JP3030462B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JP3030462B2
JP3030462B2 JP2129006A JP12900690A JP3030462B2 JP 3030462 B2 JP3030462 B2 JP 3030462B2 JP 2129006 A JP2129006 A JP 2129006A JP 12900690 A JP12900690 A JP 12900690A JP 3030462 B2 JP3030462 B2 JP 3030462B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
weight
polyphenylene sulfide
resin
sulfide resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2129006A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0425562A (ja
Inventor
哲史 蓬郷
毅彦 坂根
利一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14998827&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3030462(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2129006A priority Critical patent/JP3030462B2/ja
Publication of JPH0425562A publication Critical patent/JPH0425562A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3030462B2 publication Critical patent/JP3030462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳しくは限定された流動性を示す
ポリフェニレンスルフィド樹脂と、炭素繊維、潤滑成分
からなる樹脂組成物に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その優れた耐熱
性、耐薬品性を生かして電気、電子部材、自動車機器部
材として注目を集めている。また、射出成形、押出成形
等により各種成形部品、フィルム、シート、繊維等に成
形可能であり、耐熱性、耐薬品性の要求される分野に幅
広く用いられている。
[従来の技術] 近年、使用環境の多様化によってこれまで汎用エンプ
ラで充足できるとされてきた部品に関してより優れた特
性が要求されるようになった。
例えば、軸受の保持器は成形性、生産性、柔軟性など
の機械的特性、コスト面などからポリアミド樹脂が金属
に代わり広く用いられている。しかしながら高温での連
続使用条件下や油類や酸などの薬品類と常時あるいは間
欠的に接触する条件下では経時的に材料が劣化してしま
い、市場で要求されている性能を充分満たしているとは
言えない。また、モーターギヤ等の歯車は成形性、生産
性、柔軟性などの機械的特性、自己潤滑性、騒音、コス
ト面などからポリアセタール樹脂が金属に代わり広く用
いられている。しかしながら各種部品の軽量化・高密度
化によりエンジン周辺の高温部にプラスチックギヤを使
用しなければならない等、従来の物性では対応できない
場合も出てきた。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱性・耐薬品性
に優れた樹脂として知られてはいるが、樹脂単独では強
度、耐熱性が十分でない。そのためポリフェニレンスル
フィド樹脂は、繊維状物質を添加することにより、強度
・耐熱性を高めて使用される。しかしながら繊維状物質
の代表例であるガラス繊維による補強では高充填の場合
強度は向上するものの摺動特性は低下、相手材の磨耗を
引き起こす。逆に摺動特性を向上させようとしてガラス
繊維の含有量を少なくすると強度が低下し製品の形状、
使用環境が限定される。
一般にフッ素樹脂やシリコーンオイル等の潤滑成分を
添加することにより摺動特性をより向上させるが、逆に
潤滑成分の添加は製品の強度を低下させる。
また、従来の架橋タイプのPPSでは強化材を添加して
も機械強度が不足したり、高充填のため摺動特性が低下
したりしてこれらの部品に使用することが出来なかっ
た。
近年、直鎖状PPSが開発されその特徴である靭性を生
かし、特開昭64−79419や特開平1−120423に開示され
ているように軸受保持器などの各種部品に使用されてい
る。しかし、直鎖状PPSは架橋型PPSに比べてバリが多い
という欠点がある。バリの発生は例えば軸受保持器の場
合、混入により転動体(鋼球)の磨耗を促進したり、歯
車の場合、相手側の面粗度が低下し、結果として接触音
が大きくなるという現象を引き起こす。
従って、まだ機械強度特に靭性に優れ、摺動特性、バ
リ発生が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を
得るに至っていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、限定された流動性を示すポリフェニレンス
ルフィド樹脂に、特定量の炭素繊維、場合により特定量
の潤滑成分を配合することによって、靭性・摺動特性に
優れ、かつバリが抑制されたポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明は、300℃で測定した溶融粘度;ηポイズ
と非ニュートン指数;nの関係が、下式 (a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 をすべて満たすポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
