成を有するプリンタ1にお
ける給紙動作について説明する。給紙を行う場合は、プ
リンタ本体2内の駆動モータ68を作動させて、駆動歯
車67を図4において時計回り方向に回転駆動させる。
これにより、給紙カセット3側の歯車87が図中反時計
回り方向に回転するので、歯車85が時計回り方向に回
転し、歯車81および回転軸33が反時計回りに方向に
回転する。従って、図7に示すように、回転軸33およ
び給紙ローラー4が矢印A方向に回転し、給紙カセット
3内に積層された用紙32の内の最上位置の用紙32の
みが給紙ローラー4の接触面4aと接触し、用紙32は
分離パッド5aと給紙ローラー4の間に押圧挾持され
て、プリンタ本体2側の搬送ローラー対6(図1参照)
に搬送される。
【0034】そして、この様な給紙動作の最中において
は、図4に示すように、駆動歯車67より加わる押圧力
によって、歯車87ひいては給紙カセット3が矢印F方
向に押されるが、この押圧力の方向がプリンタ本体2の
係止面2hと傾斜面2eの角部121に向けられてお
り、しかも上述の角度αが110°(即ち90゜以上)
となるように構成されているので、給紙カセット3の溝
101内の面107が係止面2hに押圧されるととも
に、係止部103の面109,111も、プリンタ本体
2側の傾斜面2eに押圧されることとなる。よって、駆
動歯車67の押圧力が、給紙カセット3を外側(矢印D
´方向)に押し出す方向には働かず、給紙カセット3を
係止面2hおよび傾斜面2eに対して押し付ける方向に
働くこととなる。
【0035】従って、上述のような本実施例において
は、給紙動作の際に給紙カセット3ががたつくことがな
く、給紙カセット3を安定的に装着位置に保持すること
ができる。よって、例えば用紙先端の送り出し位置がず
れたり、給紙される用紙が斜行する等、各種の給紙性能
が悪化するようなことがない。ましてや、給紙中に歯車
67,87が歯飛びする様な不都合も生じない。そし
て、これによりプリンタ本体2と給紙カセット3とを確
実に固定する機構が不要となるので、給紙カセットの着
脱を容易に行うことが可能となり、しかも装置の構成を
簡素化することができる。即ち、本実施例の給紙装置に
おいては、給紙カセット3をプリンタ本体2に対して容
易に着脱することが可能であり、しかも給紙時に給紙カ
セット3ががたつくことがないという顕著な効果を奏す
るものである。
【0036】以上実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様で実
施し得る。例えば、上記実施例においては、駆動歯車6
7による押圧力の方向が、係止面2hと傾斜面2eの間
の角部121に向けられているが、図11(A)に示す
ように、駆動歯車67の押圧力F1の方向が係止面2h
の上端部2sに向けられている場合や、あるいは押圧力
F2の方向が仮想面Mに向けられている場合であって
も、これらの押圧力F1,F2と係止面2hまたは仮想
面Mとがなす角度α1,α2がほぼ90゜以上となるよ
うに係止面2hが形成されていれば、給紙カセット3の
がたつきを抑えることができる。
【0037】更に、図11(B)に示すように、プリン
タ本体2の歯車67より加わる押圧力F3を他方の係止
面2mに向けた場合であっても、この押圧力F3の方向
と係止面2mとがなす角度α3がほぼ90゜以上であれ
ば、上記実施例と同様な効果が得られる。また、押圧力
F4が係止面2mを内側に延長した仮想面M´に向けら
れている場合であっても、押圧力F4の方向と仮想面M
´とがなす角度α4がほぼ90゜以上であれば、上記実
施例と同様な効果が得られる。
【0038】また、上記実施例の内側に向いた角度α,
α1,α2,α3,α4については、給紙カセット3の
がたつきをより確実に防止するためには90゜以上に設
定することが好ましいが、これらの角度が90゜より多
少小さくとも、給紙カセット3の重量が作用しているの
で、給紙カセット3ががたつくことはほとんどなく、実
用上はほぼ問題ない。つまり、上記角度α〜α4はほぼ
90゜以上であればよく、これらの角度が90゜より多
少小さいものであっても本発明の範囲に含まれる。 更
に、上記実施例の給紙装置においては、給紙カセット3
を斜め方向(矢印D方向)に挿入する様に構成されてい
