JPH08144545A

JPH08144545A - 囲み型住宅

Info

Publication number: JPH08144545A
Application number: JP29179894A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Takai; 宏之高井; Yoko Yokoyama; 洋子横山; Osamu Hashimoto; 橋本　　修; Takashi Miwa; 三輪　　隆
Original assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Current assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date: 1994-11-25
Filing date: 1994-11-25
Publication date: 1996-06-04
Anticipated expiration: 2019-07-21
Also published as: JP3544013B2

Abstract

(57)【要約】【目的】敷地の有効利用を可能とし、同時に、各住戸
の眺望、日照、及び通風も確保できる囲み型住宅を得
る。【構成】中庭１２を取り囲むように配設された外住棟
１４の中庭１２側に内住棟１６が配置されているので、
容積率を高くすることができる。内住棟１６は、外住棟
１４の住戸からの中庭１２への眺望を少なくとも一部確
保するように、平面的に隙間があけられている。このた
め、外住棟１４の住戸１４Ａの開放面が、中庭１２側と
敷地Ｍ外との２面となり、良好な日照と通風が確保され
る。外住棟１４と内住棟１６とは渡り廊下２０で連絡さ
れており、この渡り廊下２０と外住棟１４及び内住棟１
６との間には吹き抜け２４が形成されている。これによ
って、外住棟１４と内住棟１６とが対面する部分での日
照と通風が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、敷地の中央に中庭を取
り囲む形態の囲み型住宅に関する。

【０００２】

【従来の技術】住戸が多層階にわたって複数戸構築され
る集合住宅には、良好な通風と日照及び眺望を確保する
ため、敷地の中央に中庭を取り囲む形態の囲み型住宅が
ある。このような囲み型住宅は、一棟の住棟で中庭を取
り囲んで構築され、中庭側からの通風等を確保している
が、この形態では、容積率が低く、敷地が有効利用され
ているとは言えない。

【０００３】そこで、図７に示すように、２棟の住棟を
配置して敷地Ｍを有効利用する方法も考えられるが、こ
れでは、外側に配置された外住棟５０は、中庭５４側か
らの日照及び通風が確保できず、また、内側に配置され
た内住棟５２は、中庭５４側からしか日照及び通風を確
保できない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮して、敷地の有効利用を可能とし、同時に、各住戸の
眺望、日照、及び通風も確保できる囲み型住宅を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の囲み型
住宅は、敷地の中央に中庭を取り囲むように配置され住
戸が多層階にわたって複数戸構築される外住棟と、前記
外住棟の前記中庭側に配設され外住棟の住戸からの前記
中庭への眺望を少なくとも一部確保するように構築され
た内住棟と、前記外住棟と前記内住棟とを連絡する連絡
路と、前記連絡路と前記外住棟及び前記内住棟との間に
形成された吹き抜けと、を有することを特徴としてい
る。

【０００６】請求項２に記載の囲み型住宅は、前記内住
棟が前記外住棟より低層階とされ、屋上に広場空間が構
築されたことを特徴としている。

【０００７】請求項３に記載の囲み型住宅は、前記外住
棟の一角をホテル棟とし、前記ホテル棟の客室と前記外
住棟及び内住棟の住戸とが面する部分に遮蔽壁を設け、
前記遮蔽壁と前記客室の間に連絡路を設け、前記連絡路
と前記客室との間に吹き抜けを形成したことを特徴とし
ている。

【０００８】

【作用】請求項１に記載の囲み型住宅では、中庭を取り
囲むように配置された外住棟の中庭側に内住棟が配置さ
れているので、容積率が高くなり土地の有効利用が図れ
る。

【０００９】この内住棟は、外住棟の住戸からの中庭へ
の眺望を少なくとも一部確保するように、平面的に隙間
をあけ、あるいは外住棟の住戸より間口が小さく設定さ
れている。このため、外住棟の住戸の開放面が、中庭側
と敷地外との２面となり、良好な日照と通風が確保され
る。

