JPH0798426B2 - 熱転写シ−ト - Google Patents

熱転写シ−ト

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JPH0798426B2
JPH0798426B2 JP60204441A JP20444185A JPH0798426B2 JP H0798426 B2 JPH0798426 B2 JP H0798426B2 JP 60204441 A JP60204441 A JP 60204441A JP 20444185 A JP20444185 A JP 20444185A JP H0798426 B2 JPH0798426 B2 JP H0798426B2
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正樹 沓掛
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/38207Contact thermal transfer or sublimation processes characterised by aspects not provided for in groups B41M5/385 - B41M5/395

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱転写シートに関し、更に詳しくは諸堅牢性
に優れた記録画像を被転写材に容易に与えることができ
る新規な熱転写シートを提供することを目的とする。
(従来の技術) 従来、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で
昇華性染料を記録剤とし、これを紙等の基材シートに担
持させて熱転写シートとし、昇華性染料で染着可能な被
転写材、例えばポリエステル製織布等に重ね、熱転写シ
ートの裏面からパターン状に熱エネルギーを与えて、昇
華性染料を被転写材に移行させる昇華転写方法が行われ
ている。
(発明が解決しようとしている問題点) 上記昇華転写方法において、被転写材が例えばポリエス
テル製織布等である昇華捺染方法では、熱エネルギーの
付与が比較的長時間であるため、被転写材自体も付与さ
れた熱エネルギーで加熱される結果、比較的良好な染料
の移行が達成されている。
しかしながら、記録方法の進歩により、サーマルヘッド
等を用いて、高速度で、例えばポリエステルシートや、
紙に染料受容層を設けた被転写材を使用し、これらの被
転写材に繊細な文字や図形あるいは写真像を形成する場
合には、熱エネルギーの付与は秒単位以下の極めて短時
間であることが要求され、従って、このような短時間で
は昇華性染料および被転写材が十分には加熱されないた
めに、十分な濃度の画像を形成することができない。
従って、このような高速記録に対応するために、昇華性
に優れた昇華性染料が開発されたが、昇華性に優れる染
料は、一般にその分子量が小であるため、転写後の被転
写材中において染料が経時的に移行したり、表面にブリ
ードしたりして、折角形成した画像が乱れたり、不鮮明
となったりあるいは周知の物品を汚染するという問題が
生じている。
このような問題を回避するために、比較的分子量の大な
る昇華性染料を使用すると、上記の如き高速記録方法で
は昇華速度が劣るため、上記の如く満足できる濃度の画
像が形成し得ないものであった。
従って、昇華性染料を使用する熱転写方法においては、
上記の如き極めて短時間の熱エネルギーの付与によっ
て、十分に濃度のある鮮明な画像を与え、しかも形成さ
れた画像が優れた諸堅牢性を示す熱転写シートの開発が
強く要望されているのが現状である。
本発明者は、上述の如き業界の強い要望に応えるべく鋭
意研究の結果、従来のポリエステル製織布等の昇華捺染
方法では、織布の表面が平滑ではないため、熱転写シー
トと被転写材である織布とは十分に密着することがな
く、そのために使用する染料は昇華性あるいは気化性
(すなわち、熱転写シートと織布との間に存在する空間
を移行できる性質)であることが必須条件であったが、
表面が平滑なポリエステルシートや表面加工紙等を被転
写材とする場合には、熱転写時に熱転写シートと被転写
材とが十分に密着するため、染料の昇華性や気化性のみ
が絶対的必要条件ではなく、密着した両者の界面を染料
が熱によって移行し得る性質も極めて重要であり、この
ような界面の熱移行性は、使用する染料の無機性および
有機性によって大いに影響されることを知見し、適当な
