JP2641460B2 - 車輪スリップ制御装置 - Google Patents

車輪スリップ制御装置

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JP2641460B2 JP22549787A JP22549787A JP2641460B2 JP 2641460 B2 JP2641460 B2 JP 2641460B2 JP 22549787 A JP22549787 A JP 22549787A JP 22549787 A JP22549787 A JP 22549787A JP 2641460 B2 JP2641460 B2 JP 2641460B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は車両のスリップ制御装置に関し、特に制動液
圧の制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、急ブレーキ時に車輪がロックすることによる車
体の横滑りを、主に制動手段の制動油圧の調整により防
止する装置、いわゆるアンチスキッド装置が知られてい
る。
制動を効率的に行わせるには、制動油圧は、路面状態
によって変化する車輪のロック限界直前の油圧まで上昇
させておき、かつその状態を長期間保持することが望ま
れる。
しかし、ロック限界の油圧は路面状態によって変化す
るため不明であり、油圧の上昇時間を最初から余りに長
くすると、油圧が上がり過ぎて車輪がロックしまうとい
った事態を招いた。このため、油圧を一度に上昇させる
ことが出来ず、車輪のスリップ状態を観測しながら徐々
に油圧を上昇しており、効率的な制動制御とはいいがた
かった。
従来、この点を考慮したものとして特開昭60−47751
号に提案されているロック防止装置がある。第14図に示
す様に、該装置は、今回の制御サイクルにて油圧を上昇
するに際し、油圧の上昇時間taを、先行する制御サイク
ルにおける油圧の圧力上昇回数(n=4)に定数関数f
に応じて、ta=f(n)より設定するように構成されて
いいる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、今回の油圧減少分P2、及び前回の油圧減少分
P1が考慮されていないため、次のような問題点が残され
ていた。即ち、車両の種類毎にブレーキ応答性能に差が
ある場合、例えば、油圧減少に対する制動力解除の応答
性が良好で、車輪のスリップが急速に収まるものと、そ
の応答性が多少劣るもので、車輪スリップが徐々に収ま
るものとは、当然に今回の油圧減少分P2,P3が異なる。
また、駆動輪の場合は、変速機のギアポジションによ
り、そのイナーシャ(慣性力)が異なるため、車輪のス
リップの収まり具合も異なり、例えばニュートラルギア
位置では、急速にスリップが収まるのに対して、低速ギ
ア位置ではエンジンブレーキが作用するため、スリップ
が徐々に収まる。このため、種々の車両に従来装置を適
用すると、車両の諸元に基づくブレーキ応答性等を考慮
して、適切かつ正確な関数f(n)を求める必要があっ
た。
また、この関数f(n)が適切でない場合には、次の
問題点もある。例えば、第14図のP2の様に今回の油圧減
少分が少ない時には、その後の今回増圧時間taがロック
限界油圧よりも過剰となり、逆にP3の様に今回減少分が
大きいときには、今回増圧時間taがロック限界油圧に対
して不十分となる傾向がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解消すること、即ち
車両のブレーキ応答性能に差がある場合であっても、容
易に適用可能で、かつ減圧後に車輪のロック限界圧が付
近まで速やかに初回増圧することが可能な車輪スリップ
制御装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明は、第1図に示すように車輪スリップを
抑制する車輪スリップ制御装置において、 前記制御サイクルのうちで、あらかじめ設定された条
件を満足する制御サイクルを学習制御サイクルと判定す
る学習条件判定手段M1と、 前記学習制御サイクル状態下において前記制動圧調整
手段が実行する前記制動液圧の減圧の大きさに対応する
学習減圧値を求める学習減圧値検出手段M2と、 前記学習制御サイクル状態下において前記制動圧調整
手段が実行する前記制動液圧の増圧の大きさに対応する
学習増圧値を求める学習増圧値検出手段M3と、 前記学習制御サイクル後の前記制御サイクルにおいて
前記制動圧調整手段が実行する前記制動液圧の減圧の大
きさに対応する今回減圧値を求める今回減圧値検出手段
M4と、 前記今回減圧値の求められた制御サイクルの初回の目
標増圧値を、次の関数: (前記学習増圧値/前記学習減圧値)*前記今回減圧値 に基づいて求め、目標増圧指令信号として当該目標増圧
値を出力する目標増圧指令値演算手段M5とを前記制御手
段M0に設けたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明は、第1図に示す構成を備えることにより、車
輪速度検出手段M6からの回転速度に基づく車輪のスリッ
プ状態に応じて、前記制御手段M0が制動液圧を減・増圧
傾向にする指令信号を出力する。前記制動圧調整手段M7
がこの指令信号に応じて、ロック限界圧力に相当する制
動圧から一旦減圧し、再びロック限界圧力に相当する制
動圧まで増圧するという制御サイクルを複数回繰り返し
て制動液圧を調整する基本的な車輪スリップ制御が行わ
れる。
更に、学習条件判定手段M1が、例えば学習値が存在す
るか否か等の判定に基づき、学習値がない場合等には、
その制御サイクルを学習制御サイクルと判定する。この
