JP2008247248A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Hideyuki Tanaka
英之 田中
Takanori Matsunaga
隆徳 松永
Kenji Nakajima
健治 中島
Toshihide Satake
敏英 佐竹
Kohei Mori
考平 森
Koji Fujioka
宏司 藤岡
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Abstract

【課題】雪道などの滑り易い路面で車両挙動が不安定となる状態やその予兆を、格別なセンサを追加せずに検出して、車両挙動検出に基づく車両安定化制御を可能にした車両用操舵装置を得る。
【解決手段】実路面反力トルク検出器15と、モータ角速度検出器13と、車速検出器11と、実路面反力トルク、モータ角速度および車速の各検出値から車両挙動の不安定状態を検出する車両挙動推定手段17とを備えている。車両挙動状態の推定結果Stability(s)に基づき、車両挙動を安定化するためのアシストトルクを付与して、車両挙動を安定化する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車などに搭載された電動パワーステアリング装置を含む車両用操舵装置に関し、特に車両挙動の不安定状態を推定する手段を備えた車両運動制御装置に適用可能な車両用操舵装置に関するものである。
一般的に、雪道などの滑りやすい路面を車両が走行する場合には、車両の運転者がハンドル操作を誤って車両挙動が不安定状態となる場合がある。したがって、このような車両挙動不安定状態を回避するために、車両挙動状態を検出して車両を安定化制御する車両用操舵装置が必要とされている。
そこで、従来から、車両に発生する実路面反力トルクを、電動パワーステアリング装置を介して検出するとともにし、運転者が操作するハンドル角を検出するハンドル角検出手段と、車速を検出する車速検出手段との各検出信号に基づいて、車両挙動状態を推定する車両用操舵装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1に記載の従来装置では、走行中の車両の不安定状態を判定するために、ハンドル角および車速の各検出値から規範路面反力トルクを求め、実路面反力トルクと規範路面反力トルクとの差分を用いて車両状態を検出しているので、たとえば、ハンドル角センサを備えていない車両においては、上記技術の適用が不可能な場合がある。
また、一般的に、車重などの関係から、車両挙動が不安定状態に陥り易いのは軽自動車であるが、軽自動車のコスト面に鑑みて、ハンドル角センサを備えた軽自動車は少ない。したがって、不安定状態回避システムを最も必要とする車両であるにもかかわらず、上記の安定化制御システムを搭載した軽自動車は少ない。
また、他の従来装置として、走行中の車両のタイヤが路面から受ける実路面反力トルクを検出する実路面反力トルク検出手段と、車両に発生するヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、車両に発生する横加速度を検出する横加速度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、各検出手段の検出値に基づき車両に発生する規範路面反力トルクを演算する規範路面反力トルク演算手段とを設け、実路面反力トルクの検出値と規範路面反力トルクの演算値との偏差により、タイヤのグリップ度を推定する車両用操舵装置も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
しかし、上記特許文献2に記載の従来装置においても、前述の特許文献1に記載の技術と同様に、車両状態の検出のために多くの検出手段(センサ類)を必要としており、車両挙動が不安定状態に陥り易い軽自動車や小型車(車重の軽い車両)に対しては、コスト面からセンサを追加することが困難である。
特開2003−341538号公報 特開2003−312465号公報
従来の車両挙動検出手段を備えた車両用操舵装置では、不安定状態を検出するために、ハンドル角センサなどの種々のセンサ類が用いられており、特に車両挙動が不安定状態に陥り易い車重の軽い車両(軽自動車や小型車など)に対しては、コスト面からセンサ類を追加することができないので、車両の挙動検出および車両の安定化制御を容易に実用化することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、新たなセンサ類を追加することなく、車両挙動が不安定状態に陥り易い車重の軽い車両(軽自動車や小型車など)でも、車両挙動が不安定状態となる予兆また不安定状態に陥ったことを検出することのできる車両用操舵装置を得ることを目的とする。
この発明による車両用操舵装置は、走行中の車両のタイヤが路面から受ける実路面反力トルクを検出する実路面反力トルク検出手段と、車両の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、実路面反力トルク、操舵角速度および車速の各検出値から、車両の挙動が不安定状態であることを検出する車両挙動推定手段とを備えたものである。
この発明によれば、新たなセンサ類を追加することなく、車両挙動が不安定状態となる予兆また不安定状態に陥ったことを検出することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、車両のステアリング機構(操舵機構)10は、運転者が操舵するハンドル1と、ステアリング軸2と、ステアリングギアボックス3と、ラック&ピニオン機構6と、タイヤ7とにより構成される。
