JP3574827B2 - 二酸化チタン含有ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は二酸化チタン含有ポリエステル組成物に関し、さらに詳しくは、該組成物中での二酸化チタン粒子の分散性が改善されたポリエステル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリエステルポリマーから得られる成形品の表面に凹凸を付与し、表面の滑り性や、反射・屈折光等を制御するため、二酸化チタンを含有させることが行われている。
【0003】
しかしながら、該二酸化チタン含有ポリエステル組成物を製造する際、二酸化チタンの粗大粒子が混入したり、無機粒子の表面活性によってポリエステルポリマーが分解し、その分子量が低下するなどの問題が発生し、成形時のフィルター詰まり、紡糸時の単糸切れ、色相斑、不透明性斑、布帛の風合い斑等の製品として問題となるとともに、製品の成形あるいは製糸工程設備の金属部が摩耗する等の工程上での問題も引き起こされることも知られている。その解決手段として従来、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、粗大粒子を除去するための方法として、ポリエステル製造時に二酸化チタンを添加する際、あらかじめ該二酸化チタンに対して粉砕、分級等の操作を行って粗大粒子を除去し、スラリー状あるいは液状にして添加する方法(特公平1−41170号公報、特開昭63−105059号公報等)が知られている。
【0005】
また、製造後のレギュラーポリエステルに二酸化チタンを添加し、溶融混練する際には、単軸あるいは二軸溶融混練押出機を用いてポリエステルポリマーおよび二酸化チタンに剪断応力を加えて溶融混練を行う方法(特開平2−263867号公報、特開平3−145641号公報等)、ベント付き押出機を用いて、ポリエステルポリマーに平均粒径0.01〜5μmの範囲にある二酸化チタンを水および/または沸点200℃以下の有機化合物のスラリーとして添加する方法(特開平3−115352号公報)、湿式または乾式の分級処理を行って実質的に3μm以上の粒子を除去した平均粒径0.1〜0.5μmの二酸化チタンとポリエステルポリマーとを同方向回転型2軸スクリュー混練押出機にて溶融混練する方法(特開平1−173031号公報)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、あらかじめ粗大粒子を除去する方法では、粉砕・分級操作に多大な費用や作業時間がかかり、さらに、たとえこれらの除去操作を行ってもポリエステル合成系に二酸化チタンを添加するとき、あるいは添加終了後にポリエステルポリマー内で二酸化チタンが再凝集し、製品ポリエステル中での粗大粒子の生成を防止することは困難である。
【0007】
一方、単軸または2軸の溶融混練押出機を用いて溶融混練する方法では、粉末中に存在する粗大粒子を単軸または2軸押出し機中で完全に粉砕するあるいは完全に混練することは非常に難しく、またポリエステルポリマー内に二酸化チタンを均一に分散させるために剪断応力をかけすぎると、ポリエステルポリマーの固有粘度が著しく低下する。さらに、あらかじめ粗大粒子を除去する方法と同様、ポリマーと微粒子を混練押出機に供給する場合には混練工程中に、二酸化チタンの再凝集が避けられない。その結果、製造工程中に生じた粗大粒子を除去することができず、満足する製品を得ることが出来なかった。
【0008】
また、二酸化チタンがポリエステルポリマーの固有粘度を低下させるといった上記の問題を解決するため、二酸化チタンに表面処理を施して、二酸化チタン表面活性を封鎖することも提案されている(特開昭63−265948号公報、特開昭60−139750号公報、特開平4−33920号公報)。該表面処理は、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアなどの無機処理およびポリオール系、シリコーン系などの有機処理に大別される。しかしながら無機系表面処理は複雑な工程が必要であり、処理量や処理後の物性の制御が困難なため高価となるので好ましくなく、一方有機処理を施すのみでは粒子に処理剤が吸着機構による物理作用で被覆しているに過ぎず、被覆の結合力が小さく、また耐熱性を考慮されていないため、処理効果が十分に得られないのが実状であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術が有していた問題を解消し、ポリエステルの耐熱性を維持しつつ、無機粒子の分散性に優れ、金属摩耗性が低減された二酸化チタン含有ポリエステル組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記の二酸化チタン含有ポリエステル組成物の簡便な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点を解決するべく、使用する二酸化チタンの物性ならびに処理剤および添加剤について鋭意検討を行った。その結果、特定の表面処理を施し、物性を制御した無機粒子を用いたとき、無機粒子の分散性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の第1の目的は、