学習制御サイクル状況下で、学習減圧・増圧値検出手段
M2・M3が、それぞれ減・増圧された大きさに対応する学
習減圧・増圧値を求める。その後の制御サイクルで、今
回減圧値検出手段M4が、そのサイクルで減圧された大き
さに対応する今回減圧値を求める。そして、目標増圧指
令値演算手段M5が、前記今回減圧値の求められた制御サ
イクルでの初回の目標増圧値を、前述した関数に基づい
て求める。この値が目標増圧指令信号として、前記制御
手段M0から制動圧調整手段に出力され、制動圧が適切に
調整される。
すなわち、路面状態に対応した学習減圧・増圧値を求
め、この値及び、その後の制御サイクルでの今回減圧値
に基づいて、車輪ロックが生じない圧力で、かつ最も高
い圧力(ロック限界圧力)を予想することができる。こ
れは、次のことより理解される。車輪スリップ制御が開
始されると、ロック限界圧力に相当する制動圧から一旦
減圧され、再びロック限界圧力に相当する制動圧まで増
圧されるという制御サイクルが繰り返される。このと
き、先行する学習制御サイクルと今回の制御サイクルと
は、時間的に近接しているため、その間の路面状態、つ
まりロック限界圧力の変化は小さく、その圧力はほぼ等
しい場合が確立的に高い。よって、学習制御サイクルで
の学習減圧・増圧値の比と、今回制御サイクルでの減・
増圧値の比が対応している。つまり、次の関係がある。
学習減圧値:学習増圧値=今回減圧値:目標増圧値 上式より、上述した関数が導出され、初回の目標増圧
値が精度良く演算されることになる。
したがって、学習制御サイクルの後には、予想される
ロック限界圧力に基づいて求められた初回の目標増圧値
まで、急速に制動圧を増圧することができる。よって、
制動距離をより短くする効率の良い制動を実行すること
ができる。
尚、学習制御サイクルの後、その路面状態が変化した
場合には、学習減圧・増圧値をクリアし、新たに学習す
ることにより、より実用的な制動を実行することができ
る。また、前記学習減圧値及び学習増圧値が求められて
いない、制御開始からの第1の制御サイクルでは、目標
増圧値を以上のように求めることができない。しかし、
この場合には、先行する制動液圧の減圧状態もしくは車
輪加速度、あるいはその双方に対応するように算出され
た増圧値を用いて初回の増圧を実行するようにしてもよ
い。
次に、本発明の実施例を説明する。本発明はこれらに
限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲の種
々の態様のものが含まれる。
〔実施例〕
第2図に本発明の一実施例のスリップ制御装置の構成
を示す。本実施例は前輪操舵・後輪駆動の四輪車に本発
明を適用した例である。
右前輪1、左前輪3、右後輪5及び左後輪7のそれぞ
れに電磁ピックアップ式又は光電変換式の回転速度セン
サ9,11,13,15が配置され、各車輪1,3,5,7の回転に応じ
てパルス信号を出力している。更に各車輪1,3,5,7には
各々油圧ブレーキ装置17,19,21,23が配設され、ブレー
キペダル25または調圧制御用アクチュエータ27,29,31,3
3により油圧が各油圧管路35,37,39,41を介して、各油圧
ブレーキ装置17,19,21,23に送られる、または調圧され
る。このため、アクチュエータ27,29,31,33でも、ブレ
ーキペダル25でも車輪1,3,5,7に対する制動力が調節で
きる。ブレーキペダル25の踏み込み状態は、ストップス
イッチ43によって検出され、制動時はオン信号が出力さ
れ、非制動時にはオフ信号が出力される。
通常時、ブレーキペダル25の踏み込みにより、油圧シ
リンダ45に油圧が発生し、各車輪1,3,5,7を制動するこ
とができるが、別にスリップ制御用の油圧源として、エ
ンジンの駆動又は電動モータの駆動によって油圧を発生
する油圧ポンプ47も設けられている。電子制御回路49が
これら各アクチュエータ27,29,31,33を制御することに
より、油圧シリンダ45又は油圧ポンプ47からの油圧を調
節して油圧ブレーキ装置17,19,21,23に送るので、各車
輪1,3,5,7毎に制動力が調整できる。後輪5,7の油圧ブレ
ーキ装置21,23を、一つのアクチュエータにて油圧調節
してもよい。その場合、油圧アクチュエータは3個でよ
いことになる。
メインリレー51は電子制御回路49の出力に応じて、ア
クチュエータ27,29,31,33の電磁ソレノイドと電力供給
源との間の接続をスイッチングするものである。又、イ
ンジケータランプ53は、車輪回転速度センサ9,11,13,15
の断線、各アクチュエータ27,29,31,33の電磁ソレノイ
ドの断線あるいはストップスイッチ43の断線など、スリ
ップ制御装置に故障が発生した場合に電子制御回路49の
出力にて運転者にシステムに異常が発生した旨を通知す
る。
上記電子制御回路49には、イグニッションスイッチ50
がオンされることにより電力を供給され、車速センサ9,
11,13,15,及びストップスイッチ43からの信号を受け、
スリップ制御のための演算処理などを行い、上述のごと
くのアクチュエータ27,29,31,33,メインリレー51及びイ
ンジケータランプ53を制御をする出力を発生するもので
ある。
上記各アクチュエータ27,29,31,33は第3図に図示す
るごとく、それぞれ、油圧シリンダ45又は油圧ポンプ47
からの油圧のいずれかを選択し、所定圧に調整するレギ
ュレータ部55と、ブレーキ油圧の増圧、減圧又は保持モ
ードを切り替えるための増減保持制御用の電磁ソレノイ
ドを含む制御弁部57とが備えられており、各アクチュエ
ータ27,29,31,33から出力された油圧は各油圧管路35,3
7,39,41を介して各油圧ブレーキ装置17,19,21,23内のブ
レーキホイールシリンダに伝達され、各車輪1,3,5,7に
