JPH11324105A - 複層建築物 - Google Patents

複層建築物

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JPH11324105A
JPH11324105A JP12886998A JP12886998A JPH11324105A JP H11324105 A JPH11324105 A JP H11324105A JP 12886998 A JP12886998 A JP 12886998A JP 12886998 A JP12886998 A JP 12886998A JP H11324105 A JPH11324105 A JP H11324105A
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JP
Japan
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space
balcony
piping
building
floor
Prior art date
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Pending
Application number
JP12886998A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kamata
和彦 鎌田
Nakaichi Matsumoto
中一 松本
Hideo Saito
秀雄 斉藤
Yoshio Fukushima
芳雄 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maeda Corp
Original Assignee
Maeda Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、メンテナンス、特に改修を
行っても、居住者の生活動線に影響を及ばすことなく容
易に行うことができるとともに、占有する建物本体の床
面積が延べ面積に積算されない配管用空間を具備する複
層建築物、特に集合住宅を提供することである。 【解決手段】 建物本体11の外壁15にバルコニー6
が設けられ、このバルコニー6にバルコニー6の床部6
aを貫通する開口部60を形成し、建物本体11の外壁
15面側に、前記開口部60の上下方向に連通し、かつ
複数の階層に渡る配管用空間70が設けられている集合
住宅1の構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給水管・配水管・
ガス管・電線等の竪配管が縦設される配管用空間(パイ
プシャフト)を有する集合住宅などの複層建築物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】集合住宅においては、給水・ガス等の各
種配管用のパイプシャフトを形成して、そのパイプシャ
フトに給水・ガスの竪配管や電線および電話線等を縦設
し、各階層毎に側方へ開口して設けられるパイプスペー
スに、前記竪配管に接続する給水配管およびガス配管、
分岐バルブ、ガスコック、減圧バルブ、水道メーター、
ガスメーター、各住戸への二次側バルブ、給湯器、積算
電圧計、電灯・電話・テレビアンテナ幹線等の配管及び
配線を集中して設置している。このようなパイプスペー
スを有する集合住宅として、図5および図6に示すよう
なものがある。図5は従来の集合住宅の一階層の概略平
面図であり、図6は図5のパイプスペース105の概略
縦断面図である。
【0003】図5に示す集合住宅100は、各階層毎に
複数の住戸101…が隣接して配設され、この集合住宅
100の建物本体103の外壁103aには、これら住
戸101…に面し、かつこれら住戸101…に渡って設
けられたバルコニー102が設けられている。また、こ
のバルコニー102が設けられている外壁103aと反
対側の外壁103bには共用廊下104が設けられ、共
用廊下104側には、ボックス状の内部空間であるパイ
プスペース105,106が配されている。
【0004】パイプスペース105は、共用廊下104
に、背面が建物の外壁103bとなるように配設されて
おり、パイプスペース106は、住戸101内に、かつ
共用廊下104に面して配設されているものである。な
お、図中、107は柱、108は住戸101の玄関であ
り、バルコニー102は、それぞれの住戸101,…毎
に隔て板109で画一的に区画されているものである。
【0005】図5に示すパイプスペース105は、図5
および図6に示すように、住戸の玄関108に近接して
配設され、外壁103bと、上階の床部を構成している
コンクリートスラブ90と、パイプスペース105が配
置されている共用廊下104の階の床部となるコンクリ
ートスラブ91、鉄製の扉92および側壁93とで囲ま
