JP3525525B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、精密電気・
電子部品に特に好適に用いられるポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹
脂組成物をカーボンファイバー(CF)で強化すること
により、機械強度,摺動性,導電性が向上することは既
に知られている。また、特公昭63−63590号公報
には、この組成物の異方性を低下させ、寸法精度を向上
させるためにCFの繊維長を短くした組成物が開示され
ており、また、特公平4−68348号公報や特開平5
−342710号公報には、この組成物に導電性ウィス
カーや導電性カーボンブラックを添加し、寸法精度と導
電性のバランスを取る方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭63−
63590号公報に開示された組成物では、繊維長の短
いCFだけを用いて機械強度,寸法精度,導電性のバラ
ンスを取る場合、特に導電性の面で限界があり、またコ
ストの面からも飛躍的に高価なものとならざるを得なか
った。従って、アルミ等の金属部品をPAS樹脂組成物
で代替しようとした場合、他の方法を考慮せざるを得な
かった。また、特開平5−342710号公報に開示さ
れたように、長繊維CFとウィスカーを単純に混合した
だけでは、寸法精度と導電性のバランスをとるのが非常
に困難であった。すなわち、ウィスカーに導電処方を施
したり、導電性カーボンブラックを添加することにより
安定した導電性を得ることはできるが、1/1,000
程度の高度な寸法精度は求めることが出来ないという問
題があった。本発明は上記問題に鑑みなされたものであ
り、安定した導電性および高度な寸法精度を有する部品
を、一度の成形処理で得ることができるポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、下記(A),(B),(C)およ
び(D)成分を主要成分として含有し、カーボンファイ
バー(C)が、そのカーボンファイバー(C)中の、ア
スペクト比(l/d,l:平均繊維長,d:平均繊維
径)が10以下のカーボンファイバーの含有量がカーボ
ンファイバー(C)全量の60重量%以上であり、か
つ、そのカーボンファイバー(C)中の、アスペクト比
が10を超えるカーボンファイバーの含有量が、ウィス
カー状無機充填材(B)およびカーボンファイバー
(C)の合計量の25重量%以下であることを特徴とす
るポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が提供される。 (A):ポリアリーレンスルフィド樹脂; 100重量部 (B):ウィスカー状無機充填材; 200〜30重量部 (C):カーボンファイバー; 150〜30重量部 (D):導電性カーボンブラック; 40〜0.5重量部
【0005】また、その好ましい態様として、前記ウィ
スカー状無機充填材(B)が、酸化亜鉛ウィスカー、チ
タン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカ
ー、およびワラストナイトよりなる群から選ばれる一以
上の化合物であることを特徴とするポリアリーレンスル
フィド樹脂組成物が提供される。
【0006】
【0007】また、前記カーボンファイバー(C)の全
量が、アスペクト比が6以下のミルドカーボンファイバ
ーであることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物が提供される。
【0008】さらには、前記カーボンファイバー(C)
の全量が、繊維径が18〜30μmのミルドカーボンフ
ァイバーであることを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物が提供される。
【0009】以下、本発明のポリアリーレンスルフィド
樹脂組成物を具体的に説明する。 1.組成成分 (1)ポリアリーレンスルフィド(A) 本発明に用いられるポリアリーレンスルフィド(PA
S)(A)は、構造式−Ar−S−(ただしArはアリ
ーレン基)で示される繰り返し単位を70モル%以上含
有する重合体で、その代表的物質は、下記構造式(I)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1は炭素数6以下のアルキル
基、アルコキシ基、フェニル基、カルボン酸/金属塩、
アミノ基、ニトロ基、フッ素,塩素,臭素等のハロゲン
原子から選ばれる置換基であり、mは0〜4の整数であ
る。また、nは平均重合度を示し1.3〜30の範囲で
ある)で示される繰り返し単位を70モル%以上有する
ポリフェニレンスルフィドである。中でもα−クロロナ
フタレン溶液(濃度0.4g/dl)、206℃におけ
る対数粘度が0.1〜0.5(dl/g)、好ましくは
0.13〜0.4(dl/g)、さらに好ましくは0.
