JP6926729B2 - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などを損なうことなく、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物に関するものであり、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車機器部材などの用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などに優れた特性を示す樹脂であり、その優れた特性を生かし、電気・電子機器部材、自動車機器部材およびOA機器部材等に幅広く使用されている。
しかしながら、ポリアリーレンスルフィドは、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール等の他のエンジニアリングプラスチックと比較して、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が大きく劣ることから、多くの用途で使用が制限されていた。
ポリアリーレンスルフィドの耐衝撃性を改良する試みについては、これまでにもいくつかの検討がなされ、例えば(A)ポリアリーレンスルフィド、(B)ポリエチレン系共重合体、(C)変性ポリシロキサン化合物等からなる樹脂組成物(例えば特許文献1参照。)、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(b)オレフィン系共重合体、(c)シリコーンオイルからなる樹脂組成物(例えば特許文献2参照。)等が提案されている。
また、ポリアリーレンスルフィド及びシリコーンオイル等からなる樹脂組成物(例えば特許文献3〜5参照。)が提案されている。
特許第4961921号公報 特許第2946539号公報 特許第3053211号公報 特許第3237757号公報 特許第5031175号公報
しかし、特許文献1、2に提案された樹脂組成物においては、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性がまだ十分に満足できないという課題があった。一方、特許文献3〜5に提案された樹脂組成物においては、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性の改良を対象としたものではなく、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性の改良効果について、何ら記載されていない。
そこで、本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などを損なうことなく、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供することを目的とし、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用なポリアリーレンスルフィド組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアリーレンスルフィド、特定のポリエチレン系共重合体、特定の官能基を両末端に有する変性シロキサン化合物、好ましく特定の変性アルコキシシラン化合物を配合してなるポリアリーレンスルフィド組成物が、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド(A)70〜99重量%、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(b1),エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(b2)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(b3)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(b4)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(b5)からなる群より選択される少なくとも1種以上のポリエチレン系共重合体(B)1〜30重量%からなる合計100重量部に対し、下記の一般式(1)で示されるエポキシ基を両末端に有する変性シロキサン化合物(C)0.1〜5重量部及び充填材(D)10〜150重量部、好ましくは更にエポキシ基を有する変性アルコキシシラン化合物(E)0.1〜3重量部を配合してなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物に関するものである。
Figure 0006926729
(ここで、R,Rはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、X,Xはそれぞれ独立してグリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基を示す。)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A)70〜99重量%、ポリエチレン系共重合体(B)1〜30重量%からなる合計100重量部に対し、変性シロキサン化合物(C)0.1〜5重量部及び充填材(D)10〜150重量部を配合してなるものである。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリアリーレンスルフィド(A)としては、ポリアリーレンスルフィドと称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、その中でも、得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性、成型加工性に優れたものとなることから測定温度315℃、荷重10kgの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターで測定した溶融粘度が100〜30000ポイズであるポリアリーレンスルフィドが好ましく、特に200〜20000ポイズであるものが好ましい。
該ポリアリーレンスルフィド(A)の製造方法としては、特に制限はなく、一般的にポリアリーレンスルフィドの製造方法として知られている方法により製造すればよく、例えば重合溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応する方法により製造することが可能である。アルカリ金属硫化物としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びそれらの混合物が挙げられ、これらは水和物の形で使用しても差し支えない。また、これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られるが、ジハロ芳香族化合物の重合系内への添加に先立ってその場で調製されても、また系外で調製されたものを用いても差し支えない。また、ジハロ芳香族化合物としては、例えばp−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、1−クロロ−4−ブロモベンゼン、4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニル等が挙げられる。また、アルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物との仕込み比は、アルカリ金属硫化物/ジハロ芳香族化合物=1/0.9〜1.1(モル比)の範囲とすることが好ましい。