部に対して、10〜40重量部の炭素繊維よりなることを特
徴とする樹脂組成物及び上記の物性を有するポリフェニ
レンスルフィド樹脂100重量部に対して、10〜60重量部
の炭素繊維及び1〜20重量部の潤滑成分よりなることを
特徴とする樹脂組成物を提供することにある。
本発明で使用されるポリフェニレンスルフィド樹脂
は、有機アミド溶媒中でジハロゲン化芳香族化合物とア
ルカリ金属硫化物とを反応させる方法によって製造する
ことができる。
ここで用いられる有機アミド、ジハロゲン化芳香族化
合物およびアルカリ金属硫化物について説明する。
有機アミドには、例えばN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチ
ル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等お
よびその混合物が挙げられる。
ジハロゲン化芳香族化合物は、1分子中2個のハロゲ
ン基を有する芳香族化合物を意味し、例えば、p−ジク
ロルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベ
ンゼン、およびそれらの混合物が挙げられるがp−ジク
ロルベンゼンが好適であり、構成単位として、90モル%
以上含まれることがより好ましい。また、構成単位とし
て10モル%未満であればm−ジクロルベンゼン等のm−
ジハロベンゼンやo−ジクロルベンゼン等のo−ジハロ
ベンゼンおよびジクロルナフタレン、ジブロモナフタレ
ン、ジクロルジフェニルスルホン、ジクロルベンゾフェ
ノン、ジクロルジフェニルエーテル、ジクロルジフェニ
ルスルフィド、ジクロルジフェニル、ジブロモジフェニ
ル、ジクロルジフェニルスルホキシド等のジハロ芳香族
化合物を共重合させたり、1分子中3個以上のハロゲン
を有する芳香族化合物を共重合させ、分岐および/また
は橋かけを増大させることも本発明の目的を逸脱しない
範囲で可能である。
また、アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウム、
硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化
セシウムおよびそれらの混合物が挙げられ、これらは水
和物の形で使用されてもさしつかえない。これらアルカ
リ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩
基、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応させることに
よって得られるが、p−ジハロベンゼンの重合系内への
添加に先立ってその場で調製されても、また系外で調製
されたものを用いてもさしつかえない。上記アルカリ金
属硫化物中で本発明に使用するのに好ましいものは硫化
ナトリウムである。
本発明の効果を発揮するには、限定した流動性を有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂を用いる必要がある。
流動性は、ポリフェニレンスルフィド樹脂の分子量と架
橋の程度によって変化する。分子量は溶融粘度(η)と
相関があり、架橋の程度は非ニュートン指数(n)で表
すことができる。(ここで、溶融粘度は、300℃、せん
断速度200(秒−1)のもとで測定した値である。)ま
た非ニュートン指数は、以下の式によって定義されたも
のである。
(ここで、γは剪断速度(秒−1)、ηは溶融粘度(ポ
イズ)、τは剪断応力(kg/cm2)、nは非ニュートン指
数を表す。) そこで、本発明で用いるポリアリーレンスルフィド樹
脂の限定された流動性は、300℃で測定した溶融粘度;
ηポイズと非ニュートン指数;nを用い、以下の式で表す
ことができる。
(a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 上記溶融粘度ηが低すぎると、成形品の強度が不足
し、また高すぎると流動性が悪くなり成形性に問題が出
てくる。また、非ニュートン指数nが小さいとバリの発
生が大きくなり、この値が大きくなると、流動性が悪く
なるという問題を有する。
本発明で、限定した流動性を有するポリフェニレンス
ルフィド樹脂を得る方法としては、先に述べた3個以上
のハロゲンを有する芳香族化合物の共重合、あるいは架
橋を用いればよい。架橋を行うには、重合後のPPSを融
点以下の温度で加熱処理(硬化)すればよく、加熱温
度、加熱時間、あるいは雰囲気下に存在する酸素の濃度
をコントロールすることによって、所望の流動性を有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂を得ることができる。
以下、硬化について具体的に説明する。
硬化温度は、PPSの融点以下の温度、好ましくは150℃
以上270℃以下が良い。
硬化時間は温度、雰囲気によって影響するが、5分か
ら50時間、好ましくは30分から15時間が良い。
炭素繊維は原料がPAN系、ピッチ系いずれをも問わな
いが、一般に摺動特性が良好であると言われるピッチ系
が好ましい。本発明で使用される炭素繊維の長さは、溶
融混練前において1〜12mm、好ましくは3〜6mm、ま
た、繊維径は、2〜20μm、好ましくは3〜10μmがよ
い。繊維長が1mm未満、あるいは繊維径が20μmを超え
るような場合、ポリフェニレンスルフィド樹脂の補強効
果が小さく、繊維長が12mmを超えるか、あるいは繊維径
が2μm未満であるような場合、得られる組成物の成形
性が変化する場合がある。
本発明で使用される炭素繊維のポリフェニレンスルフ
ィド樹脂に対する添加量は潤滑成分を添加しない場合、
ポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し、10〜4
0重量部、好ましくは20〜35重量部である。この添加量
が10重量部未満の場合には、成形品の強度・耐熱性が十
分でない場合があり好ましくない。一方、40重量部を超
えると合には、靭性が低下し、成形時や組み込み時に割
