JP5025686B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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この発明は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置に関するものである。
運転者が直進走行時に強い横風や轍、カントのような外乱を受けると、外乱トルクによりハンドル取られが発生し、運転者は直進走行を行うためにハンドル修正操舵を行う場合や、外乱により乱れた車両挙動を安定化するような操作を行うような場合がある。このような状況においての運転者の操舵負荷を低減するため、車両状態を検出し電動パワーステアリングの電動モータによって車両挙動を安定化させるように外乱補償トルクを付加する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ハンドル角と車速に基づいて求めた目標路面反力トルクと、車両の車輪に生じる実路面反力トルクとを比較し、両トルクの符号が異符号である場合に、両トルクの偏差や割合に応じて外乱トルクの大きさを推定している。
また、目標路面反力トルクと、実路面反力トルクとを比較したときの偏差や割合が大きくなった場合に、車両挙動が不安定状態またはその予兆であると判定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1や特許文献2では、ハンドル角に対する実路面反力トルクの周波数特性が考慮されていない。このため、ハンドル角に基づいて求められた目標路面反力トルクと実路面反力トルクとの位相にずれが生じる。この結果、外乱トルクが発生していない通常走行時において、外乱トルクが発生していると誤検出する場合や、車両挙動が不安定でない通常走行時において、車両挙動が不安定であると誤検出する場合がある。
上記のような誤検出をなくし検出精度を向上させるため、例えば、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの周波数特性を補正するためのフィルタを設け、フィルタの時定数を車速によって最適化し位相を補正する技術がある(例えば特許文献3)
特開2008−273226号公報(図2及びその説明) 特開2003−341538号公報(図1及びその説明) 特開2007−302047号公報(図2及びその説明)
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
目標路面反力トルクと路面反力トルクに基づいて強い横風や轍、カントのような外乱の発生や、車両挙動の不安定状態、タイヤのグリップ力の低下などの車両状態を検出する車両状態検出装置において、目標路面反力トルクと実路面反力トルクに位相ずれがある場合、両トルクの周波数変化に伴い二つの信号の差分量が変化し、誤検出を起こす可能性があった。
また、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相ずれは、車速だけでなく車両の搭乗者数や積載量の変化、タイヤ空気圧の変化、あるいは実路面反力トルクの計測若しくは推定に用いるセンサの経年変化等によるオフセットなどの原因でも生じる場合がある。
このような非定常的な原因で生ずる前記位相ずれに対し、フィルタの時定数を予め設定することは困難であり、フィルタによる補正では位相ずれを補正できないという課題がある。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置において、より精度の高い車両状態の推定を行うことで車両挙動制御が適正化されるようにすることを目的とする。
この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク及び前記目標路面反力トルクに基づいて車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
また、この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
また、この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク及び前記目標路面反力トルクに基づく前記車両状態検出信号が所定時間継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
また、この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク変化率及び前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
また、この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
また、この発明に係る車両挙動制御装置は、路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、
前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、前記検出された実路面反力トルク変化率と前記演算された目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる前記実路面反力トルク変化率前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク変化率及び前記目標路面反力トルク変化率に基づく前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる誤制御を適正化するものである。
この発明によれば、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相ずれ、または目標路面反力トルク変化率と実路面反力トルク変化率の位相ずれによる誤検出をなくし、より精度の高い車両状態の検出を実現することが可能となり、路面反力トルクに基づいて行われる車両挙動制御が適正化される。