車両用操舵装置は、ステアリング軸2に取り付けられたトルクセンサ4および電動アシストモータ(以下、単に「モータ」という)5と、モータ5を制御するECU(電子制御ユニット)からなる制御装置8と、トルクセンサ4およびモータ5と制御装置8とを接続するケーブルと、モータ5および制御装置8などに電源を供給する電源装置(図示せず)とにより構成される。
ステアリング軸2の上端に連結されたハンドル1には、運転者による操舵トルクThdlが加えられ、操舵トルクThdlは、ハンドル1からステアリング軸2に伝達される。
トルクセンサ4は、ステアリング軸2に結合され、操舵トルクThdlに応じた操舵トルク信号Thdl(s)(操舵トルクの検出値)を生成して制御装置8に入力する。
モータ5は、ステアリング軸2に減速ギア(図示せず)を介して結合され、操舵トルクThdlをアシストするためのアシストトルクTassistを発生して、ステアリング軸2に与える。ステアリングギアボックス3は、ステアリング軸2の下端に設けられている。
ステアリング軸2に与えられる操舵トルクThdlとアシストトルクTassistとを加え合わせた合成トルクは、ステアリングギアボックス3を介して数倍に増幅され、ラック&ピニオン機構6を介してタイヤ7を駆動操作する。
次に、この発明の実施の形態1による全体的な動作について説明する。
図1に示すように、制御装置8(マイクロコンピュータ)には、トルクセンサ4からの操舵トルク信号Thdl(s)と、モータ5からのモータ駆動電流信号Imtr(s)およびモータ駆動電圧信号Vmtr(s)(モータ駆動電流Imtrおよびモータ駆動電圧Vmtrの各検出値)が入力される。なお、制御装置8内の演算処理において、各検出値および各演算値は、制御装置8内のメモリに読み込まれて記憶される。
制御装置8は、ステアリング機構10に対して電気的に組み合わせられたEPS(Electric Power Steering)としての制御を行うために、モータ5に対して制御信号Imtr(t)(モータ5に対する駆動目標電流)を供給する。
車両の走行中の操舵時において、タイヤ7には、実路面反力トルクTalignが与えられる。
また、ステアリング軸2には、実路面反力トルクTalignに基づいて、ステアリング軸反力トルクTtran(ステアリング軸2に換算された実路面反力トルク)が作用する。
ステアリング機構10には、モータ5における摩擦トルクTmfricのみならず、モータ5の摩擦トルクTmfric以外の摩擦トルクTfrpが与えられる。
トルクセンサ4は、運転者がハンドル1を切ったときの操舵トルクThdlを、操舵トルク信号Thdl(s)として検出して制御装置8に入力する。
制御装置8は、操舵トルク信号Thdl(s)に応じて、モータ5に制御信号Imtr(t)を供給することにより、操舵トルクThdlを補助するためのアシストトルクTassistをモータ5から発生させることを主な機能とする。
このとき、制御装置8は、モータ駆動電流信号Imtr(s)と、モータ駆動電圧信号Vmtr(s)と、操舵トルク信号Thdl(s)とに基づいて、アシストトルクTassistを発生するための制御信号Imtr(t)を演算し、制御信号Imtr(t)をモータ5に供給する。
力学的には、操舵トルクThdlとアシストトルクTassistとの加算トルクが、ステアリング軸反力トルクTtranに抗して、ステアリング軸2を回転させる。また、ハンドル1を回転させるときには、モータ5の慣性項も作用するので、ステアリング軸反力トルクTtranは、以下の式(1)で与えられる。
Ttran=Thdl+Tassist−J・dω/dt ・・・(1)
ただし、式(1)において、J・dω/dtはモータ5の慣性トルクである。
また、モータ5によるアシストトルクTassistは、以下の式(2)で与えられる。
Tassist=Ggear・Kt・Imtr ・・・(2)
ただし、式(2)において、Ktはモータ5のトルク定数であり、Ggearは、モータ5とステアリング軸2との間のEPS減速ギア比である。
また、一般的に、式(2)と同様に、ハンドル1の操舵角速度Shdlと、モータ角速度Smtrとの間には、EPS減速ギア比Ggearを用いて、以下の式(2a)の比例関係が成り立つ。
Shdl=Ggear・Smtr ・・・(2a)
さらに、ステアリング軸反力トルクTtranは、実路面反力トルクTalignと、ステアリング機構10内の全摩擦トルクTfric(=Tmfric・Ggear+Tfrp)との和であり、モータ5の摩擦トルクTmfricと、モータ5の摩擦トルクTmfricを除いた他のステアリング機構10の摩擦トルクTfrpとを用いて、以下の式(3)で与えられる。
Ttran=Talign+Tfric
=Talign+(Ggear・Tmfric+Tfrp) ・・・(3)
制御装置8は、モータ5の駆動電流Imtrに対する目標値を演算し、制御信号Imtr(t)としてモータ5に入力するとともに、モータ5の実際の駆動電流Imtrが制御信号Imtr(t)と一致するように、電流フィードバック制御を行う。
これにより、モータ5は、駆動電流値にトルク定数およびギア比(モータ5とステアリング軸2との間のギア比)を乗算した所定トルクを発生し、運転者がハンドル1を操舵する際の操舵トルクThdlをアシストする。
また、制御装置8は、運転者が操舵時のアシストトルクを制御する機能のみならず、車両挙動を推定する機能(図2とともに後述する)を有し、電動パワーステアリング装置によりタイヤ7に発生する実路面反力トルクTalignと、運転者の操舵速度および車両の車速から車両挙動状態を推定し、車両挙動を安定化するためのアシストトルクTassistを付与することにより、車両挙動を安定化するようになっている。
