JPH08150913A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH08150913A
JPH08150913A JP6296693A JP29669394A JPH08150913A JP H08150913 A JPH08150913 A JP H08150913A JP 6296693 A JP6296693 A JP 6296693A JP 29669394 A JP29669394 A JP 29669394A JP H08150913 A JPH08150913 A JP H08150913A
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braking force
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speed
torque
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Yasuo Naito
靖雄 内藤
Hideki Doi
英樹 土居
Chiaki Fujimoto
千明 藤本
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  • Combustion & Propulsion (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動力装置と車輪とが連結された状態での制動
時に発生する車輪駆動軸のねじりトルクによる振動の影
響を防ぎ、制動性能の向上を図る。 【構成】 車輪駆動軸にかかるねじりトルクを検出し、
車輪加速度をねじりトルクで補正した補正加速度を用い
て制動力の制御を行う。なお、補正加速度Gcは、Iw
を車輪の慣性モーメント、ωは車輪の回転角速度、Tt
はねじりトルク、μは路面の摩擦係数、Wは車輪にかか
る荷重、rは車輪の半径、Tbはブレーキトルク、定数
をKrとしたとき、次の式で近似的に表わされる。 Gc=(Kr/Iw)(μ・W・r−Tb)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪駆動軸を含むねじ
りをうけるトルク伝達部材を介して動力装置により車輪
が駆動される車両において、高い制動安定性を保ちなが
ら短い制動停止距離が得られる様に車輪の制動力を制御
できるアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンチスキッド制御装置におい
て、制動液圧Pの増圧、減圧、及び保持の繰り返しによ
る車輪速度の制御が行われている。図21は、例えば特
公平4−29580号公報に示された従来の一般的なア
ンチスキッド制御状態を示す特性図であり、図(a)、
(b)、(c)はそれぞれ車体速度Vb、車輪速度V
w、車輪加速度Gw、及び制動液圧Pの変化を示すもの
である。
【0003】図21(c)において、まず制動を開始
し、制動液圧Pが増圧することで図(a)に示されるご
とく車輪速度Vwが減速を開始する。時刻t31におい
て図(b)における車輪加速度Gwが設定加速度α1
(負:減速度)に達した後に、車輪速度Vwが車体速度
Vbよりλ1だけ減速すると、制動液圧Pを減圧に切り
換える。制動液圧Pが下がることで車輪加速度Gwが時
刻t32において図(b)に示される設定加速度α2に
回復すると、制動液圧Pを保持に切り換える。車輪速度
Vwが車体速度Vbに近づき、時刻t33において、車
輪加速度Gwが設定加速度α3を下回ると再び増圧に切
り換える。以下、上記制御に従い、増圧、減圧、及び保
持を繰り返す。
【0004】さらに、車輪速度Vwの変動周波数を測定
し、所定周波数以上であれば悪路と判定し、制動液圧を
減圧することを抑え、保持、あるいは増圧寄りに切り換
えて制御を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
アンチスキッド制御装置は車輪速度Vw及びその加速度
Gwの状態により制御されているので、急激に制動力を
加えるような場合に、例えばパニックブレーキ時に、エ
ンジンと車輪駆動軸を介して連結された車輪において、
車輪は急激に減速するが、エンジンは大きな慣性を持っ
ているため、車輪より緩やかに減速する。このため、エ
ンジンと車輪とを連結する車輪駆動軸には大きなねじり
が発生する。車輪駆動軸のねじりの影響を受け、車輪が
制動力及び路面反力に関係なく加速、減速を繰り返し、
振動を引き起こす。
【0006】このため、従来のアンチスキッド制御装置
においては、ねじりによる影響を受けた車輪の振動か
ら、路面状況に関係なく制動液圧を減圧するため制動距
離が長くなる。また、低摩擦係数の路面において車輪の
振動を悪路と判定してしまい、路面反力よりも高い制動
力を保持するおそれがあり、車輪のロック傾向がより進
み、走行安定性が悪化することになる。従って、必ずし
も走行状況や路面の状態に応じた適切な制動力を得るこ
とができない場合があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、トルク伝達部材に作用するねじ
りトルクの影響を考慮に入れて適切に制動力の制御を行
うことのできるアンチスキッド制御装置をうることを目
的とする。
【0008】さらに、エンジン等の動力装置の回転、あ
るいは車輪駆動軸や推進軸などのトルク伝達部材の回転
速度を検出することにより、ねじりトルクを算出するね
じりトルク検出装置を用いた安価なアンチスキッド制御
装置方法をうることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るアンチスキッド制御装置は、車輪の加速度を車輪駆動
軸などのトルク伝達部材に作用するねじりトルクで補正
した値に基づいて車輪の状態を判断し車輪の制動力を制
御するものである。
【0010】この発明の請求項2に係るアンチスキッド
制御装置は、車輪速度センサからの信号に基づき車輪の
速度を検出しこの車輪の速度から車輪の加速度を演算し
この演算された加速度を車輪駆動軸に加わるねじりトル
クで補正した値である補正加速度に基づいて車輪の状態
を判断して車輪ブレーキに供給する制動液圧を調整する
ことにより制動力を制御するものである。
【0011】この発明の請求項3に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度Gcを、車輪の慣性モーメント
をIw、車輪の加速度を(dω/dt)、車輪駆動軸に
加わるねじりトルクをTt、定数をKrとしたとき、 Gc=Kr(dω/dt)+(Kr/Iw)Tt で表わしたものである。
【0012】この発明の請求項4に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度により車輪に加わる制動力と路
面反力との差を知りこの差によって車輪の状態を判断し
て制動力を制御する信号を発する制御指令手段と、上記
信号により制動力を制御する制動力調整手段とを設けた
ものである。
【0013】この発明の請求項5に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動力
が路面反力を超えておりかつ車輪の加速度が所定値を下
回ったとき制動力を減少させる信号を発するものであ
る。
【0014】この発明の請求項6に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動力
が路面反力を超えておりかつ車輪の加速度が所定値を下
回るとき所定の第1の減少勾配にて制動力を減少させ、
車輪の加速度が上記所定値以上でかつ上記所定値よりも
大きい別の所定値以下のとき上記第1の減少勾配よりも
緩やかな所定の第2の減少勾配にて制動力を減少させる
信号を発するものである。
【0015】この発明の請求項7に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度に基づき、制動力の減少中に車
輪に加わる制動力が路面反力以下になったとき制動力の
減少を停止して制動力を保持させる信号を発するもので
ある。
【0016】この発明の請求項8に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動力
が路面反力を超えており車輪の速度が各々の車輪の速度
から推定した車体速度に基づき求められた基準速度以上
でありかつ車輪の加速度が上記所定値よりも大きい別の
所定値以上であるとき制動力の減少を停止して制動力を
保持させる信号を発するものである。
【0017】この発明の請求項9に係るアンチスキッド
制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動力
が路面反力を超えており補正加速度の極大値が検出され
たとき制動力の減少を停止して制動力を保持させる信号
を発するものである。
【0018】この発明の請求項10に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動
力が路面反力を下回った後に上回ったとき制動力を増加
させる信号を発するものである。
【0019】この発明の請求項11に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度に基づき、車輪の速度が各々
の車輪の速度から推定した車体速度に基づき求められた
基準速度よりも大きい別の基準速度以上でありかつ車輪
の加速度が上記別の所定値以上であるとき制動力を増加
させる信号を発するものである。
【0020】この発明の請求項12に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度の最大値に応じて増加勾配を
決定し、この増加勾配にて制動力を増加させる信号を発
するものである。
【0021】この発明の請求項13に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動
力が路面反力を下回った後に上回ったとき所定時間の間
所定の第1の増加勾配で制動力を増加させ、所定時間経
過後第1の増加勾配よりも緩やかな所定の第2の増加勾
配にて制動力を増加させる信号を発するものである。
【0022】この発明の請求項14に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動
力が路面反力を超えており車輪の加速度が所定値を下回
ったとき制動力を減少させる信号を発し、車輪に加わる
制動力が路面反力以下になったとき制動力の減少を停止
して制動力を保持させる信号を発し、車輪に加わる制動
力が路面反力を下回った後に上回ったとき制動力を増加
させる信号を発するものである。
【0023】この発明の請求項15に係るアンチスキッ
ド制御装置は、補正加速度に基づき、車輪に加わる制動
力が路面反力を超えており車輪の加速度が所定値を下回
ったとき制動力を減少させる信号を発し、車輪の速度が
各々の車輪の速度から推定した車体速度に基づき求めら
れた基準速度以上でありかつ車輪の加速度が上記別の所
定値以上であるとき制動力の減少を停止して制動力を保
持させる信号を発し、車輪の加速度が所定値よりも大き
い別の所定値以上でありかつ車輪の速度が基準速度より
も大きい別の基準速度以上であるとき制動力を増加させ
る信号を発するものである。
【0024】この発明の請求項16に係るアンチスキッ
ド制御装置は、ねじりトルクを、動力装置と車輪との間
の介在するねじりを受けるトルク伝達部材のねじれ角に
基づき演算するものである。
【0025】この発明の請求項17に係るアンチスキッ
ド制御装置は、ねじりトルクは、動力装置の回転数から
回転加速度を求め、この回転加速度と動力装置の慣性モ
ーメントとからねじりトルクを演算するものである。
【0026】
【作用】急制動をかけると動力装置の回転速度に比べ車
輪の回転速度が急減速を行い、動力装置と車輪とを連結
