JPH0751087A - 変性タンパク質に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

変性タンパク質に対するモノクローナル抗体

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JPH0751087A
JPH0751087A JP6018988A JP1898894A JPH0751087A JP H0751087 A JPH0751087 A JP H0751087A JP 6018988 A JP6018988 A JP 6018988A JP 1898894 A JP1898894 A JP 1898894A JP H0751087 A JPH0751087 A JP H0751087A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗体結合性部位がヒトヘモグロビンのβ−サ
ブユニット中のグルコシル化N末端ペプチド配列に特異
的に結合することを特徴とするモノクロナール抗体また
はその抗体結合部位を含む断片。 【効果】 変性タンパク質、特に糖タンパク質被検体の
検出に有利に使用できるモノクロナール抗体が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、あるタンパク質を抗体試薬と結
合する方法、例えば、免疫アツセイの実施において使用
される抗体に関する。本発明の抗体は、分析的に意味の
あるタンパク質、例えば、Hb Alcとして知られてい
るヘモグロビンのグルコシル化された形態の測定におい
て有用である。個体の血液中のヘモグロビンのグルコシ
ル化の程度の決定は、糖尿病のグルコースレベルの調節
の有用な指数を提供する。さらに、Hb A1c中のグリ
コシル化N−末端ペプチド残基を特異的に認識するモノ
クローナル抗体が提供される。
【0002】タンパク質、とくに分析的に意味のあるタ
ンパク質に結合する抗体の特異性を改良することは絶え
ず必要とされている。生物学的試料、例えば、血液の特
異性検出は、タンパク質の接近可能な特定の結合部位ま
たはエピトープへ向けられる抗体試薬を得る能力により
限定される。特定のタンパク質の特異的検出のために最
も望ましいエピトープが抗体試薬への結合のために接近
不可能であるか、あるいは限定された接近可能性をもつ
だけである場合が存在する。
【0003】糖尿病の患者の血液試料中のHb A1cと
して知られているヘモグロビンのグリコシル化された形
態の測定がそのような一例である。ヘモグロビンはアミ
ノ酸の4つまでの鎖(サブユニツト)から構成されたタ
ンパク質のテトラマーであり、鎖の各々は約143単位
でありかつ約64,000の合計分子量を有する。この
分子の1端(β−サブユニツトのNH2−末端)に、グ
ルコースと反応しうるバリン単位が存在する。ヘモグロ
ビンのグルコシル化は、グルコースLおよびバリンのα
−アミノ基を含む非酵素的反応により起こる。反応成分
間のシツフ塩基の生成は、グルコースが1−デオキシフ
ルクトーバリンを形成するアマドリ転位を行う。この複
合体は共有結合でありかつ本質的に非可逆的である。グ
ルコシル化反応は、反応成分、例えば、ヘモグロビンお
よびグルコースの濃度により支配される。正常(糖尿病
でない)個体において、合計のヘモグロビンのほぼ3%
がグリコシル化されている。ベーター鎖のN−末端上に
1−デオキシフルクトーバリンをもつヘモグロビンテト
ラマーは、グリコシル化されているかまたはA1cヘモ
グロビンとして識別される。
【0004】糖尿病患者におけるグルコースレベルは血
液中のグルコースレベルに直接依存してグリコシル化の
速度を増加させるために十分に高く、そして糖尿病の状
態のひどさを反映する。ヘモグロビンではA1cレベル
は約5〜12%に上昇する。ヘモグロビンの循環寿命は
約120日であるので、グルコシル化ヘモグロビンの測
定はその期間について平均のグルコースレベルを反映す
る値を与えるであろう。特に、グルコース分が高い食事
は高いグリコシル化ヘモグロビンまたは血清アルブミン
レベルにおいて反映されないであろう。こうして、グル
コシル化ヘモグロビン分の測定は平均の循環グルコース
レベルのより正しい状況を与え、こうして患者の病気の
状態のより正しい状況を与える。
【0005】米国特許第4,247,533号は、Hb
1cに対する抗体がHb A1cの注射により特別のヒ
ツジにおいて誘導され、かつグルコシル化されていない
ヘモグロビンで吸収されて、Hb A1cとグルコシル化
されていないHbとの間を区別するポリクローナル抗体
を形成したと報告されている分析技術を開示している。
次いで、抗体は試料中のグルコシル化ヘモグロビンの比
率を決定する試験のための基準を形成する。しかしなが
ら、試験は適当な特異性を獲得するために適当な免疫化
ヒツジと抗体吸収物を必要にする。したかつて、特定の
ポリクローナル抗体を生産することは経費がかかりかつ
困難である。この吸収アプローチにより生産される抗体
調製物は、力価が低いことが報告されている。このアプ
ローチの再現性はまた問題を有する。なぜなら、ヒトヘ
モグロビンの臨床的試料の分析のための使用を記載する
最近の報告は存在しない。
【0006】Hb A1cに対して特異的な抗体を得る他
の試みは、米国特許第4,478,744号に記載されて
いる。これらの研究者は、正常のヘモグロビン分子の代
わりに合成ペプチドの免疫原を免疫化剤として使用し
た。この物質を、通常血液流中にHb A1cをもたない
動物、例えば、ヒツジに注射した。この合成ペプチドの
免疫原は、N−末端ヘモグロビン配列中に最初の4〜1
0のアミノ酸の間に相当するアミノ酸配列を有するグル
コキシル化ペプチド残基から構成されていた。下に報告
する引き続く研究により、合成ペプチド免疫原に対して
誘導されたヒツジポリクローナル抗血清は、グルコシル
化形態、Hb A1cに対する検出可能な特異性をもたな
いことが見い出された。
【0007】したがつて、問題のタンパク質への抗体薬
の特異的結合を可能とする抗体試薬および結合条件を設
計するためのアプローチを開発する必要はまだ満足され
ていない。グルコキシル化タンパク質、例えば、Hb
1cのような特定のタンパク質の決定のための免疫ア
ツセイを、先行の研究者は案出することができなかつた
ことが明らかである。
【0008】定 義 アミノ酸 略 号 アルギニン Arg アスパラギン Asp グルタミン酸 Glu リジン Lys セリン Ser アスパラギン Asn グルタミン Gln グリシン Gly プロリン pro スレオニン Thr アラニン Ala ヒスチジン His システイン Cys メチオニン Met バリン Val イソロイシン Ile ロイシン Leu チロシン Tyr フエニルアラニン Phe トリプトフアン Trp 特定のタンパク質への高度に特異的な免疫結合は、前記
タンパク質中の線状ペプチドエピトープに対する抗体試
薬を形成し、そして前記タンパク質を十分に変性してそ
の中の線状ペプチドエピトープを露出するかあるいは露
出を増大した後、前記抗体試薬を前記タンパク質と接触
させることによつて達成できることが今回発見された。
標的とされる線状ペプチドエピトープは、一般原則とし
て、少なくとも2つ、通常15より少ないアミノ酸単位
からなる。エピトープはペプチド鎖の−NまたはC−末
端に現れることができ、あるいはタンパク質中ノペプチ
ド鎖に沿つて現れることができ、そしてペプチドではな
い基および側鎖、例えば、炭水化物、例えば、モノー、
オリゴー、および多糖基、リン酸塩、脂質、硫酸塩、カ
ルバミル、スルホキシドなど、およびタンパク質の主鎖
へ共有結合することが見い出されている他の化学的基を
包含する基で変性することができる。こうような基は、
後翻訳修飾(post-translational modification)によ
り付加することができるものを包含し、前記修飾は酵素
が仲介するものであるか、酵素でない化学的反応の結果
であることができ、それゆえ環境的露出により引き起こ
されるタンパク質中で自然に起こりえる修飾を包含す
る。抗体試薬は、通常、免疫原性担体物質、通常問題の
タンパク質と異なる物質へ結合した線状ペプチドエピト
ープからなる合成ペプチドに対して誘導されるであろ
う。モノクロナールでありかつ線状ペプチドエピトープ
に対して高い特異性について選択される抗体を得るため
の体細胞の交雑技術を用いることがとくに好ましいであ
ろう。
【0009】タンパク質の変性は、タンパク質の有意量
を溶液中に維持しながら、抗体の結合のために選択され
たペプチドエピトープを露出するか、あるいはその露出
を増大する本質的に任意の方法を達成することができ
る。物理的処理または化学的処理、後者はタンパク質の
消化を含む、を最適な変性条件の選択に利用できる。必
要な変性の程度は、各タンパク質についてそして得られ
る免疫結合の意図する用途の各々、例えば、所望の免疫
もアツセイりの条件について本質的に経験的に決定され
るであろう。変性の効果は、少なくとも選択されたペプ
チドエピトープが存在するタンパク質の領域を実質的に
直線化しかつそれを抗体試薬への結合に十分な水性培地
へそれを露出することである。
【0010】本発明は、タンパク質が自然状態にあると
き、免疫結合に対して実質的に接近不可能であるか、あ
るいはそのための制限された接近可能性を有する線状ペ
プチドエピトープに、抗体試薬を結合させることによつ
て、タンパク質を決定する免疫アツセイの実施および試
薬系の調製を可能とする。とくに、グルコシル化タンパ
ク質、例えば、グルコシル化ヘモグロビンおよびアルブ
ミン、とくに血液のような生物学的流体中のHb A1
の高度に特異的な測定のための手段が提供される。Hb
1c中に現れる合成グルコシル化N−末端ペプチド残
基に対して誘導されたモノクローナル抗体は、ヘモグロ
ビンのグルコシル化ベーターサブユニツト中のこのうよ
な残基へ特異的に結合することがわかつた。抗体は慣用
のモノクローナル技術に従い種々の方法で調製すること
がわかつた。原理的には、免疫原性担体へ化学的に結合
した所望のN−ペプチド残基からなる合成的に誘導され
た免疫原に対する抗体を調製し、前記グルコシル化ペプ
チドは少なくとも2つ、好ましくは約5〜15のHb