重合溶媒としては、極性溶媒が好ましく、特に非プロトン性で高温でのアルカリに対して安定な有機アミドが好ましい溶媒である。該有機アミドとしては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素及びその混合物、等が挙げられる。また、該重合溶媒は、重合によって生成するポリマーに対し150〜3500重量%で用いることが好ましく、特に250〜1500重量%となる範囲で使用することが好ましい。重合は200〜300℃、特に220〜280℃にて0.5〜30時間、特に1〜15時間攪拌下にて行うことが好ましい。
さらに、ポリアリーレンスルフィド(A)は、直鎖状のものであっても、酸素存在下高温で処理し、架橋したものであっても、トリハロ以上のポリハロ化合物を少量添加して若干の架橋または分岐構造を導入したものであっても、窒素等の非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施したものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混合物であってもかまわない。中でも該ポリアリーレンスルフィド(A)として、得られるポリアリーレンスルフィド組成物が、特にウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れたものとなることから、アリーレンスルフィド単位あたり0.05〜5モル%に相当する官能基を有する官能基含有ポリアリーレンスルフィド(a1)であることが好ましい。
該官能基含有ポリアリーレンスルフィド(a1)としては、例えばアミノ基含有ポリアリーレンスルフィド、カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド、チオール基含有ポリアリーレンスルフィド、水酸基含有ポリアリーレンスルフィド等を挙げることができ、その中でも入手の容易さよりアミノ基含有ポリアリーレンスルフィドであることが好ましい。
該官能基含有ポリアリーレンスルフィド(a1)は、例えばアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させる際に、官能基含有芳香族ハロゲン化合物を共存させ重合を行う方法により製造することが可能である。
該官能基含有芳香族ハロゲン化合物としては、アミノ基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジアミノクロロベンゼン、2−アミノ−4−クロロトルエン、2−アミノ−6−クロロトルエン、4−アミノ−2−クロロトルエン、3−クロロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジブロモアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジアミノクロロベンゼンが好ましい。カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロ安息香酸、2,6−ジクロロ安息香酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,5−ジブロモ安息香酸、2,6−ジブロモ安息香酸、3,5−ジブロモ安息香酸、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロ安息香酸が好ましい。チオール基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロチオフェノール、2,6−ジクロロチオフェノール、3,5−ジクロロチオフェノール、2,5−ジブロモチオフェノール、2,6−ジブロモチオフェノール、3,5−ジブロモチオフェノール、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロチオフェノールが好ましい。水酸基含有ポリアリーレンスルフィドとする際には、例えば2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,5−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、及びそれらの混合物等が挙げられ、特に3,5−ジクロロフェノールが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A)70〜99重量%からなるものである。ここで、ポリアリーレンスルフィド(A)が70重量%未満である場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物はウェルド強度が著しく低下するものとなる。一方、99重量%を越える場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成するポリエチレン系共重合体(B)は、変性シロキサン化合物(C)との組み合わせにより、ポリアリーレンスルフィド組成物のウェルド強度、耐ヒートサイクル性を改良するものであり、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(b2)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(b3)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(b4)及びエチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(b5)からなる群より選択される少なくとも1種以上のものである。
