JP3697722B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両制動時に車輪に対する制動力を制御し車輪のロックを防止するアンチスキッド制御装置に関し、特に駆動輪に対する制動力を適切に制御するアンチスキッド制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
車両の急制動時に車輪がロックしないように、各車輪のホイールシリンダに対するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは圧力保持することにより制動力を制御するアンチスキッド制御装置が普及している。このアンチスキッド制御装置としては車両の各車輪の車輪速度を検出し、検出結果に応じて各車輪のホイールシリンダに対する減圧、増圧もしくは保持の何れかの制御モードを決定し、この制御モードに応じてブレーキ液圧を制御し、最大摩擦係数が得られるように制動力を制御する装置が知られている。
【0003】
また、特開昭63−222962号公報には、アンチスキッド制御あるいはトラクション制御を行なう際に、制御が振動状態に陥ってスリップを適正量に保ち得なくなることを防止するため、スリップ検出手段からの出力信号がブレーキ液圧を増圧すべきことを示す値に達した際と減圧すべきことを示す値に達した際とのうち少くとも一方において、ブレーキ液圧制御手段の増圧制御開始または減圧制御開始を1制御サイクル中に少くとも1回、一定時間遅延させる遅延手段を設けた装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的な乗用車両の車輪は前後各二輪であり、前輪駆動車又は後輪駆動車では、前輪又は後輪の何れかが内燃機関に連結され直接駆動される駆動輪となっており、他方が内燃機関に連結されない従動輪となっている。そして、前後輪の全てが駆動輪の車両が四輪駆動車(4WD)と称呼される。何れにおいても、連結する駆動輪間の回転数の差を吸収し円滑な転がり走行ができるように差動装置(ディファレンシャルギヤ)が設けられている。即ち、差動装置によって両駆動輪に等しいトルクが伝達されるように制御される。
【0005】
また、駆動輪の一方のみがスリップするような場合の不具合を防止すべく、差動装置内に摩擦トルクを発生する機構や機械的なクラッチ機構を設け、差動作用の制限と駆動力の増大を図った差動制限装置(LSD)も採用されている。四輪駆動車においては前方の車輪と後方の車輪も差動装置(所謂センタディファレンシャル)等を介して連結されており、更に差動制限装置、ビスカスカップリング等を具備したものも普及している。このような差動制限装置装着車や四輪駆動車においては、アンチスキッド制御が開始し一方側の駆動輪に大きなスリップが生じたときには、トルク干渉により駆動輪間で交互に大きなスリップが生じ、振動を惹起することがあり、制動作動時のフィーリングが損なわれる。特に、路面反力の小さい低摩擦係数路面ではシャフトのねじれ振動が発生し易い。また、ホイールシリンダ液圧の減圧制御後に行なうパルス増圧制御において、車輪速度の回復時のピーク近傍で大きく増圧されることによって振動が助長される。
【0006】
図7は、従来の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置における車両制動時の制御状態を示すもので、前方の駆動輪(以下、前輪という)の車輪速度Vwfと後方の駆動輪(以下、後輪という)の車輪速度Vwrの変化と、両車輪のホイールシリンダ液圧Pwf,Pwrの変化を示している。先ず、前輪にスリップが生じ制御が開始してホイールシリンダ液圧Pwfが減圧されたとき、後輪には差動装置を介して大きな駆動トルクが伝達されるのでスリップが抑制され、後輪のホイールシリンダ液圧Pwrは増加を続ける。t1時点において前輪のホイールシリンダ液圧Pwfが減圧され、車輪速度Vwfが回復することによって差動装置が作用したとき、後輪のホイールシリンダ液圧Pwrが高いので、後輪の車輪速度Vwrは急激に大きなスリップを生じt2時点で減圧作動を開始することになる。そして、後輪の車輪速度Vwrが回復し始めると、差動装置の作用により前輪の車輪速度Vwfが低下し、ホイールシリンダ液圧Pwfが減圧作動を開始する。而して、前後の車輪に対し交互に大きなスリップが生じ、車輪速度Vwf,Vwrは図7に示すように振動することとなる。
【0007】
上記のようにして発生する振動を防止する手段としては、例えば電磁クラッチ機構を付設し、アンチスキッド制御開始時にニュートラルにする手段があるが、別途電磁クラッチ機構等を必要としコストアップとなる。また、上記特開昭63−222962号公報に記載の装置は差動制限装置装着車や四輪駆動車に対しては十分に機能を発揮し得ない。