するトルク伝達部材に大きなねじりトルクが発生する。
そのため、車輪が加速され、車輪の速度が車体の速度に
近づく。さらに、車輪の速度が車体の速度に近づくとと
もに、動力装置の回転速度が減速し、車輪の回転の方が
動力装置の回転よりも速くなり、逆方向にトルク伝達部
材をねじり始める。このため、車輪の加速度で車輪の状
態を判断したのでは、ねじりトルクによる車輪の振動の
影響を受けて車輪の速度が車体速度よりも所定割合小さ
くなった場合に、制動力や路面反力に関係なく制動力を
減少させてしまう。そこで、請求項1に係る発明におい
ては、ねじりトルクを検出し、これにより車輪の加速度
を補正した値に基づいて車輪の状態を判断することによ
り、ねじりトルクにより車輪が振動する状態を判断す
る。このように、ねじりトルクの影響を考慮に入れ、ね
じりトルクによる振動により不必要な制動力の制御がな
されることを防止し、車輪の状態に適した制動力が得ら
れるように制御を行う。
【0027】請求項2に係る発明においては、車輪速度
センサからの信号に基づき車輪の速度を検出し、この車
輪の速度から車輪の加速度を演算する。従って、車輪の
加速度を簡易な手段にて求めることができる。また、制
動力は制動液圧の変化に迅速に追随して変化するので、
制動力の制御を液圧の調整により行うのが一般的であ
る。
【0028】請求項3に係る発明においては、車輪の加
速度GwをねじりトルクTtにより補正した加速度を、
つまり補正加速度Gcを次のようにして求める。すなわ
ち、車輪駆動軸がねじられ、それを考慮に入れた車輪の
運動方程式は、次の式で表すことができる。 Iw(dω/dt)=μ・W・r−Tb−Tt (a) ここで、Iwは車輪の慣性モーメントであり、ωは車輪
の回転角速度(前進時の回転方向を正方向とする)、T
tはねじりトルク、μは路面摩擦係数、Wは車輪に加わ
る荷重、rは車輪の半径、Tbはブレーキトルクであ
る。また、ねじりトルクTtは、車輪駆動軸に加わるト
ルクであり、動力装置の慣性Ie及び動力装置に発生す
るトルクTeにより、近似的に次式のように表すことが
できる。 Tt=Kt{Ie(dωe/dt)−Te} (b) ここで、ωeは動力装置の回転数、Ktは減速比及び変
速比などを含む定数である。車輪角速度ωと車輪の加速
度との関係は、 Gw=Kr(dω/dt) (c) となる。ここで、Krは定数である。従って、車輪の加
速度GwをねじりトルクTtにより補正した補正加速度
Gcは式(a)、(b)から、 Gc=Kr(dω/dt)+Kr(dω/dt) (d) と表すことができる。この補正加速度Gcを車輪の状態
の判断に用いる。
【0029】請求項4に係る発明においては、補正加速
度Gcは式(a)、(c)から、次の式で表される。 Gc=(Kr/Iw)(μ・W・r−Tb) (e) さらに、ブレーキ力をFbとすれば、Tb=Fb・rで
あるから、 Gc=(Kr・r/Iw)( μ・WーFb) (f) すなわち、路面摩擦係数μ、車輪荷重Wによって生じる
路面反力μ・Wと車輪半径rから求められるタイヤトル
クμ・W・rと制動力Fbによって生じるブレーキトル
クTbとの関係を式(e)、(f)の補正加速度Gcか
ら知ることができる。従って、制御指令手段により補正
加速度Gcから知った制動力と路面反力との差により車
輪の状態を判断して、制動力調整手段により適切な制動
力に制御する。
【0030】請求項5に係る発明においては、補正加速
度から制動力と路面反力との関係を判断できるから、制
動力が路面反力を超えており車輪加速度が所定値を下回
るとき、すなわち車輪の減速度が所定値を上回るとき、
制動力が大きすぎるので制動力を減少させる信号を発し
制動力を減少させる。しかし、車輪がねじりトルクの影
響を受けて車輪の減速度が一時的に大きくなっても制動
力が路面反力以下のときは、制動力を減少させる信号を
発せず、不必要なときに制動力を緩めて制動距離を長く
することはない。
【0031】請求項6に係る発明においては、制動力が
路面反力を超えておりかつ車輪の加速度が所定値を下回
るとき所定の第1の減少勾配にて制動力を減少させる信
号を発する。その結果、制動力が減少し、車輪の速度が
回復する。このとき、車輪駆動軸のねじりトルクの影響
により車輪の速度が車体の速度に近づき、次に再び制動
力が増加されて車輪の速度が車体の速度よりも所定割合
遅くなるまでに猶予時間がある。従って、車輪加速度に
より制動力の減少勾配を切り換え、この猶予時間の間緩
い第2の減少勾配で減少させる信号を発して制動力を制
御することで、急減少よりも高い制動力を保持する。ま
た、制御系の遅れから生じる制動力の緩め過ぎを抑制す
る。
【0032】請求項7に係る発明においては、補正加速
度により制動力の減少時に制動力が路面反力を下回った
時点を知って、その時点で制動力の減少を停止して制動
力を保持させる信号を発して制動力を制御することによ
り、制動力を不必要に減少させるのを避けている。
【0033】請求項8に係る発明においては、路面摩擦
係数は路面状況、車体速度、車体速度と車輪速度との差
の比率を表すスリップ率等により変化するが、路面摩擦
係数が最大となる、つまり路面反力が最大となるスリッ
プ率が存在する。路面や車両の状況によっては、車輪に
加わる制動力を緩めていくとき、制動力が路面反力以下
になることなく路面反力が最大となるスリップ率を通過
してスリップ率が低下して、車輪の速度が車体の速度近
くまで回復してしまう場合がある。このような場合に
は、車輪速度が基準速度以上であり、かつ車輪の加速度
が所定値以上になったとき(減速度が所定値以下になっ
たとき)に、制動力の減少を停止して制動力を保持させ
る信号を発して制動力を制御する。このようにすること
により、制動力が路面反力以下になることなく路面反力
が最大となるスリップ率以下に低下する場合でも、途中
で制動力の減少を停止して制動力を保持させる信号を発
して、制動力を不要に減少させすぎるのを防止する。こ
のことにより、制動力を確保して、効果的に制動でき
る。
【0034】請求項9に係る発明においては、補正加速
度は制動力と路面反力との差を示すと考えることができ
るが、路面反力が最大となるスリップ率が存在し、一方
制動力を減少させていくとき、上記路面反力が最大とな
るスリップ率の近傍では単調に減少する。従って、両者
の差を示す補正加速度は路面反力が最大となるスリップ
率近傍で極大値を有する。この極大値が検出されたと
き、路面反力が最大となるスリップ率以下にスリップ率
が低下したとして制動力の減少を停止し制動力を保持す
る信号を発して、制動力を最大路面反力に近い値に保持
する。この場合、車輪速度から車体速度を推定しなくて
も減圧を開始すべき時期を判断できる。また、補正加速
度により車輪の速度が車体の速度に近くなったことも知
ることができる。
【0035】請求項10に係る発明においては、制動力
を減少させることによりやがて制動力が路面反力を下回
るが、スリップ率が小さくなることにより再び制動力が
路面反力を上回る。この時点では、最大路面反力を与え
るスリップ率よりもスリップ率が小さくなっているの
で、この時点から制動力を増加させて良いことになる。
この時点を制動力と路面反力との差を表す補正加速度か
ら制動力を増加すべき時点を的確に把握して、制動力を
増加させる。また、車輪速度から車体速度を推定しなく
ても減圧を開始すべき時期を判断でき、補正加速度によ
り車輪の速度が車体の速度に近くなったことも知ること
ができる。
【0036】請求項11に係る発明においては、車輪の
速度が車体速度に基づき求められた基準速度よりも大き
い別の基準速度以上に回復しており、かつ車輪の加速度
が別の所定値以上、すなわち車輪の減速度が別の所定値
以下に低下しているので、制動力を増加させても支障が
ないので、制動力を増加させ制動距離の短縮を図る。こ
のようにして、制動力が路面反力を下回ることがないよ
うな場合でも、制動力を増加すべき時点を判断して、効
果的に制動を行う。
【0037】請求項12に係る発明においては、制動力
の増減を繰り返す周期を所定周期、一般に2ないし3Hz
の周期にするのが車両の特性上良いとされている。該所
定周期になるように制動力の増加勾配を変化させるため
には、最大補正加速度により増加すべき制動力の値がわ
かるので、制動力の減少時間に制動力の増加時間を加え
たものが上記周期に収るように上記増加時間内に制動力
が最大補正加速度に見合制動力に到達するように制動力
の増加勾配を決める。
【0038】請求項13に係る発明においては、補正加
速度が制動力と路面反力との差を示すことから、制動力
の減少を停止した後の補正加速度の値が最大値(制動力
が路面反力よりも小さいので、補正加速度は正の値にな
る)を示した場合、この補正加速度は最大路面反力と現
在の制動力との差を示していることになるので、所定時
間の間、この補正加速度に基づいて第1の勾配で制動力
を増加させ、制動力を最大路面反力近くまで迅速に高め
る。所定時間経過後は、急勾配で制動力を増加する必要
がないので、緩やかに増加させ、次の制動力の減少信号
が発信されるのに備える。
【0039】請求項14に係る発明においては、補正加
速度から制動力と路面反力との関係を判断できるから、
制動力が路面反力を超えており車輪加速度が所定値を下
回るとき、すなわち車輪の減速度が所定値を上回ると
き、制動力が大きすぎるので制動力を減少させる信号を
発し制動力を減少させて、車輪の減速度が過大になるの
を防止する。制動力の減少時に制動力が路面反力を下回
った時点を知って、その時点で制動力の減少を停止して
制動力を保持させる信号を発して制動力を制御すること
により、制動力を不必要に減少させるのを避けている。
また、車輪駆動軸のねじりにより車輪の速度が振動する
場合に、制動力が路面反力を下回ったため車輪が回復し
ているものと誤り制動力の減少を停止して制動力を保持
させる信号を発してしまうことを防止する。
【0040】さらに、制動力を減少させることにより制
動力が路面反力を下回った後、スリップ率が小さくなる
ことにより再び制動力が路面反力を上回るときを、制動
力と路面反力との差を表す補正加速度により知ることが
できるので、車体速度を推定しなくても補正加速度によ
り車輪の速度が車体の速度に近くなったことを知ること
ができ、その時点で制動力を増加させる信号を発して、
制動力を増加させる。このように車輪の状態を判断して
制動力の減少、保持、増加の信号を発して制動力の制御
を行い、過大な車輪のスリップを防止しつつ制動距離の
短縮を図ることができる。
【0041】請求項15に係る発明においては、補正加
速度から制動力と路面反力との関係を判断できるから、
制動力が路面反力を超えており車輪加速度が所定値を下
回るとき、すなわち車輪の減速度が所定値を上回ると
き、制動力が大きすぎるので制動力を減少させる信号を
発し制動力を減少させて、車輪の減速度が過大になるの
を防止する。
【0042】また、車輪速度が基準速度以上であり、か
つ車輪の加速度が所定値以上になったとき(減速度が所
定値以下になったとき)に、制動力の減少を停止して制
動力を保持させる信号を発して制動力を制御する。この
ようにすることにより、制動力が路面反力μ・W以下に
なることなく路面反力が最大となるスリップ率以下に低
下する場合に、途中で制動力の減少を停止して制動力を
保持させる信号を発して、制動力を減少させすぎるのを
防止している。このことにより、制動力を確保して、効
果的に制動することができる。
【0043】さらに、車輪の加速度が所定値よりも大き
い別の所定値以上になり、かつ車輪の速度が車体速度に
基づき求められた基準速度よりも大きい別の基準速度以
上に回復しているので、制動力を増加させても支障がな
いので、制動力を増加させ制動距離の短縮を図る。この
ように車輪の状態を判断して制動力の減少、保持、増加
の信号を発して制動力の制御を行い、過大な車輪のスリ
ップを防止しつつ制動距離の短縮を図れる。
【0044】請求項16に係る発明においては、トルク
伝達部材がねじり力を受けて変形するので、所定の2点
