JP3493032B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、表
面平滑性および接着性が改良されたポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その
優れた耐熱性、耐薬品性、寸法安定性および機械的強度
を生かして、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品
材料として注目を集めている。例えば、自動車用ランプ
リフレクター等、特に耐熱性、表面平滑性を要求される
分野への適用が期待されている。 【0003】ポリフェニレンスルフィド樹脂は、耐熱
性、機械的強度が優れた樹脂として知られているが、樹
脂単独では、耐熱性、機械的強度ともに十分ではないた
め、繊維状強化材を添加することにより、耐熱性、機械
的強度を高めて使用されている。しかしながら、成形品
の表面平滑性は、繊維状強化材の添加により低下すると
いう問題があった。 【0004】また、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、
低コスト化、低ソリ化を計るため、多量の無機充填材を
添加することが行われている。しかしながら、この処方
では、多量の無機充填材の影響で、成形品の表面平滑性
の低下、流動性の低下が引き起こされる。 【0005】通常、これらの問題点を解決するため、次
のような手段が用いられる。 (1)流動性に優れた低分子のポリフェニレンスルフィ
ド樹脂の使用。 (2)繊維状強化材および/または充填材の添加量の低
減。 しかし、これらの処方では充分な解決策とはならない。 【0006】すなわち、(1)の処方の場合、機械的強
度が低下するうえに、表面平滑性の改良も充分なレベル
ではない。また、(2)の処方の場合、繊維状強化材の
添加量を低減すると、機械的強度の低下が、無機充填材
の添加量を低減すると、耐熱性の低下、成形品のソリの
悪化が引き起こされるうえに、コストが増大する。 【0007】また、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、
他材料に比較して、接着性に劣ることが知られている。
そのため、自動車用ランプリフレクター等において、ア
ルミニウム等の金属蒸着を施す際に使用される金属蒸着
用塗料との接着性が問題となる場合がある。 【0008】このような問題点を有するため、ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂は、自動車用ランプリフレクター
等、特に耐熱性、表面平滑性、接着性を要求される分野
への適用がいまだ実現されていない。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、限定された
溶融粘度を有し、かつアミノ基を含有するポリフェニレ
ンスルフィド樹脂に、ポリアルキレングリコール、特定
のガラス繊維および粉粒状充填材を添加することによ
り、成形品の表面平滑性および接着性に優れたポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物を提供するものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶
融粘度300〜4000ポイズで、かつフェニレンスル
フィド単位あたりアミノ基を0.05〜5モル%含有す
るポリフェニレンスルフィド樹脂100重量部に対し
て、下式で示されるポリアルキレングリコール1〜5重
量部、繊維径が9μm未満のガラス繊維15〜50重量
部および粉粒状充填材30〜150重量部を添加してな
るポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するもので
ある。【化11】 (Rは、n=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の有機
基であり、R´は炭素数2〜6のアルキレン基、Xはエ
ポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基の少なくとも1
つを含有する炭素数1〜10の有機基または水素であ
り、mは5〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数
を表す) 【0011】以下、詳細に説明する。本発明で使用され
るアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドのアミノ基の
含有量は0.05〜5モル%であり、好ましくは0.1
