JP4550910B2 - 車両挙動検出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の車両状態検出装置は、規範路面反力トルクに相当する規範アライメントトルクを演算する規範アライメントトルク演算器と、走行中の車両が路面から受ける路面反力トルクに相当する実アライメントトルクを検出するアライメントトルク測定器と、実アライメントトルクと規範アライメントトルクとの偏差の絶対値をアライメントトルク偏差として演算するアライメントトルク偏差演算器と、アライメントトルク偏差を所定量と比較し、アライメントトルク偏差が所定量以上の場合に車両の挙動が不安定であると判定する車両挙動安定性判別器とを備えており、規範アライメントトルクと実アライメントトルクとの偏差の絶対値を用いて、走行中の車両の不安定状態を判定している。
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両挙動検出装置を搭載した車両用操舵装置系の全体構成を模式的に示す斜視図である。
図1において、車両用操舵装置系は、ハンドル1からステアリング軸2に印加される操舵トルク7と、モータ3からステアリング軸2に付加されるアシストトルク8とを加算したトルクを、ステアリングギアBOX4により数倍に増大させ、さらに、ラック&ピニオン機構5を介してタイヤ6を動作させる。
ステアリング軸2には、トルクセンサ9が設けられており、トルクセンサ9は、操舵トルク7の検出値に対応した操舵トルク検出信号11を出力する。
また、タイヤ6の近傍には車両の速度を車速として検出する車速センサ(図示せず)が設けられている。
また、制御装置10は、後述するように、路面からタイヤ6に印加される路面反力トルク16を検出して、路面反力トルク16および車両などに基づき車両の不安定状態を検出する車両挙動状態検出手段を備えている。
すなわち、トルクセンサ9は、運転者がハンドル1を操作したときの操舵トルク7を測定して、操舵トルク検出信号11を制御装置10に入力し、制御装置10は、モータ3の状態量(電流検出信号12および電圧検出信号13)と操舵トルク検出信号11とより、アシストトルク8を発生させるための印加電圧14をモータ3に印加する。
図2において、制御装置10およびマイコン20は、図示された以外にも車両用操舵装置系の様々な機能を有するが、ここでは、車両挙動検出装置に関係する部分のみを示している。
規範路面反力トルク演算手段24は、操舵角検出手段21および車速検出手段22からの各検出値(操舵角、車速)を入力情報として、規範路面反力トルク(理想的な路面反力トルク)を演算する。
また、路面反力トルク検出手段23、規範路面反力トルク演算手段24、車両挙動検出禁止手段25および車両挙動状態検出手段26の各検出結果および演算結果は、マイコン20内のメモリ(図示せず)に記憶される。
以上のことは、後述する実施の形態2においても同様である。
図3において、まず、プログラムがスタートすると、操舵角センサ15を含む操舵角検出手段21は、ハンドル1の操舵角を検出して、その検出値をメモリに記憶させる(ステップS101)。
また、路面反力トルク検出手段23は、路面反力トルクを検出して、その検出値をメモリに記憶させる(ステップS103)。
なお、禁止すべきでない場合には、禁止フラグは「1」にセットされる。
図4は車両挙動検出禁止手段25の機能構成を示すブロック図である。
図4において、車両挙動検出禁止手段25は、悪路走行判定手段40と、異常状態判定手段41と、論理積手段42とを備えている。
異常状態判定手段41は、規範路面反力トルクの演算値から、車両が異常状態であることを判定すると、異常状態判定結果(フラグ「0」)を出力する。
一方、悪路走行中(フラグ「0」)または異常状態(フラグ「0」)の場合には、最終的な禁止フラグ「0」を出力する。すなわち、禁止フラグは、前述のように、車両挙動状態検出を禁止すべき状態では「0」となり、車両挙動状態検出が可能な状態では「1」となる。
図5において、まず、悪路走行判定手段40は、路面反力トルクと規範路面反力トルクとから悪路走行中であるか否かを判定し、悪路走行判定結果(悪路走行中の場合はフラグ「0」)を出力する。
最後に、論理積手段42は、悪路走行判定結果と異常状態判定結果との論理積を演算して、禁止フラグ(禁止の場合は「0」)を出力し(ステップS203)、図5のプログラム動作を終了する。
図6は悪路走行判定手段40の機能構成を示すブロック図である。
図6において、悪路走行判定手段40は、差分演算器60と、絶対値演算器61と、差分比較器62と、周波数判定手段64と、周波数比較器65と、論理積手段67とを備えている。
差分比較器62は、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの差分の絶対値と、あらかじめ設定した所定の差分閾値63とを比較し、差分の絶対値が差分閾値63よりも大きい場合には、差分フラグを「0」にセットして出力する。それ以外(差分の絶対値≦差分閾値)の場合は、差分フラグは「1」にセットされる。
周波数比較器65は、路面反力トルク周波数と所定の周波数閾値66とを比較し、路面反力トルク周波数が周波数閾値66よりも高周波である場合には、周波数フラグを「0」にセットして出力する。それ以外(路面反力トルク周波数≦周波数閾値)の場合は、周波数フラグは「1」にセットされる。
なお、ここでは、一例として、差分演算器60において、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの差分を用いたが、差分演算器60の代わりに比率演算器(図示せず)を設けて、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの比率を用いてもよい。また、差分および比率の両方を用いてもよい。
さらに、周波数判定手段64としては、リアルタイムFFTなどを用いた周知の周波数特定技術を用いてもよい。