間のねじれ角を前記各点における回転角度を検出するこ
とにより求める。このねじれ角とトルク伝達部材のねじ
り剛性からねじりトルクを算出する。歪ゲージによりト
ルク伝達部材のねじりトルクを検出するよりも簡易であ
る。
【0045】請求項17に係る発明においては、動力装
置を大きな慣性を持った物体と考え、動力装置の回転加
速度と慣性モーメントから車輪に加わるねじりトルクを
算出する。動力装置の回転加速度を検出すればよいの
で、歪ゲージによりトルク伝達部材のねじりトルクを検
出するよりも簡易である。
【0046】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1〜図4は本発明の一実施例であるフロントエ
ンジンフロントドライブの車両に装備されたアンチスキ
ッド制御装置の構成を示すものである。図1は全体構成
を示す全体構成図、図2はアクチュエータの詳細構成を
示す詳細構成図である。図3はコントーラの構成を示す
ブロック図、図4はコントローラの回路を示す回路構成
図である。
【0047】図1において、1は動力装置としてのエン
ジンであり、車両の前部に配置されている。2は減速
機、3は推進軸、4は差動機構であり、エンジン1の回
転は減速機で減速され推進軸3を介して差動機構4に伝
達される。5は車輪駆動軸であり、左右一対の車輪駆動
軸5a、5bにて構成されている。6は車輪であり、前
の左右輪6a、6b及び後の左右輪6c、6dの4輪で
ある。7はブレーキ装置であり、前後左右4個のブレー
キ装置7a〜7dにて構成され、ブレーキ装置7aは車
輪6aに、7b〜7dは同様にそれぞれ車輪6b〜6d
にそれぞれ配設されている。車輪駆動軸5a、5bはそ
れぞれ前の左右輪6a、6bに取り付けられたブレーキ
装置7a、7bと差動装置4とを連結している。なお、
詳細は後述するが、推進軸3及び車輪駆動軸5がこの発
明におけるねじりをうけるトルク伝達部材である。
【0048】8はブレーキペダル、9はマスタシリンダ
であり、マスタシリンダ9はブレーキペダル8が踏み込
まれると制動液圧を発生する。10は制動力調整手段と
してのアクチュエータであり、マスタシリンダ9からの
制動液圧を後述のコントローラ30からの出力に応じて
調整しブレーキ装置7に送る。アクチュエータ10は、
4個のアクチュエータ10a〜10dから構成され、こ
のうち10aは車輪6aのブレーキ装置7aに対応する
アクチュエータであり、同様に10b〜10dは、それ
ぞれの車輪6bないし6dのブレーキ装置7b〜7dに
対応するアクチュエータである。
【0049】各アクチュエータ10a〜10dは、図2
に示すようにそれぞれ制動圧力を保持する保持用ソレノ
イドバルブ11及び制動圧力を減少させる減圧用ソレノ
イドバルブ12を有している。なお、11a及び12a
はそれぞれ保持用ソレノイドバルブ11及び減圧用ソレ
ノイドバルブ12の電磁コイルである。13はモータに
て駆動されるポンプ、14はモータリレー、15はリザ
ーバタンクである。
【0050】16は配管であり、配管16aはポンプ1
3とリザーバタンク15とを接続し、配管16bはポン
プ13とマスタシリンダ9とを接続し、配管16cはマ
スタシリンダ9に接続された配管16bと保持用ソレノ
イドバルブ11とを接続している。また、配管16dは
保持用ソレノイドバルブ11とブレーキ装置7aとを接
続し、配管16eは配管16dと減圧用ソレノイドバル
ブ12とを接続し、配管16fは減圧用ソレノイドバル
ブ12とリザーバタンク15とを接続している。
【0051】このような構成において、ブレーキペダル
8を踏み込むことにより、マスタシリンダ9に圧力が供
給され、マスタシリンダ9からアクチュエータ10の保
持用ソレノイドバルブ11を通してブレーキ液がブレー
キ装置7に流入し、制動圧が上昇する。
【0052】ここで、後述のコントローラ30から減圧
信号を出力されると、保持用ソレノイドバルブ11及び
減圧用ソレノイドバルブ12の電磁コイル11a、12
aを励磁して保持用ソレノイドバルブ11を閉路し、減
圧用ソレノイドバルブ12を開路させる。すると、マス
タシリンダ9とブレーキ装置7との間の配管16cから
16dへの経路は遮断され、ブレーキ装置7とリザーバ
タンク15間との間の配管16eから16fへの経路が
接続される。そのため、ブレーキ装置7a内のブレーキ
液はリザーバタンク15へ流出し、制動液圧は減少す
る。それと同時にモータリレー14を励磁してモータに
てポンプ13を駆動し、リザーバタンク15へ流出した
ブレーキ液を高圧にしてマスタシリンダ9へ戻し、つぎ
の制御に備える。
【0053】その後、コントローラ30から圧力保持指
令信号が出力されると、保持用ソレノイドバルブ11が
通電されて閉路し、減圧用ソレノイドバルブ12は励磁
が解除されて閉路し、すべての経路が遮断され制動液圧
が保持される。
【0054】さらに、コントローラ30から増圧指令信
号を出力され、保持用ソレノイドバルブ11に通電する
電流が遮断されると、マスタシリンダ9とブレーキ装置
7との間の配管16cから16dへの経路が再び接続さ
れ、マスタシリンダ9に戻された高圧のブレーキ液とポ
ンプ15から吐出されるブレーキ液とが再びブレーキ装
置7aに流入し、制動液圧は増加する。以上のように、
車輪1a及び1bのロックを防止するためにコントロー
ラ30から出力される指令信号に従い、減圧、保持、及
び増圧を繰り返し、制動液圧を調整する。
【0055】21はエンジン回転センサであり、図示し
ないディストリビュータに設けられ、エンジン1の1回
転当り所定数のパルスを発信することによりエンジン回
転数を検出する。22は推進軸回転センサであり、歯車
状のロータと電磁ピックアップコイルから構成され、推
進軸3と同期して回転するロータと電磁ピックアップコ
イル間の空隙が変化し、電磁ピックアップコイルの永久
磁石による磁束が変化して単位時間あたりの回転数に応
じた周波数の交流電圧を発生する電磁ピックアップ式の
ものである。
【0056】23は推進軸トルクセンサであり、推進軸
3に取付けられ、次に述べるトルクセンサ24と同様の
原理で推進軸3に加わるトルクを検出するもので、後述
の実施例7に用いる。24はトルクセンサであり、トル
クセンサ24aとトルクセンサ24bにて構成され、そ
れぞれ車輪駆動軸5a、5bのトルクを検出する。トル
クセンサ24a、24bは、回転する車輪駆動軸5a、
5bにおのおのブリッジ回路に構成された歪みゲージが
取りつけられ、ねじりトルクに応じた量の歪みの変化を
ブリッジ回路の電気抵抗の変化として検出し、スリップ
リングを介し、あるいは電磁波に置き換えて、後述のコ
ントローラ30に電気信号を伝達する。なお、本実施例
においては、制御対象となる車両が前輪駆動車であるの
で、トルクセンサ24は車輪駆動軸5a、5bに取り付
けられている。後輪駆動の場合は後輪にトルクセンサ2
4が取り付けられる。
【0057】25は車輪速度センサであり、4個の車輪
速度センサ25a〜25dにて構成されている。車輪速
度センサ25a〜25dは、それぞれ電磁ピックアップ
式あるいは光電変換式のものであり、それぞれ車輪6a
〜6d付近に取り付けられ、各車輪の回転に応じた周波
数の信号を発生する。
【0058】30はコントーラであり、図3、図4によ
り詳細構成を説明する。図3において、30は制御装置
としてのコントローラであり、車輪速度検出手段31、
車輪加速度演算手段32、車体速度推定手段33、基準
速度算出手段34、ねじりトルク検出手段35、補正加
速度演算手段36及び制御指令手段37を有する。
【0059】車輪速度検出手段31は車輪速度センサ2
5からの信号をパルス信号に変換して単位時間当りのパ
ルス数を計数して車輪1a、1bの回転速度ωを検出す
る。車輪加速度演算手段32は車輪の回転速度ωを微分
して車輪加速度(dω/dt)を演算する。制御指令手
段37は後述の補正加速度Gc、車輪回転加速度(dω
/dt)、ねじりトルクセンサにて検出されたねじりト
ルクTtに基づいて、制動力調整手段としてのアクチュ
エータ10に増減圧、あるいは圧力保持の信号を発信す
る。なお、動作の詳細については後述する。
【0060】図4において、コントーラ30の回路は次
のように構成されている。51は波形整形回路であり、
4個の波形整形回路51a〜51dにて構成される。そ
して、それぞれ車輪速度センサ25a〜25dの信号を
後述のマイクロコンピュータ53による処理に適したパ
ルス信号に整形して出力する。52は増幅回路であり、
各増幅回路52a及び52bはトルクセンサ24a及び
24bからの各信号を後述のマイクロコンピュータ53
の処理に適したアナログ信号に増幅する。
【0061】53はマイクロコンピュータであり、セン
トラルプロセッシングユニット(以下CPUという)5
3a、ランダムアクセスメモリ(以下RAM)53b、
リードオンリメモリ(以下ROM)53c、入出力イン
ターフェース(以下I/O)53dを備えている。な
お、ROM53cには、制御プログラムやエンジン1の
慣性モーメントなどのデータが格納されている。
【0062】54はアクチュエータ駆動回路であり、マ
イクロコンピュータ53からの制御信号に応じてアクチ
ュエータ10へ信号を発し、図2に示される保持用及び
減圧用ソレノイドバルブの電磁コイル11a及び12a
を駆動する。55はモータリレー駆動回路であり、モー
タリレー14を駆動する(図2参照)。56はコントー
ラ30の各部へ動作用の電力を供給する電源、57は電
源56を入切りするイグニッションスイッチである。
【0063】以上のような構成を持つ装置の動作の説明
に先立ち、その原理を説明する。図1において、エンジ
ン1と車輪を連結する車輪駆動軸5がねじりトルクを受
けてねじられる。それを考慮に入れた車輪6の運動方程
式は、 Iw(dω/dt)=μ・W・r−Tb−Tt (1) と表すことができる。ここで、Iwは車輪の慣性モーメ
ントであり、ωは車輪の回転角速度(前進時の回転方向
を正方向とする)、Ttはねじりトルク、μは路面の摩
擦係数、Wは車輪にかかる荷重、rは車輪の半径、Tb
はブレーキトルクである。
【0064】ねじりトルクTtは、エンジン1の慣性を
Ie及びエンジン1に発生するトルクTeにより、近似
的に次式のように表すことができる。 Tt=Kt・{Ie・(dωe/dt)−Te} (2) ここで、ωeはエンジンの回転速度、Ktは減速比及び
変速比などを含む定数である。
【0065】また、車輪角速度ωと車輪加速度Gwとの
関係は、 Gw=Kr・(dω/dt) (3) となる。ここで、Krは定数である。
【0066】車輪加速度GwをねじりトルクTtにより
補正した補正加速度Gcを、式(1)、(3)から、 Gc=Gw+(Kr/Iw)Iw (4) とし、補正加速度Gcを演算する。さらに、この補正加
速度Gcは、式(1)、(4)から、 Gc=(Kr/Iw)(μ・W・r−Tb) (5) あるいは、 Gc=(Kr/Iw)r(μ・W−Fb) (6) と表すことができる。従って、路面摩擦係数μ、車輪荷
重Wによって生じる路面からの反力μ・Wと車輪半径r
とから求められるタイヤトルクμ・W・rと制動液圧に
よって生じるブレーキトルクTbとの関係、あるいは路
面反力μ・Wと制動力Fbとの関係を、補正加速度Gc
から求めることができる。
【0067】すなわち、式(5)の補正加速度Gcが負
の値であれば、ブレーキトルクTbがタイヤトルクμ・
W・rを上回っていることがわかる。また、補正加速度
Gcの値を求めることにより、タイヤトルクμ・W・r
とブレーキトルクTbとの差を知ることができる。つま
り、タイヤトルクμ・W・rとブレーキトルクTbとの
関係、あるいは路面反力μ・Wと制動力Fbとの関係、
を補正加速度Gcから判定できる。そのため、補正加速
度Gcに基づき制動液圧を調整することで、路面からの
反力に対し適正な制動力に制御することができる。
【0068】また、補正加速度Gcから制動力Fbと路
面反力μ・Wとの関係を知ることができるので、制動力
が路面反力を下回るようなとき、減圧を禁止すること
