JP3500992B2 - オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物

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JP3500992B2 JP34104098A JP34104098A JP3500992B2 JP 3500992 B2 JP3500992 B2 JP 3500992B2 JP 34104098 A JP34104098 A JP 34104098A JP 34104098 A JP34104098 A JP 34104098A JP 3500992 B2 JP3500992 B2 JP 3500992B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、保存性と硬化性に
優れたオルガノポリシロキサン組成物に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、脂肪族不飽和基とヒドロシリル基との白金族金属触
媒による付加反応は多くの分野に利用されており、中で
も白金化合物は、これら分野で最も汎用性の高い触媒化
合物として使用され、シルアルカン結合の合成などの有
機合成反応に使用されているほか、特にシリコーン工業
の分野で、付加反応型レジンあるいはゴムの架橋の手段
として用いられており、具体的な用途としては、接着
剤、コーティング剤、ポッティング剤、ゲル剤、発泡
体、液状あるいはミラブルゴムでの押し出し、圧縮成型
又は射出成型等の用途に使用されている。 【0003】近年、シリコーン工業の分野においては、
加工性、作業性の観点から保存期間が長く、しかも速や
かに硬化する材料が求められており、このため白金族金
属触媒使用による付加反応を架橋システムとして利用し
た組成物について数多く提案されている。これに伴い白
金族金属触媒のシェルフライフ、ポットライフをコント
ロールするための制御剤についての技術も数多く開示さ
れており、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物(特公
昭40−25069号公報)、アセチレンアルコール系
化合物(特公昭44−31476号公報)、ビニル基含
有ポリシロキサン化合物(特公昭48−10947号公
報)、ハイドロパーオキサイド(特公昭57−2034
0号公報)、アミン系化合物(特開昭63−56563
号公報)等が提案されている。 【0004】しかしながら、このような化学的制御によ
る方法は、可使時間と硬化速度とのバランスに限界があ
り、更に長い保存性とシャープな硬化性が求められてい
る市場要求に対処しきれなくなってきている。 【0005】そこで、白金族金属触媒を、特定の融点を
有する熱可塑性樹脂やシリコーン樹脂などに包埋してカ
プセル化して組成物中に配合し、加熱によるこれら樹脂
の溶融や溶剤による溶解により白金族金属触媒をシリコ
ーン組成物中に放出させる方法が提案されている。この
技術に関する先行文献としては、例えば、特開昭49−
134786号公報、特開昭58−37053号公報、
特開昭64−51140号公報、特開平2−9448号
公報、特開平2−14244号公報、特開平5−202
193号公報、特開平7−196921号公報等があ
る。 【0006】しかしながら、このマイクロカプセル化に
よる方法は、組成物中に高濃度の白金族金属触媒が偏在
して存在するため、部分的な硬化を起こし易いという問
題がある。 【0007】そこで、この点の問題を解決するため、ア
セチレンアルコールなどを反応抑制剤として使用する方
法(特開平4−46962号公報等)が提案されてお
り、部分的な硬化反応を防ぐことが記載されている。 【0008】しかしながら、この組成物も種々の用途に
展開する場合に幾つかの不具合が生じることが判明し
た。 【0009】例えば、これらの組成物に接着成分を加え
て加熱硬化型シリコーンゴム接着剤として用いる場合、
連続生産ラインでの温度設定が比較的低く、白金族金属
触媒を包埋している熱可塑性樹脂などが融解するのに一
定の時間を要すると、生産ラインにおける硬化及び接着
が不完全になる問題が時として生じる。また、組成物に
アルコールあるいは水などのヒドロキシル基供給源を配
合し、加熱ラインにおいて発泡体を得る場合、反応初期
の少量の脱水素反応による発泡がその核となって良好な
発泡体が得られることが知られているが、上記反応抑制
剤がこの初期発泡をも抑制してしまい、良好な発泡体を
得ることができないなどの問題がある。更に、ミラブル
タイプの付加硬化材料として使用する場合、電線やチュ