1cに対応するアミノ酸単位を有する。得られる抗体
はグルコシル化合成ペプチドおよびヘモグロビンA1
分子中の対応する露出されたエピトープに対して特異的
である。
【0011】ポリペプチドまたはタンパク質は、溶液中
で3次元の構造を形成するアミノ酸の直鎖の配列として
存在する。タンパク質のこの3次元構造の自発的獲得を
制御する因子は、次のものを包含する: 1.CαおよびC′炭素原子のまわりの制限された回転
(Ψ結合の回転)およびN−Cα窒素−炭素結合のまわ
りの制限された回転(Φ結合の回転)を有するペプチド
結合の平坦な構造。この制限された回転はペプチド結合
のまわりの運動を制限しかつ可能な立体配座を減少す
る。
【0012】2.すべてのシス−ポリペプチドは側鎖の
原子のための利用可能な立体配座の空間をきびし制限す
るであろうから、アミノ酸側鎖(R−基)はトランス配
向を有する。
【0013】3.ペプチド主鎖および側鎖の異る官能基
間の相互作用はポリペプチドの3次元の折りたたみの原
因となり、そしてこれらの相互作用の合計はタンパク質
がこの立体配座を保持するエネルギーを提供する。
【0014】これらの相互作用は、次のものを包含す
る: (a) 分散力−ここで振動する2極は隣接原子間を結
合して、2つの原子間の吸引力を生成する。これらの力
は電子の外穀の反発により反作用を受ける(すなわち、
2つの原子は同一空間を占めることができる)。
【0015】(b) 水素結合−ここで水素原子の全体
の電子外穀は、水素が拘束される原子(水素受容体)上
にシフトする。
【0016】(c) 静電力−ここで異る型の原子は非
対称電子分布を有し、これにより反対電荷をもつ原子と
相互作用しうる部分的電荷をもつ。この相互作用は、簡
単な2極相互作用であることができ、あるいは塩橋とし
て存在することができる。
【0017】(d) 二硫化物の結合−システイアミノ
酸のSH基間の前記二硫化物の結合はタンパク質の立体
配座を安定化する。二硫化物の結合は、前述の分散力、
水素結合および静電力により開始されるタンパク質の3
次元の折りたたみに対して二次的である。
【0018】4.タンパク質と水性の環境との間の相互
作用は、水溶性タンパク質のセルフアセンブリーの有機
化に強力な効果を有する。極性の水分子はタンパク質の
表面上の疎水性基を溶媒和し、ソシテ分子の内部の中へ
の疎水性アミノ酸側鎖のキレート化合物の形成に熱力学
的に有利である(その結果、水分子は同様な疎水性環境
中に存在する)。既知のタンパク質の最近の研究におい
て、疎水性アミノ酸Phe、Leu、Lie、Val,
TrpおよびTyrは中性または極性アミノ酸よりも多
い埋没された表面積を有する[サイエンス(Science)
229:834−838.1985)]。
【0019】タンパク質表面の表面上の残基の多くは疎
水性であることおよび埋没される残基は極性であるか、
あるいは帯電していさえすることができることにも注意
すべきである。埋没された極性基はタンパク質の内部の
水素結合の要素を満足し、そしてすべての内部の極性基
の90%程度に多くは水素結合に含まれる。同様に、タ
ンパク質の内部中の帯電したアミノ酸塩橋中に最も含ま
れやすい。
【0020】タンパク室の立体配座は、次のような構造
の段層に分割することができる。
【0021】1.一次構造はポリペプチドのの線状アミ
ノ酸配列である。
【0022】2.二次構造は、ポリペプチド鎖が水素結
合により安定化される方法に起因する。
【0023】3.三次構造は、ポリペプチド鎖のその3
次元構造へのポリペプチド鎖の折りたたみである。この
構造は水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用によ
り、および二硫化物の結合により安定化される。
【0024】4.四次構造は、2つのポリペプチド鎖が
相互作用するとき、形成される構造に起因する。相互作
用の型は、三次構造についてのものと同一である。
【0025】前述のポリペプチドとポリペプチドとの相
互作用およびポリペプチドと水性環境との相互作用は、
天然タンパク質分子の複雑な折りたたみおよび生じる3
次元構造の原因である。この折りたたみの情報は、ポリ
ペプチドのアミノ酸配列(一次構造)中に暗号化され
る。多くの場合において、天然タンパク質は物理的また
は化学的変性により完全に変性されることができ(二次
構造、三次構造および四次構造の欠損により証明され
る)そして変性剤を除去すると、構造および機能が天然
タンパク質と区別されえない分子に再び折りたたまれる
であろう[Adv. Rrot. Chem., 29:205−299,
1975;Journal of Biol. Chem.,251:3154
−3157,1976]。
【0026】折りたたみ過程はエネルギー的に有利であ
り、そして得られる天然の3次元の立体配座はその最小
エネルギー状態にある(かあるいは少なくともそれに近
い)。ポリペプチドの3次元の立体配座への折りたたみ
の結果、あるアミノ酸は分子の表面上において懸濁溶媒
中に自由に接近可能であり、一方他のアミノ酸は埋込ま
れておりかつ溶媒へ接近不可能である。この概念は大量
の生物学的データにより、およびまたタンパク質の内部
中のアミノ酸に対するタンパク質の表面上のアミノ酸の
化学的反応性の差により支持される。
【0027】3次元の立体配座は決して合成の構造では
ない。前述の相互作用のほとんどは比較的弱く、そして
絶えず破壊しかつリフオームされつつある(しかしなが
ら、一度に合計の結合のほんのわずかの百分率が破壊さ
れるだけである)。最小の相互作用をもつペブチドセグ
メントはより大きい数の相互作用をもつペブチドセグメ
ントよりも大きい移動性をもつことを期待できるであろ
う。より大きい移動性をもつセグセメントはより大きい
数の立体配座をもつことができ、それらの1つは抗体と
相互作用することができる。天然タンパク質のこれらの
移動性部分は最も抗原性である部分であることが示唆さ
れた[Nature,312:127−124,1984]。
【0028】抗原と抗体との間の相互作用は、タンパク
質構造を安定化するものと同一である(すなわち、水
素、帯電性、疎水性結合)。特異的でありかつ十分に親
和性である相互作用のためには、2つの相互作用する表
面の相補性および反対に帯電した基の適当な並置を維持
して塩橋、水素結合の供与体および受容体および疎水性
ポケツトを形成することが必要である[Ann. Rev. Immu
nol., :87−117,1983]。相補性が変化し
たとき(例えば、アミノ酸の置換)、抗原に体する抗体
の親和性は劇的に変更されうる。
【0029】抗原上の接触部位は2つの群(1)直線ま
たは連続(sequential)のものおよび立体配座のものに分
割することができる[Ann. Rev. Immunol., :67−
101,1984]。
【0030】直線または連続の決定基は、ほぼ2〜25
の範囲のアミノ酸、通常10より少ないアミノ酸を有す
るタンパク質配列の単一の直線のセグセメント上に全体
の抗原決定基が存在するものである。
【0031】立体配座の決定基は、連続に距離をもつて
存在するペプチドの部分がタンパク質の抗原の3次元の
折りたたみにより密接に接触しているものである。した
がつて、抗原決定基またはエピトープはタンパク質の抗
原の1より多い部分から形成されている。例えば、リソ
チームおよびリソチームに対するモノクローナル抗体を
用いるX回折の研究により、その抗体はリソチームと位
置29−37および116−129において接触するこ
とが示された。これらのアミノ酸は連続的に分離されて
いるが、リソチーム分子の表面上においてはほぼ20×
25Aの連続的パツチ(patch)を形成し、そして抗体結
合部位の多数の原子と相互作用する[Nature, 31
3:156−158,1985]。また、立体配座の決
定因子を認識する抗体はタンパク質の変性された形態を
認識しないであろうということがいえる。
【0032】抗タンパク質抗体を発生するための免疫化
の慣用の手順において、天然または半天然のタンパク質
を動物に注射し、この動物は時間が経過すると免疫原に
体する免疫グロブリンを生産する。ポリクローナル抗血
清は、連続および立体配座の両者の抗原決定基を認識す
る抗体を含有する可能性が最も強い。これらの決定基
は、自然タンパク質の表面上に位置する可能性が最も強
い。例えば、インフルエンザのウイルスの赤血球凝集素
の膜の糖タンパク質は4つの主要な抗原決定基を有し、
それらの3つは糖タンパク質の表面に対して局在化され
ている[Nature,289:366−373および373
−378,1981]。
【0033】合成ペプチドまたは自然分子からの小さい
ペプチドを免疫原として使用すると、得られる応答は連
続の決定基(およびペプチドが到達できる限定された数
の立体配座)に対するもののみであることができる。天
然タンパク質(合成ペプチドと同一の配列を有する)へ
結合をする抗体応答を惹起する免疫原として合成ペプチ
ドを使用する試みにおいて、研究者らはいくつかの極性
アミノ酸を有する領域について天然タンパク質の配列を
通してサーチすることによつて、免疫原を最初に設計し
た[Rev-Science,229:932−940,198
5]。これらの配列は天然タンパク質の表面上に存在す
る可能性が統計学的により大きく、そして抗体分子を自
由に反応することができるであろう。しかしながら、こ
れらの親水性残基は疎水性ペプチドよりも免疫原性に劣
り、それゆえ他の合成された免疫原は、これらの疎水性
配列が表面の抗原上に露出されることを希望して、疎水
性に基づいたことが、また、考えられた。両者の場合に
おいて、これらの方法により生産される抗体の高い比率
は見掛上天然の抗原と反応し、これにより合成ペプチド
が天然タンパク質の表面上において見出されうる配列に
相当するかぎり、合成ペプチドに対して誘導される抗体
は天然抗原と反応性であることが示唆される[Nature,
299:592−596,1982]。見掛上天然のタ
ンパク質と反応するタンパク質内に埋込まれると理解す
べきペプチドに相当するある種の合成ペプチドに対して
生産される抗体についての報告がいくつか存在する(PNA
S 80:4949−4953,1983)。この観察に
どんな機構が原因となつているか明らかでない。