で、路面からの反力に関係なく車輪駆動軸がねじれ、車
輪が振動するような場合、制動力が路面反力を上回った
ために車輪速度が車体速度に比し遅い(以下車輪が沈ん
でいるという)と判定して減圧を開始してしまうような
無用な減圧を防止することできる。
【0069】さらに、減圧時に制動力が路面反力を下回
った時点を判別することができ、その時点で減圧を停止
することで、余分な減圧を避けることができる。また、
車輪駆動軸のねじりにより車輪の速度が振動する場合
に、制動力が路面反力を下回ったため車輪速度が車体速
度に近づいている(以下車輪が回復という)ものと誤っ
て判定し、減圧を停止することを禁止することができ
る。
【0070】次に、上記原理に基づく本装置の動作を図
5のフローチャートに基づいて説明する。まず、図5の
ステップS1においてRAM63b、I/O63dなど
の初期設定を行う。
【0071】次に、ステップS2において車輪速度検出
手段31は、車輪速度の検出を次のようにして行う。車
輪速度Vwの検出及び車輪加速度Gwの算出は4個の車
輪6a〜6dについて個別に行う。車輪速度検出手段3
1は、車輪速度センサ25から入力される車輪速度に応
じた周波数のパルス信号に基づき、測定開始後からの所
定時間Tnにおけるパルス数Pnをカウントし、次の式
(11)により車輪速度Vwを検出する。 Vw=Kv(Pn/Tn) (11) 上式(11)においてKvは定数であり、車輪径r、車
輪速度センサ25の特性などにより決定される。
【0072】次に、ステップS3において車輪加速度検
出手段32は、車輪速度からVwから車輪加速度Gwを
演算する。先のステップS2で求めた車輪速度Vwと1
制御周期前のステップS2で求めた車輪速度Vwlと、
本処理を行う制御周期TLにより、次の式(12)より
求めることができる。 Gw=Kg(Vw−Vw1)/TL (12) ここで、Kgは定数である。車輪加速度Gwは、Gw>
0であれば車輪が加速することを示し、Gw<0であれ
ば減速することになる。
【0073】ステップS4において車体速度推定手段3
3は、それぞれの車輪6a〜6dの車輪速度Vwから車
体速度Vbを推定する。推定方法として、例えば車体速
度Vbは1周期前の速度Vb1から所定割合で減少する
ものとして1制御周期前の車体速度Vblを所定の勾配
αで減速させた速度(Vb1ーαTL)と、測定された
4輪の車輪速度Vwと、の中でもっとも高速であるもの
を車体速度Vbと推定する。
【0074】ステップS5では基準速度算出手段34に
より、路面摩擦係数μが最大となるときの速度を基準速
度Vrとし、これを車体速度Vbから求める。路面摩擦
係数が最大となるときのスリップ率λaは8ないし30
%程度と実験的にわかっている。そこで、基準速度Vr
を最大路面摩擦係数μmaxを与えるスリップ率λa付
近(図7、図8参照)に求めるようにし、車体速度Vb
からスリップに相当する速度を引くことで、 Vr=Vb(1−λ) (13) あるいは、例えば車体速度Vbに応じて設定された所定
速度δを引くことで、 Vr=Vb−δ (14) として求める。
【0075】ステップS6においてねじりトルク検出手
段35により、ねじりトルクTtを求める。トルクセン
サ24からねじりトルク量に応じた電圧値が入力され、
これをアナログ−デジタル変換を行い求める。
【0076】ステップS7において補正加速演算手段3
6により、ステップS3で求めた車輪加速度Gwとステ
ップS6で求めたねじりトルクTt及びROM51cに
記憶された車輪の慣性モーメントIwに基づき式(3)
を用いて補正加速度Gcを演算する。すなわち、 Gc=Gw+(Kr/Iw)Tt {(4)} この補正加速度Gcは、式(4)により路面反力と制動
力との差、すなわち Gc=(Kr/Iw)(μ・W・r−Tb) {(5)} あるいは、 Gc=(Kr/Iw)r(μ・W−Fb) {(6)} を表している。
【0077】ステップS8は詳細は後で説明するが、制
動液圧の増減圧の要否を判定して指令するステップであ
り、制御指令手段37がブレーキ装置7の制動液圧に減
圧、保持及び増圧のいずれの動作を行わせるかを判定し
て、アクチュエータ10に指令信号を出す。
【0078】ステップS9においては、アクチュエータ
10はステップS8にて発された信号に基づき、制動液
圧の減圧、保持及び増圧のいずれかの液圧調整の動作を
し、ブレーキ装置7の制動力の調整を行う。アクチュエ
ータ10の動作モードは減圧、保持及び増圧の3種類の
モードしかないため、制動液圧を緩やか増圧したい場
合、つまり増圧のゲインを抑えたい場合には、例えば増
圧信号の間に保持信号を周期的に出力して緩やかに増圧
する処理を行い、減圧の場合も増圧と同様な処理をす
る。この増圧あるいは減圧の勾配は予め定めておく(後
述の図17の増圧時の圧力変化を参照)。
【0079】以上の処理を行い、ステップS2に戻る。
これをイグニッションスイッチ67が切られるまで繰り
返し行う。
【0080】次に、ステップS8における動作の詳細を
図6〜図8について説明する。図6は、制御指令手段3
7の動作を示すフローチャートである。また、図7及び
図8は、スリップ率λに対するタイヤトルクμ・W・r
及びブレーキトルクTbの変化の例を示すスリップ特性
図である。図7において、曲線Aはスリップ率λに対す
るタイヤトルクμ・W・rの変化を示すタイヤトルク曲
線、Bはスリップ率λに対するブレーキトルクTbの変
化を示すブレーキトルク曲線である。
【0081】図8において、曲線Cはスリップ率λに対
するブレーキトルクの変化を示す別のタイヤトルク曲
線、曲線Dは本実施例のステップS17を設けない場合
のブレーキトルクTbの変化を、曲線EはステップS1
7を設けた場合のブレーキトルクTbの変化を示すブレ
ーキトルク曲線である。このスリップ特性は、路面状況
や車両の状態によって変化するが、図7、図8に代表的
な例を示した。この例について説明する。
【0082】ステップS11において補正加速度Gcの
最大値Gcmaxを記憶し、ステップS12へ進む。そ
の方法は、減圧を開始するときに(図7のH点にて)値
をクリアし、減圧を開始してから次に増圧するまで(図
7のM点まで)の間に発生する補正加速度Gcのうち最
も大きい値Gcmaxを記憶しておく。なお、図7にお
いて、H点で減圧開始後L点までは補正加速度Gcは負
の値であり、GcmaxはL点とM点との間のQ点に存
在する。
【0083】ステップS12において、補正加速度Gc
の正負、つまり制動力が路面反力を上回っているか否か
を判定する。すなわち、現在の制動液圧Pから得られる
ブレーキトルクTbが車輪にかかるタイヤトルクμ・W
・rを超えるか否かを判定する。式(5)に示すように
補正加速度Gcが、Gc<0となるときブレーキトルク
Tbがタイヤトルクμ・W・rを上回り、Gc>0とな
るときブレーキトルクTbがタイヤトルクμ・W・rを
下回っていることとなる。従って、補正加速度Gcの正
負を判定し、制動力が路面反力を上回る場合(Gc<
0)はステップS13へ、上回らない場合(Gc≧0)
はステップS15へ進む。
【0084】ステップS13では、車輪加速度判定手段
32により車輪加速度Gwが所定値α(負の値)よりも
小さいか否かを判定し、小さければ制動圧力が高すぎる
としてステップS14へ進み、減圧の指令を出す。アク
チュエータ10は、減圧指令信号を受けてブレーキ圧の
減圧を開始する。なお、このとき増圧中(増圧開始の指
令が出されたままの状態)であれば、増圧開始の指令を
取消して減圧指令を出す。車輪加速度Gwが所定値α以
上であれば、制動液圧を増圧すべきか否かを判断するた
めにステップS17へ進む。
【0085】すなわち、ステップS13、S14におい
ては次のように処理される。ブレーキペダル8を踏み、
大きな制動液圧Pが現れたとすると、ブレーキトルクT
bはタイヤトルクμ・W・rを大きく超え、車輪速度V
wは急激に減速し、大きな負の車輪加速度(車輪減速
度)Gwが発生する。車輪加速度Gwが所定値α(負)
以下になると、すなわち車輪減速度が|α|を超える
と、コントローラ30はステップS13、S14にある
ように減圧指令を出力し、制動力Fを減少させる。ま
た、この時点のブレーキトルクTbは、例えば図7のブ
レーキトルク曲線B上のH点にある。制動液圧の減圧に
ともない、ブレーキトルクTbはアクチュエータ等の制
御系に若干の時間遅れがあるために図7に示されるよう
にH点から若干増加した後、弧を描いて減少しJ点を経
てL点に向う。
【0086】ステップS12において、制動力が路面反
力を上回らない場合(Gc≧0)はステップS15へ進
むが、ステップS15においては、現在減圧中(減圧指
令が出されたままの状態)かどうか判定し、減圧中であ
ればステップS16へ進み、減圧を停止し圧力の保持を
指令する圧力保持指令信号を発信する。圧力保持指令信
号は、次に増圧あるいは減圧指令信号が出されるまで保
持される。
【0087】すなわち、ステップS12、S15、S1
6を経て、ブレーキトルクTbがタイヤトルクμ・W・
rよりも小さくかつ制動液圧を減圧中の場合には、減圧
を停止する。この場合、ステップS12において補正加
速度Gc≧0と判定され、制動力が路面反力以下になっ
ているので、減圧中であれば制動力の減少を中止して、
制動力の緩めすぎを防止する。この時点が、図7のタイ
ヤトルク曲線Aとブレーキトルク曲線Bとの交点L点で
ある。なお、圧力保持の指令信号を受けてアクチュエー
タ10は液圧の保持を開始するが、応答の時間遅れのた
めに液圧は図7に示されるようにM点に向って若干低下
する。ステップS15において、減圧指令が出されてい
なければ、現状の圧力保持指令信号あるいは増圧指令信
号が発信された状態が保持される。
【0088】次に、ステップS17において、車輪速度
Vwが基準速度Vr以上で(Vw≧Vr)かつそのとき
の車輪加速度Gwが所定加速度β以上(Gw≧β βは
負または正の値でありβ>α)でないときは、ステップ
S18へ進み、前回制動力が路面反力以上であったのか
否か(Gc≧0)を判定し、前回の補正加速度が正で
(Gc≧0)であったのならば、今回補正加速度Gc<
0となって補正加速度Gcの極性が反転し、今回ブレー
キトルクTbがタイヤトルクμ・W・rを上回ったと判
断されるので、ステップS19において増圧開始指令を
出し、アクチュエータ10に制動液圧を増圧させる。
【0089】なお、上記ステップS17において、車輪
速度Vwが基準速度Vr以上(Vw≧Vr)か否かを判
定する代りに、{(Vb−Vw)/Vb}<λb(Vb
は車体速度、λbは所定スリップ率)にて判定すること
もできる。λb<λaに選べば、図8における安定領域
であり、スリップ率λがλb以下であれば、ステップS
18、S19へ進み制動圧力の増圧をすこのになる。ま
た、車輪加速度Gwが所定加速度β(負または正の値で
ありβ>α)よりも小さいか否かを判定しているのは、
車輪が加速している状態か否かを判定するためである
が、マイクロプロセッサの演算遅れを考慮して、所定加
速度βを負の値に設定することもある。ステップS17
においてVw≧Vrで、かつ車輪加速度Gwが所定値β
以上であればステップS16へ進み、車輪速度が回復し
つつあるとして制動圧力の減少を停止して圧力保持に切
換える。
【0090】このステップS18は、ステップS12に
おいて(Gc<0)の判定がなされた後、本ステップS
18へ来るので、今回補正加速度Gcの極性が正から負
へ反転したか否かを判定していることになる。補正加速
度Gcの符号が反転するのは、図7において、L点で圧
力保持の指令が出された後ブレーキトルクが図7のタイ
ヤトルク曲線Aとブレーキトルク曲線Bとの交点M点へ
到達した時点であり、この時点から再び最大タイヤトル
クを得るべく制動力を増加させるのである。なお、ステ
ップS18において、補正加速度Gcの極性が反転し図
7のM点に到達したと判定されるまでの間に、ブレーキ
トルクTbは図のL点からM点へと曲線B上を通過す
る。従って、この間にGcmaxとなる点Qを与えるス