ここでは、制御装置8が車両挙動推定手段の機能を含む場合を例にとって説明するが、制御装置8とは別途に、車両用挙動推定装置を設けてもよい。
図2は制御装置8の具体的構成例を示す機能ブロック図であり、便宜的に、制御装置8がモータ5内の制御回路を含むものとして示している。
図2において、制御装置8は、車速検出器11と、操舵トルク検出器12と、モータ角速度検出器13と、モータ角加速度検出器14と、実路面反力トルク検出器15とを備えている。
車速検出器11は、車速センサ(図示せず)からの車速Vを検出して、車速信号V(s)を出力する。
操舵トルク検出器12は、トルクセンサ4(図1参照)からの操舵トルクThdlを検出して、操舵トルク信号Thdl(s)を出力する。
モータ角速度検出器13は、モータ制御回路からのモータ角速度Smtrを検出して、モータ角速度信号Smtr(s)を出力する。
なお、前述の式(2a)のように、モータ角速度Smtrは、操舵角速度Shdlと比例関係にあるので、モータ角速度検出器13は、実質的に、車両の操舵角速度Shdlを検出する操舵角速度検出手段としても機能する。
モータ角加速度検出器14は、モータ角速度信号Smtr(s)を時間微分してモータ角加速度Amtrを検出し、モータ角加速度信号Amtr(s)を出力する。
実路面反力トルク検出器15は、走行中の車両のタイヤ7が路面から受ける実路面反力トルクTalignを検出して、実路面反力トルク信号Talign(s)を出力する。
また、制御装置8は、アシストトルク決定ブロック16と、車両挙動推定手段17と、アシストトルク補正手段22と、モータ電流決定器23と、モータ電流比較器24と、モータ駆動器25と、モータ電流検出器26とを備えている。
車両挙動推定手段17は、規範路面反力トルク変化率演算手段18と、時間微分演算手段19と、差分演算手段(比較演算手段)20と、車両挙動判定手段21とにより構成される。
アシストトルク決定ブロック16は、車速信号V(s)と、操舵トルク信号Thdl(s)と、モータ角速度信号Smtr(s)と、モータ角加速度信号Amtr(s)と、アシストトルク補正量信号Trq_comp(s)とに基づいてアシストトルクTassistを決定し、アシストトルク信号Tassist(s)を出力する。
モータ電流決定器23は、アシストトルク信号Tassist(s)に基づいてモータ電流目標値Irefを決定し、モータ電流目標値信号Iref(s)を出力する。
モータ電流検出器26は、モータ5に流れるモータ電流Imtrを検出して、モータ電流信号Imtr(s)を出力する。
モータ電流比較器24は、モータ電流目標値信号Iref(s)とモータ電流信号Imtr(s)とを比較して減算を行い、両者のモータ電流偏差(=Iref(s)−Imtr(s))をモータ駆動器25に入力する。モータ駆動器25は、モータ電流偏差に基づいて、モータ5に対する制御信号Imtr(t)を出力する。
なお、モータ駆動電圧Vmtrのフィードバック制御系については図示を省略するが、モータ駆動器25に関連して、モータ駆動電圧信号Vmtr(s)に関するフィードバック制御も行われる。
アシストトルク決定ブロック16およびモータ電流決定器23〜モータ電流検出器26を含むモータ5の制御系は、モータ5とともに電動パワーステアリング装置を構成している。電動パワーステアリング装置は、車両挙動推定手段17およびアシストトルク補正手段22と関連して、モータ5を制御する。
車両挙動推定手段17は、実路面反力トルク信号Talign(s)(実路面反力トルクTalignの検出値)と、モータ角速度信号Smtr(s)(操舵角速度Shdlに対応したモータ角速度Smtrの検出値)と、車速信号V(s)(車速Vの検出値)とから、車両の挙動が不安定状態であることを検出する。
車両挙動推定手段17内において、規範路面反力トルク変化率演算手段18は、車速信号V(s)と、モータ角速度信号Smtr(s)とに基づいて、規範路面反力トルク変化率dTalign_refを演算し、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)(規範路面反力トルク変化率の演算値)を出力する。
具体的には、規範路面反力トルク変化率演算手段18は、車速信号V(s)に基づき、車両に予め定められた操舵角(ハンドル角)に対する路面反力トルク勾配Kalignを演算する路面反力トルク勾配演算手段(図示せず)を含み、モータ角速度信号Smtr(s)および路面反力トルク勾配Kalign(演算値)から規範路面反力トルク変化率dTalign_refを演算する。
時間微分演算手段19は、実路面反力トルク信号Talign(s)を時間微分して実路面反力トルク変化率dTalign_actを演算し、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)(実路面反力トルク変化率信号の演算値)を出力する。
車両挙動推定手段17内において、差分演算手段20および車両挙動判定手段21は、車両挙動検出手段を構成しており、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)とに基づいて、車両の挙動が不安定状態であることを検出する。
すなわち、差分演算手段20は、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との差分を演算して、差分信号dTalign_comp(s)を出力する。
