JPH07291158A - ゴム履帯用芯金並びにゴム履帯及びその巻装方法 - Google Patents

ゴム履帯用芯金並びにゴム履帯及びその巻装方法

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JPH07291158A
JPH07291158A JP6112027A JP11202794A JPH07291158A JP H07291158 A JPH07291158 A JP H07291158A JP 6112027 A JP6112027 A JP 6112027A JP 11202794 A JP11202794 A JP 11202794A JP H07291158 A JPH07291158 A JP H07291158A
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crawler belt
rubber crawler
guide
rubber
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Kazutoshi Hori
一俊 堀
Ryuichi Saiga
龍一 雜賀
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D55/00Endless track vehicles
    • B62D55/08Endless track units; Parts thereof
    • B62D55/18Tracks
    • B62D55/24Tracks of continuously flexible type, e.g. rubber belts
    • B62D55/244Moulded in one piece, with either smooth surfaces or surfaces having projections, e.g. incorporating reinforcing elements

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム履帯を巻装した装軌車両において、後進
旋回時などに誘導輪の鍔部が履帯芯金のレール面に乗り
上げることによって起こる履帯外れを防止する。 【構成】 ゴム履帯に等間隔で埋設する芯金において、
幅方向中央部に突出して設ける一対の突起部13,14
の内側面に、車両後進時に誘導輪の鍔部4aの進入を容
易にするガイド傾斜面を設ける。ガイド傾斜面の傾斜角
θは5°以上、15°以下とし、前記傾斜面の長さL
はできるだけ長くする。これにより、鍔部がガイド傾斜
面に当接したとき前記傾斜面に沿って作用する分力が芯
金と誘導輪との摩擦力より大きくなるため、鍔部は前記
傾斜面をすべってレールの間に進入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブルドーザや油圧ショ
ベルなどの建設機械をはじめとする各種装軌車両に巻装
するゴム履帯に関する。
【0002】
【従来の技術】ブルドーザ、油圧ショベルなどの建設機
械をはじめとする各種装軌車両においては、誘導輪と起
動輪との間に設けたトラックフレームの上下にそれぞれ
上転輪および下転輪を取着し、前記各輪を取り巻くよう
に金属製の履帯を巻装している。従来から用いられてい
る履帯は、鉄製のリンクをリンクピンで連結して無端状
とし、各リンクにそれぞれ履板を取着したもので、前記
起動輪に伝達された動力により履帯を回転させて車両を
走行させるようになっている。近年では装軌車両の市街
地稼動が増加したため、足回りの騒音および振動低減、
舗装路面の損傷防止、オペレータの健康維持、装軌車両
の耐用寿命延長などの観点から、前記金属製の履帯に代
えて、ループ状のゴムベルトに所定の間隔で金属製芯金
を埋設し、これらの芯金に起動輪の歯を噛み合わせて駆
動する一体形のゴム履帯が普及してきている。
【0003】図4は従来のゴム履帯の一例を示し、ゴム
履帯を内周側から見た部分平面図である。また、図5は
図4のA−A断面図である。これらの図においてゴム履
帯1は、ループ状のゴム部材2と、このゴム部材2の長
手方向に沿って所定の間隔で埋設した複数個の金属製芯
金50と、これらの芯金の外側を取り巻くように長手方
向に沿って埋設した複数本の金属製芯線3とによって構
成されている。前記芯金50は、起動輪の歯先間隔より
短い前後方向長さBをもったほぼ半円状の噛み合い係合
部51を幅方向中央部に備え、前記噛み合い係合部51
の左右両端に突出して設けられた一対のレール53,5
4の上面を誘導輪、上下転輪が転動する。前記ゴム部材
2の外周面には所定のパターンによるラグが形成されて
いる。また、ゴム部材2の幅方向中央部の、隣合う芯金
間には起動輪との噛み合い係合穴2aが設けられてい
て、芯金50の噛み合い係合部51が起動輪の歯に噛み
合ったとき、前記噛み合い係合穴2aによって起動輪の
歯先を逃がすようになっている。芯線3は、ゴム履帯1
の引張強度の確保および剛性向上を図るためにゴム部材