【0034】本発明に従い、天然タンパク質を目的をも
つて変性して最適に連続または線状の抗原決定基を露出
して、このような決定基に対して生産された抗体と相互
作用するようにさせる。とくに、真に天然の抗原を含有
する新鮮な試料を必要とするアツセイにおいて、抗原の
変性は絶対の要件であろう。天然のタンパク質のエピト
ープが表面にあるいはその付近に存在し、したがつて抗
体の相互作用のために部分的に露出されると、変性はそ
の移動性を増加しかつそれが獲得することができる可能
な立体配座の数を増大することができ、これにより抗体
−抗原相互作用を促進する。
【0035】多くの存在する免疫アツセイのフオーマツ
トは、低濃度の洗浄剤、例えば、トリトンおよびツイー
ン−20の使用を包含して、古典的な抗体抗原反応にお
ける反応成分の非特異的吸着を防止し、生物学的膜から
タンパク質を解離させ、あるいは脂質タンパク質からの
脂質を解離して脱脂質されたタンパク質の均質試料を提
供する[Biochem. Biophys. Acta, 620:447−4
53,1980;Clin. Chem., 28:199−20
4,1981]。本発明の表現された目的は、物理的お
よび/または化学的変性剤を使用して天然タンパク質の
二次的、三次的および四次的構造を変性することにより
タンパク質抗原のタンパク質または糖タンパク質の決定
基を露出することである。次いで、露出されたペプチド
エピトープは開放され、そして合成ペプチドの立体配座
をとることができ、それに対して抗体が生産された。
【0036】抗体試薬の立体的接近は、任意の効果的方
法において得ることができる。完全タンパク質中のエピ
トープの露出は、物理的または化学的変性または消化に
より少なくともエピトープの領域において達成されると
理解される。このような変性または消化はエピトープの
領域に位置することができるか、あるいはタンパク質の
三次、およびそらに二次構造のより一般的な、あるいは
実質的に完全な変性、あるいはタンパク質の部分的また
は完全な消化を含むことができる。
【0037】変性は種々の方法で達成することができ、
このような方法は物理的手段、例えば、熱、音波処理、
高いもしくは低いpHによるタンパク質の慣用の処理お
よび、好ましくは、消化または溶液中のカオトロピツク
剤(chaotropic agent)もしくはカオトロープ(chaotrop
e)との相互作用による化学的変性を包含する。有用なカ
オトロピツク剤は、次のものを包含するが、これらに限
定されない:グアニジン、尿素、および種々の洗剤、例
えば、ドデシル硫酸ナトリウケム(SDS)および他のも
の(これらの限定されない)、例えば、デオキシコレー
トそしてある種の胆汁酸塩類、3−(3−コラミドプロ
ピル)−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネート、
有機溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、アセト
ニトリルおよびある種の塩類、例えば、チオシアン酸カ
リウム、非イオン性洗剤、例えば、トリトンX、ツイー
ン、ノニデツト(nonidet)NP−40およびオクチル−
グルコシド類は、また、タンパク質変性剤として機能す
ることができる。二硫化結合を還元する試薬(例えば、
メルカプトエタノールまたはジチオスレイトール)を含
有させて、変性過程を有効に促進することができる。化
学的および/または化学的および物理的手段の組み合わ
せ(例えば、グアニジンおよび熱、グアニジンおよびS
DS、またはグアニジンおよびジチオスレイトール)を
使用すると、タンパク質の変性は最も効果的に達成する
ことができる。とくに、強いカオトロピツク剤、例え
ば、グアニジンは最も好ましい。もちろん、タンパク質
の実質的な凝集、不溶性化または沈殿を生じさせて、露
出された無意味の量が抗体結合のために溶液に接近可能
となるような変性条件は回避されるであろう。有意量の
タンパク質は溶液または懸濁液の中に残留して、有用な
免疫結合を得るようにしなくてはならない。可溶化の必
要性の程度は、意図するまた所望の結合の環境に依存す
るであろう。
【0038】特定の試験試料中の所望のタンパク質の有
意量を、前記試料が存在するカオトロピツク剤の水溶液
と生ずる水性混合物中のタンパク質の有意量を変性する
ために十分な濃度において組み合わせることにより、変
性して抗体結合のためにペプチドエピトープを露出する
ことができる。全血がHb A1 cの決定における試
料である場合、カオトロピツク剤は、また、赤血球を溶
解し、Hbを開放しかつプロテアーゼを不活性化する役
目をする。グアニジンの場合において、混合物中の濃度
は好ましくは約1モルよりも大きく、約3モルの濃度が
とくに有用である。変性過程は混合物を短時間加熱する
ことによつて有意に加速される。37℃以下の温度にお
いて、カオトロピツク剤による変性は1〜数時間を要す
ることがあり、これに対して50℃以上の温度におい
て、十分な変性は一分以内で達成することができる。抗
体および引続いて混合物に添加すべき他のタンパク質試
薬の変性を防止するために、試料−カオトロピツク剤の
混合物を、通常、別の工程として、あるいは試薬溶液の
添加により、希釈し、希釈のレベルはカオトロピツク剤
がこのような試薬の変性に実質的に無効であり、しかも
問題のタンパク質の有意な正常化を防止することにより
エピトープの暴露を保存するようなレベルである。グア
ニジンについて、これは好ましくは約1.0モル以下の
濃度への希釈を必要とし、約0.3モルがとくに好まし
い。
【0039】消化のために本発明において使用するタン
パク質加水分解酵素の非制限的例は、トリプシン、キモ
トリプシン、プロリン特定的エンドプロテアーゼ、ペプ
シンおよびパパインを包含する。免疫アツセイの実施に
おいて、タンパク質加水分解酵素の阻害剤を、既知のよ
うに、アツセイ混合物に十分な量で添加してタンパク質
のアツセイ剤の消化を防止する。
【0040】本発明は、本質的にいかなる所望のタンパ
ク質にも適用することができ、このようなタンパク質は
低分子量を有するもの、例えば、5000ダルトン以下
のもの(ここで使用するとき、タンパク質という用語は
それらの分子量のためポリペプチドと呼ぶことができる
化合物を包含する)ならびに数10万以上の分子量を有
するものを包含する。タンパク質の代表的な部類は、プ
ロタミン類、ムコタンパン質類、糖タンパク質類、グロ
ブリン類、アルブミン類、リンタンパク質、ヒストン
類、リポタンパク質、クロモタンパク質、およびヌクレ
オタンパク質を包含する。本発明のとくに有利な態様
は、医学および獣医学の診断学の分野におけるような問
題のタンパク質の結合の特異性および検出の改良への一
般的アプローチを提供するということである。本発明
は、高度の免疫原性ならびに抗体結合の特異性および親
和性を与えることができるエピトープのためのタンパク
質中のそうでなければ接近不可能であるかあるいは未知
の線状ペプチド断片をスクリーニングする機会を提供す
る。したがつて、本発明の応用は、特定のタンパク質を
抗体試薬に結合しようとする場合および前記タンパク質
のための変性条件をそれ自体与える場合を包含する。
【0041】本発明は、とくに、特定のタンパク質被検
体の特異的決定のための免疫アツセイおよび試薬系の適
用可能である。本発明は、新しい有用な線状ペプチドエ
ピトープを発見しかつ問題のタンパク質中のこのような
エピトープの接近可能性を増大する機会を提供する。そ
れは生物学的または分析学的意味のあるペプチドでない
修飾により特徴づけられるタンパク質の検出においてと
くに適用することができる。本発明の方法は、抗体試薬
を設計しかつ結合条件を確立して、特徴づけるエピトー
プが天然タンパク質中の抗体結合へ接近不可能であるか
あるいは限定されたそれへの接近可能性のみをもつ場合
において、タンパク質の特異的検出を成功させあるいは
改良することを可能とする機会を提供する。とくに医学
および診断学の分野において、このようなタンパク質の
例はそれら自体を示唆し、そしてグルコシル化タンパク
質、例えば、グルコキシル化ヘモグロビン(例えば、H
bA1 c)およびグルコキシル化アルブミンを包含す
るであろう。本発明は、さらに、より特異的でありおよ
び/またはタンパク質の通常露出された部分上の抗体の
形成および結合に利用可能であるものよりも高い結合親
和性を有するタンパク質中のエピトープの発見において
応用できる。所望のウマ動物を適当に変性された形態の
タンパク質またはその断片で免疫化することにより、得
られる免疫応答を所望の特異性および/または親和性を
示す抗体について検査することができる。この応用の拡
張は、細胞被検体、例えば、血球、およびバクテリアお
よびウイルスを包含する微生物などの特異的検出におい
てである。表面タンパク質高原への抗体の結合により提
供される検出の特異性を改良することが望ましい場合に
おいて、表面タンパク質および/または細胞内のタンパ
ク質を変性して改良された抗体応答を捜すことにより内
部のエピトープを検査することができる。
【0042】試験試料またはアツセイ媒質中のタンパク
質被検体を変性して、線状ペプチドエピトープに対して
特異性である本発明の抗体試薬を使用するタンパク質被
検体の免疫アツセイ法は、本質的にいかなる慣用の技術
に従うこともできる。このような技術は、免疫拡散、免
疫電気泳動、凝集技術、および補体固定、ならびにより
普通に用いられている技術、例えば、放射線免疫アツセ
イおよび非同位元素法のような特異的に検出可能な標識
の使用を包含する。本発明を用いるタンパク質被検体の
免疫アツセイの実施は、含まれる水性試験試料を処理し
てその中のこのようなタンパク質の有意量を効果的に変
性して所望の線状ペプチドエピトープを露出し、変性さ
れた試料を抗体試薬と接触させ、そしてこのようなタン
パク質への抗体試薬の結合を測定する必須工程を含む。
測定工程は、もちろん、含まれる基本的免疫アツセイ技
術に従つて変化するであろう。この測定を実施する普通
の技術は標識試薬の使用を包含し、そして前記標識試薬
は被検体または抗体試薬のいずれかと相互作用かつ被検
体と抗体試薬との間の免疫複合体の形成を示し、あるい
はこのような形成と競争させる方法で使用される。