車両挙動判定手段21は、差分信号dTalign_comp(s)が許容基準値の範囲内であれば、車両が安定状態であることを判定し、また、差分信号dTalign_comp(s)が許容基準値を超えた場合には、車両が不安定状態であることを判定して、車両挙動推定手段17での推定結果として、車両挙動推定信号Stability(s)を出力する。
アシストトルク補正手段22は、車両挙動推定手段17の推定結果である車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、アシストトルク補正量Trq_compを演算し、アシストトルク補正量信号Trq_comp(s)をアシストトルク決定ブロック16に入力する。
これにより、車両の運転者の操舵トルクThdlをアシストする電動パワーステアリング装置(アシストトルク決定ブロック16を含む)は、車両挙動推定信号Stability(s)に応じて、操舵トルクのアシスト量を制御することになる。
次に、図1および図2を参照しながら、車両の不安定状態およびその予兆を検出するための動作について説明する。
車両走行時のタイヤ7にかかる実路面反力トルクTalignは、図2内の実路面反力トルク検出器15により検出されるが、前述の式(3)に基づき、以下の式(4)で求めることができる。
Talign=Ttran−Tfric ・・・(4)
上記式(4)に前述の式(1)および式(2)を代入して整理すると、実路面反力トルクTalignは、以下の式(5)のように表すことができる。
Talign=Thdl+Ggear・Kt・Imtr−J・dω/dt−Tfric ・・・(5)
しかし、一般的に、式(5)内の摩擦項(全摩擦トルクTfric)の影響を直接除去することは困難である。したがって、実路面反力トルク検出器15は、たとえば電動パワーステアリング装置の機能を用いた公知技術(たとえば、特開2003−312521号公報参照)により、実路面反力トルクTalignとして、ローパスフィルタによる推定手段などを用いて、推定路面反力トルクTalign_estを算出する。
なお、以降の実施の形態2〜6では、特に記載しない限り、上記公知技術による電動パワーステアリング装置の機能を用いて実路面反力トルクTalignを導出するものとする。
次に、図1および図2とともに、図3を参照しながら、差分演算手段20および車両挙動判定手段21による車両の不安定状態およびその予兆状態の検出アルゴリズムについて説明する。
図3は時系列状態量(安定状態、不安定予兆状態および不安定状態)を示す説明図であり、各状態量を、実路面反力トルク信号Talign_actを時間微分して得られる実路面反力トルク変化率dTalign_act(実線)と、規範路面反力トルク変化率dTalign_ref(1点鎖線)との各検出値の時間変化に関連付けて示している。
図3において、まず、時刻t1から時刻t2までの区間では、実路面反力トルク変化率信号dTalign_actと、規範路面反力トルク変化率dTalign_refとが一致しており、両者の差分dTalign_compは「0」となるので、車両挙動判定手段21は、車両の走行状態が「安定状態」であることを示す車両挙動推定信号Stability(s)を出力する。
次に、時刻t2から時刻t3までの区間では、実路面反力トルク変化率dTalign_actと規範路面反力トルク変化率dTalign_refとの差分dTalign_comp(>0)が若干発生するので、車両挙動判定手段21は、車両の走行状態が「不安定予兆状態」であることを示す車両挙動推定信号Stability(s)を出力する。
さらに、時刻t3から以降の区間では、実路面反力トルク変化率dTalign_actと規範路面反力トルク変化率dTalign_refとの差分dTalign_compが、許容基準値を超えて大きく発生するので、車両挙動判定手段21は、車両の走行状態が「不安定状態」であることを示す車両挙動推定信号Stability(s)を出力する。
これにより、アシストトルク補正手段22は、車両挙動推定手段17からの車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、電動パワーステアリング装置のアシストトルクTassistを補正するためのアシストトルク補正量信号Trq_comp(s)を出力する。
具体的には、電動パワーステアリング装置の制御器を構成するアシストトルク決定ブロック16内のハンドル戻し制御器(図示せず)において、アシストトルク補正量信号Trq_comp(s)に応じて、運転者のハンドル戻しトルク制御の補償量を変更する。これにより、運転者が車両を安定化するための動作を補助することが可能となる。
次に、図1〜図3とともに、図4のフローチャートを参照しながら、車両挙動推定手段17およびアシストトルク補正手段22を用いた電動パワーステアリング制御動作について説明する。
図4において、まず、制御装置8は、車速信号V(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)とモータ角速度信号Smtr(s)とを読み込み、自身のメモリ(図示せず)に記憶させる(ステップS101)。
続いて、規範路面反力トルク変化率演算手段18は、車速信号V(s)およびモータ角速度信号Smtr(s)から、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)を演算してメモリに記憶させる(ステップS102)。
また、時間微分演算手段19は、実路面反力トルク信号Talign_act(s)の時間微分値により、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)を演算してメモリに記憶させる(ステップS103)。