【0008】
そこで、本発明は、全ての車輪が駆動輪の車両において、トルク干渉に伴う振動を惹起することなく適切にスリップを防止し得るアンチスキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のアンチスキッド制御装置は図1に構成の概要を示したように、差動装置DFを介して連結する動輪FW,RWを含む全ての車輪の各々に装着し制動力を付与するホイールシリンダWf,Wr等と、これらホイールシリンダWf,Wr等にブレーキ液圧を供給する液圧発生装置PGと、この液圧発生装置PGとホイールシリンダWf,Wr等との間に介装しホイールシリンダWf,Wr等のブレーキ液圧を制御する液圧制御装置FVと、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段Sf,Sr等と、車輪速度検出手段Sf,Sr等の出力信号に応じて各車輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段SLと、スリップ検出手段SLの検出結果に基づき少くとも減圧モード、保持モード及びパルス増圧モードの何れかの制御モードを設定し、この制御モードに応じて液圧制御装置FVを駆動して制動力を制御する制動力制御手段BCを備えたアンチスキッド制御装置において、制御対象(例えば駆動輪FW)以外の全ての他の駆動輪に対し、前記制御モードのうち何れが設定されているかを判定する制御モード判定手段CMと、全ての他の駆動輪に対し減圧モードが設定されなくなるまで、制御対象の駆動輪FWに対するパルス増圧モードの制御開始を遅延する増圧遅延手段PDとを備えることとしたものである。尚、パルス増圧モードとは、ホイールシリンダ液圧に対し増圧と保持を繰り返し、増圧時間を適宜変化させる制御モードを言い、増圧時間制御モードあるいはステップ増圧モードとも呼ばれる。
【0011】
【作用】
上記の構成になるアンチスキッド制御装置において、液圧発生装置PGを駆動すると液圧制御装置FVを介してホイールシリンダWf,Wr等の各々にブレーキ液圧が供給され、差動装置DFを介して連結された駆動輪FW,RWを含む全ての車輪の各々に対し制動力が付与される。一方、車輪速度検出手段Sf,Srによって駆動輪FW,RWを含む車輪の回転速度即ち車輪速度が検出され、これらの車輪速度に応じてスリップ検出手段SLによって各車輪のスリップ状態が検出される。そして、スリップ検出手段SLの検出結果に基づき少くとも減圧モード、保持モード及びパルス増圧モードの何れかの制御モードが設定され、この制御モードに応じて制動力制御手段BCにより液圧制御装置FVが駆動され、ホイールシリンダWf,Wr等へのブレーキ液圧が制御される。
【0013】
そして、制御対象の駆動輪以外の全ての他の駆動輪に関し、制御モード判定手段CMによって制御モードが判定されると共に、全ての他の駆動輪に対し減圧モードが設定されなくなるまで、増圧遅延手段PDによって制御対象の駆動輪に対するパルス増圧モードの制御開始が遅延される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図2は本発明の一実施例のアンチスキッド制御装置を示すもので、マスタシリンダ2a及びブースタ2bから成り、ブレーキペダル3によって駆動される液圧発生装置2と、車輪FR,FL,RR,RLに配設されたホイールシリンダ51乃至54の各々とが接続される液圧路に、ポンプ21,22、リザーバ23,24及び電磁弁31乃至38が介装されている。尚、車輪FRは運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪を示しており、本実施例では差動制限装置を備えたセンタディファレンシャル(図示せず)で連結され、全輪が駆動輪となる四輪駆動車が構成されている。ブレーキシステムについては、図2に明らかなように所謂ダイアゴナル配管が構成されている。
【0015】
液圧発生装置2とホイールシリンダ51乃至54との間には本発明にいう液圧制御装置たるアクチュエータ30が介装されている。このアクチュエータ30は、マスタシリンダ2aの一方の出力ポートとホイールシリンダ51,54の各々を接続する液圧路に夫々電磁弁31,32及び電磁弁33,34が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間にポンプ21が介装されて成る。同様に、マスタシリンダ2aの他方の出力ポートとホイールシリンダ52,53の各々を接続する液圧路に夫々電磁弁35,36及び電磁弁37,38が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間にポンプ22が介装されている。ポンプ21,22は電動モータ20によって駆動され、これらの液圧路に所定の圧力に昇圧されたブレーキ液が供給される。従って、これらの液圧路が常開の電磁弁31,33,35,37に対するブレーキ液圧の供給側となっている。