油圧に応じた制動をかける。また上記制御弁部57の増減
保持制御用電磁ソレノイドは例えば通電時に油圧を増減
又はその電流レベルにより保持するようにされている。
油圧の高さは、増圧のための各油圧ブレーキ装置17,19,
21,23への油圧供給時間(増圧時間)、または減圧のた
めの油圧開放時間(減圧時間)の長さによって調節さ
れ、増圧時間が長い程、油圧が高くなり、減圧時間が長
くなる程、油圧は低くなる。
上記電子制御回路49は第4図に示すごとき回路構成で
ある。ここで、波形整形増幅回路60,62,64,66は各車速
センサ9,11,13,15の信号をマイクロコンピュータ68によ
る処理に適した形のパルス信号とし、バッファ回路70は
ストップスイッチ43からの信号を一時的に保持し、電源
回路72はイグニッションスイッチ50のオン時にマイクロ
コンピュータ68などに定電圧を供給し、マイクロコンピ
ュータ68はCPU76、ROM78,RAM80,I/O回路82等を備えるこ
とにより、入力したデータに基づき各駆動回路に制御信
号を出力している。
駆動回路84,86,88,90,92,94はそれぞれマイクロコン
ピュータ68からの制御信号に応じた出力をするものであ
り、これらの内、アクチュエータ駆動回路84,86,88,90
は各アクチュエータ27,29,31,33の電磁ソレノイドを駆
動し、メインリレー駆動回路92は常開接点96を持つメイ
ンリレー51のコイル98に通電し常開接点96をオンさせ
る。インジケータランプ駆動回路94はインジケータラン
プ53を点灯させる。
次にこのように構成されたアンチスキッド制御装置の
処理および動作を説明する。
イグニッションスイッチ50がオンされると、電源回路
72による定電圧がマイクロコンピュータ68などに印加さ
れ、マイクロコンピュータ68のCPU76はROM78に予め記憶
されたプログラムに従って演算処理を実行開始する。
第5図は、この演算処理のベース処理の主たるものを
表した概略フローチャートであり、この処理において
は、まず処理開始時のみステップ100にて後続の処理の
ための初期化処理、例えば後述する各種カウンタのクリ
アなどを行う。その後においては、ステップ150の判断
結果に応じて、ステップ110からステップ150、あるいは
ステップ110からステップ170までの一連の処理がイグニ
ッションスイッチ50がオフされるまで繰り返し実行され
る。
これら一連の処理において、ステップ110では、制御
許可判定処理を実行する。即ち、ドライバーがブレーキ
を踏み、後述するアンチスキッド制御処理を行ってもよ
いかの判定処理、またはステップ140でシステムに異常
がある場合のアンチスキッド制御処理を禁止し、通常ブ
レーキに戻すかどうかの判断処理等を行う。
次にステップ120では、推定車体速度算出処理が実行
される。この処理の概要を述べると、推定車体速度デー
タを作成するに当たっての4つの車輪速度のうち最大値
を選択し、この最大車輪速度と、前回推定車体速度算出
処理によって得られた前回の推定車体速度に、実際の車
体走行状態(制動中を含む。)で取り得る車両加速度の
上限値と、車両減速度の上限値を考慮した上・下限制限
速度のうちの、中間値を車体推定速度とする。
次に、ステップ130にて基準速度算出処理が実行され
る。この処理の概要は、減圧を開始するための基準速
度、振動に対して誤作動を防止するための路面ノイズ
(車体振動)対策基準速度等を、先のステップ120で求
めた車体推定速度から所定の演算式により作成する。
次にステップ140にてシステム異常チェックを実行す
る。この処理においては、ROM78内に予め格納されたシ
ステム正常動作時のシステム要素の動作状態に対応する
データと当該処理時に取り込まれた上記システム要素の
動作状態を表すデータとを比較検討し、システム異常と
判断した場合にはシステム動作状態を示す異常フラグを
セットし、一方異常なしと判断した場合には異常フラグ
をリセット状態に維持もしくは反転させるようにする。
次にステップ150にて上記異常フラグをみてシステム
異常か否かを判定する。異常フラグがセットされていな
い旨判断された場合、即ち、システムが正常に動作して
いる場合には、上述した如き制御許可判定処理ステップ
110に進む。一方異常フラグがセットされている旨判断
された場合、即ち、システムに異常が発生しもしくは異
常動作中である場合には、ステップ160およびステップ1
70が順次実行された上で上記制御許可、判定処理ステッ
プ110に進む。
ステップ160はシステムに異常が発生した旨を運転者
に通知させアンチスキッド制御が有効でないことを確認
できるようにするためのステップであり、このステップ
160においては、上記の如き判定ステップ150実行により
システム異常が発生した旨が最初に判断されたときのみ
インジケータランプ点灯の為の制御信号をインジケータ
ランプ駆動回路94に出力する。この制御信号を入力した
インジケータランプ駆動回路94はこの制御信号をラッチ
してインジケータランプ53が点灯しつづけるようにす
る。このステップ160においては、上記の如き制御信号
出力後、システムが正常動作状態に自動復帰したような
場合にはインジケータランプ53を消灯させるための制御
信号をインジケータランプ駆動回路94に出力する処理を
併せて実行するようにしてもよい。
ステップ170はシステム異常動作時にフェールセーフ
を処理を行うステップであり、このステップ170におい
ては、4個のアクチュエータ27,29,31,33のそれぞれに
おける増、保持、減制御用電磁ソレノイドの当該時点に
おける各駆動状態の如何にかかわらず非アンチスキッド
制御モード、即ちブレーキペダル25の踏み込みに応じた
ブレーキ液圧によって制動が行われる通常モードにスイ