該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることから、エチレン残基単位:α−オレフィン残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:45〜1:5〜1の範囲からなるものであることが好ましく、具体的には無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。該無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(b1)は、例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、過酸化物、無水マレイン酸を共存し、グラフト化反応を進行することにより入手することが可能である。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(b2)としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位:無水マレイン酸残基単位(重量比)=50〜98:40〜1:10〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(b2)の具体的例示としては、(商品名)ボンダインLX4110(アルケマ社製)、(商品名)ボンダインTX8030(アルケマ社製)、(商品名)ボンダインAX8390(アルケマ社製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(b3)としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位(重量比)=85〜99:15〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(b3)の具体的例示としては、(商品名)ボンドファスト2C(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファストE(住友化学(株)製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(b4)としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:酢酸ビニル残基単位(重量比)=50〜98:15〜1:35〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(b4)の具体的例示としては、(商品名)ボンドファスト2B(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファスト7B(住友化学(株)製)等が挙げられる。
該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(b5)としては、この範疇に属するものであれば如何なるものを用いても良く、中でも得られるポリアリーレンスルフィド組成物がウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れることから、エチレン残基単位:α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル残基単位:α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル残基単位(重量比)=50〜98:10〜1:40〜1の範囲であることが好ましい。該エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(b5)の具体的例示としては、(商品名)ボンドファスト7L(住友化学(株)製)、(商品名)ボンドファスト7M(住友化学(株)製)等が挙げられる。
ここで、ポリエチレン系共重合体(B)を構成するα−オレフィンとは、炭素数が3以上のα−オレフィンを言い、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。また、α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアルキルエステルが挙げられ、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル等が挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリエチレン系共重合体(B)1〜30重量%からなるものであり、ポリエチレン系共重合体(B)の配合量が1重量%未満である場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物はウェルド強度、耐ヒートサイクル性に劣るものとなる。一方、30重量%を越える場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物はウェルド強度が著しく低下するものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物を構成する変性シロキサン化合物(C)は、ポリエチレン系共重合体(B)と組み合わせて配合することで、ポリアリーレンスルフィド組成物のウェルド強度、耐ヒートサイクル性を改良するものであり、上記一般式(1)で示されるエポキシ基を両末端に有する変性シロキサン化合物である。
該変性シロキサン化合物(C)としては、上記一般式(1)で示されるエポキシ基を両末端に有する変性シロキサン化合物の範疇に属するものであれば如何なる化合物を用いることも可能である。ここで、R,Rはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、X,Xはそれぞれ独立してグリシドキシ基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基を示す。そして、市販品としては、例えば(商品名)X−22−173(信越化学工業(株)製)が入手可能である。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィド(A)とポリエチレン系共重合体(B)の合計100重量部に対し、変性シロキサン化合物(C)0.1〜5重量部を配合してなるものであり、変性シロキサン化合物(C)の配合量が0.1重量部未満である場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物はウェルド強度、耐ヒートサイクル性が劣るものとなる。一方、配合量が5重量部を越える場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物はウェルド強度が著しく低下するものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、一般的な樹脂組成物に配合されている充填材(D)を配合してなるものであり、該充填材(D)としては、繊維状充填材として、例えばガラス繊維(d1)、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維等が例示でき、その中でも、特に機械的強度に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ガラス繊維が好ましい。また、非繊維状充填材としては、例えばワラストナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、タルク、アルミナシリケート等の珪酸塩、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、窒化珪素、窒化硼素、窒化アルミニウム等の窒化物、ガラスフレーク、ガラスビーズ等を例示でき、その中でも、特に寸法安定性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、マイカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、ガラスビーズが好ましい。また、該充填材(D)は、該ポリアリーレンスルフィド組成物のウェルド強度が高いものとなることから、イソシアネート系化合物、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、エポキシ化合物等で表面処理したものであっても良い。