次に、差分演算手段20は、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との差分信号dTalign_comp(s)を演算して、メモリに記憶させる(ステップS104)。
続いて、車両挙動判定手段21は、差分信号dTalign_comp(s)に基づいて、図3のように車両挙動を判定し、車両挙動推定信号Stability(s)を出力する(ステップS105)。
最後に、アシストトルク補正手段22は、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、アシストトルク補正量Trq_comp(s)を演算し(ステップS106)、アシストトルク補正量Trq_comp(s)をアシストトルク決定ブロック16に入力して、図4の処理ルーチンを終了する。
なお、図2および図4においては、車両挙動の不安定状態を判定するための比較演算手段として、差分演算手段20を用い、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との差分信号dTalign_comp(s)を演算したが、両者の差分に限らず、比率を用いてもよい。
すなわち、差分演算手段20に代えて、比率演算手段(図示せず)を用い、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との比率に基づいて車両挙動を判定しても、同様の効果を奏することができる。
また、比較演算手段として、差分演算手段20と、比率演算手段とを用いて、差分信号および比率信号を組み合わせて車両挙動を判定してもよい。
また、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_refは、予め車両に対して定められた操舵角(ハンドル角)に対する路面反力トルク勾配Kalignを用いて、以下の式(6)のように表すことができる。
dTalign_ref=Kalign・ω ・・・(6)
なお、ハンドル角に対する路面反力トルク勾配Kalignは、車速Vに応じて変化するパラメータであり、マップデータとしてメモリに記憶しておいてもよく、車速Vに対する演算式により求めてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置は、ハンドル角センサなどの新たなセンサを追加することなく、従来の電動パワーステアリング制御装置の構成のみを適用して、車両挙動状態を推定するとともに、車両安定化制御に反映させることができる。
また、実路面反力トルク変化率dTalign_actと規範路面反力トルク変化率dTalign_refとの大きさの比較結果に応じて、車両の不安定度合いを示す車両挙動推定信号Stability(s)を演算することができるので、車両挙動推定信号Stability(s)を用いて、車両安定化制御を適切に行うことができる。
また、時間微分演算手段19を用いることにより、ハンドル角信号を用いた従来システムに比べて、早期に車両挙動を検出することができる。
また、運転者の操舵トルクThdlをアシストする電動パワーステアリング装置を備えた車両において、車両挙動推定手段17の出力に応じて、操舵トルクThdlのアシスト量を制御することができ、電動パワーステアリング装置の信頼性を向上させることができる。
なお、モータ角速度検出器13としては、ブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング制御装置においては、レゾルバなどのセンサを用いることができ、また、ブラシ付きモータを用いた電動パワーステアリング制御装置においても、モータ5の端子間電圧信号やモータ5に発生する電流などからモータ回転速度を演算する手段を用いることができる。
また、車両挙動推定手段17を図2のように構成したが、実路面反力トルクTalignが電気ノイズなどの影響で振動的な検出値を示す場合には、公知のローパスフィルタなどの特定周波数除去手段(図示せず)をさらに用いてもよい。これにより、高周波外乱特性を向上させることができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図2参照)では、車両挙動推定手段17において車両挙動の不安定状態を判定するために、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)と、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)との差分を演算したが、図5に示すように、実路面反力トルク信号Talign_act(s)と、規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)との差分を演算してもよい。
図5はこの発明の実施の形態2による車両挙動推定手段17Aの具体的構成例を示す機能ブロック図である。図5において、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、また、前述と対応する部分については、符号の後に「A」を付して詳述を省略する。なお、図示しない構成は、図1および図2に示した通りである。
車両挙動推定手段17Aは、前述と同様に、車速信号V(s)、モータ角速度信号Smtr(s)および実路面反力トルク信号Talign_act(s)を入力情報として、車両挙動推定信号Stability(s)を出力するが、前述の時間微分演算手段19に代えて、規範路面反力トルク変化率演算手段18と差分演算手段20Aとの間に挿入された時間積分演算手段29が設けられている。