この発明の実施の形態1を示す図で、車両挙動制御装置の一つである車両用操舵制御装置の全体構成を例示する図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、図1の制御ユニットの回路と、アシストモータの制御回路とを例示するブロック図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、図2のアシストトルク決定ブロックの内部機能を例示する図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、目標路面反力トルクに対する実路面反力トルクの周波数特性を例示する図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相ずれによる誤検出の例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、不感帯の設定により誤検出が改善された例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、外乱トルク検出確定手段により誤検出が改善された例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、不感帯及び外乱トルク検出確定手段を含めた一連の動作をフローチャートで例示する図である。 この発明の実施の形態2を示す図で、目標路面反力トルク変化率と実路面反力トルク変化率を用いて外乱トルク検出を行うための構成を例示するブロック図である。 この発明の実施の形態2を示す図で、不感帯及び外乱トルク検出確定手段を含めた一連の動作をフローチャートで例示する図である。
以下、車両挙動制御装置の一つとして、自動車等に搭載された電動パワーステアリング装置などの車両用操舵制御装置、特に、車両状態の推定を、より精度の高いものとするように構成された車両用操舵制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における車両用操舵制御装置の全体構成図である。車両用操舵制御装置は車両のステアリング機構(操舵機構とも言う)10に取り付けられる。ステアリング機構10は、ハンドル1と、ステアリング軸2と、ステアリングギアボックス3と、ラックアンドピニオン機構6、タイヤ7を含んでいる。
車両用操舵制御装置は、ステアリング軸2に取り付けたトルクセンサ4、ステアリング軸2に取り付けたアシストモータ5(以下単にモータともいう)、ハンドル1に取り付けたハンドル角センサ9、アシストモータ5を制御する制御ユニット8とこれらを接続するケーブルを含む。当然、電源装置も含むが自明なのでここでは説明を省略する。
図1において、ハンドル1は運転者が操舵する自動車のステアリングハンドルであり、ステアリング軸2の上端に連結されている。ハンドル1には運転者による操舵トルクThdlが加えられ、この操舵トルクThdlはステアリング軸2に伝達される。トルクセンサ4はステアリング軸2に結合され、操舵トルクThdlに応じた操舵トルク検出信号Thdl(s)を発生する。
アシストモータ5は電動モータであり、これもステアリング軸2に図示しない減速ギアを介して結合され、操舵トルクThdlをアシストするアシストトルクTassistをステアリング軸2に与える。
ステアリングギアボックス3はステアリング軸2の下端に設けられている。ステアリング軸2に与えられる操舵トルクThdlとアシストトルクTassistとを加え合わせた合成トルクが、ステアリングギアボックス3を通じて数倍にされ、ラックアンドピニオン機構6を通じて、タイヤ7を操作する。
ハンドル1に取り付けられているハンドル角センサ9は、運転者の操舵によるハンドル1の回転角度Thetaを検出し、ハンドル角度信号Theta(s)を出力する。
次に、本実施の形態1における車両用操舵制御装置の全体的な動作について説明する。
図1の車両用操舵制御装置は、ステアリング機構10に電気的に組み合わせたEPS(Electric Power Steering)用制御ユニット8を有する。この制御ユニット8には、トルクセンサ4からの操舵トルク検出信号Thdl(s)と、アシストモータ5からのモータ駆動電流検出信号Imtr(s)およびモータ駆動電圧検出信号Vmtr(s)とが入力される。この制御ユニット8は、アシストモータ5に対して、制御信号Imtr(t)を供給する。この制御信号Imtr(t)は、アシストモータ5に対する駆動目標電流である。
図1の車両用操舵制御装置は、運転者がハンドル1を切った時の操舵トルクThdlを、トルクセンサ4で操舵トルク検出信号Thdl(s)として検出し、その操舵トルク検出信号Thdl(s)に応じて、操舵トルクThdlを補助するアシストトルクTassistを発生させることを主な機能とする。
制御ユニット8は、アシストモータ5の駆動電流Imtrを検出した検出信号Imtr(s)と、アシストモータ5の駆動電圧Vmtrを検出した検出信号Vmtr(s)と、操舵トルク検出信号Thdl(s)とに基づき、アシストトルクTassistを発生するための制御信号Imtr(t)を演算する。さらに、制御ユニット8は、この制御信号Imtr(t)をアシストモータ5に供給する。
力学的には、操舵トルクThdlとアシストトルクTassistの和が、ステアリング軸反力トルクTtranに抗してステアリング軸2を回転させる。また、ハンドル1を回転させるときには、アシストモータ5の慣性項も作用するので、ステアリング軸反力トルクTtranは次式(1)で与えられる。
Ttran = Thdl + Tassist - J・dw/dt (1)
ただし、wはアシストモータ5の角速度であり、アシストモータ5の慣性トルクをJ・dw/dtとする。
またアシストモータ5によるアシストトルクTassistは、次式(2)で与えられる。
Tassist = Ggear・Kt・Imtr (2)
ただし、Ggearはアシストモータ5とステアリング軸2との間の減速ギアの減速ギア比であり、Ktはアシストモータ5のトルク定数である。
またステアリング軸反力トルクTtranは、実路面反力トルクTalignとステアリング機構10内の摩擦トルクTfricとの和であり、次式(3)で与えられる。
Ttran = Talign + Tfric
= Talign + (Ggear・Tmfric + Tfrp) (3)
ただし、Tmfricはアシストモータ5における摩擦トルク、Tfrpはこのアシストモータ5における摩擦トルクTmfricを除く、ステアリング機構10の摩擦トルクであり、Tmfric・Gger + Tfrp = Tfricである。
車両用操舵制御装置の制御ユニット8は、アシストモータ5の駆動電流Imtrに対する目標値を演算して制御信号Imtr(t)を発生する。この制御信号Imtr(t)に対して、アシストモータ5の実際の駆動電流Imtrが一致するように電流制御がなされる。この結果、アシストモータ5は駆動電流値にトルク定数とギア比(アシストモータ5−ステアリング軸2間)を乗じた所定のトルクを発生し、運転者が操舵するときの操舵トルクThdlをアシストする。
図2は、本発明の実施の形態1における図1の制御ユニット8の回路と、アシストモータ5の制御回路(図1では図示省略していたがアシストモータに内蔵されている)とを示すブロック図である。制御ユニット8は車速検出器11と、操舵トルク検出器12と、モータ角速度検出器13と、モータ角加速度検出器14と、ハンドル角検出器15と、実路面反力トルク検出器16と、目標路面反力トルク演算手段17と、アシストトルク決定ブロック18と、モータ電流決定器19と、モータ電流比較器20と、モータ駆動器21と、モータ電流検出器22と、不感帯a23と、不感帯b24と、外乱トルク検出手段25と、外乱トルク検出確定手段26を含んでいる。