ッチングすべく、メインリレー51のコイル98に対する通
電をカットするための制御信号を出力する処理が行われ
る。コイル98が通電状態でなくなると、それまで閉成さ
れていた常閉接点96が通常の開放状態にスイッチングさ
れ、これによりアクチュエータ27,29,31,33のそれぞれ
における電磁ソレノイドに対する電源供給が遮断され、
少なくともシステム異常が解除されるまでの間は通常ブ
レーキ制動が行われる。このシステムフェールセーフ処
理ステップ170において、更に安全性を向上させるため
に上記の如き電源カットを行うと共に、各アクチュエー
タ駆動回路84,86,88,90に対して電磁ソレノイドをオフ
させるための制御信号を出力する処理を併せて実行する
ようにしてもよい。
第6図(a)は第5図にて上述した如き主たる演算処
理の実行途中に所定の周期で実行開始されるタイマ割込
ルーチンを概略的に表したフローチャートである。
このタイマ割込ルーチンにおいては、まずステップ20
0にて各車輪毎の車輪速度を演算する処理が実行され
る。この車輪速度演算ステップ200においては、現在の
処理実行の際での車速パルスのカウント値と前回の処理
実行の際での車速パルスのカウント値との差と、時間間
隔と、定数とを含む所定の演算式を演算すると共に、必
要に応じてフィルタ処理、即ち、連続した複数回の該演
算式演算により得られた車輪速度を平均化する処理が併
せて行われる。なお上記車速パルスのカウントは後述す
る車速割込ルーチンにて実行される。
次にステップ210にて各車輪毎の車輪加速度を演算す
る処理が実行される。この車輪加速度演算ステップ210
においては、上記車輪速度演算ステップ200の実行によ
り算出された車輪速度と前回の車輪速度演算ステップ20
0により算出された車輪速度との速度と、時間と、定数
とを含む所定の演算式を演算すると共に、必要に応じて
上記の如きフィルタ装置とほぼ同様な処理が併せて行わ
れ車輪速度、車輪加速度の脈動成分をなますようにして
いる。
次にステップ220にて、第5図のステップ110での判定
が制御許可状態となっているか否かを判定し、許可され
ていない場合、即ちストップスイッチ43がオンされてい
ない等の場合には、ステップ230に進み、一方、制御が
されている場合には、ステップ240ないしステップ270か
らなるルートが順次実行される。
上記ステップ230においては、全てのアクチュエータ2
7,29,31,33を非作動状態に復帰させるべく、そのための
制御信号をアクチュエータ駆動回路84,86,88,90のそれ
ぞれに出力する処理が行われる。この制御信号を入力し
たアクチュエータ駆動回路84,86,88,90のそれぞれはこ
の制御信号に対応する状態を保持し、対応するアクチュ
エータの電磁ソレノイドに対する通電を停止し、ブレー
キ液圧制御が通常モードで行われるようにする。
一方、制御が許可されてい時に実行されるステップ24
0においては、上記車輪速度演算ステップ200および上記
車輪加速度演算ステップ210にて算出された各車輪速度
および各車輪加速度と、上記第5図の基準速度算出処理
ステップ130にて算出させた各種の基準速度および予め
設定された各種の基準加速度とを比較する処理が実行さ
れる。
次にステップ250にて、上記比較ステップ240により得
られた結果に基づいて増/保持/減制御用電磁ソレノイ
ドの駆動パターンを選択する処理が実行される。なお、
各ソレノイドにそれぞれ対応する各種駆動パターンはRO
M78内に予め格納されている。
この処理の中には、車輪のスリップ率増大または車輪
減速度増大にともなう減圧モード、また車輪回復に伴う
増圧と保持を組み合わせた、パルス的増圧モード等があ
る。
次にステップ260では、本発明にかかわる減圧増圧時
間の学習制御処理を実行し、上記ステップ250で述べ
た、減圧モードでの減圧時間、また増圧と保持を組み合
わせたパルス的増圧モードでの増圧時間の積算値から、
増圧に関する目標油圧係数を算出し、次回のパルス的増
圧モードでの初回の増圧量また、その後の保持と増圧の
パルス増圧時間比を変化させ、油圧の単位時間当りの平
均油圧勾配を、学習が行われた後は小さくするための処
理等を行う。詳しくは、後で第7図のフローチャートを
使って説明する。
次にステップ270にて、最終的な駆動パターンに対応
する制御信号を、対応するアクチュエータ駆動回路84,8
6,88,90に出力する処理が実行される。この制御信号を
入力したアクチュエータ駆動回路84,86,88,90は、それ
ぞれこの制御信号に応じて、対応するアクチュエータ2
7,29,31,33の駆動状態を定める駆動出力を行う。この出
力ステップ270を経た後は、通常、処理中断中の第5図
の処理が引き続き実行されるようになる。
第6図(b)は車速センサ5,6,7のそれぞれ1対1に
対応して実行される車速割込ルーチンであり、この車速
割込ルーチンは車速センサおよび波形整形増幅回路を介
して車速パルスがマイクロコンピュータ35に入力されて
くると、上述した第7図の処理を中断して実行開始され
る。
この車速割込ルーチンにおいては、ステップ280が実
行され、車速パルスのカウント値が行われる。なおこの
カウント値は上述した如くタイマ割込ルーチンにおける
車輪速度演算ステップ200の実行の際用いられる。
以上本アンチスキッド制御装置の全体構成及び処理動
作を概略的に説明したが、次に本発明にかかる主要な処
理を第7図に沿って説明する。
第7図に示すフローチャートは前述の第6図における
ステップ260にて実行される処理の一部を表している。
次に第6図(a)のステップ260にて行われるパルス
的増圧制御について第7図のフローチャートに基づいて
詳しく説明する。
先ず制御が開始されると、ステップ310にて学習値が
