JP3178827B2 - 加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ヒドロシリル化反応によって硬化する加熱
硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関するものであ
る。詳しくは、室温付近で優れた貯蔵安定性を有し、高
温では速やかに硬化し、金属,ガラス,プラスチックな
どの各種材料に対して優れた接着性を示す加熱硬化性オ
ルガノポリシロキサン組成物に関するものである。
[従来技術] ヒドロシリル化反応によって硬化するオルガノポリシ
ロキサン組成物は、反応副生物が生成せず深部まで迅速
に硬化が進行するという特徴を有しているので、例え
ば、接着剤,電気・電子部品のポッティング材およびコ
ーティング材、紙やフィルムなどの剥離コーティング材
など幅広い分野にわたって使用されている。
しかしながら、この種のオルガノポリシロキサン組成
物は貯蔵安定性が極めて悪く、これを1つの容器に封入
して保管することができないという欠点があり、そのた
め、通常はこれを構成する成分を各々別々の容器に分け
て貯蔵しなければならないという問題点があった。従
来、この問題点を解決するためヒドロシリル化反応用触
媒、特に白金系触媒の触媒活性を制御する方法が提案さ
れている。その1つの方法は、白金系触媒の触媒活性を
制御する作用のある添加剤、例えば、ベンゾトリアゾー
ル,アセチレン系化合物,ハイドロパーオキシ化合物な
どを併用する方法である。もう1つの方法は、ヒドロシ
リル化反応用触媒と熱可塑性樹脂からなる混合物を粉砕
して得られた粉体をヒドロシリル化反応用触媒として使
用することにより、ヒドロシリル化反応用触媒を他成分
から隔離させることで貯蔵安定性を向上させる方法であ
る。
しかし、これらの方法では、長期間の貯蔵安定性を得
ようとすると硬化特性が低下するなどの欠点があった。
この種のオルガノポリシロキサン組成物のもう1つの
欠点は、他の材質への接着性が劣ることであった。接着
性が不十分なオルガノポリシロキサン組成物を電気・電
子部品のポッティング材およびコーティング材として使
用した場合には、剥離をおこしやすく水分の侵入を許し
たり、接着強度を低下させる原因となる。
従来、このような欠点を改善するために、この種のオ
ルガノポリシロキサン組成物に各種のオルガノシランま
たはオルガノシロキサンを接着付与成分として添加する
ことにより、その接着性を向上させる方法が数多く提案
されている。ところが、これらのオルガノポリシロキサ
ン組成物は、オルガノシランまたはオルガノポリシロキ
サンが加熱硬化時に揮発して充分な接着性を有さなかっ
たり、添加量が多いと硬化物の物性を低下させたりする
ことがあり必ずしも満足できるものではなかった。ま
た、この方法を上記のヒドロシリル化反応用触媒を熱可
塑性樹脂により他成分から隔離させたオルガノポリシロ
キサン組成物に適用した場合には、オルガノシランもし
くはオルガノポリシロキサンの接着付与成分が熱可塑性
樹脂を膨潤あるいは溶解するので、室温付近での1液型
としての貯蔵安定性が十分に得られない場合があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意研究した
結果、ヒドロシリル化反応により硬化するオルガノポリ
シロキサン組成物において、硬化用触媒として特定の熱
可塑性樹脂微粒子を使用し、かつ、架橋剤成分として特
定のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用すれ
ば上記問題点は一挙に解消することを見出し本発明に到
達した。すなわち、本発明の目的は、室温付近では貯蔵
安定性に優れており、かつ、金属,ガラス,プラスチッ
クなどの各種基材に対して優れた接着性を示す加熱硬化
性オルガノポリシロキサン組成物を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段とその作用] 本発明は、 (A)平均組成式RaSiO(4−a)/2(式中、Rは置換
または非置換の1価炭化水素基、aは1.0〜2.3の数であ
る)で示され、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子
結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン (B)1分子中に、炭素原子を介してケイ素原子に結合
したトリアルコキシシリル基1個以上とエポキシ基含有
有機基1個以上とケイ素原子結合水素原子4個以上とを
含有し、主鎖中のケイ素原子数が5個以上である、ジメ
チルシロキサン単位を有するオルガノハイドロジェンポ
リシロキサン、 (C)ヒドロシリル化反応用触媒を0.01重量%以上含有
する熱可塑性樹脂微粒子触媒(ここで、熱可塑性樹脂の
軟化点は50〜200℃であり、熱可塑性樹脂微粒子触媒の