二酸化チタンの含有量が、該二酸化チタン含有ポリエステル組成物の全重量を基準として0.05〜70.0重量%の範囲にある二酸化チタン含有ポリエステル組成物であって、
該二酸化チタンが下記(a)〜(e)の各要件を同時に満足し、且つその表面が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基を有するポリシロキサン化合物で被覆されてなることを特徴とする、二酸化チタン含有ポリエステル組成物によって達成される。
(a)平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲にあること。
(b)粒子径が3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mg以下であること。
(c)粒子径が4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mg以下であること。
(d)強熱減量率が0.4重量%以下であること。
(e)実質的にFeを含有しないこと。
【0012】
また、本発明の他の目的は、
二酸化チタンの含有量が、該二酸化チタン含有ポリエステル組成物の全重量を基準として0.05〜70.0重量%の範囲にある二酸化チタン含有ポリエステル組成物を製造するに際し、
下記(a’)〜(e’)の各要件を同時に満足する無機粒子と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基を有するポリシロキサン化合物とを、水および/または沸点の範囲が50〜240℃の範囲にある有機化合物を分散媒とするスラリーとし、該スラリーとポリエステルポリマーとをベント式混練機に添加し、スラリー中の分散媒を留去して、二酸化チタン粒子とポリシロキサン化合物とを結合させつつ、ポリエステルポリマー中へ分散するように溶融混練することを特徴とする、二酸化チタン含有ポリエステル組成物の製造方法によって達成される。
(a’)平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲にあること。
(b’)粒子径が3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mg以下であること。
(c’)粒子径が4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mg以下であること。
(d’)強熱減量率が0.4重量%以下であること。
(e’)実質的にFeを含有しないこと。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる二酸化チタンは、その平均粒径が0.1〜0.5μmの範囲にあり、かつ3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mg以下、4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mg以下であることが必要である。
【0014】
平均粒径が0.5μmを越えると二酸化チタンの粗大粒子が増加するうえ分散性が悪化し、成形時のフィルター詰まりや紡糸時の断糸が多発する。また、平均粒径が0.1μm未満であると、二酸化チタンの比表面積が大きくなるため、二酸化チタン単位重量あたりの表面活性が高くなりすぎて、ポリマーを劣化させたり、二酸化チタン粒子同士の凝集を促進するので問題となる。
【0015】
また、3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mgを越えるかまたは4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mgを越えると、二酸化チタン含有ポリエステル組成物中の粒子分散性が著しく劣るようになり、製糸工程におけるパック圧の上昇や製膜その他の成形工程において、フィルター寿命を著しく短くしたりするなどの問題が生じる。
【0016】
本発明において使用する二酸化チタンはその強熱減量率が0.4重量%以下であることが必要である。該強熱減量率が0.4重量%を越えると得られる二酸化チタン含有ポリエステル組成物の熱安定性が著しく低下する。すなわち、該組成物を単独で溶融押し出しを行った際の固有粘度([η])の変化(以下、Δ[η]と略記することもある。)が大きくなり、配合された二酸化チタン濃度を希釈して製糸する工程には供給できない。特に、二酸化チタンの配合量が多い場合に熱安定性の低下が著しい。
【0017】
また、本発明において、二酸化チタンは実質的にFeを含有しないことが必要である。該Feを含有する場合には成形・製糸設備に対する金属摩耗が著しくなり、色相も悪化する。
【0018】