れが発生する場合や摺動特性を低下させる場合がある。
炭素繊維自体にも潤滑作用はあるが、使用環境によ
り、特に優れた摺動特性が必要な場合一般に公知の潤滑
成分を添加する必要がある。
本発明で使用される潤滑成分はテトラフルオロエチレ
ン樹脂(PTFE)、クロロ三フッ化エチレン樹脂、フッ化
ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン
−五フロロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂、二硫化
モリブデン、シリコンオイル等が挙げられる。このう
ち、一般に潤滑成分として知られ、入手の容易なPTFEが
適している。粒径は10〜100μm程度が取扱いが容易で
ある。
潤滑成分の含有量はPPS100重量部に対して1〜20重量
部以内である。20重量部を越えると強度・耐熱性を低下
させるためである。さらに好ましくは15重量部以内が良
い。またこの時、添加する炭素繊維の量はポリフェニレ
ンスルフィド樹脂100重量部に対し、10〜60重量部、好
ましくは20〜45重量部まで増加させることができる。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、他の強化
材、充填材、樹脂を配合してもさしつかえない。
炭素繊維以外の繊維状強化剤の例としてはガラス繊
維、アルミナ繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、全
芳香族ポリエステル、金属繊維、チタン酸カリウムウィ
スカー等が挙げられる。
潤滑成分以外の無機充填材や有機、無機顔料として
は、例えば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パ
イロフェライト、ペントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、ネフェリンシナイト、アタパルジャイト、ウォラス
トナイト、フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二
硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラスビーズ、ガラス
パウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等が挙げ
られる。
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、芳香族ヒド
ロキシ誘導体などの離型剤、シラン系、チタネート系の
カップリング剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、結晶核
剤、発泡剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃
助剤等を添加してもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン、ポリスチレン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸
エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニ
トリル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン12、ナイロン11、ナイロン46等のポアミド、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアリレート等ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィ
ドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、フェノ
キシ樹脂などの単独重合体、ランダムまたはブロック、
グラフト共重合体の一種以上を混合して使用することも
できる。
本発明において、所望の溶融粘度を有するポリフェニ
レンスルフィドに炭素繊維及び潤滑成分を配合する方法
は、一般的な溶融混練方法で良い。例えば、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂、炭素繊維をドライブレンドした
後、押出機で溶融混練しペレットを製造する方法、ある
いは押出機の異なる供給口からポリフェニレンスルフィ
ド樹脂と炭素繊維を供給し溶融混練後ペレットを製造す
る方法、あるいはこれらを組合わせた方法が挙げられ
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例により本発明の実施について更
に詳しく説明するが、それらは本発明の範囲をなんら制
限するものではない。
ポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度;ηは、高
化式フローテスター(ダイス:内径0.5mm,長さ2.0mm;荷
重:10kg)を用い、で測定した値である。
ポリフェニレンスルフィド樹脂の非ニュートン指数
(n)及び溶融粘度(η)は、キャピラリーレオメータ
ーを用い、内径(D)1mm,長さ(L)60mm,L/D=60のダ
イスを使用し、測定温度300℃で測定した。非ニュート
ン指数は10から1,000(秒−1)の剪断速度に対する剪
断応力をそれぞれ対数プロットした場合の傾きから計算
した。また、剪断速度200(秒−1)における値を溶融
粘度とした。
靭性の評価の目安としては限界圧入代をその目安とし
た。限界圧入代はウエルド部を有する成形品の穴に径d
より大きなピンを強制的に挿入した時、5個のサンプル
が1個も割れない最大のピン径Dを求め下式に基づき算
出した。
限界圧入代=(D−d)/d×100(%) 摺動特性の評価としては摩擦係数・比磨耗量をJIS K
−7218 A法に準拠して行った。測定はオリエンテック社
製EFM−III−スラスト式試験機を用いた。試験条件は以
下の通りである。