【0043】後者の技術は広い種々のフオーマツトで、
例えば、標識結合試薬をつくつて抗体試薬への結合につ
いて調製した被検体と競争させる競争的結合フオーマツ
トで実施することができる。抗体試薬へ結合する標識試
薬、またはそのように結合しない標識試薬からなる遊離
種の量は、適当に測定され、そして試料中のタンパク質
暗試薬の量に関数的に関係づけることができる。本発明
の抗体試薬はタンパク質被検体中の線状エピトープへ向
けられるので、標識試薬変性されたタンパク質または変
性されたその断片の標識付けされた形態、あるいは、好
ましいように、アミノ酸の線状エピトープ配列からなる
ペプチド残基の標識された形態であることができる。後
者の好ましい試薬は入手可能な合成ペプチドの方法およ
び装置により調製することができ、そしてタンパク質分
子量自体の単離、精製および変性を必要としない。
【0044】タンパク質被検体の他の有用な免疫アツセ
イ技術は、サンドイツチ技術として知られたものであ
る。この方法において、2組の抗体試薬を使用し、それ
らの一方は標識されており、そして他方はタンパク質被
検体へ結合された究極的に標識された第1抗体試薬を結
合しないものから分離するために適合するであろう。標
識されない第2抗体試薬は、典型的には、この分野にお
いて知られているように、固定化された形態または固定
化可能な形態である。
【0045】放射線免疫アツセイにおいて、遊離種およ
び結合種は物理的に区別するかあるいは分離して標識を
測定するようにしなくてはならない。なぜなら、標識に
より発生される信号は両者の種において性質的に同一で
あるからである。このような技術は、相分離を必要とす
るので、不均質としてこの分野において知られている。
他の不均質免疫アツセイ技術が知られており、その例は
酵素標識免疫アツセイ(時にはELISA技術と呼ばれ
る)(米国特許第3,654,090号参照)および蛍光
免疫アツセイ(米国特許第4,201,763号、米国特
許第4,133,639号および米国特許第3,992,6
31号参照)である。
【0046】かなり最近において、多数の免疫アツセイ
技術が開発された。それらは結合相手、例えば、抗体に
よる標識試薬の結合時に検出可能な信号が変調される標
識の使用により分離工程を排除する。このような技術は
均質として知られるようになり、そして利用可能である
とき、分離が不必要でありかつ放射性同位元素が含まれ
ないので、本発明における使用に好ましい。いくつかの
このような技術は蛍光のクェンチング(quenchi
ng)および増大(米国特許第4,160,016号参
照)、エネルギー伝達免疫アッセイ(米国特許第3,9
96,345号参照)および二重抗体立体障害免疫アッ
セイ(米国特許第3,935,074号および米国特許
第3,935,943号参照)である。とくに好ましい
均質免疫アッセイは、酵素−触媒反応に参加する標識を
用いるものである。例は基質−触媒免疫アッセイ(米国
特許第4,279,992号および米国特許第1,55
2,607号参照)補因子族(FAD)−標識免疫アッ
セイ(米国特許第4,238,565号参照)、酵素モ
ジュレーター−標識免疫アッセイ、例えば、阻害剤標識
を使用するもの(米国特許第4,134,972号およ
び米国特許第4,273,866号参照)および酵素−
標識免疫アッセイ(米国特許第3,817,837号参
照)である。
【0047】本発明の抗体試薬は、問題の特定のタンパ
ク質中の線状ペプチドエピトープについてのその特異的
結合親和性により特徴づけられる。したがって、ここで
使用するとき、用語「抗体試薬」はこのようなペプチド
エピトープについて特異的である抗体結合部位を含むい
かなる方法で得られる物質をも意味する。したがって、
このような表現は抗体全体ならびにそれらの適当な断片
または多官能化形態を包含する。抗体全体の形態にある
とき、それは既知の免疫グロブリン、例えば、IgG、
IgMなどの綱および亜綱に属することができる。ペプ
チドエピトープについて特異的結合親和性を保持するこ
のような免疫グロブリンのいずれの断片、例えば、従来
Fab、Fab’およびF(ab’)2として知られて
いるIgGの断片をも使用することができる。さらに、
免疫グロブリンの凝集体、ポリマー、誘導体、複合体、
および雑種またはそれらの断片は適当ならば使用するこ
とができる。
【0048】抗体試薬の免疫グロブリン源は、利用可能
な方法、例えば、慣用の抗血清およびモノクローナル技
術において得ることができる。抗血清はよく確立された
手順、例えば、動物、例えば、マウス、ウサギ、モルモ
ットなどを適当な免疫原で免疫化する手順によって得る
ことができる。免疫グロブリンは、又、体細胞の交雑に
より得ることもでき、このようにして得られるものはモ
ノクローナル抗体と普通に呼ばれている。
【0049】モノクローナル抗体試薬は特に好ましい。
ハイブリドーマ細胞系統を誘導してタンパク質全体に対
するよりはむしろタンパク質分子の線状ペプチドエピト
ープ部分に対してのみ抗体を生産し、そしてこのような
細胞系統およびそれらの抗体をスクリーニングして所望
のエピトープと選択的に反応するモノクローナル抗体を
同定しかつ単離する。
【0050】このような抗体を生産する1つの方法にお
いて、天然に産出する生産ペプチドエピトープ配列に相
当しかつそれからなる、タンパク質鎖の断片タンパク質
担体へ結合しそして実験動物に注入して免疫応答を引き
出す。あるいは、免疫原はタンパク質またはその断片の
直線化または変性されて形態からなることができる。リ
ンパ球、例えば、免疫化動物からの脾細胞を骨髄腫細胞
と融合してハイブリドーマを作出し、これを培養しかつ
モノクローナル抗体の生産についてスクリーニングす
る。モノクローナル抗体をペプチドエピトープに対して
選択的であるものについてスクリーニングし、そして特
定の細胞系をクローニングして、それ以上の量のモノク
ローナル抗体の生産に使用する。
【0051】実験動物、例えば、BALB/cマウス、
ラットなどにおける合成ペプチド免疫原に対する抗体を
生産するために、所望のエピトープからなるペプチドを
生産しかつ天然に産出するタンパク質から単離するか、
あるいは化学的に合成しかつ精製する。このようなタン
パク質の断片は所望のエピトープの臨界的アミノ酸単位
のすべてを含み、そして追加のアミノ酸単位を含むこと
ができ、それらの一部またはすべては問題のタンパク質
のアミノ酸配列に相当してもよい。
【0052】エピトープ含有ペプチド断片が最適に抗原
性であることを確保するために、それを複数で免疫原担
体物質へ結合することが有利であることがある。免疫原
性担体物質はペプチド残基への結合に利用可能である官
能基を有する従来知られたもののいずれから選択するこ
ともできる。多くの場合において、担体はタンパク質ま
たはポリペプチドであるが、十分な大きさおよび免疫原
性を有する他の物質、例えば、炭水化物、多糖、リポ多
糖、核酸などを同様に使用することができる。大部分に
ついて、免疫原タンパク質およびポリペプチドは4,0
00〜10,000,000、好ましくは15,000
より大きく、より通常50,000より大きい分子量を
有するであろう。一般に、動物種から採取したタンパク
質は、他の種の血液流中に導入したときに免疫原であろ
う。とくに有用であるタンパク質はアルブミン類、グロ
ブリン類、ヘモシアニン類、グルテリン類などである。
慣用の免疫原担体物質およびそれへハプテンを結合する
技術に関する技術状態については、次の文献を参照する
ことができる:パーカー(Parker)、生物学的に
活性な化合物の放射線免疫アッセイ(Radioimm
unoassayof Biologically A
ctive Compound)、プレンチス−ホール
(Prentice−Hall)[エングルウッド・ク
リッフス(Englewood Cliffs)、米国
ニュージャージ州,1976年]:バトラー(Butl
er)、J.Immunl.Meth.,:1−24
(1974);ウェインリブ(Weinryb)および
シュロッフ(Shroff),Drug Metab.
R ev.,10:271−283(1974);ブ
ラーフトン(Broughton)およびストロング
(Strong),Clin.Chem.,22:72
6−732(1976):およびプレイフェアー(Pl
ayfair)ら、Br.Med.Bull.,30
24−31(1974)。
【0053】所定の免疫原性担体物質へ結合するエピト
ープの数は、担体上の有効結合部位の数によってのみ制
限され、そしてある種の高分子量の合成ポリペプチド、
例えば、ポリリジンの場合において数1000程度に高
くあることができる。特定の担体上のエピトープの密度
は担体の分子量および有効結合部位の密度に依存する。
最適のエピトープ密度は、免疫原の合成の容易さおよび
再現性および抗体の応答を考慮すると、含まれる担体上
の有効結合基の約10%〜約50%の間に入る。
【0054】ペプチド断片は慣用の結合法により担体物
質へ結合される。断片中の自然アミノ酸上の官能基また
は断片の化学的修飾により導入される官能基を通常使用
して、担体上の官能基へ直接にあるいは二官能性結合剤
を介して結合する。担体への明瞭な結合を得るために単
一の独特に反応性の官能基を有するように、ペプチド断
片を設計することが好ましいであろう。
【0055】とくに、本発明は、今回、生物学的流体、
例えば、全血の中のグルコシル化ヘモグロビンの高度に
特異的な免疫アッセイ決定のための手段を提供する。H
bA1c中に現れる合成グルコシル化N−末端ペプチド
残基に対して誘導されたモノクローナル抗体は、ヘモグ
ロビンのグルコシル化β−サブユニット中のこのような
残基に特異的結合することがわかった。抗体は慣用のモ
ノクローナル技術に従い種々の方法で調製することがで
きる。免疫原性担体へ化学的に結合した所望のグルコシ
ル化N−末端ペプチド残基からなる合成的に誘導された
免疫原に対する抗体が調製され、前記グルコシル化ペプ
チドHb A1cに相当するアミノ酸単位を少なくとも
2つ、好ましく約5〜15有する。得られるモノクロー
ナル抗体はグルコシル化合成ペプチドおよびヘモグロビ
ンA1c分子についての対応する露出したエピトープに
対して特異的である。
【0056】ヒト血液中に存在するHb A1cに対し