なお、本発明において使用する二酸化チタンは、結晶形態がルチル型であってもアナターゼ型であってもよい。さらに、二酸化チタンの結晶子サイズは10〜150nmの範囲にあることが好ましい。該結晶子サイズがこの範囲内にあるときには、適度な平均粒径を維持しやすく、一方で解砕処理も容易に行うことができるので、処理に要する時間も短いものとなる。
【0019】
本発明における二酸化チタン含有組成物中の二酸化チタン含有量は、0.05〜70.0重量%の範囲である。0.05重量%未満の場合は、二酸化チタン添加によるポリエステル組成物の物性改良効果や工程における滑り性の効果が発現し難く、70.0重量%を越える場合には、二酸化チタンの含有量が多すぎ、二酸化チタンに起因する、ポリエスエルポリマーの熱分解を抑制することが困難であるからである。なお、二酸化チタンを組成物重量基準で1重量%以上含有する組成物は、熱履歴に強い利点を有することから、該組成物自身を成形加工する以外に、繊維やフィルム等のポリマーを着色する際の、マスターチップとしても好適に用いることができる。
【0020】
本発明において二酸化チタン表面に被覆するためのポリシロキサン化合物は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基を末端に有することが必要である。該官能基を有するポリシロキサン化合物を用いることによって、吸着機構による物理的相互作用ばかりでなく、共有結合や水素結合といった化学結合によって二酸化チタンの表面に強固に結合することが可能となり、耐久性に優れたきわめて高い被覆効果を得ることができる。
【0021】
ここで、該ポリシロキサン化合物の分子鎖は直鎖状であっても分岐状であってもよく、上記の群から選ばれる官能基を分子末端の一部に有しても全末端に有していてもよい。さらに、上記の群から選ばれる官能基は、1種類を単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。
【0022】
ここで、本発明で用いるポリシロキサン化合物として、具体的には、下記式1〜式9に例示した化合物は全て用いることができるが、ここに例示した以外のものであっても、本発明の目的を達成することのできるポリシロキサン化合物であれば問題無く使用することができ、該ポリシロキサン化合物は1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもどちらでも構わない。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
(上記の式1〜式9において、R1は各々同一あるいは異なって、水素および/または炭素数が1〜20の範囲にある一価の不活性有機基、R2は各々同一あるいは異なって、炭素数1〜20の範囲にある二価の有機基、mは10〜120の範囲の整数、k、l、nは、(k+l+n)が10〜120の範囲を満たす整数であり、上記の式中に示される各繰り返し単位はランダム共重合であってもブロック共重合であってもそれらの組み合わせであってもいずれでもよい。)
【0033】
さらに、該ポリシロキサン化合物の分子量は500〜5000の範囲であることが好ましい。該化合物の分子量がこの範囲内にある時には、ポリシロキサン化合物の耐熱性と二酸化チタン表面への化学結合力とを一段と高い水準にて発揮することができる。
【0034】
上述したポリシロキサン化合物の含有量は、二酸化チタン粒子の重量を基準として、0.01〜10%の範囲をすることが好ましい。該含有量が上記範囲内にある時には、十分な被覆効果と運転コストとを高い水準にて両立させることができる。
【0035】
本発明においてポリエステル(以下、ポリエステル(A)と称することもある。)とは、ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体ならびにジオールおよび/またはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルであって、汎用ポリマーとしての物性を失わない範囲で目的に応じて他の成分が共重合されていてもよく、ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体として、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4―シクロヘキシルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5―テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、p―ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸ジメチル等を挙げることができ、特に、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを用いることが好ましい。
【0036】