2に埋設されている。
【0004】ゴム履帯1は、図6に示すように車体前部
で誘導輪4に巻き付く。誘導輪4の幅方向中央部すなわ
ち左右の転動面に挟まれた部分には、前記転動面から突
出する鍔部4aが設けられ、前記鍔部4aは図5に示す
ように一対のレール53,54の間を通過するようにな
っている。また、前記一対のレール53,54の対向す
る内側面の両端には、図4に示すように、誘導輪の鍔部
4aを円滑にレールの間に進入させるためのガイド傾斜
面53a,53b,54a,54bがそれぞれ設けられ
ている。なお、前記噛み合い係合部51とレール53,
54とは、前記ゴム部材2の内周表面から露出してい
る。
【0005】上記構造のゴム履帯を巻装した装軌車両が
走行中にステアリング操作を行ったとき、あるいは右下
がりまたは左下がりの傾斜地を走行するとき、誘導輪か
らゴム履帯が外れることがある。履帯外れのほとんどは
装軌車両が後進するときに発生する。たとえば後進で旋
回しようとすると、図6のZ視図である図7に示すよう
に、誘導輪にこれから巻き付けられようとする履帯部分
にゴム履帯1の長手方向と直角方向のスラスト荷重Fが
作用し、ゴム履帯1が変形する。ゴム履帯には芯線が埋
設されていて、引張方向の荷重には十分に耐えることが
できるが、前記横方向の荷重には抗しきれず、芯金50
間にずれδを生じる。芯金50のレール53,54にお
けるガイド傾斜面53a,54aの幅方向長さをeとす
ると、 (1)δ<eのときは、誘導輪4の鍔部4aは前記ガイ
ド傾斜面53aまたは54aを滑り、対向するレール5
3,54の間にはまり込む。 (2)δ>eのときは、誘導輪4の鍔部4aがレール5
3または54に乗り上げ、誘導輪からゴム履帯が外れて
走行不能に陥る。そして、履帯外れが繰り返されると、
作業能率を著しく低下させるとともに、ゴム部材の亀
裂、剥離などの損傷が発生する。
【0006】従来の技術では上記現象に基づいてずれδ
をできるだけ小さく、eをできるだけ大きくするように
設計している。すなわち、δをできるだけ小さくするた
めに実開平2−110592、特開平3−220071
などに示されているようにゴム部材にバイアスコードを
埋設したり、特開平5−58353、実開平5−867
75などに示されているようにゴム履帯の長手方向に突
出する突起を芯金に設けてストッパとしている。また、
ガイド傾斜面の幅方向長さeをできるだけ大きくするた
め、履帯長手方向に対するガイド傾斜面の角度θを大き
くしている。しかし、前記角度θの限度は45°とさ
れ、通常は20°〜30°に設定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8は図7におけるレ
ール部分の拡大図である。図8において、履帯のけん引
力をFV 、履帯に作用するスラスト力をFS 、前記FV
とFS との合力をf、FS とfとのなす角をβ、芯金と
誘導輪鍔部との摩擦係数をμとすると、β=tanFV
/FS であり、誘導輪の鍔部4aがレール53のガイ
ド傾斜面53aをすべって芯金中央部にはまり込むため
の条件は、β−θ>tan-1μ となる。そして、図9
(a)に示す分力F1 が芯金と誘導輪鍔部との摩擦力よ
り大きければ、誘導輪鍔部4aはガイド傾斜面53a上
をすべり、図9(b)に示すように分力F2 が芯金と誘
導輪鍔部との摩擦力より小さいときはすべらずに、誘導
輪鍔部4aが芯金のレール面に乗り上げる。従って、従
来の技術のように、芯金におけるガイド傾斜面の角度θ
を20°〜30°に設定した場合は、履帯に作用するス
ラスト力FS が大きくなったり、履帯のけん引力FV
小さくなったりしたときは、いずれも角度βが小さくな
るので、誘導輪鍔部がガイド傾斜面上をすべらず、履帯
外れを起こすことが多かった。
【0008】また、従来の技術においては図10に示す
ように、一対のレールのうちせいぜい片側のレールのガ
イド傾斜面の角度を小さくすることしかできなかった。
図10(a)は、芯金中央部に長短一対のレールを突出
形成し、前記レールが長短交互に配設されるようにゴム
部材に埋設してゴム履帯を構成する。ガイド傾斜面の長
さの長いレールの傾斜角θ1 は小さくすることができる
が、ガイド傾斜面の長さの短いレールの傾斜角θ2 はθ
1 より大きくなり、誘導輪鍔部は傾斜角θ2 に当接した
とき履帯外れを引き起こす。図10(b)は、芯金中央
部に突出形成する左右一対のレールを、ゴム履帯の長手
方向に沿って互いに反対方向にオフセットさせた芯金で
ある。この場合も図10(a)と同様に、ガイド傾斜面
の長さの短いレールの傾斜角θ2 がガイド傾斜面の長さ
の長いレールの傾斜角θ1 より大きくなる。一般的に
は、図10(c)に示すように一対のレールのガイド傾
斜面の傾斜角を左右同一の傾斜角θ3 で構成する場合が
多い。この原因として、下記2点が挙げられる。 (1)芯金のガイド傾斜面を誘導輪鍔部がすべりながら
レール間にはまり込むという視点から見ないで、レール
におけるガイド傾斜面の幅方向長さeを大きくすること
のみに重点が置かれていた。 (2)ゴム履帯が誘導輪、起動輪に巻き付くとき、隣接