リップ率λaが存在し、ステップS11においてこれを
記憶しておくことになる。
【0091】ステップS18において、M点を通過した
後は前回の制動力が路面反力以上(Gc<0)となるの
で、増圧を続ける。
【0092】ステップS20において、増圧指令が出さ
れてからの時間T1をカウントし、ステップS21にお
いて、ステップS11で求めた最大補正加速度Gcma
xの値に応じて設定された所定時間γに基づき、増圧開
始指令が出されてから所定時間γ経過するまでの間ステ
ップS22において急増圧指令を出す。ここで、ステッ
プS21では、ステップS19を経て増圧開始指令が発
せられている状態であるので、ブレーキトルクTbは最
大補正加速度Gcmaxに応じた大きさ{(Iw/K
r)・Gcmax}だけ最大タイヤトルクTmaxより
も小さくなっており(図7参照)、ブレーキトルクTb
を最大タイヤトルクTmaxにすみやかに近づける必要
がある。このために、所定時間γの間急な増圧勾配で増
圧する。最大タイヤトルクTmaxに見合う制動液圧近
くまで急速に増圧することより、制動力を稼ぐためであ
る。所定時間γは最大補正加速度Gcmaxに応じた
値、例えば比例した値に設定する。
【0093】ステップS21において増圧開始指令が出
されてから所定時間経過したと判定されると、ステップ
S23へ進み、緩増圧指令が出される。ステップ22の
急増圧によりブレーキトルクTbが最大タイヤトルクμ
・W・rに近づいたら、以後緩増圧に切換えるのであ
る。アクチュエータ10はステップS22あるいはステ
ップS23の急増圧あるいは緩増圧指令信号を受けて、
次に減圧あるいは保持指令が発せられるまでそれぞれの
指令に応じた増圧勾配で増圧を行う。
【0094】ステップS17において、車輪速度Vwが
基準速度Vr以上であり、そのときの車輪加速度Gwが
所定加速度β(負または正の値でありβ>α)よりも大
きければ、ステップS24へ進み、車輪速度Vwが基準
速度Vrよりも大きい第2の基準速度Vr2以上か否か
を判定する。第2の基準速度以上ならば、ステップS1
9へ進み、制動液圧を増加させる信号を出す。第2の基
準速度を上回るならばステップS16へ進み、減圧を停
止して圧力を保持する指令を出す。
【0095】ここで、このようなステップS17、S2
4を設けた理由を説明する。図7に示されるような特性
を示す場合は、制動力の制御はステップS13からステ
ップS14へ進んで図7のH点において制動液圧を減圧
する。制動力の低下とともに図7のL点へ到達して補正
加速度のGcの値が正になるので(タイヤトルクがブレ
ーキトルク以上になるので)、ステップS12からステ
ップS15、S16へ進み、図7のL点において減圧を
停止、圧力を保持させる。このあと、若干の制動液圧
(制動力)の低下を伴いながら図7のM点に至り、補正
加速度Hcの値が再び負になる。ステップS18でこの
時点を判定して、ステップS19以下で増圧の指令を出
している。
【0096】しかしながら、路面反力や制動力は路面状
況、車両速度、入出力特性、制御状態その他によって刻
々変化しているので、例えば、図8に示されるようなブ
レーキトルク特性を呈する場合がある。図8において、
ブレーキトルク曲線C上のR点において減圧を開始し、
ステップS12からステップS14、S19を経て、補
正加速度Gcの極性が反転したときに減圧を停止する
と、タイヤトルク曲線Aとブレーキトルクを示す破線D
とが交差する点X、つまりGcが0になる点Xのブレー
キトルクTxに相当する制動液圧Pxまで制動液圧が低
下した後圧力保持に切換えられる。これは、最大タイヤ
トルクTmaxよりもずっと小さい値Txまで制動トル
クTbを下げたことになり、車両に加える制動力の低下
を招くものである。
【0097】このような場合における制動力の低下を防
止するため、ステップS17を設けて、車輪速度Vwが
基準速度Vr以上であり、そのときの車輪加速度Gwが
所定加速度βよりも大きければ、車輪速度Vwが基準速
度Vrよりも大きい第2の基準速度Vr2(例えば、路
面摩擦係数μが最大となる速度以下、図8参照)以上か
否かを判定する。ステップS24において、第2の基準
速度以下ならばステップS16へ進み、減圧中であれば
減圧を停止して圧力を保持する指令を出す。すなわち、
図8においてY点において圧力を保持する指令を出し
て、不必要に制動力を減少させないようにしている。
【0098】また、車輪速度Gwが第2の基準速度Vr
2以上(Vr2>Vr)ならば、充分に車輪速度が回復
しているとしてステップS19へ進み、制動液圧を増加
させる指令を出す。この点が図8におけるZ点である。
すると、制動液圧が上げられ、ブレーキトルクTbが増
加するので、曲線Eの如くブレーキトルクTbは上昇す
る。
【0099】以上を各ステップの処理毎にそれぞれの車
輪について行い、駆動輪6a及び6bに属する車輪のア
ンチスキッド制御は上記に説明したねじりトルクTtを
用い車輪加速度Gwを補正し、増減圧の制御を行う。し
かし、従動輪6c及び6dでは、駆動輪のように車輪駆
動軸に大きなねじりトルクは発生しない。そのため、ね
じりトルクTtは働かないものとして、Tt=0とし、
同一の処理を行えばよい。また、前輪においても、クラ
ッチを切った場合、つまりエンジンと車輪との連結を遮
断したときは、エンジンの慣性が車輪に働くことはなく
ねじりトルクは小さくなるので、従動輪と同様にTt=
0の制御が行われる。
【0100】次に、以上の制御を行ったときの車輪速度
その他の状況について図9によって説明する。図9は、
アンチスキッド制御装置の作動状態を示す作動状態図で
あり、図(a)は車体速度Vb、基準速度Vr、車輪速
度Vwの時間変化を示す曲線、図(b)は車輪加速度G
wの変化を示す曲線、図(c)はねじりトルクのTt時
間変化を示す曲線、図(d)は補正加速度Gcの時間変
化を示す曲線、図(e)は本実施例の制動液圧Pの時間
変化を示す曲線及び従来の装置における制動液圧Poの
時間変化を示す曲線である。
【0101】ブレーキペダル8を踏み、大きな制動液圧
Pが現れたとすると、ブレーキトルクTbはタイヤトル
クμ・W・rを大きく超え、車輪速度Vwは急激に減速
し、大きな負の車輪加速度(車輪減速度)Gwが発生す
る。図9(b)に示されるように、時刻t1において車
輪加速度Gwが所定値減α(負)以下になると、すなわ
ち車輪減速度が|α|を超えると、コントローラ30は
ステップS13、S14にあるように減圧指令を出力
し、制動力Fbを減少させる(図9(e))。また、こ
の時点のブレーキトルクTbは、図7のブレーキトルク
曲線B上のH点にある。制動液圧の減圧にともない、ブ
レーキトルクはアクチュエータ等の制御系に若干の時間
遅れがあるために図7の曲線Bに示されるようにH点か
ら若干増加した後、弧を描いて減少しJ点に向う。ま
た、制動力の減少にともない、図9(b)に示されるよ
うに車輪加速度Gwが回復に向う。
【0102】時刻t2において、車輪速度Vwが車体速
度Vbに比し遅くなった(以下車輪が沈むという)こと
から車輪駆動軸5にねじりトルクTtが発生し、車輪速
度を車体速度に近づける(以下車輪が復帰するという)
ように働く。つまり、見かけ上車輪加速度Gwは大きく
なり車輪が復帰しようとするが、式(4)に示すように
補正加速度Gc<0であり、ブレーキトルクTbはタイ
ヤトルクμ・W・rを超えている。この間の点が例えば
図7のJ点であり、補正加速度Gc(Iw・Gc/K
r)の符号が負である。
【0103】時刻t3において、補正加速度Gc≧0と
なり、すなわちブレーキトルクTbはタイヤトルクμ・
W・r以下になり、ステップS15、S16において制
動液圧Pの減圧を停止し、圧力の保持開始の指令をす
る。この時点が、図7のタイヤトルク曲線Aとブレーキ
トルク曲線Bとの交点L点である。以後、ねじりトルク
の影響を受けて、車輪加速度Gw及び補正加速度Gcは
図9(b)、(c)に示されるように変化する。
【0104】時刻t4で補正加速度Gc<0となり、ス
テップS18において補正加速度Gcの極性が反転した
ので、ステップS19で増圧開始指令が出される。この
時点が、図7のタイヤトルク曲線Aとブレーキトルク曲
線Bとの交点M点である。
【0105】時刻t5で、タイマT1が最大補正加速度
Gcmaxに基づき決定した所定時間γ以上経過したと
判定し(ステップS21)、ステップS23に進み所定
の緩い増圧勾配で制動液圧を上昇させる緩増圧指令(階
段状に増圧する)に切り換え、次の減圧に備える。以上
が図7に示されるようなスリップ特性を示す場合の動作
であり、図6のステップS17からS18へ進む場合で
ある。
【0106】次に、図7に示されるスリップ特性から図
8に示されるスリップ特性に変化した場合、すなわちブ
レーキトルクを減少させたときに点線Dで示されるよう
に制動力が路面反力を下回ることなくスリップ率λが最
大タイヤトルクTmaxを与えるスリップ率λaを通過
して低下する場合の動作について説明する。ステップS
22またはS23において増圧開始指令が出され、制動
力が増加して、時刻t6で車輪加速度Gwがα以下にな
る(車輪減速度が大きくなる)ので、ステップS13か
らステップS14へ進み、図8の曲線C上のR点で減圧
開始指令がだされ、減圧を開始する。
【0107】時刻t7で、時刻t6において減圧を開始
して車輪速度Vwが回復し車輪速度Vwが第2の基準速
度Vr2未満で(Vr≦Vw≦Vr2)、車輪の加速度
が所定加速度β以上であれば、ステップS24、S16
により、減圧を停止し、Y点で圧力を保持させる。
【0108】なお、急制動をかけたため、エンジン回転
数に比べ車輪が急減速を行い、エンジンと車輪とを連結
する車輪駆動軸に大きなねじりトルクが発生する。その
ため、車輪が加速され、車輪速度が復帰する。さらに、
車輪速度が復帰するとともに、エンジンの回転速度が減
速し、車輪の回転の方がエンジンの回転よりも速くな
り、逆方向に車輪駆動軸をねじり始める。そのため、従
来の装置では、時刻t8にあるように、ねじりトルクに
よる車輪の振動を受け制動力や路面反力に関係なく車輪
が沈む場合においても、図9(e)の点線に示されるよ
うに制動液圧Poの減圧を行ってしまう。このため、制
動力が不足し、制動距離が長くなるおそれがある。
【0109】しかし、この実施例1では、ねじりトルク
を検出し、補正加速度として用いて制御するため、ねじ
りトルクによる車輪の振動であるのか、制動力と路面反
力との関係を示しているのか、を判別することができ
る。そのため、補正加速度Gcが正の値であることは制
動力が路面反力を下回っていることを示すものであり、
ステップS12にあるように、車輪加速度Gwが所定値
α以上(減速度が|α|以下)になっても、減圧を指令
しない。
【0110】このように、ねじりトルクTtの影響を考
慮に入れ、ねじりトルクによる振動により不要な減圧、
あるいは増圧を行うことなく、路面反力に適した制動力
が得られるように制御を行う。
【0111】実施例2.図6の実施例1においては、ス
テップS12、S13、S17、S24、S16を経
て、制動力が路面反力よりも大きく(Gc<0)、車輪
速度Vwが基準速度Vrを以上でかつ車輪加速度Gwが
所定値β以上(Gw≧β>α)のとき、減圧を停止し圧
力を保持しさせるもの、すなわち図8におけるY点で保
持させるものを示した。
【0112】しかし、これに代えて、補正加速度Gcの
極大値を利用して制御することも可能である。すなわ
ち、式(5)に示されるように、タイヤトルクμ・W・
rとブレーキトルクTbとの差は補正加速度Gcにより
次の式にて表される。 μ・W・rーTb=(Iw/Kr)・Gc (21)
【0113】図8に示されるような、ブレーキトルクを
減少させたときに点線Dで示されるように制動力が路面
反力を下回ることなく、すなわち補正加速度Gcが正の
値をとることなく、スリップ率λが最大タイヤトルクT
maxを与えるスリップ率λaを通過して低下する場合
においては、補正加速度Gcは次にように変化する。す