〜3モル%である。ポリフェニレンスルフィドのアミノ
基含有量が0.05モル%未満では、ポリフェニレンス
ルフィドにアミノ基を含有させる効果がなく、また5モ
ル%を超えると機械的強度の低下が見られ、好ましくな
い。 【0012】本発明で使用されるアミノ基含有ポリフェ
ニレンスルフィドとしては、溶融粘度(測定温度300
℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmの
ダイスを用いて高化式フローテスターで測定)が300
〜4000ポイズ、好ましくは400〜3000ポイズ
の範囲にあるアミノ基含有ポリフェニレンスルフィドで
あり、直鎖状のものであっても、酸素雰囲気下での加熱
処理または過酸化物等を添加しての加熱処理により硬化
させ、重合度を上げたものであっても、また、非酸化性
の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかま
わないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかま
わない。溶融粘度が300ポイズ未満では強度低下がみ
られ、かつガス発生量が多く、4000ポイズを超える
と流動性の低下が著しいため、好ましくない。 【0013】また、上記アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドは、脱イオン処理(酸洗浄や熱水洗浄等)を行
うことによってイオンを低減させたものであってもよ
い。 【0014】本発明で使用されるアミノ基含有ポリフェ
ニレンスルフィドの製造方法は、特に限定されるもので
はないが、好ましい製造方法として、有機アミド溶媒中
でアルカリ金属硫化物とジハロベンゼンとを反応させる
際にアミノ基含有芳香族ハロゲン化物を共存させて重合
する方法が挙げられる。 【0015】アルカリ金属硫化物としては、硫化リチウ
ム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、
硫化セシウムおよびそれらの混合物が挙げられ、これら
は水和物の形で使用してもさしつかえない。これらアル
カリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属
塩基とを反応させることによって得られるが、ジハロベ
ンゼンの重合系内への添加に先立ってその場で調製され
ても、また系外で調製されたものを用いてもさしつかえ
ない。 【0016】さらに、本発明に使用されるアミノ基含有
ポリフェニレンスルフィドはその構成単位として、 【0017】 【化1】 を70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有
しているものが好ましい。構成単位が30モル%未満、
好ましくは10モル%未満であれば、m−フェニレンス
ルフィド単位、 【0018】 【化2】 o−フェニレンスルフィド単位、 【0019】 【化3】 フェニレンスルフィドスルホン単位、 【0020】 【化4】 フェニレンスルフィドケトン単位、 【0021】 【化5】 フェニレンスルフィドエーテル単位、 【0022】 【化6】 ジフェニレンスルフィド単位、 【0023】 【化7】 等の共重合単位を含有していてもさしつかえない。 【0024】アミノ基含有芳香族ハロゲン化物として
は、一般式、 【0025】 【化8】 (Xはハロゲン、Yは水素、−NH基またはハロゲ
ン、Rは炭素数1〜12の炭化水素基、nは0〜4の整
数である)で示される化合物である。 【0026】その若干の例として、m−フルオロアニリ
ン、m−クロルアニリン、3,5−ジクロルアニリン、
3,5−ジアミノクロルベンゼン、2−アミノ−4−ク
ロルトルエン、2−アミノ−6−クロルトルエン、4−
アミノ−2−クロルトルエン、3−クロル−m−フェニ
レンジアミン、m−ブロムアニリン、3,5−ジブロム
アニリン、m−ヨードアニリンおよびそれらの混合物が
挙げられる。特に3,5−ジクロルアニリンが好まし
い。 【0027】またジハロベンゼンとしては、p−ジクロ
ルベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベン
ゼン、m−ジクロルベンゼン、m−ジブロモベンゼン、
m−ジヨードベンゼン、1−クロル−4−ブロモベンゼ
ンなどが挙げられる。 【0028】またアルカリ金属硫化物および(ジハロベ
ンゼン+アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)の仕込量は
モル比で、(アルカリ金属硫化物):(ジハロベンゼン
+アミノ基含有芳香族ハロゲン化物)=1.00:0.