する芯金間でレールの先端が相互に干渉することを防止
するため、履帯長手方向におけるレールの長さは制限さ
れる。このため、前記芯金のレールにおけるガイド傾斜
面の幅方向長さeを確保しようとすると、レールのガイ
ド傾斜面の傾斜角θを大きくせざるを得ない。
【0009】さきに述べた特開平5−58353、特開
平5−86775などは、芯金にゴム履帯の長手方向に
突出するストッパを設け、互いに隣合う一方の芯金のス
トッパを他方の芯金のストッパで挟むことによって、装
軌車両の後進旋回時などに発生するゴム履帯の横方向変
形を抑制している。前記ストッパにより、ゴム履帯の横
方向変形をある程度まで抑制することができるが、スト
ッパ相互の間には隙間があるので前記変形を完全に抑え
ることはできない。
【0010】本発明は、装軌車両の後進旋回時などに誘
導輪からの履帯外れが頻発する原因が、芯金に設けたレ
ールの形状によるものであることに着目してなされたも
ので、誘導輪鍔部の芯金レール面への乗り上げを回避す
ることができるようなゴム履帯の芯金を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るゴム履帯は、外周面にラグを形成した
ループ状のゴム部材と、前記ゴム部材の長手方向に沿っ
て等間隔に埋設した複数個の芯金と、これらの芯金を取
り巻くように前記ゴム部材の長手方向に沿って埋設した
複数本のループ状の芯線とを備え、前記芯金の幅方向中
央部に設けた左右一対のレールを転輪の転動面として前
記ゴム部材の内周表面から突出させた装軌車両のゴム履
帯において、前記一対のレールの対向する内側面両端
に、誘導輪の転動面から突出する鍔部の進入を容易にす
るガイド傾斜面を設け、前記内側面の一端側に設けたガ
イド傾斜面のゴム履帯長手方向に対する傾斜角を他端側
より小さく、かつ、ガイド傾斜面の長さを他端側より長
くするとともに、前記一端側に設けたガイド傾斜面が同
一方向に揃うように各芯金を配設する構成とし、このよ
うな構成において、前記一端側に設けたガイド傾斜面の
ゴム履帯長手方向に対する傾斜角を、5°以上、15°
以下とすることを特徴としている。更に、このゴム履帯
は、前記一端側に設けたガイド傾斜面が、車両後進時に
誘導輪の鍔部が進入する方向を向くように巻装するもの
とする。
【0012】
【作用】ゴム履帯の芯金における限られたレール長さの
もとで、前記レールの内側面に設けるガイド傾斜面の長
さを、車両後進時に誘導輪の鍔部が進入する側に対して
はできるだけ大きい値とし、かつ、ガイド傾斜面の傾斜
角を15°以下にする必要がある。上記構成によれば、
芯金の幅方向中央部に設けた一対のレールの対向する内
側面に、誘導輪の転動面から突出する鍔部の進入を容易
にするガイド傾斜面を形成し、ゴム履帯の長手方向に対
する前記ガイド傾斜面の傾斜角を、車体後進時に誘導輪
の鍔部が進入する側で5°以上、15°以下とした。ま
た、車体後進時に誘導輪の鍔部が進入する側のガイド傾
斜面のゴム履帯長手方向に沿う長さを、車体前進時に誘
導輪の鍔部が進入する側のガイド傾斜面のゴム履帯長手
方向に沿う長さよりも長くした。これにより、前掲の図
9(a)に示したように、誘導輪鍔部がガイド傾斜面上
をすべるときのガイド傾斜面上に沿う分力F1 が芯金と
誘導輪鍔部との摩擦力より大きくなり、誘導輪鍔部はガ
イド傾斜面をすべりながらレールの間に進入することが
できる。従って、本発明のゴム履帯を巻装した場合は誘
導輪鍔部がレールの転動面に乗り上げることがなく、後
進時の旋回や傾斜地走行を行っても履帯外れを起こさな
い。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係るゴム履帯の実施例につ
いて図面を参照して説明する。図1は、第1実施例のゴ
ム履帯を内周側から見た部分平面図で、図中に記載した
“前進”は装軌車両が前進するときのゴム履帯の移動方
向を示し、“後進”は装軌車両が後進するときのゴム履
帯の移動方向を示している。図2は図1における芯金の
レール部分の形状説明図である。ゴム履帯1は、ゴム部
材2に芯金10と芯金20とを交互に等間隔に埋設した
ものである。前記芯金10は、幅方向中央部に起動輪の
歯先間隔より短い前後方向長さBをもったほぼ半円状の
噛み合い係合部11を備え、その両側に翼部12が形成
されている。前記噛み合い係合部11と翼部12との接
合部には、誘導輪、上下転輪の転動面となる一対のレー
ル13,14が上方に突出して設けられている。前記レ
ール13,14は、ゴム履帯1の長手方向において互い
に反対方向にオフセットしており、その外側にはそれぞ
れレール13,14のオフセット方向に突出するストッ
パ15,16が設けられている。芯金20は、芯金10
と同様に幅方向中央部に噛み合い係合部21を備え、そ
の両側に翼部22が形成されている。前記噛み合い係合
部21と翼部22との接合部には、互いに反対方向にオ
フセットされた一対のレール23,24が上方に突出し
て設けられている。また、前記レール23,24の外側
にはそれぞれレール23,24のオフセット方向と反対
