JP2006151281A - タイヤ状態判定装置および電動パワーステアリングシステム - Google Patents

タイヤ状態判定装置および電動パワーステアリングシステム Download PDF

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Abstract

【課題】車両が停止している状態でタイヤの空気圧低下等のタイヤ状態を判定できるタイヤ状態判定装置を提供する。
【解決手段】電動モータ8を駆動源とする操舵力をステアリング機構に付加する電動パワーステアリングシステムAを備えた車両のタイヤ状態を判定するタイヤ状態判定装置1であって、車両が停止した状態で付加される操舵力とその操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置を備えた車両のタイヤ状態を判定するタイヤ状態判定装置および電動パワーステアリングシステムに関する。
車両が走行を続けると、やがてタイヤの磨耗やタイヤの空気圧の低下といったタイヤ状態の変化が生じ、タイヤ状態の変化により車両の走行に影響を与えることがある。そのため、タイヤ状態の変化を検出することが求められる。
タイヤ状態のうち、空気圧の低下を検出するためには、たとえばタイヤの内圧を直接検出するセンサを設けて、空気圧の低下を検出することができる。ところが、空気圧を直接検出するセンサを設けると、部品点数の増大を招くことになる。
そこで、空気圧の低下を検出するものとして、パワーステアリング装置を用いたものがある。たとえば、特開平11−334634号公報(特許文献1)に開示されたパワーステアリングは、車両の車速および操舵角に対応する正常時の基準操舵トルクを記憶しておき、車両走行中に検出した車速および操舵角に対応する基準操舵トルクを読み出し、この基準操舵トルクと実際に検出した操舵トルクとを比較してタイヤの空気圧低下を判定するというものである。
また、上記特許文献1に記載されたパワーステアリング装置は、パワーシリンダを用いた油圧によって操舵補助力を付与するいわゆる油圧式パワーステアリング装置である。これに対して、パワーステアリング装置としては、電動モータによって操舵補助力を付与する、いわゆる電動パワーステアリング装置もある。このような電動パワーステアリング装置として、特開2002−274406号公報(特許文献2)に開示されたものがある。この電動パワーステアリング装置においては、タイヤパンク時の操舵トルクの増大を検知して、操舵補助力を適切に調整するというものである。
特開平11−334634号公報 特開2002−274406号公報
しかし、上記特許文献1に開示されたタイヤ空気圧低下検出装置では、車両の走行中にタイヤの回転角速度を検出している。このため、車両の走行に伴うタイヤスリップやタイヤと路面との間の摩擦抵抗など影響を受けやすく、タイヤ状態の変化(空気圧低下等)を精度よく判定することが難しいという問題があった。
また、上記特許文献2に記載された電動パワーステアリング装置においても、油圧式のパワーステアリング装置と同様にしてタイヤ状態に判定を行うことができる。ところが、やはり、車両の走行中に判定を行うことになるので、精度のよい判定は難しくなってしまうという問題があった。
そこで本発明の課題は、タイヤと路面との間の摩擦抵抗などの影響を受け難くし、精度よくタイヤ状態を判定することができるタイヤ状態判定装置を提供することにある。
本発明に係るタイヤ状態判定装置は、電動モータを駆動源とする操舵力をステアリング機構に付加する電動パワーステアリングシステムを備えた車両のタイヤ状態を判定するタイヤ状態判定装置であって、車両が停止した状態で付加される操舵力とその操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定する判定手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るタイヤ状態判定装置においては、車両停止時にタイヤに付加される操舵力と、その操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定する。そのため、車両が走行していない状態でタイヤ状態を判定しているので、タイヤと路面との間の摩擦抵抗等の影響を受け難い状態でタイヤ状態を判定することができる。したがって、精度よくタイヤ状態を判定することができる。