平均粒子径は0.01〜100μmである。)、 よりなる、加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物に
関する。
本発明に使用される(A)成分のオルガノポリシロキ
サンは、本発明の組成物の主剤となる成分であり、1分
子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を
有することが必要である。このオルガノポリシロキサン
は上式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基のようなアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、ヘキセニル基などのアルケニル基、
フェニル基などのアリール基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基のような置換炭化水素基で例示される1価炭化
水素基であり、aは1.0〜2.3の数である。このオルガノ
ポリシロキサンの分子構成は直鎖状、分岐状のシロキサ
ン骨格を有するものでもよい。またその重合度は特に限
定されないが、通常は25℃における粘度が10〜1,000,00
0センチポイズの範囲にあるものが使用される。
本発明に使用される(B)成分は(A)成分のオルガ
ノポリシロキサンの架橋剤であり、かつ他の基材に対し
て優れた接着性を示すために必須とされる成分である。
これは炭素原子を介してケイ素原子に結合したトリアル
コキシシリル基1個以上とエポキシ基含有有機基1個以
上とケイ素原子結合水素原子4個以上を含有するオルガ
ノハイドロジエンポリシロキサンである。
ここで、炭素原子を介してケイ素原子に結合したトリ
アルコキシシリル基とエポキシ基を含有する有機基は、
本発明組成物が接着性を示すためには、(B)成分のオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンの1分子中にそれ
ぞれ1個以上存在しなければならない。このようなトリ
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基,
トリエトキシシリル基,トリイソプロポキシシリル基,
トリブトキシシリル基等で例示されるトリアルコキシシ
リル基が、メチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブ
チレン基で例示されるアルキレン基を介してケイ素原子
に結合した有機基が挙げられ、エポキシ基含有有機基と
してはグリシドキシプロピル基,エポキシシクロヘキシ
ルエチル基で例示される有機基が挙げられる。
また、本発明の組成物が網状構造を形成するためには
(B)成分1分子中にケイ素原子結合水素原子を4個以
上含有することが必要である。これらの有機基以外にケ
イ素原子に結合した有機基としては前述した(A)成分
のオルガノポリシロキサンについて例示した1価炭化水
素基と同様のものが例示される。この有機基は、1分子
中に1種のみでもよく、また2種以上が混在してもよ
い。
さらに、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、1分子中のケイ素原子の数が5個以上であ
ることが好ましい。4個以下であると、ケイ素原子結合
水素原子の反応性が立体障害などに起因して悪くなり、
本発明組成物の硬化が不十分になり接着強度が低下した
り、硬化不良をおこすことがあるからである。また、
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは
ケイ素原子結合水素原子を1分子に4個以上含有するこ
とが必要である。また、(B)成分のオルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンは、ジメチルシロキサン単位を含
有することが必要である。
このような(B)成分としては、例えば次のような化
合物が例示される。
(m,pは1以上の整数、nは0または1以上の整数、q
は3以上の整数である。) (r,uは1以上の整数、sは0または1以上の整数、t
は3以上の整数である。) (vは0または1以上の整数、wは3以上の整数であ
る。) このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサン
は、例えば、通常のヒドロシリル化反応で硬化するオル
ガノポリシロキサン組成物の架橋剤としてよく知られて
いるメチルハイドロジェンポリシロキサンにアルケニル
基含有トリアルコキシシランとアルケニル基含有エポキ
シ化合物をヒドロシリル化反応用触媒の存在下で部分付
加させることにより容易に製造できる。ここで、アルケ
ニル基含有トリアルコキシシランとしては、ビニルトリ
アルコキシシラン、アリルトリアルコキシシラン、ヘキ