ーブなどを成型するために高速で加硫を行うと、表面に
タック(粘着感)が残り、平滑な表面を有する成型体が
得られないなどの問題がある。 【0010】従って、本発明は、上記問題を解決したオ
ルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とす
る。 【0011】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、アルケニル基又は水酸基を含有するオルガノポリシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを
含むオルガノポリシロキサン組成物に対し、 (D)融点又は軟化点が40〜200℃である熱可塑性
有機樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂、及び分子量が1,
000以下の熱融解性化合物から選ばれるいずれかによ
って包埋された白金族金属触媒 白金族金属原子として組成物の全量に対して1〜1,0
00ppm、 (E)熱可塑性樹脂等によって包埋されていない白金族
金属触媒 (D)成分から供給される白金族金属原子の1/10重
量以下の量の白金族金属原子を供給する量 で併用すると共に、更に付加反応抑制剤を配合すること
により、保存性に優れ、可使時間が長いと共に、硬化性
が良好で、加熱硬化時に速やかに硬化し、しかも上述し
た問題点、即ち接着成分を加え加熱硬化型シリコーンゴ
ム接着剤として用いた場合、連続生産ラインでの温度設
定が比較的低く、白金族金属触媒を包埋する熱可塑性樹
脂などが融解するのに一定の時間がかかる場合にこれら
の生産ラインでは硬化及び接着が不完全である問題、ま
た、上記組成物にアルコールあるいは水などのヒドロキ
シル基供給源を併用し発泡体としてやはり加熱ラインに
おいて発泡体を得ようとする場合、初期発泡をも抑制し
てしまい良好な発泡体を得ることができないなどの難
点、更にはミラブルタイプの付加硬化材料において電線
やチューブを成型する際、高速での加硫を行った場合に
表面にタック(粘着感)が残り平滑な表面を得られない
などの難点を解決し得ることを知見した。 【0012】即ち、本発明によれば、設計上一定の時間
内で付加反応が完結する量の白金族金属触媒の90重量
%以上(白金族金属原子量として)を熱可塑性樹脂など
で保護し、保存時の変化を抑制すると共に、白金族金属
触媒の10重量%以下(白金族金属原子量として)を熱
可塑性樹脂等によって包埋させない状態で従来用いられ
てきた化学配位による反応抑制系とすることによって保
存性と硬化性との両立を図ることができたものである。 【0013】 従って、本発明は、 (A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキ
サン 100重量部、 (B)分子中に少なくとも3個の珪素原子に結合した水
素原子を有する下記一般式(2)で示されるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサン 0.1〜5
0重量部、 (C)活性水素基を有する化合物
0〜20重量部、 (D)融点又は軟化点が40〜200℃である熱可塑性
有機樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂、及び2−ブチン−
1,4−ジオール、ジフェニルアセチレン、4−ヘキシ
ルレゾルシン、2−ビニルナフタレン、2−アセチル−
1−テトラロン、2,5−ジフェニルオキサゾール、
3,6−ジクロロピリダジン、2,5−トルキノン、
3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セブケート、3,3'−チオジプロピオン酸−ジ−
n−オクタデシル、2,4,7,9−テトラメチル−5
−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−
ヘキシン−2,5−ジオール、1,3−ビス(トリメチ
ルシリルエチニル)ベンゼン、チオクマロン−4−オー
ルから選択される熱融解性化合物から選ばれるいずれか
によって包埋された白金族金属触媒 白金族金
属原子として組成物の全量に対して1〜1,000pp
m、 (E)白金族金属触媒 (D)成分から供給される白金
族金属原子の1/10重量以下の量の白金族金属原子を
供給する量、 (F)付加反応抑制剤
0.001〜20重量部、 (G)充填剤
0〜1,000重量部を含有してなることを特