本実施の形態では、車両用操舵制御装置にてハンドル取られが発生するような外乱トルクを検出する場合を具体例として説明する。よって、車両状態検出器を外乱トルク検出手段25、車両状態検出確定手段を外乱トルク検出確定手段26としている。
なお、車両状態検出器は外乱トルクの検出だけでなく、いわゆるアンダーステアやオーバーステア等のような車両挙動の不安定状態検出器やタイヤグリップ力低下の検出器とする構成でもよく、本発明は目標路面反力トルクと実路面反力トルクに基づいて車両状態を推定する全ての構成において適用可能である。
車速検出器11は車速Vを受けて車速信号V(s)を出力する。操舵トルク検出器12はトルクセンサ4を含み、操舵トルクThdlを受けて操舵トルク信号Thdl(s)を出力する。モータ角速度検出器13はアシストモータ5のモータ角速度Smtrを受けてモータ角速度信号Smtr(s)を出力する。
モータ角加速度検出器14は、モータ角速度信号Smtr(s)を微分して、モータ角加速度信号Amtr(s)を出力する。ハンドル角検出器15はハンドル角センサ9を含み、ハンドル角Thetaを受けてハンドル角信号Theta(s)を出力する。実路面反力トルク検出器16は実路面反力トルクTalignを受けて実路面反力トルク信号Talign_act(s)を出力する。
実路面反力トルク検出器16は、例えば、タイヤ7に設けられるロードセルなどの検出手段であり、実路面反力トルクTalignを受けて、それに比例する実路面反力トルク信号Talign_act(s)を出力する。
目標路面反力トルク演算手段17は、車速信号V(s)とハンドル角信号Theta(s)を受けて目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)を出力する。
目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)に不感帯a23、実路面反力トルク信号Talign_act(s)に不感帯b24を設け、外乱トルク検出手段25は、不感帯処理された目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)と実路面反力トルクTalign_act(s)に基づいて外乱トルク検出信号Tdist(s)を出力する。外乱トルク検出確定手段26は、外乱トルク検出手段25の出力である外乱トルク検出信号Tdist(s)を受け、外乱トルク検出信号Tdist (s)が所定時間継続した場合にTdist_fixed(s)を出力する。なお、本発明の特徴は、不感帯a23、不感帯b24、外乱トルク検出確定手段26にあるため、外乱トルク検出手段25と併せて、詳細に関しては後述する。
アシストトルク決定ブロック18は、車速信号V(s)と、操舵トルク信号Thdl(s)と、モータ速度信号Smtr(s)と、モータ加速度信号Amtr(s)と、外乱トルク検出確定信号Tdist_fixed(s)を受けて、アシストモータが発生するアシストトルクTassistに対応するアシストトルク信号Tassist(s)を発生する。モータ電流決定器19は、アシストトルク信号Tassist(s)を受けて、アシストトルクTassistを発生させるためのモータ駆動電流に対する電流目標値Iref(s)を出力する。
アシストモータ5を駆動するために、モータ電流比較器20と、モータ駆動器21と、モータ電流検出器22を含んでいる。モータ電流検出器22は、アシストモータ5の実際の駆動電流Imtrに相当するモータ駆動電流信号Imtr(s)を出力する。モータ電流比較器20は、電流目標値Iref(s)と、モータ駆動電流信号Imtr(s)を比較する。モータ駆動器21は、電流目標値Iref(s)と、駆動電流信号Imtr(s)との差を0とするように、アシストモータ5を駆動する。
図3は、本発明の実施の形態1における図2のアシストトルク決定ブロック18のブロック図である。アシストトルク決定ブロック18は、アシストマップ補償器30と慣性補償器31と粘性補償器32と外乱補償器33と加算器34とを含んでいる。
アシストマップ補償器30は車速信号V(s)と操舵トルク信号Thdl(s)を受けて、アシストマップ補償トルク信号map(s)を出力する。慣性補償器31は車速信号V(s)とモータ角加速度Amtr(s)を受けて、慣性補償トルク信号iner(s)を出力する。粘性補償器32は車速信号V(s)とモータ角速度信号Smtr(s)を受けて、粘性補償トルク信号damp(s)を出力する。外乱補償器33は、車速信号V(s)と外乱トルク検出確定信号Tdist_fixed(s)を受けて、外乱トルクによる影響を打ち消し操舵が安定するように外乱補償トルク信号dist(s)を出力する。
なお、本実施の形態1では、アシストトルク決定ブロック18においての補償器をアシストマップ補償器30、慣性補償器31、粘性補償器32、外乱補償器33に限定し、アシストトルク決定ブロック18への入力信号も限定したが、この他にも様々な入力信号と補償器を持っても良い。
次に本発明の特徴である不感帯a23、不感帯b24、外乱トルク検出確定手段26について、外乱トルク検出手段25と併せて説明する。
外乱トルク検出手段25は、特許文献1に示されるような公知の技術により外乱トルクの検出を行う。特許文献1では、目標路面反力トルクと実路面反力トルクに基づいて外乱トルクを検出している。特許文献1に示されるように、目標路面反力トルクと実路面反力トルクは通常走行領域においては一致する。しかし、外乱トルクが発生した場合には、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの符号が異符号となる特徴がある。よって、特許文献1では、外乱トルク検出手段は、実路面反力トルクと目標路面反力トルクを入力とし、両トルクが異符号である場合に両トルクの偏差や割合を演算することで外乱トルクを検出している。本実施の形態でも、外乱トルク検出手段25は同様の手法にて外乱トルクを検出するとして説明する。本発明の特徴は、外乱トルク検出手段25の入力信号に不感帯、出力信号に外乱トルク検出確定手段をそれぞれ設けることである。ここでは、不感帯及び外乱トルク検出確定手段を設けない特許文献1に示されるような構成を従来構成と呼ぶ。
