JP3295490B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3295490B2
JP3295490B2 JP14442793A JP14442793A JP3295490B2 JP 3295490 B2 JP3295490 B2 JP 3295490B2 JP 14442793 A JP14442793 A JP 14442793A JP 14442793 A JP14442793 A JP 14442793A JP 3295490 B2 JP3295490 B2 JP 3295490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写シートに関し、更
に詳しくは発色濃度、鮮明性及び諸堅牢性、特に耐光性
に優れた記録画像を形成することが出来る熱転写シート
の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中でも昇華性染料を記録剤として基材シー
トに担持させて熱転写シートとし、紙やプラスチックフ
イルム上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案
されている。この場合には加熱手段としてプリンターの
サーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によっ
て3色又は4色の多数の色ドットを被転写材に転移さ
せ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再
現する。この様に形成された画像は、使用する色材が染
料であることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れ
ている為、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優
れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と
同様であり、且つフルカラー写真画像に匹敵する高品質
の画像が形成可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
上記熱転写方法におけるフルカラー画像の再現は減色混
合であり、かかる減色混合においては、一般にマゼンタ
の彩度が色再現域を大きく左右する。前記式1〜3の染
料混合物は優れた発色濃度、鮮明性及び耐光性のマゼン
タ画像を与えるが、採用するマゼンタ染料によっては、
赤味が不足したり、黄味が不足して色再現性という点で
問題が生じる場合がある。従って、本発明の目的は、昇
華性染料を使用する熱転写方法において、マゼンタ色の
彩度が高いにも係らず、色再現性、発色濃度、鮮明性及
び諸堅牢性、特に耐光性に優れたフルカラー画像を与え
る熱転写シートを提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シート及び
該基材シートの一方の面に形成された染料担持層からな
り、マゼンタ色の染料担持層が、マゼンタ染料である
記式1〜式2で示されるアントラキノン系染料の少なく
とも1種と、マゼンタ染料である下記式3で示されるポ
リメチン系染料の少なくとも1種と、下記式I〜IIIで
表わされるイエロー染料の少なくとも1種との混合物で
り、上記イエロー染料の量が、上記マゼンタ染料の量
の10重量%以下であることを特徴とする熱転写シート
である。
【0005】
【化4】 (式中X及びYは−S−、−O−又は−SO−を表
し、R及びRは置換又は非置換のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基又はアリル基を表す。)
【0006】
【化5】 (式中R及びRは置換又は非置換のアルキル基を、
は置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換
の芳香族複素環基を、Rは置換又は非置換のアルキル
基、シクロアルキル基又はNR 10を、R 及びR
10は置換又は非置換のアルキルカルボニル基又は置換
又は非置換のアリールカルボニル基を表す。)
【0007】
【化6】
【0008】
【作用】特定の染料を混合して使用することによって、
マゼンタ色の彩度が高いにも係らず、色再現性、発色濃
度、鮮明性及び諸堅牢性、特に耐光性に優れたフルカラ
ー画像を与える熱転写シートを提供することが出来る。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明で使用するアントラ
キノン系染料としては、前記式1〜式2で示される染料
が挙げられ、これらの染料は単独でも混合物としても使
用することが出来る。特にアントラキノン染料を2種以
上混合して使用することにより、より適切なマゼンタ色
を出すことが出来る。又、本発明で使用するポリメチン
系染料としては、前記式3で示される染料が挙げられ、
これらの染料は単独でも混合物としても使用することが
出来る。
【0010】又、本発明で使用するイエロー染料として
は、前記式(I)〜(III)で示される染料が挙げら
れ、これらの染料は単独でも混合物としても使用するこ
とが出来る。これらのイエロー染料のうちで、式(II)
の染料は、赤味の強いイエロー染料であって、前記マゼ
ンタ染料に混合することによって、混合染料によって発
色される色調のb値を大きくする、即ちマゼンタ色の
赤味を強くする効果がある。該染料は、例えば、テラジ
ル ゴールデン イエロー 2RSの商品名でチバガイ
ギー社から入手して使用することが出来る。
【0011】又、式(I)と式(III)の染料は殆ど同
じ色調のレモンイエロー色(ミドリイエロー色)を呈
し、前記マゼンタ染料に混合することによって、混合染
料によって発色されるマゼンタ色の黄味を強くする効果