【００１０】また、外住棟と内住棟とは連絡路で連絡さ
れており、この連絡路と外住棟及び内住棟との間には吹
き抜けが形成されている。これによって、外住棟及び内
住棟とが対面する部分からの日照と通風が確保される。

【００１１】請求項２に記載の囲み型住宅では、内住棟
が外住棟より低層階とされているので、内住棟より高い
外住棟の住戸では、中庭への全面的な眺望を確保でき
る。また、内住棟の屋上に広場空間を設けることで、植
栽やベンチを設置して、居住者が利用できる公園的空間
とすることができる。

【００１２】これによって、地上に下りなくても、中庭
に面した快適的な、子供や高齢者等の憩いの場所が得ら
れる。

【００１３】請求項３に記載の囲み型住宅では、外住棟
の一角がホテル棟とされている。このホテル棟を敷地の
北西のように、住戸としては日照条件の余りよくない場
所に配置することで、用途に応じた効率の良い土地利用
が可能となる。

【００１４】また、ホテル棟の客室と外住棟及び内住棟
の住戸とが面する部分に遮蔽壁を設けることで、視覚的
にホテル棟と住戸とが遮断され、相互のプライバシーを
守ることができ不快感を生じさせない。

【００１５】さらに、遮蔽壁と客室の間に連絡路を設
け、連絡路と客室との間に吹き抜けを形成することで、
連絡路の快適性が保持される。また、吹き抜けへ縦配管
を設置することで、客室内の配管スペースが削減でき
る。

【００１６】

【実施例】図１〜図３に示すように、第１実施例に係る
囲み型住宅１０は、中庭１２の外周を囲んで東西南北に
面する外住棟１４と、この外住棟１４の中庭１２側に配
置された内住棟１６とで構成されている。外住棟１４の
角部には、敷地Ｍの外から中庭１２、外住棟１４、及び
内住棟１６へアクセスできる進入路１８が形成されてい
る。

【００１７】外住棟１４には、多層階に亘って住戸１４
Ａが配設されており、敷地Ｍの外方に向けて開放面が形
成されている。一方、内住棟１６は、所定の間をあけて
外住棟１４と対面して配置されており、住戸１６Ａの間
口を小さくすることによって、外住棟１４の住戸１４Ａ
の少なくとも一部が中庭１２と面するようになってい
る。

【００１８】これによって、外住棟１４の住戸１４Ａか
らの中庭１２への眺望が少なくとも一部確保されてい
る。このため、外住棟１４の住戸１４Ａの開放面は、中
庭１２側と敷地Ｍ外との２面となり、良好な日照と通風
とが確保される。なお、図１では、間口の狭い２つの住
戸１６Ａを示したが、外住棟１４の住戸１４Ａから中庭
１２への眺望が少なくとも一部確保されれば、間口の大
きな１つの住戸でも、あるいは２つ以上の住戸でも構わ
ない。

【００１９】また、外住棟１４と内住棟１６との間に
は、住棟と平行に渡り廊下２０が配設されており、この
渡り廊下２０から各外住棟１４の住戸１４Ａ及び内住棟
１６の住戸１６Ａへとつながる連絡通路２２が設けられ
ている。

【００２０】このような構成によって、外住棟１４及び
内住棟１６と渡り廊下２０との間は、吹き抜け２４とな
っており、住戸が対面する部分での通風及び日照が確保
されている。また、渡り廊下２０及び連絡通路２２によ
って、水平方向へ移動できる動線が形成されており、近
隣居住者とのコミュニケーションが容易に図れる。

【００２１】図２及び図３に示すように、内住棟１６は
外住棟１４より低層階とされており、内住棟１６の屋上
には、空中公園２６が形成されている。従って、内住棟
１６より高い外住棟１４の住戸１４Ａでは、中庭１２へ
の全面的な眺望が確保できる。また、空中公園２６によ
って、地上に下りなくても、中庭１２に面した快適的
な、子供や高齢者等の憩いの場所が得られる。