時間積分演算手段29は、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)を時間積分することにより、規範路面反力トルクTalign_refを演算して、規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)(規範路面反力トルクの演算値)を出力する。
車両挙動検出手段を構成する差分演算手段20Aおよび車両挙動判定手段21Aは、実路面反力トルク信号Talign_act(s)および規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)に基づいて、車両の挙動が不安定状態であることを検出する。
なお、前述と同様に、差分演算手段20A(比較演算手段)は、実路面反力トルク信号Talign_act(s)と規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)との比率を演算する比率演算手段に置き換えることができる。
前述(図2参照)の時間微分演算手段19は、電気ノイズなどの外乱に対して影響を受け易いので、車両挙動検出手段において演算処理が困難な場合があるが、図5のように、時間積分演算手段29を用いることにより、電気ノイズ重畳などで外乱が発生する状況下でも正しく車両挙動を推定することができる。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態2による車両挙動推定手段17Aを用いた電動パワーステアリング制御動作について説明する。
図6において、ステップS101、S102、S106は、前述(図4参照)と同様の処理である。
まず、前述と同様のステップS101、S102において、車速信号V(s)、実路面反力トルク信号Talign_act(s)およびモータ角速度信号Smtr(s)を読み込み、規範路面反力トルク変化率演算手段18により、車速信号V(s)およびモータ角速度信号Smtr(s)から、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)を演算してメモリに記憶する。
続いて、時間積分演算手段29は、規範路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)の時間微分値により、実路面反力トルク信号Talign_act(s)を演算してメモリに記憶させる(ステップS103A)。
次に、差分演算手段20Aは、実路面反力トルク信号Talign_act(s)と、規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)との差分信号Talign_comp(s)を演算して、メモリに記憶させる(ステップS104A)。
続いて、車両挙動判定手段21Aは、差分信号Talign_comp(s)が許容基準値の範囲内か否かに基づいて、車両挙動が安定状態であるか否かを判定し、車両挙動推定信号Stability(s)を出力する(ステップS105A)。
最後に、アシストトルク補正手段22(図2参照)は、前述と同様に、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、アシストトルク補正量Trq_comp(s)を演算し(ステップS106)、図4の処理ルーチンを終了する。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、時間積分演算手段29を用いて規範路面反力トルクTalign_refを演算し、差分演算手段20Aで実路面反力トルク信号Talign_act(s)と規範路面反力トルク信号Talign_ref(s)との差分信号Talign_comp(s)を演算し、車両挙動判定手段21Aで車両挙動状態を判定することにより、電気的ノイズなどの環境下で微分演算が困難な場合でも、前述と同様の効果を奏することができる。
すなわち、実路面反力トルクTalign_actと規範路面反力トルクTalign_refとの大きさの比較結果に応じて、車両の不安定度合いを示す車両挙動推定信号Stability(s)を演算することができるので、車両挙動推定信号Stability(s)を用いて、車両安定化制御を適切に行うことができる。
また、時間積分演算手段29を用いることにより、外乱ノイズなどの影響によって、時間微分演算手段19を用いた実路面反力トルク変化率の演算が困難な場合でも、ロバスト(安定)な車両挙動検出が可能となる。
なお、差分演算手段20Aに代えて、比率演算手段を用いて、実路面反力トルク信号と規範路面反力トルク信号との比率を演算しても、同様の効果が得られる。
また、車両挙動推定手段17Aは、実路面反力トルク信号と規範路面反力トルク信号との差分信号のみに応じて車両挙動状態を判定したが、さらに正確に車両挙動を推定するために、前述(図2参照)と同様の時間微分演算手段19、差分演算手段20および車両挙動判定手段20を追加して、2つの比較結果に基づく車両挙動推定信号Stability(s)を組み合わせて、車両挙動を推定してもよい。
また、前述と同様に、運転者の操舵トルクThdlをアシストする電動パワーステアリング装置を備えた車両において、電動パワーステアリング装置は、車両挙動推定手段17Aの推定結果に応じて、操舵トルクThdlのアシスト量を制御することができるので、電動パワーステアリング装置の信頼性を向上させることができる。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、タイヤ7とハンドル1とが連結された電動パワーステアリング制御装置に適用したが、この発明の特徴は、車両挙動の不安定状態またはその予兆状態を検出して状態量を得ることにあるので、他の制御装置に適用してもよい。