該充填材(D)の配合量は、ポリアリーレンスルフィド(A)とポリエチレン系共重合体(B)の合計100重量部に対し、10〜150重量部である。ここで、充填材(D)が10重量部未満である場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物は寸法安定性に劣るものとなる。一方、充填材(D)が150重量部を越えるものである場合、得られるポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性に劣るものとなる。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、特にウェルド強度、耐ヒートサイクル性、寸法安定性のバランスに優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ポリアリーレンスルフィド(A)と変性エチレン系共重合体(B)の合計100重量部に対し、変性アルコキシシラン化合物(E)0.1〜3重量部を配合してなるものであることが好ましい。該変性アルコキシシラン化合物(E)としては、エポキシ基を有する変性アルコキシシラン化合物の範疇に属するものであれば如何なる化合物を用いることも可能であり、例えば2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、その中でも特にポリアリーレンスルフィド組成物が、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れるものとなることから、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、成形品とする際の金型離型性や外観を改良するために滑剤(F)を配合しても良く、該滑剤(F)としては、例えばカルナバワックス、カルボン酸アマイド系ワックスが挙げられる。該カルナバワックスとしては、一般的な市販品を用いることができ、例えば(商品名)精製カルナバ1号粉(日興ファインプロダクツ製)等を挙げることができる。また、該カルボン酸アマイド系ワックスとは、高級脂肪族モノカルボン酸、多塩基酸及びジアミンからなる重縮合物でありこの範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えばステアリン酸、セバシン酸、エチレンジアミンからなる重縮合物である、(商品名)ライトアマイドWH−255(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
該滑剤(F)の配合量は、特に成形加工時に金型汚染等の問題を引き起こす可能性が低く、金型離型性、成形品の外観に優れるポリアリーレンスルフィド組成物となることから、ポリアリーレンスルフィド(A)とポリエチレン系共重合体(B)の合計100重量部に対し0.05〜5重量部であることが好ましい。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物の製造方法としては、従来使用されている加熱溶融混練方法を用いることができる。例えば単軸または二軸押出機、ニーダー、ミル、ブラベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げられ、特に混練能力に優れた二軸押出機による溶融混練方法が好ましい。また、この際の混練温度は特に限定されるものではなく、通常280〜400℃の中から任意に選ぶことが出来る。また、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、射出成形機、押出成形機、トランスファー成形機、圧縮成形機等を用いて任意の形状に成形することができる。
さらに、本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、従来公知の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、発泡剤、金型腐食防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料等の着色剤、帯電防止剤等の添加剤を1種以上併用しても良い。
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、高いウェルド強度、優れた耐ヒートサイクル性をあわせもつことから各種成形品用の樹脂組成物原材料として用いることができ、例えば電気・電子機器部材、自動車機器部材及びOA機器部材などに幅広く使用できる。
本発明は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などを損なうことなく、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性に優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供するものであり、該ポリアリーレンスルフィド組成物は、特に電気・電子部品又は自動車機器部材等の用途に特に有用なものである。
次に、本発明を実施例及び比較例によって説明するが、本発明はこれらの例になんら制限されものではない。
実施例及び比較例において用いた、ポリアリーレンスルフィド(A)、ポリエチレン系共重合体(B)、変性シロキサン化合物(C)、充填材(D)、変性アルコキシシラン化合物(E)を以下に示す。
<ポリアリーレンスルフィド(A)>
アミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(a1)と記す。):溶融粘度1600ポイズ、フェニレンスルフィド単位当たりのアミノ基含有量0.1モル%。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、単にPPS(a2)と記す。):溶融粘度3000ポイズ。
<ポリエチレン系共重合体(B)>
