JP2004149564A - 樹脂組成物 - Google Patents

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    • C08L79/08Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • C08L79/085Unsaturated polyimide precursors

Abstract

【課題】ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドとを含有する樹脂組成物であって、両者の相溶性が顕著に改善され、成形性、溶融流動性、機械的特性などに優れ、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性も高度に保持された樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリアリールケトン40〜99質量%及びポリアリーレンスルフィド1〜60質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、多官能不飽和イミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂0.1〜5質量部を含有する樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドとを含有する樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、相溶性、成形性、溶融流動性、機械的特性などに優れ、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性も高度に保持された樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエーテルエーテルケトン(以下、「PEEK」と略記)に代表されるポリアリールケトンは、強靭性に富むエーテル結合と剛性・耐熱性に富むフェニレン基とを含む分子構造を有しており、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、機械的特性等に優れた結晶性熱可塑性樹脂である。ポリアリールケトンは、繊維補強効果が極めて大きく、熱安定性にも優れている。そのため、ポリアリールケトンは、電気・電子部品、精密機器部品、自動車部品などとして用途が広がっている。しかし、ポリアリールケトンは、高性能の樹脂であるものの、価格が高いことから、使用される分野が制限されていた。また、ポリアリールケトンは、加工温度が一般に390〜410℃程度と高く、しかも繊維状充填剤を添加すると、加工条件の許容範囲が狭くなる。
【0003】
一方、ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」と略記)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、「PAS」と略記)は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、機械的特性等に優れた結晶性熱可塑性樹脂であり、電気・電子部品、精密機器部品、自動車部品などとして用途が広がっている。PPSは、ポリアリールケトンに比べて安価である。しかし、PASは、結晶融点、ガラス転移温度、荷重たわみ温度などがポリエーテルケトンに比較して低く、高耐熱用途の使用には制限があった。
【0004】
ポリアリールケトンの加工性を改善するために、ポリアリールケトンにPASをブレンドしたアロイ(即ち、樹脂組成物)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この樹脂組成物は、ポリアリールケトンより加工温度が低く、物性のバランスにも優れている。しかし、ポリアリールケトンとPASは、相溶性が悪いため、引張強さや曲げ強さなどの機械的特性の点で十分に満足できる樹脂組成物を得ることが困難であった。
【0005】
また、ポリエーテルケトン樹脂とPPS樹脂とのアロイに、炭素繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、またはセラミックファイバーを配合した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2−5参照。)。しかし、これらの樹脂組成物も、ポリアリールケトンとPASとの相溶性が悪いため、十分な機械的特性を有するものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4684699号明細書(第1−2頁)
【特許文献2】
特開平1−282252号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開平1−282253号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開平1−282254号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開平1−282255号公報(第1頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドとを含有する樹脂組成物であって、両者の相溶性が顕著に改善され、成形性、溶融流動性、機械的特性などに優れ、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性も高度に保持された樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドとを特定の割合で含有する樹脂成分に、多官能不飽和イミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂を添加すると、両者の相溶性が顕著に改善され、機械的特性に優れた樹脂組成物の得られることを見出した。
【0009】