また、タイヤの舵角関係値は、タイヤの舵角またはその舵角に対応するハンドル部のハンドル角であるようにしてもよい。このようにすると操舵力とタイヤの舵角との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定したり、操舵力とハンドル角との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定したりすることができる。
またタイヤ状態は、タイヤ空気圧低下状態とタイヤ磨耗状態とを含み、判定手段は、前述の相関関係の変化に基づいてタイヤ空気圧低下状態とタイヤ磨耗状態との双方を判定するようにしてもよい。このようにすると、タイヤ空気圧低下状態とタイヤ磨耗状態との双方を判定でき、タイヤ状態のより詳しい判定が可能となる。
また、判定手段は、前述の相関関係から求められるタイヤ剛性特性値が変化して下限基準値以下となった場合にタイヤ状態がタイヤ空気圧低下状態と判定したり、また、上限基準値以上となった場合にタイヤ状態がタイヤ磨耗状態と判定したりするようにすることもできる。このようにすれば、タイヤ剛性特性値を求め、このタイヤ剛性特性値の変化からタイヤの空気圧低下や磨耗を判定できる。
更に判定手段による判定結果をドライバに報知する出力手段を備えてもよい。このようにすれば、タイヤ状態の判定結果を例えば、注意情報としてドライバに認知させることができる。
また、本発明は、車両に装備され、ドライバによってハンドル部に付加される操舵トルクに対応する操舵力を電動モータによってステアリング機構に付加する電動パワーステアリングシステムであって、車両が停止した状態で付加される操舵力とその操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係が変化した場合に、その変化に対応して操舵トルクと操舵力との対応関係を変更するアシスト量変更手段を備えたことを特徴とする。本発明によれば、車両が停止した状態で付加される操舵力とその操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係の変化に基づいて、操舵トルクと操舵力との対応関係を変更するようになり、例えば、タイヤ状態が変化しても操舵トルクと舵角との関係を一定に保つように、操舵トルクと操舵力との対応関係を変更することが可能となる。
本発明に係るタイヤ状態判定装置によれば、タイヤと路面との間の摩擦抵抗などの影響を受け難くし、精度よくタイヤ状態を判定することができる。
また、本発明に係る電動パワーステアリングシステムによれば、タイヤ状態に応じて操舵トルクと操舵力との対応関係を変更できる。
以下、本発明に係る実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る電動パワーステアリングシステムおよびタイヤ状態判定装置の概略構成を示す概念図である。
図1に示すように、タイヤ状態判定装置1は、車両に搭載されており、トルクセンサ11、舵角センサ12、およびECU(Electronic Control Unit)13を備えている。このECU13には、インストルメントパネルに設けられた警報装置14が接続されている。また、車両は、電動パワーステアリングシステムAを備えている。電動パワーステアリングシステムAは、本発明のハンドル部であるステアリングホイール2を備えており、ステアリングホイール2にはステアリングシャフト3の上端部が接続されている。また、ステアリングシャフト3の下端部には、ピニオンギア4およびラック軸5からなるラックアンドピニオン機構が設けられている。
ピニオンギア4は、ステアリングシャフト3の下端部に取り付けられており、ラック軸5は、ピニオンギア4と噛み合う位置に配置されている。ラック軸5は、左右方向に延在しており、ラック軸5の両端部には、それぞれタイロッド6,6が取り付けられている。このタイロッド6,6には、図示しないナックルアームを介して、タイヤが取り付けられた前輪(車輪)7,7が取り付けられている。