れている。
【0006】図6に示すように、上記のように構成され
ているパイプスペース105には、設置された給水・ガ
ス・電気等の設備の配管・配線105aとともに、配管
・配線105aの各種メータ105bが配設されてお
り、これら配管・配線105aは、パイプスペース10
5の上下に位置し、それぞれの階層の床部を構成してい
るコンクリートスラブ90,91をそれぞれ貫通してい
る。これら配管・配線105aのメータ105bは、共
用廊下104側から扉92を開けてパイプスペース10
5内を覗くことで視認することができるように構成され
ている。図6中、90aは上階の共用廊下104の手
摺、91aはパイプスペース105が設けられている階
層の共用廊下104の手摺である。なお、パイプスペー
ス106は、図5に示すように、住戸101の隅に、廊
下側に開閉する扉106aを有し、前面となる壁体と、
側壁106b,106c,106dと、上下のコンクリ
ートスラブ90,91とで囲まれているものであり、ス
ペースには配管・配線が縦設されており、上記パイプス
ペース105とほぼ同様の構成となっているので縦断面
図を用いた説明は省略する。また、共用廊下104を挟
んで両側に住戸が配される場合もあるがその説明も省略
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の集合住宅のパイプスペース105または10
6の構造では、以下のような問題があった。 上記パイプスペース105,106が、常時居住者の
通行に供される共用廊下104に面して配設されている
ので、パイプスペース105,106の配管・配線のメ
ンテナンス、特に改修等の施工を行う場合、共用廊下1
04にその施工のための作業スペースを設ける必要があ
り、該共用廊下104を利用する居住者の日常の通行の
邪魔になり、居住者の生活動線に影響を及ぼす可能性が
あり都合が悪くなる恐れがある。特に、中廊下タイプな
どといった同一廊下を両側から複数の居住者で共有する
ように構成されている構築物、言い換えると居住者の動
線が集中する廊下を有する集合住宅においては不利とな
る。 パイプスペース106が、住戸101内において、側
壁と背面と正面の壁とで仕切って形成されているので、
このパイプスペース106に占有される床面積が建物本
体の延べ面積に算入されてしまう。
【0008】集合住宅100のそれぞれの住戸101
内では、共用廊下104側には小割の部屋が配設される
ことが多いため、図5に示すように、その並びにパイプ
スペース106が設けられていると、このパイプスペー
ス106によって、部屋の窓が設けられる外壁103b
が占有され、建物本体の住戸101内に配設される小割
の部屋の利用が不利となる。また、パイプスペース10
5の場合でも、同様である。
【0009】上記集合住宅100において、パイプス
ペース105,106は各階層の床部となるコンクリー
トスラブ90,91で仕切られ、各階層毎にそれぞれ独
立した状態で設けられているため、これらパイプスペー
ス105,106内の配管の施工を各階層毎に行わなけ
ればならず手間がかかり、こうした施工作業の大幅な合
理化には限界がある。 地震の罹災等において、一時的にライフラインを切り
回す場合に、パイプスペース105,106が、常時居
住者の通行動線が存在する共用廊下104側に設けられ
ているので、ライフラインを切り回すためのルートの確
保と施設するためのスペースの確保が困難となる。
【0010】本発明の課題は上記事情を鑑みてなされた
もので、その目的は、居住者の生活動線に影響を及ばす
ことなくメンテナンスや配管・配線の将来的な改修を容
易に行うことができるとともに、占有する建物本体の床
面積が延べ面積に積算されない配管用空間を具備する複
層建築物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、請求項1記載の発明は、複数階層を有する建物本体
の外壁面にバルコニーが設けられた複層建築物であっ
て、前記バルコニーに該バルコニーの床部を貫通する開
口部を形成し、前記外壁面側に、前記開口部の上下方向
に連通し、かつ複数の階層に渡る配管用空間が設けられ
ていることを特徴としている。
【0012】請求項1記載の発明によれば、前記バルコ
ニーが設けられた外壁面側に、前記バルコニーの床部の
前記開口部の上下方向に連通し、かつ前記複数の階層に
渡る配管用空間が設けられているので、従来と異なり、
該配管用空間の配管のメンテナンスの際に居住者の生活
動線の邪魔になることなく、メンテナンス、特に改修作
業を容易に行うことができる。また、前記配管用空間は
バルコニーに設けられた開口部の上下方向に連通して設
けられているので、前記配管用空間が占有する床面積が
延べ面積の対象外となり、所定の容積率内で床面積を広
くすることが出来、建築物の所有者に有利となるととも
に、前記建物本体内において使用できる床面積が広くな