たとえば、車両後輪の角度を制御するための後輪操舵制御装置を備えた車両においては、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両挙動が安定するように後輪操舵制御を行うにより、走行安定性を向上させることができる。
すなわち、この場合、図2の制御装置8は、車両の後輪タイヤ角を制御する後輪タイヤ角制御装置(図示せず)を備え、後輪タイヤ角制御装置は、車両挙動推定手段17の推定結果に応じて後輪タイヤ角を制御することができる。
これにより、後輪操舵制御アクチュエータを有する車両であれば、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両を安定化することができる。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、車両挙動推定信号Stability(s)を後輪タイヤ角制御装置に適用したが、たとえば4輪の制動力を制御することが可能なESC(Electronic Stability Control)システムを備えた車両においては、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて車両挙動の安定化制御を行い、走行安定性を向上させてもよい。
この場合、図2の制御装置8は、車両の制動力を制御する車両制動力制御装置(図示せず)を備え、車両制動力制御装置は、車両挙動推定手段17の推定結果に応じて、制動力を制御することができる。
これにより、車両の制動力を制御するアクチュエータを有する車両であれば、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて車両を安定化することができ、車両制動力制御装置の信頼性を向上させることができる。
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4では、車両挙動推定信号Stability(s)を車両制動力制御装置に適用したが、たとえば駆動力を制御することが可能なアクチュエータを備えた車両においては、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両挙動が安定するように制御を行うことにより、車両の走行安定性を向上させてもよい。
この場合、図2の制御装置8は、車両の駆動力を制御する車両駆動力制御装置(図示せず)を備え、車両駆動力制御装置は、車両挙動推定手段17の推定結果に応じて駆動力を制御することにより、車両駆動力の制御信頼性を向上させることができる。
これにより、車両の駆動力を制御するアクチュエータを有する車両であれば、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両を安定化することができる。
この発明の実施の形態5は、エンジン出力制御やオートマッチクトランスミッションのギア比変更制御において、または、モータで駆動される車両(電気自動車など)において、それぞれの前方方向の駆動力を変更可能な車両全般に対して適用可能となる。
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5では、車両挙動推定信号Stability(s)を車両駆動力制御装置に適用したが、近年では左右の駆動力配分を行うことにより車両の運動性能を上げるシステムも提案されており、左右の駆動力配分を制御することが可能なアクチュエータを備えた車両においては、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両挙動が安定するように制御を行うことにより、走行安定性が向上させてもよい。
この場合、図2の制御装置8は、車両の左右輪の駆動力を制御する左右輪駆動力制御装置(図示せず)を備え、左右輪駆動力制御装置は、車両挙動推定手段の推定結果に応じて、左右輪駆動力を制御することにより、左右輪駆動力制御装置の制御信頼性を向上させることができる。
これにより、車両の左右輪の駆動力を制御するアクチュエータを有する車両であれば、車両挙動推定信号Stability(s)に基づいて、車両を安定化することができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による制御装置の具体的構成例を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1による規範路面反力トルク変化率および実路面反力トルク変化率に基づく時系列状態量を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による電動パワーステアリング制御動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車両挙動推定手段の具体的構成例を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2による電動パワーステアリング制御動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハンドル、2 ステアリング軸、4 トルクセンサ、5 モータ、7 タイヤ、8 制御装置、10 ステアリング機構、11 車速検出器、12 操舵トルク検出器、13 モータ角速度検出器(操舵角速度検出手段)、14 モータ角加速度検出器、15 実路面反力トルク検出器、16 アシストトルク決定ブロック、17、17A 車両挙動推定手段、18 