さらに、ステアリングシャフト3には、操舵補助力を付加する電動モータ8が接続されている。電動モータ8は、ECU11から出力される操舵補助信号に基づいて、ステアリングシャフト3に対して操舵補助信号に応じた補助操舵力を付与する。電動モータ8とステアリングシャフト3との間には、電動モータ8の回転を減速する減速機9が設けられている。
また、タイヤ状態判定装置1におけるトルクセンサ11は、ステアリングシャフト3に取り付けられており、ステアリングシャフト3に加えられた操舵トルクの方向および大きさを検出する。トルクセンサ11は、検出した操舵トルクに基づくトルク信号をECU13に出力する。舵角センサ12は、ステアリングシャフト3に取り付けられており、ステアリングシャフト3のハンドル角(回転角)を検出している。舵角センサ12は、検出したハンドル角に基づくハンドル角信号をECU13に出力する。
ECU13は、トルクセンサ11から出力されたトルク信号およびハンドル角信号に基づいて、電動モータ8による操舵補助力を算出し、操舵補助力に基づく操舵補助力信号を電動モータ8に出力する。電動モータ8では、ECU13から出力された操舵補助力信号に応じた操舵補助力をステアリングシャフト3に付与する。
また、ECU13は、タイヤ状態判定を行う際に、所定の大きさの操舵トルク信号を電動モータ8に出力する。舵角センサ12は、タイヤ状態判定を行っている際のハンドル角を検出し、検出したハンドル角に基づくハンドル角信号をECU13に出力する。ECU13では、出力されたハンドル角信号と、電動モータ8に付与したトルクに基づいて、タイヤ状態判定を行う。
ECU13は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、報知制御回路24などを備えて構成されており、本発明における判定手段として機能する。
CPU21はROM23に記憶されているプログラムにしたがって作動し、I/Oポート26を介して電動モータ8の駆動回路へ駆動信号を出力して電動モータ8の駆動制御を行ったり、報知制御回路24に警報信号を出力して警報装置14の作動制御を行ったりする。
RAM22はI/Oポート26を介してCPU21に接続され、CPU21が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶されている。
ROM23はI/Oポート26を介してCPU21に接続され、CPU21が実行する制御プログラムや、恒久的なデータなどが記憶されている。これらのデータとして、具体的には、後述の初期設定処理で用いられるタイヤ状態判定マップ、EPSアシスト量補正処理に用いられる補正量対応テーブル、特性パラメータ変更処理に用いられるパラメータ推定マップ等が記憶されている。
報知制御回路24はI/Oポート26を介してCPU21に接続され、更に警報装置14に接続されており、CPU21からの指令に応じて警報装置14を作動させて判定結果の報知を行う。警報装置14は、例えばインパネ等に設けられたスピーカやランプ、液晶モニタ等であり、判定結果の報知は、音の発生、発光、液晶画像の表示等の各種態様が含まれる。報知制御回路24と警報装置14とが本発明における出力手段に相当する。
次に、タイヤ状態判定装置1の動作について図2を参照しつつ説明する。図2は、タイヤ状態判定装置1の動作手順を示すフローチャートである。なお、図2に示す一連の制御処理は、車両を停止している状態で適宜実行される。
車両Aが停止しており、タイヤ状態判定を開始すると、まず、初期設定を行う(S1)。初期設定処理では、後に説明する下限基準値Ka、上限基準値Kbの読み込みなどの処理を行う。
初期設定処理が済んだら、次に、ECU13は、電動モータ8に指令して電動モータ8を作動させ、減速機9を介して所定の付加トルクT(EPSモータトルク)をステアリングシャフト3に付加させる(S2)。ここで電動モータ8からステアリングシャフト3に付加した付加トルクTはRAM22に記憶しておく。
続いて、舵角センサ12がステアリングシャフト3のハンドル角δを検出し(S3)、検出したハンドル角δに対応するハンドル角信号をECU13に出力する。ECU13ではハンドル角δをRAM22に記憶する。