るが、本発明はこれに限定されず、給紙カセットを垂直
方向に挿入する様に構成することもできる。
【0039】また、上記実施例のように、給紙カセット
3を係止面2g,2mに挿入して装着するだけでも、実
用上問題なく使用できるが、図12に示すように、更に
係止爪201を併用して装着してもよい。係止爪201
は、合成樹脂製の背面壁3aにヒンジ部202を介して
弾性変形可能に一体に形成され、ヒンジ部202と係止
爪201の間に、押圧部203が設けられている。この
押圧部203は、給紙カセット3の側部を手に持ったと
き、給紙カセット3の背面を支える指がかかる位置に設
けられている。支持部2kの係止面2mには、係止爪2
01が係止可能な凹部204が設けられている。給紙カ
セット3を装着するために係止面2g,2m間に挿入す
ると、図12に2点鎖線で示すように、係止爪201が
給紙カセット3内方向に没し、凹部204と対応すると
ころで、係止爪201が弾性復帰して、凹部204に係
止される。給紙カセット3を取り外すには、押圧部20
3を給紙カセット3内方向に押して係止爪201を凹部
204から外せば、給紙カセット3を係止面2g,2m
の間から上方へ引き抜くことができる。このようにして
も、従来の2個のピンまたは軸にフックレバーを引掛け
るものに比べて、着脱操作が容易である。
【0040】また、図13に示すように、係止部を本体
フレーム2aの側壁2c,2cの対向する内面に突出し
たピン301,302によって構成し、給紙カセット3
の両側に形成した溝303,304を係止するように構
成することもできる。この場合、歯車67の押圧力を受
ける側のピン302と溝304の当接部は点となり、そ
の当接部から内側へ延長した接線Mと押圧力の方向Fと
のなす角度αが90゜以上となる。
【0041】また、本体フレーム2に設けた突部2gお
よびピン301,302を給紙カセット3側に設け、給
紙カセット3の溝101,303,304を本体フレー
ム2側に設けることもできる。尚、本発明の給紙装置
は、上記実施例の様なプリンタに限定されず、複写機、
ファクシミリ等の様々な画像形成装置に適用し得ること
は勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の給紙
装置においては、給紙カセットを、装置本体に設けられ
た2つの係止部の間に装置本体の外側から内側に挿入し
て挟むことにより、給紙カセットを装置本体に対して容
易に着脱することができる。そして、装置本体側の歯車
より給紙カセット側の歯車に加わる押圧力を受ける側の
係止部と給紙カセットの当接部から内側に延長した接線
と装置本体側の歯車の押圧力の方向とがなす上記内側に
向いた角度がほぼ90゜以上とされているので、給紙時
に給紙カセットががたつくことがない。即ち、請求項1
の発明によれば、給紙カセットを装置本体に対して容易
に着脱することが可能であり、しかも給紙時に給紙カセ
ットががたつくことがないという顕著な効果がある。
【0043】また、請求項2の給紙装置によれば、外側
に開放された2つの係止部の間に給紙カセットを挿入
し、装置本体のストッパ面によって給紙カセットの内側
方向への挿入を停止することにより、給紙カセットを装
置本体に対して容易に着脱することができる。
【0044】更に、請求項3の給紙装置においては、2
つの係止部の一方を装置本体の一対の側壁に形成するこ
とにより、その一方の係止部を用紙搬送に支障をきたさ
ない位置でしかも他方の係止面と充分な間隔を持って配
置することができ、給紙カセットを十分な間隔のある両
係止部間に容易に挿入でき、かつ安定して装着保持する
ことが可能となる。
【0045】請求項4の給紙装置においては、給紙カセ
ットをガイド面に沿って滑らせるように装着することに
より、請求項1記載の位置に容易に配置することができ
る。請求項5の給紙装置においては、給紙カセットを傾
けることなく安定して容易に装着することができるとと
もに、係止部およびストッパ面を装置本体と一体成形す
るのに有利であり、安価に製作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の給紙装置を備えるプリンタ1の概略側
断面図である。