【0016】
常閉の電磁弁32,34の排出側液圧路はリザーバ23を介してポンプ21に接続され、同じく常閉の電磁弁36,38の排出側液圧路はリザーバ24を介してポンプ22に接続されている。リザーバ23,24は夫々ピストンとスプリングを備えており、電磁弁32,34,36,38から排出側液圧路を介して還流されるブレーキ液を収容し、ポンプ21,22作動時にこれらに対しブレーキ液を供給するものである。
【0017】
電磁弁31乃至38は2ポート2位置電磁切替弁であり、夫々ソレノイドコイル非通電時には図2に示す第1位置にあって、各ホイールシリンダ51乃至54は液圧発生装置2及びポンプ21あるいは22と連通している。ソレノイドコイル通電時には第2位置となり、各ホイールシリンダ51乃至54は液圧発生装置2及びポンプ21,22とは遮断され、リザーバ23あるいは24と連通する。尚、図2中のチェックバルブはホイールシリンダ51乃至54及びリザーバ23,24側から液圧発生装置2側への還流を許容し、逆方向の流れを遮断するものである。
【0018】
而して、これらの電磁弁31乃至38のソレノイドコイルに対する通電、非通電を制御することによりホイールシリンダ51乃至54内のブレーキ液圧を増圧、減圧、又は保持することができる。即ち、電磁弁31乃至38のソレノイドコイル非通電時にはホイールシリンダ51乃至54に液圧発生装置2及びポンプ21あるいは22からブレーキ液圧が供給されて増圧し、通電時にはリザーバ23あるいは24側に連通し減圧する。また、電磁弁31,33,35,37のソレノイドコイルに通電しその余の電磁弁のソレノイドコイルを非通電とすれば、ホイールシリンダ51乃至54内のブレーキ液圧が保持される。従って、通電、非通電の時間間隔を調整することにより所謂パルス増圧(ステップ増圧)又はパルス減圧を行ない、緩やかに増圧又は減圧するように制御することができる。
【0019】
上記電磁弁31乃至38は電子制御装置10に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通電、非通電が制御される。電動モータ20も電子制御装置10に接続され、これにより駆動制御される。また、車輪FR,FL,RR,RLには夫々本発明にいう車輪速度検出手段たる車輪速度センサ41乃至44が配設され、これらが電子制御装置10に接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置10に入力されるように構成されている。車輪速度センサ41乃至44としては、例えば各車輪の回転に伴って回転する歯付ロータと、このロータの歯部に対向して設けられたピックアップから成る周知の電磁誘導方式のセンサであり、各車輪の回転速度に比例した周波数の電圧を出力するものが用いられるが、他の方式のものでもよい。更に、ブレーキペダル3が踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチ45が電子制御装置10に接続されている。
【0020】
電子制御装置10は、図3に示すように、バスを介して相互に接続されたCPU14、ROM15、RAM16、タイマ17、入力ポート12及び出力ポート13から成るマイクロコンピュータ11を備えており、後述する増圧タイミングカウンタが構成され、増圧遅延フラグ等が格納されている。上記車輪速度センサ41乃至44及びブレーキスイッチ45の出力信号は増幅回路18a乃至18eを介して夫々入力ポート12からCPU14に入力されるように構成されている。また、出力ポート13からは駆動回路19aを介して電動モータ20に制御信号が出力されると共に、駆動回路19b乃至19iを介して夫々電磁弁31乃至38に制御信号が出力されるように構成されている。マイクロコンピュータ11においては、ROM15は図4及び図5に示した各フローチャートに対応したプログラムを記憶し、CPU14は図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、RAM16は当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶する。
【0021】