がある。該染料(I)は、例えば、フォロン ブリリア
ント イエロー S−6GLの商品名でサンド社から入
手して使用することが出来、又、式(III)の染料は、
マクロレックス イエロー 6Gの商品名でバイエル社
から入手して使用することが出来る。上記のイエロー染
料は、採用するマゼンタ染料の発色色調を勘案して適当
なものを選択使用して、最終的に発色されるマゼンタ色
の色調を最適化する量で使用する。以下に本発明で使用
するのに好適なアントラキノン系染料及びポリメチン系
染料を下記表1〜6に、それらの置換基によって表現し
て挙げる。尚、これらの染料自体は、分散染料等として
公知の染料であり、市場から入手して本発明で使用する
ことが出来る。
【0012】
【表1】前記式1の染料
【0013】
【表2】前記式1の染料
【0014】
【表3】前記式2の染料
【0015】
【表4】前記式2の染料
【0016】
【表5】前記式2の染料
【0017】
【表6】前記式3の染料
【0018】以上の如きアントラキノン系染料とポリメ
チン系染料とは、選択された夫々の特定の染料によって
異なるが、一般的には重量比で5〜95:95〜5の比
率で使用することが好ましい。アントラキノン系染料の
割合が大きすぎると発色濃度が低下したり、色再現性が
悪化する等の点で不満足であり、一方、少なすぎると耐
光性が低下する等の点で不満足である。又、本発明で使
用する前記(I)〜(III)の染料の使用量は、前記マ
ゼンタ染料の10重量%以下の量で、好ましくは0.1
〜5重量部の割合で使用する。
【0019】又、色相調整の為に他の公知のイエロー染
料、マゼンタ染料、シアン染料を混合してもよく、一般
的には、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、
チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニ
リン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチ
ン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリ
ドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンチン
系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチ
レンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジ
ン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、
チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、
ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールア
ゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾに代表される複素環ア
ゾ系、スピロジピラン系、インドリノスピロピラン系、
フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン
系、アントラキノン系、キノフタロン系等の染料が代表
的であり、具体的には以下の様な染料が好ましく用いら
れ得る。
【0020】C.I.(Color Index)イエ
ロー51、3、54、79、60、23、7、141、
201、231;C.I.ディスパースブルー24、5
6、14、301、334、165、19、72、8
7、287、154、26、354;C.I.ディスパ
ースレッド135、146、59、1、73、60、1
67;C.I.ディスパースバイオレット4、13、2
6、36、56、31、ディスパーズオレンジ149;
C.I.ソルベントバイオレット13;C.I.ソルベ
ントブラック3;C.I.ソルベントグリーン3;C.
I.ソルベントイエロー56、14、16、29;C.
I.ソルベントブルー70、35、63、36、50、
49、111、105、97、11;C.I.ソルベン
トレッド135、81、18、25、19、23、2
4、143、146、182等。
【0021】更に具体的には、例えば、3,3´−ジエ
チルオキサチアシアニン・アイオダイド・アストラゾン
ピンクFG(バイエル社製、C.I.48015)、
2,2´・カルボシアニン(C.I.808)、アスト
ラフイロキシンFF(C.I.48070)、アストラ
ゾン・イエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー
21)、アイゼン・カチロンエロー3GLH(保土谷化
学製、C.I.48055)、アイゼン・カチロンレッ
ド6BH(C.I.48020)等の如きモノメチン
系、ジメチン系又はトリメチン系等のメチン(シアニ
ン)系塩基性染料類;オーラミン(C.I.655)等
の如きジフェニルメタン系塩基性染料類;マラカイト・
グリーン(C.I.42000)、ブリリアント・グリ
ーン(C.I.42040)、マジェンタ(C.I.4
2510)、メタル・バイオレット(C.I.4253
5)、クリスタル・バイオレット(C.I.4255
5)、メチル・グリーン(C.I.684)、ビクトリ
ア・ブルーB(C.I.44045)等のトリフェニル
メタン系塩基性染料;ピロニンG(C.I.739)、
ローダミンB(C.I.45170)、ローダミン6G
(C.I.45160)等のキサンテン系塩基性染料;
アクリジン・イエローG(C.I.785)、レオニン
AL(C.I.46075)、ベンゾフラビン(C.
I.791)、アフイン(C.I.46045)等のア
クリジン系塩基性染料;ニュートラル・レッド(C.
