JP3045304B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは、表面平滑性が改良され
たポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するもので
ある。
[従来の技術] ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その優れた耐熱
性、耐薬品性、寸法安定性および機械的強度を生かし
て、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料とし
て注目を集めている。例えば、自動車用ランプリフレク
ター等、特に、耐熱性、表面平滑性を要求される分野へ
の適用が期待されている。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱性、機械的強
度が優れた樹脂として知られているが、樹脂単独では、
耐熱性、機械的強度ともに十分ではない。そのため、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂は、繊維状強化材を添加す
ることにより、耐熱性、機械的強度を高めて使用され
る。しかしながら、成形品の表面平滑性は、繊維状強化
材の添加により低下する。
また、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、低コスト
化、低ソリ化を図るため、多量の無機充填剤を添加する
ことが行われている。しかしながら、この処方では、多
量の無機充填剤の影響で、成形品の表面平滑性の低下、
流動性の低下が引き起こされる。
通常、これらの問題点を解決するため、次のような手
段が用いられる。
(1)流動性に優れた低分子のポリフェニレンスルフィ
ド樹脂の使用。
(2)繊維状強化材および/または充填剤の添加量の低
減。
しかし、これらの処方では充分な解決策とはならな
い。
すなわち、(1)の処方の場合、機械的強度が低下す
るうえに、表面平滑性の改良も充分なレベルではない。
また、(2)の処方の場合、繊維状強化材の添加量を低
減すると、機械的強度の低下が、無機充填剤の添加量を
低減すると、耐熱性の低下、成形品のソリの悪化が引き
起こされるうえに、コストが増大する。
このような問題点を有するため、ポリフェニレンスル
フィド樹脂は、自動車用ランプリフレクター等、特に、
耐熱性、表面平滑性を要求される分野への適用がいまだ
実現されていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、限定された流動性を示すポリフェニレンス
ルフィド樹脂に、特定のガラス繊維と球状充填剤を配合
することにより、成形品の表面平滑性に優れたポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物を提供するものである。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、 A.溶融粘度が500〜1500ポイズおよび非ニュートン指数
が1.05〜1.40であるポリフェニレンスルフィド樹脂100
重量部、 B.繊維径が9μm未満のガラス繊維20〜50重量部、 C.球状充填剤80〜120重量部 よりなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物に関するものである。
本発明で使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂
は、有機アミド溶媒中でジハロゲン化芳香族化合物とア
ルカリ金属硫化物とを反応させる方法によって製造する
ことができる。
ここで用いられる有機アミド、ジハロゲン化芳香族化
合物およびアルカリ金属硫化物について説明する。
有機アミドとは、例えば、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチ
ル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等お
よびそれらの混合物が挙げられる。
ジハロゲン化芳香族化合物は、1分子中2個のハロゲ
ン基を有する芳香族化合物を意味し、例えば、p−ジク
ロルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベ
ンゼン、およびそれらの混合物が挙げられるが、p−ジ
クロルベンゼンが好適であり、また構成成分としてp−
ジハロベンゼンが90モル%以上含まれることがより好ま
しい。構成成分として10モル%未満であれば、m−ジク
ロルベンゼン等のm−ジハロベンゼンやo−ジクロルベ
ンゼン等のo−ジハロベンゼン、ジクロルナフタレン、
ジブロモナフタレン、ジクロルジフェニルスルホン、ジ
クロルベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエーテル、
ジクロルジフェニルスルフィド、ジクロルジフェニル、
ジブロモジフェニルおよびジクロルジフェニルスルホキ
シド等のジハロ芳香族化合物を共重合させたり、1分子
中3個のハロゲンを有する芳香族化合物を共重合させ、
分岐および/または橋かけを増大させることも本発明の
目的を逸脱しない範囲で可能である。
また、アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、
硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化
セシウムおよびそれらの混合物が挙げられ、これらは水
和物の形で使用されてもさしつかえない。これらアルカ
リ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩
基、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応させることに
よって得られるが、p−ジハロベンゼンの重合系内への
添加に先立ってその場で調製されても、また、系外で調