の方向に突出するストッパ25,26が設けられてい
る。前記噛み合い係合部11,21とレール13,1
4,23,24およびストッパ15,16,25,26
は、前記ゴム部材2から露出している。なお、このゴム
履帯の幅方向断面形状は従来のゴム履帯(図5参照)と
ほぼ同一である。
【0014】上記芯金10のレール13,14ならびに
芯金20のレール23,24をオフセットすることによ
り、レール13と23との隙間およびレール14と24
との隙間が左右非対称に配置され、誘導輪および下転輪
が前記レール上を転動するときの騒音、振動を軽減して
いる。また、芯金10のレール13とストッパ15とで
形成される凹部、レール14とストッパ16とで形成さ
れる凹部に、隣接する芯金20のストッパ25または2
6を係合させることによって、左右方向からの荷重作用
時に発生するゴム履帯の左右方向のずれをある程度抑制
している。
【0015】芯金10のレール形状は図2に示す通り
で、芯金20のレールもこれと同一形状である。オフセ
ットされた一対のレール13.14の対向する内側面
は、装軌車両が後進するときのゴム履帯の移動方向と、
前進時におけるゴム履帯の移動方向とで異なるガイド傾
斜面を備えている。後進時におけるゴム履帯の移動方
向、すなわち後進時に誘導輪の鍔部が進入する側に対し
ては、ゴム履帯の長手方向に対するガイド傾斜面の傾斜
角θを5°≦θ≦15°とし、10°付近とすることが
望ましい。また、前記傾斜角θを有するガイド傾斜面の
ゴム履帯長手方向における長さLR は、前進時に誘導輪
の鍔部が進入する側に設けたガイド傾斜面のゴム履帯長
手方向における長さLF よりも長い寸法に設定されてい
る。前進時におけるゴム履帯の移動方向に対しては、ガ
イド傾斜面の傾斜角α、長さLF ともに単に誘導輪鍔部
のガイドとなるような形状であればよい。
【0016】図3は、第2実施例のゴム履帯を内周側か
ら見た部分平面図である。このゴム履帯では、対向する
一対のレール33,34の長さが左右で異なる芯金30
と、対向する一対のレール43,44の長さが左右で異
なる芯金40とがゴム部材2に等間隔で交互に埋設され
ている。装軌車両が後進時に誘導輪の鍔部が進入する側
のガイド傾斜面は、レール33,34,43,44のい
ずれも履帯長手方向に対する傾斜角θを5°≦θ≦15
°として設定されている。また、前記ガイド傾斜面の長
さLR は、装軌車両が前進時に誘導輪の鍔部が進入する
側のガイド傾斜面の長さLF より長い。一方、装軌車両
が前進時に誘導輪の鍔部が進入する側のガイド傾斜面の
傾斜角は、前記傾斜角θより大きく設定され、長さの短
いレール34,43においては傾斜角に代えて半径rの
曲面としてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ム履帯の芯金に設けるレールの形状に関し、特に前記レ
ールの内側面に設けるガイド傾斜面の傾斜角を、車体後
進時に誘導輪の鍔部が進入する側で5°以上、15°以
下とし、前記ガイド傾斜面の長さをできるだけ長くする
ようにしたので、車体後進時に誘導輪鍔部がガイド傾斜
面上をすべるときのガイド傾斜面上に沿う分力が芯金と
誘導輪鍔部との摩擦力より大きくなる。従って、誘導輪
鍔部はガイド傾斜面上をすべりながらレールの間に進入
することができ、誘導輪鍔部が芯金レール面に乗り上げ
ることなく、後進時の旋回や傾斜地走行を安心して行う
ことができる。本改良により履帯外れが回避されるの
で、作業能率が著しく向上するとともに、ゴム履帯の耐
用寿命延長が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のゴム履帯を内周側から見た部分平
面図である。
【図2】図1においてゴム部材から突出する芯金のレー
ル部分の形状説明図である。
【図3】第2実施例のゴム履帯を内周側から見た部分平
面図である。
【図4】従来のゴム履帯の一例を示し、ゴム履帯を内周
側から見た部分平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】従来のゴム履帯が誘導輪に巻き付く状態を示す
部分説明図である。
【図7】図6のZ視図である。
【図8】図7における芯金レール部分の拡大図である。
【図9】図7における芯金レール部分の拡大図で、
(a)は誘導輪鍔部がガイド傾斜面をすべる条件、
(b)は誘導輪鍔部がレール面に乗り上げる条件を示す
説明図である。
【図10】従来の芯金において、レールの内側に設けた
ガイド傾斜面の傾斜角θの説明図で、(a)は一対のレ
ール長さが左右で異なる芯金、(b)は一対のレールを
互いに反対方向にオフセットした芯金、(c)は一対の
レール長さが等しい芯金を示す。
【符号の説明】
1 ゴム履帯 2 ゴム部材 3 芯線 4 誘導輪 4a 鍔部 10,20,30,40,50 芯金 13,14,23,24,33,34,43,44,5
3,54 レール 53a,53b,54a,54b ガイド傾斜面
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ゴム履帯用芯金並びにゴム履帯及びそ