ることによってユーザーにも有利となる。
【0013】さらに、前記配管用空間が前記バルコニー
の開口部の上下方向に連通して設けられているので、例
えば、バルコニーが設けられる外壁面と反対側の外壁面
に廊下が設けられる従来の複層建築物と異なり、前記建
物本体内に前記配管用空間が配設されることがなく、前
記建物本体の居住空間を有効に利用することができる。
つまり、廊下や建物本体内に設けられていた配管用空間
の有効幅を、そのまま有効に利用することができ、従来
と異なり、廊下側に配設される小割の部屋を巧く利用で
きる実用的な幅に容易にレイアウトすることができる。
【0014】また、前記配管用空間に設けられる配管・
配線などのメンテナンスにおける改修等の施工を、複数
階層同時に行うことができ、施工の大幅な合理化および
施工コストの削減を図ることができる。さらに、地震な
どの罹災時において、一時的にライフラインを切り回す
場合でも、バルコニー側にライフラインを切り回すため
のルートやライフラインを施設するためのスペースを容
易に確保することができる。つまり、従来のように居住
者の生活動線が多い廊下側にライフラインのルートや施
設のためのスペースを設ける必要が無いので、居住者の
生活動線に影響を及ばすことなく、ライフラインを切り
回すことができる。
【0015】さらに加えて、前記建物本体において水廻
り設備がバルコニー側に偏するように配設されている場
合、これら水廻り設備と配管用空間との距離が短くなる
ことから、水廻り設備で用いるガス・水道・電気などの
配管・配線を容易に前記配管用空間に通すことができ、
その施工のコストの削減を図ることができる。また、前
記配管用空間は、前記外壁面側に、前記バルコニーの床
部を貫通する前記開口部の上下方向に連通し、かつ複数
の階層に渡るように設けられているので、前記開口部に
バルコニーの一部が隣接していれば、前記配管用空間の
配管・配線のメンテナンスを行う際の作業スペースとす
ることができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の複
層建築物において、前記配管用空間は、各階層において
建物本体の外側に開放して設けられていることを特徴と
している。
【0017】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前
記バルコニーが設けられた建物本体の外壁面側に、前記
バルコニーの床部の前記開口部の上下方向に連通し、か
つ前記複数の階層に渡る前記配管用空間が各階層におい
て、前記建物本体の外側に開放して設けられているの
で、前記配管用空間は、各階層において前記建物本体の
外側に向かって露出した状態となっている。したがっ
て、前記建物本体の外側から前記配管用空間を視認する
ことができ、各階層において該配管用空間の配管・配線
のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1または2
に記載の複層建築物において、前記配管用空間には、前
記建物本体の上下方向に渡って梯子が設けられているこ
とを特徴としている。
【0019】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2に記載の発明と同様の効果を得ることができると
ともに、前記外壁面側に、前記配管用空間が前記開口部
の上下方向に連通し、かつ複数の階層に渡るように設け
られており、この配管用空間に、前記建物本体の上下方
向に渡って梯子が設けられているので、この梯子によっ
て各階層間の移動を容易に行うことが出来、この梯子を
介して、それぞれの階層における前記配管用空間のメン
テナンスを各階層毎におこなうことなく、複数階層を同
時に容易に行うことができる。また、非常時には、前記
建物本体内を通ることなく、この梯子を昇降すること
で、各階層への行き来を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明に係る複層建築物の実施の形態を詳細に説明する。図
1〜図4は、本発明を適用した複層建築物の一実施の形
態である集合住宅を示す図である。
【0021】まず、構成を説明する。図1は、本発明に
係る複層建築物である集合住宅において、バルコニーを
有する階層の概略平断面図、図2は図1における配管用
空間を示す縦断面図、図3は本発明に係る複層家建築物
である集合住宅の概略縦断面図である。
【0022】図1〜図3において、1は本発明に係る複
層構築物である集合住宅、2,…は住戸、5は共用廊
下、6はバルコニー、7はそれぞれの階層に設けられて
いるパイプスペース、8はパイプスペース7に設けられ
ている梯子、11は住戸2を有する建物本体、12は建
物本体11を構成する柱部、13は隣接する住戸2を仕
切っている内壁、14は集合住宅1の側壁、15は建物