I.50040)、アストラゾン・ブルーBGE/x
125%(C.I.51005)、メチレン・ブルー
(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染
料;その他第4級アンモニウム基を有するアントラキノ
ン系塩基性染料等の塩基性染料等が挙げられる。
【0022】又、シアン染料として、カヤセットブルー
714(日本化薬製、ソルベントブルー63)、フォロ
ンブリリアントブルーS−R(サンド製、ディスパース
ブルー354)、ワクソリンAP−FW(ICI製、ソ
ルベントブルー36)、マゼンダ染料として、MS−R
EDG(三井東圧製、ディスパースレッド60)、マク
ロレックスレッドバイオレッドR(バイエル製、ディス
パースバイオレッド26)、更に以下の構造式のものが
挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】これらの染料は、そのままの形態で、或は
これらの染料をアルカリ処理した形態で用いることが出
来、又、これらの染料の対イオン交換体或はロイコ体も
用いることが出来る。常態では無色或は淡色であるロイ
コ染料等を使用する場合は、熱転写受像シートに顕色剤
に包含させておけばよい。又、特開昭59−78895
号、同60−28451号、同60−28453号、同
60−53564号、同61−148096号、同60
−239290号、同60−31565号、同60−3
0393号、同60−53565号、同60−2759
4号、同61−262191号、同60−152563
号、同61−244595号及び同62−196186
号及び国際公開WO92/05032に記載の昇華性イ
エロー染料、同60−223862号、同60−284
52号、同60−31563号、同59−78896
号、同60−31564号、同60−30391号、同
61−227092号、同61−227091号、同6
0−30392号、同60−30394号、同60−1
31293号、同61−227093号、同60−15
9091号、同61−262190号、米国特許4,6
98,651号及び特願昭62−220793号、米国
特許5,079,365号に記載の昇華性マゼンダ染
料、特開昭59−78894号、同59−227490
号、同60−151098号、同59−227493
号、同61−244594号、同59−227948
号、同60−131292号、同60−172591
号、同60−151097号、同60−131294
号、同60−217266号、同60−31559号、
同60−53563号、同61−255897号、同6
0−239289号、同61−22993号、同61−
19396号、同61−268493号、同61−35
994号、同61−31467号、同61−14826
9号、同61−49893号、同61−57651号、
同60−239291号、同60−239292号、同
61−284489号、同62−191191号公報及
び特願昭62−176625、米国特許5,079,3
65号等の公報や明細書に記載の昇華性シアン染料も好
適に用いられる。本発明において特に好ましい染料の一
般式を例示する。
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】上記一般式において、R、X及びYは下記
の置換基を表す。及びR 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基又は置換又は非置換のアラルキル基。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシ基、置換又は非置換のアルキルカルボニルアミノ
基、置換又は非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置
換又は非置換のアルキルアミノカルボニル基、置換又は
非置換のアルキルアミノスルホニル基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非
置換のアルキルアミノカルボニル基、置換又は非置換の
アルコキシ基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のシクロアルキル基、複素環基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノカ
ルボニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は
非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換
のシクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原
子又は水素原子。
【0031】 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリー
ル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のシ
クロアルキル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ
基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換の
アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子。 置換又は非置換のアリール基、芳香族複素環基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子又は他の電子吸引基。 CONHR10、SONHR10、NHCOR11
NHSO11又はハロゲン原子。 R10 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は
非置換の芳香族複素環基。
【0032】11 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置
換のアリール基、又は置換又は非置換の芳香族複素環
基。12 置換又は非置換のアルキル基。13 アミノ基又は水酸基。 ハロゲン原子。 置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の芳香族
複素環基。
【0033】本発明の熱転写シートは以上の如き特定の
染料混合物を使用することを特徴とし、それ以外の構成
は従来公知の熱転写シートの構成と同様でよい。前記の
染料混合物を使用する本発明の熱転写シートに使用する