て特異的なモノクローナル抗体は、合成ペプチド免疫原
で免疫化した動物から採取したリンパ球と骨髄腫細胞と
の融合から誘導されるハイブリドーマにより分泌され
る。合成ペプチド免疫原は、好ましくは次の式をもつで
あろう: [Glyco−(NH)Val−His−AA−R−]
n−Carrier 式中、Glyco−(NH)Valは非酵素的にグルコ
シル化されたリンパ残基を表わし、Hisは天然β−サ
ブユニットHb配列を表わし、AAは結合あるいは1ま
たは2以上のアミノ酸残基であり、Rは適当な結合基で
あり、Carrierは免疫原性担体物質であり、そし
てn(エピトープ密度)は平均1ないしCarrier
上の有効結合部位の数である。結合基Rは任意の所望の
結合試薬から成ることができ、そしてAAはヒトヘモグ
ロビンのβ−サブユニットのN−末端を有する炭水化物
に相当する1または2以上の追加のアミノ酸残基を含む
ことができる。例えば、−AA−はロイシン単位で開始
する次のアミノ酸配列またはその任意の連続的断片から
選択することができる:−Leu−Thr−Pro−G
lu−Lys−さらに、結合基Rは正常のヒトヘモグロ
ビン中に存在しない追加のアミノ酸単位から成ることが
できるが、前記アミノ酸単位は便利にはペプチド合成法
により付加することができかつ担体物質への結合のため
に有用な官能基として働くことができる。とくに有用な
結合基は−Thr−Thr−Cysであり、これは担体
物質へグルコシル化ペプチド単位を制御して結合するた
めの固有のチオール基を提供する。
【0057】本発明のモノクローナルHb A1c抗体
は、主として、ヒトヘモグロビンのβ−サブユニットの
N−末端ペプチド配列のグルコシル化形態を結合するた
めのその特異性によって特徴づけられる。このグルコシ
ル化残基はHb A1cの区別されうる構造の一態様で
ある。本発明の抗体は、グルコースと末端アミンとの間
の反応生成物のアマドリ転位時に形成する1−デオキシ
フルクトシル炭水化物糖質単位を最小比率で含むエピト
ープまたは決定基と、天然Hb A1c配列に相当する
位置においてHb A1cのN−末端配列のアミノ酸単
位の少なくとも1つからなるそれから延びるペプチド配
列とを必要とする。このエピトープを特徴づけるペプチ
ド配列中の他のアミノ酸単位は、天然Hb A1c配列
中に現れるものと同一であるかあるいは異なることがで
きる。このようにして、このエピトープは抗体との少な
くとも2つの接触部位または結合部位により特徴づけら
れ、前記部位はグルコシル化N−末端Hb A1c配列
に対して独特である。好ましくは、抗体は次の式のグル
コシル化ペプチド残基と特異的に結合するであろう: Glyco−(NH)Val−His−AA− 式中、Glyco−(NH)ValおよびAAは上に定
義した通りである。とくに好ましいモノクローナル抗体
は、AAの性質に無関係にグルコシル化ジペプチド残基
について特異的であることがわかった。より大きい長さ
のグルコシル化ペプチド配列を必要とする特異性をもつ
抗体がまた得られ、AAはヒトヘモグロビンのβ−サブ
ユニットのN−末端に相当する1〜12、好ましくは1
〜6アミノ酸の配列である。モノクローナル抗体のこの
ような特異性は、Hb A1cの露出したグルコシル化
N−末端ペプチド残基の特異的な検出を可能とし、ヘモ
グロビンおよびヒト血液流に対して天然である他のタン
パク質およびペプチドの上の他のグルコシル化エピトー
プを実質的排除する。
【0058】自然Hb A1cの分子上のグルコシル化
N−末端ペプチド残基は、アッセイすべき試料中のタン
パク質の適当な変性または消化により本発明のモノクロ
ーナル抗体またはその断片に接近可能とされる。先行技
術の試みが失敗した特異的抗体を得ることにおける本発
明の成功についての基本的仮説をここで説明するが、そ
の正当性は本発明の発明性に対して臨界的であると解釈
すべきではない。
【0059】ヒトヘモグロビンのβ−サブユニットのN
−末端配列はマウスヘモグロビンの対応する配列に非常
に類似し、最初の4つのアミノ酸は同一である。第2
に、マウスヘモグロビンはヒトヘモグロビンとほぼ同程
度にグルコシル化されている。こうして、天然ヒトヘモ
グロビン分子において、β−サブユニットのN−末端配
列はマウスにより異質であると見られず、そして免疫応
答は期待されないであろう。これは先行技術の研究者ら
の論理であり、彼らはそれに応じて非常に異るヘモグロ
ビンタンパク質配列をもち、かつ免疫応答を得ることを
希望して、グルコシル化されない動物(ヒツジ)を選択
した。しかしながら、本発明によると、グルコシル化N
−末端残基を合成ペプチド免疫原の形態でマウス免疫系
に暴露すると、マウス免疫学的に応答することができる
形状でエピトープが提示されることが明らかにされた。
体細胞のクローニングに技術により、高度に特異的な抗
体を分泌するハイブリドーマを単離することができる。
分泌された抗体は、天然ヘモグロビン分子中のグルコシ
ル化N−末端ペプチド残基へ、それが抗体上の結合部位
との相互作用のために十分に露出された場合、結合する
であろう。エピトープの露出の方法を下記に詳述する。
【0060】詳しくは、ハイブリドーマ細胞系を誘導し
て全体のタンパク質よりはむしろヘモグロビン分子のグ
ルコシル化部分に対してのみ抗体を生産し、そしてこの
ような細胞系およびそれらの抗体をスクリーニングし
て、その後グルコシル化HbA1cエピトープと選択的
に反応するであろうモノクローナル抗体を同定しかつ単
離する。
【0061】このような抗体を生産するために、天然に
産出するグルコシル化ペプチド配列に相当する、タンパ
ク質鎖の断片をタンパク質担体へ結合し、そして実験動
物に注入して免疫応答を引き出す。免疫化動物からの脾
細胞のようなリンパ球を骨髄腫細胞と融合してハイブリ
ドーマを作出し、これを培養しかつモノクローナル抗体
の生産についてスクリーニングする。モノクローナル抗
体をグルコシル化ペプチドエピトープに対して選択的な
ものについてスクリーニングし、そして特定の細胞系統
をクローニングして追加量のモノクローナル抗体の生産
に使用する。
【0062】実験室の動物、例えば、BALB/cマウ
ス、ラットなどの中に抗体を生産するために、グルコシ
ル化ヘモグロビン断片を生産しかつ天然に産出するヒト
ヘモグロビンから単離するか、あるいは化学的に合成し
かつ精製しなくてはならない。ヘモグロビン断片は1−
デオキシフルクトース残基および少なくとも2つ、好ま
しくは3、4、5またはそれより多いヘモグロビンのβ
−サブユニットのN−末端(バリン−ヒスチジン)に相
当するアミノ酸残基を含むべきである。有利には、それ
は約5〜15、好ましくは約7〜10単位を含む。
【0063】グルコシル化ペプチド断片が最適に免疫原
性であることを確保するために、それを有利には担体物
質へ結合することができ、この担体物質は大きい免疫原
分子、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキ
ーホールリンペットヘモシアニン(Keyhole l
impet hemocyanin)(KLH)からな
る。この断片は、また、グルコース−バリン反応の自然
の転位付加物を有すべきであり、この付加物は単離され
た天然に産出するヘモグロビン断片の場合におけるよう
に、最初から存在することができ、あるいは、好ましく
は、合成ペプチドの合成の間にあるいはそのペプチドを
大きいタンパク質担体へ結合する前にそのペプチド上に
形成することができる。担体は断片の抗原性を破壊しな
い方法で添加することができる。
【0064】グルコシル化断片は天然に産出するHb、
例えば、A1cの化学的または酵素的消化により生産す
ることができる。この断片は担体へ古典的結合手順を使
用して、例えば、グルタルアルデヒドまたはカーボジイ
ミドを使用して結合することができ、そして複合体を免
疫原として使用することができる。
【0065】既知のヘモグロビン配列の一部を化学的に
合成する好ましい方法は、1または2以上のアミノ酸単
位(正常の配列中に存在しない)を付加してその抗原性
および結合性質を最適化することを含む。この場合にお
いて、最後の単位はチオール(SH)基を有し、これに
よりそれを配位子へ慣用法により、例えば、二官能性結
合試薬、例えば、m−マレイミドベンゾイルN−スルホ
スクシンイミドエステル(MBS)との反応により結合
することができる。
【0066】好ましい実施態様に従い、8単位NH2
バリン−ヒスチジン−ロイシン−スレオニン−プロリン
−グルタミン酸−グルタミン酸−リジン−COOHを有
する合成Hb断片のリジン端へ、チロシン、チロシンお
よびシステインを付加して、11−単位のシステイン−
末端ペプチドを得た。
【0067】これは慣用法でグルコースとの非酵素的反
応によりグルコシル化することができる。その後、グリ
コペプチドを大きい担体へ結合して抗原を生産し、これ
を投与して抗体を生産する。グルコース化ペプチドエピ
トープに対する抗体を生産する動物からのリンパ球を次
に慣用法で融合してハイブリドーマを生産し、そしてこ
れをクローニングし、そして所望の規格のモノクローナ
ル抗体を生産するものをさらにサブクローニングする。
グルコシル化されないHbと対照的に、モノクローナル
抗体がグルコシル化エピトープに対して最大の選択性を
示す1または2以上の細胞系統を、次いで、増殖しそし
て抗体を収穫する。このようなモノクローナル抗体の技
術については、次の文献を参照することができる:リン
パ球のハイブリドーマ類(Lymphocyte Hy
bridomas)、メルチャーズ(Melcher
s)ら編、スプリンガー−ベルラダ(Springer
−Verlag)(ニューヨーク1987);Natu
re,266:495(1977);Science,
208:692(1980);およびMethodsi
n Enzymology,74(部B):3−46
(1981)。
【0068】次いで、抗体を慣用法に従い既知量のグル
コシル化Hbを含有する血液試料と反応させ、そして反
応の程度を目盛定め標準と比較してグルコシル化の程度
を決定することができる。読取りは、蛍光により、免疫
アッセイなどにより、適当に読むことができる基をモノ
クローナル抗体へ既知の方法に従い、Hb A1c中の
