JPH07196921A - 加熱硬化性シリコーン組成物 - Google Patents
加熱硬化性シリコーン組成物Info
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Abstract
すると硬化速度の速い加熱硬化性シリコーン組成物を提
供する。 【構成】 (a)アルケニル基を含有するジオルガノポリ
シロキサン、(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、(c)白金系触媒を白金原子として0.05〜2.00
重量パーセント含有する平均粒子径0.01〜10.0μ
mの熱可塑性シリコーン樹脂微粒子触媒であって、該シ
リコーン樹脂は5〜90モルパーセントの式:PhSi
O3/2で示されるシロキサン単位と5〜20モルパーセ
ントの式:MeViSiO2/2で示されるシロキサン単
位を含有するものであり、かつガラス転移点が40〜7
0℃の範囲内にある、白金系触媒含有シリコーン樹脂微
粒子触媒、(d)ヒドロシリル化反応阻害性化合物からな
ることを特徴とする、加熱硬化性シリコーン組成物。
Description
成物に関するものである。詳しくは、室温付近で優れた
貯蔵安定性を有し、加熱することにより、迅速に硬化す
る加熱硬化性シリコーン組成物に関するものである。
可塑性樹脂微粒子触媒は、ヒドロシリル化反応により硬
化するシリコーン組成物の硬化促進触媒として知られて
いる。例えば、特開昭58−37053号公報、特開昭
64−45468号公報、特開昭64−47442号公
報、特開昭64−51140号公報および特開平3−6
8659号公報では、白金系触媒を含有する有機系熱可
塑性樹脂微粒子触媒が提案されている。しかし、これら
の有機系熱可塑性樹脂微粒子触媒は耐熱性に劣り、これ
らを硬化促進触媒として使用したシリコーン組成物は、
硬化時の加熱や硬化後の高温履歴によりその機械的特性
が低下したり、変色するなどの欠点があった。この問題
の解決方法として、白金系触媒を含有する熱可塑性シリ
コーン樹脂微粒子触媒が提案されている。例えば、特公
昭53−41707号公報および特開昭58−3705
3号公報では、白金系触媒と熱可塑性シリコーン樹脂の
混合物を機械的に粉砕して、白金系触媒含有熱可塑性シ
リコーン樹脂微粒子触媒を得る方法が提案されている。
これらの方法は、塩化白金酸の2−エチルヘキサノール
溶液やイソプロパノール変性塩化白金酸等の比較的活性
の低い白金系触媒には有効であったが、高活性の白金系
触媒に適用した場合には触媒の活性抑制効果がほとんど
ないという欠点があった。さらに、これらの方法では、
平均粒子径が10μm以下の微粒子触媒を得ることは困
難であった。そのため、加熱硬化反応時に触媒の拡散が
十分ではなく、これをシリコーン組成物の硬化促進触媒
として使用した場合、シリコーン組成物の硬化反応が完
結しないという問題点があった。一方、本発明者らは、
先に、特開平2−4833号公報、特開平2−1424
4号公報および特開平4−46962号公報で、高活性
の白金系触媒を含有する熱可塑性シリコーン樹脂微粒子
触媒を提案した。即ち、特開平2−4833号公報で
は、白金化合物とビニルシロキサンの錯体等の高活性の
白金系触媒を含有させた熱可塑性樹脂を微粒子化させた
後、その表面に存在する白金系触媒を洗浄により除去す
ることによって、触媒活性が抑制され、加熱により高活
性の白金系触媒が放出されるヒドロシリル化反応用触媒
を提案した。また、特開平2−14244号公報および
特開平4−46962号公報では、白金系触媒含有熱可
塑性シリコーン樹脂微粒子触媒と特定の化合物を併用す
ることにより、加熱硬化時に速やかに硬化が完結できる
シリコーン組成物を提案した。これらの方法により、室
温で長期間安定に貯蔵することができ、加熱硬化時には
速やかに硬化が完結し、しかも、シリコーン組成物本来
の特徴が損なわれないなどの特徴を有する加熱硬化性シ
リコーン組成物が製造できるようになった。しかし、こ
れらの方法では、硬化速度と貯蔵安定性をコントロール
することが難しく、例えば、硬化速度を高めると貯蔵安
定性が低下し、貯蔵安定性を向上させると硬化速度が低
下するという問題点があった。
点を解消するために鋭意検討した結果、白金系触媒含有
熱可塑性シリコーン樹脂微粒子触媒に使用される熱可塑
性シリコーン樹脂として、特殊な熱可塑性シリコーン樹
脂を使用すれば、加熱により白金系触媒の放出温度を正
確にコントロールすることができ、硬化速度と貯蔵安定
性をコントロールすることができることを見出し、本発