また、ジオールおよび/またはそのエステル形成性誘導体として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメタノール、ジメチロールプロピオン酸、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等を挙げることができ、特に、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
【0037】
これらのジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体ならびにジオールおよび/またはそのエステル形成性誘導体はそれぞれ1種ずつを単独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。
【0038】
なお、本発明におけるポリエステルには、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸モノカリウム塩などの多価カルボン酸、グリセリン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を、本発明の目的を達成する範囲内であれば共重合してもよい。
【0039】
本発明の製造方法においては、上記した各要件(a)〜(e)を具備する二酸化チタンを、水および/または沸点が50〜240℃の範囲にある有機化合物を分散媒とするスラリーとしてポリエステルポリマーに添加する必要がある。該有機化合物の沸点が50℃未満の場合には、揮発性が高すぎて濃度の安定したスラリーを得ることが困難である。一方、該沸点が240℃を越えると、該スラリー添加後のポリエステル組成物からの留去が困難であり、ポリエステルポリマーに対する加溶媒分解を激しくする。
【0040】
上記した要件を満足する有機化合物としては、メタノール、エタノール、1,4−ブタンジオール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソラン等のエーテル類、その他エステル類、ケトン類、アミン類等を挙げることができる。分散媒は特に制限されるものではないが、除去の容易性から水、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、β−オキシエチルエーテル、β−オキシエチルメチルエーテルを用いることが好ましく、就中、ハンドリング性、安全性、コストの観点から特に水が好ましい。該スラリーの分散媒は一種を単独を用いても、二種以上の混合分散媒を用いてもどちらでもよい。
【0041】
さらに、二酸化チタンが均一に分散しているスラリーを得るために、本発明の目的を奏する範囲内であれば各種の添加剤を用いてもよく、該添加剤としては、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の保護剤、水酸化ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のナトリウム塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド等のオニウム化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
【0042】
二酸化チタンと水および/または沸点が50〜240℃の範囲にある有機化合物とのスラリーは1種類を単独で用いても、二種類以上を併用してもよく、常法に従って調製することができる。すなわち、粒子を水および/または沸点が50〜240℃の範囲にある有機化合物とのスラリーとした後、粉砕または解砕し、さらに分級処理を加えてもよいし、逆に、分級処理後に粉砕または解砕してもよい。
【0043】
また、乾式で粉砕または解砕し、さらに分級処理を加えるか、粉砕または解砕単独の処理を行うか、分級処理単独の処理を行った後、水および/または沸点が50〜240℃の範囲にある有機化合物とのスラリーとしてもよい。
【0044】
あるいは、乾式と湿式とを適宜組み合わせてもよく、例えば、乾式で粉砕した粒子をスラリー化した後、湿式にて分級処理を行う、乾式にて解砕および/または分級処理を行った後に湿式にて粉砕処理を行う等の方法を任意に採用すればよい。
【0045】
また、スラリー濃度については、特に制限されないが、最終的には溶媒を除去することから、可能な限り高濃度とすることが好ましく、スラリーの全重量を基準として、二酸化チタンの重量が10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。上記の範囲内にあるときには、二酸化チタン含有ポリエステル組成物製造時にもスラリー添加量を少なくすることができるので、ポリエステルポリマーの加溶媒分解を一段と抑制することができるとともに、スラリーのハンドリング性も良好ななものとなる。該濃度は、20〜70重量%の範囲にあることが特に好ましい。
【0046】
本発明の製造方法においては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基および/またはエポキシ基からなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基で末端が変性されているポリシロキサン化合物を該二酸化チタンの水および/または沸点が50〜240℃のスラリーに分散させておくことが必要である。
