JP4646363B2 - シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコーンゴム組成物に関し、詳しくは、室温付近で優れた貯蔵安定性を有し、硬化に際しては、硬化速度が速く、かつ短時間で硬化が完結するシリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビニル基含有オルガノポリシロキサンと無機質充填材とけい素原子結合オルガノハイドロジェンポリシロキサンを主成分とし、白金系触媒の存在下に硬化するシリコーンゴム組成物(付加反応型シリコーンゴム組成物)は、硬化時に異臭や分解生成物が発生しない上に、硬化時間のコントロールも容易にできるという利点がある。ところが、この付加反応型シリコーンゴム組成物は、硬化が室温下でも進行するために貯蔵安定性が悪いという問題点があった。かかる問題点を解消するために、付加反応型シリコーンゴム組成物の硬化促進触媒として熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたヒドロシリル化反応用白金系触媒を使用した組成物が提案されている(特開平2−14244号公報参照)。この方法により付加反応型シリコーンゴム組成物の貯蔵安定性は大幅に改善されたが、この熱可塑性樹脂微粒子触媒はその表面とその深部で白金系触媒の触媒作用に差が生じるため、硬化速度が遅く、硬化初期速度をいくら速くしても硬化反応が完結するまでの時間が長くなり、著しい場合は硬化が完結しない等の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解消すべく鋭意研究した結果、特定の有機化合物を添加してシリコーンゴム組成物とすれば上記問題点は解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の目的は、室温付近で優れた貯蔵安定性を有し、加熱硬化の際には、速やかに硬化反応が完結するシリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題の解決手段】
本発明の目的は、(A)(a)平均単位式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、aは1.8〜2.3の数である。)で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)微粉末状シリカ 10〜100重量部、
(C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10重量部、
(D)軟化点が40〜250℃の熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたヒドロシリル化反応用白金系触媒 触媒量
(E)ヒドロキシ酸 0.0001〜10重量部
からなるシリコーンゴム組成物によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
これを説明すると、(A)成分は本発明組成物の主剤となるものであり、次に示す平均単位式で表されるオルガノポリシロキサンが例示される。平均単位式:RaSiO4-a/2(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、aは1.8〜2.3である。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;β−フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。ハロゲン化アルキル基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基が例示される。)。かかるオルガノポリシロキサンは、1分子中に少なく2個のケイ素原子結合アルケニル基を有することが必要である。本成分の分子構造は直鎖状、分枝を含む直鎖状のいずれであってもよい。本成分は単一重合体でも共重合体でもよく、あるいはこれらの重合体の混合物でもよい。本成分を構成するシロキサン単位の具体例としては、ジメチルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、(3,3,3−トリフロロプロピル)メチルシロキサン単位が挙げられる。分子鎖末端に存在する基としては、トリメチルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,メチルビニルヒドロキシシロキシ基、ジメチルヒドロキシシロキシ基が例示される。かかるオルガノポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体,両末端メチルビニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、両末端メチルビニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシロキサン共重合体が例示される。これらの中でも当業界でオルガノポリシロキサン生ゴムと呼称されているオルガノポリシロキサンが好ましく、このものは、通常は、重量平均分子量25×104以上であり、25℃におけるウイリアム可塑度が50以上である。
【0006】
