JP3216241B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JP3216241B2 JP17499092A JP17499092A JP3216241B2 JP 3216241 B2 JP3216241 B2 JP 3216241B2 JP 17499092 A JP17499092 A JP 17499092A JP 17499092 A JP17499092 A JP 17499092A JP 3216241 B2 JP3216241 B2 JP 3216241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靭性、高温での長期機
械的安定性及び耐熱性に優れ、かつ成形温度で発生する
ガス量の少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィドは、耐熱性、
難燃性、耐溶剤性、成形性、電気特性などに優れた性質
を示す高性能樹脂として知られており、近年、電気・電
子部品や自動車部品などの用途において広く使用されて
いる。しかし、ポリフェニレンスルフィドはナイロン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アセタール等のエンジニアリングプラスチックと比較す
ると延性に乏しく、脆弱であるといった重大な欠点を有
している。そのため、多くの用途への適用が制限されて
いる。
【0003】従来、ポリフェニレンスルフィドの靭性や
耐衝撃特性を改良するための技術として、柔軟性ポリマ
ーをブレンドすることは良く行われている。例えば、ポ
リフェニレンスルフィド樹脂に重合体ゴムを含有させる
方法(特開昭60−120753号公報等)が開示され
ている。しかし、柔軟性ポリマーをブレンドするだけで
は衝撃特性の改良効果は不充分である。
【0004】そこで、さらに衝撃特性を改良するため
に、ポリフェニレンスルフィドと柔軟性ポリマーとの界
面の付着性を改善させた組成物が開示されている。例え
ば、ポリフェニレンスルフィド樹脂にエチレン−メタク
リル酸グリシジル共重合体を含有させる方法(特開昭5
8−154757号公報等)やアミノ基及び/又はアミ
ド基含有ポリフェニレンスルフィドにエポキシ基含有オ
レフィン系共重合体やカルボキシル基含有オレフィン系
共重合体を配合せしめてなる組成物(特開昭61−20
7462号公報)が開示されている。しかしながら、前
記公報記載の組成物のように従来のエポキシ基(例え
ば、メタクリル酸グリシジル)や不飽和カルボン酸又は
その無水物を含有する柔軟性ポリマーを使用した場合、
衝撃特性の改良効果が得られるものの、成形温度で発生
するガス量の増加や高温での長期機械的安定性が劣る
(高温下に長時間放置した後の靭性や強度の減少率が大
きい)という問題点を有しており、高温での長期機械的
安定性が劣ることにより使用される用途が制限され、ま
た、成形温度で発生するガス量が多いと成形品の表面外
観の悪化及び機械的性質の低下が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、靭性
や耐熱性を保持しながら成形温度で発生するガス量を低
減し、かつ高温での長期機械的安定性に優れた樹脂組成
物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬化前及び後
の溶融粘度を調整し、さらにアミノ基により変性された
特定のポリフェニレンスルフィド樹脂に、特定のエポキ
シ化合物を共重合したポリエチレン系共重合体を配合し
た樹脂組成物に関するものである。
【0007】すなわち本発明は、(A)硬化前の溶融粘
度が400ポイズ以上で、加熱硬化後の溶融粘度が50
0〜30000ポイズであり、かつフェニレンスルフィ
ド単位あたりアミノ基を0.05〜5モル%含有するポ
リフェニレンスルフィド60〜99.5重量%、及び
(B)下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を
0.5〜30重量%共重合したポリエチレン系共重合体
40〜0.5重量%とからなることを特徴とするポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物である。
【0008】
【化2】 (R、R、Rは水素原子又は炭素数1〜12の炭
化水素基、mは1〜4の整数である)本発明で使用され
るアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドのアミノ基の
含有量は、フェニレンスルフィド単位あたり0.05〜
5モル%が好ましい。特に好ましくは0.1〜3モル%
である。ポリフェニレンスルフィドのアミノ基含有量が
0.05モル%未満では、ポリフェニレンスルフィドに
アミノ基を含有させた効果が少なく、また5モル%を超
えると機械的強度の低下が見られ、好ましくない。
【0009】本発明に使用されるアミノ基含有ポリフェ
ニレンスルフィドは、硬化前の溶融粘度(測定温度30
0℃、荷重10kgの条件下、直径0.5mm、長さ2
mmのダイスを用いて高化式フローテスターで測定)が
