JPH08302189A - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物Info
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Abstract
る部品を、一度の成形処理で得ることができるポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物を提供する。 【構成】 下記(A),(B),(C)および(D)成
分を主要成分として含有することを特徴とするポリアリ
ーレンスルフィド樹脂組成物。 (A):ポリアリーレンスルフィド樹脂;100重量部 (B):マイカ ;200〜30重量部 (C):カーボンファイバー ;150〜30重量部 (D):導電性カーボンブラック ;30〜0.5重量部
Description
ィド樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、精密電気・
電子部品に特に好適に用いられるポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。
脂組成物をカーボンファイバー(CF)で強化すること
により、機械強度,摺動性,導電性が向上することは既
に知られている。また、この組成物の異方性を低下さ
せ、寸法精度を向上させるために、種々の技術、たとえ
ばCFの繊維長を短くした組成物(特公昭63−635
90号公報)、また、マイカを充填した組成物(特公昭
64−3230号公報)が開示されている。
63590号公報に開示された組成物では、繊維長の短
いCFだけを用いて機械強度,寸法精度,導電性のバラ
ンスを取る場合、特に導電性の面で限界があり、またコ
ストの面からも飛躍的に高価なものとならざるを得なか
った。従って、アルミ等の金属部品をPAS樹脂組成物
で代替しようとした場合、他の方法を考慮せざるを得な
かった。また、特開昭64−3230号公報に開示され
たように、PASとマイカとを単純に混合しただけで
は、剛性と導電性が著しく不足するため、寸法精度と導
電性のバランスをとるのが非常に困難であった。これに
対し、マイカに導電処方を施したり、カーボンファイバ
ーや導電性カーボンブラックを添加することが考えられ
るが、金属で表面処理したマイカを用いた場合、樹脂の
分解が金属により促進され、物性や製品外観に悪影響を
起こすおそれがあり、また、導電性向上の効果も少なか
った。一方、カーボンファイバーや導電性カーボンブラ
ックを添加した場合、安定した導電性は得られるもの
の、長繊維が多く1/1000程度の高度な寸法精度を
求めることはできなかった。また、この公報に開示され
たものは、フロゴバイト系マイカ(金マイカ/スゾライ
トマイカ)に限定したものであるが、これはマスコバイ
ト系マイカ(白マイカ)と比較すると、軟質であり、他
の含有物が多い。従って組成物とした場合も、強度、弾
性率、耐酸性などの面で、劣ったものとならざるを得な
かった。
り、安定した導電性および高度な寸法精度を有する部品
を、一度の成形処理で得ることができるポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、下記(A),(B),(C)および
(D)成分を主要成分として含有することを特徴とする
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。 (A):ポリアリーレンスルフィド樹脂;100重量部 (B):マイカ ;200〜30重量部 (C):カーボンファイバー ;150〜30重量部 (D):導電性カーボンブラック ;30〜0.5重量部
カ(B)の重量平均粒径が、10〜500μmであるこ
とを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が
提供される。
カ(B)中の、SiO2 成分とAl2 O3 成分との合計
含有量が、マイカ(B)全量の75重量%以上であり、
かつその重量平均粒径が、80〜250μmであること
を特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提
供される。
ボンファイバー(C)中の、アスペクト比(l/d,
l:平均繊維長,d:平均繊維径)が10以下のカーボ
ンファイバーの含有量が、カーボンファイバー(C)全
量の60重量%以上であり、かつ、そのカーボンファイ
バー(C)中の、アスペクト比が10を超えるカーボン
ファイバーの含有量が、マイカ(B)およびカーボンフ
ァイバー(C)の合計量の25重量%以下であることを
特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供
される。
ボンファイバー(C)の全量が、アスペクト比が6以下
のミルドカーボンファイバーであることを特徴とするポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