あるか否かが学習条件として判定される。(学習条件判
定手段M1に相当)該学習値は、後述する増圧時間学習制
御において設定される値である。学習値は第1回(学
習)制御サイクル以降設定されるものであるので、スリ
ップ制御に入った当初は学習値はない。そのためステッ
プ310にて否定判定されると、ステップ320にて上記ステ
ップ200の制御が開始してから何回目の増圧か否かが判
定される。初回であれば、ステップ330にて第1回制御
サイクルの減圧時間Tdw1と車輪加速度VWより算出された
増圧時間TUP11分、増圧される。この増圧時間TUP11は減
圧時間tdw1が大きい程大きく設定され、また車輪加速度
VWが大きい程大きく設定される。2回目からある所定の
回数KNUP1回以内であれば、ステップ340にて、予め定め
られた増圧時間TC1に基づく比較的小さな増圧が成され
る。KNUP1+1目以上であれば路面が低μ路から、高μ
路等へ乗り移った場合等に対処するためにステップ350
にて、予め定められた増圧時間TC2(>TC1)に基づく少
し大きめの増圧が成される。各増圧の後、ステップ360
にてブレーキ圧力は所定時間TC1間、一定に保持され
る。ここでのTC1,TC2等の時間は、アクチュエータの増
圧特定を考慮し定めるべき値である。
パルス的増圧制御が学習制御サイクル後の制御サイク
ルのパルス的増圧の場合には、既に第1回目の制御サイ
クルでの減圧時間Tdw1のデータから学習減圧値が、また
増圧時間,TUP11,TUP12,TUP13,TUP14のデータから学習増
圧値が、それぞれ求められている。(学習減圧値検出手
段M2および学習増圧値検出手段M3に相当)よって、その
後の制御サイクル以降は、ステップ310にて肯定判定さ
れ、ステップ370にて何回目の増圧か否かが判定され
る。学習後の制御サイクルのなかでも初回増圧であれ
ば、ステップ380にて初回の目標増圧時間TUPn(TUP21)
分、増圧される。初回の目標増圧時間TUPnは、後述する
演算に基づいて求められる。2回目〜KNUP2回目以内目
であれば、ステップ390にて、上記ステップ340よりも小
さな増圧、TC3(TC3<TC1)時間の比較的小さな増圧が
成される。KNUP2+1回目以上であればステップ400にて
TC4(TC4>TC3)時間の少し大きめの増圧が成される。
初回および2〜KNUP2回目の各増圧の後、ステップ410に
てブレーキ圧力は上記学習制御サイクル(ステップ36
0)より長めの所定時間、TH2(TH2>TH1)間、一定に保
持される。KNUP2+1回目の増圧の後は、ステップ420に
てブレーキ圧力は比較的短めの所定時間、TH3(TH3>T
H2)間、一定に保持される。
このパルス的増圧制御により、学習制御サイクル以降
のパルス的増圧制御の初回増圧において、学習値を加味
した適切かつ急速な増圧が出来る。又、学習値による増
圧後に、その保持時間を長めにして、かつ、パルス的増
圧量を小さくすることによりロック限界に近い状態の油
圧を長期に保持し続けることが出来るため、効率的な制
動、すなわち制動距離を短くできる。またその後所定量
を増圧しても、車輪の減速傾向が表れない場合は、増圧
と保持の組み合わせの平均増圧勾配を大きめにセットす
ることにより、路面が低μ路から、高μ路に乗り移った
場合にも、すばやくブレーキ油圧をロック限界油圧レベ
ルまでもち上げることができる。
上記学習値及び初回の目標増圧時間を求める増圧時間
学習制御について、第8図のフローチャートに基づいて
説明する。
<学習制御サイクル> 先ず、ステップ510にて学習値があるか否かが判定さ
れる。学習値がない状態、例えば第1回制御サイクル、
又は路面状態が急変後等では、否定判定されて、学習制
御サイクルに移行し、ステップ520にて減圧モード終了
か否かが判定される。即ち、減圧モードが終了していな
い場合には否定判定されて、学習制御サイクルの学習減
圧時間Tdw1がカウントされる。尚、上記学習値は、過剰
スリップ防止の油圧制御が開始される度毎にクリアされ
ているので、常に制御開始時には、学習値は存在しな
い。なお、ステップ510は学習条件判定手段M1に相当す
る。
次に減圧が終了すると、肯定判定されて、ステップ54
0にて学習制御サイクルの増圧終了か否かが判定され
る。この場合は、第7図に示したパルス的増圧の制御が
成されている間、否定判定され、その間に学習増圧時間
TUP1を積算測定する。即ち、増圧時間TUP11,TUP12,TUP1
3,TUP14,……がTUP1としてカウントされ累積される。次
にこの増圧モードが終了すると、肯定判定されて、ステ
ップ560にて上記のカウントにて求めた学習増圧時間T
UP1及び減圧時間Tdw1を補正してT′UP1,T′dw1を求め
る。この補正学習増・減圧時間T′UP1,T′dw1は、各ア
クチュエータ27,29,31,33や他のバルブ等の応答性を考
慮して、真に増圧あるいは減圧されている時間を求める
ための処理である。次にステップ570にてステップ560で
補正された学習補正増圧時間T′UP1、減圧時間T′dw1
の比(T′UP1/T′dw1)を計算することにより、学習値
を求める。次にステップ580で、目標増圧時間算出に用
いられる目標油圧係数Kが初期値として“0.8"に設定さ
れる。こうして一旦処理を終了する。
<学習制御サイクル後> 次に、学習制御サイクル後の制御サイクルにてステッ
プ510の処理が開始されると、学習値は既にステップ570
にて求められているので、肯定判定され、ステップ590
にて今回の制御サイクルの減圧モードが終了か否かが判
定される。否定判定されれば、ステップ600にて今回減
圧時間Tdwnがカウントされるが、このステップ600は今
回減圧値検出手段M4に相当する。減圧が終了すれば、ス