セニルトリアルコキシシランなどが例示される。アルケ
ニル基含有エポキシ化合物としては、アリルグリシジル
エーテルなどが例示される。本発明に使用される(B)
成分の分子構造は、直鎖構造、網状構造、または3次元
構造を含んでいてもよく、これらの単一重合体または共
重合体もしくは2種以上の重合体の混合物も使用でき
る。また、その重合度は、通常、25℃における粘度が1
〜50,000センチポイズの範囲内であり、好ましくは5〜
10,000センチポイズの範囲内のものが使用される。
また、その配合量は本成分中のケイ素原子結合水素原
子と(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル
比が、好ましくは0.5/1〜5/1の範囲になるような量であ
り、通常は(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部
の範囲内である。
(C)成分のヒドロシリル化反応用触媒含有熱可塑性
樹脂微粒子触媒は、(A)成分のケイ素原子結合アルケ
ニル基と、ケイ素原子結合水素原子とをヒドロシリル化
反応によって架橋するための触媒である。このヒドロシ
リル化反応用触媒含有熱可塑性樹脂微粒子触媒とは、熱
可塑性樹脂の殻の中にヒドロシリル化反応用触媒が核と
して含有されている構造の微粒子あるいは微粒子状熱可
塑性樹脂の中にヒドロシリル化反応用触媒が溶解または
分散している構造の微粒子を意味する。
ヒドロシリル化反応用触媒としては、従来公知のヒド
ロシリル化触媒活性を示す遷移金属触媒がすべて使用で
きる。具体的には塩化白金酸、アルコール変性塩化白金
酸、白金とオレフィンとの錯体、アルミナ、シリカ、カ
ーボンブラックなどに担持された白金、白金黒などで例
示される白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウムのようなパラジウム触媒、あるいはロ
ジウム触媒が例示される。これらの中でも活性の高さお
よび(A)成分と(B)成分への相溶性の点から塩化白
金酸とジビニルシロキサンの錯体触媒が好ましい。
(C)成分はこのようなヒドロシリル化反応用触媒が、
軟化点が40〜200℃の範囲内にある熱可塑性樹脂中に含
有されたものであるが、ここで使用される熱可塑性樹脂
はヒドロシリル化反応用触媒を少なくとも貯蔵中には実
質的に透過させず、かつ、(A)成分のオルガノポリシ
ロキサンに実質的に溶解しない限り、いかなる樹脂も使
用できる。(C)成分に使用できる熱可塑性樹脂として
は、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、メチルセル
ロース、シリコーン樹脂、ポリシラン樹脂などが挙げら
れる。ヒドロシリル化反応用触媒を熱可塑性樹脂皮膜で
微粒子とする方法は、従来公知の界面重合法や、in−si
tu重合法などの化学的方法、コアセルベーション法や液
中乾燥法などの物理化学的方法、スプレードライ法など
の物理的・機械的方法があり、本発明においてはいずれ
の手段を用いてもよい。なかでも狭い粒径分布の微粒子
が比較的容易に得られることから、液中乾燥法とスプレ
ードライ法が望ましい。
これらの方法によって得られたヒドロシリル化反応触
媒含有熱可塑性微粒子は、そのまま(C)成分として用
いることもできるが、これを適切な洗浄溶剤によって洗
浄してその表面に付着したヒドロシリル化反応用触媒を
除去することが、貯蔵安定性に優れた加熱硬化性オルガ
ノポリシロキサン組成物を得るためには望ましい。ここ
で適切な洗浄溶剤とは、熱可塑性樹脂を溶解しないが、
ヒドロシリル化反応用触媒を溶解する性質を有するもの
である。このような洗浄溶剤としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコールなどのアルコール類、ヘ
キサメチルジシロキサンなどの低分子量オルガノポリシ
ロキサン類などが挙げられる。(C)成分の平均粒子径
は、0.01〜100μmの範囲内であり、好ましくは0.1〜10
μmの範囲内である。これは平均粒子径が0.01μmより
小さくなると製造に際してヒドロシリル化反応用触媒の
収率が大幅に低下するからであり、100μmよりも大き
くなると、(A)成分のオルガノポリシロキサンへの分
散安定性が損われるからである。
ヒドロシリル化反応用触媒の熱可塑性樹脂に対する比
率は、(C)成分中に占めるヒドロシリル化反応用触媒
の含有率が0.01重量%以上となる比率である。これは、
0.01重量%未満になると、本発明組成物に占める熱可塑
性樹脂の比率が高くなり過ぎ、硬化後の物性が損われる
ことがあるためである。尚、ここでいうとヒドロシリル
化反応用触媒の含有量とは、ヒドロシリル化反応用触媒
が遷移金属触媒である場合には、遷移金属原子自体の含
有量を意味する。このような(C)成分の配合量は、通