徴とするオルガノポリシロキサン組成物を提供する。 【0014】 【化3】 (但し、式中R1及びXは、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、及びこ
れらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部がハロゲ
ン原子で置換された基、並びに水酸基から選ばれる基、
kは4以上の整数を示し、R1及びXの全量中にアルケ
ニル基及び/又は水酸基を0.001〜1モル%含有す
る。) 【0015】 【化4】 (但し、式中R2は、炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、及びこれらの基の炭素原子に
結合した水素原子の一部がハロゲン原子で置換された1
価の基から選ばれる基、Yは水素原子及びR2から選ば
れる原子又は1価の基、mは1以上の整数、nは0以上
の整数、m+nは3〜500の整数である。) 【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、上述し
たように、(A)成分としてオルガノポリシロキサンを
使用する。この(A)成分は本組成物のベースポリマー
であり、基本的に直鎖状のオルガノポリシロキサンで、
下記一般式(1)で示される。 【0017】 【化5】 【0018】ここで、上記R1及びXは、炭素数1〜1
0、好ましくは1〜8のアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルケニル基、及びこれらの基の炭素原子上
の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基、並び
に水酸基から選ばれる基である。具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プ
ロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニ
ル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリ
ール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル
基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基、水酸
基を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。この場合、R1とXは互いに同一であっても
異なっていてもよいが、R1及びXの全量の0.001
〜1モル%、特に0.02〜0.8モル%がアルケニル
基及び/又は水酸基であることが必要である。アルケニ
ル基及び水酸基は架橋反応に寄与する官能基で、その量
が0.001モル%より少ないと、硬化物の強度が弱
く、強度のないものになって、ゴム弾性体として機能せ
ず、また1モル%より多いと、架橋密度が高く、硬化物
が脆いものになってしまう。なお、架橋反応に寄与する
官能基として、水酸基は分子鎖両末端の珪素原子にのみ
結合していることが好ましく、またアルケニル基は、分
子鎖両末端あるいは分子鎖途中のいずれの珪素原子に結
合しているものであっても、また両方に結合しているも
のであってもよいが、硬化物の物性等の点で、少なくと
も分子鎖両末端の珪素原子に結合したアルケニル基を含
有するものであることが好ましい。なお、入手のし易
さ、コスト等の点から、Xはビニル基又は水酸基、R1
はメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプ
ロピル基、ビニル基から選択されることが好ましい。 【0019】また、kは4以上、好ましくは50以上、
更に好ましくは100以上の整数であり、kが3以下で
あると硬化物が脆くなり、成型体として使用し得ない。
なお、kの上限は特に制限されないが、通常15,00
0、好ましくは8,000程度であり、本発明のオルガ
ノポリシロキサンは液状やペースト状であっても生ゴム
状であってもよい。 【0020】本発明の(B)成分は、下記一般式(2)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンで、
架橋剤あるいは架橋剤兼発泡剤として作用する。 【0021】 【化6】 【0022】ここで、上記R2は、炭素数1〜10、好
ましくは1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、及びこれらの基の炭素原子上の水素原子の一部がハ
ロゲン原子で置換された1価の基から選ばれる基であ
り、Yは水素原子及びR2から選ばれる原子又は1価の