雰囲気温度 23℃ 相手材 S45C円筒 試験荷重 5.0kgf/cm2 すべり速度 50cm/sec. すべり距離 30km また、摺動時の強度の目安として限界PV値も測定し
た。試験機・雰囲気温度は上記と同じである。具体的な
条件は以下の通りである。
すべり速度 50cm/sec. 試験荷重 初期試験荷重5.0kgf 10分毎に5.0kgf増加 バリの評価は15μのクリアランスを有する曲げ試験片
金型を用いて良成形品が得られたときのバリの長さを万
能投影器(日本光学工業株式会社製V−12)で測定し
た。
参考例1 本発明の範囲内にある架橋PPSは以下の方法により合
成した。
攪拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにN−
メチル−2−プロリドン(以後NMPと略す)8000g及び硫
化ソーダ(純度:Na2S 60.2wt%)17.75モルを仕込み、
窒素気流下撹拌して205℃まで昇温し、390gの水と12gの
NMPを留去した。系を130℃まで冷却した後、p−ジクロ
ルベベンゼン17.54モルとNMP950gを加え、2時間かけて
225℃まで昇温し、225℃にて2時間反応させた後、30分
かけて250℃に昇温して3時間反応させた。
反応終了後、反応物を室温まで冷却し、ポリマーを遠
心分離機により単離した。温水でポリマーを繰返し洗浄
し、100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度560ポ
イズのポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
これを空気中250℃で2時間硬化を行ったところ溶融
粘度4500ポイズ、非ニュートン指数1.35の架橋型PPSが
得られた。
参考例2 本発明の範囲外にある直鎖状PPSは特開昭61−7332に
開示された方法により製造した。
攪拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNMP82
50g及び硫化ソーダ5水塩Na2S・5H2O 18.75モルを仕込
み、窒素気流下撹拌して205℃まで昇温し、1250gの水と
24gのNMPを留去した。この際、0.38モルのNa2SがH2Sに
分解して消失した。系を130℃まで冷却した後、p−ジ
クロベンゼン18.74モルとNMP960gを加え、210℃で10時
間重合を行った。これに水51.0g(系内の水分量H2S/Na
2S=4.5に調節)を添加し、窒素気流下系を封入し250℃
に昇温10時間重合させた。得られたポリマーの収率は88
%,溶融粘度は2850ポイズ、非ニュートン指数は1.05で
あった。
参考例3 本発明の範囲内にある未硬化の分岐型PPS樹脂は、以
下の方法により製造した。
撹拌機を装備する内容積15LのオートクレーブにNMP50
00gおよび硫化ナトリウム(純度:Na2S 60.2wt%)14.8
モルを加え、205℃まで昇温し、380gの水と10gのNMPを
留去した。続いて、p−ジクロルベンゼン14.5モルを加
え、230℃で2時間加熱後、1,2,4−トリクロルベンゼン
0.020モルのNMP200g溶液を圧入ポンプにより添加し、さ
らに250℃で3時間加熱した。反応終了後、反応物を室
温まで冷却し、ポリマーを遠心分離機により単離した。
温水でポリマーを繰返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥す
ることにより、溶融粘度2600ポイズ、非ニュートン指数
1.32のポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
実施例1 参考例1で得られた本発明の範囲内にある架橋PPS100
重量部に対して炭素繊維(短繊維:長さ3mm)28重量部
を配合し、押出し機により溶融混練を行いペレットを製
造した。このペレットを用いて成形を行い、限界圧入
代、摺動特性及びバリ長を測定した。その結果を表−1
に示す。
比較例1 本発明の範囲外にあるフィリプス・ペトローリアム・
インターナショナル社製架橋型PPS「ライトンP−4」
(溶融粘度2200ポイズ、非ニュートン指数1.73)100重
量部に対して炭素繊維28重量部を配合し、実施例1と同
様の操作を行った。結果を表−1に示す。
比較例2 参考例2で得られた本発明の範囲外にある直鎖状PPS1
00重量部に対して炭素繊維28重量部を配合し、実施例1
と同様の操作を行った。結果を表−1に示す。
実施例2 参考例3で得られた本発明の範囲内にある分岐状PPS1
00重量部に対して炭素繊維28重量部を配合し、実施例1
と同様の操作を行った。結果を表−1に示す。
比較例3 参考例1で得られたPPS100重量部に対してガラス繊維
28重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行った。結
果を表−1に示す。
比較例4 参考例1で得られたPPS100重量部に対して炭素繊維70
重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行った。結果
を表−1に示す。
実施例3 参考例1で得られたPPS100重量部に対して炭素繊維28
重量部、喜多村社製四フッ化エチレン樹脂「KTL−600」
14重量部を配合し、実施例1と同様の操作を行った。結
果を表−1に示す。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明は、限定され
た流動性を有するポリフェニレンスルフィド樹脂に特定
量の炭素繊維、特定量の潤滑成分を配合することによっ
て、これまでの架橋型ポリフェニレンスルフィドでは十
分でなかった機械強度・摺動特性を兼ね備えた樹脂組成
物が得られる。さらに、この組成物は直鎖状ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物において問題となっていたバ
リの発生が抑えられるという特徴も有しており、軸受保
持器、歯車、プーリー等に代表される各種摺動部品材料