90〜1.10の範囲が好ましい。 【0029】重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、
特に非プロトン性で高温でアルカリに対して安定な有機
アミドが好ましい溶媒である。有機アミドの若干の例と
しては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−
メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等およびその混合
物が挙げられる。 【0030】また溶媒として使用される有機アミドの量
は、重合によって生成するポリマーに対し、150〜3
500重量%、好ましくは250〜1500重量%とな
る範囲で使用することができる。 【0031】重合は200〜300℃、好ましくは22
0〜280℃にて0.5〜30時間、好ましくは1〜1
5時間撹拌下に行われる。 【0032】本発明で使用されるポリアルキレングリコ
ールは、 【0033】 【化9】 (Rは、n=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の有機
基であり、R´は炭素数2〜6のアルキレン基、Xはエ
ポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基の少なくとも1
つを含有する炭素数1〜10の有機基または水素であ
り、mは5〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数
を表す)で示される化合物である。 【0034】本発明で用いるのに好ましいポリアルキレ
ングリコールとしては、式中Rがエポキシ基、酸無水物
基またはカルボキシル基を有する炭素数1〜9の有機基
であり、R´が炭素数2〜4のアルキレン基、Xがエポ
キシ基、酸無水物基またはカルボキシル基を有する炭素
数1〜9の有機基または水素、mが10〜15000、
nが1〜5であるポリアルキレングリコールが挙げられ
る。ここで式中のR、Xについて有機基という表現があ
るが、これは炭化水素基のみならず、R、X中にエーテ
ル、ケトン、アミド、スルホン等のヘテロ原子含有官能
基を含んでいてもさしつかえないことを意味するもので
ある。また式中のmはポリアルキレングリコールセグメ
ントの重合度を示すもので、mが5より小さいと耐熱性
が乏しくなり、成形加工時にガスを多量に発生するため
好ましくない。一方、mが25000より大きくなる
と、ポリアルキレングリコールとポリフェニレンスルフ
ィドとの相溶性が低下し、接着性改良の効果が少ないた
め好ましくない。 【0035】上記ポリアルキレングリコールの若干の例
としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アル
コールとアルキレンオキシドとの付加重合体等が挙げら
れる。 【0036】また、上記ポリアルキレングリコールの末
端水酸基の反応性を利用してエポキシ基や酸無水物基を
ポリアルキレングリコールに導入することができる。 【0037】特に、本発明で用いるのに好ましいポリア
ルキレングリコールとしては、分子量が300〜100
0000であり、末端官能基がエポキシ基であるポリエ
チレングリコールが挙げられる。 【0038】本発明で使用されるガラス繊維のポリフェ
ニレンスルフィド樹脂に対する添加量は、ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂100重量部に対し、15〜50重量
部、好ましくは20〜40重量部である。この添加量が
15重量部未満の場合には、成形品の機械的強度、耐熱
性が十分でない場合があり好ましくない。一方、50重
量部を超える場合には、成形品の表面平滑性の低下がみ
られる場合がある。 【0039】本発明で使用されるガラス繊維の長さは、
溶融混練前において1〜12mm、好ましくは3〜6m
m、また、繊維径は、9μm未満、好ましくは3〜7μ
mがよい。繊維長が1mm未満の場合、ポリフェニレン
スルフィド樹脂の補強効果が小さく、12mmを超える
場合、得られた組成物の成形性にバラツキがみられる場
合がある。また、繊維径が9μm以上の場合、成形品の
機械的強度、表面平滑性が低下する。 【0040】本発明に使用されるガラス繊維には、エポ
キシ系、ウレタン系、エポキシ−ウレタン系のバインダ
ーを使用することができる。バインダー量は、ガラス繊
維100重量部に対し0.1〜1.5重量部、好ましく
は0.3〜0.7重量部がよい。バインダー量が0.1
重量部未満では、バインダーの効果が小さくなるととも
に、ガラス繊維の収束性が悪くなるため、ガラス繊維の
分散が不均一となり、機械物性的に問題が生じる場合が
ある。また、1.5重量部を超えると、成形時、バイン
ダーの分解によるガス発生量が多くなり、成形品の機械
的強度の低下の原因となるボイドが発生する場合があ
り、好ましくない。 【0041】本発明で使用される粉粒状充填材として
は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、フェノール樹脂が挙げられるが、平均
粒子径は10μm未満のものが好ましい。これらは、2
種以上を併用することも可能であり、さらに必要により
シラン系またはチタン系等のカップリング剤で予備処理
して使用することもできる。 【0042】本発明で使用される粉粒状充填材のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂に対する添加量は、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂100重量部に対し、30〜150