400ポイズ以上、特に好ましくは500ポイズ以上で
あり、加熱硬化後の溶融粘度は500〜30000ポイ
ズ、特に好ましくは1000〜20000ポイズであ
る。加熱硬化前の溶融粘度が400ポイズ未満や加熱硬
化後の溶融粘度が500ポイズ未満であると靭性の改良
効果が乏しく、また加熱硬化後の溶融粘度が30000
ポイズを超えると成形加工がしづらくなる恐れがある。
【0010】本発明で使用されるアミノ基含有ポリフェ
ニレンスルフィドの製造方法は、特に限定されるもので
はないが、好ましい製造方法として、有機アミド溶媒中
でアルカリ金属硫化物とジハロベンゼンとを反応させる
際に、アミノ基含有芳香族ハロゲン化物を共存させて重
合する方法が挙げられる。
【0011】アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウ
ム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、
硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは
水和物の形で使用されてもさしつかえない。これらアル
カリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属
塩基とを反応させることによって得られるが、ジハロベ
ンゼンの重合系内への添加に先立ってその場で調製され
ても、また系外で調製されたものを用いてもさしつかえ
ない。
【0012】さらに、本発明に使用されるアミノ基含有
ポリフェニレンスルフィドは、その構成単位として、
【0013】
【化3】 を70モル%以上、好ましくは90モル%以上含有して
いるものが好ましい。
【0014】また、構成単位が30モル%未満、好まし
くは10モル%未満であれば、下記に示されるm−フェ
ニレンスルフィド単位,
【0015】
【化4】 o−フェニレンスルフィド単位、
【0016】
【化5】 フェニレンスルフィドスルホン単位、
【0017】
【化6】 フェニレンスルフィドケトン単位、
【0018】
【化7】 フェニレンスルフィドエーテル単位、
【0019】
【化8】 ジフェニレンスルフィド単位、
【0020】
【化9】 等の共重合単位を含有していてもさしつかえない。
【0021】また、アミノ基含有芳香族ハロゲン化物
は、一般式
【0022】
【化10】 (Xはハロゲン、Yは水素、−NH基又はハロゲン、
Rは炭素数1〜12の炭化水素基、nは0〜4の整数で
ある)で示される化合物である。
【0023】その若干の例としては、m−フルオロアニ
リン、m−クロルアニリン、3,5−ジクロルアニリ
ン、3,5−ジアミノクロルベンゼン、2−アミノ−4
−クロルトルエン、2−アミノ−6−クロルトルエン、
4−アミノ−2−クロルトルエン、3−クロル−m−フ
ェニレンジアミン、m−ブロムアニリン、3,5−ジブ
ロムアニリン、m−ヨードアニリン及びそれらの混合物
が挙げられる。特に3,5−ジアミノクロルベンゼンと
3,5−ジクロルアニリンが好ましい。
【0024】また、ジハロベンゼンとしては、p−ジク
ロルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベ
ンゼン、m−ジクロルベンゼン、m−ジブロモベンゼ
ン、m−ジヨードベンゼン、1−クロル−4−ブロモベ
ンゼンなどが挙げられる。
【0025】また、アルカリ金属硫化物及び(ジハロベ
ンゼン+アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)の仕込量
は、モル比で(アルカリ金属硫化物):(ジハロベンゼ
ン+アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)=1.00:
0.90〜1.10の範囲とすることが好ましい。
【0026】重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、
特に非プロトン性で高温でアルカリに対して安定な有機
アミドが好ましい溶媒である。有機アミドの若干の例と
しては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−
メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、テトラメチル尿素等及びその混合物が挙げられる。
【0027】また、溶媒として使用される有機アミドの
量は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3
500重量%、好ましくは250〜1500重量%とな
る範囲で使用することができる。重合は200〜300
℃、好ましくは220〜280℃にて0.5〜30時
間、好ましくは1〜15時間撹拌下に行われる。
【0028】得られた重合体は、熱水による処理や酸処
理を施されたのち洗浄することも可能である。
【0029】上記の方法によって得られた重合体は、酸
素雰囲気下及び/又は不活性ガスでの加熱処理、又は過
酸化物等を添加しての加熱処理により硬化させ、重合度
を上げることができる。例えば、空気雰囲気下、温度範