無機性/有機性の値(以下I/O値という)を有する染料
を選択することによって、従来の常識では使用不能であ
ると考えられている程度の分子量の染料であっても良好
な熱移行性を有することを知見したものである。そして
このような染料のI/O値によって選択した染料を担持す
る熱転写シートを用いることによって、極めて短時間の
熱エネルギーの付与であっても、使用した染料が容易に
被転写材に移行し、高い濃度と優れた諸堅牢性を有する
記録画像が形成されることを知見して本発明を完成し
た。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、基材シートおよび該基材シートの
一方の面に設けた染料担持層からなり、該染料担持層中
に包含される染料が、その無機性/有機性の値が2.30以
下の染料(但し下記式1〜4の染料は除く)であること
を特徴とする熱転写シートである。
(但しXは、水素原子又はメチル基を、R及びR′はそ
れぞれメチル基、エチル基、直鎖状もしくは分岐鎖状の
プロピル基又はブチル基を表わす) 次に本発明を更に詳細に説明すると、本発明において使
用し本発明を主として特徴づける上記定義の染料自体は
公知の染料であり、従来は主としてポリエステル繊維等
の分散染料として使用されていたものである。
従来種々の分散染料が、昇華転写方式の染料として転用
されていたが、昇華転写方式では迅速な昇華速度が要求
されるため、一般に分子量が300程度以下あるいは大き
くても350程度以下のものに限定されて使用されてき
た。
しかしながら、既に述べた通り、このような比較的分子
量が低いものは、転写速度や発色性は良好であるもの
の、前述の通り低い耐移行性と耐汚染性の画像を与える
ものであった。
本発明者は、前述の通り、熱転写時に熱転写シートと被
転写材とが十分に密着し得る場合には、染料の昇華性や
気化性のみならず、染料の熱移行性も重要であるという
観点から、従来昇華転写方法用としては全く選択の対象
外にされていた公知の分散染料について、熱転写用とし
ての適応性を詳細に研究した結果、分子量が300以上あ
るいは350以上、更には従来は全く実用的には使用し得
ないと考えられていた390以上のものであっても、以下
の定義に従う染料のI/O値の値が2.30以下である染料に
限って、従来の常識からは考えられない程優れた加熱移
行性を有し、更に被転写材に対する優れた染着性、発色
性を示し、そのうえ、転写した被転写材中での染料の移
行性(ブリード性)および汚染性が見られず、熱転写シ
ート用の染料として極めて理想的な性質を有することを
知見したものである。
尚、本発明において言う「I/O値」とは、甲田善生著
「有機概念図−基礎と応用−」三共出版に従うものであ
る。
本発明において前記物性値を有する熱移行性染料のなか
で好ましい具体例を挙げると以下の通りである。
(I)下記一般式(I)および/または(II)で表わさ
れる染料 但し、式中のAは、水素原子、−CONHR4(R4は水素原子
またはアルキル基である。)、 (R5はアミノ基またはアシルアミノ基である。)、−CO
CH2COR6(R6はアルキル基である。)または (R7は水素原子またはアルキル基である。)であり、X1
とX2は水素原子またはハロゲン原子であり、R1は水素原
子またはアルキル基であり、R2とR3はアルキル基または
置換アルキル基であり、BとCは水素原子、−CONHR4、
−COR6、−COOR6、アミノ基、アルキルアミノ基または
アシルアミノ基である。
このような染料は、それ自体としては公知の材料であ
り、P−アェニレンジアミン系化合物とナフトール類ま
たはフェノール類との酸化カップリング方法により得ら
れるものであり、従来は主としてカラー写真のシアン色
発色剤として使用されていたものである。
本発明において特に好ましい前記一般式(I)または
(II)の染料は、AおよびBが−CONHR4であって、R4が
C1〜C6のアルキル基であり、R1が水素原子またはメチル
基であるものであることが判った。
また、R2およびR3に関しては、いずれもがC1〜C4のアル
キル基であり、且つR2およびR3の少なくとも一方が、水
素基、または置換水酸基〔例えば−O−R′(R′は低
級アルキル基、アルキルカルボニル基等)〕、アミノ基
または置換アミノ基〔例えば、−NH−R″(R″はアル
キル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基
等)〕、シアノ基、ニトロ基等の如き水不溶性の極性基
を有するものが、最良の結果、すなわち、優れた昇華