の巻装方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブルドーザや油圧ショ
ベルなどの建設機械をはじめとする各種装軌車両に適用
されるゴム履帯用芯金並びにゴム履帯及びその巻装方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ブルドーザ、油圧ショベルなどの建設機
械をはじめとする各種装軌車両においては、誘導輪と起
動輪との間に設けたトラックフレームの上下にそれぞれ
上転輪および下転輪を取着し、前記各輪を取り巻くよう
に金属製の履帯を巻装している。従来から用いられてい
る履帯は、鉄製のリンクをリンクピンで連結して無端状
とし、各リンクにそれぞれ履板を取着したもので、前記
起動輪に伝達された動力により履帯を回転させて車両を
走行させるようになっている。近年では装軌車両の市街
地稼動が増加したため、足回りの騒音および振動低減、
舗装路面の損傷防止、オペレータの健康維持、装軌車両
の耐用寿命延長などの観点から、前記金属製の履帯に代
えて、ループ状のゴムベルトに所定の間隔で金属製芯金
を埋設し、これらの芯金に起動輪の歯を噛み合わせて駆
動する一体形のゴム履帯が普及してきている。
【0003】図4は従来のゴム履帯の一例を示し、ゴム
履帯を内周側から見た部分平面図である。また、図5は
図4のA−A断面図である。これらの図においてゴム履
帯1は、ループ状のゴム部材(弾性無限帯)2と、この
ゴム部材2の長手方向に沿って所定の間隔で埋設した複
数個の金属製芯金50と、これらの芯金の外側を取り巻
くように長手方向に沿って埋設した複数本の金属製芯線
3とによって構成されている。前記芯金50は、起動輪
の歯先間隔より短い前後方向長さBをもったほぼ半円状
の噛み合い係合部51を幅方向中央部に備え、前記噛み
合い係合部51の左右両端に突出して設けられた一対の
レール53,54の上面を誘導輪、上下転輪が転動す
る。前記ゴム部材2の外周面には所定のパターンによる
ラグが形成されている。また、ゴム部材2の幅方向中央
部の、隣合う芯金間には起動輪との噛み合い係合穴2a
が設けられていて、芯金50の噛み合い係合部51が起
動輪の歯に噛み合ったとき、前記噛み合い係合穴2aに
よって起動輪の歯先を逃がすようになっている。芯線3
は、ゴム履帯1の引張強度の確保および剛性向上を図る
ためにゴム部材2に埋設されている。
【0004】ゴム履帯1は、図6に示すように車体前部
で誘導輪4に巻き付く。誘導輪4の幅方向中央部すなわ
ち左右の転動面に挟まれた部分には、前記転動面から突
出する鍔部4aが設けられ、前記鍔部4aは図5に示す
ように一対のレール53,54の間を通過するようにな
っている。また、前記一対のレール53,54の対向す
る内側面の両端には、図4に示すように、誘導輪の鍔部
4aを円滑にレールの間に進入させるためのガイド傾斜
面53a,53b,54a,54bがそれぞれ設けられ
ている。なお、前記噛み合い係合部51とレール53,
54とは、前記ゴム部材2の内周表面から露出してい
る。
【0005】上記構造のゴム履帯を巻装した装軌車両
が走行中にステアリング操作を行ったとき、あるいは右
下がりまたは左下がりの傾斜地を走行するとき、誘導輪
からゴム履帯が外れることがある。履帯外れのほとん
どは装軌車両が後進するときに発生する。たとえば後進
で旋回しようとすると、図6のZ視図である図7に示す
ように、誘導輪にこれから巻き付けられようとする履
帯部分にゴム履帯1の長手方向と直角方向のスラスト荷
重Fが作用し、ゴム履帯1が変形する。ゴム履帯には
芯線3(図5参照)が埋設されていて、引張方向の荷重
には十分に耐えることができるが、前記横方向の荷重に
は抗しきれず、芯金50間にずれδを生じる。芯金50
のレール53,54におけるガイド傾斜面53a,54
aの幅方向長さをeとすると、 (1)δ<eのときは、誘導輪4の鍔部4aは前記ガイ
ド傾斜面53aまたは54aを滑り、対向するレール5
3,54の間にはまり込む。 (2)δ>eのときは、誘導輪4の鍔部4aがレール5
3または54に乗り上げ、誘導輪からゴム履帯が外
れて走行不能に陥る。そして、履帯外れが繰り返される
と、作業能率を著しく低下させるとともに、ゴム部材
の亀裂、剥離などの損傷が発生する。
【0006】従来の技術では上記現象に基づいてずれδ
をできるだけ小さく、eをできるだけ大きくするように
設計している。すなわち、δをできるだけ小さくするた
めに実開平2−110592、特開平3−220071
などに示されているようにゴム部材にバイアスコードを
埋設したり、特開平5−58353、実開平5−867
75などに示されているようにゴム履帯の長手方向に突
出する突起を芯金に設けてストッパとしている。また、
ガイド傾斜面の幅方向長さeをできるだけ大きくするた
め、履帯長手方向に対するガイド傾斜面の角度θを大き
くしている。しかし、前記角度θの限度は45°とさ
れ、通常は20°〜30°に設定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図8は図7におけるレ
