JP3288783B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3288783B2
JP3288783B2 JP02493893A JP2493893A JP3288783B2 JP 3288783 B2 JP3288783 B2 JP 3288783B2 JP 02493893 A JP02493893 A JP 02493893A JP 2493893 A JP2493893 A JP 2493893A JP 3288783 B2 JP3288783 B2 JP 3288783B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写シートに関し、更
に詳しくは発色濃度、鮮明性、色再現性及び諸堅牢性、
特に耐光性に優れたフルカラー画像を形成することが出
来る熱転写シートの提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華性染料を用いた熱転写方式を
使用して、紙やプラスチックフイルム上に各種のフルカ
ラー画像を形成する方法が提案されている。この場合に
は加熱手段としてプリンターのサーマルヘッドが使用さ
れ、極めて短時間の加熱によって3色又は4色の多数の
色ドットを被転写材に転移させ、該多色の色ドットによ
り原稿のフルカラー画像を再現する。この様に形成され
た画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮
明であり、且つ透明性に優れている為、得られる画像は
中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷
やグラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラ
ー写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
上記熱転写方法におけるフルカラー画像の再現は減色混
合であり、かかる減色混合においては、満足することが
出来るフルカラー画像を形成する為には、イエロー、マ
ゼンタ及びシアンの3原色の組み合わせが非常の重要で
ある。従来の公知の3色の熱転写シートの場合には、発
色濃度、鮮明性、諸堅牢性、特に耐光性のうちの1〜2
個の性能は良好であるものの、これらの要求性能を全て
良好に満たすものは知られていなかった。従って本発明
の目的は、発色濃度、鮮明性、色再現性及び諸堅牢性、
特に耐光性に優れたフルカラー画像を形成することが出
来る熱転写シートを提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの一
方の面にイエロー、マゼンタ及びシアンの少なくとも3
色の染料層を面順次に設けてなる熱転写シートにおい
て、イエロー染料として下記一般式1で表される染料の
少なくとも1種、マゼンタ染料として下記一般式2で表
される染料の少なくとも1種、及びシアン染料として下
記一般式3又は5で表される染料の少なくとも1種を使
用することを特徴とする熱転写シートである。
【化2】
【0005】(上記一般式中のR及びR10は、置換
又は非置換のアルキル基又はアルコキシ基を、Rは、
アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル
基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル
基、シクロアルキル基又は置換してもよい複素環基を、
及びRは置換又は非置換のアルキル基を、R
置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換の芳香
族複素環基を、Rは置換又は非置換のアルキル基、シ
クロアルキル基又はNR を、R 及びR は置換
又は非置換のアルキルカルボニル基又は置換又は非置換
のアリールカルボニル基を、R11及びR12は、置換
又は非置換のアルキル基又はアリール基を、RはCO
NHR、NHCOR、SONHR、NHSOR(R
は置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基又は芳香族複素環基を表す)、R10は、置換
又は非置換のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカル
ボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、水素原子又はハロゲン原
子を表す。)
【0006】
【作用】特定のイエロー、マゼンタ及びシアンの染料を
組み合わせて使用することによって、発色濃度、鮮明
性、色再現性及び諸堅牢性、特に耐光性に優れたフルカ
ラー画像を形成することが出来る熱転写シートを提供す
ることが出来る。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明で使用するイエロ
ー、マゼンタ及びシアンの染料は、前記一般式1〜3、
5で表される限りいずれの染料でもよい。前記一般式1
3、5の中で特に好ましい染料の具体例を下記表1〜
3、5に挙げる。又、これらの染料は夫々単独でも混合
物としても使用することが出来、更に夫々の染料は一般
式1〜3、5以外の同様色相の他の染料と併用すること
も可能である。
【0008】
【表1】 一般式1の染料(置換基で表わす)。
【表2】 一般式2の染料(置換基で表わす)。
【0010】
【表3】 一般式3の染料(置換基で表わす)。
【0011】
【表5】 一般式5の染料(置換基で表わす)。
【0012】又、色相調整の為に公知のイエロー染料、
マゼンタ染料、シアン染料を上記特定の染料に混合して
もよく、一般的には、ジアリールメタン系、トリアリー
ルメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン
系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラ
ゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾ
メチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン
系、キサンチン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、
トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チ
アジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、
ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、
ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チ
アジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾに代表
される複素環アゾ系、スピロジピラン系、インドリノス
ピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、
ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等
の染料が代表的であり、具体的には以下の様な染料が好
ましく用いられ得る。C.I.(Color Inde
x)イエロー51、3、54、79、60、23、7、
141、201、231;C.I.ディスパースブルー
24、56、14、301、334、165、19、7
2、87、287、154、26、354;C.I.デ
ィスパースレッド135、146、59、1、73、6
0、167;C.I.ディスパースバイオレット4、1
3、26、36、56、31、ディスパーズオレンジ1
49;C.I.ソルベントバイオレット13;C.I.