グルコシル化エピトープについてのそれらの結合力を損
失せずに、接合することによって実施することができ
る。
【0069】あるいは、試薬の試験ストリップに基づく
アッセイを実施することができ、ここでカルボキシル基
を有する物質、例えば、カルボキシメチル−セルロース
を木材またはプラスチック上に被覆する。次いで、この
ストリップを溶解しかつ変性した未知の血液試料中に浸
漬し、これによりグルコシル化されているかあるいはさ
れていないヘモグロビンを吸着する。次いで、このスト
リップを、Hb A1cエピトープとの結合を妨害しな
い部位において標識付けされた(例えば、酵素、蛍光、
コファクターなどで)適当なモノクローナル抗体の溶液
中に浸漬する。結合した抗体の量をストリップ上の標識
の量により決定し、そしてこれは既知の試料中のグルコ
シル化Hbの量の指示である。標識の取り付けおよびそ
の読取りは慣用方法に従い実施する。
【0070】上の式中の結合基Rは本質的に任意の便利
な安定構造であることができる。このような結合基Rは
通常1〜20個の炭素原子を有し、水素を排除し、且つ
異種原子、例えば、窒素、酸素、およびイオウを含む脂
肪族鎖の形態であろう。グルコシル化残基は種々の基、
例えば、メチレン、エーテル、チオエーテル、イミノな
どを介して接合して結合鎖Rを形成することができる。
当業者は広い種類の結合基を有し、その中から選択して
免疫原をつくることができるであろう。通常、グルコシ
ル化ペプチドは担体分子中の適当な基への結合反応にお
いて活性である官能基、例えば、アミノ、カルボキシ
ル、チオール、ヒドロキシル、またはマレイミドにおい
て終るように調製されるであろう。
【0071】次の実施例により、本発明をさらに説明す
る。
【0072】
【実施例】
実施例1Hb A1c中のグリコペプチドエピトープに対する抗
体の調製および特徴づけ a) 8N‐末端単位のβ‐ヘモグロビン+2単位のチ
ロシン+1単位のシステインからなる11‐アミノ酸ペ
プチドを、グッテ(Gutte)、BおよびR.B.メ
リフィールド(Merrifield)J.Am.Ch
em.Soc.,91:2、501(1969)に従い
合成して、次のペプチドを得た:NH2‐バリン‐ヒス
チジン‐ロイシン‐スレオニン‐プロリン‐グルタミン
酸‐グルタミン酸‐リジン‐チロシン‐チロシン‐シス
テイン―COOH。
【0073】このペプチドをグルコシル化するため、2
00mgのこの精製したペプチドを20mlの無水ピリ
ジン中の0.25モルのグルコースと48時間室温にお
いて暗所で反応させる。この混合物を真空乾燥する。得
られるシロップを20ミリモルのリン酸カリウム、pH
2.95中に再懸濁し、そしてHPLCにより精製す
る。
【0074】ポリペプチドを含有する分画を0.1モル
の酢酸トリエチルアンモニウム、pH8.5中に溶解
し、そしてアフィゲル(Affigel)‐601ボロ
ネート親和性樹脂[バイオラド(Biorad)]のク
ロマトグラフィーにかけ、これによりグリコペプチドを
選択的に吸着させる。この樹脂を0.1モルの酢酸トリ
エチルアンモニウムpH8.5で溶離する。洗浄し、そ
してグリコペプチドを0.1モルの酢酸トリエチルアン
モニウムpH8.5で溶離する。溶離液を凍結乾燥す
る。
【0075】生成物を1mlの水中に再懸濁し、500
倍モルの過剰のジチオスレイトールと反応させ(システ
インのSH基を回復し)そして還元されたペプチドをH
PLCにより再精製し、そして凍結乾燥する。このグリ
コペプチドを−20℃においてN2中でさらに使用する
まで貯蔵する。
【0076】b) KLH‐MBS複合体(conju
gate)、ラーナー(Lerner)、Rら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.,78:3403
(1981)に以前に記載された、を(a)の生成物と
2倍モル比のグリコペプチド対マレイミドにおいて担体
上で50ミリモルのリン酸カリウムpH7.2中で1時
間室温において反応させる。
【0077】c) (b)における溶液を等体積のフロ
イント完全アジュバントと混合して油中水型エマルジョ
ンを形成し、そして200μgの複合体をBALB/c
Byマウスに注入する。マウスを30日および60日に
おいて促進し、殺し、そして脾臓をケラー(Kohle
r)およびミルステイン(Milstein),Nat
ure、256:495(1975)に従う融合に使用
し、多数のハイブリドーマを生産する。ハイブリドーマ
をスクリーニングして、グルコシル化ペプチドエピトー
プに対して特異的であるモノクローナル抗体を生産す
る。
【0078】A1c特異的モノクローナル抗体について
のスクリーニングをELISAフォーマットを使用して
実施し、ここで抗体をポリスチレンのマイクロタイター
板(microtiter plate)[リンブロ
(Linbro)]上に吸着させる。抗体は精製された
ヒトA1cおよびグルコシル化されていないA0ヘモグロ
ビンである。A1cを赤血球溶血物から2つの異るクロ
マトグラフィー手順により精製する。第1精製は、ピア
ース・ケミカル・カンパニー(Pierce Chem
ical Co.,Rockford,Illinoi
s,U.S.A.製品番号42,000)に記載される
ようなボロネート親和性樹脂上にグルコシル化ヘモグロ
ビンを結合させることから成る。典型的には、1〜5g
のヘモグロビンを100mlのボロネート樹脂へ適用
し、そして結合した(糖ヘモグロビン)分画をピアース
・ケミカル・カンパニー、グリコテスト・ブチレン(G
lybcoTest bulletin)、製品番号4
2,000に記載されるように溶離する。溶離されたグ
リコヘモグロビン分画を、マクドナルド(McDona
ld)、M.ら、J.Biol.Chem.,253
2327‐2332(1987)に記載されるようにし
て、低イオン強度の緩衝液中で平衡化し、そしてイオン
交換樹脂のクロマトグラフィーにかける。A1c[ピー
ク]を等電点電気泳動によりおよびチオバルビツル酸を
使用する炭水化物分析により分析し、そして結果はその
精製された物質中で超純粋A1cヘモグロビンを生産し
たこの精製が、両者の炭水化物を有し、かつ等電点にお
いて正常A0ヘモグロビンと異なることを確証する。同
様にA0ヘモグロビンは、ボロネート親和性樹脂へ結合
しない性質およびイオン交換クロマトグラフィー精製に
おけるA1c[ピーク]としてイオン交換によるクロマ
トグラフィーによって精製される。純粋なA1cおよび
0ヘモグロビンを、4℃において一夜別々のマイクロ
タイター板[2μg/100マイクロリットルPBS/
ウェル(well)]上に吸着する。板をPBS中の1
%のBSA中で室温においてブロッキングし、次いでP
BS中で4回洗浄する。各ハイブリドーマ細胞系統から
の上澄みをA1cおよびA0板に添加し、室温において6
0分間インキューベーションする。板をPBS中で4回
洗浄し、そして二次抗体[ウサギ抗マウス‐IgG‐ベ
ルオキシダーゼ、マイルス・ラボラトリーズ・インコー
ポレーテッド(Miles Laboratorie
s,Inc.Elkhart,Indiana U.
S.A.)、PBS中の1%BSA中の1:5000希
釈]を適用し、そして室温において60分間インキュー
ベーションする。この板をPBS中で4回洗浄し、そし
て200マイクロタイターの基質溶液を添加する(2
4.3ミリモのクエン酸、pH5.3、2.2ミリモルの
o‐フェニレンジアミンおよび5.2ミリモルの過酸化
水素を含有する)。この反応を20分後50マイクロタ
イターの8モルのH2SO4の添加により停止し、そして
ペルオキシダーゼ反応の生成物を492nmにおいて読
む。
【0079】ヘモグロビンに対する抗体を生産する20
0の出発ハイブリドーマから、9はA1cに対して特異
的であるとして同定され、これに対して191はA1
およびグルコシル化されていないヘモグロビンの両者と
反応する。予備免疫化マウス血清はELISA手順によ
りA0またはA1cに応答する検出可能な抗体をもたない
ので、主要な免疫応答はA0およびA1cに共通に所有さ
れている8ペプチド配列に対するものである。合成ペプ
チド免疫原はヘモグロビン配列の8アミノ酸残基から成
るので、主要マウス免疫応答はペプチドに対して向けら
れ、炭水化物には向けらなない(200ハイブリドーマ
のうち191はA0およびA1cの両者と反応する)。期
待されるように、免疫マウス血清は、また、A0および
1cの両者と反応性の広く交差反応姓の抗体を有し、
これによりハイブリドーマがA1cに対して反応性であ
るがA0に対して反応性でないことについてスクリーニ
ングされないかぎりA1cに対する特異性は得られない
ことが示唆される。A1cハイブリドーマに対する抗体
を生産する好ましいハイブリドーマおよびA0ヘモグロ
ビンに対する抗体を生産しない好ましいハイブリドーマ
は、それぞれATCC HB 8639及びATCC
HB 8669として1984年10月11日および1
985年7月10日にATCCに受託された。
【0080】d) 抗体にへの結合についてA1c拮抗
するペプチドの同定:グルコシル化11‐アミノ酸親ペ
プチド Glyco‐Val‐His‐Leu‐Thr‐Pro
‐Glu‐Glu‐Lys‐Tys‐Tys‐Cys
(グリコペプチド1)を酵素消化により、次のペプチド
類を発生させる:すべてのペプチド断片をHPLCによ
り精製し、そしてアミノ酸配列により定量する。前記親
ペプチドのチロシン消化は、Glyco‐Val‐Hi
s‐Leu‐Thr‐Pro‐Glu‐Glu‐Lys
(グリコペプチド2)を生産する。プロリン特異的エン
ドプロテアーゼは、Glyco‐Val‐His‐Le
u‐Thr‐Pro(グリコペプチド3)を生産する。
ペプチドGlyco‐Val‐His‐FAD(グリコ
ペプチド4)(ここでジペプチドをN6‐アミノヘキシ
ルFADに結合し、次いでグルコキシル化される)は、
カリコおよびジョンソンへの米国特許第4,255,56
6号によりつくられ、そしてアメス・ディビジョン、マ
イルス・ラボラトリーズ(Ames diveisio
n,Miles Laboratories,In
c.,Elkhart,Indiana U.S.
A.)のキン・イップ(KinYip)博士およびR.