【0047】
該ポリシロキサン化合物の添加時期は、スラリー中で二酸化チタンを分散させる以前の任意の段階、二酸化チタンをスラリー化する際と同時、二酸化チタンのスラリー化および分級解砕処理の完了後の任意の段階〜ベント付混練機に供給する直前等、本発明の目的を達成する限りいずれの段階でも問題はない。
【0048】
なお、本発明の製造方法においては、二酸化チタン含有スラリーに、さらに固有粘度が0.1〜0.5の範囲にあるポリエステル(以下、ポリエステル(B)と称することもある。)を含有させることが好ましく、該ポリエステル(B)はスラリーへ溶解していることが特に好ましい。
【0049】
該ポリエステル(B)を二酸化チタン含有スラリー中に含有させることによって二酸化チタンのポリエステル(A)への親和性が一段と向上し、さらに均一に分散したスラリーを得ることが可能である。
【0050】
該ポリエステル(B)のスラリーへの添加時期は、スラリーを混練機に添加する前であれば、スラリーを調製する際に初めから添加しても、スラリーの調製が完了した後でも、任意の段階で添加することができる。
【0051】
上記のポリエステル(B)は、多価カルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と多価ヒドロキシ化合物および/またはそのエステル形成性誘導体から製造されるが、多価カルボン酸およびそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、コハク酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム等を挙げることができ、多価ヒドロキシ化合物および/またはそのエステル形成性誘導体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等を例示することができる。
【0052】
該ポリエステル(B)は前掲のポリエステル(A)と同様に常法に従って製造すればよく、多価カルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体ならびに多価ヒドロキシ化合物および/またはそのエステル形成性誘導体をエステル化反応および/またはエステル交換反応させ、引き続き高温・減圧下で重縮合させればよい。
【0053】
本発明のポリエステル組成物にはポリエステルの製造時に通常用いられるリチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、二酸化チタン等の化合物の金属化合物触媒、着色防止剤としてのリン化合物、その他ポリエステルの改質に用いられる不活性粒子や有機化合物等を本発明の目的を奏する範囲内で含んでいてもよい。
【0054】
本発明において二酸化チタン含有ポリエステルを製造する最際に用いるベント付混練機は少なくとも一つのベント孔を備えた混練機であればよく、例えば、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプのいずれも採用することが出来る。
【0055】
本発明の製造方法に用いるベント付混練機は、混練セグメントの形式がロータータイプであってもニーディングディスクタイプであってもよく、またニーダーでもよく、連続式でもバッチ式でもよい。
【0056】
本発明においては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基および/またはエポキシ基からなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基で末端が変性されているポリシロキサン化合物と二酸化チタンとを化学的に反応させる工程が必要であり、本発明においてはこれを簡便に行うべく、ベント付混練機に二酸化チタン含有スラリーを供給した後、二酸化チタン含有ポリエステル組成物を得るまでの任意の段階で、スラリーの分散媒を除去し、二酸化チタンとポリシロキサン化合物とを実質的に化学結合(共有結合および/または水素結合)を形成させる。
【0057】
該分散媒を除去するには分散媒の沸点以上の高温に保つ方法、減圧下に保持する方法のいずれでもよく、もちろん、両者を組み合わせてもよい。
【0058】
本発明の製造方法においてベント付混練機は、水および/または沸点が50〜240℃の範囲にある有機化合物を除去するためのベント孔の少なくとも一つを減圧下に保持するのが望ましく、その場合該ベント孔の減圧度は13.3kPa以下に保持することが好ましく、6.7kPa以下に保持することがより好ましく、2.7kPa以下に保持することが特に好ましい。
【0059】
この後、ベント付混練機を用いてポリエステルポリマーと二酸化チタンを溶融混練するが、本発明においては、溶融混練の工程でポリエステルポリマーの一部が未だ未溶融であっても二酸化チタン含有ポリエステル組成物製品を得るまでに完全に溶融して混練されておればよい。また、二酸化チタンスラリーを供給する段階でポリエステルポリマーの溶融が始まっていても完全に溶融していても一向にかまわない。