ソルベントブラック3;C.I.ソルベントグリーン
3;C.I.ソルベントイエロー56、14、16、2
9;C.I.ソルベントブルー70、35、63、3
6、50、49、111、105、97、11;C.
I.ソルベントレッド135、81、18、25、1
9、23、24、143、146、182等。
【0013】更に具体的には、例えば、3,3´−ジエ
チルオキサチアシアニン・アイオダイド・アストラゾン
ピンクFG(バイエル社製、C.I.48015)、
2,2´・カルボシアニン(C.I.808)、アスト
ラフイロキシンFF(C.I.48070)、アストラ
ゾン・イエロー7GLL(C.I.ベーシックイエロー
21)、アイゼン・カチロンエロー3GLH(保土谷化
学製、C.I.48055)、アイゼン・カチロンレッ
ド6BH(C.I.48020)等の如きモノメチン
系、ジメチン系又はトリメチン系等のメチン(シアニ
ン)系塩基性染料類;オーラミン(C.I.655)等
の如きジフェニルメタン系塩基性染料類;マラカイト・
グリーン(C.I.42000)、ブリリアント・グリ
ーン(C.I.42040)、マジェンタ(C.I.4
2510)、メタル・バイオレット(C.I.4253
5)、クリスタル・バイオレット(C.I.4255
5)、メチル・グリーン(C.I.684)、ビクトリ
ア・ブルーB(C.I.44045)等のトリフェニル
メタン系塩基性染料;ピロニンG(C.I.739)、
ローダミンB(C.I.45170)、ローダミン6G
(C.I.45160)等のキサンテン系塩基性染料;
アクリジン・イエローG(C.I.785)、レオニン
AL(C.I.46075)、ベンゾフラビン(C.
I.791)、アフイン(C.I.46045)等のア
クリジン系塩基性染料;ニュートラル・レッド(C.
I.50040)、アストラゾン・ブルーBGE/x
125%(C.I.51005)、メチレン・ブルー
(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染
料;その他第4級アンモニウム基を有するアントラキノ
ン系塩基性染料等の塩基性染料等が挙げられる。
【0014】又、シアン染料として、カヤセットブルー
714(日本化薬製、ソルベントブルー63)、フォロ
ンブリリアントブルーS−R(サンド製、ディスパース
ブルー354)、ワクソリンAP−FW(ICI製、ソ
ルベントブルー36)、マゼンダ染料として、MS−R
EDG(三井東圧製、ディスパースレッド60)、マク
ロレックスレッドバイオレッドR(バイエル製、ディス
パースバイオレッド26)、イエロー染料として、フォ
ロンブリリアントイエローS−6GL(サンド製、ディ
スパースイエロー231)、マクロレックスイエロー6
G(バイエル製、ディスパースイエロー201)、更に
以下の構造式のものが挙げられる。
【0015】
【化3】
【0016】これらの染料は、そのままの形態で、或は
これらの染料をアルカリ処理した形態で用いることが出
来、又、これらの染料の対イオン交換体或はロイコ体も
用いることが出来る。常態では無色或は淡色であるロイ
コ染料等を使用する場合は、熱転写受像シートに顕色剤
に包含させておけばよい。又、特開昭59−78895
号、同60−28451号、同60−28453号、同
60−53564号、同61−148096号、同60
−239290号、同60−31565号、同60−3
0393号、同60−53565号、同60−2759
4号、同61−262191号、同60−152563
号、同61−244595号及び同62−196186
号及び国際公開WO92/05032に記載の昇華性イ
エロー染料、同60−223862号、同60−284
52号、同60−31563号、同59−78896
号、同60−31564号、同60−30391号、同
61−227092号、同61−227091号、同6
0−30392号、同60−30394号、同60−1
31293号、同61−227093号、同60−15
9091号、同61−262190号、米国特許4,6
98,651号及び特願昭62−220793号、米国
特許5,079,365号に記載の昇華性マゼンダ染
料、特開昭59−78894号、同59−227490
号、同60−151098号、同59−227493
号、同61−244594号、同59−227948
号、同60−131292号、同60−172591
号、同60−151097号、同60−131294
号、同60−217266号、同60−31559号、
同60−53563号、同61−255897号、同6
0−239289号、同61−22993号、同61−
19396号、同61−268493号、同61−35
994号、同61−31467号、同61−14826
9号、同61−49893号、同61−57651号、
同60−239291号、同60−239292号、同
61−284489号、同62−191191号公報及
び特願昭62−176625、米国特許5,079,3
65号等の公報や明細書に記載の昇華性シアン染料も好