ーボンファイバー(C)の全量が、繊維径が18〜30
μmのミルドカーボンファイバーであることを特徴とす
るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。
樹脂組成物を具体的に説明する。 1.組成成分 (1)ポリアリーレンスルフィド(A) 本発明に用いられるポリアリーレンスルフィド(PA
S)(A)は、構造式−Ar−S−(ただしArはアリ
ーレン基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含
有する重合体で、その代表的物質は、下記構造式(I)
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸/金属塩、
シアノ基、アミノ基、ニトロ基、フッ素,塩素,臭素等
のハロゲン原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4
の整数である。また、nは平均重合度を示し1.3〜3
0の範囲である)で示される繰り返し単位を70モル%
以上有するポリフェニレンスルフィドである。中でもα
−クロロナフタレン溶液(濃度0.4g/dl)、20
6℃における対数粘度が0.1〜0.5(dl/g)、
好ましくは0.13〜0.4(dl/g)、さらに好ま
しくは0.15〜0.35(dl/g)の範囲にあるも
のが適当である。
前記対数粘度の範囲内で、かつ溶融粘度(ηapp)が、
50〜4,000(ポイズ)が好ましく、80〜2,0
00(ポイズ)がさらに好ましく、極端に機械的強度に
悪影響を与えず、低分子量のものを好適に用いることが
できる。ここで、ηapp とは、細管粘度計で測定した樹
脂温度300℃、剪断速度200sec-1の見かけ粘度
をいう。
状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、分岐
や架橋構造を有する構造のものが知られているが本発明
においてはその何れのタイプのものについても有効であ
る。本発明に用いるのに好ましいPASは繰り返し単位
としてパラフェニレンスルフィド単位を70モル%以
上、さらに好ましくは80モル%以上含有するホモポリ
マーまたはコポリマーである(以下PPSと略称)。こ
の繰り返し単位が70モル%未満だと結晶性ポリマーと
しての特徴である本来の結晶性が低くなり充分な機械的
物性が得られなくなる傾向があり好ましくない。共重合
構成単位としては、例えばメタフェニレンスルフィド単
位、オルソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフ
ェニレンケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレ
ンスルホンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンス
ルフィド単位、p,p’−ジフェニレンエーテルスルフ
ィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド
単位、p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単
位、ナフチルスルフィド単位などが挙げられる。また、
本発明のポリアリーレンスルフィドとしては、前記の実
質上線状ポリマーの他に、モノマーの一部分として3個
以上の官能基を有するモノマーを少量混合使用して重合
した分岐または架橋ポリアリーレンスルフィドも用いる
ことができ、また、これを前記の線状ポリマーにブレン
ドした配合ポリマーも用いることがで好適である。さら
にまた、本発明に使用する(A)成分としてのPAS
は、比較的低分子量の線状ポリマーを酸化架橋または熱
架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良した
ポリマーも使用できる。前記PAS樹脂は、例えばジハ
ロ芳香族化合物と、硫黄源とを有機極性溶媒中でそれ自
体公知の方法により重縮合反応させることにより得るこ
とができる。
ジハロベンゼン類、アルキル置換ジハロベンゼン類また
は、シクロアルキル置換ジハロベンゼン類、アリール置
換ジハロベンゼン類、ジハロビフェニル類、ジハロナフ
タレン類などを挙げることができる。これらのジハロ芳
香族化合物における2個のハロゲン元素は、それぞれフ
ッ素,塩素,臭素またはヨウ素であり、それらは同一で
あっても、互いに異なっていてもよい。
ナトリウム等のアルカリ金属硫化物、硫化カルシウム,
硫化バリウム等のアルカリ土類金属硫化物などを挙げる
ことができる。また、前記アルカリ金属硫化物またはア
ルカリ土類金属硫化物は、水硫化リチウム,水硫化ナト
リウム等のアルカリ金属水硫化物、または、水硫化カル
シウム,水硫化バリウム等のアルカリ土類金属水硫化物