上記のように構成された本実施例においては、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると図4及び図5のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始する。プログラムの実行が開始すると、まず図4のステップ101にてマイクロコンピュータ11が初期化され、各種の演算値、後述する推定車体速度Vso、各車輪の車輪速度Vw及び車輪加速度DVw等がクリアされる。そして、ステップ102において車輪速度センサ41乃至44の出力信号から各車輪の車輪速度Vwが演算され、ステップ103に進みこれらの値から車輪加速度DVwが演算される。次に、ステップ104にて、先ず各車輪についてアンチスキッド制御中(図4においてはABS制御中として表す)か否かが判定され、制御中であればステップ106に進み、そうでなければステップ105にて各車輪に関しアンチスキッド制御開始条件が成立したか否かが判定され、開始と判定されればステップ106に進む。アンチスキッド制御開始条件を充足していなければそのままステップ115にジャンプする。
【0022】
ステップ106においては、例えば推定車体速度Vsoの変化率に基づき走行路面の摩擦係数が求められ、路面状態が推定される。続いてステップ107に進み、上記車輪速度Vw、車輪加速度DVw及び後述の推定車体速度Vsoに基づいて判定される車輪のスリップ状態、並びに上記ステップ106の推定結果である路面状態に応じて減圧、保持及びパルス増圧の何れかの制御モードに設定される。
【0023】
そして、ステップ108にて制御モードが減圧モードか否かが判定され、減圧モードであればステップ109に進み減圧信号が出力され、そうでなければステップ110に進みパルス増圧モードか否かが判定される。パルス増圧モードでなければステップ113に進み保持信号が出力され、パルス増圧モードと判定されるとステップ111に進み、増圧遅延制御が行なわれる。この増圧遅延制御については図5を参照して後述するが、増圧遅延フラグFDがセット(1)もしくはリセット(0)される。而して、ステップ112において増圧遅延フラグFDの状態が判定され、セットされておればステップ113に進み保持信号が出力され、ホイールシリンダ液圧が保持される。増圧遅延フラグFDがセットされていなければステップ114に進み、増圧と保持を交互に繰り返すパルス増圧信号が出力され、ホイールシリンダ51乃至54の何れかが徐々に増圧される。
【0024】
上記制御モードの設定及び増減圧信号の出力は各車輪のホイールシリンダについて同様に行なわれ、ステップ115にて四つの車輪FR,FL,RR,RLの全てに関し処理が行なわれたか否かが判定され、四輪全てについて処理が完了するまで上記ルーチンが繰り返される。これが完了するとステップ116にて推定車体速度Vsoが演算されステップ102に戻る。尚、推定車体速度Vsoは、例えば制動時の車輪速度を基準に所定の減速度で減速したと仮定したときの値を車体速度として演算し、四つの車輪の内一つでもこの値を超えたときにはその値から再度所定の減速度で減速したときの値を車体速度として演算することができる。
【0025】
図5は増圧遅延制御の処理を示すもので、先ずステップ201において通常の増圧タイミングか否かが判定され、そうでなければステップ202にて増圧タイミングカウンタ(カウント値をCtとする)がクリアされた後、増圧遅延フラグFDがリセット(0)される。通常の増圧タイミングであれば、ステップ204に進み増圧タイミングカウンタがカウントアップされる。そして、ステップ205において、カウント値Ctに対応する時間TCtが振動周期Tbの1/2に達したか否かが判定され、Tb/2以上であればステップ206に進み、何れか一の車輪が減圧モードであるか否かが判定される。尚、振動周期Tbは車両毎に異なり、実験結果に基づいて設定されるが、例えば120msに設定される。従って、Tb/2として60msが設定され、5msの制御サイクルの場合で増圧タイミングカウンタのカウント値Ctが12となったときにステップ206に進むことになる。
【0026】
而して、ステップ205にて時間TCtが振動周期Tbの1/2以上と判定され、且つ何れの車輪も減圧モードでなければステップ203にて増圧遅延フラグFDがリセットされるが、少くとも一つの車輪が減圧モードであるとき、及びステップ205にて時間TCtが振動周期Tbの1/2未満と判定されたときにはステップ207にて増圧遅延フラグFDがセット(1)される。即ち、各車輪間でトルク干渉がなくなるとき、換言すれば全車輪の車輪速度が回復したときに、増圧遅延フラグFDがリセットされ、一つの車輪でも減圧状態にあって車輪速度が落ち込んでいるときにはトルク干渉のおそれがあるとして、増圧遅延フラグFDがセットされる。尚、増圧遅延フラグFDがセットされれば、図4のフローチャートのステップ113にてホイールシリンダ液圧の保持信号が出力され、増圧遅延フラグFDがセットされていなければ図4のステップ114にてパルス増圧信号が遅延されることなく出力される。