バックラー(Buckler)博士により提供される。
【0081】典型的な拮抗アッセイにおいて、100μ
lのPBS‐7.2ミリモルのNa2HPO4、2.8ミリ
モルのNaH2PO4、127ミリモルのNaCl、pH
中の各ペプチドの8ナノモル〜8ピコモルを100μl
のモノクローナル細胞上澄み液とともに60分間室温に
おいてインキューベーションする。この混合物を1μl
のA1cヘモグロビン/ウェルで被覆されたポリスチレ
ンのマイクロタイター板に添加する。ペプチドを抗体と
拮抗させると、抗体は固定化A1cへ自由に結合しな
い。この板をPBSで4回洗浄する。第2抗体(セイヨ
ウワサビのペルオキダダーゼと結合したウサギ抗マウス
IgG)を30分間添加し、そして板をPBS中で洗浄
する。基質(o‐フェニレンジアミン2.2モル)およ
び過酸化水素(0.012%)を添加し、そして生成し
た生成物を492nmにおいて測定する。生成物の定量
は競争の程度を反映し、例えば、生成物なしは競争する
ペプチドが固定化A1cへの結合に対して抗体を完全に
ブロック(block)したことを示す。結果は、Gl
yco‐Val‐His‐FADを包含する前述のグリ
コペプチドのすべて4種類が有効な拮抗体であること示
す。抗体の1つ、Ab‐4、はA1cへの結合に対して
グリコペプチド1〜4により完全にブロックされる(図
1〜図3参照)。他の抗体、Ab‐3、はグリコペプチ
ド1〜3によりブロックされるが、グリコペプチド4に
よりブロックされない(図1〜図3参照)。
【0082】炭水化物を欠損するペプチドは競争阻害を
示さず、これにより炭水化物がエピトープの必須成分で
ありかつA1cヘモグロビンの抗体の認識について特異
性を提供することを示唆する(図1参照)。
【0083】実施例2Hb A1cについての競争免疫アッセイ この競争免疫アッセイ(competitivew i
mmunoassay)は、溶解全血中のA1cと固定
化抗体への結合について競争するハプテン‐標識の固定
量の使用に基づく(実施例5に記載するように)。抗体
はA1cおよびハプテンの両者を認識するので、標本中
のA1cのレベルは抗体へ結合するハプテンの量を決定
する。抗体は固定化されるので、すべての結合しない反
応成分は簡単な洗浄工程により除去される。次いで、結
合した標識を測定し、そしてもとの血液試料中のA1
の定量について標準と比較する。
【0084】全血を標本として使用するアッセイを開発
し、そしてこれを下記の工程に分割することができる: (1) ヘモグロビンの溶解または細胞変性 最終のアッセイは0.3マイクロタイターより少ない全
血を必要とするので、精確にピペットで取ることのでき
る血液[フィンガー・スティック(finger st
ick)または全血からの5〜50μl]を変性溶液
(3モルのグアニジンHCl、10ミリモルのトリス‐
HCl pH7.5)中に希釈し、2〜15分間56℃
に加熱する。より低い温度も有効であるが、追加の時間
を試料の変性に必要とするであろう。この変性は(a)
試料が抗凝固剤中で調製しない場合、凝血機構を不活性
化する;(b)赤血球を溶解する;(c)プロテアー
ゼ、酵素などを変性し、そしてヘモグロビン上のA1
エピトープを最適に露出する;(d)試料を非無菌的に
調製しかつ取扱う(例えば、フィンガー・スティックか
らの血液)場合でさえ、変性された血液試料中の微生物
の生長を滅菌または阻害するように思われる;および
(e)最終のアッセイを影響を及ぼさないで室温におい
て数日間貯蔵することができる。
【0085】(2) 希釈および拮抗 変性された全血のアリコートを、ハプテン‐標識を含有
する緩衝液の4倍体積中にピペットで入れる。これは効
果的にヘモグロビンを希釈してアッセイに適当な濃度に
し、そして変性物を低濃度に希釈して抗体または酵素の
活性を安定化させる。次いで、抗体で被覆したビーズを
特定した時間の間添加し、その間抗体はA1cヘモグロ
ビンまたはハプテン‐HRPに結合する。
【0086】(3) 洗浄および読み 拮抗的インキュベーションに引続いて、ビーズを洗浄
し、そして標識を適当な基質の添加後読み取る。次い
で、信号を標準および決定したものと全血血液試料中に
存在するA1cの量と比較する。
【0087】使用したアッセイの詳細を下に要約する:ビーズの被覆手順 ポリスチレンビーズ[0.635cm(1/4インチ)
の直径、鏡面仕上げ(specular finis
h)]をブリーシジョン・ボール・カンパニー(Pre
cision Ball Company,Chica
go,Illinois,U.S.A.)から入手す
る。ロットを同一試料の多数回の免疫アッセイの測定に
おける最低の変動を提供するビーズについてスクリーニ
ングする。被覆の前に、ビーズを無水メタノールで洗浄
し、次いで水で洗浄する。メタノールの洗浄は、同一試
料の多数回の測定について変動の補正を有意に低下させ
るように思われた。次いで、抗体溶液(0.2モルのホ
ウ酸ナトリウムpH8.5、0.02%のアジ化ナトリウ
ム中の5μg抗体/100μl)を添加してビーズを湿
潤させ、そしてビーズを4℃において一夜回転させた。
次いで、ビーズを洗浄し、0.02%のアジ化ナトリウ
ムを含有する1%のBSAでブロックする。典型的に
は、500〜1000個のビーズを一度に被覆し、そし
て1週間使用し、抗体活性の損失の証拠は存在しない。
放射性抗体を用いる被覆は、0.5μg/ビーズの抗体
の結合を示す。
【0088】これらのビーズは比較的高い量のタンパク
質を結合する性質をもつため、これらのビーズをこの免
疫アッセイにおいて使用する。ポリスチレン上へのタン
パク質の疎水性吸収は便利であるが、タンパク質がポリ
スチレン、官能化樹脂、またはシリカへ便利に結合する
いくつかの手順の1つを代わりに使用できることは確か
である。また、ポリスチレンは管またはキュベットの形
であることもできる。作業のプロトコール(protc
ol)は、次に要約する通りである: (a)50μlの全血を1.0mlの変性溶液(3モル
のグアニジンHCl、10ミリモルのトリスpH7.
5)中に希釈し、56℃に15分間加熱し、再び100
μlを1.0mlの変性剤中に希釈する。
【0089】(b)50μlの上の溶液を0.5mlの
ハプテン−HRP化合物温度リン酸塩緩衝化塩類溶液
(PBS)pH7.5へ添加する。インキュベーショ
ン、洗浄および酵素反応を48ウェルのポリスチレン組
織培養板中に便利に実施される。 (c)抗体被覆ビーズを添加し、そして30分間周囲温
度において揺動しながらインキュベーションする。
【0090】(d)ビーズを緩衝液(PBS)で洗浄す
る(通常3〜1mlの交換)。
【0091】(e)o−フェニレンジアミン基質および
過酸化水素を添加する。
【0092】(f)20分後、この反応を停止しそして
20分後生産物を読む。上のアッセイを使用して、後述
の臨床的データを確立する。グリコペプチド1を使用す
る拮抗を第5図に示す。正常の共与体および糖尿病の共
与体の評価を第6図に示す。ボロネートの親和性決定
を、ピアース・ケミカル・カンパニー(PierceC
hemical Co.)(グリコテスト、製品番号4
5,000)に精確に記載するように実施する。
【0093】1cエピトープの最適な露出 ヒトA1cエピトープの最適な反応性は、エピトープを
抗体結合部位へ露出する手順または試薬を使用する天然
ヘモグロビン(全血または溶血物中)の処理後に見られ
る。エピトープの最適な露出は、物理的変性(熱、音波
処理など)により、古典的変性剤を含む化学的手順(尿
素、グアニジン、SDS、プロテアーゼ)により、ある
いは物理的手順および化学的手順の組み合わせにより達
成することができる。全血(50μl)を3モルのグア
ニジン塩酸塩、10ミルモルのトリス−HCl、pH
7.4の1mlの溶液へ添加し、そして56℃に1分以
上加熱する。得られる試料はA1cエピトープについて
の引続く免疫アッセイにおいて最適にはたらく。この溶
液を10倍に緩衝液中に希釈し、効果的にグアニジンは
0.3モルに希釈され、この濃度は、正常抗体−抗原相
互作用および酵素活性へ、なんらかの影響を及ぼしたと
しても、それがほんのわずかであり、引続く免疫アッセ
イへの適当な媒質を提供する。
【0094】実施例2の競争免疫アッセイをもちいる。
全血試料を3.0モルのグアニジン中に20℃、37℃
または56℃において0〜320分間入れる。結果(第
7図)は時間とともに20℃または37℃においてエピ
トープが露出され、こうしてハプテン−HRP複合体と
効果的に競争することを示す。56℃において、エピト
ープは5分後に最高に露出され、最も早い点がこのアッ
セイにおいて測定される。この結果は、天然ヘモグロビ
ンA1cテトラマー中において、エピトープは埋込ま
れ、接近不可能であり、そして線状合成グリコペプチド
−HRP複合体と拮抗しないことを示す。しかしなが
ら、ヘモグロビンA1cが変性されると、新しく露出さ
れるエピトープは線状グリコペプチド−酵素複合体につ
いて効果的な拮抗体となる。
【0095】実施例4抗体特異性−ヒツジポリクロナール応答対マウスモノク
ロナール応答−の比較 ヒツジ(sheep)を、フロイント完全アジュバント
中で、実施例1(b)のグリコペプチド−KLH複合体
(4mg)で免疫化、5部位、1M、する。ブーストを
同様に30日後および60日後に実施する。60日の促
進はフロイント不完全アジュバント中で実施する。予備
免疫血清、および免疫血清を、実施例1(C)に記載す
るように、ELISAアッセイにおいてそのA1cおよ
びA0の特異性について力価決定する。結果(第7図参
照)は、合成グリコペプチドが免疫応答をヒトヘモグロ
ビンに対して刺激するが、免疫グロブリン類がA1cに
ついて特異的でないことを示す。これと対照的に、A1
cについてのマウスモノクロナール抗体は、同一アッセ
イにおいて測定したとき(実施例1CのELISAアッ
セイ−第8図参照)、A1cについて非常に特異的であ
る。ヒツジ抗血清からのA1cについて特異的である抗
体を免疫親和性精製する試みは成功しなかった。
【0096】実施例5ハプテン標識複合体の調製 グリコペプチド1(HRP)の複合体を調製した。15
mgのセイヨウワサビのペルオキシダーゼ(HRP)を
10Xモル過剰のMBS(実施例1b参照)と50ミル
モルのリン酸ナトリウム、1ミルモルのEDTA、pH
7.0中で反応させることにより、ハプテン−HRPを
調製した。MBS−HRP複合体をゲル濾過(上の緩衝
液を使用する)により精製し、そして0.34mgのグ
リコペプチドハプテン(ペプチド1)を添加した。最後
のハプテン−HRP複合体をHPLCのゲル濾過により
精製し、そして実施例3の拮抗的免疫アッセイにおいて
1:1000〜1:100,000の希釈で使用した。
【0097】実施例6Hb A1cのストリップ免疫アッセイ a)0.1モルのホウ酸ナトリウム緩衝液、pH8.5中
の実施例1(c)のモノクロナール抗体を、200倍モ
ル過剰の蛍光性イソチオシアネート(FITC)と混合
し、そして室温において30分間反応させた。蛍光標識
モノクロナール抗体はゲル濾過により精製することがで
きる。
【0098】b)COOHを有するストリップ(ポリス
チレン、セルロースなど)を0.5mlの未知の変性溶
血物、pH7.5中に浸漬する。ストリップを緩衝液で
pH7.5においてすすぎ、そして緩衝化溶液中の
(a)の蛍光性モノクロナール抗体中に5分間室温にお
いて浸漬する。このストリップを再びすすぎ、そしてこ
のストリップの蛍光の程度は未知の試料中のHb A1
cの程度を示す。
【0099】実施例7試薬ストリップへのモノクロナール抗体の結合および免
疫アッセイにおけるその使用 ワットマン#1濾紙(7cm)を20mlの氷冷D−H
2O中に入れ、そしてこの溶液のpHを5モルのNaO
Hで10.5〜11.5に調節する。溶液を活性化により
連続的に監視し、そしてpHを5モルのNaOHの滴下
により10.5〜11.5に維持する。小さい撹拌棒を、
濾紙を含有するビーカー底に配置する。次いで、ビーカ
ーを氷を充填したペトリ皿内に入れ、これを磁気撹拌機
上に配置する。1gの固体BrCNをビーカーに添加
し、そしてこれを撹拌しながら20分間インキュベーシ
ョンする(氷上)。濾紙を溶液から取り出し、そして溶
液100mlの氷冷蒸留水(d−H2O)中で洗浄す
る。次いで、それを氷冷0.2モルのNa2HPO4−ク
エン酸緩衝液、pH6.8中で洗浄する。抗体(0.2モ
ルのNa2HPO4−クエン酸緩衝液、pH6.8中の1
mg/ml)添加し、そして抗体の結合を1時間進行さ
せる。エタノールアミン(1ミルモルの溶液の10m
l)を添加して未反応部位をブロックし(15分間)そ
して紙リン酸塩類溶液(PBS、10ミルモルのNa2
HPO4、140ミリモルのNaCl、pH7.5)で洗
浄して未反応成分を除去する。
【0100】この試薬ストリップを、A1cヘモグロビ
ンについて抗体結合を標識成分を含有する標準化量の未
知の変性溶血物中に浸漬する。便利な競争体は、セイヨ
ウワサビのペルオキシダーゼ(ハプテン−HRP)へ共
有結合したグリコペプチド(グリコペプチド1)であ
る。ストリップを除去し、そしてPBSで洗浄する。ス
トリップへ結合したヘモグロビンの量を測定し(この量
は試料中のA1cと逆比例する)そしてA1cヘモグロビ
ンを標準試料と比較することにより定量することができ
る。
【0101】実施例81cについての酵素結合免疫溶媒アッセイ 固定体積の変性血液黄血物(100μl)を、ポリスチ
レンのマイクロタイター板へ添加し、そして室温におい
て60分間反応させる。この板を0.05%のツイーン
−20(PBST)中で4回洗浄する。モノクロナール
抗体(セイヨウワサビのペルオキシターゼ)をPBST
中に添加し(100μg、1μg/ml)、そして室温
において30分間反応させる。過剰の抗体を4回PBS
Tで除去する。PBS中の基質(o−フェニレンジアミ
ン、2.2ミルモル)およびH22(0.012%)を添
加し、そして反応生産物を492nmにおいて測定す
る。カラー濃度は、標準値と比較したとき、溶血物中に
存在するA1cの量を反映する。
【0102】実施例91cについての放射線アッセイ 100マイクロタイターの変性血液の溶解物(220ナ
ノモルのヘモグロビン)を7ナノモルのヨウ素化 Glyco−Val−His−Leu−Thr−Pro
−Glu−Glu−Lys−Tys−Tys−Cys
(500,000cpm/7ナノモル)と混合する。血
液溶解物が正常の(ほぼ3%)A1cヘモグロビンを含
有するとき、モノクロナール抗体をグルコキシル化ペプ
チドの50%と結合するために十分な量で添加する。よ
り高いヘモグロビンA1c値はペプチドに対して競争
し、これにより抗体により結合された計数の合計数を減
少させる。抗体は第2抗体(ウサギ抗マウスIgG)で
免疫沈殿させることにより、あるいはプロテインA被覆
粒子上に吸着させることにより回収することができる。
抗体へ結合したヨウ素化ペプチドは、ガンマ同位元素カ
ウンターで定量することができ、そして、標準物質と比
較したとき、血液溶解物中に存在するA1cの量を反映
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】グリコペプチド1(ペプチド1)によるA1
へのaB−3の結合の阻害を表わすプロットである。抗
体をグリコペプチドとともに予備インキュベーションし
た後、A1c被覆マイクロタイター板へ移した。A1cへ
結合するモノクロナール抗体を二時抗体−酵素を使用し
た検出した。結果を阻害百分率として図1にプロット
し、ここで0%の阻害は対抗物質を使用しないで得られ
る値である。○−○線は炭水化物を欠く同一ペプチドか
らのものであり、炭水化物が抗体結合に必須であること
を示す。すべての点は3回の反復実験の測定値の平均で
ある。
【図2】グリコペプチド3(ペプチド3)によるA1
へのAb−3の結合の阻害を表わすプロットである。対
抗実験は図1について記載したようにして実施した。
【図3】グリコペプチド4(ペプチド4)によるA1
の結合についてのAb−3およびAb−4の阻害を表わ
すプロットである。対抗実験は図1について記載したよ
うにして実施した。
【図4】最適アッセイ条件を用いる典型的な標準曲線で
ある。正常の共与体からの全血(3.83%のA1c)を
使用するHPLCイオン交換により測定して、12.6
6%のA1cを有する糖尿病患者からの変性全血の異る
比を用いて全血標準を調製した。すべての点は3回の反
復実験の測定値の平均である。
【図5】合成のペプチド標準を使用する標準曲線であ
る。アッセイは図4について記載するようにして実施し
たが、異る量の合成グリコペプチドを対抗物質として使
用した。3回の反復実験のすべての値をプロットした。
【図6】免疫アッセイ法と共与体のホウ酸塩親和性法と
の比較を表わすプロットである。3回の反復実験の平均
値を免疫アッセイの座標にプロットする。
【図7】変化する変性条件下にHb A1cエピトープ
の露出を明らかにするプロットである。
【図8】実施例1(b)の合成グリコペプチドでヒツジ
を免疫化する結果を表わすプロットである。
【図9】マウスのモノクロナール抗体がA1cヘモグロ
ビンについて特異的であることを明らかにするプロット
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 D 8310−2J K 8310−2J 33/577 B 9015−2J // A61K 39/00 9284−4C (C12P 21/08 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 779731 (32)優先日 1985年9月27日 (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ビンセント・マーチエシ アメリカ合衆国コネチカツト州06437ギル フオード・プロスペクトアベニユー179 (72)発明者 ウオーレス・ヘイ アメリカ合衆国コネチカツト州06473ノー スヘブン・キニピアクアベニユー189

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体結合性部位がヒトヘモグロビンのβ
    −サブユニツト中のグルコシル化N末端ペプチド配列に
    特異的に結合することを特徴とするモノクローナル抗体
    またはその抗体結合部位を含む断片。
  2. 【請求項2】 抗体結合性部位が、式 Glyco−(NH)Val−His−AA− (上式中、Glyco−(NH)Valは非酵素的にグル
    コシル化されたバリン残基を表わし、そしてAAは結合
    であるかまたは1または2以上の追加のアミノ酸残基で
    ある)のグルコシル化ペプチド残基へ特異的に結合する
    ことを特徴とする請求項1記載のモノクローナル抗体ま
    たはその断片。
  3. 【請求項3】 AAがヒトヘモグロビンのβ−サブユニ
    ツトのN末端に対応する1〜12個のアミノ酸配列であ
    ることを特徴とする請求項2記載のモノクローナル抗体
    またはその断片。
  4. 【請求項4】 免疫原性担体物質に化学的に結合したグ
    ルコシル化ペプチドであつて、ヒトヘモグロビンのβ−
    サブユニツトのN−末端に対応する少なくとも2個のア
    ミノ酸単位をもつグルコシル化ペプチドまたは前記β−
    サブユニツトのグルコシル化N−末端を含むヘモグロビ
    ンの変性形態もしくはその断片を含んでなる免疫原に対
    してマウスで誘導されたものであることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のモノクローナル抗体また
    はその断片。
  5. 【請求項5】 立体的に接近できるように十分に露出さ
    せることにより前記グルコシル化N−末端ペプチド配列
    に特異的に結合する請求項1〜4のいずれかに記載のモ
    ノクローナル抗体またはその断片。
  6. 【請求項6】 前記グルコシル化ペプチド配列が物理的
    または化学的変性または消化によつて抗体に対して露出
    されているものである請求項5記載のモノクローナル抗
    体またはその断片。
  7. 【請求項7】 前記グルコシル化ペプチド配列がカオト
    ロピツク剤と接触させることによる化学的変性で抗体に
    対して露出されているものである請求項5または6記載
    のモノクローナル抗体またはその断片。
  8. 【請求項8】 カオトロピツク剤がグアニジン、尿素、
    チオシアン酸カリウムまたは洗剤である請求項7記載の
    モノクローナル抗体またはその断片。
  9. 【請求項9】 固体表面に吸着された前記グルコシル化
    N−末端ペプチド配列またはヘモグロビンへ特異的に結
    合する請求項1〜4のいずれかに記載のモノクローナル
    抗体はその断片。
  10. 【請求項10】 ATCCの寄託番号HB8639また
    はJB8869を有するハイブリドーマによつて産生さ
    れるヘモグロビンAlcに対する請求項1記載のモノク
    ローナル抗体。
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