目標路面反力トルクと実路面反力トルクは上述したように様々な原因により位相がずれることがある。例えば図4は、目標路面反力トルクに対する実路面反力トルクの周波数特性である。図4が示すように、タイヤ空気圧の変化によって周波数特性が変化することがわかる。図5に目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相がずれた場合において、従来構成におけるそれぞれのトルク値の時間波形と、外乱トルク検出信号を示す。外乱トルク検出信号は0が外乱トルク未検出時、1が外乱トルク検出時である。目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相がずれた場合は、目標路面反力トルクと実路面反力トルクが異符号となる区間が発生するため、図5に示すように外乱トルクの誤検出が発生する。
本発明では、このような誤検出を防ぐために、外乱トルク検出手段の入力信号である実路面反力トルクと目標路面反力トルクに不感帯を設けること、および外乱トルク検出手段の出力に外乱トルク検出確定手段を設ける。
まず、実路面反力トルクと目標路面反力トルクに不感帯を設ける理由と効果について詳細に説明する。図6は、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相がずれた場合の、従来構成と実路面反力トルクに不感帯を設けた構成とを比較した時間波形である。外乱トルク検出手段は両トルクが異符号であるときを外乱トルク発生であると判定するため、図6(1)(図では丸の中に1を表記してある)の従来構成では両トルクの符号が異符号になった場合に誤検出区間が発生する。一方、図6(2)(図では丸の中に2を表記してある)に示すように実路面反力トルクに不感帯を設ける構成とした場合は、実路面反力トルクが不感帯領域に入ると0となるため、目標路面反力トルクと異符号にはならず、誤検出区間がなくなることがわかる。このように、実路面反力トルク若しくは目標路面反力トルクの少なくとも一方に不感帯を設けることで誤検出を防ぐことができる。
次に、外乱トルク検出手段の出力後に外乱トルク検出確定手段を設ける理由と効果について詳細に説明する。図7は、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相がずれた場合の、従来構成と実路面反力トルクに不感帯を設けた構成、外乱トルク検出確定手段を設けた構成を比較した時間波形である。図7では、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの位相ずれは図6と同程度であるが、図6よりも両トルクの周波数が高周波の場合である。このとき、図6と同様に図7(1)(図では丸の中に1を表記してある)の従来構成では位相ずれのため外乱トルクの誤検出が発生している。また、実路面反力トルクに図6と同様の不感帯を設けた図7(2)(図では丸の中に2を表記してある)の構成においても誤検出区間が完全にはなくなっていないことがわかる。これは、両トルク信号の周波数が高周波であることから0Nmを通る際の傾きが大きく、両トルク信号の偏差が大きくなったためである。そこで、外乱トルク検出確定手段を外乱トルク検出手段の出力に設ける。図7(3)(図では丸の中に3を表記してある)は外乱トルク検出確定手段を設けた場合の時間波形である。外乱トルク検出確定手段は、外乱トルク検出信号が所定時間以上継続した場合のみ外乱トルク検出確定信号を出力する。図7(3)(図では丸の中に3を表記してある)では、外乱トルク検出信号が所定時間継続未満であるため、外乱トルク検出確定信号においては外乱トルクの誤検出は発生していない。
このように、高周波な信号において位相がずれている場合には、両信号が異符号になった場合の両信号の偏差が大きくなるため、不感帯により誤検出を防ぐためには不感帯領域を大きく設定する必要がある。しかし、不感帯領域を大きくしすぎることは本来の検出すべき外乱トルクの検出を妨げる恐れがある。一方、高周波な信号の場合には両信号が異符号になっている時間が低周波な信号に比べて短いことから、外乱トルク検出確定手段に設定される所定時間は短くても誤検出を防ぐことができる。
低周波な信号では、図6に示したように両トルク信号が0Nmを通る際の傾きが緩やかであるため、両トルク信号の偏差は小さいが、異符号になる時間が高周波の信号よりも長い。よって、外乱トルク検出確定手段のみで誤検出を防ぐためには、所定時間を長くしなければならないが、所定時間を長くしすぎることは本来の検出すべき外乱トルクの検出を妨げるおそれがある。一方、信号が低周波な場合においては、両トルク信号が異符号である期間の偏差が高周波な場合と比べて小さいため、比較的小さな不感帯の設定でも誤検出を防ぐことが可能である。このように、不感帯領域と外乱トルク検出確定手段の所定時間を適切に設定することにより、低周波と高周波の両方の入力信号に対して、誤検出を防ぐことが可能となる。
次に、外乱トルク検出手段25の前後に不感帯a23、不感帯b24、外乱トルク検出確定手段26を設定した場合の動作について、フローチャートを用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態1における不感帯a23、不感帯b24、外乱トルク検出手段25、外乱トルク検出確定手段26の一連動作のフローチャートであり、スタートとエンドの間にステップS701からS708を含んでいる。また、図2の各ブロックにステップS701からS708の対応するものを記載する。
まず、ステップS701では、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)をメモリに読み
込み、記憶する。
次に、ステップS702では、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)が予め設定された不感帯領域内であるかを判定する。
そして、S702にて、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)が不感帯領域内であると判定された場合には、ステップS703にて目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)を0にする。
また、ステップS704では、実路面反力トルク信号Talign_act(s)をメモリに読み込み、記憶する。
次に、ステップS705では、実路面反力トルク信号Talign_act(s)が予め設定された不感帯領域内であるかを判定する。
そして、S705にて、実路面反力トルク信号Talign_act(s)が不感帯領域内であると判定された場合には、ステップS706にて実路面反力トルク信号Talign_act(s)を0にする。
次に、ステップS707では、ステップS701〜S706にて不感帯処理された目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)に基づき、外乱トルク検出信号Tdist(s)を演算する。