適に用いられる。本発明において特に好ましい染料の一
般式を例示する。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】上記一般式において、R、X及びYは下記
の置換基を表す。及びR 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基又は置換又は非置換のアラルキル基。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシ基、置換又は非置換のアルキルカルボニルアミノ
基、置換又は非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置
換又は非置換のアルキルアミノカルボニル基、置換又は
非置換のアルキルアミノスルホニル基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非
置換のアルキルアミノカルボニル基、置換又は非置換の
アルコキシ基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のシクロアルキル基、複素環基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノカ
ルボニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は
非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換
のシクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原
子又は水素原子。
【0023】 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリー
ル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のシ
クロアルキル基、シアノ基、ニトロ基又はハロゲン原
子。 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ
基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換の
アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子。 置換又は非置換のアリール基、芳香族複素環基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子又は他の電子吸引基。 CONHR10、SONHR10、NHCOR11
NHSO11又はハロゲン原子。 R10 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、置換又は非置換のアリール基又は置換又は
非置換の芳香族複素環基。
【0024】11 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置
換のアリール基、又は置換又は非置換の芳香族複素環
基。12 置換又は非置換のアルキル基。13 アミノ基又は水酸基。 ハロゲン原子。 置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換の芳香族
複素環基。
【0025】本発明の熱転写シートは以上の如き特定の
組み合わせの3色の染料を使用することを特徴とし、そ
れ以外の構成は従来公知の3色の熱転写シートの構成と
同様でよい。前記の染料を使用する本発明の熱転写シー
トに使用する基材シートとしては、従来公知のある程度
の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも
よく、例えば、0.5〜50μm、好ましくは3〜10
μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフイル
ム、ポリスチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、
ポリスルホンフイルム、ポリカーボネートフイルム、ア
ラミドフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、セロ
ファン等であり、特に好ましいものはポリエステルフイ
ルムである。上記の如き基材シートの表面に設ける3色
の染料層は、前記3色の染料の夫々を任意のバインダー
樹脂で担持させた層である。前記の染料を担持する為の
バインダー樹脂としては、従来公知のものがいずれも使
用出来、好ましいものを例示すれば、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセル
ロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル
系樹脂等が挙げられ、これらの中で特にポリビニルブチ