製されたものを用いてもさしつかえない。上記アルカリ
金属硫化物中で本発明に使用するのに好ましいものは硫
化ナトリウムである。
本発明の効果を発揮するには、限定した流動性を有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる必要がある。
流動性は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の分子量と架
橋の程度によって変化する。分子量は溶融粘度(η)と
相関があり、架橋の程度は非ニュートン指数(n)で表
すことができる。(ここで、溶融粘度は、300℃、剪断
速度200秒-1のもとで測定した値である。)また、非ニ
ュートン指数は、以下の式によって定義されたものであ
る。
(ここで、は剪断速度(秒-1)、ηは溶融粘度(ポイ
ズ)、τは剪断応力(kg/cm2)、nは非ニュートン指数
を表す。) 本発明で用いるポリフェニレンスルフィド樹脂は、30
0℃、剪断速度200秒-1のもとで測定した溶融粘度が、50
0〜1500ポイズ、好ましくは500〜1000ポイズの範囲にあ
りかつ、そのときの非ニュートン指数が1.05〜1.40の範
囲にある、限定された流動性を示すものである。
溶融粘度が500ポイズ未満の場合には、成形品の靭性
が低下し、1500ポイズを超える場合には、流動性が低下
する。また、非ニュートン指数が小さいと、バリの発生
が大きくなり、この値が大きくなると、流動性が低下す
る。
本発明で、限定した流動性を有するポリフェニレンス
ルフィド樹脂を得る方法としては、先に述べた3個以上
のハロゲンを有する芳香族化合物との共重合、あるい
は、硬化処理による分岐が挙げられる。分岐を行うに
は、重合後のポリフェニレンスルフィド樹脂を融点以下
の温度で加熱処理(硬化)すればよく、加熱温度、加熱
時間、あるいは雰囲気下に存在する酸素の濃度をコント
ロールすることによって、所望の流動性を有するポリフ
ェニレンスルフィド樹脂を得ることができる。以下、硬
化について具体的に説明する。
硬化温度は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の融点以
下の温度、好ましくは150℃以上270℃以下がよい。ま
た、硬化時間は、温度、雰囲気によって影響するが、5
分から50時間、好ましくは30分から15時間がよい。
本発明で使用されるガラス繊維の長さは、溶融混練前
において1〜12mm、好ましくは3〜6mm、また、繊維径
は、9μm未満、好ましくは3〜7μmがよい。繊維長
が1mm未満の場合、ポリフェニレンスルフィド樹脂の補
強効果が小さく、12mmを超える場合、得られた組成物の
成形性にバラつきがみられる場合がある。また、繊維径
が9μm以上の場合、成形品の機械的強度、表面平滑性
が低下する。
本発明で使用されるガラス繊維には、エポキシ系,ウ
レタン系,エポキシ−ウレタン系のバインダーを使用す
ることができる。バインダー量は、ガラス繊維100重量
部に対し0.1〜1.5重量部、好ましくは0.3〜0.7重量部が
よい。バインダー量が0.1重量部未満では、バインダー
の効果が小さくなるとともに、ガラス繊維の収束性が悪
くなるため、ガラス繊維の分散が不均一となり、機械物
性的に問題が生じる場合がある。また、1.5重量部を超
えると、成形時、バインダーの分解によるガス発生量が
多くなり、成形品の機械的強度の低下の原因となるボイ
ドが発生する場合があり、好ましくない。
本発明で使用されるガラス繊維のポリフェニレンスル
フィド樹脂に対する添加量は、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂100重量部に対し、20〜50重量部、好ましくは30
〜40重量部である。この添加量が、20重量部未満の場合
には、成形品の機械的強度、耐熱性が十分でない場合が
あり好ましくない。一方、50重量部を超える場合には、
成形品の表面平滑性の低下がみられる場合がある。
本発明で使用される球状充填剤としては、例えば、炭
酸カルシウム、シリカ、ガラスビーズ、ガラスバルー
ン、フェノール樹脂等が挙げられるが、平均粒子径は10
μm未満のものが好ましい。
本発明で使用される球状充填剤のポリフェニレンスル
フィド樹脂に対する添加量は、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂100重量部に対し、80〜120重量部である。この添
加量が、80重量部未満の場合には、成形品のソリの悪化
がみられるので好ましくない。一方、120重量部を超え
る場合には、成形品の表面平滑性の低下、流動性の低下
がみられる。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、他の強化
材、充填剤、樹脂を添加してもさしつかえない。
ガラス繊維以外の繊維状強化材の例としては、炭素繊
維、アルミナ繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、全
芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カリウム
ウィスカー等が挙げられる。
球状充填剤以外の無機充填剤や有機,無機顔料として
は、例えば、タルク、マイカ、硫酸バリウム、硫酸カル
シウム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベント
ナイト、セリサイト、ゼオライト、ネフェリンシナイ
ト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライ
ト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、
ガラスパウダー、石英、石英ガラス等が挙げられる。
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、芳香族ヒド
ロキシ誘導体、天然ワックス類等の離型剤、シラン系,