【0060】
上述した製造方法を採用することによって、物性の規定された二酸化チタン粒子の表面を強固にかつ効率的に被覆することができ、その結果、ポリエステルの合成反応時に二酸化チタンを添加する際の該二酸化チタンの再凝集、界面活性剤の長時間の熱劣化による品質低下、色相悪化等の問題を解消し、作業性も改善することができる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受けるものではない。なお、実施例中における各特性の測定は以下の方法により行った。
【0062】
(1)二酸化チタンの平均粒径:
島津製作所製「CP−50型Centrifugal Particle Size Analyzer」を用いて測定した。次いで、この測定器によって得られる遠心沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulative曲線から、50mass percentに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした。(参照「粒度測定技術」、242〜247頁、日刊工業新聞社、1975年発行。)
【0063】
(2)スラリー中の粗大粒子:
コールター・エレクトロニクス社製「コールターマルチサイザーTA−II型」を用いて測定される粒子体積分布を球相当径に換算して求めた。
【0064】
(3)強熱減量率:
試料の二酸化チタン2gを精秤し、磁性ルツボ中に入れて、電気炉(900〜950℃)で2時間強熱した。冷却後精秤して求めた重量を全強熱減量とした。また、同一の二酸化チタン試料2gを精秤し、105〜110℃の温度で3時間乾燥させて、減少した重量分を含有水分とした。下記数式1より強熱減量を求め、下記数式2より強熱減量率を求めた。
【0065】
【数1】
(強熱減量)=(全強熱減量)−(含有水分) (1)
【0066】
【数2】
(強熱減量率)=(強熱減量)/2 ×100 (2)
【0067】
(4)固有粘度([η]):
1,1,2,2−テトラクロルエタン40重量部とフェノール60重量部の混合溶媒中に試料を溶解して定法に従って35℃にて測定する。
【0068】
(5)ポリエステル組成物の濾過昇圧:
ポリエステル組成物中の二酸化チタン粗大粒子を評価するため、下記のように濾過昇圧速度を評価した。
小型1軸スクリュータイプ押出機の溶融ポリマー出側にポリマー定量供給装置を取り付け、更にその出側に内径64mmφの2400メッシュ金網フイルターを2枚重ねて装着した。次いで、溶融ポリマーの温度を290℃一定となるようにコントロールし、ポリマー流量が33.3g/minの速度となるようにポリマーを10時間連続して濾過する。この時のフイルター入側の圧力上昇値の平均値をもって、濾過圧力上昇速度とした。尚、評価は以下の判定基準に従い、特級および1級のみが実用に供することができる。
特級:濾過圧力上昇速度が、毎時5kg/cm2未満である。
1級:濾過圧力上昇速度が、毎時5〜10kg/cm2である。
2級:濾過圧力上昇速度が、毎時10kg/cm2を越えて20kg/cm2未満である。
3級:濾過圧力上昇速度が、毎時20kg/cm2以上である。
【0069】
(6)Δ[η]:
ポリエステル組成物と、ポリエステル組成物の濾過昇圧評価時の吐出物との固有粘度の差をΔ[η]とした。
【0070】
(7)ポリエステル組成物中の二酸化チタン分散性:
ポリマー50mgを2枚のカバーグラス間にはさんで280℃で溶融プレスし、急冷したのち、位相差顕微鏡を用いて観察し、画像解析装置「ルーゼックス500」で顕微鏡像内の最大長が5.0μm以上の粒子数をカウントした。尚、評価は下記の判定基準に従い、特級および1級のみが実用に供される。
特級:5.0μmをこえる粒子が全く見当らない。
1級:5.0μmをこえる粒子数が5個/mm2未満である。
2級:5.0μmをこえる粒子数が5〜10個/mm2である。
3級:5.0μmをこえる粒子数が10個/mm2を越える。
【0071】
(8)ポリエステル組成物の色相:
ポリエステル組成物の濾過昇圧評価時の吐出ポリマーをプレート上にサンプリングし、140℃×2hrの条件にて結晶化させた後、ミノルタ社製カラーマシン「CR−50」を用いて測定し、Hunter図の色度図法によりLab表示で色相を得た。尚、熱劣化の評価は以下の判定基準に従って行い、特級および1級のみが実用に供される。
特級:(L−b)値が68以上である。
1級:(L−b)値が63以上68未満である。
2級:(L−b)値が58以上63未満である。
3級:(L−b)値が58未満である。
【0072】
(9)金属摩耗性:
二酸化チタン含有ポリエステル組成物から調製した繊維サンプル(二酸化チタン含有率が繊維重量を基準として2.5重量%となるように調製)を、直径0.25mmの銅導線に張力25g重となるように接触させつつ500m/分の速度で走行させて、銅導線が破断するまでの時間を測定し金属摩耗性を評価した。尚、評価は下記の判定基準に従い、特級および1級のみを実用に供することができる。