テップ590にて肯定判定され、ステップ610にて前記ステ
ップ560と同様に減圧時間が補正されて、今回補正減圧
時間T′dwnが求められる。
次にステップ620にて、上記求められた今回補正減圧
時間T′dwnが学習補正減圧時間T′dwnに所定時間x1
加えた時間を越えているか否かが判定される。越えてい
なければ、すなわち路面状態に急変がないような場合に
は、ステップ620にて否定判定されて、ステップ630にて
今回の目標増圧時間TUP0が算出される。即ち、次式によ
り求められる。すなわち、このステップ630が目標増圧
指令値演算手段M5に相当する。
初回の目標増圧時間TUP0=K・今回補正減圧時間
(T′dwn)・学習値(T′UP1/T′dw1) 上記初回の目標増圧時間TUP0は学習制御サイクル後の
制御サイクルの初回増圧、すなわち第6図に示したパル
ス的増圧制御のステップ380にて用いられる。
次にステップ640にて増圧モードが否かが判定され
る。肯定判定されれば、ステップ650にて積算増圧時間T
UPnがカウントされる。この状態は第2回目の制御サイ
クル中のパルス増圧モード終了までのパルス的増圧状態
に該当する。即ち、増圧時間TUP21,TUP22,TUP23,TUP24,
……の積算増圧時間TUPnがカウントされ累積される。次
に増圧モードが終了すると、ステップ640にて否定判定
されて、ステップ660にて上記カウントにて求めた積算
増圧時間TUPnを補正し、ステップ560と同様に、この制
御サイクルの補正積算増圧時間T′UPnが求められる。
次にステップ670にて上記補正積算増圧時間T′UPn
上記ステップ610で求められた今回補正減圧時間T′dwn
と上記学習値(T′UP1/T′dw1)との積に所定時間x2
加えた時間を、越えているか否かが判定される。なお、
ステップ670も学習条件判別手段M1に相当する。越えて
いなければ、路面状態が急変していない状態であって、
ステップ670で否定判定されて、ステップ680にて目標油
圧係数Kが補正される。該目標油圧係数Kの補正は次式
のAの値を用いて、第10図のグラフに従って決定される
ことにより成される。
この補正は、増圧・減圧の経時のずれを補正する処理
である。ここで目標油圧係数Kは上記ステップ630にて
目標増圧時間の設定に用いられ、該目標増圧時間はパル
ス的増圧制御のステップ380にて初回の増圧に用いられ
る。このことにより、学習制御サイクル後の制御サイク
ルでの初回の増圧が常にロック限界近くに設定される。
そのため、後の増圧は学習値がない場合(ステップ340,
350)よりも、小さな値となって(ステップ390,400)、
ロック限界油圧直前の高い制動力を長期間保持してい
る。
上記ステップ620,670が肯定判定される状況下では、
路面状況の急変等の理由により減圧時間や増圧時間の極
端な変動が生じているので、学習値を用いることが適当
ではないことから、学習値のクリアが実行される。
尚、学習制御サイクルで学習値が演算された後のn回
目の制御サイクル(n=2,3,……)で、路面状態に極端
に変動していない場合は、一連のステップ510,590,600,
610,620,630,640,650,660,670,680により、今回の目標
増圧時間TUPnが演算されることになる。一方、前記n回
目までの制御サイクルの途中で、路面状態が極端に変化
した場合には、ステップ620又はステップ670で前記学習
値がクリアされ、その路面状態での新たな学習値がステ
ップ520〜580により求められることになる。
本実施例は上述のごとく構成されているため、急ブレ
ーキ、緩ブレーキまたは変速比によるイナーシャ(慣性
力)の相違にも学習制御サイクル後の制御サイクルでブ
レーキ油圧を油圧のロック限界近くに初回増圧時に一度
容易に増圧することができ、効率的に制動を働かせるこ
とが出来る。
更に、初回増圧時にロック限界圧力付近まで増圧させ
た後、パルス的に徐々に増圧させているため、効率の高
い制動が長時間継続する。しかも、絶えず目標油圧係数
Kが、新たに測定された増圧時間・減圧時間によって補
正されていいるため、経時により、目標油圧係数Kがず
れても、所望の制動状態になるよう油圧を制御できる。
このため、制動距離も、より短くなる。また、制動力
も、より一定化するため、制動フィーリングも向上す
る。
尚、上述の第1実施例では、学習制御サイクルでの
(学習補正増圧時間T′UP1)/(学習補正減圧時間
T′dw1)を学習値とし、その値にその後の制御サイク
ルでの今回補正減圧時間T′dwn及び係数Kを掛算し
て、初回の目標増圧時間TUP0を求めた。しかし、上記各
時間としては、補正前の時間を用いてもよい。また、学
習値としてT′UP1/T′dw1を予め求めずに、直接下式、 TUP0=K(T′UP1/T′dw1)×T′dwn ……(1) により算出してもよい。尚、上式(1)は四則演算の法
則に基づいて、その演算順序等を変更してもよいことは
言うまでもない。
また、各制御サイクルでの減圧途中で、一時的な保持
モードを挿入する制御を行う場合は、保持モードを除く
時間を減圧時間としてカウントすればよい。
次に、第2実施例第11図、第12図、第13図に基づいて
説明する。
第1実施例では、減圧時間と油圧の減圧値が比例関係
にあると仮定して、減圧時間Tdw1,Tdwnを用いた。とこ
ろが、実際の油圧配管系では、減圧時間に対する実際の
油圧減圧値は非線形に減圧する。この点を考慮したもの
が、第2実施例である。
そこで第2実施例としては、学習制御サイクルでの学
習減圧値、その後の第n回の制御サイクルの減圧値とし
て、各々〔1−exp(−T′dw1/T1)〕〔1−exp(−
T′dwn/T1)〕を用いるか、またはこれらの値に関連す
る値を予め計算して記憶したマップより求めるようにす