図7において、まず、差分演算器60は、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの差分を演算して出力し(ステップS301)、絶対値演算器61は、路面反力トルクと規範路面反力トルクとの差分の絶対値を演算する(ステップS302)。
図8は異常状態判定手段41の機能構成を示すブロック図である。
図8において、異常状態判定手段41は、周波数判定手段80と、周波数比較器81とを備えている。
周波数比較器81は、規範路面反力トルク周波数と所定の規範周波数閾値82とを比較して、規範路面反力トルク周波数が規範周波数閾値82よりも高周波である場合に、異常状態判定結果としてフラグ「0」をセットして出力する。それ以外(規範路面反力トルク周波数≦規範周波数閾値)の場合は、異常状態判定結果のフラグは「1」となる。
図9において、まず、周波数判定手段80は、規範路面反力トルクを読み込み、規範路面反力トルク周波数を判定して出力する(ステップS401)。
続いて、周波数比較器81は、規範路面反力トルク周波数と規範周波数閾値82とを比較し、異常状態判定結果(異常状態の場合はフラグ「0」)を出力して(ステップS402)、図9のプログラム動作を終了する。
図10は規範路面反力トルク(上段)および禁止フラグ(下段)の時間波形を示す説明図であり、横軸は時間、破線は従来装置の特性(禁止フラグなし)を示している。
図10において、時刻t1から規範路面反力トルクが高周波状態になっているが、従来装置(破線特性)では、禁止フラグがないので、規範路面反力トルクが高周波状態であっても車両挙動の不安定状態を検出可能となっており、不安定状態を誤検出する可能性がある。
また、悪路走行判定手段40は、路面反力トルクの検出値が所定周波数(周波数閾値66)よりも高周波の場合に、車両が悪路走行中であると判定する。
異常状態判定手段41は、規範路面反力トルクの演算値が所定周波数(規範周波数閾値82)よりも高周波の場合に、車両が異常状態であると判定する。
なお、上記実施の形態1(図2)では、路面反力トルクおよび規範路面反力トルクに基づいて車両挙動状態を検出する装置に適用したが、図11のように、規範路面反力トルク変化率演算手段27および路面反力トルク変化率演算手段28を備え、路面反力トルクの検出値および規範路面反力トルクのみならず、路面反力トルク変化率および規範路面反力トルク変化率に基づいて車両挙動状態を検出する装置に適用してもよい。
前述と同様に、制御装置10Aおよびマイコン20Aは、図示以外にも車両用操舵装置系の様々な機能を有するが、ここでは、車両挙動検出装置に関係する部分のみを示している。
路面反力トルク変化率演算手段28は、路面反力トルク16の検出値を入力情報として、路面反力トルク変化率を出力する。
図12において、ステップS101〜S104、S106〜S108は、前述(図3参照)と同様の処理である。また、ステップS105Aは前述のステップS105に対応している。
続いて、路面反力トルク変化率演算手段28は、路面反力トルク16から路面反力トルク変化率を演算し、その演算結果をメモリに記憶させる(ステップS505)。
同様に、規範路面反力トルク変化率演算手段27は、規範路面反力トルクから規範路面反力トルク変化率を演算し、その演算結果をメモリに記憶させる(ステップS506)。
Claims (4)
- 車両のタイヤが路面から受ける路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、
前記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
前記操舵角および前記車速の各検出値から規範路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段と、
前記車両の不安定状態を検出する車両挙動状態検出手段と、
前記路面反力トルクの検出値および前記規範路面反力トルクの演算値に基づき前記車両挙動状態検出手段を無効化する車両挙動検出禁止手段と
を備えた車両挙動検出装置において、
前記車両挙動検出禁止手段は、
前記車両が異常状態であることを判定する異常状態判定手段を含み、
前記異常状態判定手段により前記異常状態が判定された場合に、前記車両挙動状態検出手段を無効化するための禁止フラグを出力し、
前記異常状態判定手段は、
前記規範路面反力トルクの演算値が所定周波数よりも高周波の場合に、前記車両が異常状態であると判定することを特徴とする車両挙動検出装置。 - 前記車両挙動検出禁止手段は、
前記車両が悪路走行中であることを判定する悪路走行判定手段を含み、
前記悪路走行判定手段により前記悪路走行中が判定された場合に、前記車両挙動状態検出手段を無効化するための禁止フラグを出力することを特徴とする請求項1に記載の車両挙動検出装置。 - 前記悪路走行判定手段は、
前記路面反力トルクの検出値と前記規範路面反力トルクの演算値との偏差および比率の少なくとも一方が所定の閾値よりも大きい場合に、前記車両が悪路走行中であると判定して第1の判定フラグを出力する第1の判定手段と、
前記路面反力トルクの検出値が所定周波数よりも高周波の場合に、前記車両が悪路走行中であると判定して第2の判定フラグを出力する第2の判定手段と、
前記第1および第2の判定フラグの論理積を演算して前記悪路走行中を判定する論理積手段と
を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両挙動検出装置。 - 前記路面反力トルクの変化率を演算する路面反力トルク変化率演算手段と、
前記規範路面反力トルクの変化率を演算する規範路面反力トルク変化率演算手段とを備え、
前記車両挙動状態検出手段は、前記路面反力トルクの検出値と、前記規範路面反力トルク、前記路面反力トルク変化率および前記規範路面反力トルク変化率の各演算値とから、前記車両の不安定状態を検出することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両挙動検出装置。
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