最後に、ステップS708では、ステップS707にて演算された外乱トルク検出信号Tdist(s)が所定時間継続した場合に、外乱トルクが発生したとして、外乱トルク確定信号Tdist_fixed(s)を出力する。
このように、外乱トルク検出手段25の入力信号である目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)に不感帯a23、不感帯b24を設け、外乱トルク検出手段25の出力後に外乱トルク検出確定手段26を設けることにより、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)に位相ずれがある場合でも誤検出を防ぐことができ、より精度の高い外乱トルク検出が可能となる。その結果、外乱トルクによる操舵への影響を軽減するための外乱トルク抑制制御をより適切に行うことが可能である。
ここでは、目標路面反力トルク信号Talign_ref(s)と実路面反力トルク信号Talign_act(s)の両方に不感帯を設定するような構成としたが、どちらか一方だけの設定としてもよく、より簡易な構成とすることが可能となる。
また、不感帯と外乱トルク検出確定手段の両方を設定するような構成としたが、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの周波数を予め限定して利用する場合などは、不感帯と外乱トルク検出確定手段どちらか一方だけの設定としてもよく、より簡易な構成とすることが可能となる。
さらに、上述の例では、不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間は一定であったが、車速に応じて変更するようにしてもよい。例えば、車速が、推定路面反力トルクと実路面反力トルクの位相が最も一致する基準の車速から離れるほど、不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間を大きくするようにしてもよい。
具体的には、一例として例えば、車速に応じて予め設定されたマップによって変更することとしてもよい。この場合は、例えば、推定路面反力トルクと実路面反力トルクの位相が最も一致する基準の車速から離れるほど不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間を大きくするようにマップを設定すればよい。
これにより、車速に応じた、より精度の高い外乱トルクの検出が可能となる。
さらに、本実施の形態1において、実路面反力トルク検出器16は、タイヤ7に設けられるロードセルなどの検出器を取り付けることで、その状態量を測定し、実現可能と記載した。しかしながら、必ずしもこのような検出器を用いなくても良い。例えば、特開2003−312521号公報などで示されるとおり、車両用操舵制御装置の制御ユニット8を構成するマイクロコンピュータにて路面反力トルクを演算することでも、本発明は実現可能となる。これにより、ロードセルを省くなどより低コストでの実現が可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、先の実施の形態1の車両用操舵制御装置に対して、ハンドル角検出器15を不要にし、より簡易な構成で実現したものについて説明する。簡易構成を実現するために、本実施の形態2では、先の実施の形態1における目標路面反力トルク演算手段17の代わりに、目標路面反力トルク変化率演算手段81を備えている。図9は、本発明の実施の形態2において、目標路面反力トルク変化率変算手段81を用いて車両状態を検出するための構成を示した図である。実施の形態1と同様、車両状態として外乱トルクの検出を行うことを例として説明する。
モータ角速度からハンドル角速度を演算できるため、目標路面反力トルク変化率演算手段81は、モータ角速度を用いて目標路面反力トルク変化率を求めている。そして、本実施の形態2における車両用操舵装置では、目標路面反力トルク変化率演算手段81により求められた目標路面反力トルク変化率を用いて、外乱トルクを検出する。
先の実施の形態1では、実路面反力トルクと目標路面反力トルクに基づいて外乱トルクの検出を行っていた。これに対し、本実施の形態2では、目標路面反力トルク変化率と実路面反力トルク変化率に基づいて外乱トルクの検出を行っている。その他の基本構成は同等であり、先の実施の形態1に対する本実施の形態2の差異点について、詳細に説明する。
本実施の形態2における目標路面反力トルク変化率演算手段81は、車速信号V(s)とモータ角速度信号Smtr(s)を受ける。ここで、モータ角速度にアシストモータ5とステアリング軸2との間の減速ギア比を掛け合わせることでハンドル角速度を求めることができる。このため、目標路面反力トルク変化率演算手段81は、車速信号V(s)とモータ角速度信号Smtr(s)に基づいて目標路面反力トルク変化率dTalign_ref(s)を演算する。
実路面反力トルク変化率演算手段82は、実路面反力トルク信号Talign_act(s)を微分することによって実路面反力トルク変化率を演算し、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)を出力する。
実路面反力トルク変化率と目標路面反力トルク変化率には、先の実施の形態1の図4で説明したものと同様の周波数特性があり、実路面反力トルク変化率と目標路面反力トルク変化率の位相ずれによる誤検出の発生原理は、先の実施の形態1での説明と同様である。よって、実路面反力トルク変化率と目標路面反力トルク変化率に基づいて外乱トルクを検出する場合においても、不感帯と外乱トルク検出確定手段によって外乱トルクの誤検出を防ぐことができる原理は、先の実施の形態1での説明と同様である。
上記原理による外乱トルク検出について、図9に示す不感帯a23、不感帯b24、外乱トルク検出手段25、外乱トルク検出確定手段26の一連動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。図10はスタートとエンドの間にステップS901からS909を含んでいる。また、図9の各ブロックにステップS901からS909の対応するものを記載する。
まず、ステップS901では、目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)をメモリに読み込み、記憶する。
次に、ステップS902では、目標路面反力トルク信号dTalign_ref(s)が予め設定された不感帯領域内であるかを判定する。
そして、S902にて、目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)が不感帯領域内であると判定された場合には、ステップS903にて目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)を0にする。