ール部分の拡大図である。図8において、履帯のけん引
力をF、履帯に作用するスラスト力をF、前記F
とFとの合力をf、Fとfとのなす角をβ、芯金と
誘導輪鍔部との摩擦係数をμとすると、β=tan
/F であり、誘導輪の鍔部4aがレール53の
ガイド傾斜面53aをすべって芯金中央部にはまり込む
ための条件は、β−θ>tan−1μとなる。そして、
図9(a)に示す分力Fが芯金と誘導輪鍔部との摩擦
力より大きければ、誘導輪鍔部4aはガイド傾斜面53
a上をすべり、図9(b)に示すように分力Fが芯金
と誘導輪鍔部との摩擦力より小さいときはすべらずに、
誘導輪鍔部4aが芯金のレール面に乗り上げる。従っ
て、従来の技術のように、芯金におけるガイド傾斜面の
角度θを20°〜30°に設定した場合は、履帯に作用
するスラスト力Fが大きくなったり、履帯のけん引力
が小さくなったりしたときは、いずれも角度βが小
さくなるので、誘導輪鍔部がガイド傾斜面上をすべら
ず、履帯外れを起こすことが多かった。
【0008】また、従来の技術においては図10に示す
ように、一対のレールのうちせいぜい片側のレールのガ
イド傾斜面の角度を小さくすることしかできなかった。
図10(a)は、芯金中央部に長短一対のレールを突出
形成し、前記レールが長短交互に配設されるようにゴム
部材に埋設してゴム履帯を構成する。ガイド傾斜面の長
さの長いレールの傾斜角θは小さくすることができる
が、ガイド傾斜面の長さの短いレールの傾斜角θはθ
より大きくなり、誘導輪鍔部は傾斜角θに当接した
とき履帯外れを引き起こす。図10(b)は、芯金中央
部に突出形成する左右一対のレールを、ゴム履帯の長手
方向に沿って互いに反対方向にオフセットさせた芯金で
ある。この場合も図10(a)と同様に、ガイド傾斜面
の長さの短いレールの傾斜角θがガイド傾斜面の長さ
の長いレールの傾斜角θより大きくなる。一般的に
は、図10(c)に示すように一対のレールのガイド傾
斜面の傾斜角を左右同一の傾斜角θで構成する場合が
多い。この原因として、下記2点が挙げられる。 (1)芯金のガイド傾斜面を誘導輪鍔部がすべりながら
レール間にはまり込むという視点から見ないで、レール
におけるガイド傾斜面の幅方向長さeを大きくすること
のみに重点が置かれていた。 (2)ゴム履帯が誘導輪、起動輪に巻き付くとき、隣接
する芯金間でレールの先端が相互に干渉することを防止
するため、履帯長手方向におけるレールの長さは制限さ
れる。このため、前記芯金のレールにおけるガイド傾斜
面の幅方向長さeを確保しようとすると、レールのガイ
ド傾斜面の傾斜角θを大きくせざるを得ない。
【0009】さきに述べた特開平5−58353、特開
平5−86775などは、芯金にゴム履帯の長手方向に
突出するストッパを設け、互いに隣合う一方の芯金のス
トッパを他方の芯金のストッパで挟むことによって、装
軌車両の後進旋回時などに発生するゴム履帯の横方向変
形を抑制している。前記ストッパにより、ゴム履帯の横
方向変形をある程度まで抑制することができるが、スト
ッパ相互の間には隙間があるので前記変形を完全に抑え
ることはできない。
【0010】本発明は、装軌車両の後進旋回時などに誘
導輪からの履帯外れが頻発する原因が、芯金に設けたレ
ールの形状によるものであることに着目してなされたも
ので、誘導輪鍔部の芯金レール面への乗り上げを回避す
ることができるようなゴム履帯用芯金並びにゴム履帯及
びその巻装方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明のゴム履帯用芯金は、弾性無限帯の内部長
手方向に順次等間隔に並べて埋設され、前記弾性無限帯
の内周面から内方側へ一定高さとなる、且つ前記弾性無
限帯の長手方向へ直列状となる、左右一対のレールを備
え、前記レールの頂面が転輪の転動面となるゴム履帯用
の芯金であって、前記左右一対のレールは左右一対の突
起部であり、前記一対の突起部の対向する内側面両端に
は、誘導輪の転動面から突出する鍔部の進入を容易にす
るガイド傾斜面を設け、前記対向する内側面の一端側の
ガイド傾斜面の長さが他端側より長くするとともに、前
記一端側のガイド傾斜面が同一方向に揃うように構成し
たことを特徴とする。第2発明のゴム履帯用芯金は、第
1発明において、一端側に設けたガイド傾斜面の傾斜角
が、ゴム履帯の長手方向に対し、5°以上で、15°以
下でもよい。第3発明のゴム履帯用芯金は、第1又は第
2発明において、左右一対の突起部が、芯金の長手方向
中心線に対し、前後にずらせて配置してもよい。第4発
明のゴム履帯用芯金は、第3発明のゴム履帯用芯金であ
って、芯金の幅方向にずらせて突出させた突起部の突出
部には第1係止部が、ゴム履帯幅方向には突起部と平行
に所定間隔をおいて第2係止部が、それぞれ設けられて
よい。第5発明のゴム履帯用芯金は、第3発明のゴム履
帯用芯金であって、芯金の幅方向にずらせて突出させた
突起部の突出部に対して前後方向の反対側には、突起部
と隣接して第3係止部が設けられてよい。第6発明のゴ
ム履帯は、第1〜第3発明のいずれかのゴム履帯用芯金