チタネート系のカップリング剤、耐熱安定剤、酸化防止
剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発泡剤、防錆剤、イオン
トラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加し
てもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、ポリスチレン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン1
1,ナイロン12,ナイロン46等のポリアミド、ポリブチレ
ンテレフタレート,ポリアリレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィドスル
ホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂等の単独重合体、ランダム、ブロックまたはグラフ
ト共重合体の一種以上を混合して使用することもでき
る。
本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造
方法としては、従来使用されている加熱溶融方法を用い
ることができる。例えば、V−ブレンダー、ヘンシェル
ミキサー等の各種ブレンダーで混合した後、ニーダー、
ミル、一軸または二軸の押出機で加熱溶融混合する方法
が挙げられる。
さらに、得られた組成物は、射出成形機、押出成形
機、トランスファー成形機、圧縮成形機を用いて成形す
ることができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により、本発明の実施について
さらに詳しく説明するが、それらは本発明の範囲をなん
ら制限するものではない。
ポリフェニレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数
(n)および溶融粘度(η)は、キャピラリーレオメタ
ーを用い、内径(D)1mm、長さ(L)60mm、L/D=60の
ダイスを使用し、測定温度300℃で測定した。非ニュー
トン指数は、10から1000(秒-1)の剪断速度に対する剪
断応力をそれぞれ対数プロットした場合の傾きから計算
した。また、剪断速度200(秒-1)における値を溶融粘
度とした。
実施例1 溶融粘度(η)1000ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)100重
量部に対して、ガラス繊維(GF;径6μm,繊維長3mm)30
重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)90重量
部を配合し、二軸押出機を用いて310℃で溶融混練し、
次いで射出成形機によって、ASTM試験片を成形し、物性
値を測定した。
靭性の評価の目安としては、限界圧入代をその目安と
した。限界圧入代はウエルド部を有する成形品の穴に径
dより大きなピンを強制的に挿入した時、5個のサンプ
ルが1個も割れない最大のピン径Dを求め、下式に基づ
き算出した。
限界圧入代=(D−d)/d×100(%) また、成形品の表面平滑性の評価をおこなうために、
径102mm、厚さ3mmの円板を成形し、中心線平均粗さ(R
a)、最大高さ(Rmax)の測定をJIS B0601に準じて行
った。測定は、(株)小坂研究所製 表面粗さ測定器サ
ーフコーダSE−30Dを使用した。試験条件は、次の通り
である。
基準長さ 2.5mm 縦倍率 5000倍 横倍率 20倍 カットオフ値 0.08 触針先端半径 2μm 送り速さ 0.1mm/秒 結果を第1表に示す。
実施例2 溶融粘度(η)1000ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)40重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
110重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試
験片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示
す。
実施例3 溶融粘度(η)500ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるPPS100重量部に対して、GF(径3μm,繊維長
3mm)30重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
90重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試験
片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示す。
実施例4 溶融粘度(η)500ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.05であるPPS100重量部に対して、GF(径3μm,繊維長
3mm)30重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
90重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試験
片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示す。
実施例5 溶融粘度(η)500ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)30重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
70重量部、ガラスビーズ(平均粒子径30μm)20重量部
を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試験片を成形
し、物性値を測定した。結果を第1表に示す。