性、基材シートに対する染着性、転写時の耐熱性、発色
性と同時に優れた耐移行性等を有するものであった。
(II)アゾ系染料 特に好適なものとしては下記の構造のものが例示され
る。
(III)アントラキノン系染料 特に好適なものとしては下記の構造のものが例示され
る。
(IV)下記一般式(III)で表わされるイミドアントラ
キノン系染料 但し、上記式中のR1は水素原子またはC1〜C20のアルキ
ル基を表わし、R2は水素原子、アミノ基またはC1〜C20
のアルキル置換アミノ基を表わし、XはOまたはNH基を
表わし、且つR3はC1〜C20のアルキル基を表わし、該ア
ルキル基は水酸基、C1〜C20のアルコキシ基またはR4−
O−基(但し、R4は水素原子またはC1〜C20のアルキル
基である)を有するC2〜C20のアルコキシ基を有しても
よい。但し下記構造式のものは除く。
特に好適なものとしては下記の構造のものが例示され
る。
(V)その他の染料 特に好適な染料として下記の如き染料が挙げられる。
上記例示の染料および例示外の本発明で使用可能な染料
のうちで好ましいものは、I/O値が1.20以下、更に好ま
しくは1.00以下であり、分子量が約300以上、更に好ま
しくは350以上、最も好ましくは390〜800のものであ
る。I/O値が2.30以上になると染料の溶融点が著しく高
くなり、また溶剤に対する溶解性および被転写材に対す
る親和性が急激に低下し、また分子量が300未満のもの
では、従来技術の種々の欠点が十分には解決されず、ま
た800を越える分子量のものでは、熱転写速度および発
色性が劣るようになり、好ましくない。
I/O値と分子量の関係については、その理論的根拠は不
明であるが、I/O値が2.30〜1.20である場合には、分子
量が350以上、好ましくは390以上の場合に許容できる熱
移行性と満足できる画像耐久性が達成され、またI/O値
が1.20以下、好ましくは1.00以下の場合には、300〜390
程度の分子量であっても、満足できる熱移行性と許容で
きる画像の耐久性が達成されるものであった。
本発明の熱転写シートは以上の如き特定の熱移行性染料
を使用することを特徴とし、それ以外の構成は従来公知
の熱転写シートの構成と同様でよい。
本発明の熱転写シートの構成に使用する基材シートとし
ては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するもの
であればいずれのものでもよく、例えば0.5〜50μm、
好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポ
リエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロ
ピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロフ
ァン等であり、特に好ましいものはポリエステルフィル
ムである。
上記の如き基材シートの表面に設ける染料担持層は、前
記の熱移行性染料を任意のバインダー樹脂で担持させた
層である。
上記の如き熱移行性染料を担持するためのバインダー樹
脂としては、従来公知のものがいずれも使用でき、好ま
しいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セ
ルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等
のビニル系樹脂、ポリエステル等が、耐熱性、染料の移
行性等の点から好ましいものである。
本発明の熱転写シートの染料担持層は基本的には上記の
材料から形成されるが、その他必要に応じて従来公知と
同様な各種の添加剤をも包含し得るものである。
このような染料担持層は、好ましくは適当な溶剤中に前
記の熱移行性染料、バインダー樹脂その他の任意成分を
加えて各成分を溶解または分散させて担持層形成用塗液
またはインキを調製し、これを上記の基材シート上に塗
布および乾燥させて形成する。
このようにして形成する担持層は0.2〜5.0μm、好まし
くは0.4〜2.0μm程度の厚さであり、また担持層中の熱
移行性染料は、担持層の重量の5〜70重量%、好ましく
は10〜60重量%の量で存在するのが好適である。
上記の如き熱転写シートは、そのままで十分に本発明に
おいて有用であるが、更にその染料担持層表面に粘着防
止層、すなわち離型層を設けてもよく、このような層を
設けることにより、熱転写時における熱転写シートと被
転写材の粘着を防止し、更に高い熱転写温度を使用し、