る。T′dw1は学習制御サイクルの補正減圧時間、T′
dwn第n回制御サイクルの補正減圧時間である。T1は油
圧系によって予め決められた定数である。
第2実施例の基本的な油圧制御は、第1実施例のフロ
ーチャートと同様であるが、パルス的増圧制御、増圧時
間学習制御が多少相違するため、各々第11図、第12図に
基づいて説明する。
第11図のパルス的増圧制御では、ステップ375とし
て、後述する増圧勾配“大”というフラグが設定されて
いるか否かを判定する新たなステップが設けられ、肯定
判定時にはステップ400へ、否定判定時にステップ390へ
分岐する。尚、ステップ370での、判定回数が便宜上変
更されている点を除いて、他のステップは第1実施例と
同一である。
第12図の増圧時間学習制御においては、第1実施例の
ステップ510,570,630の代わりに、ステップ515,575,63
3,637が設けられ、更にステップ653,657が新たに設けら
れている。ステップ515では、後述する学習値1,2がある
か否かを判定する。ステップ575では学習制御サイクル
での学習補正増圧時間T′UP1,学習補正減圧時間T′
dw1を各々学習値1,2として記憶する。
またステップ633は、学習制御サイクルの学習補正減
圧時間T′dw1,及び今回制御サイクルの今回補正減圧時
間T′dwnより減圧比Dを次式の関数F(T′dw1,T′
dwn)より算出する。
減圧比D=〔1−exp(−T′dwn/T1)〕/〔1−exp(−T′dw1/T1)〕 また、この減圧比Dは予め計算されたマップを用いて
求めてもよい。ステップ637では、初回の目標増圧時間T
UP0を次式より算出する。
TUP0=K・学習補正増圧時間T′UP1・減圧比D Kは前述した目標油圧係数で、初回は0.8に設定され
ている。ここで、T′UP1・Dはロック限界油圧に達す
るまでのロック付近増圧時間Aに相当し、この時間Aも
ステップ637で計算される。
また、ステップ653は、積算増圧時間TUPnが前記ロッ
ク付近増圧時間Aに所定時間×3を加えた時間を超えた
か、否かが判定され、否定判定時は一旦演算を終了し、
肯定判定時は、ステップ657で増圧勾配“大”というフ
ラグをセットする。これにより、制御サイクル途中で積
算増圧時間TUPnが所定以上大きくなる場合、つまり、路
面μ状態が高μ路に変化していることが予想判定され
る。
次に第2実施例の制御状態の特徴部を第13図に基づい
て説明する。
路面状態が変化しない場合は第1実施例と同一作用す
る。即ち、第1回制御サイクルが学習制御サイクルとな
り、学習減圧時間(Tdw1)、学習増圧時間(TUP11+TUP
12)が求められ、これと第2回制御サイクルの減圧時間
(Tdw2)とに基づいて、第2制御サイクルの初回増圧時
の目標増圧時間(TUP0)が求められ、油圧が制御され
る。
ここで、第2実施例と第1実施例との相違点を説明す
るため、第2回制御サイクルの途中で路面状態が、より
高μ路側へ変化し、ロック限界油圧が高くなった場合を
仮定する。
すると、積算増圧時間TUPnが、ロック付近増圧時間A
に所定時間χ3を加えた時間を超えると、第12図のステ
ップ653で肯定され、ステップ657で増圧勾配“大”のフ
ラグをセットする。そして増圧回数がKNUP1回目(時点t
22)になると、第11図のステップ370の判定でステップ3
75へ進む。ステップ375では増圧勾配“大”のフラグが
あるため、肯定判定され、ステップ400へ進む。ステッ
プ400では、少し大きめの増圧(TC4)が実行され、続く
ステップ420で短めの期間保持(TH3)が実行される。こ
のように増圧回数がKNUP1回以上で、かつ増圧勾配
“大”のフラグが設定されている場合には、ステップ37
0,375,400,420によるパルス的増圧制御が実行される。
これは、第13図TUP24以後の急パルス増圧に相当する。
よって、制動時のスリップ制御の途中で、高μ路に進入
した場合にも、急速に制動油圧をロック限界油圧付近ま
で上昇することができ、効率的な制動を行うことができ
る。
また、上述の第1、第2実施例においては、路面状態
が極端に変化した場合に、初めて前回までの学習値をク
リアし、その路面状態での新たな学習値を求めた。しか
し、各制御サイクルを学習制御サイクルとして学習値を
毎回更新し、更新した学習値でその直後の制御サイクル
の目標増圧時間を求めてもよいことは言うまでもない。
この場合は、第1、第2実施例のステップ680での演
算、つまり目標油圧係数Kを補正する演算に代えて、学
習値を更新する演算に置き換えることにより容易に実施
可能である。例えば、第1実施例では、T′UPn(補正
積算増圧時間)/T′dwn(今回補正減圧時間)を学習値
として更新し、第2実施例では、T′UPnを学習値1と
して更新し、T′dwnを学習値2として更新すればよ
い。この場合、第2回目以降の制御サイクルにおいて、
その直前の制御サイクルでの学習値を使用するため、路
面状態の変化に対応した効率よい制御が実施できる。
〔発明の効果〕
本発明は、学習制御サイクルで、学習減圧、増圧値を
求めるとともに、その後の制御サイクルで今回減圧値を
求め、これらの値に基づいて、ロック限界圧力を予想し
て初回の目標増圧値を演算している。このため、学習制
御サイクル後の制御サイクルでは目標増圧値に基づいて
ロック限界圧力の付近まで、初回で増圧することができ
る。よって、効率的な制動を行うことができるととも
に、学習による値を用いるため、車両のブレーキ応答性
能に差がある場合でも容易に適用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示する説明図、第2図
は一実施例の構成図、第3図はそのアクチュエータの機