明に到達した。即ち、本発明の目的は室温付近において
は貯蔵安定性に優れ、加熱すると硬化速度の速い加熱硬
化性シリコーン組成物を提供することにある。
は、 (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキ サン 100重量部、 (b)1分子内に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原
子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (a)成分のジオルガノポリシロキサンを架橋させるのに
十分な量、 (c)白金系触媒を白金原子として0.05〜2.00重量
パーセント含有する平均粒子径0.01〜10.0μmの
熱可塑性シリコーン樹脂微粒子触媒であって、該シリコ
ーン樹脂は5〜90モルパーセントの式:PhSiO
3/2(式中、Phはフェニル基である。)で示されるシ
ロキサン単位と5〜20モルパーセントの式:MeVi
SiO2/2(式中、Meはメチル基であり、Viはビニ
ル基である。)で示されるシロキサン単位を含有するも
のであり、かつガラス転移点が40〜70℃の範囲内に
ある、白金系触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒 白金原子として0.1〜100ppmとなる量、 (d)ヒドロシリル化反応阻害性化合物 0.0001〜1重量部 からなることを特徴とする、加熱硬化性シリコーン組成
物によって達成することができる。
(a)成分のジオルガノポリシロキサンは本発明の組成物
の主剤となる成分であり、1分子中に少なくとも2個の
ケイ素原子結合アルケニル基を有することが必要であ
る。アルケニル基としては、ビニル基,アリル基,ヘキ
セニル基などが例示される。このオルガノポリシロキサ
ンのケイ素原子に結合したアルケニル基以外の有機基と
しては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,
ヘキシル基,オクチル基のようなアルキル基、フェニル
基などのアリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル
基のような置換炭化水素基で例示される1価炭化水素基
であり、ケイ素原子に結合する有機基数は平均1.0〜
2.3であるのが望ましい。このオルガノポリシロキサ
ンは一般的には直鎖状であるが分岐状のシロキサン骨格
を有するものでもよい。また、その重合度は特に限定さ
れないが、通常は25℃における粘度が10〜1,00
0,000センチポイズの範囲にあるものが使用され
る。
イドロジェンポリシロキサンは、(a)成分のオルガノポ
リシロキサンの架橋剤であり、本発明の組成物が網状構
造を形成するためには1分子中に少なくとも3個のケイ
素原子結合水素原子を有することが必要である。水素原
子以外にケイ素原子に結合した有機基としては前述した
(a)成分のオルガノポリシロキサンと同様のものが例示
される。この有機基は、1分子中に1種のみでもよく、
また、2種以上が混在してもよい。このオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖構造、網状
構造、または3次元構造を含んでいてもよく、これらの
単一重合体または共重合体もしくは2種以上の重合体の
混合物も使用できる。このオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの重合度は通常、25℃における粘度が0.
5〜50,000センチポイズの範囲であり、好ましく
は1〜10,000センチポイズの範囲内のものが使用
される。また、その配合量は本成分中のケイ素原子結合
水素原子と(a)成分中のケイ素原子結合アルケニル基の
モル比が、好ましくは0.5/1〜10/1の範囲にな
るような量であり、通常は、(a)成分100重量部に対
して0.1〜10重量部の範囲内である。
シリコーン樹脂微粒子触媒は、本発明組成物を硬化させ
るための触媒として機能する。白金系触媒としては、従
来公知のヒドロシリル化触媒活性を示す白金系触媒が使
用できる。具体的には、塩化白金酸,アルコール変性塩
化白金酸,白金とオレフィンとの錯体,白金とケトンと
の錯体,白金化合物とビニルシロキサンとの錯体,アル
ミナ,シリカ,カーボンブラックなどに担持された白
金,白金黒などが例示される。これらの中でも活性の高
さおよび(a)成分と(b)成分への相溶性の点から白金化
合物とビニルシロキサンからなる錯体触媒がより好まし