15〜0.35(dl/g)の範囲にあるものが適当で
ある。PASは一般にその製造法により実質上線状で分
岐、架橋構造を有しない分子構造のものと、分岐や架橋
構造を有する構造のものが知られているが本発明におい
てはその何れのタイプのものについても有効である。本
発明に用いるのに好ましいPASは繰り返し単位として
パラフェニレンスルフィド単位を70モル%以上、さら
に好ましくは80モル%以上含有するホモポリマーまた
はコポリマーである(以下PPSと略称)。この繰り返
し単位が70モル%未満だと結晶性ポリマーとしての特
徴である本来の結晶性が低くなり充分な機械的物性が得
られなくなる傾向があり好ましくない。共重合構成単位
としては、例えばメタフェニレンスルフィド単位、オル
ソフェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレン
ケトンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルホ
ンスルフィド単位、p,p’−ビフェニレンスルフィド
単位、p,p’−ジフェニレンエーテルスルフィド単
位、p,p’−ジフェニレンメチレンスルフィド単位、
p,p’−ジフェニレンクメニルスルフィド単位、ナフ
チルスルフィド単位などが挙げられる。また、本発明の
ポリアリーレンスルフィドとしては、前記の実質上線状
ポリマーの他に、モノマーの一部分として3個以上の官
能基を有するモノマーを少量混合使用して重合した分岐
または架橋ポリアリーレンスルフィドも用いることがで
き、また、これを前記の線状ポリマーにブレンドした配
合ポリマーも用いることがで好適である。さらにまた、
本発明に使用する(A)成分としてのPASは、比較的
低分子量の線状ポリマーを酸化架橋または熱架橋により
溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも
使用できる。 前記PAS樹脂は、例えばジハロ芳香族
化合物と、硫黄源とを有機極性溶媒中でそれ自体公知の
方法により重縮合反応させることにより得ることができ
る。
【0012】前記ジハロ芳香族化合物としては、例えば
ジハロベンゼン類、アルキル置換ジハロベンゼン類また
は、シクロアルキル置換ジハロベンゼン類、アリール置
換ジハロベンゼン類、ジハロビフェニル類、ジハロナフ
タレン類などを挙げることができる。これらのジハロ芳
香族化合物における2個のハロゲン元素は、それぞれフ
ッ素,塩素,臭素またはヨウ素であり、それらは同一で
あっても、互いに異なっていてもよい。
【0013】前記硫黄源としては、硫化リチウム,硫化
ナトリウム等のアルカリ金属硫化物、硫化カルシウム,
硫化バリウム等のアルカリ土類金属硫化物などを挙げる
ことができる。また、前記アルカリ金属硫化物またはア
ルカリ土類金属硫化物は、水硫化リチウム,水硫化ナト
リウム等のアルカリ金属水硫化物、または、水硫化カル
シウム,水硫化バリウム等のアルカリ土類金属水硫化物
のそれぞれと、アルカリ金属水酸化物等の塩基との反応
によって得られるものであってもよい。
【0014】前記有機極性溶媒としては、例えばアミド
化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,環式有機リン化
合物、スルホン系化合物等の有機溶媒を挙げることがで
きる。これらの好適例としては、N−アルキルラクタム
特にN−アルキルピロリドンおよびスルホランを挙げる
ことができる。
【0015】この発明においては、前記重縮合反応の際
に、活性水素含有ハロ芳香族化合物、1分子中に3個以
上のハロゲン原子を有するポリハロ芳香族化合物、ハロ
芳香族ニトロ化合物等の分岐剤、モノハロ芳香族化合物
等の分子量調整剤などを適宜反応系に添加することによ
り得られたPAS樹脂であってもよい。前記分岐剤、分
子量調整剤等の使用により、重縮合反応により生成する
PAS樹脂の分岐度を増加させたり、分子量をさらに増
加させたり、または残存含塩量を低下させるなど、PA
S樹脂の諸特性が改善される。
【0016】前記PAS樹脂の好適例としては、例えば
下記構造式(II)で示されるポリフェニレンスルフィド
(以下、PPSと称することがある。)樹脂を挙げるこ
とができる。
【0017】
【化2】
【0018】前記PPS樹脂は、米国フィリップスペト
ローリアム社より「ライトン」の商標で一般に市販され
ている。その製造方法は米国特許第3,354,129
号明細書およびそれに対応する特公昭45−3368号
公報に開示されており、N−メチルピロリドン溶媒中で
160〜250℃に加熱しながら、加圧条件下にパラジ