規範路面反力トルク変化率演算手段、19 時間微分演算手段、20、20A 差分演算手段(比較演算手段)、21、21A 車両挙動判定手段、22 アシストトルク補正手段、23 モータ電流決定器、25 モータ駆動器、26 モータ電流検出器、29 時間積分演算手段、dTalign_act(s) 実路面反力トルク変化率信号(実路面反力トルク変化率の演算値)、dTalign_ref(s) 規範路面反力トルク変化率信号(規範路面反力トルク変化率の演算値)、dTalign_comp(s)、Talign_comp(s) 差分信号、Smtr モータ角速度(操舵角速度)、Smtr(s) モータ角速度信号(操舵角速度の検出値)、Stability(s) 車両挙動推定信号(車両挙動推定手段の推定結果)、Talign 実路面反力トルク、Talign_act(s) 実路面反力トルク信号(実路面反力トルクの検出値)、V 車速、V(s) 車速信号(車速の検出値)。

Claims (10)

  1. 走行中の車両のタイヤが路面から受ける実路面反力トルクを検出する実路面反力トルク検出手段と、
    前記車両の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記実路面反力トルク、前記操舵角速度および前記車速の各検出値から、前記車両の挙動が不安定状態であることを検出する車両挙動推定手段と
    を備えたことを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記車両挙動推定手段は、
    前記実路面反力トルクの検出値を時間微分して実路面反力トルク変化率を演算する時間微分演算手段と、
    前記車速および前記操舵角速度の各検出値に基づいて規範路面反力トルク変化率を演算する規範路面反力トルク変化率演算手段と、
    前記実路面反力トルク変化率および前記規範路面反力トルク変化率の各演算値に基づいて、前記車両の挙動が不安定状態であることを検出する車両挙動検出手段とを備え、
    前記規範路面反力トルク変化率演算手段は、
    前記車速の検出値に基づき、前記車両に予め定められた操舵角に対する路面反力トルク勾配を演算する路面反力トルク勾配演算手段を含み、
    前記操舵角速度の検出値および前記路面反力トルク勾配の演算値から前記規範路面反力トルク変化率を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記車両挙動検出手段は、前記実路面反力トルク変化率と前記規範路面反力トルク変化率との差分または比率を演算する比較演算手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記車両挙動推定手段は、
    前記車速および前記操舵角速度の各検出値に基づいて規範路面反力トルク変化率を演算する規範路面反力トルク変化率演算手段と、
    前記規範路面反力トルク変化率の演算値を時間積分して規範路面反力トルクを演算する時間積分演算手段と、
    前記実路面反力トルクの検出値および前記規範路面反力トルクの演算値に基づいて、前記車両の挙動が不安定状態であることを検出する車両挙動検出手段とを備え、
    前記規範路面反力トルク変化率演算手段は、
    前記車速の検出値に基づき、前記車両に予め定められた操舵角に対する路面反力トルク勾配を演算する路面反力トルク勾配演算手段を含み、
    前記操舵角速度の検出値および前記路面反力トルク勾配の演算値から前記規範路面反力トルク変化率を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記車両挙動検出手段は、前記実路面反力トルクと前記規範路面反力トルクとの差分または比率を演算する比較演算手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の車両用操舵装置。
  6. 前記車両の運転者の操舵トルクをアシストする電動パワーステアリング装置を備え、
    前記電動パワーステアリング装置は、前記車両挙動推定手段の推定結果に応じて、前記操舵トルクのアシスト量を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  7. 前記車両の後輪タイヤ角を制御する後輪タイヤ角制御装置を備え、
    前記後輪タイヤ角制御装置は、前記車両挙動推定手段の推定結果に応じて、前記後輪タイヤ角を制御することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  8. 前記車両の制動力を制御する車両制動力制御装置を備え、
    前記車両制動力制御装置は、前記車両挙動推定手段の推定結果に応じて、前記制動力を制御することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  9. 前記車両の駆動力を制御する車両駆動力制御装置を備え、
    前記車両駆動力制御装置は、前記車両挙動推定手段の推定結果に応じて、前記駆動力を制御することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  10. 前記車両の左右輪の駆動力を制御する左右輪駆動力制御装置を備え、
    前記左右輪駆動力制御装置は、前記車両挙動推定手段の推定結果に応じて、前記左右輪駆動力を制御することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
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