比較例1 溶融粘度(η)400ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.03であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)30重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
90重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試験
片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示す。
実施例の場合に比較して、靭性評価の目安とした限界圧
入代の低下がみられた。
比較例2 溶融粘度(η)500ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)60重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μm)
40重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、試験
片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示す。
実施例の場合に比較して、限界圧入代の低下がみられ
た。また、実施例の場合に比較して、表面粗さが大きな
値となった。これは、表面平滑性の低下を示す。
比較例3 溶融粘度(η)3000ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.50であるPPS100重量部に対して、GF(径13μm,繊維長
3mm)70重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行
い、試験片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表
に示す。実施例の場合に比較して、表面平滑性の低下が
みられた。
比較例4 溶融粘度(η)500ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.10であるPPS100重量部に対して、炭酸カルシウム(平
均粒子径4.0μm)120重量部を配合し、実施例1と同様
の操作を行い、試験片を成形し、物性値を測定した。結
果を第1表に示す。実施例の場合に比較して、曲げ強度
の低下がみられた。
比較例5 溶融粘度(η)400ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.03であるPPS100重量部に対して、GF(径13μm,繊維長
3mm)100重量部、炭酸カルシウム(平均粒子径4.0μ
m)90重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行い、
試験片を成形し、物性値を測定した。結果を第1表に示
す。実施例の場合に比較して、限界圧入代および表面平
滑性の低下がみられた。
比較例6 溶融粘度(η)600ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.35であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)40重量部、タルク80重量部を配合し、実施例1と
同様の操作を行い、試験片を成形し、物性値を測定し
た。結果を第1表に示す。実施例の場合に比較して、曲
げ強度、限界圧入代および表面平滑性の低下がみられ
た。
比較例7 溶融粘度(η)600ポイズ,非ニュートン指数(n)
1.35であるPPS100重量部に対して、GF(径6μm,繊維長
3mm)40重量部、マイカ80重量部を配合し、実施例1と
同様の操作を行い、試験片を成形し、物性値を測定し
た。結果を第1表に示す。実施例の場合に比較して、曲
げ強度、限界圧入代および表面平滑性の低下がみられ
た。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、限
定された流動性を示すポリフェニレンスルフィド樹脂
に、特定のガラス繊維と球状充填剤を配合することによ
り、機械的強度、靭性、成形品の表面平滑性に優れたポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物が得られる。今後、
自動車用ランプリフレクター等表面平滑性を要求される
分野への応用が期待される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−8247(JP,A) 特開 昭59−204657(JP,A) 特開 昭57−70157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.溶融粘度が500〜1500ポイズおよび非ニ
    ュートン指数が1.05〜1.40であるポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂100重量部、 B.繊維径が9μm未満のガラス繊維20〜50重量部、 C.球状充填剤80〜120重量部 よりなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹
    脂組成物。 (ここで、ポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度と
    非ニュートン指数は、キャピラリーレオメーターを用
    い、内径(D)1mm、長さ(L)60mm、L/D=60のダイス
    を使用し、測定温度300℃で測定した。非ニュートン指
    数は、10〜1000(秒-1)の剪断速度に対する剪断応力を
    それぞれ対数プロットした場合の傾きから計算した。ま
    た、剪断速度200(秒-1)における値を溶融粘度とし
    た。)
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