囲200〜280℃で1〜24時間処理することにより
行われる。ここで、非酸化性の不活性ガスとしては、ヘ
リウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素、水蒸気等又はこ
れらの混合物が挙げられるが、経済的見地からすれば窒
素が好ましい。
【0030】本発明で使用されるポリエチレン系共重合
体は、ポリエチレンに特定のエポキシ化合物を0.5〜
30重量%共重合させたものである。
【0031】本発明において使用されるポリエチレンと
は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンの少なく
とも1つを指し、好ましくは低密度ポリエチレンであ
る。
【0032】また、特定のエポキシ化合物とは、一般式
(1)で示される化合物である。ポリエチレン系共重合
体におけるエポキシ化合物の共重合量は0.5〜30重
量%、特に3〜20重量%が好ましく、0.5重量%未
満では目的とする改良効果が得られず、30重量%を越
えるとポリフェニレンスルフィド樹脂との溶融混練時に
ゲル化を生じ、成形性及び機械的性質などが低下するた
め好ましくない。
【0033】このエポキシ化合物をポリエチレンに共重
合する方法としては、ポリエチレン、エポキシ化合物及
び過酸化物のようなラジカル発生剤を混合し、溶融押出
法で共重合する方法、適当な溶媒中に懸濁又は溶解した
ポリエチレンにエポキシ化合物及びラジカル開始剤を添
加し、加熱することによって共重合する方法等の公知の
方法が挙げられる。
【0034】上記ポリエチレン系共重合体の配合量は
0.5〜40重量%、特に5〜30重量%が好ましく、
0.5重量%未満では靭性の改良効果が得られず、40
重量%を越えるとポリフェニレンスルフィド樹脂自体の
優れた耐熱性や耐溶剤性が低下するため好ましくない。
【0035】本発明の樹脂組成物は、公知の種々の方法
で製造可能である。原料の樹脂は、乾燥粉体のまま予め
タンブラー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボン
ブレンダー等のような混合機で混合したり、あるいはこ
れをさらに熱処理によって硬化したものを用いる。この
ように調製した乾燥粉体又はペレットをブレンダー等に
おいて混合し、用いた樹脂をさらに溶融混合することに
より樹脂組成物を製造する。また、原料の樹脂を別々に
溶融混合機に供給し、溶融混合して樹脂組成物を製造し
てもよい。溶融混合は、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、押出機等で250〜350℃の温度で溶融混練する
等の方法により可能である。特に制限はないが、操作性
を考慮すると押出機を用いるのが好ましい。
【0036】なお、本発明の樹脂組成物に対して、本発
明の目的を損なわない範囲で、従来公知の繊維状及び無
機粉末状充填剤、すなわちガラス繊維、炭素繊維、シリ
カ繊維、アルミナ繊維、炭化硅素繊維、ジルコニア繊
維、チタン酸カルシウム繊維、ウォラストナイト、硫酸
カルシウム繊維、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル
繊維などの繊維状充填剤や、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、タルク、マイカ、クレイ、シリカ、アルミ
ナ、カオリン、ゼオライト、石膏、硅酸カルシウム、硅
酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、カーボンブラック、黒鉛、酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化銅、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバ
ルーン、石英、石英ガラス等の無機充填剤を配合するこ
ともできる。また、これらの充填剤は2種以上を併用す
ることも可能であり、さらに必要によりシラン系及びチ
タン系等のカップリング剤で予備処理して使用すること
もできる。
【0037】さらに、本発明の樹脂組成物は、本発明の
目的を損なわない範囲で、従来公知の離型剤、滑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、染
料,顔料などの着色剤、帯電防止剤などの添加剤、ワッ
クスや少量の他種のポリマーを1種以上併用してもよ
い。
【0038】該添加物の添加方法は、任意の方法をとる
ことができる。例えば、組成物の形成前又は形成中に個
々の樹脂に添加する方法、組成物の形成後に、あるいは
組成物を融解する際に添加する方法等がある。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0040】参考例1(アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドの合成1) 15lオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン
(以下、NMPと略す)を5l仕込み、120℃に昇温