ECU13がハンドル角δを記憶したら、ECU13は、下記の式(1)に基づいてタイヤ剛性特性値Kを演算によって算出する。算出したタイヤ剛性特性値Kは、RAM22に記憶する。
K(タイヤ剛性特性値)=T(付加トルク)/δ(ハンドル角) ・・・(1)
こうした、タイヤ剛性特性値Kを算出したら、今回に算出したタイヤ剛性特性値Kpと、前回に算出したタイヤ剛性特性値Kp−1との差を算出し、その絶対値で表される変化幅ΔKを求める(S5)。なお、この変化幅ΔKは、今回のタイヤ状態判定が初期設定処理後の初回であれば“0”となる。一方、RAM22に前回のタイヤ剛性特性値Kp−1が記憶されている場合には、ECU13のCPU21がRAM22から前回のタイヤ剛性特性値Kp−1を読み出し、今回求めたタイヤ剛性特性値Kとの差の絶対値を変化幅ΔKとして求める。
変化幅ΔKを求めたら、続くステップ6では、ECU13のCPU21がRAM22に記憶する変化幅ΔKを読み出し、急変判定値内であるか否かの判定を行う(S6)。急変の有無については、変化幅が所定のしきい値を超えているか否かによって判断する。この急変があった場合には、タイヤ交換やタイヤ異常(タイヤパンクなどの異常)があったと判断するものであるが、これらのタイヤ交換やタイヤ異常の判断については後に説明する。
ステップS6における判断の結果、タイヤ剛性特性値Kに急変はないと判断した場合には、タイヤ状態が適正範囲内にあるか否かを判断する(S7)。この適正範囲内にあるか否かの判断によって、タイヤ空気圧の低下やタイヤ磨耗があったか否かの判断を行っている。
ここで、タイヤ剛性特性値Kとタイヤ状態との相関関係について説明する。車両Aが止まった状態で電動モータ8が微小な駆動トルクをステアリングシャフト3に付加し、ステアリングシャフト3に付加トルクTが与えられると、ステアリングシャフト3にハンドル角δがわずかに加えられ、車輪7はわずかに転舵して転舵角が生じる。この転舵角は、付加トルクが一定であっても、タイヤ状態によっては変化し、転舵角の変化に伴ってハンドル角δも変化する。
図3に示すように、車輪7におけるタイヤの空気圧および磨耗状態が最も良好である場合、付加トルクTとハンドル角δとの関係は、折れ線L1で表される。このタイヤについて、空気圧が低下すると、付加トルクTに対するハンドル角δが小さくなり、磨耗が大きくなると、付加トルクTに対するハンドル角δが大きくなる。
この特性を利用して、タイヤ剛性特性値Kについて下限基準値Kaおよび上限基準値Kbを設定し、タイヤ剛性特性値Kが下限基準値Ka以下となった場合には、空気圧低下状態であると判断し、タイヤ剛性特性値Kが上限基準値Kb以上となった場合には、タイヤ磨耗状態にあると判断するものである。タイヤ剛性特性値の下限基準値Kaは、図3の折れ線L2で示され、上限基準値Kbは、折れ線L3で示される。そして、タイヤ剛性特性値が折れ線L2,L3で囲まれる範囲内にある場合には、適正範囲内にあると判断される。これらの下限基準値Kaおよび上限基準値Kbは、タイヤの種類や、空気圧低下、磨耗の許容範囲等の条件に応じて適宜決定することができる。
かかるタイヤ剛性特性値とタイヤ状態との相関関係の下、ステップS7でタイヤ剛性特性値Kが適正範囲(Kb<K<Ka)内にあると判断した場合には、車輪7のタイヤに空気圧低下状態およびタイヤ磨耗状態にはなく、正常範囲のタイヤ状態にあることになる。したがって、タイヤ剛性特性値Kが適正範囲内にあると判断した場合には、今回算出したタイヤ剛性特性値KをRAM22に記憶し(S8)、ステップS2に戻る。ここで記憶したタイヤ剛性特性値Kは、次のタイヤ状態判定に利用する。
一方、ステップS7において、タイヤ剛性特性値Kが適正範囲内にないと判断した場合には、タイヤ剛性特性値Kが、下限基準値Ka以下となっているか上限基準値以上となっているかを判断する(S9)。その結果、下限基準値Ka以下となっていると判断した場合には、タイヤに空気圧低下があったと判断し、空気圧低下判定信号を警報装置14に出力する(S10)。警報装置14では、空気圧低下を報知する。こうして、ドライバなどの乗員に対して、空気圧低下状態にあるタイヤがあることを報知する。