本体11の正面側(南側)の外壁、15aは住戸2が有
する窓部、16は集合住宅の背面側(北側)の外壁、1
7は各階層の床を支えるビーム、70はパイプスペース
7が上下方向に延在して構成されている配管用空間であ
る。
【0023】図1に示すように、集合住宅1は、複数階
層を有し各階層毎に住戸2,…が隣接して設けられてい
る建物本体11と、この建物本体11の北側の外壁16
に、該外壁16から突設されているとともに、ほぼ水平
方向に延在し、かつ隣接するそれぞれの住戸2に面して
設けられた共用廊下5と、該共用廊下5が設けられた外
壁16の裏側である正面側の外壁15に、ほぼ水平方向
に設けられたバルコニー6と、外壁15側に設けられ
た、バルコニー6の開口部60の上下方向に連通し、か
つ各階層に渡り、水道・ガス等の各種配管や電気などの
配線といった設備の配管・配線が縦設される配管用空間
70とから概略構成されている。なお、この集合住宅1
の有する各階層は、ぞれぞれ図1と略同様の構成となっ
ており、集合住宅1は、上述したような構成の階層が複
数積み重ねられることによって形成されている。よっ
て、他の階層の説明は、図面では同符号をふってその説
明は省略する。
【0024】共用廊下5は、それぞれの階層に配設され
ている住戸2の玄関2aに面して設けられているもので
あり、この共用廊下5によって、同一階層の住戸2の居
住者は、それぞれの住戸2への出入りが可能となってい
る。なお、図示省略しているが、これら共用廊下5の屋
外側に張り出した端部には、該共用廊下5の延在方向に
沿って手摺が設けられている。また、共用廊下5の両側
をはさむように住戸が配される形式もあるが、その説明
は省略する。
【0025】上述した共用廊下5が設けられている建物
本体11の外壁16と反対側(建物本体の正面側)の外
壁15に設けられているバルコニー6は、該外壁15か
ら外方に突設されており、隣接する住戸2のそれぞれの
窓部15aに面するように設けられている。この窓部1
5aによって各住戸2からバルコニー6に行き来可能と
なっている。このバルコニー6の南側の端部には手摺6
3が設けられている。(図2および図3参照。)
【0026】そして、このバルコニー6の床部6aに
は、隣接する住戸2の境界部付近に、かつ、一辺が外壁
15に沿った、床部6aを貫通する矩形状の開口部60
が形成されている。この開口部60の建物本体11の外
側には、該開口部に隣接してバルコニー6の床部6aの
一部であるスラブ61が配置されている。このスラブ6
1はバルコニー6の一部であるので、開口部60の左右
方向に位置するバルコニー6の床部6aとほぼ面一に連
続して形成され、隣接する住戸2どうしの共有の領域と
なっており、バルコニー6とスラブ61を介して隣接す
る住戸2どうしは行き来可能となっている。また、バル
コニー6において共有の領域であるスラブ61の左右の
上面には、建物本体11内で隣接する住戸2,2のそれ
ぞれが、それぞれの住戸2、2の正面側に位置するバル
コニー6を部分的に占有できるように、高さ50cm程
度の隔て壁62,62が立設されている。バルコニー6
を区切る隔て壁62,62は高さ50cm程であるの
で、住戸において採光上の有利となり見栄えがよいだけ
でなく、罹災時など共用廊下5以外の避難経路として、
バルコニー6を用いることができる。なお、この隔て壁
62は取り外し可能に構成されていてもよい。このよう
に構成されているので、バルコニー6では、地震などの
罹災時には、隔て壁62を跨いで、該バルコニー6の延
在方向への行き来が行えるようになっており、このバル
コニー6を非常用の避難経路として利用することができ
る。
【0027】また、上記開口部60は、図2及び図3に
示すように、集合住宅1の上下方向に連通するように、
各階層におけるバルコニーに形成されているものであ
り、上述したように開口部60の上下方向にほぼ垂直に
連通し、かつ複数の階層に渡るように設けられた空間
が、パイプシャフトとして機能する配管用空間70とな
っている。
【0028】この配管用空間70は、外壁15と、この
外壁15から建物本体11の外側に突設され、互いに対
向し上下方向に延在する袖壁71,71とで平断面コ字
状で三方が囲まれているものである。袖壁71,71に
はそれぞれ防火性能が付与されており、バルコニー6の
開口部60とは、該開口部60の両左右の側辺部で、バ
ルコニー6とほぼ鉛直となるように取り付けられてい
る。この配管用空間70の正面側は、バルコニー6の床
部6aと重なる箇所以外つまり、各階層において建物本
体11の外方に開放した状態となっており、縦設された
給水・ガスの配管・電線9および電話線等を有してい
る。よって、建物本体11の外方から配管用空間70が
露出することになり、この配管用空間70の設備の配管
・配線9のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0029】そして、この配管用空間70は、各階層毎