また、ステップS904では、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)をメモリに読み込み、記憶する。
次に、ステップS905では、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)が予め設定された不感帯領域内であるかを判定する。
そして、S905にて、実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)が不感帯領域内であると判定された場合には、ステップS906にて実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)を0にする。
次に、ステップS907では、ステップS901〜S906にて不感帯処理された目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)と実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)に基づき、外乱トルク検出信号Tdist(s)を演算する。
最後に、ステップS908では、ステップS907にて演算された外乱トルク検出信号Tdist(s)が予め設定された所定時間継続した場合に、外乱トルクが発生したとして、外乱トルク確定信号Tdist_fixed(s)を出力する。
ここでは、目標路面反力トルク変化率信号dTalign_ref(s)と実路面反力トルク変化率信号dTalign_act(s)の両方に不感帯を設定するような構成としたが、どちらか一方だけの設定としてもよく、より簡易な構成とすることが可能となる。
また、不感帯と外乱トルク検出確定手段の両方を設定するような構成としたが、目標路面反力トルクと実路面反力トルクの周波数を予め限定して利用する場合などは、不感帯と外乱トルク検出確定手段どちらか一方だけの設定としてもよく、より簡易な構成とすることが可能となる。
さらに、上述の例では、不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間は一定であったが、車速に応じて変更するようにしてもよい。例えば、車速が、推定路面反力トルクと実路面反力トルクの位相が最も一致する基準の車速から離れるほど、不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間を大きくするようにしてもよい。
具体的には、一例として例えば、車速に応じて予め設定されたマップによって変更することとしてもよい。この場合は、例えば、推定路面反力トルクと実路面反力トルクの位相が最も一致する基準の車速から離れるほど不感帯a23、不感帯b24の不感帯領域や外乱トルク検出確定手段26の所定時間を大きくするようにマップを設定すればよい。
これにより、車速に応じた、より精度の高い外乱トルクの検出が可能となる。
以上のように、実施の形態2によれば、目標路面反力トルク変化率と実路面反力トルク変化率を用いて外乱トルクを検出する構成とすることにより、ハンドル角信号が不要となり、より簡易な構成の車両用操舵制御装置を実現した上で、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。更に、変化率を用いることで、より早期に外乱トルクの検出が可能になり、早期にアシストトルクの補正が可能となる。
なお、本願発明における上述の実施の形態1、2では、ステアリング系にて車両状態を検出し、車両を安定化させるように制御する構成としていた。しかし、例えば、4輪の制動力を制御することが可能な、いわゆるESC(Electronic Stability Control)システムを備えた車両においては、ステアリング系にて検出された車両状態に基づいて、車両挙動が安定するように制御を行う構成としてもよい。すなわち、車両挙動を制御するアクチュエータを有する車両であれば、目標路面反力トルク若しくは実路面反力トルク、または目標路面反力トルク変化率若しくは実路面反力トルク変化率に基づいて検出した車両状態を用いることでより正確に車両を安定化することが可能となる。
なお、図1乃至図10において、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
前述のように、この発明の実施の形態1乃至実施の形態3は、以下のような技術的特徴を有している。
特徴点1.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、及び前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器を備え、前記検出された実路面反力トルク及び前記演算された目標路面反力トルクの少なくとも一つに対する所定の不感帯を有しこの所定の不感帯に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点2.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点3.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角を検出する角度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記検出された実路面反力トルク及び前記演算された目標路面反力トルクの少なくとも一つに対する所定の不感帯を有しこの所定の不感帯及び前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点4.特徴点1又は特徴点3に記載の車両挙動制御装置において、前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域が補正されることを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点5.特徴点2又は特徴点3に記載の車両挙動制御装置において、前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間が補正されることを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点6.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、及び前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器を備え、前記検出された実路面反力トルク変化率及び前記演算された目標路面反力トルク変化率の少なくとも一つに対する所定の不感帯を有しこの所定の不感帯に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点7.