また、ステップS9でタイヤ剛性特性値Kが上限基準値Kb以上となっていると判断した場合には、タイヤがタイヤ磨耗状態にあると判断し、タイヤ磨耗信号を警報装置14に出力する(S11)。警報装置14では、タイヤ磨耗を報知する。こうして、ドライバなどの乗員に対して、タイヤ磨耗しているタイヤがあることを報知する。
このように、タイヤ剛性特性値Kと、下限基準値Kaとを比較することにより、タイヤの空気圧低下を判断することができる。また、タイヤ剛性特性値Kと、上限基準値Kbとを比較することにより、タイヤ磨耗を判断することができる。本実施形態においては、車両Aが停止した状態でこれらのタイヤ状態(空気圧低下およびタイヤ磨耗)の判断を行っている。このため、車両の走行に伴うタイヤと路面との間の摩擦抵抗などの影響を受けることがほとんどないので、精度よくタイヤ状態の判定を行うことができる。また、電動モータ8によって付加される付加トルクTおよびハンドル角δに基づいてタイヤ状態を判定する構成であるため、タイヤの内圧を直接検出する専用センサが不要となる。
次に、ステップS6で、タイヤ剛性特性値が急変する場合について説明する。
上記のステップS7〜ステップS11では、タイヤ状態として、空気圧低下およびタイヤ磨耗について判定していたが、タイヤ状態として、タイヤがパンクするなどの異常が生じることがある。あるいは、タイヤを交換すると、タイヤ状態として、異常は生じていないものの、過去の履歴と異なることによって、精度よいタイヤ状態の判定の妨げとなることも考えられる。ここでは、このようなパンクなどのタイヤ異常、タイヤ交換といった特殊な状況が生じた場合には、空気圧低下やタイヤ磨耗の判断を行わないようにするために、タイヤ剛性特性値の急変を判断して、タイヤのパンクあるいはタイヤ交換を判定するものである。
ここで、タイヤ剛性特性値Kに急変がない場合について考えると、図4に示すように、車輪7におけるタイヤにおいては、たとえば、タイヤサンプルE1、E2、E3のパターンでタイヤ剛性特性値Kが変化することがある。タイヤサンプルE1の例では、徐々にタイヤ剛性特性値Kが増加していることから、徐々に磨耗が増加し、ついには上限基準値Kb以上となって、磨耗状態にあると判断される。また、タイヤサンプルE2では、逆に空気圧が徐々に低下し、やがて下限基準値Ka以下となって空気圧低下と判定される。これらの例においては、いずれも前回の測定値と今回の測定値との差は小さくなっている。
一方、タイヤサンプルE3では、徐々にタイヤ剛性特性値Kが低下した後、Kpの位置で急激にタイヤ剛性特性値が増加している。このような急激な増加(急変)は、通常時には起こらないので、タイヤ交換またはタイヤ異常があったものと考えられる。そこで、ステップS7で、前回のタイヤ剛性特性値Kp−1と、今回のタイヤ剛性特性値Kpとの差を求め、その差が所定のしきい値を超えているか否かを判断することで、タイヤ剛性特性値に急変があったか否かを判断する。ここでのしきい値は、適宜設定することができるが、たとえば1回の判定の間におけるタイヤ剛性特性値変化量の数倍の値としたり、あるいはタイヤ剛性特性値の初期値Ksと上限基準値Kbまたは下限基準値Kaとの差の数%としたりすることができる。
こうして、タイヤ剛性特性値Kの急変の有無を判断した結果、急変があったと判断した場合には、変化幅ΔKの絶対値が異常判定値以上となっているか否かを判断する(S12)。タイヤ剛性特性値に急変が生じる場合としては、タイヤ交換した場合と、パンク等のタイヤ異常があった場合と考えられる。ここで、タイヤ交換した場合には、タイヤ剛性特性値には急変が生じるものの、変化幅ΔKはタイヤ異常が生じた場合よりも小さくなっている。
そこで、タイヤ異常が発生した場合のタイヤ異常判定値を設定しておき、変化幅ΔKがタイヤ異常判定値以上となっているか否かを判断する(S12)。その結果、タイヤ異常判定値以上となっていると判断した場合には、パンクなどのタイヤ異常が生じたものと考えられる。したがって、この場合には、タイヤ異常と判断し(S13)、タイヤ異常出力を行う(S14)。タイヤ異常出力処理では、ECU3が警報装置14を作動させ、ドライバにタイヤ異常を認知させるための出力をさせる。