【0027】
上記の増圧遅延制御における作動を図6を参照して説明する。図6において、前輪の例えば車輪FRに関しアンチスキッド制御が開始し、t1時点にて前輪側のホイールシリンダ液圧Pwfが減圧される。その後、t2時点で車輪FRと差動制限装置を介して連結された後輪の例えば車輪RRに関しアンチスキッド制御に移行し減圧モードとなる。そして、従来技術では前輪側のホイールシリンダ液圧Pwfはt3時点でパルス増圧に転ずることになるのに対し、本実施例では後輪側のホイールシリンダ液圧Pwrが減圧モードから脱していないと判定されると、パルス増圧モードへの移行が遅延され、t4時点ではじめてパルス増圧モードとなる。而して、車輪FR,RRの車輪速度Vwf,Vwrは図6に示すように相互に干渉することなく適切に制御され、上側の破線で示す実車体速度に漸近する。
【0028】
以上のように、本実施例によれば図7の従来技術の場合と対比すれば明らかなように,アンチスキッド制御時に車輪FR,RRに対し従来技術のような大きなスリップが交互に発生するといったことはなく、図6に示すようにトルク干渉による振動の発生が防止され、安定した制動作動が確保される
【0029】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。
即ち、本発明のアンチスキッド制御装置によれば、制御対象の駆動輪以外の全ての他の駆動輪に関し、制御モード判定手段によって制御モードが判定されると共に、全ての他の駆動輪に対し減圧モードが設定されなくなるまで、増圧遅延手段によって制御対象の駆動輪に対するパルス増圧モードの制御開始が遅延されるように構成されているので、たとえ差動制限装置を具備していても、全車輪についてトルク干渉による振動の発生を防止することができ、安定した制動作動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明のアンチスキッド制御装置の実施例の全体構成図である。
【図3】図2の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例の制動力制御のための処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例の制動力制御における増圧遅延制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例における車輪速度及びホイールシリンダ液圧の制御状況を示すグラフである。
【図7】従来の四輪駆動車のアンチスキッド制御装置における車輪速度及びホイールシリンダ液圧の制御状況を示すグラフである。
【符号の説明】
2 液圧発生装置
2a マスタシリンダ
2b ブースタ
3 ブレーキペダル
10 電子制御装置
20 電動モータ
21,22 ポンプ
23,24 リザーバ
31〜38 電磁弁(液圧制御装置)
41〜44 車輪速度センサ(車輪速度検出手段)
51〜54 ホイールシリンダ
FR,FL,RR,RL 車輪

Claims (1)

  1. 差動装置を介して連結する駆動輪から成る全ての車輪の各々に装着し制動力を付与するホイールシリンダと、該ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する液圧発生装置と、該液圧発生装置と前記ホイールシリンダとの間に介装し前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御する液圧制御装置と、前記車輪の各々の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段の出力信号に応じて前記車輪の各々のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と、該スリップ検出手段の検出結果に基づき少くとも減圧モード、保持モード及びパルス増圧モードの何れかの制御モードを設定し、該制御モードに応じて前記液圧制御装置を駆動して制動力を制御する制動力制御手段を備えたアンチスキッド制御装置において、制御対象以外の全ての他の駆動輪に対し、前記制御モードのうち何れが設定されているかを判定する制御モード判定手段と、前記全ての他の駆動輪に対し減圧モードが設定されなくなるまで、前記制御対象の駆動輪に対するパルス増圧モードの制御開始を遅延する増圧遅延手段とを備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
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