特級:銅線が破断するまでの時間が60秒以上である。
1級:銅線が破断するまでの時間が50秒以上60秒未満である。
2級:銅線が破断するまでの時間が40秒以上50秒未満である。
3級:銅線が破断するまでの時間が40秒未満である。
【0073】
(10)不透明性斑:
二酸化チタン含有ポリエステル組成物より調製した繊維サンプル(二酸化チタン含有率が繊維重量を基準として2.5重量%となるように調製)を用いてメリヤス筒編みした編物を、標準色板および標準白色板の上に12枚重ねて置き、それぞれでの色相をミノルタ社製カラーマシン「CR−50」を用いて測定し、Hunter図の色度図法によりLab表示で色相を得た。次いで、標準黒色板を用いて測定したL値を標準白色板を用いて測定したL値で除した値をもって不透明性とした。この値が大きいほど不透明性が高いことを示す。
製糸サンプル75kgを用いて、7.5kgづつに10組の筒編みを作製し、それぞれの編物に対して上記の不透明性の測定を行って、不透明性の変動係数を求めた。尚、評価は以下の判定基準に従い、特級および1級のみが実用に供せられる。
特級:変動係数が0.05未満である。
1級:変動係数が0.05以上0.1未満である。
2級:変動係数が0.1以上0.2未満である。
3級:変動係数が0.2以上である。
【0074】
[実施例1]
ポリエステル(A)の製造:
ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール70重量部とを用い、酢酸マンガン・4水和物0.038重量部を触媒として常法に従ってエステル交換反応により生成したオリゴマーに、ポリエチレンテレフタレート単位を基準として、リン酸トリメチル0.025重量部を添加し、15分間反応させてから三酸化アンチモン0.045重量部を添加し、更に5分間反応させてから290℃まで昇温し、0.03kPa以下の高真空下にて重縮合反応を行って固有粘度0.64のポリエステルポリマー(A)ペレットを得た。
【0075】
ポリエステル(B)の製造:
テレフタル酸ジメチル99.1重量部と5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル16.8重量部とエチレングリコール45.7重量部とジエチレングリコール42.1重量部との混合物に、酢酸チタン0.0484重量部を添加し、150〜240℃に徐々に昇温しながらエステル交換反応を行った。得られた反応物を280℃まで昇温し0.04kPa以下の高真空下にて重縮合反応を行って固有粘度0.45のポリエステルポリマー(B)ペレットを得た。
【0076】
スラリーの調製:
水80重量部に前記のポリエステル(B)20重量部を添加し、ゆっくりと攪拌しながら70℃迄昇温し、70℃に保温しながらポリエステル(B)を完全に溶解させた。この水溶液39.7重量部と表1に記載した特性を有する二酸化チタン60.0重量部と下記式にて示されるポリシロキサン化合物0.3重量部との混合物を激しく攪拌してスラリー状にした。次いで、このスラリーを平均粒径0.8mmのガラスビーズを充填した攪拌ミルに導入して、二酸化チタンの平均粒径が0.32μmとなるまで湿式粉砕を行った。その後、フィルターメディアとしてポリプロピレンを用いた多孔質フィルターによりスラリーを濾過し、不純物等を除去した。濾過後のスラリー中には、粒子径が3μm以上の粗大粒子が500ケ/mg、粒子径が4μm以上の粗大粒子が250ケ/mg含有されていた。
【0077】
【化10】
【0078】
二酸化チタン含有ポリエステル組成物の製造:
最上流部に供給口と中間部と下流部にベント孔を有する二軸スクリュー式混練押出機の供給口に、含有水分がペレット重量を基準として0.2重量%となるように調製したポリエステル(A)ペレット100重量部を連続供給し、同時に、予め調製しておいたスラリーを55.5重量部/時となるように同時に連続供給して、供給比が重量比率で(ポリエステル(A):スラリー)=(100:55.5)の一定割合となるように設定した。
【0079】
中間部のベント孔を8.0kPa、下流部のベント孔を2.0kPaへ減圧し、該混練押出機の吐出孔でのポリマー温度が290℃に保持できるように設定した。得られたポリエステル組成物のペレットの物性を表1に示す。
【0080】
[実施例2および3]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給する二酸化チタンの物性を表1の通りに変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0081】
[実施例4]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給するポリシロキサン化合物を下式の通り変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0082】
【化11】
【0083】