【図2】プリンタ本体の外観を示す斜視図である。
【図3】給紙カセットをプリンタ本体より取り外した状
態にて示す側面図である。
【図4】給紙カセットをプリンタ本体に装着した状態に
て示す側面図である。
【図5】プリンタ本体の係止面を示す斜視図である。
【図6】給紙カセットの平面図である。
【図7】給紙カセットの要部側断面図である。
【図8】給紙カセットに備えられる係止部を示す斜視図
である。
【図9】給紙カセットの係止部とプリンタ本体の突起の
係止状態を示す側面図である。
【図10】プリンタ本体の歯車より加わる押圧力の方向
と係止面または仮想面との位置関係を示す概略斜視図で
ある。
【図11】他の実施例を示す説明図である。
【図12】他の実施例を示す説明図である。
【図13】他の実施例を示す説明図である。
【図14】本発明との比較例を示す説明図である。
【図15】本発明との比較例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…プリンタ 2…プリンタ本体 2a…本体フレーム 2b…本体ケース 2c…側壁 2e…傾斜面 2g…突起 2h,2m…係止面 3…給紙カセット 4…給紙ローラー 67…駆動歯車 85,89,91…
歯車 68…駆動モータ M,M´…仮想面

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体に着脱自在に装着される給紙カ
    セットを備え、該給紙カセットは給紙ローラーと該給紙
    ローラーに連動して回転する歯車とを有し、上記装置本
    体に用紙の搬送方向において所定の間隔を隔てて設けら
    れた2つの係止部の間に上記給紙カセットを上記装置本
    体の外側から内側に挿入して挟むことにより上記装置本
    体に装着保持し、この装着状態において給紙カセット側
    の上記歯車と装置本体側に備えられた駆動用の歯車とを
    噛み合わせ、該装置本体側の歯車を回転駆動させること
    により給紙カセット側の給紙ローラーを回転させて給紙
    を行う給紙装置において、 上記係止部のうちの一方の係止部と上記給紙カセットと
    を、上記装置本体側の歯車より上記給紙カセット側の歯
    車に加わる押圧力によって当接させるとともに、その係
    止部と給紙カセットの当接部より上記内側へ延長したそ
    の当接部の接線と、上記歯車の押圧方向とがなす上記内
    側に向いた角度がほぼ90゜以上となるように、上記係
    止部を形成したことを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 上記装置本体は、上記2つの係止部間を
    上記外側方向へ開放し、上記給紙カセットの上記内側方
    向への挿入を停止するスットパ面を有することを特徴と
    する請求項1記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 上記装置本体は、上記搬送方向と平行な
    一対の側壁を有するとともに、その側壁に上記2つの係
    止部の一方をそれぞれ形成したことを特徴とする請求項
    2記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 上記歯車の押圧力によって当接する上記
    係止部と上記給紙カセットの一方は、上記給紙カセット
    の挿入方向に延びるガイド面を有することを特徴とする
    請求項1記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 上記給紙カセットは、上記搬送方向に下
    り傾斜する形状に構成され、上記装置本体の2つの係止
    部のうち、上記搬送方向上流側に位置する係止部は、上
    記給紙カセットの背面を受けるよう上記搬送方向に下り
    傾斜する面を有し、また上記搬送方向下流側に位置する
    係止部は、上記側壁に上記搬送方向に上り傾斜状に形成
    された上記ストッパ面からほぼ直角に立ち上がって形成
    されていることを特徴とする請求項3記載の給紙装置。
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