一方、ステップS12で変化幅ΔKがタイヤ異常判定値未満であると判断した場合には、タイヤが交換されたと考えられる。したがって、この場合には、タイヤ交換判定を行う(S15)。その後は、車両の走行は可能であることから、ステップS1に戻り、初期設定処理を行った後、タイヤ状態判定を継続する。
このように、本実施形態に係るタイヤ異常判定では、タイヤの空気圧低下やタイヤ磨耗のほかに、タイヤのパンクなどの異常やタイヤ交換の有無を判定することもできる。
なお、本実施の形態では、前輪操舵タイプの車両でありタイヤの舵角関係値をハンドル角δとした場合の説明をしたが、各タイヤの舵角を独立して操舵可能な車両において各タイヤの舵角を検出する舵角センサを設け、この舵角センサの検出値(タイヤの舵角)をタイヤの舵角関係値とするような構成とすることもできる。この場合には、各タイヤに対して独立に操舵力を付加可能な電動モータを備え、ECU13が電動モータ8によって付加する操舵力とタイヤの舵角との相関関係からタイヤ剛性特性値を求め、このタイヤ剛性特性値の変化に基づいて各タイヤのタイヤ状態を判定するタイヤ状態判定装置1とすることもできる。このような構成とすれば、後輪アクティブステア車両においても前輪と後輪との両方のタイヤ状態の判定が可能となり、タイヤ交換がされたか否か等の判定精度も向上する。
また、本実施の形態では、タイヤ剛性特性値を求めてタイヤ空気圧低下状態やタイヤ磨耗状態を判定する構成としたが、付加トルクTに対するハンドル角δの相関関係や付加トルクTに対するハンドル角δの相関関係の変化によってタイヤ状態を判定する構成とすることもできる。つまりタイヤ剛性特性値の減少はハンドル角δや舵角の減少を意味し、逆にタイヤ剛性特性値の増加はハンドル角δや舵角の増加を意味するため、所定の付加トルクTに対応するハンドル角δや舵角の変化によってタイヤ状態を判定するようにしてもよい。
続いて、図5を参照してEPSシステムにて実行されるEPSアシスト量補正処理について説明する。図5はEPSアシスト量補正処理の動作手順を示すフローチャートである。
ドライバがエンジンを駆動すると、EPSアシスト量補正処理が開始される。まず、ECU13が電動モータ8に指令して電動モータ8を作動させ、減速機9を介して所定の付加トルクTをステアリングシャフト3に付加させる(S31)。このときの付加トルクTは、RAM22に記憶される。
次に、舵角センサ12がステアリングホイール2のハンドル角δを検出し(S32)、ハンドル角信号をECU13に出力する。ECU13では、ハンドル角δをRAM22に記憶する。
続いて、付加トルクTに対するハンドル角δと基準ハンドル角との差分を算出する(S33)。ここでの基準ハンドル角は、良好な状態のタイヤが装着されているときの付加トルクに対するハンドル角であり、図3に示す折れ線L1で示される付加トルクTに対するハンドル角δが基準ハンドル角となる。
こうして差分を求めたら、差分の絶対値を求め、差分の絶対値が所定のしきい値以下であるか否かを判断する(S34)。ここでのしきい値としては、タイヤ状態判定におけるタイヤ状態が適正範囲内にあるか否かで判断した下限基準値Kaまたは上限基準値Kbと、付加トルクTに対する基準ハンドル角から算出されるタイヤ剛性特性値との差を用いることができる。
その結果、差分の絶対値がしきい値以下であると判断した場合には、差分に応じたEPSアシスト量補正処理を行う(S35)。EPSシステムでは、ステアリングホイール2に付加される操舵トルク(ドライバがステアリングホイール2を操作することによって付加されるトルク)が一定であれば、一定の付加トルク(操舵補助力)がステアリング機構に付加され、タイヤに所定の舵角が生じる。しかし、タイヤ状態が変化(タイヤ空気圧低下や磨耗)すると、一定の舵角を生じさせるために必要となる付加トルクも変化する。そのため、本実施の形態では、タイヤ状態が変化しても一定の操舵トルクで一定の舵角を生じるように操舵トルクと付加トルク(操舵補助力)との対応関係を変更する補正処理を行う。
