JP3112082B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは限定された流動性を示す
ポリフェニレンスルフィド樹脂と、ガラス繊維、潤滑成
分からなる樹脂組成物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その優れた耐熱
性、耐薬品性を生かして電気、電子部材、自動車機器部
材として注目を集めている。また、射出成形、押出成形
等により各種成形部品、フィルム、シート、繊維等に成
形可能であり、耐熱性、耐薬品性の要求される分野に幅
広く用いられている。
[従来の技術] 近年、使用環境の多様化によってこれまで汎用エンプ
ラで充足できるとされてきた部品に関してより優れた特
性が要求されるようになった。
例えば、軸受の保持器は成形性、生産性、柔軟性など
の機械的特性、コスト面などからポリアミド樹脂が金属
に代わり広く用いられている。しかしながら高温での連
続使用条件下や油類・酸などの薬品類と常時あるいは間
欠的に接触する条件下では経時的に材料が劣化してしま
い、市場で要求されている性能を充分満たしているとは
言えない。また、モーターギヤ等の歯車は成形性、生産
性、柔軟性などの機械的特性、自己潤滑性、騒音、コス
ト面などからポリアセタール樹脂が金属に代わり広く用
いられている。しかしながら各種部品の軽量化・高密度
化によりエンジン周辺の高温部にプラスチックギヤを使
用しなければならない等、従来の物性では対応できない
場合も出てきた。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱性・耐薬品性
に優れた樹脂として知られてはいるが、樹脂単独では強
度、耐熱性が十分でない。そのためポリフェニレンスル
フィド樹脂は、繊維状物質を添加することにより、強度
・耐熱性を高めて使用される。しかしながら摺動特性は
繊維状物質の添加により低下し、相手材の摩耗を引き起
こす。
一般にフッ素樹脂やシリコーンオイル等の潤滑成分を
添加することにより摺動特性を上げるが、逆に潤滑成分
の添加は製品の強度を低下させる。
また、従来の架橋タイプのPPSでは強化材を添加して
も機械強度が不足したり、高充填のため摺動特性が低下
したりしてこれらの部品に使用することが出来なかっ
た。
近年、直鎖状PPSが開発されその特徴である靱性を生
かし、特開昭64−79419や特開平1−120423に明示され
ているように軸受保持器などの各種部品に使用されてい
る。しかし、直鎖状PPSは架橋型PPSに比べてバリが多い
という欠点がある。バリの発生は例えば軸受保持器の場
合、混入により転動体(鋼球)の摩耗を促進したり、歯
車の場合、相手側の面粗度が低下し、結果として接触音
が大きくなるという現象を引き起こす。
従って、まだ機械強度特に靱性に優れ、摺動特性、バ
リ発生が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を
得るに至っていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、限定された流動性を示すポリフェニレンス
ルフィド樹脂に、特定量のガラス繊維、特定量の潤滑成
分を配合することによって、靱性・摺動特性に優れ、か
つバリが抑制されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明は、300℃で測定した溶融粘度;ηポイズ
と非ニュートン指数;nの関係が、下式 (a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 をすべて満たすポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
部に対して、10〜50重量部のガラス繊維及び1〜20重量
部のテトラフルオロエチレン樹脂、クロロ三フッ化エチ
レン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、
四フッ化エチレン−五フロロプロピレン共重合体、二硫
化モリブデン、シリコンオイルから選ばれる潤滑成分よ
りなることを特徴とする樹脂組成物を提供することにあ
る。
本発明で使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂
は、有機アミド溶媒中でジハロゲン化芳香族化合物とア
ルカリ金属硫化物とを反応させる方法によって製造する
ことができる。
ここで用いられる有機アミド、ジハロゲン化芳香族化
合物およびアルカリ金属硫化物について説明する。
有機アミドとは、例えばN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチ
ル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等お
よびその混合物が挙げられる。
ジハロゲン化芳香族化合物は、1分子中2個のハロゲ
ン基を有する芳香族化合物を意味し、例えば、p−ジク
ロルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベ
ンゼン、およびそれらの混合物が挙げられるがp−ジク
ロルベンゼンが好適であり、構成単位として90モル%以
上含まれることがより好ましい。構成単位として10モル
%未満であればm−ジクロルベンゼン等のm−ジハロベ
ンゼンやo−ジクロルベンゼン等のo−ジハロベンゼン
およびジクロルナフタレン、ジブロモナフタレン、ジク
ロルジフェニルスルホン、ジクロルベンゾフェノン、ジ
クロルジフェニルエーテル、ジクロルジフェニルスルフ
ィド、ジクロルジフェニル、ジブロモジフェニル、ジク
ロルジフェニルスルホキシド等のジハロ芳香族化合物を
共重合させたり、1分子中3個以上のハロゲンを有する
芳香族化合物を共重合させ、分岐および/または橋かけ
を増大させることも本発明の目的を逸脱しない範囲で可
能である。
また、アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、
硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化
セシウムおよびそれらの混合物が挙げられ、これらは水
和物の形で使用されてもさしつかえない。これらアルカ