本発明の樹脂組成物は、溶融成形加工時の溶融流動性も改善されており、射出成形時に発生するバリを抑制することができる。本発明の樹脂組成物は、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドが有している耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性を損なうことなく、これらの諸特性を高度に保持している。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ポリアリールケトン(A)40〜99質量%、及びポリアリーレンスルフィド(B)1〜60質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、多官能不飽和イミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂(C)0.1〜5質量部を含有する樹脂組成物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
1.ポリアリールケトン(A)
本発明で使用するポリアリールケトンとしては、式1
【0012】
【化6】
Figure 2004149564
【0013】
で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び式2
【0014】
【化7】
Figure 2004149564
【0015】
で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルケトン(以下、「PEK」と略記)が代表的なものであり、いずれも市販されているものを使用することができる。これらのポリアリールケトンは、それぞれ単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0016】
ポリアリールケトンは、例えば、米国特許第4,176,222号明細書に記載されている方法によって製造することができる。市販品では、英国VICTREX社から、式1に相当するPEEKとして「ビクトレックスPEEK」(登録商標)が、式2に相当するPEKとして「ビクトレックスPEK」(登録商標)がそれぞれ製造販売されており、日本では、住友化学工業株式会社及び三井化学株式会社が輸入販売している。
【0017】
本発明の樹脂組成物中のポリアリールケトンの配合割合は、ポリアリールケトンとPASとの合計量を基準として、40〜99質量%であり、好ましくは45〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%の範囲内である。ポリアリールケトンの配合割合が小さすぎると、高耐熱性の用途に適用するには耐熱性が不十分になるとともに、射出成形性及び押出成形性が不十分となる。ポリアリールケトンの配合割合が大きすぎると、PASの配合割合が過小となり、コスト低減効果が得られず、バリ抑制効果も不十分となる。
【0018】
2.ポリアリーレンスルフィド(PAS)(B)
本発明で使用するPASは、式[−Ar−S−](式中、−Ar−は、アリーレン基である)で表されるアリーレンスルフィドの繰り返し単位を主たる構成要素とする芳香族ポリマーである。繰り返し単位[−Ar−S−]を1モル(基本モル)と定義すると、本発明で使用するPASは、該繰り返し単位を通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上の割合で含有するポリマーである。
【0019】
アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、またはフェニル基が好ましい。)、p,p′−ジフェニレンスルホン基、p,p′−ジフェニレン基、p,p′−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基などを挙げることができる。PASとしては、主鎖中に主として同一のアリーレン基を有するポリマーが好ましいが、加工性や耐熱性の観点から、2種以上のアリーレン基を含んだコポリマーを用いることもできる。
【0020】
これらのPASの中でも、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を主構成要素とするPPSが、加工性に優れ、しかも工業的に入手が容易であることから特に好ましい。この他に、ポリアリーレンケトンスルフィド、ポリアリーレンケトンケトンスルフィドなどを使用することができる。コポリマーの具体例としては、p−フェニレンスルフィドの繰り返し単位とm−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンケトンケトンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマー、フェニレンスルフィドの繰り返し単位とアリーレンスルホンスルフィドの繰り返し単位を有するランダムまたはブロックコポリマーなどを挙げることができる。これらのPASは、結晶性ポリマーであることが好ましい。また、PASは、靭性や強度などの観点から、直鎖状ポリマーであることが好ましい。
【0021】
このようなPASは、極性溶媒中で、アルカリ金属硫化物とジハロゲン置換芳香族化合物とを重合反応させる公知の方法(例えば、特公昭63−33775号公報)により得ることができる。
【0022】
アルカリ金属硫化物としては、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムなどを挙げることができる。反応系中で、NaSHとNaOHを反応させることにより生成させた硫化ナトリウムなども使用することができる。
【0023】
ジハロゲン置換芳香族化合物としては、例えば、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、p−ジブロムベンゼン、2,6−ジクロロナフタリン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、4,4′−ジクロロジフェニル、3,5−ジクロロ安息香酸、p,p′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルケトンなどを挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