【００２２】このように、本実施例では、高容積率が実
現できると同時に、採光、通風、及び眺望を確保するこ
とができる。

【００２３】次に、第２実施例に係る囲み型住宅を説明
する。第２実施例では、図４〜図７に示すように、敷地
Ｍの北西の角地にホテル棟２７が配設され、同一敷地Ｍ
内にホテルと集合住宅が共存する運営形態が採られてい
る。このホテル棟２７では、地上２階のフロア２８が、
宴会場、ホテルラウンジ、フロント、及びレストランと
して利用されている。このフロア２８の上には、敷地Ｍ
の外に面するように平面視にてＬ字状に客室３０が配設
されている。

【００２４】この客室３０が中庭１２と面する部分に
は、遮蔽壁３２が設けられている。この遮蔽壁３２によ
って、特定の居住者が利用する住戸と不特定多数の者が
利用する客室３０とが視覚的に遮断され、相互のプライ
バシーを守ることができる。

【００２５】また、遮蔽壁３２と客室３０の間には、渡
り廊下３８が設けられている。この渡り廊下３８には、
客室３０への連絡通路４２を除いて、客室３０と面した
吹き抜け４０が形成されている。この吹き抜け４０に
は、ユニットバス３４等に接続される縦配管３６が上下
方向に配設され、客室３０内の配管用のスペースが削減
できる。また、吹き抜け４０によって、渡り廊下３８を
快適に利用できる。

【００２６】なお、本実施例では、平面視にて矩形状の
囲み型住宅を説明したが、このような形状に限定される
ものではなく、円形、三角形、及び多角形でもよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明は上記構成としたので、高容積率
が実現でき敷地の有効利用が可能となる。同時に、住戸
の眺望、日照、及び通風も確保でき、居住者の憩いの場
所である公園を屋上に設けることができる。さらに、同
一敷地内にホテル棟を建設しても、居住者及びホテル利
用者相互のプライバシーの保護が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例に係る囲み型住宅の平面図である。

【図２】図１の２−２線断面図である。

【図３】第１実施例に係る囲み型住宅を中庭側から見た
立面図である。

【図４】第２実施例に係る囲み型住宅のアイソメ図であ
る。

【図５】第２実施例に係る囲み型住宅の平面図である。

【図６】図５の６−６線断面図である。

【図７】第２実施例に係る囲み型住宅のホテル棟の平面
図である。

【図８】従来の囲み型住宅を示した平面図である。

【符号の説明】

１２中庭１４外住棟１６内住棟２０渡り廊下（連絡路）２２連絡通路（連絡路）２４吹き抜け２７ホテル棟３２遮蔽壁３８渡り廊下（連絡路）４０吹き抜け

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者三輪隆千葉県印旛郡印西町大塚１−５株式会社竹中工務店技術研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】敷地の中央に中庭を取り囲むように配設
され住戸が多層階にわたって複数戸構築される外住棟
と、前記外住棟の前記中庭側に配置され外住棟の住戸か
らの前記中庭への眺望を少なくとも一部確保するように
構築された内住棟と、前記外住棟と前記内住棟とを連絡
する連絡路と、前記連絡路と前記外住棟及び前記内住棟
との間に形成された吹き抜けと、を有することを特徴と
する囲み型住宅。
【請求項２】前記内住棟が前記外住棟より低層階とさ
れ、屋上に広場空間が構築されたことを特徴とする請求
項１に記載の囲み型住宅。
【請求項３】前記外住棟の一角をホテル棟とし、前記
ホテル棟の客室と前記外住棟及び内住棟の住戸とが面す
る部分に遮蔽壁を設け、前記遮蔽壁と前記客室の間に連
絡路を設け、前記連絡路と前記客室との間に吹き抜けを
形成したことを特徴とする請求項１または請求項２に記
載の囲み型住宅。