のそれぞれと、アルカリ金属水酸化物等の塩基との反応
によって得られるものであってもよい。
化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,環式有機リン化
合物、スルホン系化合物等の有機溶媒を挙げることがで
きる。これらの好適例としては、N−アルキルラクタム
特にN−アルキルピロリドンおよびスルホランを挙げる
ことができる。
に、活性水素含有ハロ芳香族化合物、1分子中に3個以
上のハロゲン原子を有するポリハロ芳香族化合物、ハロ
芳香族ニトロ化合物等の分岐剤、モノハロ芳香族化合物
等の分子量調整剤などを適宜反応系に添加することによ
り得られたPAS樹脂であってもよい。前記分岐剤、分
子量調整剤等の使用により、重縮合反応により生成する
PAS樹脂の分岐度を増加させたり、分子量をさらに増
加させたり、または残存含塩量を低下させるなど、PA
S樹脂の諸特性が改善される。
下記構造式(II)で示されるポリフェニレンスルフィド
(以下、PPSと称することがある。)樹脂を挙げるこ
とができる。
ローリアム社より「ライトン」の商標で一般に市販され
ている。その製造方法は米国特許第3,354,129
号明細書およびそれに対応する特公昭45−3368号
公報に開示されており、N−メチルピロリドン溶媒中で
160〜250℃に加熱しながら、加圧条件下にパラジ
クロルベンゼンと硫化ナトリウム(Na2S・H2O)と
を反応させることにより製造することができる。また、
特公昭52−12240号公報、特公昭53−2558
8号公報および特公昭53−25589号公報に開示さ
れているように酢酸リチウムまたは塩化リチウム等の触
媒を併用すると更に高重合度化したPPS樹脂を製造す
ることもできる。
ないが、たとえば、一般的にプラスチック用充填材とし
て用いられる、マスコバイト系マイカK2Al4(AlS
i3O10)2(OH)4(白マイカ)、フロゴバイト系マ
イカK2Mg6(AlSi3O10)2(OH)4(金マイ
カ)などを挙げることができる。中でも、マスコバイト
系マイカ(白マイカ)を用いることが好ましい。これを
用いると高強度・高剛性のものが得られるため、離型時
の変形が抑制され、成形品の寸法精度がさらに向上す
る。
は、特に制限はないが、重量平均粒径が10〜500μ
m、重量平均アスペクト比が10〜100の範囲にある
ものが好ましい。また、重量平均粒径が30〜300μ
m、重量平均アスペクト比が20〜80の範囲にあるも
のがさらに好ましい。さらに、重量平均粒径が80〜2
50μm、重量平均アスペクト比が40〜70の範囲に
あるものが最も好ましい。重量平均粒径が、10μm未
満であると機械強度及び寸法精度の効果が充分寄与され
ず、500μmを超えると組成物の混練が困難になる。
また、重量平均アスペクト比が10未満であると機械強
度への効果が充分寄与されず、100を超えるのは必然
的に粒径の大きいものとなるため、組成物の混練が困難
になる。
シランカップリング剤などで表面処理してあった方が好
ましく、また、導電性を上げるために任意の処方を施し
たものであってもよい。
ーレンスルフィド樹脂(A)100重量部に対して、2
00〜30重量部とし、150〜50重量部が好まし
い。30重量部未満であると、寸法精度への効果が充分
寄与されず、200重量部を超えると、組成物の混練が
困難になり、成形時の流動性も悪くなる。
の原料としては特に制限はないが、たとえばPAN(ア
クリロニトリル)系,ピッチ系,セルロース系、その他
芳香族系等を挙げることができる。また、CF表面をエ
ポキシ化合物やポリウレタン樹脂,ポリアミド樹脂など
の公知の処理剤で表面処理したものであってもよい。
ものが好ましい。ただし、このCF中、アスペクト比の
平均が10以下のCFの含有量がCF全量の60重量%
以上であり、かつ、アスペクト比の平均が10を超える
CFの含有量が、前記マイカ(B)およびCF(C)の
合計量の25重量%以下であることが好ましい。CF全
量にアスペクト比の平均が6以下のミルドCFを用いる
ことがさらに好ましい。CF全量に繊維径18〜30μ
mのミルドCFを用いることが表面外観が良く、良導電
の成形品を得ることができ、かつ寸法精度に悪影響を与
えることがないため最も好ましい。
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部
に対して、150〜30重量部とし、120〜40重量
部が好ましい。30重量部未満であると、補強効果が充
分ではなく、また充分な導電性を得ることができない。
また、150重量部を超えると、組成物の混練が困難に
なると同時に、成形した場合異方性が生ずるので寸法精
度上好ましくなく、また原料費も上昇する。
は、特に制限はないが、たとえばアセチレンブラックや
オイルファーネスブラックなどの高ストラクチャーカー
ボンブラックの粒子を挙げることができる。中でも、粒
度(d50)が100nm以下、窒素比表面積が10〜