本発明に使用される(B)成分の微粉末状シリカは、本発明組成物を加熱硬化させて得られるシリコーンゴム成形物に優れた機械的強度を付与するために必須とされる成分である。かかる微粉末状シリカとしては、ヒュームドシリカ等の乾式法シリカ、沈殿シリカ等の湿式法シリカ、さらにその表面がオルガノクロロシラン、ヘキサオルガノジシラザン、ジオルガノシクロポリシロキサン等の有機けい素化合物で疎水化処理された微粉末状シリカが挙げられる。本成分はその比表面積が30m2/g以上であることが好ましい。本成分の配合量は(A)成分100重量部に対して10〜100重量部の範囲内である。これは、(B)成分の配合量が10重量部未満であると機械的強度が低下し、100重量部を超えると(A)成分への配合が困難になるためである。
【0007】
本発明に使用される(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分のオルガノポリシロキサンの架橋剤であり、本発明組成物が網状構造を形成してゴムとしての特性を持つようにするためには1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有することが必要である。水素原子以外でケイ素原子に結合している有機基としては、前述した(A)成分のオルガノポリシロキサンと同様のものが例示される。この有機基は1分子中に1種のみでもよく、また2種以上が混在してもよい。本成分の分子構造は、直鎖構造、分岐鎖構造、網状構造、環状構造あるいは3次元構造のいずれでもよく、また、その重合度は、通常、25℃における粘度が0.5〜50,000mPa・sの範囲であり、好ましくは1〜10,000mPa・sの範囲になるものが使用される。本成分の配合量は(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲である。
【0008】
本発明に使用される(D)成分の熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたヒドロシリル化反応用白金系触媒は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子とをヒドロシリル化反応によって架橋するための触媒である。ここで、本発明で言うマイクロカプセルとは、カプセルに内包される成分をカプセルを構成する成分以外の成分から隔離する働きをする微粒子を意味する。従って、(D)成分は熱可塑性樹脂の殻の中にヒドロシリル化反応用白金系触媒が核として含有されている構造の微粒子だけでなく、微粒子状熱可塑性樹脂の中にヒドロシリル化反応用白金系触媒が溶解または分散している構造の微粒子も使用できる。ヒドロシリル化反応用白金系触媒としては、従来公知のヒドロシリル化触媒活性示す白金系触媒がすべて使用できる。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とジケトンの錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体、およびこれらをアルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に担持させたものが例示される。これらの中でも塩化白金酸とアルケニルシロキサンの錯体がヒドロシリル化反応触媒としての触媒活性が高いので好ましく、特に特公昭42−22924号公報に開示されているような塩化白金酸と1、3ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体が好ましい。(D)成分はかかるヒドロシリル化反応用白金系触媒が、軟化点40〜250℃の範囲内にある熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたものであるが、ここで使用される熱可塑性樹脂はヒドロシリル化反応用触媒を実質的に透過せず、かつ、(A)成分のオルガノポリシロキサンに実質的に溶解しない限り、いかなる熱可塑性樹脂も使用できる。
【0009】
(D)成分を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、メチルセルロース、シリコーン樹脂、ポリシラン類などが挙げられる。ヒドロシリル化反応用白金系触媒を熱可塑性樹脂でマイクロカプセル化する方法は、従来公知の界面重合法やin situ重合法などの化学的方法、コアセルベーション法や液中乾燥法などの物理化学的方法、スプレードライニング法のような物理・機械的方法があり、本発明においてはいずれの手段を用いてもよい。これらの方法の中でも広範囲の熱可塑性樹脂を用いることができ、狭い粒径分布のマイクロカプセルが比較的容易に得られることから、液中乾燥法が望ましい。これらの方法によって得られたマイクロカプセルは、そのまま(D)成分として用いることもできるが、これを適切な洗浄溶剤によって洗浄してその表面に付着したヒドロシリル化反応用白金系触媒を除去することが高い貯蔵安定性を有する加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を得るためには望ましい。ここで適切な洗浄溶剤とは、熱可塑性樹脂を溶解しないが、ヒドロシリル化反応用白金系触媒を溶解する性質を有するものである。このうな洗浄溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類;ヘキサメチルジシロキサン等の低分子量のオルガノポリシロキサン類が挙げられる。(D)成分の平均粒子径は、通常、0.1〜500μmの範囲内であり、好ましくは0.3〜100μmの範囲内である。これは平均粒子径が0.1μmより小さくなると製造に際して、ヒドロシリル化反応用触媒の収率が大幅に低下することからであり、500μmよりも大きくなると、(A)成分のオルガノポリシロキサンへの分散安定性が損なわれるからである。(D)成分中に占める白金系触媒の含有量は0.001重量%以上となる量が好ましく0.0〜10重量%が好ましい。かかる(D)成分の配合量は、通常、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して白金金属原子として0.0000001〜0.01重量部であり、好ましくは0.000001〜0.001重量部である。