クロルベンゼンと硫化ナトリウム(Na2S・H2O)と
を反応させることにより製造することができる。また、
特公昭52−12240号公報、特公昭53−2558
8号公報および特公昭53−25589号公報に開示さ
れているように酢酸リチウムまたは塩化リチウム等の触
媒を併用すると更に高重合度化したPPS樹脂を製造す
ることもできる。
【0019】本発明の組成物では、分子量については、
前記対数粘度の範囲内で、好ましくは溶融粘度が50≦
ηapp ≦2,000(ポイズ)の範囲内で、極端に機械
的強度に悪影響を与えず、低分子量のものが用いられ
る。ここで、ηapp とは、細管粘度計で測定した樹脂温
度300℃、剪断速度200sec-1の見かけ粘度をい
う。
【0020】(2)ウィスカー状無機充填材(B) 本発明に用いられるウィスカー状無機充填材(B)とし
ては、特に制限はないが、たとえば、酸化亜鉛ウィスカ
ー,チタン酸カリウムウィスカー,炭酸カルシウムウィ
スカーおよびワラストナイトよりなる群から選ばれる一
以上の化合物を挙げることができる。
【0021】この充填材のうち、テトラポット型形状を
した酸化亜鉛ウィスカーと他の微細な繊維状のウィスカ
ーとを組み合わせたものが好ましい。中でも、テトラポ
ット型形状をした酸化亜鉛ウィスカーと、微細な繊維状
のチタン酸カリウムウィスカーとを組み合わせたものが
さらに好ましい。
【0022】このウィスカー状無機充填材(B)の組成
割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重
量部に対して、200〜30重量部とし、150〜50
重量部が好ましい。30重量部未満であると、寸法精度
への効果が充分寄与されず、200重量部を超えると、
組成物の混練が困難になり、成形時の流動性も悪くな
る。
【0023】具体的に、酸化亜鉛ウィスカーとしては、
形状がテトラポット型で、針状部の長さが、3〜200
μm、基部の径が0.1〜10μm、アスペクト比(l
/d,l:平均繊維長,d:平均繊維径)が3〜1,0
00の範囲にあるものが好ましい。
【0024】チタン酸カリウムウィスカーとしては、一
般式K2 O・n(TiO2 )又はK2 O・n(TiO
2 )・1/2H2 O(式中nは2〜8の整数)で示され
る単結晶繊維を挙げることができる。具体的には、4−
チタン酸カリウム繊維、6−チタン酸カリウム繊維、8
−チタン酸カリウム繊維などの単一組成物、またはこれ
らの混合物で、平均繊維径が5μm以下、平均繊維長が
5〜200μm、アスペクト比(l/d,l:平均繊維
長,d:平均繊維径)が3〜1,000の範囲にあるも
のが好ましい。
【0025】炭酸カルシウムウィスカーとしては、アラ
ゴナイト結晶が90%以上の繊維を挙げることができ
る。中でも平均繊維径5μm以下、平均繊維長が5〜2
00μm、アスペクト比が3〜1,000の範囲にある
ものが好ましい。
【0026】ワラストナイトとしては、CaSiO3
示される白色針状鉱物を挙げることができる。中でも平
均繊維径が0.1〜20μm、平均繊維長が1〜100
μm、アスペクト比が3〜100の範囲にあるものが好
ましい。
【0027】なお、これらの上記充填材は、シランカッ
プリング剤などで表面処理してあった方が好ましく、ま
た導電性を上げるために、Niなどの金属や黒鉛などの
炭素で表面処理を施したものであってもよい。
【0028】(3)カーボンファイバー(C) 本発明に用いられるCF(C)の原料としては特に制限
はないが、たとえばPAN(アクリロニトリル)系,ピ
ッチ系,セルロース系、その他芳香族系等を挙げること
ができる。また、CF表面をエポキシ化合物やポリウレ
タン樹脂,ポリアミド樹脂などの公知の処理剤で表面処
理したものであってもよい。
【0029】具体的には、平均繊維径が30μm以下の
ものが好ましい。ただし、このCF中、アスペクト比の
平均が10以下のCFの含有量がCF全量の60重量%
以上であり、かつ、アスペクト比の平均が10を超える
CFの含有量が、ウィスカー状無機充填剤(B)および
CF(C)の合計量の25重量%以下であることが好ま
しい。CF全量にアスペクト比の平均が6以下のミルド
CFを用いることがさらに好ましい。CF全量に繊維径
18〜30μmのミルドCFを用いることが最も好まし
い。
【0030】このカーボンファイバー(C)の組成割合
は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重量部
に対して、150〜30重量部とし、120〜40重量
部が好ましい。30重量部未満であると、補強効果が充
