JP3236683B2 - 熱転写用染料及び熱転写シート - Google Patents
熱転写用染料及び熱転写シートInfo
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Description
シートに関し、更に詳しくは発色濃度、鮮明性及び諸堅
牢性、特に耐光性に優れた記録画像を形成することが出
来る熱転写用染料及び熱転写シートの提供を目的とす
る。
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これを紙等
の基材シートに担持させて熱転写シートとし、昇華性染
料で染着可能な被転写材、例えば、ポリエステル製織布
等に重ね、熱転写シートの裏面からパターン状に熱エネ
ルギーを与えて、昇華性染料を被転写材に移行させる昇
華転写方法が行われている。又、最近では上記昇華タイ
プの熱転写方式を使用して、紙やプラスチックフイルム
上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されて
いる。この場合には加熱手段としてプリンターのサーマ
ルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3色
又は4色の多数の色ドットを被転写材に転移させ、該多
色の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再現する。
この様に形成された画像は、使用する色材が染料である
ことから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れている
為、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従
来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様で
あり、且つフルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像
が形成可能となっている。
上記熱転写方法における最も重要な問題として、形成さ
れた画像の発色濃度、鮮明性及び耐光性の問題がある。
即ち、高速記録の場合には熱エネルギーの付与は、秒単
位以下の極めて短時間であることが要求され、従ってこ
の様な短時間では昇華性染料及び被転写材が十分には加
熱されない為に、十分な濃度の画像を形成することが出
来ない。従って、この様な高速記録に対応する為に、昇
華性に優れた昇華性染料が開発されたが、昇華性に優れ
る染料は、一般にその分子量が小である為、転写後の被
転写材中において染料が経時的に移行したり表面にブリ
ードしたりして、折角形成した画像が乱れたり、不鮮明
となったり或いは周囲の物品を汚染するという耐熱移行
性の問題や分子量が小さいことによる耐光性の問題が生
じている。この様な問題を回避する為に比較的分子量の
大なる昇華性染料を使用すると、上記の如き高速記録方
法では昇華速度が劣る為、上記の如く満足出来る濃度の
画像が形成し得ないものであった。従って、本発明の目
的は、昇華性染料を使用する熱転写方法において、十分
に濃度のある鮮明な画像を与え、しかも形成された画像
が優れた諸堅牢性、特に優れた耐光性を示す熱転写シー
トを提供することである。
によって達成される。即ち、本発明は、下記一般式
(A)で表されることを特徴とする熱転写用染料、及び
該染料を使用した熱転写シートである。 (式中、R1及びR2は水素原子、置換されてもよいアル
キル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換され
てもよいアリル基、置換されてもよいアリール基、置換
されてもよいアラルキル基、置換されてもよい複素環基
又は置換されてもよいアルケニル基を表し、且つR1と
R2とで環を形成してもよい。R3はシアノ基、ニトロ
基、カルバモイル基、アミノカルボニル基、アルコキシ
カルボニル基、水素原子、アシル基、アルコキシ基、ア
シロキシ基又はアルコキシカルボニルオキシ基を表す。
R4は水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、
置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環
アリール基、置換されてもよいアルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アミノ基、イミド基、ニトロ基、アルキルスルホニル
基、アシルアミノ基、アリールスルホニル基、アリール
カルボニルアミノ基又は電子吸引基を表す。Xは以下の
化学式の何れか1種を表わす。 (上記式中において、R及びR’はC、H、N、O、S
を含む残基又はハロゲン原子からなる置換基を表す。)
めて短時間の熱エネルギーの付与であっても、使用した
染料が容易に被転写材に移行し、優れた発色濃度、鮮明
性及び耐光性を有する記録画像を与える熱転写シートが
提供される。
発明を更に詳細に説明する。
(A)で表され、公知の任意のカップラーを公知の方法
でカップリングさせることによって得られる。各染料の
具体例及び後述の熱転写シートに用いた場合の各種性能
を下記に例示する。
染料を使用することを特徴とし、それ以外の構成は従来
公知の熱転写シートの構成と同様でよい。前記の染料を
含む本発明の熱転写シートに使用する基材シートとして
は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するもので
あればいずれのものでもよく、例えば、0.5〜50μ
m、好ましくは3〜10μm程度の厚さの紙、各種加工
紙、ポリエステルフイルム、ポリスチレンフイルム、ポ
リプロピレンフイルム、ポリスルホンフイルム、ポリカ
ーボネートフイルム、アラミドフイルム、ポリビニルア
ルコールフイルム、セロファン等であり、特に好ましい
ものはポリエステルフイルムである。
担持層は、前記一般式(A)の染料を任意のバインダー
樹脂で担持させた層である。前記の染料を担持する為の
バインダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使
用出来、好ましいものを例示すれば、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセル
ロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル
系樹脂等が挙げられ、これらの中で特にポリビニルブチ
ラール及びポリビニルアセタールが、耐熱性、染料の移