ではパイプスペース7となっており、設備の配管・配線
9は、各階層のそれぞれの住戸2で用いる給水配管およ
びガス配管、分岐バルブ、ガスコック、減圧バルブ、住
戸毎の消費量を表示する水道メーター・ガスメーター9
a、各住戸への二次側バルブ、給湯器、積算電圧計、電
灯・電話・テレビアンテナ幹線等の配管及び配線が接続
されている。(図示省略。)
【0030】なお、これらメーター9aが表示する値
は、共用廊下5側からも読みとれるように、各メーター
9aから電気的信号を送ることによってメータ9aと同
値を表示する各メーターを共用廊下5等に面して配設し
ている。このように設備の配管・配線9自体を共用廊下
5側に配設せず、メーターのみが共用廊下5側等に配置
されているので、配管・配線9を配設するためのスペー
スを共用廊下5側等に設ける必要がないことに加え、各
住戸におけるガス・電気・水道などの消費量を確認する
場合、共用廊下5側等から、容易に確認できるようにな
っている。また、この配管用空間70は、図3に示すよ
うに、外壁15に沿って設けられた梯子8を有してい
る。
【0031】この梯子8は、集合住宅の上下方向に延在
する梯子段80によって構成されており、この梯子8を
介して、集合住宅1の一階から最上階まで行き来可能と
なっている。なお、この実施の形態における集合住宅1
において、上下方向に延在する梯子8は、最上階のバル
コニーに開閉可能に取り付けられている蓋板81によっ
て、最上階で上方から覆うことができるものとなってい
る。この蓋板81を開けて梯子8を降りることにより、
最上階から各階層のパイプスペース7にそれぞれ行き来
可能となっている。このため、各階層の住戸2や共用廊
下5を通らなくても、それぞれの階層のパイプスペース
7において、配管・配線9の点検や改修を行うことがで
きる。その際、各階層におけるバルコニー6の共有領域
である領域(スラブ)61は作業スペースとなり、各階
層のパイプスペース7での配管・配線9の点検や改修な
どの作業を好適に行うことができる。
【0032】次に、上述したように構成された集合住宅
1の住戸2を図4を用いて具体的に説明する。図4は図
1における一階層における住戸2のうちの一つ住戸2A
の拡大図である。なお、この図では、上述した構成と同
様の構成については同符号を付してその説明を省略す
る。
【0033】図4に示すように、住戸2Aにおいては、
共用廊下5に面して配設されている玄関2aの南側に隣
接して配置されている玄関土間2cから集合住宅1の正
面側に延びる廊下21が配設され、この廊下21の南側
端部には居間22が配置されている。この廊下21の東
側に、且つ居間22の北側には和室23が配置され、こ
の和室23の北側には寝室24が配設されている。この
寝室24は前記玄関2aに隣接しているものであり、玄
関2aから廊下21を介して行き来可能となっている。
【0034】この寝室24に対向し、かつ玄関2aを挟
んで別の寝室25が配置されている。この寝室25の南
側には便所26が配置されており、この便所26の南側
には浴室27と洗面所28とが配置されている。これら
浴室27及び洗面所28の南側に隣接して台所29が配
設されている。この台所29は前記居間22の西側で、
該居間22に隣接し、且つ連通した状態で配置されてい
る。この台所29の西側には、食品庫30が配置されて
いる。
【0035】このように構成されている住戸20の台所
29および居間22は上述したバルコニー6に面してお
り、バルコニー6に面する外壁15には、バルコニー6
と連通する開口部が設けられ、この開口部には、窓部で
ある引き違い窓15aが設けられている。この引き違い
窓15aを介して、住戸2からバルコニー6に行き来自
在となっている。
【0036】そして、バルコニー6の床部6aには、隣
接する住戸2の境界部付近に、床部6aを貫通する上述
したような開口部60が形成されている。この開口部6
0内には、上述したような縦設された設備の配管(竪配
管)・配線9が配置されているとともに、配管用空間7
0内において上下方向に延在する梯子8を構成する梯子
段80が設けられており、この梯子段80を用いること
によって、共用廊下5や住戸2内を通らずに、それぞれ
の階層におけるパイプスペース7内に縦設されている設
備の配管・配線9などの点検・改修を行うことができ
る。また、この開口部60とバルコニー6の共有領域
(スラブ)61の略中央には、植栽66,66,66
が、隣接する住戸2A,2を隔てるように、住戸2,2
Aを仕切る内壁13の延長線上に配置されている。これ
ら植栽66は、避難時や、パイプスペース7の点検や改
修時には撤去可能に設置されているものである。
【0037】上記のように構成されている本発明に係る
実施の形態における集合住宅1によれば、以下の様な効
果を有することができる。 上記パイプスペース7が、バルコニー6が設けられて