が、前記一対の突起部を弾性無限帯の内周面から内方側
へ一定高さに、且つ弾性無限帯の長手方向へ直列状に、
且つ突起部の頂面を転輪の転動面とするように、弾性無
限帯の内部長手方向に等間隔に並べて埋設されている。
第7発明のゴム履帯は、第4発明及び第5発明のゴム履
帯用芯金が、前記一対の突起部を弾性無限帯の内周面か
ら内方側へ一定高さに、且つ弾性無限帯の長手方向へ直
列状に、且つ突起部の頂面を転輪の転動面とするよう
に、弾性無限帯の内部長手方向に等間隔に並べて埋設さ
れ、第1係止部と第2係止部との所定間隔部に第3係止
部を挟入するとしてもよい。第8発明のゴム履帯の巻装
方法は、第6発明又は第7発明のゴム履帯が、前記一端
側に設けたガイド傾斜面を、車両後進時に誘導輪の鍔部
の進入方向へ向くように巻装するものとする。
【0012】
【作用】ゴム覆帯の芯金における限られたレール(突起
部)長さのもとで、前記レールの内側面に設けるガイド
傾斜面の長さを、車両後進時に誘導輪の鍔部が進入する
側に対してはできるだけ大きい値とし、かつ、ガイド傾
斜面の傾斜角を15°以下にする必要がある。上記構成
によれば、芯金の幅方向中央部に設けた一対のレールの
対向する内側面に、誘導輪の転動面から突出する鍔部の
進入を容易にするガイド傾斜面を形成し、ゴム覆帯の長
手方向に対する前記ガイド傾斜面の傾斜角を、車体後進
時に誘導輪の鍔部が進入する側で5°以上、15°以下
とした。また、車体後進時に誘導輪の鍔部が進入する側
のガイド傾斜面のゴム履帯長手方向に沿う長さを、車体
前進時に誘導輪の鍔部が進入する側のガイド傾斜面のゴ
ム履帯長手方向に沿う長さよりも長くした。これによ
り、前掲の図9(a)に示したように、誘導輪鍔部がガ
イド傾斜面上をすべるときのガイド傾斜面上に沿う分力
が芯金と誘導輪鍔部との摩擦力より大きくなり、誘
導輪鍔部はガイド傾斜面をすべりながらレールの間に進
入することができる。従って、本発明のゴム履帯を巻装
した場合は誘導輪鍔部がレールの転動面に乗り上げるこ
とがなく、後進時の旋回や傾斜地走行を行っても履帯外
れを起こさない。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係るゴム履帯用芯金並びに
ゴム履帯及びその巻装方法の実施例について図面を参照
して説明する。図1は、第1実施例のゴム履帯を内周側
から見た部分平面図で、図中に記載した“前進”は装軌
車両が前進するときのゴム履帯の移動方向を示し、
“後進”は装軌車両が後進するときのゴム履帯の移動
方向を示している。図2は図1における芯金のレール部
分の形状説明図である。ゴム履帯は、ゴム部材(弾性
無限帯)2に芯金10と芯金20とを交互に等間隔に埋
設したものである。前記芯金10は、幅方向中央部に起
動輪の歯先間隔より短い前後方向長さBをもったほぼ半
円状の噛み合い係合部11を備え、その両側に翼部12
が形成されている。前記噛み合い係合部11と翼部12
との接合部には、誘導輪、上下転輪の転動面となる一対
のレール(突起部)13,14が上方に突出して設けら
れている。前記レール13,14は、ゴム履帯の長手
方向において互いに反対方向にオフセットして突出(第
1係止部)しており、その外側にはそれぞれレール1
3,14のオフセット方向に突出するストッパ(第2係
止部)15,16が設けられている。芯金20は、芯金
10と同様に幅方向中央部に噛み合い係合部21を備
え、その両側に翼部22が形成されている。前記噛み合
い係合部21と翼部22との接合部には、互いに反対方
向にオフセットされた一対のレール(突起部)23,2
4が上方に突出して設けられている。また、前記レール
23,24の外側にはそれぞれレール23,24のオフ
セット方向と反対の方向に突出するストッパ(第3係止
部)25,26が設けられている。前記噛み合い係合部
11,21とレール13,14,23,24およびスト
ッパ15,16,25,26は、前記ゴム部材2から露
出している。なお、このゴム履帯の幅方向断面形状は
従来のゴム履帯(図5参照)とほぼ同一である。
【0014】上記芯金10のレール13,14ならびに
芯金20のレール23,24をオフセットすることによ
り、レール13と23との隙間およびレール14と24
との隙間が左右非対称に配置され、誘導輪および下転輪
が前記レール上を転動するときの騒音、振動を軽減して
いる。また、芯金10のレール13とストッパ15とで
形成される凹部、レール14とストッパ16とで形成さ
れる凹部に、隣接する芯金20のストッパ25または2
6を係合させることによって、左右方向からの荷重作用
時に発生するゴム履帯の左右方向のずれをある程度抑制
している。
【0015】芯金10のレール形状は図2に示す通り
で、芯金20のレールもこれと同一形状である。オフセ
ットされた一対のレール13.14の対向する内側面
は、装軌車両が後進するときのゴム履帯の移動方向と、
前進時におけるゴム履帯の移動方向とで異なるガイド傾
斜面を備えている。後進時におけるゴム履帯の移動方
向、すなわち後進時に誘導輪の鍔部が進入する側に対し
ては、ゴム履帯の長手方向に対するガイド傾斜面の傾斜