具体的には、前述の差分と付加トルクの補正量とを対応させたマップを記憶しておき、差分を算出した際には、その差分をマップに参照して補正量を読み出す。そして、読み出された補正量を反映させたデータに更新する処理を行ってEPSアシスト量補正処理を終了する。このようにステップ34では、付加トルクTとハンドル角との相関関係の変化(差分の発生)に対応して操舵トルクと付加トルク(操舵補助力)との対応関係を変更する。
一方、差分の絶対値がしきい値を超えると判断した場合には、タイヤ異常警報処理を行う(S36)。タイヤ異常警報処理として、ECU13の報知制御回路24と警報装置14とがタイヤ異常出力手段として作動し、ドライバにタイヤ異常を報知する出力を行う処理を行う。タイヤ異常の報知が終了するとEPSアシスト量補正処理が終了する。
以上、本実施の形態に係るEPSシステムによれば、車両停止状態で付加される付加トルクTとハンドル角δとの相関関係の変化に対応して操舵トルクと付加トルク(操舵補助力)との対応関係を変更でき、操作性の向上を図ることができる。特に一定の操舵トルクで一定の舵角が生じるように、操舵トルクと付加トルクとの対応関係を変更するようにすればドライバが運転中に抱く違和感を解消でき、好適である。
続いてビークルスタビリティコントロール(Vehicle Stability Control)、トラクションコントロール(Traction Control)、アクティブリアステア(Active Rear Steer)などの車両運動制御装置において、その車両運動制御装置で用いられるタイヤ特性パラメータを変更するタイヤ特性パラメータ変更処理について説明する。前述のECU13が、車両運動制御装置における運動制御アルゴリズムを記憶する記憶手段およびタイヤ特性パラメータ変更手段として機能する。
図6はタイヤ特性パラメータ変更処理の動作手順を示すフローチャートである。
ドライバがエンジンを駆動すると、タイヤ特性パラメータ変更処理が開始される。まず、ECU13が電動モータ8に指令して電動モータ8を作動させ、減速機9を介して所定の付加トルクTをステアリングシャフト3に付加させる(S41)。この場合に付加した付加トルクTはRAM22に記憶しておく。
次に、舵角センサ12がステアリングホイール2のハンドル角δを検出してハンドル角信号をECU13に出力する(S42)。ECU13では、ハンドル角δをRAM22に記憶する。
続いて、ECU13が上記の式(1)に基づいてタイヤ剛性特性値Kを演算する(S43)。ECU13は、算出したタイヤ剛性特性値KをRAM22に記憶する。
タイヤ剛性特性値Kを算出したら、このタイヤ剛性特性値Kに基づいて、タイヤの横力パラメータおよび前後力パラメータを推定する(S34)。タイヤ剛性特性値K(静的なねじり剛性値)と車両運動に影響するタイヤ横力パラメータ(たとえばコーナリングパワー)やタイヤ前後力パラメータ(たとえばドライビングスティッフネス)との間には一定の相関関係がある。図7にタイヤ剛性特性値K(=T/α)とドライビングスティッフネスおよびコーナリングパワーによって求められるタイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータとの関係を表すマップを示す。図7に示すマップを参照することにより、タイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータを推定することができる。
こうして、タイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータを推定したら、これらのタイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータを利用する運動制御アルゴリズムにそれぞれタイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータを出力する(S35)。こうして、タイヤ特性パラメータ変更処理を終了する。
このようにして、タイヤ剛性特性値の変化に応じたタイヤ横力およびタイヤ前後力を推定することによって、より正確な車両の各種の運動制御、たとえばVSC制御などを行うことができる。