なわち、補正加速度Gcは、制動液圧(ブレーキトルク
Tb)の減少を開始してから次第に増加し(Gcは負の
値である)、最大タイヤトルクTmaxとなるスリップ
率λa近傍にて最大となり、さらに液圧が低下すると減
少する。つまり、ブレーキトルクの減少時あるいは保持
時において、最大タイヤトルクTmax近傍において、
補正加速度Gcは極大値(符号は負)を有する。
【0114】よって、この点近傍において制動液圧の減
圧を停止することによりブレーキトルクTbをTmax
に近い値に保持でき、車輪は理想的なスリップ状態にて
制動されることになる。
【0115】以下、この原理に基づく実施例2について
説明する。図10はコントローラ60の構成を示すブロ
ック図、図11は動作を示すフローチャートである。図
10において、60はコントローラ、61は制御指令手
段である。その他の構成は、図3の実施例1におけるの
と同様であるので、相当するものに同一符号を付して説
明を省略する。
【0116】以下、図11のフローチャートにより、動
作を説明する。制御の全体の動作は図5に示された実施
例1と同様であるが、増減圧指令のステップS8の処
理、すなわちコントーラ60の動作が異なる。図11に
おいて、図6に示された実施例1のフローチャートのス
テップS17の代わりに、ステップS30を設けたもの
である。図11のステップS30において、補正加速度
Gcが極大値を迎えたか否かを判定し、極大値を迎えて
いればステップS24からステップS16へ進み減圧を
停止し保持指令を出し、そうでないならステップS18
へ進む。
【0117】以下、図8に示されるブレーキトルクを減
少させたときに点線Dで示されるように制動力が路面反
力を下回ることなくスリップ率λが最大タイヤトルクT
maxを与えるスリップ率λaを通過して低下する場合
の動作である。その他の動作については図6に示された
実施例1と同様である。なお、ステップS30における
極大値を迎えたか否かの判定は、例えば補正加速度Gc
の変化量(dGc/dt)を測定し、変化量が正から負
に転じたときに極大値を迎えたとすればよい。
【0118】また、車輪速度から車体速度を推定しなく
ても減圧を開始すべき時期を判断でき、補正加速度によ
り車輪の速度が車体の速度に近くなったことも知ること
ができる。さらに、車体速度を推定しなくてもスリップ
の浅い安定領域か(路面反力が最大となるスリップ率λ
a以下か)、スリップの深い不安定領域か(スリップ率
がλaより大きいか)を判断して、制動力をで制御でき
る。
【0119】実施例3.実施例1においては、制動圧の
減圧を所定の圧力勾配で減圧するものを示したが、減圧
においても急減圧と緩減圧との二つの制御モードを設け
ることもできる。図12、図13はこのような実施例を
示すもので、図12はコントローラ70の構成を示すブ
ロック図、図13は動作を示すフローチャートである。
図12において、70はコントローラ、71は制御指令
手段である。
【0120】以下、図13のフローチャートにより、動
作を説明する。制御の全体の動作は図5に示された実施
例1と同様であるが、増減圧指令のステップS8の処理
が異なる。以下、図13のフローチャートに従って増減
圧指令S8の処理を説明する。ステップS11、S12
で図6の実施例1と同様な処理を行い、ステップS13
にて、車輪加速度Gwが所定加速度αより小さくなると
ステップS40へ進み、所定の圧力勾配で急速に減圧を
行うよう急減圧指令をクチュエータ10ヘ発信する。た
だし、急減圧指令としたのは、後述の緩減圧指令と区別
するためであり、減圧の勾配は図6の実施例1における
減圧指令の場合と同様である。アクチュエータ10はこ
の急減圧指令を受けて、所定減圧勾配で制動液圧を減少
させる。
【0121】ステップS13において、車輪加速度Gw
が所定加速度α以上であればステップS41へ進み、急
減圧中であればステップS42へ進む。急減圧中でなけ
ればステップS17からステップS22あるいはステッ
プS23を経て急増圧あるいは緩増圧指令を発する。ス
テップS42では、車輪加速度Gwが所定加速度β(β
>α)以上であればステップS43へ進み、急減圧を緩
減圧に切り換えるように緩減圧指令を発する。 その他
の処理は図6に示された実施例1と同様である。
【0122】以上の処理を施した場合の動作状態を図1
4について説明する。図14はアンチスキッド制御装置
の作動状態を示す作動状態図であり、図(a)は車体速
度Vb、基準速度Vr、車輪速度Vwの時間変化を示す
曲線、図(b)は車輪加速度Gwの変化を示す曲線、図
(c)は補正加速度Gcの時間変化を示す曲線、図
(d)は制動液圧Pの時間変化を示す曲線である。
【0123】時刻t10において、車輪加速度Gwが所
定加速度αより小さくなったため(Gc<α:いずれも
負の値)、すなわち車輪減速度が減速度|α|を超えた
ので、減速度を小さくすべくステップS40において急
減圧を行う。時刻t11は、車輪加速度Gwが所定加速
度β以上になったことから、車輪速度が回復しつつある
と判断してステップS42、S43を経て緩減圧指令を
行う。この緩減速は、減圧と保持との周期的な指令を出
力して行うことから、階段状の減圧となる(時刻t11
とt12間)。
【0124】時刻t12において、補正加速度Gcが正
となるから、ステップS12、S15、S16より減圧
を停止し、その時の制動圧を保持するように指令する。
その他の動作については、実施例1の図9におけるのと
同様である。
【0125】この実施例3においては、減圧指令は急減
圧と緩減圧とに分けて指令する。緩減圧時は車輪速度が
回復しつつあるときであり、次に制動力が増加されて車
輪が沈み、減速度が大きくなるまでに猶予時間が存在す
る。そのため、アクチュエータなどの遅れを考慮すれ
ば、早く減圧する必要はない。従って、緩やかに減圧す
ることで制御系の応答遅れによる制動液圧の下がりすぎ
を防ぎ、高いブレーキ圧力で保持できる。
【0126】実施例4.以上の実施例においては、増減
圧を繰返してブレーキトルクの制御を行っている。この
増減圧を繰り返す周期を所定周期、一般に2ないし3
[Hz]とするのが車両の特性上良いとされている。該
所定周期になるように増圧勾配を変化させるためには、
最大補正加速度Gcmaxから増圧させるべき制動液圧
の増加分ΔPがわかるので、最大補正加速度Gcmax
に合わせて制動液圧の増加勾配を変化させることによ
り、上記所望の周期にすることができる。
【0127】以下、このような実施例を図15、図16
について説明する。図15はコントーラ80の構成を示
すブロック図であり、コントローラ80は制御指令手段
81を有する。図16はその動作を示すフローチャート
である。図17は減圧増圧の制御サイクルを示す圧力変
化図である。なお、制御周期を2[Hz]とすると、1
周期の時間Tsは500[ms]である。図16におい
て、ステップS50において制動液圧Pbの減圧指令が
発信された後、減圧時間T2をカウントする。このタイ
マによる時間計測は増圧開始指令が出されたら停止す
る。また、減圧開始の都度タイマT2をクリアし、その
後にカウントを始める。
【0128】ステップS51は増圧勾配の設定を行い、
ステップS52において設定された増圧勾配となるよう
に増圧時間と保持時間との比を決定し増圧指令を出す。
増圧勾配の設定は、減圧開始から増圧開始までの時間と
その後の増圧時間との合計時間がおよそ上記1周期の時
間Tsとなるように増圧時間を決定する。図17に示さ
れるように、時刻t20において減圧指令を受けて減圧
を開始し、時刻t21において増圧指令を受けて増圧を
開始する。タイマはこの間の時間(t21−t20)を
計測し、その時間がT2であったとすると、残りの増圧
に与えられる残時間は(Ts−T2)である。
【0129】従って、残時間(Ts−T2)の間に所定
圧力ΔP分増圧する。この増加させるべき圧力は最大補
正加速度Gcmaxで表されるから、増加勾配φを φ=ΔP/(Ts−T2)=Kp・Gcmax/(Ts−T2) (41) という勾配に設定すればよい。ここで、Kpは定数であ
る。他の処理は実施例1と同様である。増圧勾配φを変
化させるには、増圧保持の繰返しの1周期中における増
圧時間の割合(デュティ率)を変える。あるいは、増圧
時間と保持時間との比及び周期をともに変える。
【0130】実施例5.以上の実施例1〜4では、ねじ
りトルクを各車輪に連結された車輪駆動軸5に取り付け
られた歪みゲージによるトルクセンサ24から求めた
が、車輪6がディファレンシャルギヤなどの差動機構4
を介してエンジン1と連結されているような場合、図1
に示されたトルク伝達部材である推進軸に、ねじりトル
クを検出する推進軸トルクセンサ23を取り付けてねじ
りトルクを検出しても同様な効果を奏する。図18に、
この場合のコントローラの構成を示すブロック図であ
る。図において、90はコントローラ、91はねじりト
ルク検出手段である。
【0131】図1に示された構成において、差動機構4
を介して左右に連結された車輪6a、6bには同じトル
クが加わり、従って左右輪にかかるねじりトルクは同じ
になる。つまり、エンジン1と差動機構4とをつなぐ推
進軸3において、推進軸3に加わるトルクを検出するこ
とにより、左右輪にはその半分のねじりトルクが作用す
ることになる。ねじりトルク検出手段91が推進軸トル
ク23からの入力信号に基づき、図3に示されたねじり
トルク検出手段35と同様にして左右の車輪に加わるト
ルクを算出する。
【0132】実施例6.実施例1〜5では、ねじりトル
クを各車輪に連結された車輪駆動軸5に取付けられたト
ルクセンサ24、あるいは推進軸3に取り付けられた推
進軸トルクセンサ23から求めたが、エンジン6などの
パワーユニットの回転数を求めることによりねじりトル
クを検出することができる。図19は、この場合のコン
トローラの構成を示すブロック図である。100はコン
トローラ、101はねじりトルク検出手段である。
【0133】図19において、エンジン1の回転数N
を、エンジン回転センサ21から求める。車輪6aない
し6bとエンジン1とは差動機構4を介して連結されて
いることから、左右の車輪駆動軸5a、5bにかかるね
じりトルクはほぼ同一となり、左右の駆動輪6a、6b
の回転角度とエンジン6の回転角度との位相関係を捉
え、その位相差を求めることでねじり角度を算出し、こ
れに比例したねじりトルクを求めることができる。この
ようにして求めたねじりトルクを実施例1〜4に用いる
ことができる。
【0134】以下これについて説明する。ねじりトルク
演算手段101は、次のようにしてねじりトルクTtを
算出する。エンジン1の回転角を検出することができる
エンジン回転センサ21からエンジン1の回転角度を求
め、また左右の駆動輪6a、6bは車輪速度センサ25
a、25bにてその回転角度をそれぞれ求める。ねじり
トルクTtが小さく、エンジンのトルク負荷が小さいよ
うなとき、例えば制動液圧の制御の開始前をとらえ、車
輪駆動輪6a、6bとエンジン1との位相差はないもの
とし、それぞれの角度をリセットしておく。
【0135】制御開始時から、車輪速度センサ25a、
25b及びエンジン回転センサ21からのパルスをカウ
ントし、このカウント値に基づき左右の車輪駆動輪の回
転角度θ1及びθ2と、エンジンの回転角度θeとする
と、ねじり角θtは、 θt=Ki・θe−(θ1+θ2)/2 (61) となり、ねじりトルクTtは、ねじり剛性Kpから Tt=Kp・θt (62) と求められる。
【0136】実施例7.実施例6ではエンジン1の回転
数を検出し、ねじり角θtあるいは回転角加速度(dω
e/dt)を求めたが、図1に示される推進軸3の回転
数から求めてもよく、特に、自動変速装置を持つ車両に
おいては、トルクコンバータを介するため、直接エンジ
ンと接続されず、車輪から生じたトルクをエンジン1に
伝達することは少ない。そのため、エンジンの回転数の
代りに推進軸3の回転数を推進軸回転センサ22によっ
て検出し、実施例6と同様にしてねじりトルクを求める