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(以下、単にPE系共重合体(b1)と記す。):アルケマ社製、(商品名)ボンダインTX8030;アクリル酸エチル残基単位12重量%、無水マレイン酸残基単位3重量%、MFR=3g/10分。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(以下、単にPE系共重合体(b2)と記す。):アルケマ社製、(商品名)ボンダインAX8390;アクリル酸エチル残基単位30.5重量%、無水マレイン酸残基単位1.5重量%、MFR=7g/10分。
エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(以下、単にPE系共重合体(b3)と記す。):住友化学(株)製、(商品名)ボンドファストE;メタクリル酸グリシジルエステル残基単位12重量%、MFR=3g/10分。
<変性シロキサン化合物(C)及びポリシロキサン化合物>
シロキサン化合物(C−1):信越化学工業(株)製、(商品名)X−22−173;両末端グリシドキシプロピル変性型。
ポリシロキサン化合物(C’−1):信越化学工業(株)製、(商品名)KF−105;両末端グリシドキシプロピル変性型。
ポリシロキサン化合物(C’−2):信越化学工業(株)製、(商品名)X−22−173BX;片末端グリシドキシプロピル変性型。
ポリシロキサン化合物(C’−3):信越化学工業(株)製、(商品名)KF−101;側鎖グリシドキシプロピル変性型。
ポリシロキサン化合物(C’−4):信越化学工業(株)製、(商品名)KF96−100;官能基未変性型。
<充填材(D)>
ガラス繊維(d1); 日本電気硝子(株)製、(商品名)T−760H。
炭酸カルシウム(d2);白石工業(株)製、(商品名)ホワイトンP−30。
<変性アルコキシシラン化合物(E)>
アルコキシシラン化合物(E−1):信越化学工業(株)製、(商品名)KBM−403;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン。
<合成例1(PPS(a1)の合成)>
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7278g、3,5−ジクロロアニリン11.7g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が400ポイズのアミノ基含有ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(a1)と記す。)を得た。このPPS(a1)を、さらに酸素雰囲気下250℃で2時間硬化を行いPPS(a1)を得た。
得られたPPS(a1)の溶融粘度は1600ポイズであり、フェニレンスルフィド単位あたりのアミノ基含有量は0.1モル%であった。
<合成例2(PPS(a2)の合成)>
攪拌機を装備する50リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(NaS・2.9HO)6214g及びN−メチル−2−ピロリドン17000gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、1355gの水を留去した。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン7160g、N−メチル−2−ピロリドン5000gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を2時間かけて225℃に昇温し、225℃にて2時間重合させた後、30分かけて250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却しポリマーを遠心分離機により単離した。該固形分を温水でポリマーを繰り返し洗浄し100℃で一昼夜乾燥することにより、溶融粘度が280ポイズのポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、PPS(a3)と記す。)を得た。このPPS(a3)を、さらに酸素雰囲気下250℃で4時間硬化を行いPPS(a2)を得た。
得られたPPS(a2)の溶融粘度は、3000ポイズであった。
合成例1及び2により得られたポリアリーレンスルフィドの評価・測定方法を以下に示す。
〜アミノ基含有量の測定〜
赤外線吸収スペクトル測定装置により、1900cm−1の吸収(ベンゼン環のC−H面外偏角振動)と、3387cm−1の吸収(アミノ基のN−H伸縮振動)を測定し、該吸収比よりアミノ基含有量を得た。なお、その際の検量線はベンゼンとアニリンの混合物より作成した。
〜溶融粘度測定〜
直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスター((株)島津製作所製、商品名CFT−500)にて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で溶融粘度の測定を行った。
以下に実施例及び比較例で用いた評価・測定方法を以下に示す。
〜ウェルド強度の測定〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、商品名SE−75S)によって試験片を作製し、引張試験機((株)島津製作所製、商品名オートグラフAG−5000B)を用いて、ASTM D638に準拠し測定を行った。
〜耐ヒートサイクル性〜
射出成形機(住友重機械工業(株)製、商品名SE−75S)によって、30mm×20mm×10mmの直方体の鋼材(炭素鋼)をインサートするインサート成形を行い、肉厚1mmのポリアリーレンスルフィド組成物で被覆する耐ヒートサイクル用テストピースを作製した。得られたテストピースを150℃で30分保持した後、−40℃で30分保持を行うことを1サイクルとする冷熱サイクルに供し、目視によりクラックが発生まで該サイクルを継続し、クラックの発生が認められた冷熱サイクル処理数を耐ヒートサイクル性として評価した。該冷熱サイクル処理数が大きいものほど耐ヒートサイクル性に優れると判断した。
実施例1
PPS(a1)93重量%、PE系共重合体(b1)7重量%の合計100重量部に対し、ポリシロキサン化合物(C−1)1重量部の割合で配合して、310℃に加熱した二軸押出機((株)日本製鋼所製、(商品名)TEX25αIII)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(d1)が40重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーから供給し、スクリュー回転数500rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。
該ポリアリーレンスルフィド組成物を、300℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入し、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性を測定するための試験片をそれぞれ成形した。これら試験片を用い、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性をそれぞれ評価した。これらの結果を表1に示す。
得られたポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が共に高かった。
実施例2〜8
PPS(a1、a2)、PE系共重合体(b1、b2,b3)、シロキサン化合物(C−1)、及びガラス繊維(d1)、炭酸カルシウム(d2)を表1に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
得られた全てのポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が共に高かった。
Figure 0006926729
比較例1〜8
PPS(a1)、PE系共重合体(b1)及びポリシロキサン化合物(C−1、C’−1、C’−2、C’−3、C’−4)、及びガラス繊維(d1)を表2に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表2に示す。
得られたポリアリーレンスルフィド組成物のそれぞれは、ポリアリーレンスルフィド(A)の配合量が特許請求の範囲から外れるもの、ポリエチレン系共重合体(B)の配合量が特許請求の範囲から外れるもの、変性シロキサン化合物(C)の配合量が特許請求の範囲から外れるもの、ポリシロキサン化合物が両末端官能基変性型、片末端官能基変性型、側鎖官能基変性型、或いは官能基未変性型であるものであり、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が同時に優れるものは得られなかった。
Figure 0006926729
実施例9
PPS(a1)93重量%とPE系共重合体(b2−1)7重量%の合計100重量部に対し、シロキサン化合物(C−1)1重量部及びアルコキシシラン化合物(E−1)0.5重量部の割合で配合して、310℃に加熱した二軸押出機((株)日本製鋼所製、(商品名)TEX25αIII)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(d1)が40重量部となるように該二軸押出機のサイドフィーダーから供給し、スクリュー回転数500rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。
該ポリアリーレンスルフィド組成物を、300℃に加熱した射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)のホッパーに投入し、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性を測定するための試験片をそれぞれ成形した。これら試験片を用い、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性をそれぞれ評価した。これらの結果を表3に示す。
得られたポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が共に高かった。
実施例10〜17
PPS(a1、a2)、PE系共重合体(b2−1、b2―2,b3)、シロキサン化合物(C−1)、アルコキシシラン化合物(E−1)及びガラス繊維(d1)、炭酸カルシウム(d2)を表3に示す配合割合とした以外は、実施例9と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例9と同様の方法により評価した。評価結果を表3に示す。
得られた全てのポリアリーレンスルフィド組成物は、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性が共に高かった。
Figure 0006926729
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性などを損なうことなく、ウェルド強度、耐ヒートサイクル性にも優れるポリアリーレンスルフィド組成物を提供するものであり、さらに詳しくは、電気・電子部品又は自動車機器部材などの用途に特に有用なものである。

Claims (4)

  1. ポリアリーレンスルフィド(A)70〜99重量%、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−α−オレフィン共重合体(b1),エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル−無水マレイン酸共重合体(b2)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体(b3)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−酢酸ビニル共重合体(b4)、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体(b5)からなる群より選択される少なくとも1種以上のポリエチレン系共重合体(B)1〜30重量%からなる合計量100重量部に対し、下記一般式(1)で示されるエポキシ基を両末端に有する変性シロキサン化合物(C)0.1〜5重量部、充填材(D)10〜150重量部及びエポキシ基を有する変性アルコキシシラン化合物(E)0.1〜3重量部を配合してなることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。
    Figure 0006926729
    (1)
    (ここで、R,Rはそれぞれ独立してアルキレン基を示し、 ,X はそれぞれグリシドキシプロピル基を示す。)
  2. ポリアリーレンスルフィド(A)が、アリーレンスルフィド単位あたり0.05〜5モル%に相当する官能基を有する、アミノ基含有ポリアリーレンスルフィド,カルボキシル基含有ポリアリーレンスルフィド,チオール基含有ポリアリーレンスルフィド,水酸基含有ポリアリーレンスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種以上の官能基含有ポリアリーレンスルフィド(a1)であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  3. 充填材(D)がガラス繊維(d1),マイカ,クレー,タルク,炭酸カルシウム,ガラスフレーク,ガラスビーズからなる群より選択される少なくとも1種以上のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
  4. エポキシ基を有する変性アルコキシシラン化合物(E)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
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