一層優れた濃度の画像を形成することができる。
この離型層としては、単に粘着防止性の無機粉末を付着
させたのみでも相当の効果を示し、更に、例えばシリコ
ーンポリマー、アクリルポリマー、フッ素化ポリマーの
如き離型性に優れた樹脂から0.01〜5μm、好ましくは
0.05〜2μmの離型層を設けることによって形成するこ
とができる。
尚、上記の如き無機粉体あるいは離型性ポリマーは染料
担持層中に包含させても十分な効果を奏するものであ
る。
更に、このような本発明の熱転写シートの裏面に、サー
マルヘッドの熱による悪影響を防止するために耐熱層を
設けてもよい。
本発明の熱転写シートを用いて、画像を形成するために
使用する被転写材は、その記録面が前記の染料に対して
染料受容性を有するものであればいかなるものでもよ
く、また染料受容性を有しない紙、金属、ガラス、合成
樹脂等である場合には、その少なくとも一方の表面に染
料受容層を形成すればよい。
染料受容層を形成しなくてもよい被転写材としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハ
ロゲン化ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他
のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、
セルロースジアセテート、セルローストリアセテート等
のセルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリイミド等からなる繊維、織布、フイルム、シー
ト、成形物等が挙げられる。
特に好ましいものはポリエステルからなるシートまたは
フィルムあるいはポリエステル層を設けた加工紙であ
る。また、本発明では紙、金属、ガラスその他の非染着
性の被転写材であっても、その記録面に上記の如き染着
性の樹脂の溶液または分散液を塗布および乾燥させる
か、あるいはそれらの樹脂フィルムをラミネートするこ
とにより、被転写材とすることができる。
更に、上記の染着性のある被転写材であっても、その表
面に更に染着性の良い樹脂から、上記の紙の場合の如く
して染料受容層を形成してもよい。
このようにして形成する染料受容層は、単独の材料から
でも、また複数の材料から形成してもよく、更に本発明
の目的を妨げない範囲で各種の添加剤を包含してもよい
のは当然である。
このような染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的に
は5〜50μmの厚さである。また、このような染料受容
層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。
このような被転写材は基本的には上記の如くで、そのま
までも十分に使用できるものであるが、上記被転写材ま
たはその染料受容層中に、粘着防止用の無機粉末を包含
させることができ、このようにすれば熱転写時の温度を
より高めても熱転写シートと被転写材との粘着を防止し
て、更にすぐれた熱転写を行うことができる。特に好ま
しいのは、微粉末のシリカである。
また、上記のシリカの如き無機粉末に代えて、または併
用して、離型性の良好な前述の如き樹脂を添加してもよ
い。特に好ましい離型性ポリマーは、シリコーン化合物
の硬化物、例えばエポキシ変性シリコーンオイルとアミ
ノ変性シリコーンオイルからなる硬化物が挙げられる。
このような離型剤は、染料受容層の重量の約0.5〜30重
量%を占める割合が良い。
また使用する被転写材は、その染料受容層の表面に、上
記の如き無機粉体を付着させて粘着防止効果を高めても
よいし、また、前述の如き離型性に優れた離型剤からな
る層を設けてもよい。
このような離型層は約0.01〜5μmの厚さで十分な効果
を発揮して、熱転写シートの染料受容層との粘着を防止
しつつ、一層染料受容性を向上させることができる。
本発明の熱転写シートおよび上記の如き被記録材を使用
して熱転写を行う際に使用する熱エネルギーの付与手段
は、従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えばサ
ーマルプリンター(例えば、東芝(株)製、サーマルプ
リンターTN−5400)等の記録装置によって、記録時間を
コントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱
エネルギーを付与することによって、本発明の目的が十
分に達成することができる。