ことができる。
【0137】実施例8.また、左右の駆動輪にかかるね
じりトルクTtはエンジンにも同様に加わる。アンチス
キッド制御装置の作動時は、アクセルペダルを離し、エ
ンジン1から生じる出力トルクは小さくなる。そのた
め、動力装置であるエンジンを大きな慣性を持つ物体と
考えることができる。従って、エンジンの回転速度ωe
の変化量である回転角加速度(dωe/dt)をとら
え、ねじりトルク演算手段111(後述)により、次式
に示すエンジン自身の運動を求めることで車輪にかかる
ねじりトルクTtを求める。
【0138】 Tt=K・(dωe/dt) (81) ここに、Kは定数であり、予めねじりトルク演算手段1
11に記憶させておく。図20に、上記原理に基づくコ
ントローラの構成を示すブロック図である。110はコ
ントローラ、111はねじりトルク演算手段である。こ
のようにして求めたねじりトルクTtを、実施例1〜4
におけるねじりトルク検出手段により求めたねじりトル
クの代りに用いることができる。
【0139】実施例9.以上の実施例では2輪駆動の場
合について説明したが、4輪駆動車においても同様にし
て制動液圧を制御すればよく、歪みゲージを取り付けて
計測する場合には、それぞれ4輪の車輪駆動軸に歪ゲー
ジを取り付け、それぞれの車輪に対し上記各実施例に示
したのと同様に制御することができる。
【0140】また、実施例5で示した推進軸3のねじり
トルクを検出する場合、エンジンから4輪に至るまでに
差動機構を介しているときは、差動装置よりも車輪側に
ある2軸にはほぼ同一のトルクが働く。従って、差動機
構の入力側、つまりエンジン側の軸にトルクセンサを設
けて、ここで検出したトルクが各車輪に等分に加わると
して、ねじりトルクを求めることができる。このように
することにより、トルクセンサ及びトルク検出手段の数
を少なくできる。
【0141】さらに、4輪を駆動するために、すべて差
動装置により前後、あるいは左右に動力を等分割すると
き、エンジンから前後の駆動軸に動力を分ける中央差動
装置までの間にトルクセンサを設けてねじりトルクを求
め、4等分することで、4輪にかかるねじりトルクを求
めることができる。また、前後輪へ配分する駆動トルク
が異なるとき、あるいは変化するときは、中央作動装置
の出力側の推進軸におのおのトルクセンサを設ければよ
い。
【0142】4輪とも、差動装置により動力が伝達され
る場合、実施例6で示したねじり角θtからねじりトル
クを算出する場合、前輪あるいは後輪について式(6
1)式にて求めたねじり角θtで代表させてもよい。ま
た、実施例8に示した(81)式で求めたねじりトルク
を用いて各車輪駆動軸に作用するねじりトルクを求めて
もよい。さらに、前後に動力を分ける部分に差動制限装
置を働かせたときには、前後輪それぞれについて近似的
に式(61)を用い、ねじり角θtを求めることによ
り、実施例1〜4におけるねじりトルクの代りとして用
いることができる。なお、車輪の加速度は、車輪に加速
度計を設けて求めてもよい。
【0143】また、上記各実施例では、動力装置が内燃
機関である場合について説明したが、例えば可変電圧可
変周波数電源にて駆動される誘導電動機その他のもので
あっても、同様の効果を奏する。さらに、制動力の制御
を油圧等の液圧の制御により行うものに限られるもので
はなく、電磁ブレーキ等によるものでもよい。
【0144】
【発明の効果】この発明の請求項1に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、車輪の加速度をトルク伝達部材に
加わるねじりトルクで補正した値に基づいて車輪の状態
を判断し車輪の制動力を制御するようにしたので、車輪
に加わるねじりを考慮に入れて車輪の状態を判断でき、
駆動軸がねじられ、車輪の速度が振動しても適切な制動
力の制御を行い、高い制動安定性を保ちながら制動距離
を短縮できる。
【0145】この発明の請求項2に係るアンチスキッド
制御装置によれば、車輪速度センサからの信号に基づき
車輪の速度を検出しこの車輪の速度から車輪の加速度を
演算しこの演算された加速度を車輪駆動軸に加わるねじ
りトルクで補正した値である補正加速度に基づいて車輪
の状態を判断して車輪ブレーキに供給する制動液圧を調
整することにより制動力を制御するようにしたので、補
正加速度により車輪に加わるねじりを考慮に入れた車輪
の状態を判断でき、駆動軸がねじられ、車輪の速度が振
動しても適切な制動力の制御を行い、高い制動安定性を
保ちながら制動距離を短縮できる。。また、車輪の加速
度を簡易な手段で求めることができる。
【0146】この発明の請求項3に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度Gcを、 Gc=Kr(dω/dt)+(Kr/Iw)Tt で表わしたようにしたので、この算式により補正加速度
を求め、車輪の状態の判断に用いて、適切な制動力の制
御ができる。
【0147】この発明の請求項4に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度により車輪に加わる制動
力と路面反力との差を知りこの差によって車輪の状態を
判断して制動力を制御する信号を発する制御指令手段
と、上記信号により制動力を制御する制動力調整手段と
を設けたので、制動力と路面反力との関係を的確に把握
して、適切な制動力の制御を行い、高い制動安定性を保
ちながら制動距離を短縮できる。
【0148】この発明の請求項5に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わる
制動力が路面反力を超えておりかつ車輪の加速度が所定
値を下回ったとき制動力を減少させる信号を発するよう
にしたので、ねじりトルクにより車輪の加速度が振動的
に変化して車輪の加速度が一時的に大きくなっても制動
力が路面反力以下のときは、制動力を減少させる信号を
発しないので、不必要なときに制動力を緩めて制動距離
が長くなるのを防止できる。
【0149】この発明の請求項6に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わる
制動力が路面反力を超えておりかつ車輪の加速度が第1
の所定値を下回るとき所定の第1の減少勾配にて制動力
を減少させ、車輪の加速度が所定値以上でかつこの所定
値よりも大きい別の所定値以下のとき第1の減少勾配よ
りも緩やかな所定の第2の減少勾配にて制動力を減少さ
せる信号を発するようにしたので、制動力の急減少を避
けて、よりも高い制動力を保持し、また制御系の遅れか
ら生じる制動力の緩め過ぎを抑制して、制動距離を短縮
できる。
【0150】この発明の請求項7に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度に基づき、制動力の減少
中に車輪に加わる制動力が路面反力以下になったとき制
動力の減少を停止して制動力を保持させる信号を発する
ようにしたので、制動力を減少させ過ぎて制動距離が長
くなるのを防止できる。
【0151】この発明の請求項8に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わる
制動力が路面反力を超えており車輪の速度が各々の車輪
の速度から推定した車体速度に基づき求められた基準速
度以上でありかつ車輪の加速度が上記所定値よりも大き
い別の所定値以上であるとき制動力の減少を停止して制
動力を保持させる信号を発するようにしたので、車輪に
加わる制動力を緩めていくとき、制動力が路面反力以下
になることなく路面反力が最大となるスリップ率を通過
してスリップ率が低下して、車輪の速度が車体の速度近
くまで回復してしまう場合でも、途中で制動力の減少を
停止して制動力を保持させる信号を発して、制動力を不
要に減少させすぎるのを防止し、制動力を確保して、効
果的に制動できる
【0152】この発明の請求項9に係るアンチスキッド
制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わる
制動力が路面反力を超えており補正加速度の極大値が検
出されたとき制動力の減少を停止して制動力を保持させ
る信号を発するようにしたので、制動力を最大路面反力
に近い値に保持して、効果的に制動できる。
【0153】この発明の請求項10に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わ
る制動力が路面反力を下回った後に上回ったとき制動力
を増加させる信号を発するようにしたので、制動力を増
加すべき時点が的確に把握でき、制動力を増加させて高
い制動力を確保できる。
【0154】この発明の請求項11に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪の速度
が各々の車輪の速度から推定した車体速度に基づき求め
られた基準速度よりも大きい別の基準速度以上でありか
つ車輪の加速度が上記別の所定値以上であるとき制動力
を増加させる信号を発するようにしたので、制動力が路
面反力を下回ることがないような場合でも、制動力を増
加すべき時点を判断して、効果的に制動を行うことがで
きる。
【0155】この発明の請求項12に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度の最大値に応じて増加
勾配を決定し、この増加勾配にて制動力を増加させる信
号を発するようにしたので、制動力の増減を繰り返す周
期を車両の特性上良いとされている所定周期にできる。
【0156】この発明の請求項13に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わ
る制動力が路面反力を下回った後に上回ったとき所定時
間の間所定の第1の増加勾配で制動力を増加させ、所定
時間経過後第1の増加勾配よりも緩やかな所定の第2の
増加勾配にて制動力を増加させる信号を発するようにし
たので、必要なときに制動力を最大路面反力近くまで迅
速に高め、急勾配で制動力を増加する必要がときは緩や
かに増加させて、効果的に制動できる。
【0157】この発明の請求項14に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わ
る制動力が路面反力を超えており車輪の加速度が所定値
を下回ったとき制動力を減少させる信号を発し、車輪に
加わる制動力が路面反力以下になったとき制動力の減少
を停止して制動力を保持させる信号を発し、車輪に加わ
る制動力が路面反力を下回った後に上回ったとき制動力
を増加させる信号を発するようにしたので、車輪の状態
を的確に判断して制動して、過大な車輪のスリップを防
止しつつ制動距離を短縮できる。
【0158】この発明の請求項15に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、補正加速度に基づき、車輪に加わ
る制動力が路面反力を超えており車輪の加速度が所定値
を下回ったとき制動力を減少させる信号を発し、車輪の
速度が各々の車輪の速度から推定した車体速度に基づき
求められた基準速度以上でありかつ車輪の加速度が上記
別の所定値以上であるとき制動力の減少を停止して制動
力を保持させる信号を発し、車輪の加速度が所定値より
も大きい別の所定値以上でありかつ車輪の速度が基準速
度よりも大きい別の基準速度以上であるとき制動力を増
加させる信号を発するようにしたので、車輪の状態を的
確に判断して制動して、過大な車輪のスリップを防止し
つつ制動距離を短縮できる。
【0159】この発明の請求項16に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、ねじりトルクを、動力装置と車輪
との間の介在するねじりを受けるトルク伝達部材のねじ
れ角に基づき演算するようにしたので、簡易な手段でね
じりトルクを検出でき、装置が安価になる。
【0160】この発明の請求項17に係るアンチスキッ