リ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩
基、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応させることに
よって得られるが、p−ジハロベンゼンの重合系内への
添加に先立ってその場で調製されても、また系外で調製
されたものを用いてもさしつかえない。上記アルカリ金
属硫化物中で本発明に使用するのに好ましいものは硫化
ナトリウムである。
本発明の効果を発揮するには、限定した流動性を有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる必要がある。
流動性は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の分子量と架
橋の程度によって変化する。分子量は溶融粘度(η)と
相関があり、架橋の程度は非ニュートン指数(n)で表
すことができる。(ここで、溶融粘度は、300℃、剪断
速度200(秒-1)のもとで測定した値である。)また非
ニュートン指数は、以下の式によって定義されたもので
ある。
(ここで、γは剪断速度(秒-1)、ηは溶融粘度(ポイ
ズ)、τは剪断応力(kg/cm2)、nは非ニュートン指数
を表す。) そこで、本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹
脂の限定された流動性は、300℃で測定した溶融粘度;
ηポイズと非ニュートン指数;nを用い、以下の式で表す
ことができる。
(a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 上記溶融粘度ηが低すぎると、成形品の強度が不足
し、また高すぎると流動性が悪くなり成形性に問題が出
てくる。また、非ニュートン指数nが小さいとバリの発
生が大きくなり、この値が大きくなると、流動性が悪く
なるという問題を有する。
本発明で、限定した流動性を有するポリフェニレンス
ルフィド樹脂を得る方法としては、先に述べた3個以上
のハロゲンを有する芳香族化合物の共重合、あるいは架
橋を用いればよい。架橋を行うには、重合後のPPSを融
点以下の温度で加熱処理(硬化)すればよく、加熱温
度、加熱時間、あるいは雰囲気下に存在する酸素の濃度
をコントロールすることによって、所望の流動性を有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂を得ることができる。
以下、硬化について具体的に説明する。
硬化温度は、PPSの融点以下の温度、好ましくは150℃
以上270℃以下が良い。
硬化時間は温度、雰囲気によって影響するが、5分か
ら50時間、好ましくは30分から15時間が良い。
本発明で使用されるガラス繊維の長さは、溶融混練前
において1〜12mm、好ましくは3〜6mm、また、繊維径
は、5〜20μm、好ましくは6〜15μmがよい。繊維長
が1mm未満、あるいは繊維径が20μmを超えるような場
合、ポリフェニレンスルフィド樹脂の補強効果が小さ
く、繊維長が12mmを超えるか、あるいは繊維径が5μm
未満であるような場合、得られる組成物の成形性が変化
する場合がある。
また、本発明に使用されるガラス繊維のバインダーに
はウレタン系、エポキシ系又はウレタン−エポキシ併用
系等が挙げられる。特にエポキシ系又はその併用系は高
強度の成形品が得られることから、より好ましい。バイ
ンダーの量はガラス繊維100重量部に対し0.1〜1.5重量
部、好ましくは0.3〜0.7重量部がよい。バインダー量が
0.1重量部未満では、バインダーの効果が小さくなると
ともに、ガラス繊維の収束性が悪くため、ガラス繊維の
分散が不均一となり、機械物性的に問題が生ずる。ま
た、バインダー量が1.5重量部を超えると、成形時、バ
インダーの分解によるガス発生量が多くなり、成形品の
機械強度低下の原因となるボイドが発生するため好まし
くない。
本発明で使用されるガラス繊維のポリフェニレンスル
フィド樹脂に対する添加量は、ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂100重量部に対し、10〜50重量部、好ましくは20
〜35重量部である。この添加量が10重量部未満の場合に
は、成形品の強度・耐熱性が十分でない場合があり好ま
しくない。一方、50重量部を超える場合には、靱性が低
下し、成形時や組み込み時に割れが発生する場合や摺動
特性を低下させる場合がある。
本発明で使用される潤滑成分はテトラフルオロエチレ
ン樹脂(PTFE)、クロロ三フッ化エチレン樹脂、フッ化
ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン
−五フロロプロピレン共重合体、二硫化モリブデン、シ
リコンオイルから選ばれる。このうち、一般に潤滑成分
として知られ、人手の容易なPTFEが適している。粒径は
10〜100μm程度が取扱いが容易である。
潤滑成分の含有量はPPS100重量部に対して1〜20重量
部以内である。20重量部を越えると強度・耐熱性を低下
させるためである。好ましくは5〜15重量部が良い。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、他の強化
材、充填剤、樹脂を配合してもさしつかえない。
ガラス繊維以外の繊維状強化剤の例としては炭素繊
維、アルミナ繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、全
芳香族ポリエステル、金属繊維、チタン酸カリウムウィ
スカー等が挙げられる。
潤滑成分以外の無機充填剤や有機、無機顔料として
は、例えば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パ
イロフェライト、ペントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラス
トナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二
硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラス
パウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等が挙げ
られる。
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、芳香族ヒド
ロキシ誘導体などの離型剤、シラン系、チタネート系の
カップリング剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核
剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃
助剤等を必要に応じて添加してもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、ポリスチレン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン12、ナイロン11、ナイロン46等のポアミド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアリレート等ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィ
ドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、フェノ
キシ樹脂などの単独重合体、ランダムまたはブロック、
グラフト共重合体の一種以上を混合して使用することも
できる。
本発明において、所望の溶融粘度を有するポリフェニ
レンスルフィドにガラス繊維及び潤滑成分を配合する方
法は、一般的な溶融混練方法で良い。例えば、ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂、ガラス繊維をドライブレンドし
た後、押出機で溶融混練しペレットを製造する方法、あ
るいは押出機の異なる供給口からポリフェニレンスルフ
ィド樹脂とガラス繊維を供給し溶融混練後ペレットを製
造する方法、あるいはこれらを組合わせた方法が挙げら
れる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により本発明の実施について更
に詳しく説明するが、それらは本発明の範囲をなんら制
限するものではない。
ポリフェニレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数
(n)及び溶融粘度(η)は、キャピラリーレオメータ
ーを用い、内径(D)1mm,長さ(L)60mm,L/D=60のダ
イスを使用し、測定温度300℃で測定した。非ニュート
ン指数は10から1,000(秒-1)の剪断速度に対する剪断
応力をそれぞれ対数プロットした場合の傾きから計算し
た。また、剪断速度200(秒-1)における値を溶融粘度
とした。
靱性の評価の目安としては限界圧入代をその目安とし
た。限界圧入代はウエルド部を有する成形品の穴に径d
より大きなピンを強制的に挿入した時、5個のサンプル
が1個も割れない最大のピン径Dを求め下式に基づき算
出した。
限界圧入代=(D−d)/d×100(%) 摺動特性の評価としては摩擦係数・比摩耗量をJIS
K−7218 A法に準拠して行った。測定はオリエンテッ
ク社製EFM−III−Fスラスト式試験機を用いた。試験条
件は以下の通りである。
雰囲気温度 23℃ 相手材 S45C円筒 試験荷重 5.0kg/cm2 すべり速度 50cm/sec. すべり距離 30km また、摺動時の強度の目安として限界PV値も測定し
た。試験機・雰囲気温度は上記と同じである。具体的な
条件は以下の通りである。
すべり速度 50cm/sec. 試験荷重 初期試験荷重2.5kg/cm2 10分毎に2.5kg/cm2増加 バリの評価は15μのクリアランスを有する曲げ試験片
金型を用いて良成形品が得られたときのバリの長さを万
能投影器(日本光学工業株式会社製V−12)で測定し
た。
参考例1 本発明の範囲内にある架橋PPSは以下の方法により合
成した。
攪拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにN−
メチル−2−ピロリドン(以後NMPと略す)8,000g及び
硫化ソーダ(純度:Na2S 60.2wt%)17.75モルを仕込
み、窒素気流下攪拌して205℃まで昇温し、390gの水と1
2gのNMPを留去した。系を130℃まで冷却した後、p−ジ
クロルベンゼン17.54モルとNMP950gを加え、2時間かけ
て225℃まで昇温し、225℃にて2時間反応させた後、30
分かけて250℃に昇温して3時間反応させた。
反応終了後、反応物を室温まで冷却し、ポリマーを遠
心分離機により単離した。温水でポリマーを繰返し洗浄
し、100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度560ポ
イズのポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
これを空気中250℃で2時間硬化を行ったところ溶融
粘度4,500ポイズ、非ニュートン指数1.35の架橋型PPSが
得られた。
参考例2 本発明の範囲外にある直鎖状PPSは特開昭61−7332に
開示された方法により製造した。
攪拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNMP8,
250g及び硫化ソーダ5水塩Na2S・5H2O 18.75モルを仕
込み、窒素気流下攪拌して205℃まで昇温し、1,250gの
水と24gのNMPを留去した。この際、0.38モルのNa2SがH2
Sに分解して消失した。系を130℃まで冷却した後、p−
ジクロルベンゼン18.74モルとNMP960gを加え、210℃で1
0時間重合を行った。これに水51.0g(系内の水分量H2S/
Na2S=4.5に調節)を添加し、窒素気流下系を封入し250
℃に昇温10時間重合させた。得られたポリマーの収率は
88%,溶融粘度は2,850ポイズ、非ニュートン指数は1.0
5であった。
参考例3 本発明の範囲内にある未硬化の分岐型PPS樹脂は、以
下の方法により製造した。
攪拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNMP5,
000gおよび硫化ナトリウム(純度:Na2S 60.2wt%)14.