重量部である。この添加量が30重量部未満の場合に
は、成形品のソリの悪化が著しいため好ましくない。一
方、150重量部を超える場合には、成形品の表面平滑
性の低下、流動性の低下がみられるため好ましくない。 【0043】また、本発明の目的を逸脱しない範囲内
で、他の強化材、充填材、樹脂を添加してもさしつかえ
ない。 【0044】ガラス繊維以外の繊維状強化材の例として
は、炭素繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維、アラミ
ド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン
酸カリウムウィスカー等が挙げられる。 【0045】本発明で使用できる他の充填材や有機,無
機顔料としては、例えば、タルク、マイカ、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフェラ
イト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、ネフェ
リンシナイト、アタパルジャイト、ウォラストナイト、
フェライト、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、
石膏、ガラスパウダー、石英、石英ガラス等が挙げられ
る。これらは、2種以上を併用することも可能であり、
さらに必要によりシラン系またはチタン系等のカップリ
ング剤で予備処理して使用することもできる。 【0046】さらに、本発明の樹脂組成物は、本発明の
目的を損なわない範囲で、従来公知の離型剤、滑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡
剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、染
料,顔料などの着色剤、帯電防止剤などの添加剤、ワッ
クスや少量の他のポリマーを1種以上併用してもよい。 【0047】他のポリマーとしては、例えば、オレフィ
ン系,スチレン系,ウレタン系,エステル系,フッ素
系,アミド系,アクリル系等の熱可塑性エラストマー、
ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリクロロプレン,
ポリブテン,スチレンブタジエンゴムおよびその水添
物、アクリロニトリルブタジエンゴム,エチレンプロピ
レン共重合体,エチレンプロピレンエチリデンノルボル
ネン共重合体等のゴム成分、ナイロン6,ナイロン6
6,ナイロン46,ナイロン610,ナイロン11,ナ
イロン12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリアリレー
ト等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリα−メ
チルスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ
アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリ
フェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフ
ィドケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、シリコーン
樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂および異方性溶融相
を形成する溶融加工可能な樹脂等の単独重合体、ランダ
ムまたはブロック、グラフト共重合体およびそれらの混
合物またはその改質物等が挙げられる。 【0048】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物の製造方法としては、従来使用されている加熱溶融
方法を用いることができる。例えば、V−ブレンダー、
ヘンシェルミキサー等の各種ブレンダーで混合した後、
ニーダー、ミル、一軸または二軸の押出機で加熱溶融混
合する方法が挙げられる。さらに、得られた組成物は、
射出成形機、押出成形機、トランスファー成形機、圧縮
成形機を用いて成形することができる。 【0049】 【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。 【0050】参考例1(アミノ基含有ポリフェニレンス
ルフィドの合成) 15lオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン
を5l仕込み、120℃に昇温した後、NaS・2.
8HO 1866gを仕込み、約2時間かけて攪拌し
ながら徐々に205℃まで昇温して、水を407g留出
させた。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロ
ルベンゼン 2080gおよび3,5−ジクロルアニリ
ン 20.2g(p−ジクロルベンゼンに対して約1モ
ル%添加)を加えて、225℃に昇温し、3時間重合さ
せた後、250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間
重合した。 【0051】重合終了後、室温まで冷却したスラリーを
一部サンプリングし、瀘液を採取して、瀘液中に残存す
る未反応の3,5−ジクロルアニリンをガスクロマトグ