い。(c)成分に用いられる熱可塑性シリコーン樹脂は、
5〜90モルパーセントの式:PhSiO3/2(式中、
Phはフェニル基である。)で示されるシロキサン単位
と5〜20モルパーセントの式:MeViSiO
2/2(式中、Meはメチル基であり、Viはビニル基で
ある。)で示されるシロキサン単位を含有することが必
要である。これは、式:PhSiO3/2で示されるシロ
キサン単位が5モルパーセント未満であると、本発明組
成物の貯蔵安定性が損なわれ、また90モルパーセント
を越えると、十分な硬化活性を得ることができないため
である。式:MeViSiO2/2で示されるシロキサン
単位が5モルパーセント未満であると、本発明組成物の
加熱硬化速度が遅くなり、また、20モルパーセントを
越えると硬化活性が損なわれるためである。さらに本成
分に用いられる熱可塑性シリコーン樹脂は、そのガラス
転移点が40〜70℃の範囲内にあることが必要であ
る。これは、ガラス転移点が40℃より低いと本発明組
成物の貯蔵安定性が著しく低下し、また、70℃よりも
高いと十分な加熱硬化速度が得られなくなるためであ
る。ここで、ガラス転移点はDSC(デファレンシャル
・スキャンニング・カロリメーター)による測定で知る
ことができる。本発明に最適な熱可塑性シリコーン樹脂
の具体例を記述すると、下記のような平均単位式で示さ
れる化合物が挙げられる。 (PhSiO3/2)0.78(MeViSiO)0.22 (PhSiO3/2)0.78(MeViSiO)0.11(Me2
SiO)0.16 (PhSiO3/2)0.78(MeViSiO)0.06(Me2
SiO)0.16 (PhSiO3/2)0.65(MeViSiO)0.17(Ph2
SiO)0.18 (PhSiO3/2)0.65(MeViSiO)0.06(Me2Si
O)0.1(Ph2SiO)0.19上式中、Phはフェニル基で
あり、Meはメチル基であり、Viはビニル基である。
このような熱可塑性シリコーン樹脂は単一で用いてもよ
いが、2種類以上のシリコーン樹脂、特に、ビニル基を
有するシリコーン樹脂とビニル基を含有しないシリコー
ン樹脂の混合物も使用することもできる。その際、使用
するシリコーン樹脂が相溶し、かつ、全体の平均単位式
が上記範囲に入れば、本発明の目的を達成することがで
きる。
ン樹脂微粒子触媒は、その平均粒子径が0.01〜10.
0μmであることが必要である。これは、平均粒子径が
10.0μmを越えると本発明組成物を加熱しても硬化
が不完全となり、シリコ−ン組成物の耐熱性などを阻害
するためである。逆に平均粒子径が0.01μm未満に
なると本発明組成物の十分な貯蔵安定性を得ることが困
難となるためである。平均粒子径は遠心沈降法やレーザ
ー散乱法で測定することができる。かかる(c)成分の白
金系触媒含有微粒子触媒は、従来公知の方法で製造する
ことができる。例えば、特開昭58−37053号公報
などに示されるように、白金系触媒とシリコーン樹脂を
有機溶媒に溶解させた後に、この有機溶媒を乾固するこ
とによって白金系触媒を含有するシリコーン樹脂を製造
後、これを粉砕することによって製造することができ
る。また、特開平2−4833号公報などに示されるよ
うに、白金系触媒とシリコーン樹脂を低沸点の溶媒に溶
解させてから界面活性剤の水溶液に滴下してO/W型エ
マルジョンとし、徐々に低沸点の溶媒を除去することに
よって固形の微粒子を生成させ、水溶液からこの固形状
の微粒子として回収することによって製造することもで
きる。また、特開平4−29748号公報に示されるよ
うに、白金系触媒とシリコーン樹脂を有機溶媒に溶解さ
せ、ついで該溶媒溶液を熱気流中に噴霧し有機溶媒を揮
発させると共に噴霧状態で白金系触媒含有シリコーン樹
脂を微粒子状に固化させる方法によって製造することも
できる。これらの中で特開平4−29748号公報に示
される方法が、粒径の揃った微粒子が得やすい点、生産
効率の高さ、不純物混入の少さなどの点から望ましい。
白金系触媒のシリコーン樹脂に対する比率は、(c)成分
中に占める白金系触媒の含有率が白金原子として0.0
5〜2.00重量%となることが必要である。これは、
0.05重量%未満であると本発明組成物に占めるシリ
コーン樹脂の比率が高くなり過ぎ、硬化後の物性が損わ
れることがあるためである。また、2.00重量%を越
えると白金系触媒を微粒子内に留めることが困難とな
り、本発明組成物の貯蔵安定性を著しく損ねるためであ
る。このような(c)成分の配合量は、(a)成分のオルガ
ノポリシロキサンに対して白金原子として0.1〜10
0ppmの範囲内となることが必要であり、好ましくは0.