分ではなく、また充分な導電性を得ることができない。
また、150重量部を超えると、組成物の混練が困難に
なると同時に、成形した場合異方性が生ずるので寸法精
度上好ましくなく、また原料費も上昇する。
【0031】(4)導電性カーボンブラック(D) 本発明に用いる導電性カーボンブラック(D)として
は、特に制限はないが、たとえばアセチレンブラックや
オイルファーネスブラックなどの高ストラクチャーカー
ボンブラックの粒子を挙げることができる。中でも、粒
度(d50)が100nm以下、窒素比表面積が10〜
5,000m2 /g、DBP吸油量が50cm3 /10
0g以上、950℃での加熱脱着ガスが2%以下のもの
が好ましい。
【0032】この導電性カーボンブラック(D)の組成
割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)100重
量部に対して、40〜0.5重量部とし、20〜1重量
部が好ましい。0.5重量部未満であると、導電性への
効果が充分寄与されず、また40重量部を超えると、組
成物の混練が困難になり、成形時の流動性も悪くなる。
【0033】2.組成物の調製 本発明のPAS樹脂組成物の調製については、特に制限
はないが、たとえば、上記各成分を公知の方法で溶融混
練し、樹脂中に均一に分散・混合することを挙げること
ができる。この場合の混練においては、単軸混練機,二
軸混練機などを用いることができ、混練条件は通常PA
Sの調製の条件を用いることができる。従って、360
℃以上の高温や、極度の高速回転は好ましくない。ま
た、この樹脂組成物には、顔料,熱安定剤,酸化防止
剤,耐候剤,核剤,滑剤,可塑剤などを適量添加しても
よい。さらに他の熱可塑性樹脂を適量加えてもよい。こ
のようにして得られたペレット状の組成物を、熱可塑性
樹脂用の成形機、例えば、射出成形機,圧縮成形機,射
出圧縮成形機を用いて成形することによって、所望の形
状の成形品を得ることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1]ポリアリーレンスルフィド樹脂(出光石油
化学社製 ηapp =500ポイズ)1,800g、ウィ
スカー1(松下アムテック社製 パナテトラ)1,00
0g、ウィスカー2(大塚化学社製 ティスモD10
1)1,000g、CF1(東邦レーヨン社製 ミルド
CF(HTA−40−N/S))1,100g、および
CB(ライオン社製 ケッチェンブラックEC−600
JD)100gをドライブレンドした後、二軸混練機
(東芝機械社製 TEM35)にて、シリンダー温度3
00〜330℃に設定して溶融混練して樹脂組成物を得
た。
【0035】[実施例2]実施例1において、CF1の
代わりにCF3(三井鉱山社製 ミルドCF(M20−
100))1,100gを用いたこと以外は、実施例1
と同様にした。
【0036】
【0037】[実施例3] 実施例1において、ウィスカー1を用いることなく、ウ
ィスカー2を1,000gから1,500gに変え、ま
た、CBを100gから90gに変えたこと以外は、実
施例1と同様にした。
【0038】[実施例4] 実施例1において、ウィスカー1およびウィスカー2の
代わりにウィスカー3(丸尾カルシウム社製 ウィスカ
ルA)1,400gを用い、また、CBを100gから
90gに変えたこと以外は、実施例1と同様にした。
【0039】[実施例5] 実施例1において、ウィスカー1およびウィスカー2の
代わりにウィスカー4(林化成社製 ワラナイト(VM
−8N))1,400gを用い、またCBを100gか
ら90gに変えたこと以外は実施例1と同様にした。
【0040】[比較例1]実施例1において、ウィスカ
ー2の代わりにウィスカー5(大塚化学社製 導電ティ
スモBK−300)1,000gを用い、また、CBを
用いなかったこと以外は実施例1と同様にした。
【0041】[比較例2]実施例1において、ウィスカ
ー1,ウィスカー2およびCBを用いることなく、ま
た、CF1を1,100gから2,100gに変えたこ
と以外は実施例1と同様にした。
【0042】[比較例3]実施例3において、CBを用
いなかったこと以外は、実施例3と同様にした。
【0043】[比較例4]実施例1において、ウィスカ
ー1を1,000gから3,100gに変え、かつウィ
スカー2を用いることなく、またCF1の代わりにCF
4を1,200g用いたこと以外は、実施例1と同様に
した。
【0044】得られた樹脂組成物の物性評価のため、真
円度(μm)、体積抵抗(Ω・cm)、曲げ強度(MP
a)、および曲げ弾性率(GPa)を測定した。各成分