常、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に
対して白金換算で0.000001〜0.1重量部の範囲内であ
り、好ましくは0.00005〜0.01重量部の範囲内である。
(C)成分そのものの配合量は0.005〜100重量部の範囲
内で使用されるが、上記の白金換算の重量部の範囲内で
あれば、この重量部の範囲を越えて使用してもよい。な
お、白金換算重量とは、白金以外の遷移金属の場合、配
合される遷移金属と等しい原子数の白金が配合されると
して計算した重量を意味する。
本発明の組成物は、上記(A)成分〜(C)成分から
なるオルガノポリシロキサン組成物であるが、これには
必要に応じて、ヒュームドシリカや湿式シリカなどの微
粉状シリカ,表面疎水化処理された微粉状シリカ、本成
分中のケイ素原子結合水素原子と(A)成分中のケイ素
原子結合アルケニル基のモル比を調整するために1分子
中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、クレープハー
ドニング防止剤、フェニルプチノールなどの貯蔵安定
剤、オルガノポリシロキサン以外のポリマー、耐熱剤、
難燃剤、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス繊
維などを配合することは、本発明の目的を損わない限り
差し支えない。
本発明の組成物は、上記(A)成分〜(C)成分を均
一に混合することによって容易に得られる。この混合順
序は特に制限はないが、(C)成分を少量の(A)成分
中に混合して均一に分散させた後、これを(A)成分お
よび(B)成分の混合物に添加する方法が望ましい。こ
の場合は、(C)成分のヒドロシリル化反応触媒含有熱
可塑性微粒子触媒を破壊しない限り、いかなる手段を用
いてもよい。また、その温度条件は使用する(C)成分
によって異なるので一概に規定することはできないが、
少なくとも(C)成分で使用する熱可塑性樹脂の軟化点
以下の温度であることが必要である。
以上のような本発明の組成物は、室温付近で貯蔵安定
性に優れているので1包装型オルガノポリシロキサン組
成物として長期間の保存が可能であり,優れた接着性を
有する。
したがって、これらの特性を要求される接着剤,電気
・電子部品用ポッテイング剤やコーテイング剤として極
めて有用である。
[実施例] つぎに本発明を実施例によって説明する。実施例中粘
度は25℃における値であり、cpはセンチポイズを示し、
%は重量%を表わす。
参考例1 白金ビニルシロキサン錯体の調製 160gの1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンと、3
2.0gの塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)を混合し、窒素気
流中120℃で1時間加熱混合した。ついで、濾過によっ
て副生した白金黒を除去した後、水洗により酸を除去し
て1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンが配位した
白金錯体を含む反応生成物を得た。この反応生成物中の
白金金属濃度は4.25%であった。
参考例2 熱可塑性シリコーン樹脂の調製 332gのフェニルトリクロロシラン、53gのジメチルジ
クロロシランおよび110gのジフェニルジクロロシランを
150gのトルエンで希釈した溶液を、430gのトルエンと14
2gのメチルエチルケトンと114gの(C)からなる液中に
滴下して加水分解した。この反応混合物を水洗して塩化
水素を除去してから有機相を分離し、さらに加熱してメ
チルエチルケトンを除去した。次いで0.2gの水酸化カリ
ウムを加えて加熱し、発生する水を留去した後、酢酸で
中和して水洗を繰返した。しかる後、溶媒を乾固して熱
可塑性シリコーン樹脂を得た。この熱可塑性シリコーン
樹脂のガラス転移点は65℃、軟化点は85℃であった。
参考例3 白金触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒の調製 ガラス製の撹拌機付容器に参考例2で得られた熱可塑
性シリコーン樹脂900gとトルエン500gとジクロロメタン
4600gを投入し均一に混合した。次いで参考例1で得ら
れた白金ビニルシロキサン錯体組成物44.4gを投入し、
混合することにより白金ビニルシロキサン錯体と熱可塑
性シリコーン樹脂の均一溶液を得た。次いでこの溶液を
2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレ
ードライヤー槽(アシザワ・ニトロ・アトマイザー株式
会社製)内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱
気流温度はスプレードライヤーの入口で95℃であり、ス
プレードライヤーの出口で45℃であり、熱気流速度は1.