8モルを加え、205℃まで昇温し、380gの水と10gのNMPを
留去した。続いて、p−ジクロルベンゼン14.5モルを加
え、230℃で2時間加熱後、1,2,4−トリクロルベンゼン
0.020モルのNMP200g溶液を圧入ポンプにより添加し、さ
らに250℃で3時間加熱した。反応終了後、反応物を室
温まで冷却し、ポリマーを遠心分離機により単離した。
温水でポリマーを繰返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥す
ることにより、溶融粘度2,600ポイズ、非ニュートン指
数1.32のポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
実施例1 参考例1で得られた本発明の範囲内にある架橋PPS100
重量部に対してガラス繊維(チョップドストランド:繊
維径9μm)28重量部、喜多村社製四フッ化エチレン樹
脂「KTL−600」14重量部を配合し、押出し機により溶融
混練を行いペレットを製造した。このペレットを用いて
成形を行い、限界圧入代、摺動特性及びバリ長を測定し
た。その結果を表−1に示す。
比較例1 本発明の範囲外にあるフィリプス・ペトローリアム・
インターナショナル社製架橋型PPS「ライトンP−4」
(溶融粘度2,200ポイズ、非ニュートン指数1.73)100重
量部に対してガラス繊維28重量部、四フッ化エチレン樹
脂14重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行った。
結果を表−1に示す。
比較例2 参考例2で得られた本発明の範囲外にある直鎖状PPS
重量部に対してガラス繊維28重量部、四フッ化エチレン
樹脂14重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表−1に示す。
実施例2 参考例3で得られた本発明の範囲内にある分岐状PPS1
00重量部に対してガラス繊維28重量部、四フッ化エチレ
ン樹脂14重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表−1に示す。
比較例3 参考例1で得られたPPS100重量部に対してガラス繊維
64重量部、四フッ化エチレン樹脂18重量部を配合し、実
施例1と同様の操作を行った。結果を表−1に示す。
比較例4 四フッ化エチレン樹脂14重量部を配合せず、溶融混練
を行いペレットを製造した以外は実施例1と同様の操作
を行った。結果を表−1に示す。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明は、限定され
た流動性を有するポリフェニレンスルフィド樹脂に特定
量の繊維状強化材、特定量の潤滑成分を配合することに
よって、これまでの架橋型ポリフェニレンスルフィドで
は十分でなかった機械強度・摺動特性を兼ね備えた樹脂
組成物が得られる。さらに、この組成物は直鎖状ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物において問題となってい
たバリの発生が抑えられるという特徴も有しており、軸
受保持器、歯車、プーリー等に代表される各種摺動部品
材料として、自動車・電気電子・機械分野への応用が期
待される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−51944(JP,A) 特開 昭59−51945(JP,A) 特開 昭59−204657(JP,A) 特開 昭63−10661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 27/12 - 27/22 C08K 7/00 - 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】300℃で測定した溶融粘度;ηポイズと非
    ニュートン指数;nの関係が、 下式 (a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 をすべて満たすポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
    部に対して、10〜50重量部のガラス繊維及び1〜20重量
    部のテトラフルオロエチレン樹脂、クロロ三フッ化エチ
    レン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、
    四フッ化エチレン−五フロロプロピレン共重合体、二硫
    化モリブデン、シリコンオイルから選ばれる潤滑成分よ
    りなることを特徴とする樹脂組成物。
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