行性等の点から好ましいものである。
本的には上記の材料から形成されるが、その他必要に応
じて従来公知と同様な各種の添加剤をも包含し得るもの
である。この様な染料担持層は、好ましくは適当な溶剤
中に前記の染料、バインダー樹脂その他の任意成分を加
えて各成分を溶解又は分散させて担持層形成用塗液又は
インキを調製し、これを上記の基材シート上に塗布及び
乾燥させて形成する。
5.0μm好ましくは0.4〜2.0μm程度の厚さで
あり、又、担持層中の前記の染料は担持層の重量の5〜
70重量%、好ましくは10〜60重量%の量で存在す
るのが好適である。上記の如き本発明の熱転写シート
は、そのままで熱転写用として十分に有用であるが、更
にその染料担持層表面に粘着防止層、即ち離型層を設け
てもよく、この様な層を設けることにより、熱転写時に
おける熱転写シートと被転写材の粘着を防止し、更に高
い熱転写温度を使用し、一層優れた濃度の画像を形成す
ることが出来る。
機粉末を付着させたのみでも相当の効果を示し、更に、
例えば、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ
素化ポリマーの如き離型性に優れた樹脂から0.01〜
5μm、好ましくは0.05〜2μmの離型層を設ける
ことによって形成することが出来る。尚、上記の如き無
機粉体或いは離型性ポリマーは染料担持層中に包含させ
ても十分な効果を奏するものである。更に、この様な熱
転写シートの裏面に、サーマルヘッドの熱による悪影響
を防止する為に耐熱層を設けてもよい。
形成する為に使用する被転写材は、その記録面が前記の
染料に対して染料受容性を有するものであればいかなる
ものでもよく、又、染料受容性を有しない紙、金属、ガ
ラス、合成樹脂等である場合には、その少なくとも一方
の表面に染料受容層を形成すればよい。上記の如き本発
明の熱転写シート及び上記の如き被記録材を使用して熱
転写を行う際に使用する熱エネルギーの付与手段は、従
来公知の付与手段がいずれも使用出来、例えば、サーマ
ルプリンター(例えば、日立製作所製、ビデオプリンタ
ーVY−100)等の記録装置によって、記録時間をコ
ントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程
度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を
十分に達成することが出来る。
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 実施例 下記組成の染料担持層形成用インキ組成物を調製し、背
面に耐熱処理を施した6μm厚のポリエチレンテレフタ
レートフイルムに、乾燥塗布量が1.0g/m2になる
様に塗布及び乾燥して本発明の熱転写シートを得た。 前記表1〜11の染料 3部 ポリビニルブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 46.25部 トルエン 46.25部 但し、上記組成において染料が不溶な場合には、溶媒と
してDMF、ジオキサン、クロロホルム等を適宜用い
た。又、上記溶媒を使用しても十分には溶解しない場合
には、その濾液を使用した。
製、ユポFPG#150)を用い、この一方の面に下記
の組成の塗工液を乾燥時10.0g/m2になる割合で
塗布し、100℃で30分間乾燥して被転写材を得た。 ポリエステル樹脂(Vylon200、東洋紡製) 11.5部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VYHH、UCC 製) 5.0部 アミノ変性シリコーン(KF−393 、信越化学工業製) 1.2部 エポキシ変性シリーコーン(X-22-343、信越化学工業製) 1.2部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重量比4:4:2 ) 102.0部
写材とを、夫々の染料担持層と染料受容面とを対向させ
て重ね合せ、熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧1
1V、印字時間16.0msec.の条件でサーマルヘッド
で記録を行い、前記表1〜11の結果を得た。
し、他は実施例1と同様にして下記表12の結果を得
た。
トメーターRD−918で測定した値である。耐光性
は、50KLuxのキセノンアーク灯で24時間照射
後、画像のシャープさが変化しないものを○とし、僅か
にシャープさが失われたものを△とし、シャープさが失
われたものを×とした。
を使用することによって、極めて短時間の熱エネルギー
の付与であっても、使用した染料が容易に被転写材に移
行し、発色濃度、鮮明性及び耐光性に優れた記録画像を
与える熱転写シートが提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(A)で表されることを特徴
とする熱転写用染料。 (式中、R1及びR2は水素原子、置換されてもよいアル
キル基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換され
てもよいアリル基、置換されてもよいアリール基、置換
されてもよいアラルキル基、置換されてもよい複素環基
又は置換されてもよいアルケニル基を表し、且つR1と
R2とで環を形成してもよい。R3はシアノ基、ニトロ
基、カルバモイル基、アミノカルボニル基、アルコキシ
カルボニル基、水素原子、アシル基、アルコキシ基、ア
シロキシ基又はアルコキシカルボニルオキシ基を表す。
R4は水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、
置換されてもよいアリール基、置換されてもよい複素環
アリール基、置換されてもよいアルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アミノ基、イミド基、ニトロ基、アルキルスルホニル
基、アシルアミノ基、アリールスルホニル基、アリール
カルボニルアミノ基又は電子吸引基を表す。Xは以下の
化学式の何れか1種を表わす。 (上記式中において、R及びR’はC、H、N、O、S
を含む残基又はハロゲン原子からなる置換基を表す。) - 【請求項2】 基材シート及び該基材シートの一方の面
に形成された染料担持層からなり、該染料担持層に包含
される染料が、請求項1に記載の染料であることを特徴
とする熱転写シート。
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