PASに若干の分岐構造または架橋構造を導入するために、1分子当たり3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロゲン置換芳香族化合物を少量併用することができる。ポリハロゲン置換芳香族化合物の好ましい例としては、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,3−ジクロロ−5−ブロモベンゼンなどのトリハロゲン置換芳香族化合物、及びこれらのアルキル置換体を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、経済性、反応性、物性などの観点から、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、及び1,2,3−トリクロロベンゼンがより好ましい。
【0025】
極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略記)などのN−アルキルピロリドン、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、テトラアルキル尿素、ヘキサアルキル燐酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機アミド溶媒が、反応系の安定性が高く、高分子量のポリマーが得られやすいので好ましい。
【0026】
本発明で使用するPASは、310℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度が10〜1,000Pa・s、好ましくは、15〜600Pa・s、より好ましくは20〜450Pa・sの範囲内のものである。PASの溶融粘度が小さすぎると、樹脂組成物の機械的特性が不十分となるおそれがある。PASの溶融粘度が大きすぎると、樹脂組成物の射出成形性及び押出成形性が不十分となるおそれがある。
【0027】
本発明で使用するPASは、重合終了後の洗浄したものを使用することができるが、さらに、塩酸や酢酸などの酸を含む水溶液、あるいは水−有機溶剤混合溶液により処理されたものや、塩化アンモニウムなどの塩溶液で処理を行ったものなどを使用し、アセトン/水=1:2に調整した水−有機溶媒混合溶液中でのpHが8.0以下を示すようになるまで洗浄処理したPASを用いると、樹脂組成物の溶融流動性及び機械的特性をより一層向上させることができる。
【0028】
本発明で使用するPASは、100μm以上の平均粒子径を有する粒状物であることが望ましい。PASの平均粒子径が小さすぎると、押出機による溶融押出の際、フィード量が制限されるため、樹脂組成物の押出機内の滞留時間が長くなり、樹脂組成物の劣化等の問題が生じるおそれがある。粒径の小さなPAS粉末は、取扱性、輸送性、計量性などが悪く、製造効率上も望ましくない。
【0029】
本発明の樹脂組成物中のPASの配合割合は、ポリアリールケトンとPASとの合計量を基準として、1〜60質量%であり、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは10〜50質量%の範囲内である。PASの配合割合が小さすぎると、コスト低減効果が損なわれることに加えて、機械的強度、射出成形性、押出成形性、バリ抑制効果などが不十分となりやすい。PASの配合割合が大きすぎると、ポリアリールケトンの配合割合が過小となり、高温における曲げ弾性率などの耐熱性が不十分となる。
【0030】
3.熱硬化性イミド樹脂(C)
熱硬化性イミド樹脂としては、硬化前のモノマー型の多官能不飽和イミド化合物と、該多官能不飽和イミド化合物を熱硬化させた硬化物の両方を使用することができる。
多官能不飽和イミド化合物としては、式3
【0031】
【化8】
Figure 2004149564
【0032】
(式中、Dは、炭素−炭素二重結合を有する二価の有機基であり、Rは、二価以上の有機基であり、nは、2以上の整数である。)で表わされる多官能不飽和イミド化合物が代表的なものである。該イミド化合物は、反応性の炭素−炭素二重結合を少なくとも2つ有するため、多官能不飽和イミド化合物と呼ぶ。
【0033】
このような多官能不飽和イミド化合物は、炭素−炭素二重結合を有するジカルボン酸、該ジカルボン酸のモノアルキルエステル(アルキル基は、メチル基、メチル基などの炭素数1〜5の低級アルキル基)、または該ジカルボン酸の酸無水物などのジカルボン酸成分と、ジアミン及びポリアミンから選ばれるアミンとを反応させて、アミド酸を生成させた後、得られたアミド酸を脱水閉環反応させることにより合成することができる。
【0034】
ジカルボン酸成分としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸などが好ましく、無水マレイン酸及び無水ナジック酸がより好ましく、無水ナジック酸が特に好ましい。これらのジカルボン酸成分は、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、アルキル基(メチル基、エチル基などのアルキル基)、アルコキシ基、アリル基、アルキリデン基、アリール基またはアラルキル基など置換基を有するものであってもよい。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜5)、及びアリル基が好ましい。したがって、式3中のDは、これらのジカルボン酸成分に由来する炭素−炭素二重結合を有する二価の有機基である。
【0035】
nは、2以上の整数であり、通常は、2〜20程度である。アミンとしてジアミンを用いると、n=2の多官能不飽和イミド化合物が得られる。アミンとしてポリアミンを用いると、nがアミノ基の数に対応する多官能不飽和イミド化合物が得られる。ポリアミンとしては、オリゴ(アニリン−ホルムアルデヒド)樹脂などのオリゴマーであってもよい。nは、2であることが好ましく、アミンは、ジアミンであることが好ましい。
【0036】