いる外壁15面側に設けられているので、このパイプス
ペース7の改修等の施工を行う場合、この施工を行うた
めのスペースをバルコニー6側に設けることにより、共
用廊下5を利用する居住者の日常の通行の邪魔になるこ
となく、改修等の施工を行うことができる。 また、パイプスペース7を構成する配管用空間70が
バルコニー6に形成された開口部60の上下方向に延在
するように形成されているので、該パイプスペース7が
占有する床面積が建物本体11における延べ面積の対象
外となり、所定の容積率内で床面積を広くすることがで
き事業者に有利となるとともに、建物本体11で使用で
きる床面積が広くなりユーザーにも有利となる。
【0038】バルコニー6が設けられている外壁15
側にパイプスペース7が配されているので、共用廊下5
側にパイプスペース7を設ける必要が無く、従来共用廊
下5側に設けられていたパイプスペースが占有していた
建物本体11における有効幅を確保することが出来る。
つまり、住戸2(2A)の共用廊下104側の居住空間
が前記有効幅分広くなり、住戸2,2A内で配設される
小割の部屋のレイアウトを有利に行うことができる。ま
た、住戸2の玄関2a廻りからパイプスペースを構成し
ていた扉を排除することになり、玄関2a廻りの意匠性
の向上を図ることができる。 上記集合住宅1において、縦設された設備の配管・配
線9を有し、それぞれの階層のパイプスペース7となる
配管用空間70は、バルコニー6に形成された開口部6
0の上下方向に連通して延在しているので、パイプスペ
ース7の設備の配管・配線9の施工を複数階同時に行う
ことが出来、施工の大幅な合理化および施工コストの削
減を図ることができる。この際、梯子8を用いること
で、各階層間の移動を容易に行うことができる。
【0039】地震の罹災等において、一時的にライフ
ラインを切り回す場合においても、パイプスペース7が
バルコニー6に設けられているので、常時居住者の通行
動線が存在する共用廊下5側に、ライフラインを切り回
すためのルートや該ライフラインを施設するためのスペ
ースを設ける必要が無く、バルコニー6側で、前記ルー
トの確保と施設するためのスペースの確保を容易に行う
ことができる。上記のように各階層におけるパイプスペ
ース7のメンテナンスを行う場合、各階層におけるバル
コニー6の共用領域(スラブ)61を作業スペースとし
て用いることができる。
【0040】台所29浴室27、洗面所28および便
所26といった水廻りがバルコニー6側に偏するように
配設されている上記実施の形態における集合住宅1の住
戸2の構造では、その部分とパイプスペース7との距離
が小さいので、水廻りで利用する給排水・ガス等の配管
をパイプスペース7に容易に通すことができ、その施工
のコストの削減を図ることができる。なお、台所以外の
水廻り部分の床仕上げを適宜上げ、また食品庫30の下
部を利用することにより、排水等の設備配管の水平処理
は容易に行える。また、食品庫30の下部を利用するこ
とにより、該食品庫30付近において自由に水廻り部分
の位置を変えることも可能となる。
【0041】また、上述した集合住宅1では、各階層ご
とにバルコニーが配設されているものとしたが、これに
限らず、少なくとも一つの階層にバルコニーが設けら
れ、このバルコニーの床部に開口部が形成され、この開
口部の上下方向に配管用空間が形成されているものであ
れば、どの様に構成されていてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
る複層建築物によれば、前記バルコニーが設けられた外
壁面側に、前記バルコニーの床部の前記開口部の上下方
向に連通し、かつ前記複数の階層に渡る配管用空間が設
けられているので、従来と異なり、該配管用空間の配管
のメンテナンスや改修を行うことによって居住者の生活
動線の邪魔になることなく、容易に改修作業を行うこと
ができる。また、前記配管用空間が占有する床面積が、
前記建物本体における延べ面積の対象外となり、所定の
容積率内で床面積を広くすることが出来、建築物の所有
者に有利となるとともに、使用できる床面積が広くなる
ことによってユーザーにも有利となり、居住者は前記建
物本体で快適に居住することができる。
【0043】さらに、前記配管用空間が前記バルコニー
の開口部の上下方向に連通して設けられているので、バ
ルコニーが設けられる外壁面と反対側の外壁面に廊下が
設けられる従来の複層建築物と異なり、前記建物本体内
に前記配管用空間が配設されることがなく、前記建物本
体の居住空間を広く有効に利用することができる。つま
り、外壁が前記配管用空間に占有されることがなく、廊
下や建物本体内に設けられていた配管用空間の有効幅を
確保し、前記建物本体内の居住空間のレイアウトを自由
に行うことができ、従来と異なり、廊下側に配設される
建物本体内における小割の部屋のレイアウトを容易にお