基である。ここでR2あるいはYにおいてアルキル基、
アリール基、アラルキル基、ハロゲン化炭化水素基とし
ては、R1において例示したものと同じものを例示する
ことができるが、このR2あるいはYとしては脂肪族不
飽和基を含有しないものであることが好ましく、またこ
のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中に
少なくとも3個の珪素原子に結合した水素原子(即ち、
SiH基)を有することが必要である。また、nは0以
上、好ましくは0〜499、更に好ましくは0〜199
の整数を示し、mは1以上、好ましくは3〜500、更
に好ましくは4〜200の整数を示し、n+mの値は3
〜500、好ましくは4〜200の整数である。 【0023】上記(B)成分は、上記(A)成分と反応
する架橋剤である(即ち、(A)成分中のアルケニル基
と(B)成分中のSiH基がヒドロシリル化により付加
するか、あるいは(A)成分中のシラノール基と(B)
成分中のSiH基が脱水素反応により付加する)と共
に、後述する任意成分の(C)成分と脱水素反応を起こ
して発泡剤としても作用するもので、その配合量は
(A)成分のベースポリマー100重量部に対して、
0.1〜50重量部、特に1〜25重量部配合すること
が必要である。配合量が0.1重量部より少ないと架橋
が十分にできなくなり、50重量部より多いと耐候性に
劣ったり、やはり架橋ができなくなる。 【0024】なお、(A)成分が珪素原子に結合した水
酸基(即ち、シラノール基)を含有せず、かつ、後述す
る(C)成分を配合しない(組成物を発泡させてフォー
ム又はスポンジを形成させる必要がない)場合には、
(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、(B)成
分中のSiH基のモル比が0.5〜10、特に1〜5程
度になるように(B)成分を配合することもできる。 【0025】次に、本発明の(C)成分は、活性水素を
有する化合物であって、本発明の組成物を発泡体用組成
物として用いる際に必要な成分であるが、組成物を発泡
させてフォーム又はスポンジを形成させる必要がなけれ
ばその配合を省略し得る。ここで、活性水素を有する化
合物とは、白金族金属触媒の存在下に(B)成分中のS
iH基と反応して脱水素し得る水素原子(例えばヒドロ
キシ基)を分子中に少なくとも1個有する化合物を意味
する。活性水素を有する化合物としては公知の化合物を
使用することができるが、後述する(D)、(E)成分
である白金族金属触媒の触媒活性を失活させるものであ
ってはならない。具体的には、水、1分子中に1個又は
2個以上のOH基を有する炭素数1〜20、好ましくは
1〜12程度のアルコール化合物、シラノール基を含む
シラン又はケイ素原子数2〜50、好ましくは2〜20
程度のシロキサンなどの化合物が挙げられ、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノ
ール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、トリメチルシラノール、ジフェ
ニルシランジオール及び下記式に示すものなどが例示さ
れる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用
いることができる。 【0026】 【化7】 (Meはメチル基を示す。) 【0027】上記(C)成分の配合量は、上記(A)成
分のベースポリマー100重量部に対して0〜20重量
部、特に発泡体用組成物として使用する場合は0.1〜
20重量部、特に0.1〜15重量部配合するものであ
る。 【0028】本発明の(D)成分は、マイクロカプセル
化された白金族金属触媒である。なお、本発明におい
て、白金族金属触媒とは、触媒金属として、白金、パラ
ジウム、ロジウム等の白金族金属原子、好ましくは白金
原子を含有する、白金族金属の単体、白金族金属化合物
及びそれらの錯体を意味する。 【0029】本発明の(D)成分は、上記(A)成分と
(B)成分とを付加反応させるための触媒として作用す
るものであるが、組成物の保存性を向上させるため、4
0〜200℃の融点もしくは軟化点を有する熱可塑性有
機樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂、及び分子量1,00
0以下の熱融解性化合物のいずれかにて包埋された(即
ち、マイクロカプセル化された)白金族金属触媒とする
ものである。この(D)成分は、包埋する化合物の融点
(又は軟化点)付近以上で白金族金属触媒の活性を示