【0010】
本発明組成物に使用される(E)成分は本発明組成物の特徴をなす成分であり、熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたヒドロシリル化反応用白金系触媒を使用した時の硬化が完結するまでの時間を早める働きをする。
かかるヒドロキシ酸は、ヒドロキシアルカン酸、ヒドロキシカルボン酸とも呼ばれており、一分子中にカルボキシル基(−COOH)、とアルコール性ヒドロキシル基(−OH)とをもつ化合物の総称である。かかるヒドロキシ酸としては、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸等が例示される。本成分を添加する場合、予めジオルガノポリシロキサン、シリカ等の粉体とのマスターバッチにしておくと、添加が容易になるので好ましい。本成分の配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対し0.0001〜10重量部であり、好ましくは0.001〜0.1重量部である。これは0.0001重量部未満であると本発明組成物の硬化を完結させるまでの時間を十分に早くすることできず、10重量部超えると(E)成分自身が硬化を抑制する働きをし、硬化の立ち上がりを遅くする等の不都合を起こす。
【0011】
本発明組成物は、上記した(A)成分〜(E)成分からなるシリコーンゴム組成物であるが、これらの成分に加えて、必要に応じて、両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサン、シラノール基含有オルガノシラン、ヘキサオルガノジシラザン等のクレープハードニング防止剤を含有してもよく、貯蔵安定性と硬化特性を調節するためにアセチレン系化合物、アルケニル基含有とアルコール性水酸基を有する化合物、ハイドロパーオキシ化合物、トリアゾール化合物等の付加反応の抑制剤を添加配合してもよい。また従来からシリコーンゴム組成物に配合されることが公知とされている各種の添加剤、例えば増量充填剤、顔料、耐熱剤、金型離型剤などを配合することは本発明の目的を損なわない限り差し支えない。かかる添加剤としては、けいそう土、石英粉末、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄等が例示され、耐熱剤としては、希土類酸化物、セリウムシラノレート、セリウム脂肪酸塩などが例示され、金型離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸およびそれらの金属塩が例示される。
【0012】
本発明組成物は上記(A)成分〜(E)成分を均一混合することによって容易に製造されるが、予め(A)成分と(B)成分を混合してシリコーンゴムベースコンパウンドを製造した後、(C)成分〜(E)成分を添加して混合することが好ましい。製造装置としては、シリコーンゴム組成物の製造に使用されている従来公知の装置、例えば、ニーダーミキサー、連続混練押出機、2本ロール等が使用可能である。
【0013】
以上のような本発明組成物は、貯蔵安定性に優れており、短時間で硬化反応を完結させることができるので、かかる特性の要求される分野、例えば、チューブ、シート等に適用される押出成形用シリコーンゴム組成物として有用である。
【0014】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により説明する。実施例中、部とあるのは重量部を示す。なお、実施例中のシリコーンゴム組成物の加熱硬化特性は、キュラストメーター[(株)オリエンテック製キュラストメーター5型]により130℃の温度で10分間加熱し、トルクが最大値の90%に達するまでの時間(T−90)を測定した。
【0015】
【参考例1】
白金ビニルシロキサン錯体組成物の調整
6gの塩化白金酸水溶液(白金含有量33重量%)と16gの1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンを35gのイソプロピルアルコールに溶解した。この溶液に10g重炭酸ソーダを加えて懸濁状態で攪拌しながら70〜80℃で30分反応させた。イソプロピルアルコールと水を圧力7×103Pa、温度45℃の条件下で揮発除去し、固形分を濾過することによって白金含有量9.8重量%のビニルシロキサン配位白金錯体触媒の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液を調整した。
【0016】
【参考例2】
熱可塑性シリコーン樹脂の調整
332gのフェニルトリクロロシラン、53gのジメチルジクロロシランおよび110gのジフェニルジクロロシランを150gのトルエンで希釈した溶液を、430gのトルエンと114gの水からなる液中に滴下して加水分解した。この反応混合物を水洗いして塩化水素を除去してから有機相を分離した。次いで0.2gの水酸化カリウムを加えて加熱し、発生する水を留去した後、酢酸で中和して水洗いを繰り返した後、溶媒を乾固して熱可塑性シリコーン樹脂を得た。この熱可塑性シリコーン樹脂のガラス転移点は65℃、軟化点は85℃であった。