ラール及びポリビニルアセタールが、耐熱性や染料の移
行性等の点から好ましいものである。
【0026】本発明の熱転写シートの3色の染料層は、
基本的には上記の材料から形成されるが、その他必要に
応じて従来公知と同様な各種の添加剤をも包含し得る。
この様な3色の染料層は、好ましくは適当な溶剤中に前
記の染料、バインダー樹脂、その他の任意成分を加えて
各成分を溶解又は分散させて染料層形成用塗液又はイン
キを調製し、これを上記の基材シート上に面順次に、例
えば、イエロー、マゼンタ及びシアンの順序に夫々幅数
十cm程度に塗布及び乾燥させて形成する。勿論、上記
3色の染料層に加えてブラックの染料層を形成し4色の
染料層としてもよい。この様にして形成する3色の染料
層は、0.2〜5.0μm、好ましくは0.4〜2.0
μm程度の厚さであり、又、染料層中の前記の染料は染
料層の重量の5〜70重量%、好ましくは10〜60重
量%の量で存在するのが好適である。上記の如き本発明
の熱転写シートは、そのままで熱転写用として十分に有
用であるが、更にその染料層表面に粘着防止層、即ち離
型層を設けてもよく、この様な層を設けることにより、
熱転写時における熱転写シートと被転写材の粘着を防止
し、更に高い熱転写温度を使用し、一層優れた濃度のフ
ルカラー画像を形成することが出来る。
【0027】この離型層としては、単に粘着防止性の無
機粉末を付着させたのみでも相当の効果を示し、更に、
例えば、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、フッ
素化ポリマーの如き離型性に優れた樹脂から0.01〜
5μm、好ましくは0.05〜2μmの離型層を設ける
ことによって形成することが出来る。尚、上記の如き無
機粉体或いは離型性ポリマーは染料層中に包含させても
十分な効果を奏するものである。更に、この様な熱転写
シートの裏面に、サーマルヘッドの熱による悪影響を防
止する為に耐熱層を設けてもよい。以上の如き熱転写シ
ートを用いて、フルカラー画像を形成する為に使用する
被転写材は、その記録面が前記の染料に対して染料受容
性を有するものであればいかなるものでもよく、又、染
料受容性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂等であ
る場合には、その少なくとも一方の表面に染料受容層を
形成すればよい。上記の如き本発明の熱転写シート及び
上記の如き被記録材を使用して熱転写を行う際に使用す
る熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がい
ずれも使用出来、例えば、サーマルプリンター(例え
ば、日立製作所製、ビデオプリンターVY−100)等
の記録装置によって、記録時間をコントロールすること
により、5〜100mJ/mm程度の熱エネルギーを
付与することによって所期の目的を十分に達成すること
が出来る。
【0028】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。 実施例1〜 下記組成の3色の染料層形成用インキ組成物を調製し、
背面に耐熱処理を施した6μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフイルムに、各インキを幅30cmにイエロ
ー、マゼンタ及びシアンの順序で面順次に夫々の乾燥塗
布量が1.0g/m2になる様に塗布及び乾燥して本発
明のフルカラー用3色熱転写シートを得た。尚、3色の
染料の組み合わせは下記表6の通りである。イエローインキ組成 表1の一般式1のイエロー染料 3部 ポリビニルブチラール樹脂 4部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 43部マゼンタインキ組成 表2の一般式2のマゼンタ染料 3部 ポリビニルブチラール樹脂 4部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 43部シアンインキ組成 表3の一般式3のシアン染料 3部 ポリビニルブチラール樹脂 4部 トルエン 50部 メチルエチルケトン 43部 但し、上記組成において染料が不溶な場合には、溶媒と
してDMF、ジオキサン、クロロホルム等を適宜用い
た。
【0029】
【表6】 比較例1 実施例における3色の染料に代えて下記の3色の染料を
使用し、他は実施例1〜と同様にして比較例の熱転写
シートを得た。
【0030】イエロー染料
【化9】 マゼンタ染料:1−アミノ−2−フェノキシ−4−ヒド
ロキシアントラキノンと1,4−ジアミノ−2,3−ジ
フェノキシアントラキノンとの1:1(重量比)混合物シアン染料 :1−(3−メチルフェニル)アミノ−4−
メチルアミノアントラキノン
【0031】次に、基材シートとして合成紙(王子油化
製、ユポFPG#150)を用い、この一方の面に下記
の組成の塗工液を乾燥時10.0g/mになる割合で