し、組成物の硬化及び/又は発泡に寄与することができ
る。従って、上記熱可塑性有機樹脂、熱可塑性シリコー
ン樹脂、分子量1,000以下の熱融解性化合物の融点
又は軟化点は、本発明の組成物を使用する用途及び保存
条件によって選択されるが、本発明においては40〜2
00℃、特に50〜150℃であることを要する。40
℃未満であると常温での保存性が十分ではなく、また2
00℃を超えると保存性は十分であるが硬化に時間がか
かるという難点が生じる。 【0030】この場合、熱可塑性有機樹脂としては、ポ
リオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、
セルロース系樹脂等のシリコーン系以外の有機樹脂が挙
げられ、熱可塑性シリコーン樹脂(即ち、3官能性シロ
キサン単位及び/又はSiO2単位等の分岐構造を含有
する三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン)
としては、種々のものが選択使用されるが、フェニル基
又はパーフルオロアルキル基(例えば3,3,3−トリ
フルオロプロピル基)とアルケニル基(例えばビニル
基、アリル基、プロペニル基)等の脂肪族不飽和基を有
するシリコーン樹脂が好ましい。また、分子量が1,0
00以下の熱融解性化合物は、上記熱可塑性有機樹脂及
び熱可塑性シリコーン樹脂以外の熱融解性化合物であ
り、この熱融解性化合物としては、2−ブチン−1,4
−ジオール、ジフェニルアセチレン、4−ヘキシルレゾ
ルシン、2−ビニルナフタレン、2−アセチル−1−テ
トラロン、2,5−ジフェニルオキサゾール、3,6−
ジクロロピリダジン、2,5−トルキノン、3,6−ジ
メチル−4−オクチン−3,6−ジオール、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セブケ
ート、3,3’−チオジプロピオン酸−ジ−n−オクタ
デシル、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−
4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−
2,5−ジオール、1,3−ビス(トリメチルシリルエ
チニル)ベンゼン、チオクマロン−4−オールなどが使
用可能である。 【0031】一方、上記樹脂あるいは熱融解性化合物に
包埋される白金族金属触媒としては、白金、ロジウム、
パラジウム等の白金族金属、特に好ましくは白金を含有
する触媒であり、従来より付加反応触媒として公知の白
金ブラック、塩化白金酸やこれより誘導される各種錯体
などが挙げられ、具体的には白金ブラック、塩化白金
酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレ
フィン,アルデヒド,ビニルシロキサン,アセチレン,
アセチレンアルコール類等との錯体などを挙げることが
できる。 【0032】このような(D)成分としては、特開昭4
9−134786号公報、特開平4−46962号公報
等に記載されているようなシリコーン樹脂で包埋された
白金族金属触媒などを挙げることができ、ここで使用さ
れるシリコーン樹脂はフェニル基あるいはパーフルオロ
アルキル基と脂肪族不飽和基を併せ持つものであること
が好ましい。その他の例としては、特開昭64−474
42号公報に開示されているポリスチレンやポリオレフ
ィンなどの熱可塑性有機樹脂で包埋された白金族金属触
媒、更には、上記熱可塑性有機樹脂の範疇に属さない分
子量が1,000以下の熱融解性化合物で包埋された白
金族化合物などを挙げることができる。 【0033】特に、熱融解性化合物にて包埋された白金
族金属触媒の製造方法としては、上述した公報などに記
載された方法など公知の方法でよく、特に制限されるも
のではないが、例えば熱融解性化合物と白金族化合物と
を熱融解性化合物の融解あるいは溶解状態にて接触させ
ることによって得ることができる。ここで、熱融解を行
う場合は化合物の融点以上に加熱し、溶解を行う場合に
は溶媒中にて均一化あるいは分散させた状態で白金族金
属触媒を担持させ、これを冷却又は溶媒留去して固体化
することにより、白金族金属触媒が均一に分散した固体
触媒が得られる。その他、融解あるいは溶解での液体状
態でこれらを霧状に噴霧し固化させるか、あるいは溶媒
除去を行い、微粒子を得るスプレードライによる方法、
水中で乳化剤によって乳化させ、固体触媒を得る方法、
溶媒に溶解したまま溶媒の固化温度以下に冷却し、減圧
下で溶媒除去を行ういわゆる凍結乾燥法等によって固体
触媒を得る方法などが挙げられる。このようにして得ら