【0017】
【参考例3】
球状微粒子触媒の調整
ガラス製の攪拌機付容器に参考例2で得られた熱可塑性シリコーン樹脂900gとトルエン500gとジクロロメタン4600gを投入し均一に混合した。次いで参考例1で得られた白金ビニルシロキサン錯体組成物44.4gを投入し、混合することにより白金ビニルシロキサン錯体と熱可塑性シリコーン樹脂の均一溶液を得た。次いでこの溶液を流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流としたスプレードライヤー槽内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱気流温度はスプレードライヤー槽の入口で95℃であり、スプレードライヤー槽の出口で45℃であり、熱気流速度は1.3m3/minであった。1時間の運転後バックフィルターによって450gの白金ビニルシロキサン錯体含有シリコーン樹脂微粒子触媒を捕集した。この微粒子触媒の平均粒子径は1.1μmであり、5μm以上の微粒子触媒の含有量は0.5重量%であった。またこの微粒子触媒の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、この微粒子触媒は球状体であることが確認された。
【0018】
【実施例1】
ジメチルシロキサン単位99.6モル%とメチルビニルシロキサン単位0.4モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンオルガノポリシロキサン(重合平均分子量500,000)100部、25℃における粘度が60mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー9.0部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカ45部をニーダーミキサーに投入して、加熱下均一になるまで混練し、80℃まで冷却した後、乳酸を上記オルガノポリシロキサン100部に対し0.02部添加してシリコーンゴムベースコンパウンドを得た。次いで、このシリコーンゴムベースコンパウンド100部に対して、平均分子式がMe3SiO(Me2SiO)3(MeHSiO)5SiMe3(式中、Meはメチル基を示す)で示される25℃における粘度が25mPa・sのジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体0.6部、ヒドロシリル化反応抑制剤として2−フェニル−3−ブチン−オールを0.002部、参考例3で得られた球状微粒子触媒0.04部を2本ロールで均一に混合してシリコーンゴム組成物1を製造した。このシリコーンゴム組成物の加熱硬化特性を測定したところ、130℃の温度で10分間加熱し、トルクが最大値の90%に達するまでの時間(T−90)が50秒であった。
【0019】
【実施例2】
実施例1で製造したシリコーンゴム組成物をチューブ成形用押出機に導入して、外形20.0mm、肉厚3.0mmのシリコーンゴム組成物からなるチューブを成形した。この時、シリコーンゴム組成物からなるチューブの押出性と形状保持性は良好であった。ついで、このチューブを熱風硬化炉中に導入して、250℃で3分間加熱してシリコーンゴムチューブを製造した。得られたシリコーンゴムチューブの断面の肉厚中心部の硬さを測定したところ、55度であり硬化は完結していた。ここで硬さの測定はJISK6253に規定する方法{スプリング式(Aタイプ)}にしたがって測定した。
【0020】
【比較例1】
実施例1において、乳酸を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、シリコーンゴム組成物を製造した。このシリコーンゴム組成物1加熱硬化特性を実施例1と同様にして測定したところ130℃の温度で10分間加熱し、トルクが最大値の90%に達するまでの時間(T−90)が182秒であった。
【0021】
【比較例2】
実施例2において、実施例1で製造したシリコーンゴム組成物の替りに、比較例1で製造したシリコーンゴム組成物を使用した以外は、実施例2と同様にして、シリコーンゴムチューブを製造した。得られたシリコーンゴムチューブの断面の肉厚中心部の硬さを測定したところ、25度しかなく硬化が完結していないことが確認された。
【0022】
【発明の効果】
本発明のシリコーンゴム組成物は、(A)成分〜(E)成分からなり、特に、(E)ヒドロキシ酸を含有しているので、室温付近で優れた貯蔵安定性を有し、硬化に際しては、硬化速度が速く、かつ短時間で硬化が完結するという特徴を有する。
Claims (2)
- (A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、(B)微粉末状シリカ 10〜100重量部、(C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10重量部、(D)軟化点が40〜250℃の熱可塑性樹脂によりマイクロカプセル化されたヒドロシリル化反応用白金系触媒(本発明組成物を硬化させるのに十分な量)および(E)乳酸 0.0001〜10重量部 からなるシリコーンゴム組成物。
- 押出成形用である請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
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