ジアミンとしては、例えば、ピペラジン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノアイコサンなどの脂肪族ジアミン類;4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノ−2,2′−ジトリフルオロメチルビフェニル、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−6,6′−ビベンゾオキサゾール、2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−5,5′−ビベンゾオキサゾール、m−フェニレンジアミン、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メテン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン類;2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾールなどの複素環ジアミン類;1,4−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン類;ジアミノシロキサン、2,6−ジアミノ−4−カルボキシリックベンゼン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジカルボキシリックベンジジンなどが挙げられる。
【0037】
したがって、式3中のRは、典型的には、ジアミンに由来する二価の有機基である。好ましいRの例としては、エチレン、ヘキサメチレン、m−フェニレン、p−フェニレン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ジシクロヘキシルメタン、ジメチレンシクロヘキサン、m−キシリレン、ジフェニルシクロヘキサン、m−ベンジリデンなどが挙げられる。
【0038】
式3で表される多官能不飽和イミド化合物としては、多官能ナジイミド化合物が好ましい。多官能ナジイミド化合物としては、下記式4で表されるビスアリルナジイミド化合物が好ましい。即ち、熱硬化性イミド樹脂(C)は、式4
【0039】
【化9】
Figure 2004149564
【0040】
(式中、Rは、二価の有機基であり、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アルキリデン基、アリール基またはアラルキル基であり、mは、0または1〜6の整数である。)で表わされるビスナジイミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂であることが好ましい。
【0041】
式4において、Rは、前記ジアミンに由来する二価の有機基である。Rは、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素など)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基などの炭素数1〜5のアルキル基)、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜5のアルコキシ基)、アリル基、アルキリデン基、アリール基またはアラルキル基である。これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基などが好ましい。mは、0または1〜6の整数である。
【0042】
ビスナジイミド化合物を含む多官能ナジイミド化合物の具体例としては、N,N′−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N′−(4,4′−ジフェニルオキシ)ビスナジイミド、N,N′−ヘキサメチレンビスナジイミド、N,N′−m−ベンジリデンビスナジイミド、オリゴ(アニリン−ホルムアルデヒド)樹脂のナジイミド、N,N′−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスアリルナジイミド、N,N′−ヘキサメチレンビスアリルナジイミド、N,N′−m−ベンジリデンビスアリルナジイミド等が挙げられる。
ビスナジイミド化合物の中でも、式5
【0043】
【化10】
Figure 2004149564
【0044】
(式中、Rは、二価の有機基である。)で表わされるビスアリルナジイミド化合物であることが好ましい。式5において、Rは、前記ジアミンに由来する二価の有機基である。式5で表されるビスアリルナジイミド化合物の具体例としては、式6、式7、及び式8で表される化合物を挙げることができる。
【0045】
【化11】
Figure 2004149564
【0046】
【化12】
Figure 2004149564
【0047】
【化13】
Figure 2004149564
【0048】
ビスアリルナジイミド化合物は、式9
【0049】
【化14】
Figure 2004149564
【0050】
で表わされる無水ナジック酸、またはナジック酸モノアルキルエステルと、前記ジアミンとを反応させ、次いで、脱水閉環反応することにより合成することができる。ジアミンに代えて、例えば、オリゴ(アニリン−ホルムアルデヒド)樹脂を用いると、nが2を超える多官能ナジイミド化合物を得ることができる。
また、本発明では、式10
【0051】
【化15】
Figure 2004149564
【0052】
(式中、Rは、二価の有機基である。)で表わされるビスマレイミド化合物及びその硬化物も好ましく使用される。ビスマレイミド化合物の具体例としては、N,N′−エチレンビスマレイミド、N,N′−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、N,N′−p−フェニレンビスマレイミド、N,N′−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N′−(4,4′−ジフェニルエーテル)ビスマレイミド、N,N′−(4,4′−ジフェニルスルホン)ビスマレイミド、N,N′−(4,4′−ジシクロヘキシルメタン)ビスマレイミド、N,N′−(α,α′−4,4′−ジメチレンシクロヘキサン)ビスマレイミド、N,N′−m−キシリレンビスマレイミド、N,N′−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド等が挙げられる。