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点8.路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の車輪に生じる実路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、前記検出された実路面反力トルク変化率と前記演算された目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、前記検出された実路面反力トルク及び前記演算された目標路面反力トルクの少なくとも一つに対する所定の不感帯を有しこの所定の不感帯及び前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化することを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点9.特徴点6又は特徴点8に記載の車両挙動制御装置において、前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域が補正されることを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点10.特徴点7又は特徴点8に記載の車両挙動制御装置において、前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間が補正されることを特徴とする車両挙動制御装置。
特徴点11.車両のハンドル角を検出する角度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段と、前記路面反力トルクと前記目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出器への入力に際し、前記路面反力トルクと前記目標路面反力トルクの少なくとも一つに不感帯を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点12.車両のハンドル角を検出する角度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段と、前記路面反力トルクと前記目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出信号が予め設定した所定時間を継続したときに車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点13.車両のハンドル角を検出する角度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段と、前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段と、前記路面反力トルクと前記目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出器への入力に際し、前記路面反力トルクと前記目標路面反力トルクの少なくとも一つに不感帯を有するとともに、前記車両状態検出信号が予め設定した所定時間を継続したときに車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点14.前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域を補正することを特徴とする特徴点11若しくは特徴点13に記載の車両用操舵制御装置。
特徴点15.前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間を補正することを特徴とする特徴点12または特徴点13に記載の車両用操舵制御装置。
特徴点16.車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段と、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段と、前記路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出器への入力に際し、前記路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率の少なくとも一つに不感帯を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点17.車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段と、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段と、前記路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出信号が予め設定した所定時間を継続したときに車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点18.車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段と、前記車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車両の車輪に生じる路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段と、前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段と、前記路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を出力する車両状態検出器を備え、前記車両状態検出器への入力に際し、前記路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率の少なくとも一つに不感帯を有するとともに、前記車両状態検出信号が予め設定した所定時間を継続したときに車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を有することを特徴とする車両用操舵制御装置。
特徴点19.前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域を補正することを特徴とする特徴点16若しくは特徴点18に記載の車両用操舵制御装置。
特徴点20.前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間を補正することを特徴とする特徴点7または特徴点8に記載の車両用操舵制御装置。
1 ハンドル、 2 ステアリング軸、