の組成割合と測定結果を表1および表2に示す。なお、
各評価項目の測定は、下記のように行った。
【0045】<真円度の測定>直径60mmφ×高さ1
5mmの円筒形ドラム成形品を射出成形機(日本製鋼所
社製 J50E−P)にて成形し、室温で24時間放置
後の成形品の真円度を、真円度測定機(三豊製作所社製
RA−2)にて測定した。なお、成形品の成形条件
は、樹脂温度340℃、金型温度135℃に設定した。
【0046】<体積固有抵抗の測定>後述の曲げ試験片
の両端を切り落とし、長さ5cmの板を得、その両断面
に銀ペースト(藤倉化成社製 ドータイト)を塗布し、
テスターにて両端の抵抗値を測定した。
【0047】<一般力学的強度の測定>射出成形機(日
本製鋼所社製 J50E−P)にてテストピースを成形
し、ASTM D790に準拠して曲げ試験を行った。
なお、テストピースの成形条件は、樹脂温度320℃、
金型温度135℃に設定した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によっ
て、安定した導電性と高度な寸法精度を有する部品を切
削などの工程を必要とすることなく一度の成形処理で得
ることができるポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が
提供される。すなわち、本発明のポリアリーレンスルフ
ィド樹脂組成物を成形することによって20Ω・cm以
下の導電性、および1/1,000程度の寸法精度を有
する成形品(たとえば、超精密電気・電子部品)を得る
ことができる。さらに得られる成形品は、表面外観およ
び平滑性が良好なため優れた摺動性を有するとともに、
成形品の低コスト化および軽量化を図ることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−268762(JP,A) 特開 昭61−278566(JP,A) 特開 昭58−183750(JP,A) 特開 平5−287200(JP,A) 特公 昭63−63590(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/02 C08K 3/04 C08K 7/06 C08K 7/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A),(B),(C)および
    (D)成分を主要成分として含有し、 カーボンファイバー(C)が、そのカーボンファイバー
    (C)中の、アスペクト比(l/d,l:平均繊維長,
    d:平均繊維径)が10以下のカーボンファイバーの含
    有量がカーボンファイバー(C)全量の60重量%以上
    であり、かつ、そのカーボンファイバー(C)中の、ア
    スペクト比が10を超えるカーボンファイバーの含有量
    が、ウィスカー状無機充填材(B)およびカーボンファ
    イバー(C)の合計量の25重量%以下である ことを特
    徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。 (A):ポリアリーレンスルフィド樹脂; 100重量部 (B):ウィスカー状無機充填材; 200〜30重量部 (C):カーボンファイバー; 150〜30重量部 (D):導電性カーボンブラック; 40〜0.5重量部
  2. 【請求項2】 前記ウィスカー状無機充填材(B)が、
    酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、炭
    酸カルシウムウィスカー、およびワラストナイトよりな
    る群から選ばれる一以上の化合物であることを特徴とす
    る請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記カーボンファイバー(C)の全量
    が、アスペクト比が6以下のミルドカーボンファイバー
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ
    アリーレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記カーボンファイバー(C)の全量
    が、繊維径が18〜30μmのミルドカーボンファイバ
    ーであることを特徴とする請求項1,2または3に記載
    のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
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