基材シートとしては、従来公知のある程度の耐熱性と強
度を有するものであればいずれのものでもよく、例え
ば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10μm程度の
厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフイルム、ポリス
チレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリスルホ
ンフイルム、ポリカーボネートフイルム、アラミドフイ
ルム、ポリビニルアルコールフイルム、セロファン等で
あり、特に好ましいものはポリエステルフイルムであ
る。
【0034】上記の如き基材シートの表面に設ける染料
担持層は、前記染料混合物を任意のバインダー樹脂で担
持させた層である。前記の染料混合物を担持する為のバ
インダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使用
出来、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
ス、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース
系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹
脂等が挙げられ、これらの中で特にポリビニルブチラー
ル及びポリビニルアセタールが、耐熱性、染料の移行性
等の点から好ましいものである。
【0035】本発明の熱転写シートの染料担持層は、基
本的には上記の材料から形成されるが、その他必要に応
じて従来公知と同様な各種の添加剤をも包含し得るもの
である。この様な染料担持層は、好ましくは適当な溶剤
中に前記の染料混合物、バインダー樹脂その他の任意成
分を加えて各成分を溶解又は分散させて担持層形成用塗
液又はインキを調製する。例えば、塗工適性の調整及び
受像シートとの融着防止の為に、ポリエチレンワックス
等の有機微粒子、無機微粒子等を染料層中に含有させる
ことが出来る。これを上記の基材シート上に塗布及び乾
燥させて形成する。この様にして形成する担持層は、
0.2〜5.0μm好ましくは0.4〜2.0μm程度
の厚さであり又、担持層中の前記の染料混合物は担持層
の重量の5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%
の量で存在するのが好適である。上記の如き本発明の熱
転写シートは、そのままで熱転写用として十分に有用で
あるが、更にその染料担持層表面に粘着防止層、即ち離
型層を設けてもよく、この様な層を設けることにより、
熱転写時における熱転写シートと被転写材の粘着を防止
し、更に高い熱転写温度を使用し、一層優れた濃度の画
像を形成することが出来る。
【0036】この離型層としては、単に粘着防止性の無
機粉末を付着させたのみでも相当の効果を示し、更に、
例えば、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ
素化ポリマーの如き離型性に優れた樹脂から0.01〜
5μm、好ましくは0.05〜2μmの離型層を設ける
ことによって形成することが出来る。尚、上記の如き無
機粉体或いは離型性ポリマーは染料担持層中に包含させ
ても十分な効果を奏するものである。更に、この様な熱
転写シートの裏面に、サーマルヘッドの熱による悪影響
を防止する為に耐熱層を設けてもよい。耐熱層として
は、例えば、ポリビニルブチラールとイソシアネート類
との反応生成物に燐酸エステルのアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩等の界面活性剤及びタルク等の充填剤
を含んでなる層を設けることが出来る。以上の如き熱転
写シートを用いて、画像を形成する為に使用する被転写
材は、その記録面が前記の染料に対して染料受容性を有
するものであればいかなるものでもよく、又、染料受容
性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂等である場合
には、その少なくとも一方の表面に染料受容層を形成す
ればよい。
【0037】上記の如き本発明の熱転写シート及び上記
の如き被記録材を使用して熱転写を行う際に使用する熱
エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれ
も使用出来、例えば、サーマルプリンター(例えば、日
立製作所製、ビデオプリンターVY−100)等の記録
装置によって、記録時間をコントロールすることによ
り、5〜100mJ/mm程度の熱エネルギーを付与
することによって所期の目的を十分に達成することが出
来る。特に本発明の熱転写シートは、マゼンタ画像を形
成することが出来、イエロー及びシアンの熱転写シート
と組み合わせて使用し、或いはイエロー、前記マゼンタ
及びシアンの染料層を面順次に設けた熱転写シートによ
って色再現性に優れたフルカラー画像を提供することが
出来る。
【0038】
【実施例】次に参考例、実施例及び実施例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とある
のは特に断りの無い限り重量基準である。 参考例1〜6 下記組成の染料担持層形成用インキ組成物を調製し、背
面に耐熱処理を施した6μm厚のポリエチレンテレフタ
レートフイルムに、乾燥塗布量が1.0g/mになる
様に塗布及び乾燥して参考例の熱転写シートを得た。そ
の結果を後記表7に示す。インキ組成 アントラキノン系染料 a部 ポリメチン系染料 b部 ポリビニルブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 45.75部 トルエン 45.75部 (尚、染料の使用量a及びbは後記表7に記載してあ
る。)
【0039】実施例1〜35 参考例1の染料に代えて下記の染料を使用し、他は参考
例と同様にして本発明の熱転写シートを得た。その結果
を後記表8〜10に示した。インキ組成 アントラキノン系染料 a部 ポリメチン系染料 b部 イエロー染料 c部 ポリビニルブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 45.75部 トルエン 45.75部 (尚、染料の使用量a、b及びcは後記表8〜10に記
載してある。)
【0040】比較例1〜12 参考例における染料に代えて下記の染料を使用し、他は
参考例と同様にして比較例の熱転写シートを得た。その