【0053】
無水ナジック酸や無水マレイン酸に代えて、他の酸無水物、例えば、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、及びこれらのハロゲン置換体やアルキル置換体等を用いることにより、それぞれに対応する多官能不飽和イミド化合物を得ることができる。
【0054】
本発明では、熱硬化性イミド樹脂(C)として、硬化前の多官能不飽和イミド化合物を使用することができるが、該多官能不飽和イミド化合物を熱硬化させた硬化物も使用することができる。硬化条件は、多官能不飽和イミド化合物の種類によって異なるが、多くの場合、200〜300℃の温度範囲で、30分間から72時間の加熱時間である。ビスアリルナジイミド化合物の場合、その典型的な硬化条件は、約250℃で約5時間から約24時間の加熱処理である。多官能不飽和イミド化合物の硬化物としては、多官能ナジイミド化合物の硬化物が好ましく、ビスナジイミド化合物の硬化物がより好ましく、ビスアリルナジイミド化合物の硬化物が特に好ましい。
【0055】
本発明では、熱硬化性イミド樹脂(C)として、一種若しくは二種以上の多官能不飽和イミド化合物、または一種若しくは二種以上の多官能不飽和イミド化合物の硬化物を使用することができる。また、本発明では、多官能不飽和イミド化合物とその硬化物を併用してもよい。
【0056】
熱硬化性イミド樹脂(C)は、樹脂成分100質量部に対して、0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜4質量部、より好ましくは0.3〜3質量部の割合で使用する。熱硬化性イミド樹脂(C)の配合割合が小さすぎると、配合による機械的特性の向上などの効果が小さく、大きすぎると、成形加工過程にガスを発生し易く、成形品にボイドが生じ易くなる。
【0057】
4.充填剤
本発明の樹脂組成物には、所望により、充填剤を配合することができる。充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維などの無機繊維状物;ステンレス、アルミニウム、チタン、鋼、真鍮等の金属繊維状物;ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などから形成された高融点の有機質繊維状物;等の繊維状充填剤が挙げられる。
【0058】
非繊維状の充填剤としては、例えば、マイカ、シリカ、タルク、アルミナ、カオリン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、磁性粉(例えば、フェライト)、クレー、ガラス粉、酸化亜鉛、炭酸ニッケル、酸化鉄、石英粉末、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等の粒状、粉末状またはフレーク状充填剤を挙げることができる。
【0059】
これらの充填剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。充填剤は、必要に応じて、集束剤または表面処理剤により処理されていてもよい。集束剤または表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物が挙げられる。これらの化合物は、充填剤に対して、予め表面処理または集束処理を施して用いるか、あるいは組成物の調製の際に同時に添加してもよい。
【0060】
充填剤を本発明の樹脂組成物に配合する場合には、樹脂成分100質量部に対して、通常0〜800重量部、好ましくは0〜500重量部、より好ましくは0〜300重量部の範囲内で配合する。充填剤として、ガラス繊維などの無機繊維充填剤を配合すると、引張強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げたわみなどの機械的特性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0061】
5.シラン化合物
本発明の樹脂組成物には、ガラス繊維等の充填剤との界面接着性を改善するために、所望により、官能基含有シラン化合物を配合することができる。官能基含有シラン化合物としては、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を分子中に1個以上含有するアルコキシシランまたはハロシランが好ましい。
【0062】
官能基含有シラン化合物の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を含有するシラン化合物;γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基を含有するシラン化合物;γ−グリシドキシブロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ基を含有するシラン化合物;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリクロロシランなどのイソシアネー卜基を含有するシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、β−メルカプトエチルジメトキシシランなどのメルカプト基を含有するシラン化合物;等が挙げられる。
【0063】
これらの官能基含有シラン化合物の配合割合は、樹脂成分100重量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは、0.05〜10質量部、より好ましくは、0.1〜5質量部である。これらのシラン化合物の配合量が少なすぎると、添加による機械的特性の改良効果が小さく、逆に、多すぎると、成形加工過程でガスを発生し易く、成形品にボイドが生じ易くなる。官能基含有シラン化合物は、多くの場合、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜1質量部程度の割合で十分な効果を発揮することができる。
【0064】