特に本発明の熱転写シートは、本願出願人による特願昭
60−050660号明細書に記載の方法における如く、転写時
に予めまたは同時に熱転写シートおよび/または被転写
材を40〜100℃程度の温度に加熱しておいて上記の如き
記録に実施する場合には一層優れた転写速度と高い記録
濃度を達成できることを知見した。従って本発明の熱転
写シートは、特願昭60−050660号明細書に記載の方法で
使用するものとして特に有用である。
(作用・効果) 以上の如き本発明によれば、すでに部分的に述べた通
り、本発明の熱転写シートの構成に使用する特定の染料
が、従来同種熱転写シートに使用された熱移行性染料
(分子量約150〜300程度)に比して、300以上あるいは3
50以上更には390以上という著しく高い分子量を有する
にも係わらず、優れた加熱移行性、基材シートに対する
染着性、発色性を示すのは、染料として、転写時の熱に
よって、容易に移行性となり、且つ被転写材に対して高
い親和性を示すものをI/O値を基準として選択したこと
による。
従って、このような特定の物性値を有する染料を選択し
たことによって、転写時の染料の移行が極めて短時間で
も十分に行われ、且つ転写後は被転写材中において移行
したり表面にブリードアウトしたりすることがない。
従って本発明の熱転写シートを用いて形成された画像は
優れた堅牢度、特に耐移行性および耐汚染性を有するた
め、長期間保存しても形成された画像のシャープさが損
なわれたりあるいは他の物品を汚染したりすることが全
くなく、従来技術の種々の問題が十分に解決された。
次に実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、文中、部または%とあるのは特に断りの
無い限り重量基準である。
実施例1〜5 下記組成の染料担持層形成用インキ組成物を調製し、背
面に耐熱処理を施した9μm厚のポリエチレンテレフタ
レートフィルムに、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように
塗布および乾燥して本発明の熱転写シートを得た。
後記第1表の染料 3部 ポリブチラール樹脂 4.5 部 メチルエチルケトン 46.25部 トルエン 46.25部 次に、基材シートとして合成紙(王子油化製、ユポFPG
#150)を用い、この一方の面に下記の組成の塗工液を
乾燥時4.5g/m2になる割合で塗布し、100℃で分間乾燥し
て被転写材を得た。
ポリエステル樹脂 (Vylon103、東洋紡製、Tg=47℃) 0.8 部 EVA系高分子可塑剤 (エルバロイ741P、三井ポリケミカル製、Tg=−37℃)
0.2部 アミノ変性シリコーン (KF−857、信越化学工業製) 0.04部 エポキシ変性シリコーン (KF−103、信越化学工業製) 0.04部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重
量比4:4:2) 9.0 部 前記の本発明の熱転写シートと上記の被転写材とを、そ
れぞれの染料担持層と染料受容面とを対向させて重ね合
せ、熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧10V、印加
時間4.0msec.の条件でサーマルヘッドで記録を行い、下
記第1表の結果を得た。
尚、染料Iは、前記一般式(I)において、A=−CONH
R4、R4=n−ブチル基、R1=水素、R2=エチル基、R3=
エチル基の染料である(I/O値=0.96、分子量403)。
染料IIは、同様にA=−CONHR4、R4=n−プロピル基、
R1=メチル基、R2=エチル基、R3=エチル基の染料であ
る(I/O値=0.96、分子量403)。
染料IIIは、同様にA=−CONHR4、R4=n−ブチル基、R
1=水素、R2=エチル基、R3=C2H4NHSO2CH3の染料であ
る(I/O値=1.39、分子量495)。
染料IVは、同様にA=−CONHR4、R4=n−ブチル基、R1
=メチル基、R2=エチル基、R3=ヒドロキシエチル基の
染料である(I/O値=1.12、分子量433)。
染料Vは、同様にA=−CONHR4、R4=n−プロピル基、
R1=水素、R2=メメル基、R3=メチル基の染料である
(I/O値=1.10、分子量361)。
尚、いずれの染料もX1とX2は水素原子である。
実施例6〜8 実施例1〜5における染料に代えて、前記一般式(II)
における置換基が下記のものである染料を用い、他は実
施例1〜5と同様にして、実施例1〜6と同様に優れた
結果を得た。