結果を後記表11に示した。下記表11の結果を得た。 表11の染料 a部 ポリビニルブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 46.25部 トルエン 46.25部 (尚、染料の使用量aは後記表11に記載してある。)
【0041】次に、基材シートとして合成紙(王子油化
製、ユポFPG#150)を用い、この一方の面に下記
の組成の塗工液を乾燥時10.0g/mになる割合で
塗布し、100℃で30分間乾燥して被転写材を得た。 ポリエステル樹脂(Vylon200、東洋紡製) 11.5部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VYHH、UCC製) 5.0部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 1.2部 エポキシ変性シリーコーン(X−22−343、信越化学工業製) 1.2部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重量比4:4:2) 102.0部
【0042】熱転写記録テスト 前記の参考例、実施例及び比較例の熱転写シートと上記
の被転写材とを夫々の染料担持層と染料受容面とを対向
させて重ね合せ熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧
11V、印字時間16msec.の条件でサーマルヘッ
ドで記録を行い後記表7〜11の結果を得た。色再現性テスト 下記組成の染料担持層形成用インキ組成物を用いた以外
は参考例1と同様にしてイエロー色の熱転写シートを得
た。 C.I,ディスパーズイエロー141 3部 ポリビニルブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 46.25部 トルエン 46.25部
【0043】前記熱転写テストと同様にして上記イエロ
ー色の熱転写シートを用いてイエロー画像を形成し、更
に同一信号にて前記の参考例、実施例及び比較例の熱転
写シートを用いてマゼンタ画像を重ねて形成し、赤色画
像を形成した。得られた赤色画像及び前記熱転写テスト
のマゼンタ画像を目視にて下記基準にて色再現性を評価
し表7〜11の結果を得た。 ◎・・・・・・非常に鮮明 ○・・・・・・鮮明 △・・・・・・やや不鮮明 ×・・・・・・不鮮明耐光性テスト 前記熱転写テストで得られたマゼンタ画像の耐光性テス
トをキセノンフェードメター(アトラス社製、Ci35
A)で実施(ブラックパネル温度50℃、50kLu
x)したが、いずれも50時間の照射では変褪色しなか
った。発色濃度の測定 米国マクベス社製のデンシトメーターRD−918で測
定した。
【0044】色度値の測定 JIS Z 8722及び同 Z 8730に記載され
ているL色度値を、色彩色差計CR−221
(ミノルタ製)で測定した。参考例1、2及び6の色度
図を図1に示す。図1からしてアントラキノン系染料1
種とポリメチン系染料1種とを混合して使用するより
も、アントラキノン系染料2種とポリメチン系染料1種
とを混合した方がより適切なマゼンタ色を得ることが出
来る。同様に参考例3、実施例9、10及び11の色度
図を図2に、参考例3、実施例11、20及び29の色
度図を図3に、参考例4、実施例12、13及び14の
色度図を図4に、参考例4、実施例14、23及び32
の色度図を図5に、参考例5、実施例15、16及び1
7の色度図を図6に、参考例5、実施例17、26、3
5の色度図を図7に示す。図からして、1種又は2種以
上のアントラキノン系染料とポリメチン系染料との混合
物の加えて、更にイエロー染料を混合することにより、
マゼンタ色調の調整が任意に可能となる。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】
【表11】
【0050】
【効果】以上の如き本発明によれば、特定の染料を混合
して使用することによって、マゼンタ色の彩度が高いに
も係らず、発色濃度、鮮明性及び諸堅牢性、特に耐光性
に優れたフルカラー画像を与える熱転写シートを提供す
ることが出来る。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1、2及び6の色度図
【図2】参考例3、実施例9、10及び11の色度図
【図3】参考例3、実施例11、20及び29の色度図
【図4】参考例4、実施例12、13及び14の色度図
【図5】参考例4、実施例14、23及び32の色度図
【図6】参考例5、実施例15、16及び17の色度図
【図7】参考例5、実施例15、26及び35の色度図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−64595(JP,A) 特開 昭64−77584(JP,A) 特開 平3−166268(JP,A) 特開 平2−579(JP,A) 特開 平4−232781(JP,A) 特開 昭63−288781(JP,A) 特開 昭62−255187(JP,A) 特開 平5−262062(JP,A) 特開 平5−262056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート及び該基材シートの一方の面
    に形成された染料担持層からなり、マゼンタ色の染料担
    持層が、マゼンタ染料である下記式1〜式2で示される
    アントラキノン系染料の少なくとも1種と、マゼンタ染
    料である下記式3で示されるポリメチン系染料の少なく
    とも1種と、下記式I〜IIIで表わされるイエロー染料
    の少なくとも1種との混合物であり、上記イエロー染料
    の量が、上記マゼンタ染料の量の10重量%以下であ
    ことを特徴とする熱転写シート。 【化1】 (式中X及びYは−S−、−O−又は−SO2−を表
    し、R1及びR2は置換又は非置換のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基又はアリル基を表す。) 【化2】 (式中R5及びR6は置換又は非置換のアルキル基を、R
    7は置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の
    芳香族複素環基を、R8は置換又は非置換のアルキル
    基、シクロアルキル基又はNR910を、R9及びR10
    置換又は非置換のアルキルカルボニル基又は置換又は非
    置換のアリールカルボニル基を表す。) 【化3】
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