5,000m2 /g、DBP吸油量が50cm3 /10
0g以上、950℃での加熱脱着ガスが2%以下のもの
が好ましい。
割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重
量部に対して、30〜0.5重量部とし、20〜1重量
部が好ましい。0.5重量部未満であると、導電性への
効果が充分寄与されず、また30重量部を超えると、組
成物の混練が困難になり、成形時の流動性も悪くなる。
はないが、たとえば、上記各成分を公知の方法で溶融混
練し、樹脂中に均一に分散・混合することを挙げること
ができる。この場合の混練においては、単軸混練機,二
軸混練機などを用いることができ、混練条件は通常PA
Sの調製の条件を用いることができる。従って、360
℃以上の高温や、極度の高速回転は好ましくない。ま
た、この樹脂組成物には、顔料,熱安定剤,酸化防止
剤,耐候剤,核剤,滑剤,可塑剤などを適量添加しても
よい。さらに他の熱可塑性樹脂を適量加えてもよい。こ
のようにして得られたペレット状の組成物を、熱可塑性
樹脂用の成形機、例えば、射出成形機,圧縮成形機,射
出圧縮成形機を用いて成形することによって、所望の形
状の成形品を得ることができる。
に説明する。 [実施例1]ポリアリーレンスルフィド樹脂(出光石油
化学社製 ηapp =500ポイズ)2,000g、マイ
カ1(クラレ社製 80−D,成分;K2Al4(AlS
i3O10)2(OH)4(白マイカ),重量平均粒径;2
00μm,重量平均アスペクト比;60,表面処理;無
処理)1,840g、CF1(呉羽化学工業社製 ミル
ドCF M−101T,平均繊維径;18μm,アスペ
クト比;6)1,720g、およびCB(ライオン社製
ケッチェンブラックEC−600JD,粒度
(d50);25nm,窒素比表面積;1,000m2/
g,DBP吸油量;350cm3/100g,950℃
での加熱脱着ガス;0.8%)160gをドライブレン
ドした後、二軸混練機(東芝機械社製 TEM35)に
て、シリンダー温度300〜340℃に設定して溶融混
練して樹脂組成物を得た。
の配合量を、1,840gから1,600gに、かつ、
CF1の配合量を、1,720gから1,260gに変
えたこと以外は実施例1と同様にした。
代わりに、CF2(三井鉱山社製 ミルドCFM20−
100,平均繊維径;20μm,アスペクト比;5)を
1,260g配合したこと以外は実施例2と同様にし
た。
代わりに、CF3(東邦レーヨン社製 ミルドCF C
MF−40−N/S,平均繊維径;7μm,アスペクト
比;6)を1,260g配合したこと以外は実施例2と
同様にした。
の代わりに、マイカ2(クラレ社製 150−K1,成
分;K2Mg6(AlSi3O10)2(OH)4(金マイ
カ),重量平均粒径;200μm,重量平均アスペクト
比;60,表面処理;シラン処理)を1,600g配合
したこと以外は実施例4と同様にした。
の配合量を1,600gから2,540gに、CF3の
配合量を1,260gから840gに、かつCBの配合
量を160gから320gに変えたこと以外は実施例5
と同様にした。
の配合量を1,600gから780gに、CF3の配合
量を1,260gから2,000gに、かつCBの配合
量を160gから80gに変えたこと以外は実施例5と
同様にした。
の代わりに、マイカ3(クラレ社製 325−K1,成
分;K2Mg6(AlSi3O10)2(OH)4(金マイ
カ),重量平均粒径;40μm,重量平均アスペクト
比;30,表面処理;シラン処理)を1,260g配合
したこと以外は実施例5と同様にした。
配合量を1,260gから800gに変えるとともに、
CF4(東邦レーヨン社製 チョップドCF HTA−
C6−SRS,平均繊維径;7μm,アスペクト比;8
50)を460g配合し、かつCBの配合量を160g
から80gに変えたこと以外は実施例5と同様にした。
2の代わりに、マイカ1を1,600g、かつCF3の
代わりにCF1を800g配合したこと以外は実施例9
と同様にした。
の配合量を1,600gから2,000gに変え、か
つ、CF3およびCBを配合しなかったこと以外は実施
例5と同様にした。
合しなかったこと以外は実施例5と同様にした。
配合量を1,260gから2,260gに変え、かつ、
マイカ2およびCBを配合しなかったこと以外は実施例
5と同様にした。
代わりにCF4を1,260g配合し、かつ、CBの配
合量を160gから80gに変えたこと以外は実施例5
と同様にした。
1,260gの代わりに、CF3を560gおよびCF
4を800g配合し、かつ、CBの配合量を160gか
ら80gに変えたこと以外は実施例5と同様にした。
の配合量を1,600gから3,200gに、CF3の
配合量を1,260gから700gに、かつCBの配合
量を160gから320gに変えたこと以外は実施例5
と同様にした。
の配合量を1,600gから800gに、CF3の配合