[実施例5]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給するポリシロキサン化合物を下式の通り変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0084】
【化12】
【0085】
[実施例6]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給するポリシロキサン化合物を下式の通り変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0086】
【化13】
【0087】
[実施例7]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給するポリシロキサン化合物を下式の通り変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0088】
【化14】
【0089】
[比較例1〜6]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給する二酸化チタンの物性を表1の通りに変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0090】
[比較例7]
実施例1において、二軸スクリュー式混練押出機へ供給するポリシロキサン化合物を下式の通り変更すること以外は同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0091】
【化15】
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】
本発明によって得られる二酸化チタン含有ポリエステル組成物は、組成物中においても成形品や繊維等に加工しても再凝集することなく高度の分散性を保ち、ポリエステル成型設備における金属の摩耗を低減し、同時に成型や紡糸工程でのポリエステルの固有粘度の低下が抑制された二酸化チタン含有ポリエステル組成物として好適に用いることができる。また、二酸化チタンを比較的高濃度で含有する組成物は、熱履歴に強いことから繊維やフィルム等のポリマーを着色する際のマスターチップとしても好適に用いることができる。
また、本発明の組成物の製造方法によれば、二酸化チタンが高度に分散したポリエステル組成物を、ポリエステルの劣化も少なく極めて容易に製造することができる。
Claims (4)
- 二酸化チタンの含有量が、該二酸化チタン含有ポリエステル組成物の全重量を基準として0.05〜70.0重量%の範囲にある二酸化チタン含有ポリエステル組成物であって、
該二酸化チタンが下記(a)〜(e)の各要件を同時に満足し、且つその表面が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基を有するポリシロキサン化合物で被覆されてなることを特徴とする、二酸化チタン含有ポリエステル組成物。
(a)平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲にあること。
(b)粒子径が3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mg以下であること。
(c)粒子径が4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mg以下であること。
(d)強熱減量率が0.4重量%以下であること。
(e)実質的にFeを含有しないこと。 - ポリシロキサン化合物の数平均分子量が500〜5000の範囲にある、請求項1記載の二酸化チタン含有ポリエステル組成物。
- 二酸化チタンの含有量が、該二酸化チタン含有ポリエステル組成物の全重量を基準として0.05〜70.0重量%の範囲にある二酸化チタン含有ポリエステル組成物を製造するに際し、
下記(a’)〜(e’)の各要件を同時に満足する無機粒子と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびエポキシ基よりなる群から選ばれた、少なくとも1種の官能基を有するポリシロキサン化合物とを、水および/または沸点の範囲が50〜240℃の範囲にある有機化合物を分散媒とするスラリーとし、該スラリーとポリエステルポリマーとをベント式混練機に添加し、スラリー中の分散媒を留去して、二酸化チタン粒子とポリシロキサン化合物とを結合させつつ、ポリエステルポリマー中へ分散するように溶融混練することを特徴とする、二酸化チタン含有ポリエステル組成物の製造方法。
(a’)平均粒子径が0.1〜0.5μmの範囲にあること。
(b’)粒子径が3μm以上の粗大粒子が15000ケ/mg以下であること。
(c’)粒子径が4μm以上の粗大粒子が7500ケ/mg以下であること。
(d’)強熱減量率が0.4重量%以下であること。
(e’)実質的にFeを含有しないこと。 - ベント式混練機の少なくとも一つのベント孔を13.3kPa以下の減圧下に保持して分散媒を留去する、請求項3記載の製造方法。
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