3m3/minであった。1時間の運転後でバッグフィルター
によって450gの白金ビニルシロキサン錯体組成物含有シ
リコーン樹脂微粒子を捕集した。この微粒子の平均粒子
径は1.1μmであり、5μm以上の微粒子の含有量は0.5
重量%であった。またこの微粒子中の白金含有量は0.4
重量%であった。またこの微粒子の形状を操作型電子顕
微鏡により観察したところ、この微粒子は球状体である
ことが確認された。
参考例4 白金触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒の調製 18モル%のジフェニルシロキサン単位、17モル%のジ
メチルシロキサン単位、65モル%のモノフェニルシロキ
サン単位から構成されるシリコーンレジン(軟化点90
℃)16.0gと参考例1で得られた白金ビニルシロキサン
錯体触媒1.6gを塩化メチレン330gに溶解させた。この塩
化メチレン溶液を、15gのポリビニルアルコール[日本
合成化学工業(株)製、ゴーセノールGL−05]を含む水
中に撹拌しながら添加した。次いで、塩化メチレンを25
〜40℃で48時間かけて蒸発除去した。この懸濁液から遠
心分離によって固体状物を分離した。次いで、この固体
状物を水洗した後、多量のメチルアルコールで洗浄、平
均粒子径1μm、白金含有量0.40%の白金触媒含有シリ
コーン樹脂微粒子触媒を得た。
参考例5 白金触媒含有ポリスチレン微粒子触媒の調製 8.0gのポリスチレン(ガラス転移点82℃)と1.0gの参
考例1で得られた白金ビニルシロキサン錯体触媒を、16
5gの塩化メチレンに溶解させた。この塩化メチレン溶解
を、7.5gのポリビニルアルコール[日本合成化学工業
製、ゴーセノールGL−05]を含む水中に撹拌しながら添
加した。次いで、塩化メチレンを25〜40℃で40時間かけ
て蒸発除去した。この懸濁液から遠心分離によって固体
状物を分離した。次いで、この固体状物を水洗した後、
多量のメチルアルコールで洗浄し、次いでヘキサメチル
ジシロキサンで洗浄することにより、平均粒子径7μ
m、白金含有量0.24%の白金触媒を得た。
実施例1 分子鎖両末端がジメチルビニル基で封鎖され、粘度が
約2000cpのジメチルポリシロキサン100部,ヘキサメチ
ルジシラザンで表面疎水化処理された比表面積約200m2/
gの微粉状シリカ20部を均一に混合した後、分子式が、 で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン3.0
部と3,5−ジメチル−3−ヘキシノール0.02部を添加
し、均一に混合した。次いで、参考例3で得られた白金
触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒を、組成物中の白金
含有量が5ppmとなるように混合し、加熱硬化性オルガノ
ポリシロキサン組成物を得た。これらの組成物をアルミ
ニウム板、銅板、鉄板、ニッケル板、ベークライト板、
エポキシガラス板、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)板、ガラス板からなる2枚のテストピースに挟み、
これを120℃で1時間加熱オーブン中で硬化させ、2枚
のテストピースがオルガノポリシロキサン組成物の硬化
物を介して一体化した試験体を得た。次いで、この試験
体を引張試験機(テンシロン)にかけ、その接着強度を
測定した。尚、この接着強度の測定は、ASTM規格D1002
−53Tに指定する引張せん断試験に準じて行なった。こ
れらの測定結果を第1表に示した。
比較のため、上記において架橋剤として式(A)で示
されるオルガノハイドロジェンシロキサンの代りに、 で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン0.87部
を配合した以外は上記と同様にして加熱硬化性オルガノ
ポリシロキサン組成物を造った。次いで、この組成物に
ついて上記と同様にして各種基材に対する接着強度を測
定した。これらの測定結果を第1表に比較例1として併
記した。
また上記において、白金触媒含有熱可塑性微粒子触媒
の代りに参考例1で得られた白金ビニルシロキサン錯体
を白金量が5ppmになるように添加して加熱硬化性オルガ
ノポリシロキサン組成物を造った。
また上記組成物の貯蔵安定性を調べたところ比較例1
の組成物は25℃で10日後に硬化した。一方、上記実施例
1の組成物は、90日後も硬化していなかった。
実施例2 分子鎖両末端がジメチルビニル基で封鎖され、粘度が
約2700cpのジメチルポリシロキサン58部、トリメチルシ
ロキシ基とジメチルビニルシロキシ基およびSiO2単位よ
りなり、粘度が約10cpのポリシロキサン13部、平均粒度
約5ミクロンの石英粉末17部、ヘキサメチルジシラザン
で表面疎水化処理された比表面積約200m2/gの微粉状シ
リカ12部を十分に混合した後、平均分子式が で示されるポリシロキサン6.8部、参考例4で得られた
白金触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒0.24部、3−フ
ェニル−3−ブチノール0.03部を添加し、均一に混合し
た。この組成物をアルミニウム製の2枚のテストピース
に挟み、実施例1と同様にして試験体を作成し、実施例