こなうことができる。
【0044】また、前記配管用空間に設けられる配管・
配線などのメンテナンスや改修等の施工を、複数階層同
時に行うことができ、施工の大幅な合理化および施工コ
ストの削減を図ることができる。さらに、地震などの罹
災時において、一時的にライフラインを切り回す場合で
も、バルコニー側にライフラインを切り回すためのルー
トやライフラインを施設するためのスペースを容易に確
保することができる。つまり、従来のように居住者の生
活動線が多い廊下側に、一時的に設ける給水管・ガス管
などのライフラインのルートや該ライフラインの施設の
ためのスペースを設ける必要が無くなり、居住者の生活
動線に影響を及ばすことなく、ライフラインを切り回す
ことができる。
【0045】請求項2記載の発明に係る複層建築物によ
れば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることがで
きるとともに、前記配管用空間は、前記建物本体の外側
に向かって露出した状態となっているので、各階層にお
いて前記建物本体の外側から前記配管用空間を視認する
ことができ、各階層における該配管用空間の配管・配線
のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0046】請求項3記載の発明に係る複層建築物によ
れば、請求項1または2に記載の発明と同様の効果を得
ることができるとともに、前記外壁面側に設けられた、
前記開口部の上下方向に連通し、かつ複数の階層に渡る
配管用空間に、前記建物本体の上下方向に渡って梯子が
設けられているので、この梯子によって各階層間の移動
を容易に行うことが出来、この梯子を介して、それぞれ
の階層における前記配管用空間のメンテナンスを各階層
毎におこなうことなく複数階層でほぼ同時に容易に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複層建築物である集合住宅におい
て、バルコニーを有する階層の概略平断面図である。
【図2】図1における配管用空間を示す縦断面図であ
る。
【図3】図1の集合住宅の概略縦断面図である。
【図4】図1における一階層における住戸2のうちの一
つである住戸2Aの拡大図である。
【図5】従来の集合住宅の一階層の概略平面図である。
【図6】図5のパイプスペース105の概略縦断面図で
ある
【符号の説明】
1 集合住宅(複層建築物) 2 住戸 5 共用廊下 6 バルコニー 6a バルコニーの床部 60 バルコニーの開口部 7 パイプスペース 70 配管用空間 8 梯子 9 設備の配管(竪配管)・配線 15 外壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 芳雄 東京都千代田区富士見二丁目10番26号 前 田建設工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数階層を有する建物本体の外壁面にバ
    ルコニーが設けられた複層建築物であって、 前記バルコニーに該バルコニーの床部を貫通する開口部
    を形成し、 前記外壁面側に、前記開口部の上下方向に連通し、かつ
    複数の階層に渡る配管用空間が設けられていること、 を特徴とする複層建築物。
  2. 【請求項2】 前記配管用空間は、各階層において建物
    本体の外側に開放して設けられていること、 を特徴とする請求項1記載の複層構築物。
  3. 【請求項3】 前記配管用空間には、前記建物本体の上
    下方向に渡って梯子が設けられていること、 を特徴とする請求項1または2に記載の複層建築物。
JP12886998A 1998-05-12 1998-05-12 複層建築物 Pending JPH11324105A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011162952A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Ohbayashi Corp 建築物
JP2013036267A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd 複数階建て集合住宅の構築方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011162952A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Ohbayashi Corp 建築物
JP2013036267A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd 複数階建て集合住宅の構築方法

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