として、自動車・電気電子・機械分野への応用が期待さ
れる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−204657(JP,A) 特開 昭63−301258(JP,A) 特開 昭60−228558(JP,A) 特開 平2−294331(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08K 7/02 - 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】300℃で測定した溶融粘度;ηポイズと非
    ニュートン指数;nの関係が、下式 (a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦1ogη (c)1.1≦n≦1.6 をすべて満たすポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
    部に対して、10〜40重量部の炭素繊維よりなることを特
    徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】300℃で測定した溶融粘度;ηポイズと非
    ニュートン指数;nの関係が、下式 (a)2.5n−1.0≦logη≦2.5n+0.3 (b)2.9≦logη (c)1.1≦n≦1.6 をすべて満たすポリフェニレンスルフィド樹脂100重量
    部に対して、10〜60重量部の炭素繊維及び1〜20重量部
    の潤滑成分よりなることを特徴とする樹脂組成物。
JP2129006A 1990-05-21 1990-05-21 樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3030462B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2129006A JP3030462B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2129006A JP3030462B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0425562A JPH0425562A (ja) 1992-01-29
JP3030462B2 true JP3030462B2 (ja) 2000-04-10

Family

ID=14998827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2129006A Expired - Fee Related JP3030462B2 (ja) 1990-05-21 1990-05-21 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3030462B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0425562A (ja) 1992-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0319300B1 (en) Method of producing a polyphenylene sulfide composition
EP0308836A2 (en) Enhanced melt extrusion of thermoplastics containing silicone interpenetrating polymer networks
US6545075B2 (en) Thermoplastic resin composition
JP3112082B2 (ja) 樹脂組成物
JP3030462B2 (ja) 樹脂組成物
JP2505584B2 (ja) 歯車成形品
EP0575089B1 (en) Ductile poly(arylene sulfide) resin compositions
JP2757339B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP3045304B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2010281348A (ja) 樹脂製軸受
JP7234666B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JP2769207B2 (ja) 転がり軸受用保持器
JP3501165B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物
JPH0987533A (ja) 摺動部材組成物
JP3053211B2 (ja) ポリアリ―レンサルファイド樹脂組成物
JP2003253119A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2550088B2 (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂系摺動部材料
JP5103798B2 (ja) 軸受用樹脂組成物
JP5071133B2 (ja) モーター用軸受
JP2003268234A (ja) 軸受け用樹脂組成物およびそれを用いた軸受け
JPH01120423A (ja) 転がり軸受用保持器材
JP2525490B2 (ja) 軸受用プラスチック保持器
JP3118936B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP3815799B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および光反射用成形品
WO2020235443A1 (ja) 射出成形用ポリアミド系樹脂組成物、及びそれからなる摺動部品

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees