JPH0822910B2 - 炭酸カルシウム組成物を含有する高分子組成物の製法 - Google Patents
炭酸カルシウム組成物を含有する高分子組成物の製法Info
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- JPH0822910B2 JPH0822910B2 JP2416724A JP41672490A JPH0822910B2 JP H0822910 B2 JPH0822910 B2 JP H0822910B2 JP 2416724 A JP2416724 A JP 2416724A JP 41672490 A JP41672490 A JP 41672490A JP H0822910 B2 JPH0822910 B2 JP H0822910B2
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- carbonate composition
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多価アルコール中に
おいて調製するコロイド状炭酸カルシウム組成物あるい
は粒子状炭酸カルシウム組成物から炭酸カルシウムを単
離することなく、ポリエステル系及びポリウレタン系高
分子組成物を製造する方法に関する。本発明方法によっ
て製造される高分子組成物は、超微粒子炭酸カルシウム
を充填した高分子フィルム、均一粒径の炭酸カルシウム
を分散させたサスペンジョンを用いる塗料等の分野にお
いて有効に応用できる。
おいて調製するコロイド状炭酸カルシウム組成物あるい
は粒子状炭酸カルシウム組成物から炭酸カルシウムを単
離することなく、ポリエステル系及びポリウレタン系高
分子組成物を製造する方法に関する。本発明方法によっ
て製造される高分子組成物は、超微粒子炭酸カルシウム
を充填した高分子フィルム、均一粒径の炭酸カルシウム
を分散させたサスペンジョンを用いる塗料等の分野にお
いて有効に応用できる。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムの微粒子を高分子素材に
充填する場合、粉体の粒子径が小さ過ぎると凝集や会合
が発生し易すく、成形時にフィルター目詰まりやノズル
孔の目詰まりが発生する。また、微粒子状の炭酸カルシ
ウムの凝集体や会合物がそのまま充填された複合化高分
子は、一般に機械的特性が低下し且つ一定化しないもの
であった。
充填する場合、粉体の粒子径が小さ過ぎると凝集や会合
が発生し易すく、成形時にフィルター目詰まりやノズル
孔の目詰まりが発生する。また、微粒子状の炭酸カルシ
ウムの凝集体や会合物がそのまま充填された複合化高分
子は、一般に機械的特性が低下し且つ一定化しないもの
であった。
【0003】このような問題点を解決する手段として、
高分子素材に炭酸カルシウムを添加し混練する際に、有
機酸等で表面処理された炭酸カルシウムを使用する方
法、あるいは重合反応に先だって炭酸カルシウムを添加
し分散性を向上させる方法が知られている(例えば、特
開昭62−212424号公報)
高分子素材に炭酸カルシウムを添加し混練する際に、有
機酸等で表面処理された炭酸カルシウムを使用する方
法、あるいは重合反応に先だって炭酸カルシウムを添加
し分散性を向上させる方法が知られている(例えば、特
開昭62−212424号公報)
【0004】微粒子状炭酸カルシウムの製造方法は粉砕
法と反応法に大きく分けられる。粉砕による微粒子状炭
酸カルシウムの製法は、近年の分級技術の向上により1
〜2μm程度の微粒子の製造が可能となった。他方、水
系石灰乳を炭酸化する製法は、極めて微細で粒度の揃っ
たものを調製できるが、単離の段階における凝集が著し
く、その後の使用に支障を来していた。この難点を防止
するために、高分子素材に充填する際に予め有機溶媒で
再分散するなどの方法が検討されてきた。(特開昭62
−151431号公報)
法と反応法に大きく分けられる。粉砕による微粒子状炭
酸カルシウムの製法は、近年の分級技術の向上により1
〜2μm程度の微粒子の製造が可能となった。他方、水
系石灰乳を炭酸化する製法は、極めて微細で粒度の揃っ
たものを調製できるが、単離の段階における凝集が著し
く、その後の使用に支障を来していた。この難点を防止
するために、高分子素材に充填する際に予め有機溶媒で
再分散するなどの方法が検討されてきた。(特開昭62
−151431号公報)
【0005】さらに、本発明に関連すると考えられる先
行技術として、メタノールを溶媒とした活性な炭酸カル
シウムを製造する方法(日本化学会誌、1107頁、1
988年)が報告されているが、本発明とは多価アルコ
ール系溶媒を用いてコロイド状または均一粒子状の炭酸
カルシウム組成物としている点及びこの反応生成物から
炭酸カルシウムを単離することなくそのまま高分子素材
に複合化させる点で明らかに相違している。
行技術として、メタノールを溶媒とした活性な炭酸カル
シウムを製造する方法(日本化学会誌、1107頁、1
988年)が報告されているが、本発明とは多価アルコ
ール系溶媒を用いてコロイド状または均一粒子状の炭酸
カルシウム組成物としている点及びこの反応生成物から
炭酸カルシウムを単離することなくそのまま高分子素材
に複合化させる点で明らかに相違している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】微粒子状炭酸カルシウ
ムは、溶媒中で容易に凝集し結晶成長する。従って、一
旦凝集し会合したものを、高分子素材中で元の一次粒子
にまで再分散することは容易でない。本発明の目的は、
このような微粒子状炭酸カルシウムの凝集トラブルを回
避し、且つ微粒子状炭酸カルシウムを元の一次粒子のま
ま複合化した高分子組成物の製造方法を確立することに
ある。
ムは、溶媒中で容易に凝集し結晶成長する。従って、一
旦凝集し会合したものを、高分子素材中で元の一次粒子
にまで再分散することは容易でない。本発明の目的は、
このような微粒子状炭酸カルシウムの凝集トラブルを回
避し、且つ微粒子状炭酸カルシウムを元の一次粒子のま
ま複合化した高分子組成物の製造方法を確立することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】微粒子状炭酸カルシウム
を製造する方法は、結晶の成長をうまく抑制することに
あるが、そのためには結晶化の核をなくした均一溶液を
出発物質とし、結晶成長を促進する水分を除き、生成し
たコロイド状の微結晶の表面エネルギーを小さくしてお
くなどの条件設定が考えられる。
を製造する方法は、結晶の成長をうまく抑制することに
あるが、そのためには結晶化の核をなくした均一溶液を
出発物質とし、結晶成長を促進する水分を除き、生成し
たコロイド状の微結晶の表面エネルギーを小さくしてお
くなどの条件設定が考えられる。
【0008】本発明者等は、これらの条件を充足し、尚
且つ高分子材料のモノマーとして利用できる等の条件を
満足させるために、種々の試験研究を行った結果、二ケ
以上の水酸基を有するアルコールが含まれている溶媒に
水酸化カルシウムを溶解もしくは懸濁し、これに二酸化
炭素を含む気体を接触することにより所期のコロイド状
炭酸カルシウム組成物が得られ、更にこのコロイド状炭
酸カルシウム組成物に、静置、撹拌、加熱等の処理のう
ち少なくともいずれかの処理を施すことにより粒径の揃
った粒子状炭酸カルシウム組成物を調製しうることを見
い出し、またこれらの炭酸カルシウム組成物から炭酸カ
ルシウムを単離することなく、反応溶媒である多価アル
コールの全部または一部を高分子組成物の一成分として
使用することにより、本発明の方法を完遂するに至っ
た。
且つ高分子材料のモノマーとして利用できる等の条件を
満足させるために、種々の試験研究を行った結果、二ケ
以上の水酸基を有するアルコールが含まれている溶媒に
水酸化カルシウムを溶解もしくは懸濁し、これに二酸化
炭素を含む気体を接触することにより所期のコロイド状
炭酸カルシウム組成物が得られ、更にこのコロイド状炭
酸カルシウム組成物に、静置、撹拌、加熱等の処理のう
ち少なくともいずれかの処理を施すことにより粒径の揃
った粒子状炭酸カルシウム組成物を調製しうることを見
い出し、またこれらの炭酸カルシウム組成物から炭酸カ
ルシウムを単離することなく、反応溶媒である多価アル
コールの全部または一部を高分子組成物の一成分として
使用することにより、本発明の方法を完遂するに至っ
た。
【0009】即ち、二ケ以上の水酸基を有するアルコー
ルに対しては、炭酸カルシウムの前駆体である水酸化カ
ルシウムの溶解度が比較的大きく、濾過により結晶化の
核となるような未溶解物質を容易に除去できる。また、
炭酸化したあとも、極性の高いアルコール中では結晶化
が比較的ゆっくりと進行するため、粒子状に移行するプ
ロセスを制御することが可能となる。
ルに対しては、炭酸カルシウムの前駆体である水酸化カ
ルシウムの溶解度が比較的大きく、濾過により結晶化の
核となるような未溶解物質を容易に除去できる。また、
炭酸化したあとも、極性の高いアルコール中では結晶化
が比較的ゆっくりと進行するため、粒子状に移行するプ
ロセスを制御することが可能となる。
【0010】本発明の実施に適する二ケ以上の水酸基を
有するアルコールの代表的なものとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセ
リン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等である。これらは、単
独または複数混合しても使用できるし、必要に応じてビ
スフェノールA、4,4′−ビス(ヒドロキシフェニル
エーテル)等の多価アルコールとの併用も可能である。
有するアルコールの代表的なものとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセ
リン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等である。これらは、単
独または複数混合しても使用できるし、必要に応じてビ
スフェノールA、4,4′−ビス(ヒドロキシフェニル
エーテル)等の多価アルコールとの併用も可能である。
【0011】本発明の実施において、結晶の成長を促進
したり抑制するためには有機カルボン酸類、有機スルホ
ン酸類、シランカプラー、チタネートカプラー、りん酸
モノエステル、有機ホスホン酸類、ノニオン性界面活性
剤等の界面活性剤を添加すればよい。特に処理剤が炭酸
カルシウムと高分子マトリックスとの双方に対して反応
性や親和性を有しているアミノプロピルトリエトキシシ
ランやヒドロキシフェニルホスホン酸等はより有効であ
り、また冷却または加熱などの物質的処理を行うことに
より結晶成長に大きい影響を与えることができるが、こ
れらは通常の方法により十分効果を挙げることができ
る。
したり抑制するためには有機カルボン酸類、有機スルホ
ン酸類、シランカプラー、チタネートカプラー、りん酸
モノエステル、有機ホスホン酸類、ノニオン性界面活性
剤等の界面活性剤を添加すればよい。特に処理剤が炭酸
カルシウムと高分子マトリックスとの双方に対して反応
性や親和性を有しているアミノプロピルトリエトキシシ
ランやヒドロキシフェニルホスホン酸等はより有効であ
り、また冷却または加熱などの物質的処理を行うことに
より結晶成長に大きい影響を与えることができるが、こ
れらは通常の方法により十分効果を挙げることができ
る。
【0012】また、界面活性を示さないジイソシアネー
ト、ケイ酸エチルあるいはチタン酸イソプロピル等の複
数の水酸基と反応しうる有機または無機化合物を添加す
ることにより著しい増粘効果が得られ、結晶成長の進行
を抑制することが可能である。この場合に水分の添加に
よりシリカゲルまたはチタニアゲルと炭酸カルシウムの
複合化粉体が得られる。
ト、ケイ酸エチルあるいはチタン酸イソプロピル等の複
数の水酸基と反応しうる有機または無機化合物を添加す
ることにより著しい増粘効果が得られ、結晶成長の進行
を抑制することが可能である。この場合に水分の添加に
よりシリカゲルまたはチタニアゲルと炭酸カルシウムの
複合化粉体が得られる。
【0013】コロイド状の炭酸カルシウム組成物は、常
温下では時間の経過と共にゆっくりと、また高温下では
比較的速く粒子状炭酸カルシウム組成物に移行する。し
かしながら、5℃以下の温度においては、1週間以上変
化しない。また、コロイド状態の炭酸カルシウム組成物
は、減圧乾燥したのち電子顕微鏡で観察したところ炭酸
カルシウムの結晶成長粒子は認められず、X線分析でも
特性吸収が認められなかった。
温下では時間の経過と共にゆっくりと、また高温下では
比較的速く粒子状炭酸カルシウム組成物に移行する。し
かしながら、5℃以下の温度においては、1週間以上変
化しない。また、コロイド状態の炭酸カルシウム組成物
は、減圧乾燥したのち電子顕微鏡で観察したところ炭酸
カルシウムの結晶成長粒子は認められず、X線分析でも
特性吸収が認められなかった。
【0014】本発明の方法によれば、コロイド状炭酸カ
ルシウム組成物あるいは粒子状炭酸カルシウム組成物
と、多塩基性カルボン酸またはその誘導体を混合し、必
要に応じて適当な触媒を添加したのち重合反応を行うこ
とにより、炭酸カルシウムを含むポリエステル系高分子
組成物を製造することができる。
ルシウム組成物あるいは粒子状炭酸カルシウム組成物
と、多塩基性カルボン酸またはその誘導体を混合し、必
要に応じて適当な触媒を添加したのち重合反応を行うこ
とにより、炭酸カルシウムを含むポリエステル系高分子
組成物を製造することができる。
【0015】本発明方法の実施において用いられるカル
ボン酸及びその誘導体の代表的なものとしては、アジピ
ン酸、アジピン酸ジメチル、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ
(2−ヒドロキシエチル)、イソフタル酸ジエチル、フ
タル酸ジエチル、無水フタル酸、フマル酸、フマル酸ジ
エチル、ピロメリット酸二無水物、ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸ジ(2−ヒドロ
キシエチル)等であり、またポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリアミド酸等のカルボキシル基やエステル基を
含む多官能性ポリマー、オリゴマー等の類も併用するこ
とができる。
ボン酸及びその誘導体の代表的なものとしては、アジピ
ン酸、アジピン酸ジメチル、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジ
(2−ヒドロキシエチル)、イソフタル酸ジエチル、フ
タル酸ジエチル、無水フタル酸、フマル酸、フマル酸ジ
エチル、ピロメリット酸二無水物、ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸ジ(2−ヒドロ
キシエチル)等であり、またポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリアミド酸等のカルボキシル基やエステル基を
含む多官能性ポリマー、オリゴマー等の類も併用するこ
とができる。
【0016】重合反応は、常圧または減圧下に反応溶液
を加熱しながら余剰のアルコール系成分または水分を除
くことによって達成できる。この場合、炭酸カルシウム
の最終含有率は、初期の水酸化カルシウムと有機酸成分
との割合により調整できる。また、縮合反応や脱水反応
を促進するために、必要に応じて酸性または塩基性の触
媒を添加すべきである。
を加熱しながら余剰のアルコール系成分または水分を除
くことによって達成できる。この場合、炭酸カルシウム
の最終含有率は、初期の水酸化カルシウムと有機酸成分
との割合により調整できる。また、縮合反応や脱水反応
を促進するために、必要に応じて酸性または塩基性の触
媒を添加すべきである。
【0017】本発明の方法によれば、コロイド状炭酸カ
ルシウム組成物あるいは粒子状炭酸カルシウム組成物
に、多官能性イソシアナートを加えて重合反応させるこ
とにより、ポリウレタン系高分子組成物を製造すること
ができる。
ルシウム組成物あるいは粒子状炭酸カルシウム組成物
に、多官能性イソシアナートを加えて重合反応させるこ
とにより、ポリウレタン系高分子組成物を製造すること
ができる。
【0018】この場合反応を促進させるためには、適当
な触媒を添加する必要がある。また重合反応に使用でき
るイソシアナートしては、トリレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアナート)等であり、またイソシ
アナート基を複数個有しているプレポリマーを用いても
よい。
な触媒を添加する必要がある。また重合反応に使用でき
るイソシアナートしては、トリレンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアナート)等であり、またイソシ
アナート基を複数個有しているプレポリマーを用いても
よい。
【0019】以下、本発明方法の実施について具体例を
示しながら説明する。
示しながら説明する。
【0020】
【実施例1】重合容器中で水酸化カルシウム3.5gを
テトラメチレングリコール100gに懸濁溶解したの
ち、乾燥空気を吹き込んで炭酸化し、次いでセバシン酸
ジエチル20g、酢酸カルシウム0.01g及び酸化鉛
0.02gを加え、窒素気流下において150℃の温度
で2時間加熱し、その後220℃まで温度を上げたの
ち、1mmHg以下の高真空で重合を続けると、粘稠な
液体を経て炭酸カルシウム/ポリエステル複合体が得ら
れた。
テトラメチレングリコール100gに懸濁溶解したの
ち、乾燥空気を吹き込んで炭酸化し、次いでセバシン酸
ジエチル20g、酢酸カルシウム0.01g及び酸化鉛
0.02gを加え、窒素気流下において150℃の温度
で2時間加熱し、その後220℃まで温度を上げたの
ち、1mmHg以下の高真空で重合を続けると、粘稠な
液体を経て炭酸カルシウム/ポリエステル複合体が得ら
れた。
【0021】
【実施例2】水酸化カルシウム4gをエチレングリコー
ル80gに溶解した溶液中にフェニルホスホン酸0.4
gを加え、室温において二酸化炭素を吹き込み炭酸化反
応を行いコロイド状炭酸カルシウムを得た。この反応生
成物に、直ちにテレフタル酸ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)11.1g、三酸化アンチモン0.02g及び酸化
亜鉛0.05gを夫々加え、加熱撹拌し、次いで過剰の
エチレングリコールを留去し、反応容器を減圧にして加
熱を続けると、炭酸カルシウムとポリエチレンテレフタ
レートとの複合体からなる硬い樹脂が得られた。この樹
脂生成物は、赤外線分光光度計及び熱分析計で確認し
た。また、この複合体の破断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、0.1μm以上に粒子化した炭酸カルシウムは
認められなかった。
ル80gに溶解した溶液中にフェニルホスホン酸0.4
gを加え、室温において二酸化炭素を吹き込み炭酸化反
応を行いコロイド状炭酸カルシウムを得た。この反応生
成物に、直ちにテレフタル酸ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)11.1g、三酸化アンチモン0.02g及び酸化
亜鉛0.05gを夫々加え、加熱撹拌し、次いで過剰の
エチレングリコールを留去し、反応容器を減圧にして加
熱を続けると、炭酸カルシウムとポリエチレンテレフタ
レートとの複合体からなる硬い樹脂が得られた。この樹
脂生成物は、赤外線分光光度計及び熱分析計で確認し
た。また、この複合体の破断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、0.1μm以上に粒子化した炭酸カルシウムは
認められなかった。
【0022】
【実施例3】実施例2において得られたコロイド状炭酸
カルシウム組成物を2分間高周波照射処理をして室温で
粒子化した炭酸カルシウムを用いて同じ処理を行い、炭
酸カルシウムとポリエチレンテレフタレートとの複合体
を調製し、得られた複合体の破断面を電子顕微鏡で観察
したところ、粒子状炭酸カルシウムが一次粒子として分
散していることが確認できた。
カルシウム組成物を2分間高周波照射処理をして室温で
粒子化した炭酸カルシウムを用いて同じ処理を行い、炭
酸カルシウムとポリエチレンテレフタレートとの複合体
を調製し、得られた複合体の破断面を電子顕微鏡で観察
したところ、粒子状炭酸カルシウムが一次粒子として分
散していることが確認できた。
【0023】
【実施例4】水酸化カルシウム5gをエチレングリコー
ル200gに溶解し、スベリン酸0.1gを加えたの
ち、炭酸化反応を行い、コロイド状炭酸カルシウム組成
物を得た。この炭酸カルシウム組成物に、三酸化アンチ
モン0.1g及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジ
(2−ヒドロキシエチル)30gを夫々加え窒素下22
0℃の温度で30分間撹拌した。次いで得られた反応生
成物を試験管に移し、高真空下260℃の温度で加熱す
ると微粒子炭酸カルシウムを一次粒子として分散し充填
した炭酸カルシウム/ポリエチレンナフタレートの複合
体が得られた。
ル200gに溶解し、スベリン酸0.1gを加えたの
ち、炭酸化反応を行い、コロイド状炭酸カルシウム組成
物を得た。この炭酸カルシウム組成物に、三酸化アンチ
モン0.1g及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジ
(2−ヒドロキシエチル)30gを夫々加え窒素下22
0℃の温度で30分間撹拌した。次いで得られた反応生
成物を試験管に移し、高真空下260℃の温度で加熱す
ると微粒子炭酸カルシウムを一次粒子として分散し充填
した炭酸カルシウム/ポリエチレンナフタレートの複合
体が得られた。
【0024】
【実施例5】水酸化カルシウム7.5gとジエチレング
リコール62gを用いて、実施例2と同様の処理によ
り、コロイド状炭酸カルシウム組成物を調製し、一夜常
温で放置した。この炭酸カルシウム組成物にチタネート
カプラー(TTS)0.1g、トリレンジイソシアナー
ト35g及びジラウリン酸ジブチル錫(II)0.01
gを夫々加え、加熱すると粘度が上昇し、炭酸カルシウ
ム/ウレタンプレポリマー混合物が得られた。この混合
物に、トリレンジイソシアナート5gと4−メチルペン
タノン−2を40ml夫々追加混合して、窒素気流下で
撹拌しながら加熱すると炭酸カルシウム/ポリウレタン
複合体が得られた。この複合体の破断面の電子顕微鏡観
察により、炭酸カルシウムの良好な分散性を確認するこ
とができた。
リコール62gを用いて、実施例2と同様の処理によ
り、コロイド状炭酸カルシウム組成物を調製し、一夜常
温で放置した。この炭酸カルシウム組成物にチタネート
カプラー(TTS)0.1g、トリレンジイソシアナー
ト35g及びジラウリン酸ジブチル錫(II)0.01
gを夫々加え、加熱すると粘度が上昇し、炭酸カルシウ
ム/ウレタンプレポリマー混合物が得られた。この混合
物に、トリレンジイソシアナート5gと4−メチルペン
タノン−2を40ml夫々追加混合して、窒素気流下で
撹拌しながら加熱すると炭酸カルシウム/ポリウレタン
複合体が得られた。この複合体の破断面の電子顕微鏡観
察により、炭酸カルシウムの良好な分散性を確認するこ
とができた。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、比較的安定なコ
ロイド状炭酸カルシウムあるいは粒子状炭酸カルシウム
を多価アルコール中で調製することができ、この炭酸カ
ルシウムが均一に分散したポリエステル及びポリウレタ
ン複合体を製造することができる。
ロイド状炭酸カルシウムあるいは粒子状炭酸カルシウム
を多価アルコール中で調製することができ、この炭酸カ
ルシウムが均一に分散したポリエステル及びポリウレタ
ン複合体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 75/04 (56)参考文献 特開 平3−172320(JP,A) 特開 昭61−28522(JP,A) 特開 昭52−6795(JP,A) 特開 昭59−166523(JP,A) 特開 昭59−199731(JP,A) 特開 昭59−64527(JP,A) 特公 昭48−17438(JP,B1) 特公 昭56−35612(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】二ケ以上の水酸基を有するアルコールが含
まれている溶媒に水酸化カルシウムを溶解または懸濁
し、この溶液に二酸化炭素を含む気体を接触させて得ら
れるコロイド状炭酸カルシウム組成物あるいは前記コロ
イド状炭酸カルシウム組成物を、静置、撹拌または加熱
処理して得られる粒子状炭酸カルシウム組成物に、多塩
基性カルボン酸またはその誘導体を加えて、重合反応さ
せることを特徴とする炭酸カルシウム組成物を含有する
高分子組成物の製法。 - 【請求項2】二ケ以上の水酸基を有するアルコールが含
まれている溶媒に水酸化カルシウムを溶解または懸濁
し、この溶液に二酸化炭素を含む気体を接触させて得ら
れるコロイド状炭酸カルシウム組成物あるいは前記コロ
イド状炭酸カルシウム組成物を、静置、撹拌または加熱
処理して得られる粒子状炭酸カルシウム組成物に、多官
能性イソシアネートを加えて、重合反応させることを特
徴とする炭酸カルシウム組成物を含有する高分子組成物
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2416724A JPH0822910B2 (ja) | 1990-01-08 | 1990-12-28 | 炭酸カルシウム組成物を含有する高分子組成物の製法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-1674 | 1990-01-08 | ||
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