5〜50ppmの範囲内である。(c)成分そのものの配合
量は、(c)成分中に占める白金系触媒の含有率と(a)成
分に対するヒドロシリル化反応触媒の添加量によって決
まるものであり、特に限定されないが、一般的には(a)
成分100重量部に対して0.005〜10重量部の範
囲内である。
化させるに際し、硬化を促進させ、かつ、硬化を完結さ
せるために必用な成分である。これはヒドロシリル化反
応触媒に対して触媒阻害効果を持つ化合物であり、ヒド
ロシリル化反応によって硬化するシリコーンエラストマ
ー組成物において硬化遅延効果や貯蔵安定性向上効果が
あるとされている従来公知の化合物はすべて使用するこ
とができる。このような化合物としては、トリフェニル
ホスフィンなどのリン含有化合物、トリブチルアミンや
テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールな
どの窒素含有化合物、硫黄含有化合物、アセチレン系化
合物、アルケニル基を2個以上含む化合物、ハイドロパ
ーオキシ化合物、マレイン酸誘導体などが例示される。
これらの中でも、アルケニル基またはアルキニル基を含
む化合物が望ましい。特に、1分子中にアルキニル基を
2個以上含む化合物、1分子中にアルケニル基とアルキ
ニル基を含む化合物、1分子中にアルケニル基とアルコ
ール性水酸基を含む化合物、酸素原子を介して隣接した
ケイ素原子の両方にアルケニル基が結合した結合単位を
有する有機ケイ素化合物、マレイン酸ジエステルなどが
特に望ましい。(d)成分による硬化促進効果の度合は、
(d)成分の化学構造によって大きく異なる。従って、
(d)成分の添加量は、使用する(d)成分の個々について
最適な量に調整すべきであるが、一般には、その添加量
が少な過ぎると硬化促進効果が得られず、逆に多過ぎる
とかえって硬化が阻害されるので、好ましくは、(a)成
分100重量部に対して0.0001〜1重量%の範囲
内となる。
からなる加熱硬化性シリコ−ン組成物であるが、これに
は必要に応じて、フュームドシリカ,湿式シリカなどの
微粉状シリカ、表面疎水化処理された微粉状シリカ、ク
レープハードニング防止剤、シリコーン以外の有機ポリ
マー、有機溶媒、酸化鉄,希土類化合物などの耐熱剤、
炭酸マンガン,煙霧状酸化チタンのような難燃剤、けい
そう土、炭酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラッ
クなどを配合することは、本発明の目的を損わない限り
差し支えない。
分を均一に混合することによって容易に得られる。この
混合順序に特に制限はないが、(c)成分を少量の(a)成
分中に混合して均一に分散させた後、これを(a)成分、
(b)成分および(d)成分の混合物に添加する方法が望ま
しい。この場合は、(c)成分の粒状化された白金系触媒
を破壊しない限り、いかなる手段を用いてもよい。ま
た、その混合温度は使用する(c)成分によって異なるの
で一概に規定することはできないが、(c)成分で使用す
るシリコーン樹脂のガラス転移点より50℃以上の温度
条件下で混合することは避けるべきである。
貯蔵安定性に優れ、加熱により迅速に硬化してシリコー
ン硬化物になり、その硬化物は高温で使用しても機械特
性が低下したり変色することもないという特徴を有す
る。したがって、このような特性が要求される用途、例
えば、電機・電子機器に使用されるシリコーン接着剤、
シリコーンゴムガスケット、各種シリコーンゴム部品用
シリコーンゴム組成物として好適に使用される。
粘度は25℃における値である。%は重量%を示す。ま
た、Ph,Vi,Meはそれぞれフェニル基,ビニル
基,メチル基を示す。
の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを35g
のイソプロピルアルコールに溶解した。この溶液に10
gの重炭酸ソーダを加えて懸濁状態で撹拌しながら70
〜80℃で30分反応させた。冷却してから固形分を濾
過で除去することによって、白金ビニルシロキサン錯体
組成物のイソプロピルアルコール溶液を得た(白金含有
量4.2%)。
3/2)0.78(MeViSiO)0.22で示され、ガラス転
移点が65.2℃である熱可塑性シリコーン樹脂900
gとトルエン500gとジクロロメタン4600gを投
入し均一に混合した。次いで参考例1で得られた白金ビ
ニルシロキサン錯体組成物44.4gを投入し、混合す
ることにより白金ビニルシロキサン錯体組成物と熱可塑
性シリコーン樹脂の均一溶液を得た。次いでこの溶液を
2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレ
ードライヤー槽(アシザワ・ニトロ・アトマイザ−株式
会社製)内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱
気流温度はスプレ−ドライヤ−の入口で95℃であり、
スプレ−ドライヤ−の出口で45℃であった。また、熱
気流速度は1.3m3/minであった。1時間の運転後で
バッグフィルターによって450gの白金ビニルシロキ
サン錯体組成物含有シリコ−ン樹脂微粒子触媒を製造し
た。この微粒子触媒の平均粒子径は1.4μmであり、
白金含有量は0.40%であった。また、この微粒子触
媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、こ
の微粒子触媒は球状体であることが確認された。
位式:(PhSiO3/ 2)0.78(MeViSiO)0.11
(Me2SiO)0.11で示され、ガラス転移点が68.9
℃であるシリコーン樹脂に変えた以外は参考例2と同様
にして、白金ビニルシロキサン錯体組成物含有シリコ−
ン樹脂微粒子触媒を製造した。この微粒子触媒の平均粒
子径は1.7μmであり、白金含有量は0.40%であっ
た。また、この微粒子触媒の形状を走査型電子顕微鏡に
より観察したところ、この微粒子触媒は球状体であるこ
とが確認された。
位式:(PhSiO3/ 2)0.78(MeViSiO)0.06
(Me2SiO)0.16で示され、ガラス転移点が62.3
℃であるシリコーン樹脂に変えた以外は参考例2と同様
にして、白金ビニルシロキサン錯体組成物含有シリコ−
ン樹脂微粒子触媒を製造した。この微粒子触媒の平均粒
子径は1.5μmであり、白金含有量は0.40%であっ
た。また、この微粒子触媒の形状を走査型電子顕微鏡に
より観察したところ、この微粒子触媒は球状体であるこ
とが確認された。
3/2)0.78(MeViSiO)0.22で示されガラス転移
点が65.2℃である熱可塑性シリコーン樹脂450
g、平均単位式:(PhSiO3/2)0.78(Me2Si
O)0.22で示されガラス転移点が64.8℃である樹脂
450gおよびトルエン500gをジクロロメタン4,
600gに投入し均一に混合した。続いて、参考例1で
得られた白金ビニルシロキサン錯体組成物44.4gを
投入し、混合することにより白金ビニルシロキサン錯体
組成物と熱可塑性シリコーン樹脂の均一溶液を得た。な
お、ここで使用した2種のシリコーン樹脂の平均単位式
は、(PhSiO3/2)0.78(MeViSiO)
0.11(Me2SiO)0.11となる。次いで、この溶液を
2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレ
ードライヤー槽(アシザワ・ニトロ・アトマイザ−株式
会社製)内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱
気流温度はスプレ−ドライヤ−の入口で95℃であり、
スプレ−ドライヤ−の出口で45℃であった。また、熱
気流速度は1.3m3/minであった。1時間の運転後で
バッグフィルターによって450gの白金ビニルシロキ
サン錯体組成物含有シリコ−ン樹脂微粒子触媒を製造し
た。この微粒子触媒の平均粒子径は1.3μmであり、
白金含有量は0.40%であった。また、この微粒子触
媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、こ
の微粒子触媒は球状体であることが確認された。
有微粒子触媒(No.6)の調製 参考例2において、熱可塑性シリコーン樹脂を、平均単
位式:(PhSiO3/ 2)0.78(Me2SiO)0.22で示
され、ガラス転移点が64.8℃であるシリコーン樹脂
に変えた以外は参考例2と同様にして、白金ビニルシロ
キサン錯体組成物含有シリコ−ン樹脂微粒子触媒を製造
した。この微粒子触媒の平均粒子径は1.5μmであ
り、白金含有量は0.40%であった。また、この微粒
子触媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したとこ、
この微粒子触媒は球状体であることが確認された。
有微粒子触媒(No.7)の調製 参考例2において、熱可塑性シリコーン樹脂を、平均単
位式:(PhSiO3/ 2)0.90(Me2SiO)0.10で示
され、ガラス転移点が95.6℃であるシリコーン樹脂
に変えた以外は参考例2と同様にして、白金ビニルシロ
キサン錯体組成物含有シリコ−ン樹脂微粒子触媒を製造
した。この微粒子触媒の平均粒子径は1.5μmであ
り、白金含有量は0.40%であった。また、この微粒
子触媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したとこ、
この微粒子触媒は球状体であることが確認された。
有微粒子触媒(No.8)の調製 参考例2において、熱可塑性シリコーン樹脂を、平均単
位式:(PhSiO3/ 2)0.60(MePhSiO)0.40