実施例9〜12 実施例1〜5における染料に代えて、前記の染料を使用
し、他は実施例1〜5と同様にして下記第3表の結果を
得た。
尚、染料Iは前記式(1)の染料である。
染料IIは前記式(3)の染料である。
染料IIIは前記式(8)の染料である。
染料IVは前記式(9)の染料である。
実施例13 染料担持層形成用インキの組成を下記の如くしたことを
除き、他は実施例1と同様にして下記の結果を得た。
前記式13表の染料 3 部 ポリブチラール樹脂 4.5 部 メチルエチルケトン 25.35部 トルエン 25.35部 N,N−ジメチルホルムアミド 43.80部 発色濃度:1.21、堅牢度:○、色調:紅 実施例14 実施例13の染料に代えて前記式14の染料を使用し、他は
実施例13と同様にして下記の結果を得た。
発色濃度:1.26、堅牢度:◎、色調:紅 実施例15〜22 実施例1〜5における染料に代えて、前記の染料を使用
し、他は実施例1〜5と同様にして下記第4表の結果を
得た。
尚、染料Iは前記式(15)の染料である。
染料IIは前記式(16)の染料である。
染料IIIは前記式(17)の染料である。
染料IVは前記式(18)の染料である。
染料Vは前記式(19)の染料である。
染料VIは前記式(10)の染料である。
染料VIIは前記式(11)の染料である。
染料VIIIは前記式(12)の染料である。
実施例23〜27 染料担持層形成用インキの組成を下記の如くしたことを
除き、他は実施例1〜5と同様にして下記第5表の結果
を得た。
後記第5表の染料 1 部 ポリブチラール樹脂 4.5 部 メチルエチルケトン 25.35部 トルエン 25.35部 テトラヒドロフラン 43.80部 比較例1〜7 実施例1〜5における染料として下記第6表の染料を使
用し、他は実施例1と同様にして下記第6表の結果を得
た。
尚、染料I′は、ディスパーズ・レッド1である(I/O
値=0.77、分子量314)。
染料II′は、ディスパーズ・バイオレット1である(I/
O値=1.34、分子量238)。
染料III′は、ディスパーズ・バイオレット4である(I
/O値=1.25、分子量252)。
染料IV′は、ディスパーズ・バイオレット28である(I/
O値=1.10、分子量305)。
染料V′は、ディスパーズ・イエロー7である(I/O値
=0.54、分子量332)。
染料VI′は、ディスパーズ・イエロー23である(I/O値
=0.57、分子量318)。
染料VII′は、ディスパーズ・ブルー26である(I/O値=
1.80、分子量298)。
尚、前記における発色濃度は米国マクベス社製のテンシ
ートメーターRD−918で測定した値である。
堅牢度は、記録画像を50℃の雰囲気中に長時間放置した
後、画像のシャープさが変化せず、また表面を白紙で摩
擦しても白紙が着色しないものを◎とし、僅かシャープ
さが失なわれ且つ僅かに白紙が着色したものを○とし、
シャープさが失なわれ、白紙が着色したものを△とし、
画像が不鮮明となり、白紙が著しく着色したものを×で
表示した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートおよび該基材シートの一方の面
    に設けた染料担持層からなり、該染料担持層中に包含さ
    れる染料が、その無機性/有機性の値が2.30以下の染料
    (但し下記式1〜4の染料は除く)であることを特徴と
    する熱転写シート。 (但しXは、水素原子又はメチル基を、R及びR′はそ
    れぞれメチル基、エチル基、直鎖状もしくは分岐鎖状の
    プロピル基又はブチル基を表わす)
  2. 【請求項2】染料の分子量が、300以上である特許請求
    の範囲第(1)項に記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】染料の分子量が、350以上である特許請求
    の範囲第(1)項に記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】染料の分子量が、390〜800である特許請求
    の範囲第(1)項に記載の熱転写シート。
  5. 【請求項5】染料の無機性/有機性が、1.20以下である
    特許請求の範囲第(1)項に記載の熱転写シート。
  6. 【請求項6】染料の無機性/有機性が、1.00以下である
    特許請求の範囲第(1)項に記載の熱転写シート。
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