能説明図、第4図は実施例のブロック図、第5図はマイ
クロコンピュータが実行する主要な処理を表すフローチ
ャート、第6図(a)は、各輪ごとに処理されるタイマ
割込みルーチンを表すフローチャート、第6図(b)
は、車速センサ割込みルーチンを表すフローチャート、
第7図は同じくパルス的増圧制御の第1実施例のフロー
チャート、第8図は同じく増圧時間学習制御の第1実施
例のフローチャート、第9図は第1実施例の作動説明の
ための車輪回転速度、加速度及びブレーキ油圧のタイミ
ングチャート、第10図は目標油圧係数Kの決定のための
グラフ、第11図はマイクロコンピュータが実行するパル
ス的増圧制御の第2実施例のフローチャート、第12図は
同じく増圧時間学習制御の第2実施例のフローチャー
ト、第13図は第2実施例の作動説明のためのタイミング
チャート、第14図は従来例の説明に供するタイミングチ
ャートである。 M0……制御手段,M1……学習条件判定手段,M2……学習減
圧値検出手段,M3……学習増圧値検出手段,M4……今回減
圧値検出手段,M5……目標増圧指令値演算手段,M6……車
輪速度検出手段,1……右前輪,3……左前輪,5……右後
輪,7……左後輪,9,11,13,15……回転速度センサ,17,19,
21,23……油圧ブレーキ装置,25……ブレーキペダル,24,
29,31,33……油圧制御用アクチュエータ,35,37,39,41…
…油圧管路,43……ストップスイッチ,45……油圧シリン
ダ,47……油圧ポンプ,49……電子制御回路,51……メイ
ンリレー,53……インジケータランプ,55……レギュレー
タ部,57……制御弁部。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手
    段と、車両の制動時にその車輪の回転速度に基づく車輪
    スリップ状態に応じて、制動液圧を減圧傾向、増圧傾向
    にする指令信号を出力する制御手段M0と、車輪速度の落
    ち込みに伴う前記減圧傾向の指令信号の出力時点から車
    輪速度の復帰に伴う前記増圧傾向の指令信号が出力され
    た後の次の当該前記減圧傾向の指令信号出力に至るまで
    を1回の制御サイクルとする制御サイクルを複数回繰り
    返して制動液圧を調整する制動圧調整手段とを備えて、
    車輪スリップを抑制する車輪スリップ制御装置におい
    て、 前記制御サイクルのうちで、あらかじめ設定された条件
    を満足する制御サイクルを学習制御サイクルと判定する
    学習条件判定手段M1と、 前記学習制御サイクル状態下において前記制動圧調整手
    段が実行する前記制動液圧の減圧の大きさに対応する学
    習減圧値を求める学習減圧値検出手段M2と、 前記学習制御サイクル状態下において前記制動圧調整手
    段が実行する前記制動液圧の増圧の大きさに対応する学
    習増圧値を求める学習増圧値検出手段M3と、 前記学習制御サイクル後の前記制御サイクルにおいて前
    記制動圧調整手段が実行する前記制動液圧の減圧の大き
    さに対応する今回減圧値を求める今回減圧値検出手段M4
    と、 前記今回減圧値の求められた制御サイクルの初回の目標
    増圧値を、次の関数: (前記学習増圧値/前記学習減圧値)*前記今回減圧値 に基づいて求め、目標増圧指令信号として当該目標増圧
    値を出力する目標増圧指令値演算手段M5とを前記制御手
    段M0に設けたことを特徴とする車輪スリップ制御装置。
  2. 【請求項2】前記学習条件判定手段は、前記学習減圧値
    及び前記学習増圧値が記憶されていない時の制御サイク
    ルを前記学習制御サイクルと判定する特許請求の範囲第
    1項記載の車輪スリップ制御装置。
  3. 【請求項3】前記学習条件判定手段M1が学習制御サイク
    ルと判定しない、制御開始からの第1の制御サイクルで
    は、前記目標増圧値として、制動液圧の先行する減圧状
    態もしくは/および車輪加速度に対応した増圧値が算出
    され、この増圧値に応じて、前記制動液圧が制御される
    ことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の車輪スリ
    ップ制御装置。
  4. 【請求項4】前記今回減圧値が前記学習減圧値より第1
    の所定値大きくなると、前記学習減圧値及び前記学習増
    圧値は、クリアされることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載の車輪スリップ制御装置。
  5. 【請求項5】前記目標増圧指令信号に基づいて増圧され
    たとき、その制御サイクルで増圧された大きさに対応す
    る累積増圧値を求め、前記累積増圧値が前記目標増圧値
    よりも第2所定値大きくなると、前記学習減圧値及び前
    記学習増圧値はクリアされることを特徴とする特許請求
    の範囲第3項記載の車輪スリップ制御装置。
  6. 【請求項6】前記目標増圧指令値演算手段は、次の関
    数:所定の目標増圧値=K・(前記学習増圧値/前記学
    習減圧値)*前記今回減圧値(ただし、Kは定数)から
    求められることを特徴とする特許請求の範囲第3項に記
    載の車輪スリップ制御装置。
  7. 【請求項7】前記定数Kは、前記今回減圧値が前記学習
    減圧値と第1の所定値とを加えた値以下で、且つ前記今
    回増圧値が前記目標増圧値と第2の所定値とを加えた値
    気化で、補正されることを特徴とする特許請求の範囲第
    6項記載の車両スリップ制御装置。
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