ラフィー(島津製作所製GC−12A)で測定したとこ
ろ、3,5−ジクロルアニリンの転化率は70%であっ
た。残りのスラリーは、大量の水中に投入して重合体を
析出させ、瀘別、純水による洗浄を行った後、一晩加熱
真空乾燥を行うことにより重合体を単離した。得られた
アミノ基含有ポリフェニレンスルフィドの溶融粘度(測
定温度300℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、
長さ2mmのダイスを用いて高化式フローテスターで測
定)は120ポイズであった。この様にして得られたア
ミノ基含有ポリフェニレンスルフィドをPPS−Iとす
る。 【0052】さらに、この重合体を空気雰囲気下235
℃で処理し、溶融粘度430ポイズ、2900ポイズ、
8000ポイズのアミノ基含有ポリフェニレンスルフィ
ドを得た。溶融粘度430ポイズのものをPPS−I
I、溶融粘度2900ポイズのものをPPS−III、
溶融粘度8000ポイズのものをPPS−IVとする。 【0053】参考例2(ポリフェニレンスルフィドの合
成) p−ジクロルベンゼン 2150g(アミノ基含有芳香
族ハロゲン化物を添加しないで)を使用した他は参考例
1と同様の操作で行った。得られた重合体の溶融粘度は
140ポイズであった。この様にして得られた重合体
を、空気雰囲気下235℃で処理し、溶融粘度500ポ
イズの重合体を得た。この様にして得られたポリフェニ
レンスルフィドをPPS−Vとする。 【0054】実施例1 参考例1で得られたPPS−III、ガラス繊維、炭酸
カルシウム(平均粒子径4.0μm)、ジグリシジルポ
リエチレングリコ−ル(PEG#6000DGE;ナガ
セ化成工業製、平均分子量8500、以下PAG−Iと
略す)を表1に示す割合で配合した後、二軸押出機を用
いて300℃で溶融混練し、ペレット化した。ついで射
出成形機によって試験片を作成し、ASTM D790
に従い、曲げ強度の測定を行った。 【0055】成形品の表面平滑性の評価を行うために、
70×70mm、厚さ1mmの平板を射出成形し、中心
線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)の測定をJ
ISB0601に準じて行った。測定には、小坂研究所
製表面粗さ測定器サーフコーダSE−30Dを使用し
た。試験条件は、次の通りである。 基準長さ 0.8mm 縦倍率 5000倍 横倍率 50倍 カットオフ値 0.08 触針先端半径 2μm 送り速さ 0.1mm/秒 【0056】また、上記の操作によって得られた70×
70mm、厚さ1mmの平板に、2液性ウレタン系金属
蒸着用塗料(長島特殊塗料製VM−604アンダーコー
トクリヤーEXP−3)を塗布、焼付(170℃×1時
間)させた後、碁盤目剥離試験(JIS D 0202
準拠)により、接着性評価を行った。結果を表1に示
す。 【0057】実施例2 参考例1で得られたPPS−IIIとα,ω−ジグリシ
ジルポリエチレングリコール(エポライト400E;共
栄社油脂製、平均分子量400、以下PAG−IIと略
す)を表1に示す割合で配合し、実施例1と同様の操作
および評価を行った。結果を表1に示す。 【0058】実施例3〜4 参考例1で得られたPPS−IIを使用し、表1に示す
割合で配合し、実施例1と同様の操作および評価を行っ
た。結果を表1に示す。 【0059】比較例1〜7 参考例1で得られたPPS−I〜Vを使用し、表1に示
す割合で配合し、実施例1と同様の操作および評価を行
った。結果を表1に示す。 【0060】 【表1】【0061】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、限定さ
れた溶融粘度を有し、かつアミノ基を含有するポリフェ
ニレンスルフィド樹脂に、ポリアルキレングリコール、
特定のガラス繊維および粉粒状充填材を添加することに
より、成形品の表面平滑性および接着性に優れたポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物が得られる。今後、自動
車用ランプリフレクター等、表面平滑性および接着性を
要求される分野への応用が期待される。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/02 C08L 71/02 C08K 3/00 C08K 7/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】溶融粘度300〜4000ポイズで、かつ
    フェニレンスルフィド単位あたりアミノ基を0.05〜
    5モル%含有するポリフェニレンスルフィド樹脂100
    重量部に対して、下式で示されるポリアルキレングリコ
    ール1〜5重量部、繊維径が9μm未満のガラス繊維1
    5〜50重量部および粉粒状充填材30〜150重量部
    を添加してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。【化10】 (Rは、n=1の時X、n≧2の時炭素数1〜6の有機
    基であり、R´は炭素数2〜6のアルキレン基、Xはエ
    ポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基の少なくとも1
    つを含有する炭素数1〜10の有機基または水素であ
    り、mは5〜25000、nは1〜10のそれぞれ整数
    を表す)
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