した後、NaS・2.8HO 1866gを仕込
み、約2時間かけて攪拌しながら徐々に205℃まで昇
温して、水を407g留出させた。この系を140℃ま
で冷却した後、p−ジクロルベンゼンを2080g加え
て、225℃に昇温し、3時間重合させた後、250℃
に昇温した。温度が250℃に達したときに、NMP5
0mlに3,5−ジアミノクロルベンゼン20.2g
(p−ジクロルベンゼンと3,5−ジアミノクロルベン
ゼンの合計量に対して約1モル%添加)を溶かした溶液
を系内に圧入し、さらに250℃にて3時間重合した。
【0041】重合終了後、室温まで冷却したスラリーを
一部サンプリングし、瀘別して、瀘液中に残存する未反
応の3,5−ジアミノクロルベンゼンをガスクロマトグ
ラフィー(島津製作所製 GC−12A)で測定した。
3,5−ジアミノクロルベンゼンの転化率は38%であ
った。また、残りのスラリーは大量の水中に投入してポ
リマーを析出させ、瀘別、純水による洗浄を行った後、
一晩加熱真空乾燥を行うことによりポリマーを単離し
た。得られたPPSの溶融粘度(ダイス;直径0.5m
m,長さ2mm、300℃、10kg荷重で高化式フロ
ーテスターにより測定した)は500ポイズであった。
さらに、このポリマーを空気雰囲気下、235℃で2時
間加熱硬化させ、溶融粘度8000ポイズのポリマーを
得た。このようにして得られたポリフェニレンスルフィ
ドをPPS−Aとする。
【0042】参考例2(アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドの合成2) p−ジクロルベンゼン2080g、3,5−ジクロルア
ニリン22.9g(p−ジクロルベンゼンと3,5−ジ
クロルアニリンの合計量に対して約1モル%添加)を添
加し、250℃まで1時間20分かけて昇温、250℃
にて3時間重合したことを除いては、参考例1と同様の
操作にてアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドを製造
した。得られたポリマーの溶融粘度は480ポイズであ
った。また、瀘液中に残存する未反応の3,5−ジクロ
ルアニリンをガスクロマトグラフィーで測定したとこ
ろ、3,5−ジクロルアニリンの転化率は75%であっ
た。さらに、このポリマーを空気雰囲気下、235℃で
2時間加熱硬化させ、溶融粘度7800ポイズのポリマ
ーを得た。このようにして得られたポリフェニレンスル
フィドをPPS−Bとする。
【0043】参考例3(アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドの合成3) p−ジクロルベンゼン 2080g、m−クロルアニリ
ン 18.4g(p−ジクロルベンゼンとm−クロルア
ニリンの合計量に対して約1モル%添加)を添加し、2
50℃まで1時間20分かけて昇温、250℃にて3時
間重合したことを除いては、参考例1と同様の操作にて
アミノ基含有ポリフェニレンスルフィドを製造した。得
られたポリマーの粘度は480ポイズであった。また、
瀘液中に残存する未反応のm−クロルアニリンをガスク
ロマトグラフィーで測定したところ、m−クロルアニリ
ンの転化率は35%であった。さらに、このポリマーを
空気雰囲気下、235℃で2時間加熱硬化させ、溶融粘
度8000ポイズのポリマーを得た。このようにして得
られたアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドをPPS
−Cとする。
【0044】参考例4(アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドの合成4) p−ジクロルベンゼン2009g、3,5−ジアミノク
ロルベンゼン19.0g(p−ジクロルベンゼンと3,
5−ジアミノクロルベンゼンの合計量に対して約1モル
%添加)を添加し、250℃まで1時間20分かけて昇
温、250℃にて3時間重合したことを除いては、参考
例1と同様の操作にてアミノ基含有ポリフェニレンスル
フィドを製造した。得られたポリマーの粘度は110ポ
イズであった。また、瀘液中に残存する未反応の3,5
−ジアミノクロルベンゼンをガスクロマトグラフィーで
測定したところ、3,5−ジアミノクロルベンゼンの転
化率は36%であった。さらに、このポリマーを空気雰
囲気下、235℃で2時間加熱硬化させ、溶融粘度80
00ポイズのポリマーを得た。このようにして得られた
アミノ基含有ポリフェニレンスルフィドをPPS−Dと
する。
【0045】参考例5(ポリフェニレンスルフィドの合
成) p−ジクロルベンゼン2080g(アミノ基含有芳香族
ハロゲン化物を添加しないで)を添加し、他は参考例1
と同様の操作で重合を行った。得られたポリマーの粘度
は550ポイズであった。このようにして得られたポリ
マーを空気雰囲気下、235℃で2時間加熱硬化させ、
溶融粘度8000ポイズのポリマーを得た。このように
して得られたポリフェニレンスルフィドをPPS−Eと
する。
【0046】参考例6(多量のアミノ基を含有するポリ
フェニレンスルフィドの合成) p−ジクロルベンゼン1789g、m−クロルアニリン
280g(p−ジクロルベンゼンとm−クロルアニリン