角θを5°≦θ≦15°とし、10°付近とすることが
望ましい。また、前記傾斜角θを有するガイド傾斜面の
ゴム履帯長手方向における長さLは、前進時に誘導輪
の鍔部が進入する側に設けたガイド傾斜面のゴム履帯長
手方向における長さLよりも長い寸法に設定されてい
る。前進時におけるゴム履帯の移動方向に対しては、ガ
イド傾斜面の傾斜角α、長さLともに単に誘導輪鍔部
のガイドとなるような形状であればよい。
【0016】図3は、第2実施例のゴム履帯を内周側か
ら見た部分平面図である。このゴム履帯では、対向す
る一対のレール(突起部)33,34の長さが左右で異
なる芯金30と、対向する一対のレール(突起部)
3,44の長さが左右で異なる芯金40とがゴム部材2
に等間隔で交互に埋設されている。装軌車両が後進時に
誘導輪の鍔部が進入する側のガイド傾斜面は、レール3
3,34,43,44のいずれも履帯長手方向に対する
傾斜角θを5°≦θ≦15°として設定されている。ま
た、前記ガイド傾斜面の長さLは、装軌車両が前進時
に誘導輪の鍔部が進入する側のガイド傾斜面の長さL
より長い。一方、装軌車両が前進時に誘導輪の鍔部が進
入する側のガイド傾斜面の傾斜角は、前記傾斜角θより
大きく設定され、長さの短いレール34,43において
は傾斜角に代えて半径rの曲面としてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ム履帯の芯金に設けるレールの形状に関し、特に前記レ
ールの内側面に設けるガイド傾斜面の傾斜角を、車体後
進時に誘導輪の鍔部が進入する側で5°以上、15°以
下とし、前記ガイド傾斜面の長さをできるだけ長くする
ようにしたので、車体後進時に誘導輪鍔部がガイド傾斜
面上をすべるときのガイド傾斜面上に沿う分力が芯金と
誘導輪鍔部との摩擦力より大きくなる。従って、誘導輪
鍔部はガイド傾斜面上をすべりながらレールの間に進入
することができ、誘導輪鍔部が芯金レール面に乗り上げ
ることなく、後進時の旋回や傾斜地走行を安心して行う
ことができる。本改良により履帯外れが回避されるの
で、作業能率が著しく向上するとともに、ゴム履帯の耐
用寿命延長が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のゴム履帯を内周側から見た部分平
面図である。
【図2】図1においてゴム部材から突出する芯金のレー
ル部分の形状説明図である。
【図3】第2実施例のゴム履帯を内周側から見た部分平
面図である。
【図4】従来のゴム履帯の一例を示し、ゴム履帯を内周
側から見た部分平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】従来のゴム履帯が誘導輪に巻き付く状態を示す
部分説明図である。
【図7】図6のZ視図である。
【図8】図7における芯金レール部分の拡大図である。
【図9】図7における芯金レール部分の拡大図で、
(a)は誘導輪鍔部がガイド傾斜面をすべる条件、
(b)は誘導輪鍔部がレール面に乗り上げる条件を示す
説明図である。
【図10】従来の芯金において、レールの内側に設けた
ガイド傾斜面の傾斜角θの説明図で、(a)は一対のレ
ール長さが左右で異なる芯金、(b)は一対のレールを
互いに反対方向にオフセットした芯金、(c)は一対の
レール長さが等しい芯金を示す。
【符号の説明】 1,5,6 ゴム履帯 2 ゴム部材 3 芯線 4 誘導輪 4a 鍔部 10,20,30,40,50 芯金 13,14,23,24,33,34,43,44,5
3,54 レール 53a,53b,54a,54b ガイド傾斜面
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面にラグを形成したループ状のゴム
    部材と、前記ゴム部材の長手方向に沿って等間隔に埋設
    した複数個の芯金と、前記芯金の幅方向中央部に設けた
    左右一対のレールを転輪の転動面として前記ゴム部材の
    内周表面から突出させた装軌車両のゴム履帯において、
    前記一対のレールの対向する内側面両端に、誘導輪の転
    動面から突出する鍔部の進入を容易にするガイド傾斜面
    を設け、前記内側面の一端側に設けたガイド傾斜面のゴ
    ム履帯長手方向に対する傾斜角を他端側より小さく、か
    つ、ガイド傾斜面の長さを他端側より長くするととも
    に、前記一端側に設けたガイド傾斜面が同一方向に揃う
    ように各芯金を配設したことを特徴とする装軌車両のゴ
    ム履帯。
  2. 【請求項2】 前記一端側に設けたガイド傾斜面のゴム
    履帯長手方向に対する傾斜角を、5°以上、15°以下
    としたことを特徴とする請求項1の装軌車両のゴム履
    帯。
  3. 【請求項3】 前記一端側に設けたガイド傾斜面が、車
    両後進時に誘導輪の鍔部が進入する方向を向くように巻
    装することを特徴とする請求項1の装軌車両のゴム履
    帯。
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