で示され、ガラス転移点が58.1℃であるシリコーン
樹脂に変えた以外は参考例2と同様にして、白金ビニル
シロキサン錯体組成物含有シリコ−ン樹脂微粒子触媒の
製造した。この微粒子触媒の平均粒子径は1.7μmで
あり、白金含有量は0.41%であった。また、この微
粒子触媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、この微粒子触媒は球状体であることが確認された。
子触媒を使用して加熱硬化性シリコーン組成物を調製し
た。粘度が1,500cpのα,ω−ジビニルポリジメ
チルシロキサン25gと粘度が10,000cpのα,
ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gの混合物
に、ヘキサメチルジシラザンで疏水化処理されたヒュー
ムドシリカ12gを十分に混合した後、平均分子式がM
e3SiO(Me2SiO)3(MeHSiO)5SiMe3で
示されるオルガノポリシロキサン1.2gとフェニルブ
チノール0.03gを添加し、均一に混合して、ベース
コンパウンドを調製した。次いで、このベースコンパウ
ンドに参考例2〜5で調製した白金触媒含有微粒子触媒
1〜4をそれぞれ0.125g添加配合して、本発明の
加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を製造した。
同様にして、前記ベースコンパウンドに参考例6〜8で
調製したビニル基を含有しないシリコーン樹脂による白
金触媒含有微粒子触媒1〜3をそれぞれ0.125g添
加配合して、比較例としての加熱硬化性オルガノポリシ
ロキサン組成物を製造した。これらの組成物の加熱硬化
特性をキュラストメータ5型[オリエンテック株式会社
製]により130℃、150℃で測定した。加熱硬化特
性はトルクが最終値の10%に達するまでの時間
(T10)、90%に達するまでの時間(T90)を測定す
ることにより求めた。ここで、T10は硬化開始時間、T
90は硬化完了時間と見なすことができる。また、これら
の加熱硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性を加速試験
で調べた。即ち、加熱硬化性シリコーン組成物を50℃
でエージングし、数日毎に粘度測定を行ない、その粘度
が2倍の値に達する日数をもって安定貯蔵期間とした。
これらの測定結果は表1に示す通りであった。
は、上記のような(a)成分〜(d)成分からなり、特に
(c)成分の白金系触媒を白金原子として0.05〜2.0
0重量パーセント含有する平均粒子径0.01〜10.0
μmの熱可塑性シリコーン樹脂微粒子触媒であって、該
シリコーン樹脂は5〜90モルパーセントの式:PhS
iO3/2(式中、Phはフェニル基である。)で示され
るシロキサン単位と5〜20モルパーセントの式:Me
ViSiO2/2(式中、Meはメチル基であり、Viは
ビニル基である。)で示されるシロキサン単位を含有す
るものであり、かつガラス転移点が40〜70℃の範囲
内にある白金系触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒を使
用しているので、貯蔵安定性に優れ、加熱すると硬化速
度が速いという特徴がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジ オルガノポリシロキサン 100重量部、 (b)1分子内に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原
子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン (a)成分のジオルガノポリシロキサンを架橋させるのに
十分な量、 (c)白金系触媒を白金原子として0.05〜2.00重量
パーセント含有する平均粒子径0.01〜10.0μmの
熱可塑性シリコーン樹脂微粒子触媒であって、該シリコ
ーン樹脂は5〜90モルパーセントの式:PhSiO
3/2(式中、Phはフェニル基である。)で示されるシ
ロキサン単位と5〜20モルパーセントの式:MeVi
SiO2/2(式中、Meはメチル基であり、Viはビニ
ル基である。)で示されるシロキサン単位を含有するも
のであり、かつガラス転移点が40〜70℃の範囲内に
ある、白金系触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒 白金原子として0.1〜100ppmとなる量、 (d)ヒドロシリル化反応阻害性化合物 0.0001〜1重量部 からなることを特徴とする、加熱硬化性シリコーン組成
物。
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