塗布し、100℃で30分間乾燥して被転写材を得た。 ポリエステル樹脂(Vylon200、東洋紡製) 11.5部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VYHH、UCC製) 5.0部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 1.2部 エポキシ変性シリーコーン(X−22−343、信越化学工業製) 1.2部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン(重量比4:4:2) 102.0部
【0032】熱転写記録テスト 前記の本発明及び比較例の熱転写シートと上記の被転写
材とを、夫々の染料層と染料受容面とを対向させて重ね
合せ、熱転写シートの裏面からヘッド印加電圧11V、
最長印字時間16msec.の条件でサーマルヘッドで
イエロー、マゼンタ及びシアンの順序で記録を行い、得
られたフルカラー画像を目視にて下記基準にて色再現性
を評価し下記表7の結果を得た。 ○・・・・・・非常に鮮明 ×・・・・・・不鮮明耐光性テスト 前記熱転写テストで得られたフルカラー画像の耐光性テ
ストをキセノンフェードメター(アトラス社製、Ci3
5A)で実施(ブラックパネル温度50℃、50kLu
x)した。 ○・・・・・・50時間照射で褪色なし ×・・・・・・50時間照射で褪色が著しい発色濃度の測定 前記熱転写記録テストで得られたフルカラー画像の無彩
色部分の最高B/W濃度を、米国マクベス社製のデンシ
トメーターRD−918で測定し、下記表5の結果を得
た。又、実施例1の3原色部分の特性曲線を図1に、比
較例1のそれを図2に示した。色再現性の測定 ミノルタ社製の色彩色差計CR−221を用いて、実施
例1及び比較例1の色再現範囲を測定し、図3の結果を
得た。
【0033】
【表7】
【0034】
【効果】以上の如き本発明によれば、特定のイエロー、
マゼンタ及びシアンの染料を組み合わせて使用すること
によって、発色濃度、鮮明性、色再現性及び諸堅牢性、
特に耐光性に優れたフルカラー画像を形成することが出
来る熱転写シートを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の3原色部分の特性曲線を示す図
【図2】比較例1の3原色部分の特性曲線を示す図
【図3】実施例1及び比較例1の色再現範囲を示す図
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−585(JP,A) 特開 平3−166268(JP,A) 特開 平2−588(JP,A) 特開 平5−229268(JP,A) 特開 昭62−64595(JP,A) 特開 昭63−71393(JP,A) 特表 平7−502545(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面にイエロー、マゼ
    ンタ及びシアンの少なくとも3色の染料層を面順次に設
    けてなる熱転写シートにおいて、イエロー染料として下
    記一般式1で表される染料の少なくとも1種、マゼンタ
    染料として下記一般式2で表される染料の少なくとも1
    種、及びシアン染料として下記一般式3又は5で表され
    る染料の少なくとも1種を使用することを特徴とする熱
    転写シート。 【化1】 (上記一般式中のR1及びR10は、置換又は非置換のア
    ルキル基又はアルコキシ基を、R2は、アルコキシカル
    ボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシ
    基、アルコキシアルコキシ基、アルキル基、シクロアル
    キル基又は置換してもよい複素環基を、R3及びR4は置
    換又は非置換のアルキル基を、R5は置換又は非置換の
    アリール基又は置換又は非置換の芳香族複素環基を、R
    6は置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基又
    はNR78を、R7及びR8は置換又は非置換のアルキル
    カルボニル基又は置換又は非置換のアリールカルボニル
    基を、R11及びR12は、置換又は非置換のアルキル基又
    はアリール基を、R9はCONHR、NHCOR、SO2
    NHR、NHSO2R(Rは置換又は非置換のアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基又は芳香族複素環基
    を表す)、R10は、置換又は非置換のアルキル基、アル
    コキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスル
    ホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、
    水素原子又はハロゲン原子を表す。)
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