ド制御装置によれば、ねじりトルクは、動力装置の回転
数から回転加速度を求め、この回転加速度と動力装置の
慣性モーメントとからねじりトルクを演算するようにし
たので、動力装置の回転加速度を検出すればよく、簡易
な手段でねじりトルクを検出でき、装置が安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すアンチスキッド制御
装置の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】 図1の実施例におけるアクチュエータの詳細
構成を示す詳細構成図である。
【図3】 図1の実施例におけるコントーラの構成を示
すブロック図である。
【図4】 図1の実施例におけるコントローラの回路を
示す回路構成図である。
【図5】 図1の実施例における動作を示すフローチャ
ートである。
【図6】 図1の実施例における制御指令手段の動作を
示すフローチャートである。
【図7】 スリップ率に対するタイヤトルク及びブレー
キトルクの変化の例を示すスリップ特性図である。
【図8】 スリップ率に対するタイヤトルク及びブレー
キトルクの他の変化の例を示すスリップ特性図である。
【図9】 図1の実施例におけるアンチスキッド制御装
置の作動状態を示す作動状態図である。
【図10】 この発明の他の実施例におけるコントロー
ラの構成を示すブロック図である。
【図11】 図10の実施例における動作を示すフロー
チャートである。
【図12】 さらに、この発明の他の実施例におけるコ
ントローラの構成を示すブロック図である。
【図13】 図12の実施例における動作を示すフロー
チャートである。
【図14】 図11の実施例におけるアンチスキッド制
御装置の作動状態を示す作動状態図である。
【図15】 さらに、この発明の他の実施例におけるコ
ントーラの構成を示すブロック図である。
【図16】 図15の実施例における動作を示すフロー
チャートである。
【図17】 図15の実施例における減圧増圧の制御サ
イクルを示す圧力変化図である。
【図18】 さらに、この発明の他の実施例におけるコ
ントーラの構成を示すブロック図である。
【図19】 さらに、この発明の他の実施例におけるコ
ントーラの構成を示すブロック図である。
【図20】 さらに、この発明の他の実施例におけるコ
ントーラの構成を示すブロック図である。
【図21】 従来のアンチスキッド制御装置の動作を示
す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 3 推進軸 5 車輪駆動軸 6 車輪 7 ブレーキ装置 10 アクチュエータ 21 エンジン回転センサ 22 推進軸回転センサ 23 推進軸トルクセンサ 24 トルクセンサ 25 車輪速度センサ 30 コントローラ 31 車輪速度検出手段 32 車輪加速度演算手段 33 車体速度推定手段 34 基準速度算出手段 35 ねじりトルク検出手段 36 補正加速演算手段 37 制御指令手段 60 コントローラ 61 制御指令手段 70 コントローラ 71 制御指令手段 80 コントローラ 81 制御指令手段 90 コントローラ 91 ねじりトルク検出手段 100 コントローラ 101 ねじりトルク検出手段 110 コントローラ 111 ねじりトルク演算手段

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を駆動する動力装置に車輪駆動軸を
    含むねじりをうけるトルク伝達部材を介して連結された
    各車輪に個別に装着された車輪ブレーキと、上記車輪の
    回転が拘束されそうな状態になると上記車輪の制動力を
    減少させ上記制動力の減少により上記車輪の回転が拘束
    されそうな状態を脱すると再び上記制動力を増加させる
    ことにより上記車輪の制動力を制御する制御装置とを備
    えたアンチスキッド制御装置において、 上記制御装置は、上記車輪の加速度を上記車輪駆動軸に
    加わるねじりトルクで補正した値に基づいて上記車輪の
    状態を判断し上記制動力を制御するものである、ことを
    特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 車輪ブレーキは供給される制動液圧に応
    じて制動力が変化するものであり、制御装置は各車輪に
    設けられた車輪速度センサからの信号に基づき車輪の速
    度を検出しこの車輪の速度から車輪の加速度を演算しこ
    の演算された加速度を車輪駆動軸に加わるねじりトルク
    で補正した値である補正加速度に基づいて車輪の状態を
    判断して車輪ブレーキに供給する上記制動液圧を調整す
    ることにより制動力を制御するものである、ことを特徴
    とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 補正加速度Gcは、車輪の慣性モーメン
    トをIw、車輪の加速度を(dω/dt)、車輪駆動軸
    に加わるねじりトルクをTt、定数をKrとしたとき、 Gc=Kr(dω/dt)+(Kr/Iw)Tt で表わされるものである、ことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 制御装置は、補正加速度により車輪に加
    わる制動力と路面反力との差を知りこの差によって車輪
    の状態を判断して制動力を制御する信号を発する制御指
    令手段と、上記信号により制動力を制御する制動力調整
    手段とを設けたものである、ことを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか1項に記載のアンチスキッド制御
    装置。
  5. 【請求項5】 制御指令手段は、補正加速度に基づき、
    車輪に加わる制動力が路面反力を超えておりかつ車輪の
    加速度が所定値を下回ったとき制動力を減少させる信号
    を発するものである、ことを特徴とする請求項4記載の
    アンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 制御指令手段は、補正加速度に基づき、
    車輪に加わる制動力が路面反力を超えておりかつ車輪の
    加速度が所定値を下回るとき所定の第1の減少勾配にて
    制動力を減少させ、車輪の加速度が上記所定値以上でか
    つ上記所定値よりも大きい別の所定値以下のとき上記第
    1の減少勾配よりも緩やかな所定の第2の減少勾配にて
    制動力を減少させる信号を発するものである、ことを特
    徴とする請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
  7. 【請求項7】 制御指令手段は、補正加速度に基づき、
    制動力の減少中に車輪に加わる制動力が路面反力以下に
    なったとき制動力の減少を停止して制動力を保持させる
    信号を発するものである、ことを特徴とする請求項4記
    載のアンチスキッド制御装置。
  8. 【請求項8】 制御指令手段は、補正加速度に基づき、
    車輪に加わる制動力が路面反力を超えておりかつ車輪の
    速度が各々の車輪の速度から推定した車体速度に基づき
    求められた基準速度以上であり、かつ車輪の加速度が上
    記所定値よりも大きい別の所定値以上であるとき制動力
    の減少を停止して制動力を保持させる信号を発するもの
    である、ことを特徴とする請求項4記載のアンチスキッ
    ド制御装置。
  9. 【請求項9】 制御指令手段は、補正加速度に基づき、
    車輪に加わる制動力が路面反力を超えており補正加速度
    の極大値が検出されたとき制動力の減少を停止して制動
    力を保持させる信号を発するものである、ことを特徴と
    する請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
  10. 【請求項10】 制御指令手段は、補正加速度に基づ
    き、車輪に加わる制動力が路面反力を下回った後に上回
    ったとき制動力を増加させる信号を発するものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のアンチスキッド制御装
    置。
  11. 【請求項11】 制御指令手段は、補正加速度に基づ
    き、車輪の速度が各々の車輪の速度から推定した車体速
    度に基づき求められた基準速度よりも大きい別の基準速
    度以上でありかつ車輪の加速度が上記別の所定値以上で
    あるとき制動力を増加させる信号を発するものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のアンチスキッド制御装
    置。
  12. 【請求項12】 制御指令手段は、補正加速度の最大値
    に応じて増加勾配を決定し、この増加勾配にて制動力を
    増加させる信号を発するものである、ことを特徴とする
    請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
  13. 【請求項13】 制御指令手段は、補正加速度に基づ
    き、車輪に加わる制動力が路面反力を下回った後に上回
    ったとき所定時間の間所定の第1の増加勾配で制動力を
    増加させ、上記所定時間経過後上記第1の増加勾配より
    も緩やかな所定の第2の増加勾配にて制動力を増加させ
    る信号を発するものである、ことを特徴とする請求項1
    0〜請求項12のいずれか1項に記載のアンチスキッド
    制御装置。
  14. 【請求項14】 制御指令手段は、補正加速度に基づ
    き、車輪に加わる制動力が路面反力を超えており車輪の
    加速度が所定値を下回ったとき制動力を減少させる信号
    を発し、車輪に加わる制動力が路面反力以下になったと
    き制動力の減少を停止して制動力を保持させる信号を発
    し、車輪に加わる制動力が路面反力を下回った後に上回
    ったとき制動力を増加させる信号を発するものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のアンチスキッド制御装
    置。
  15. 【請求項15】 制御指令手段は、補正加速度に基づ
    き、車輪に加わる制動力が路面反力を超えており車輪の
    加速度が所定値を下回ったとき制動力を減少させる信号
    を発し、車輪の速度が各々の車輪の速度から推定した車
    体速度に基づき求められた基準速度以上でありかつ車輪
    の加速度が上記別の所定値以上であるとき制動力の減少
    を停止して制動力を保持させる信号を発し、上記車輪の
    加速度が上記別の所定値以上でありかつ上記車輪の速度
    が基準速度よりも大きい別の基準速度以上であるとき制
    動力を増加させる信号を発するものである、ことを特徴
    とする請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
  16. 【請求項16】 ねじりトルクは、トルク伝達部材のね
    じれ角に基づき演算するものである、ことを特徴とする
    請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のアンチス
    キッド制御装置。
  17. 【請求項17】 上記ねじりトルクは、動力装置の回転
    数から回転加速度を求め、この回転加速度と動力装置の
    慣性モーメントとからねじりトルクを演算するものであ
    る、ことを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか
    1項に記載のアンチスキッド制御装置。
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