3 ステアリングギアBOX、 4 トルクセンサ、
5 モータ、 6 ラックアンドピニオン軸、
7 タイヤ、 8 制御装置、
9 ハンドル角センサ(ハンドル角検出手段)、
10 ステアリング機構、
11 車速検出器(車速検出手段)、 12 …操舵トルク検出器、
13 モータ角速度検出器、 14 モータ角加速度検出器、
15 ハンドル角検出器(ハンドル角検出手段)、
16 実路面反力トルク検出器(路面反力トルク検出手段)、
17 目標路面反力トルク演算手段、
18 アシストトルク決定ブロック(車両状態検出器)、
19 モータ電流決定器、 20 モータ電流比較器、
21 モータ駆動器、 22 モータ電流検出器、
23 不感帯a、 24 不感帯b、
25 外乱トルク検出手段、
26 外乱トルク検出確定手段(車両状態検出確定手段)。

Claims (10)

  1. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、
    前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、
    前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク及び前記目標路面反力トルクに基づいて車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、
    前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、
    前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  3. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、
    前記ハンドル角と前記車速に基づいて目標路面反力トルクを演算する目標路面反力トルク演算手段、
    前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクに基づいて車両
    状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク及び前記目標路面反力トルクに基づく前記車両状態検出信号が所定時間継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルクと前記目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  4. 請求項1又は請求項3に記載の車両挙動制御装置において、
    前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域が補正される
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の車両挙動制御装置において、
    前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間が補正される
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  6. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、
    前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、
    前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク変化率及び前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  7. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルクの変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、
    前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルクの変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、
    前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記検出された実路面反力トルクと前記演算された目標路面反力トルクとの位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  8. 路面反力トルクに基づいて車両挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
    車両のハンドル角速度を検出する角速度検出手段、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段、
    前記車両の車輪に生じる実路面反力トルク変化率を検出する路面反力トルク変化率検出手段、
    前記ハンドル角速度と前記車速に基づいて目標路面反力トルク変化率を演算する目標路面反力トルク変化率演算手段、
    前記検出された実路面反力トルク変化率と前記演算された目標路面反力トルク変化率に基づいて車両状態を検出し車両状態検出信号を前記車両挙動を制御するための出力とする車両状態検出器、及び
    前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる前記
    実路面反力トルク変化率前記目標路面反力トルクとの異符号状態に対応する不感帯を少なくとも一方が経た前記実路面反力トルク変化率及び前記目標路面反力トルク変化率に基づく前記車両状態検出信号が所定時間を継続すると車両状態検出を確定する車両状態検出確定手段を備え、
    前記車両状態検出確定手段により確定された車両状態検出信号に基づき前記実路面反力トルク変化率と前記目標路面反力トルク変化率との位相ずれによる誤制御を適正化する
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  9. 請求項6又は請求項8に記載の車両挙動制御装置において、
    前記不感帯は、前記車速によって不感帯領域が補正される
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
  10. 請求項7又は請求項8に記載の車両挙動制御装置において、
    前記車両状態検出確定手段は、前記車速によって前記所定時間が補正される
    ことを特徴とする車両挙動制御装置。
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