本実施の形態に係る電動パワーステアリングシステムおよびタイヤ状態判定装置の概略構成を示す概念図である。 タイヤ状態判定装置の動作手順を示すフローチャートである。 駆動トルクと基準回転角との関係を示すグラフである。 タイヤ状態判定回数とタイヤ剛性特性値との対応関係を示すグラフである。 EPSアシスト量補正処理の動作手順を示すフローチャートである。 タイヤ特性パラメータ変更処理の動作手順を示すフローチャートである。 タイヤ剛性特性値Kとドライビングスティッフネスおよびコーナリングパワーによって求められるタイヤ横力パラメータおよびタイヤ前後力パラメータとの関係を表すマップである。
符号の説明
1…タイヤ状態判定装置、2…ステアリングホイール、3…ステアリングシャフト、4…ピニオンギア、5…ラック軸、6…タイロッド、7…車輪、8…電動モータ、9…減速機、11…トルクセンサ、12…舵角センサ、13…ECU、14…警報装置、A…電動パワーステアリングシステム。

Claims (7)

  1. 電動モータを駆動源とする操舵補助力をステアリング機構に付加する電動パワーステアリングシステムを備えた車両のタイヤ状態を判定するタイヤ状態判定装置であって、
    前記車両が停止した状態で付加される前記操舵力と前記操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係の変化に基づいてタイヤ状態を判定する判定手段を備えることを特徴とするタイヤ状態判定装置。
  2. 前記タイヤの舵角関係値は、前記タイヤの舵角または当該舵角に対応するハンドル部のハンドル角であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ状態判定装置。
  3. 前記タイヤ状態は、タイヤ空気圧低下状態とタイヤ磨耗状態とを含み、
    前記判定手段は、前記相関関係の変化に基づいて前記タイヤ空気圧低下状態とタイヤ磨耗状態との双方を判定することを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ状態判定装置。
  4. 前記判定手段は、前記相関関係から求められるタイヤ剛性特性値が変化して下限基準値以下となった場合に前記タイヤ状態がタイヤ空気圧低下状態と判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のタイヤ状態判定装置。
  5. 前記判定手段は、前記相関関係から求められるタイヤ剛性特性値が変化して上限基準値以上となった場合に前記タイヤ状態がタイヤ磨耗状態と判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のタイヤ状態判定装置。
  6. 前記判定手段による判定結果をドライバに報知する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載のタイヤ状態判定装置。
  7. 車両に装備され、ドライバによってハンドル部に付加される操舵トルクに対応する操舵力を電動モータによってステアリング機構に付加する電動パワーステアリングシステムであって、
    前記車両が停止した状態で付加される前記操舵力と前記操舵力に対応するタイヤの舵角関係値との相関関係が変化した場合に、前記変化に対応して前記操舵トルクと前記操舵力との対応関係を変更するアシスト量変更手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリングシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009276072A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Denso Corp 加速度センサの異常判定方法
KR101541739B1 (ko) 2015-03-18 2015-08-12 군산대학교산학협력단 타이어 마모 감지 장치 및 방법
KR101745093B1 (ko) 2015-05-29 2017-06-08 현대자동차주식회사 차량의 타이어 공기압 모니터링 장치 및 방법

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