1と同様にして接着性試験を行ない、接着強度と接着状
態を測定した。接着強度は、初期が38Kg/cm2、40℃で60
日後が35Kg/cm2であった。接着状態はどちらも凝集破壊
であった。
実施例3 実施例2において参考例4で得られた白金触媒含有シ
リコーン樹脂微粒子触媒のかわりに参考例3で得られた
白金触媒含有シリコーン樹脂微粒子触媒を混合して加熱
硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。これ
らの組成物のアルミニウム板、しんちゅう板、ベークラ
イト板、エポキシガラス(ガラス繊維で強化されたエポ
キシ樹脂)板、PBT、6−ナイロン、ガラス板に対する
接着性試験を実施例2と同様にして、接着状態を測定し
た。
比較のため上記において式(C)で示されるポリシロ
キサンの代りに 式 Me3SiO(Me2SiO)(MeHSiO)7SiMe3 (D) で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン5.1
部とビニルトリメトキシシラン1.0部とアリルグリシジ
ルエーテル0.7部とを混合し、加熱硬化性オルガノポリ
シロキサン組成物を造り、この組成物について上記と同
様の接着性試験をおこなった。これらの測定結果を第2
表に比較例2として併記した。
また、上記組成物の貯蔵安定性を調べたところ実施例
3の組成物はどちらも40℃で60日後でも硬化していなか
ったが、比較例2の組成物は5日後に硬化していた。。
実施例4 分子鎖両末端がジメチルビニル基で封鎖され、粘度が
約2000cpのジメチルポリシロキサン100部,ヘキサメチ
ルジシラザンで表面疎水化処理された比表面積約200m2/
gの微粉状シリカ20部を均一に混合した後、平均分子式
で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサン3.
1部、参考例5で得られた白金触媒含有ポリスチレン微
粒子触媒を0.2部添加し、加熱硬化性オルガノポリシロ
キサン組成物を造った。この組成物を直径6cmのアルミ
ニウムカップに約10g入れ、これを130℃で30分間乾燥オ
ーブン中で硬化させ、接着状態を観察した。この組成物
の硬化物はアルミニウムカップに強固に接着していて無
理に剥がそうとすると硬化物内部が壊れる凝集破壊であ
った。また上記組成物の貯蔵安定性を調べたところこの
組成物は25℃で90日間放置後も硬化していなかった。
[発明の効果] 本発明の加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物
は、(A)成分〜(C)成分からなり、特に(B)成分
の特定のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと
(C)成分の特定のヒドロシリル化反応触媒含有熱可塑
性樹脂微粒子触媒を含有しているので、室温付近で長期
間の貯蔵が可能であり、しかも各種基材に対して接着性
を有するという特徴を持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08L 83/05

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均組成式RaSiO(4−a)/2(式
    中、Rは置換または非置換の1価炭化水素基、aは1.0
    〜2.3の数である)で示され、1分子中に少なくとも2
    個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリ
    シロキサン、 (B)1分子中に、炭素原子を介してケイ素原子に結合
    したトリアルコキシシリル基1個以上とエポキシ基含有
    有機基1個以上とケイ素原子結合水素原子4個以上とを
    含有し、主鎖中のケイ素原子数が5個以上である、ジメ
    チルシロキサン単位を有するオルガノハイドロジェンポ
    リシロキサン、 (C)ヒドロシリル化反応用触媒を0.01重量%以上含有
    する熱可塑性樹脂微粒子触媒(ここで、熱可塑性樹脂の
    軟化点は50〜200℃であり、熱可塑性樹脂微粒子触媒の
    平均粒子径は0.01〜100μmである。)、 よりなる、加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】(C)成分を構成する熱可塑性樹脂が熱可
    塑性シリコーン樹脂である、特許請求の範囲第1項記載
    の加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 【請求項3】(C)成分を構成するヒドロシリル化反応
    用触媒が白金系触媒である、特許請求の範囲第1項記載
    の加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 【請求項4】白金系触媒が、白金もしくは塩化白金酸と
    ジビニルシロキサンの錯体である、特許請求の範囲第3
    項記載の加熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
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