6.その他の熱可塑性樹脂
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内において、その他の熱可塑性樹脂を添加することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂が好ましい。
【0065】
その熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂;ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアルキルアクリレート、ABS樹脂、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。
【0066】
これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。その他の熱可塑性樹脂は、通常、ポリアリールケトンとPASとを樹脂成分とする樹脂組成物の諸特性を損なわない少量の範囲内で使用される。その他の熱可塑性樹脂の好ましい配合割合は、ポリアリールケトンとPASとの合計量100質量部に対して、50質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。
【0067】
7.その他の添加剤
本発明の樹脂組成物には、前記以外のその他の添加剤として、例えば、エチレングリシジルメタクリレートのような樹脂改良剤、ペンタエリスリトールテトラステアレートのような滑剤、熱硬化性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ボロンナイトライドのような核剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤等を適宜添加することができる。
【0068】
8.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、一般に合成樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調整することができる。例えば、各原料成分をヘンシェルミキサー、タンブラー等の混合機により予備混合し、必要があればガラス繊維等の充填剤を加えてさらに混合した後、一軸または二軸の押出機を使用して混練し、押出して成型用ペレットとする方法により調製することができる。必要成分の一部をマスターバッチとしてから残りの成分と混合する方法、また、各成分の分散性を高めるために、使用する原料の一部を粉砕し、粒径を揃えて混合し溶融押出する方法も採用することが可能である。
【0069】
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性であるため、射出成形や押出成形などの一般的溶融成形加工法を適用して、シート、フィルム、チューブ、その他の成形品に成形加工することができる。成形品は、高温剛性、難燃性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、機械的特性等などが優れており、これらの諸特性が要求される広範な分野で利用される。
【0070】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、物性の測定方法は、以下に示す通りである。
【0071】
(1)引張物性(引張強さ、引張伸び):
樹脂組成物の引張強さ及び引張伸び(引張破断伸び)は、ASTM D638に準拠し、測定温度23℃、標点間距離50mm、クロスヘッド速度5mm/分の条件で測定した。
【0072】
(2)曲げ物性(曲げ弾性率、曲げ強さ):
樹脂組成物の曲げ弾性率及び曲げ強さは、ASTM D790に準拠し、測定温度23℃、支持間距離80mm、クロスヘッド速度3.5mm/分の条件で測定した。
【0073】
(3)Izod衝撃強さ:
樹脂組成物のIzod(アイゾット)衝撃強さは、ASTM D256に準拠し、測定温度23℃で測定した。
【0074】
(4)溶融粘度:
溶融粘度は、キャピログラフ(東洋精機社製)を用いて、温度310℃、剪断速度1200/秒の条件で測定した。
【0075】
(5)PASのpH:
アセトン/水=1/2の割合の混合溶液中でPASのpHを測定した。より具体的には、ポリマー20gに対して、アセトン50mlを添加してよく混合し、さらにイオン交換水100mlを加え、振盪機にて30分間振盪した後、上澄液60mlを分取し、そのpHを測定した。
【0076】
(6)バリの評価方法:
溶融押出により得られたペレットを用いて、直径70mm、厚さ3mmのキャビティを有し、150℃の温度に保持された金型内に、樹脂組成物が完全に充填される最小の充填圧力の1.05倍の圧力で射出成形し、金型円周部に設けられた厚さ20μm、幅5mmの隙間(バリ評価スリット)に生じるバリ長さを、拡大投影機を用いて測定した。
【0077】
(7)荷重たわみ温度:
樹脂組成物の荷重たわみ温度(1.82MPa)は、ASTM D648に準拠し、測定した。
【0078】
[合成例1]PPSの合成例:
重合缶にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)720kgと、46.21重量%の硫化ナトリウム(NaS)を含む硫化ナトリウム5水塩420kgとを仕込み、窒素ガスで置換後、撹拌しながら徐々に200℃まで昇温して、水160kgを留出させた。このとき、同時に62モルのHSが揮散した。
【0079】
上記脱水工程後、重合缶にp−ジクロロベンゼン364kgと、NMP250kgを加え、撹絆しながら220℃で4.5時間反応させた.その後、撹拌を続けながら水59kgを圧入し、255℃に昇温して5時間反応させた。反応終了後、室温付近まで冷却してから、内容物を100メッシュのスクリーンに通して粒状ポリマーを篩分し、アセトン洗浄2回、さらに水洗浄3回を行い、洗浄ポリマーを得た。この洗浄ポリマーを3%塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、水洗浄を行った。脱水後、回収した粒状ポリマーは、105℃で3時間乾燥した。このようにして得られたPPSの収率は89%で、溶融粘度は140Pa・sであった。