の合計量に対して約15モル%添加)を添加し、250
℃まで1時間20分かけて昇温、250℃にて3時間重
合したことを除いては参考例1と同様の操作にてアミノ
基含有ポリフェニレンスルフィドを製造した。得られた
ポリマーの粘度は低すぎて測定できなかった。また、瀘
液中に残存する未反応のm−クロルアニリンをガスクロ
マトグラフィーで測定したところ、m−クロルアニリン
の転化率は38%であった。さらに、このポリマーを空
気雰囲気下、235℃で10時間加熱硬化させ、溶融粘
度6600ポイズのポリマーを得た。このようにして得
られたアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドをPPS
−Fとする。
【0047】実施例1〜5 参考例で得られた各種ポリフェニレンスルフィド(PP
S−A、B、C)、エチレン−エポキシ化合物(エポキ
シ化合物にN−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミドを使用、
重量比90/10)共重合体(共重合体Iとする)及び
ガラス繊維を表1に示す割合で混合し、二軸押出機によ
り300℃で溶融混練を行い、ペレット化した。得られ
たペレットを300℃で射出成形してテストピースを作
製し、アイゾット衝撃強度(ASTM D−256に準
拠して測定、ノッチ付)を測定した。また、高温での長
期機械的安定性は温度180℃で1000時間放置した
後のアイゾット衝撃強度の保持率(高温下に放置してい
ないテストピースのアイゾット衝撃強度との比)で示し
た。耐熱性の目安として、射出成形して得られたテスト
ピースのビカット軟化温度(JIS K7206)を測
定した。ガス発生量は、得られたペレットを150℃で
2時間乾燥した後、熱重量分析装置により窒素流量50
ml/分、昇温速度10℃/分で室温より昇温させ、3
50℃に到達した時のサンプル1g当たりの重量減少量
により求めた。表1に結果を示す。実施例1〜5では靭
性と高温での長期機械的安定性に優れ、また、ガス発生
量が少い。
【0048】比較例1〜2 参考例1で得られたPPS−Aとガラス繊維を表1に示
す割合で混合し、実施例1と同様の実験を行った。結果
を表1に示す。
【0049】比較例3〜5 参考例4〜6で得られた各種ポリフェニレンスルフィド
(PPS−D、E、F)と共重合体Iを表1に示す割合
で混合し、実施例1と同様の実験を行った。結果を表1
に示す。
【0050】比較例6〜7 参考例1で得られたPPS−Aとエチレン−エポキシ化
合物共重合体(共重合体I)を表1の配合で混合し、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。比較
例7の高温での長期安定性の実験で、テストピースを1
80℃で1000時間放置させたところ、テストピース
が変形した。
【0051】比較例8〜9 参考例1で得られたPPS−A、エチレン−メタクリル
酸グリシジル(重量比90/10)共重合体(共重合体
IIとする)及びガラス繊維を表1の配合で混合し、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
【0052】比較例10 参考例1で得られたPPS−Aとメタクリル酸グリシジ
ル変性エチレン−プロピレン共重合体(メタクリル酸グ
リシジル変性量10重量%、共重合体IIIとする)を
表1の配合で混合し、実施例1と同様の実験を行った。
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、硬化前及び後の溶融粘
度を調整し、さらにアミノ基により変性された特定のポ
リフェニレンスルフィド樹脂に、特定のエポキシ化合物
を共重合したポリエチレン系共重合体を配合することに
より、ポリフェニレンスルフィド樹脂本来の耐熱性を保
持し、靭性や高温での長期機械的安定性が改良され、か
つガス発生量が少ないポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物を得ることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 23/00 - 23/08 C08L 51/06 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)硬化前の溶融粘度が400ポイズ以
    上で、加熱硬化後の溶融粘度が500〜30000ポイ
    ズであり、かつフェニレンスルフィド単位あたりアミノ
    基を0.05〜5モル%含有するポリフェニレンスルフ
    ィド60〜99.5重量%、及び(B)下記一般式
    (1)で表されるエポキシ化合物を0.5〜30重量%
    共重合したポリエチレン系共重合体40〜0.5重量%
    とからなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド
    樹脂組成物。 【化1】 (R、R、Rは水素原子又は炭素数1〜12の炭
    化水素基、mは1〜4の整数である)
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