量を1,260gから3,400gに、かつCBの配合
量を160gから80gに変えたこと以外は実施例5と
同様にした。
合量を160gから640gに変えたこと以外は実施例
5と同様にした。
円度(μm)、体積抵抗(Ω・cm)、表面外観、曲げ
強度(MPa)、および曲げ弾性率(GPa)を測定し
た。実施例1〜10における各成分の組成割合と測定結
果を表1に、また比較例1〜8における各成分の組成割
合と測定結果を表2に示す。なお、各評価項目の測定
は、下記のように行った。
5mmの円筒形ドラム成形品を射出成形機(日本製鋼所
社製 J50E−P)にて成形し、室温で24時間放置
後の成形品の真円度を、真円度測定機(三豊製作所社製
RA−2)にて測定した。なお、成形品の成形条件
は、樹脂温度340℃、金型温度135℃に設定した。
の両端を切り落とし、長さ5cmの板を得、その両断面
に銀ペースト(藤倉化成社製 ドータイト)を塗布し、
テスターにて両端の抵抗値を測定した。
本製鋼所社製 J50E−P)にてテストピースを成形
し、ASTM D790に準拠して曲げ試験を行った。
なお、テストピースの成形条件は、樹脂温度320℃、
金型温度135℃に設定した。
円筒形ドラム成形品側面の表面外観を、下記に従い、目
視にて判定した。 ──────────────────────── 判定 表面外観 ──────────────────────── ◎ 光沢あり、外観良好 ○ 光沢あり、フィラーの浮き若干あり △ 光沢なし、フィラーの浮きかなり目立つ × 光沢なし、表面ザラザラ ────────────────────────
て、安定した導電性と高度な寸法精度を有する部品を切
削などの工程を必要とすることなく一度の成形処理で得
ることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が
提供される。すなわち、本発明のポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を成形することによって20Ω・cm以
下の導電性、および1/1,000程度の寸法精度を有
する成形品(たとえば、これまでアルミまたはその合金
を切削加工して製造された超精密電気・電子部品)を得
ることができる。さらに得られる成形品は、表面外観お
よび平滑性が良好なため優れた摺動性を有するととも
に、成形品の低コスト化および軽量化を図ることもでき
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記(A),(B),(C)および
(D)成分を主要成分として含有することを特徴とする
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 (A):ポリアリーレンスルフィド樹脂;100重量部 (B):マイカ ;200〜30重量部 (C):カーボンファイバー ;150〜30重量部 (D):導電性カーボンブラック ;30〜0.5重量部 - 【請求項2】 前記マイカ(B)の重量平均粒径が、1
0〜500μmであることを特徴とする請求項1記載の
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記マイカ(B)中の、SiO2 成分と
Al2 O3 成分との合計含有量が、マイカ(B)全量の
75重量%以上であり、かつその重量平均粒径が、80
〜250μmであることを特徴とする請求項1記載のポ
リアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記カーボンファイバー(C)中の、ア
スペクト比(l/d,l:平均繊維長,d:平均繊維
径)が10以下のカーボンファイバーの含有量が、カー
ボンファイバー(C)全量の60重量%以上であり、か
つ、そのカーボンファイバー(C)中の、アスペクト比
が10を超えるカーボンファイバーの含有量が、マイカ
(B)およびカーボンファイバー(C)の合計量の25
重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいず
れか1項記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記カーボンファイバー(C)の全量
が、アスペクト比が6以下のミルドカーボンファイバー
であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記
載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記カーボンファイバー(C)の全量
が、繊維径が18〜30μmのミルドカーボンファイバ
ーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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