【0080】
[実施例1〜6、比較例1〜4]
表1に示す各成分をヘンシェルミキサーで均一にドライブレンドした後、46mmφ二軸混練押出機(池貝鉄工社製PCM−46)へ供給して、シリンダー温度260〜385℃にて混棟を行いペレットを作製した。このようにして得られたペレットを180℃で6時間乾燥した後、射出成型機(東芝機械社製IS−75)により、金型温度180℃、シリンダー温度300〜380℃で、引張試験片及び曲げ試験片を作製した。樹脂組成及び結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
Figure 2004149564
【0082】
(脚注)
(1)PEEK:ポリエーテルエーテルケトン、ビクトレックス PEEK 150P(ビクトレックス−MC)、
(2)BANI−M(式6のビスアリルナジイミド化合物、丸善石油化学)、
(3)BANI−X(式7のビスアリルナジイミド化合物、丸善石油化学)、
(4)BANI−H(式8のビスアリルナジイミド化合物、丸善石油化学)、
(5)BANI−Mの硬化物(式6のビスアリルナジイミド化合物を250℃で10時間熱処理して硬化させた硬化物)、
(6)ガラス繊維:旭ファイバーガラス社製「FT689」。
【0083】
表1に示された結果から明らかなように、硬化前または硬化後の熱硬化性イミド樹脂を添加した樹脂組成物(実施例1〜6)は、それぞれに対応する熱硬化性イミド樹脂無添加の樹脂組成物(比較例2〜4)に比べて、機械的特性、バリ特性、及び荷重たわみ温度に優れている。
【0084】
具体的に、実施例1〜3及び6と比較例2を対比すると、本発明の樹脂組成物は、全ての機械的特性、及び荷重たわみ温度に優れている。実施例4と比較例3を対比すると、本発明の樹脂組成物は、機械的特性に優れており、他の特性も良好である。実施例5と比較例4を対比すると、本発明の樹脂組成物は、全ての機械的特性に優れているだけではなく、バリ特性が大幅に改善されている。
【0085】
本発明の樹脂組成物は、機械的特性の点では、引張強さ及び曲げ強さが顕著に改善されており、その他の特性も良好である。PASとガラス繊維のみを含む樹脂組成物(比較例1)は、機械的特性、バリ特性、及び荷重たわみ温度が劣っている。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドとを含有する樹脂組成物であって、両者の相溶性が顕著に改善され、成形性、溶融流動性、機械的特性などに優れ、耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性も高度に保持された樹脂組成物が提供される。本発明の樹脂組成物は、溶融成形加工時の溶融流動性も改善されており、射出成形時に発生するバリを抑制することができる。本発明の樹脂組成物は、ポリアリールケトンとポリアリーレンスルフィドが有している耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性などの諸特性を損なうことなく、これらの諸特性を高度に保持している。本発明の樹脂組成物は、これらの諸特性を生かして、高耐熱用途などを含む広範な分野に使用することができる。

Claims (7)

  1. ポリアリールケトン(A)40〜99質量%、及びポリアリーレンスルフィド(B)1〜60質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、多官能不飽和イミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂(C)0.1〜5質量部を含有する樹脂組成物。
  2. ポリアリールケトン(A)が、式1
    Figure 2004149564
    で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルエーテルケトン、及び式2
    Figure 2004149564
    で表わされる繰り返し単位を有するポリエーテルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリアリールケトンである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリアリーレンスルフィド(B)が、温度310℃、剪断速度1200/秒で測定した溶融粘度が10〜1,000Pa・sの範囲内にあるポリアリーレンスルフィドである請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 熱硬化性イミド樹脂(C)が、式3
    Figure 2004149564
    (式中、Dは、炭素−炭素二重結合を有する二価の有機基であり、Rは、二価以上の有機基であり、nは、2以上の整数である。)
    で表わされる多官能不飽和イミド化合物及びその硬化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱硬化性イミド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 多官能不飽和イミド化合物が、多官能ナジイミド化合物である請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 多官能ナジイミド化合物が、式4
    Figure 2004149564
    (式中、Rは、二価の有機基であり、Rは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリル基、アルキリデン基、アリール基またはアラルキル基であり、mは、0または1〜6の整数である。)
    で表わされるビスナジイミド化合物である請求項5記載の樹脂組成物。
  7. ビスナジイミド化合物が、式5
    Figure 2004149564
    (式中、Rは、二価の有機基である。)
    で表わされるビスアリルナジイミド化合物である請求項6記載の樹脂組成物。
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