れた固体触媒は、粉体として用いてもよく、シリコーン
オイルで再度スラリー又はペースト状にして分散させて
用いることもできる。 【0034】上記(D)成分の配合量は、組成物全量に
対して白金族金属原子として1〜1,000ppm供給
される量、好ましくは5〜200ppmとなる量であ
る。 【0035】本発明の(E)成分は白金族金属触媒で、
これは上述した意味を示し、熱可塑性有機樹脂、熱可塑
性シリコーン樹脂、熱融解性化合物に包埋されない、白
金族金属触媒それ自体を用いるものである。これは、上
記(D)成分の付加反応触媒としての機能を補完するも
ので、具体的には初期硬化、初期発泡を良好にし、特に
高速加硫が行われる電線、チューブなどを成形する際に
問題となっている表面タック(粘着感)等を解消するこ
とができる。 【0036】上記(E)成分は、従来公知の白金族金属
触媒を使用することができ、上記(D)成分とは異な
り、白金族金属触媒は、上述したように熱可塑性樹脂、
熱可塑性シリコーン樹脂、熱融解性化合物によって包埋
されることなく、そのまま、組成物中に配合されるもの
であり、具体的には白金ブラック、塩化白金酸、塩化白
金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン,ア
ルデヒド,ビニルシロキサン,アセチレン,アセチレン
アルコール類等との錯体などを例示することができる。 【0037】上記(E)成分の配合量は、(E)成分中
の白金族金属原子の量が上記(D)成分から供給される
白金族金属原子の量に対して重量比で1/10以下、好
ましくは1/20以下とされ、その下限は前記の重量比
で1/100,000(0.001%)、好ましくは1
/1,000(0.1%)、特に1/100(1%)で
ある。添加量が多すぎると保存性と硬化性のバランスを
保持できなくなる。また、添加量が少なすぎる場合に
は、(D)成分と(E)成分の併用による効果が得られ
ない場合がある。 【0038】本発明の(F)成分である付加反応抑制剤
は、上記(E)成分より供給される白金族金属原子によ
る反応を制御する目的で使用するもので、従来より公知
のものを使用することができるが、具体的にはベンゾト
リアゾール系化合物(特公昭40−25069号公
報)、アセチレンアルコール系化合物(特公昭44−3
1476号公報)、ビニル基含有ポリシロキサン化合物
(特公昭48−10947号公報)、ハイドロパーオキ
サイド(特公昭57−20340号公報)、アミン系化
合物(特開昭63−56563号公報)などの中から選
択することができ、好適にはアセチレンあるいはアセチ
レンアルコール含有化合物から選択することができる。
より具体的には3−メチル−1−ブチン−3−オール、
3−メチル−1−ペンチン−3−オール、エチニルシク
ロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3
−オールなどを挙げることができる。 【0039】上記(F)成分の配合量は、(F)成分の
構造、分子量によって異なるが、本発明においては、上
記(A)成分100重量部に対し、0.001〜20重
量部、好ましくは0.002〜5重量部の範囲とされ、
基本的には(E)成分として供給される白金族金属原子
に対して1〜1,000当量程度、特に2〜500当量
になる量であることが好ましい。 【0040】本発明の(G)成分である充填剤は、組成
物の増量あるいは物理的強度の補強、更には難燃化、熱
伝導性、電気伝導性のために加えられる任意の成分で、
具体的には煙霧状焼成シリカ、沈降性シリカ、結晶性粉
砕シリカ、コロイダル炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、アセチレンブラック、ファ
ーネスカーボン、酸化チタン、金属、金属酸化物及びそ
の表面をシラン化合物、シロキサン化合物で処理したも
のなどが挙げられる。また、(G)成分の配合量は、
(A)成分100重量部に対し、0〜1,000重量
部、特に1〜1,000重量部、好ましくは1〜400
重量部であり、1,000重量部を超えると配合が困難
であったり、硬化物が脆く、機械的特性が著しく劣った
ものになる。 【0041】本発明の組成物は、上述した(A)〜
(G)成分を配合し得るものであるが、更に必要に応じ
て公知の添加剤を配合することもでき、これら添加剤と
して具体的には当業界で用いられるチクソ性向上剤、接
着性向上剤、可塑剤としてのシリコーンオイル、強度補
強のためのR3SiO1/2単位及びSiO2単位を基本構
造として含有するシリコーンレジンあるいは基本的構造
がRSiO3/2単位である構造を含むシリコーンレジン
などを本発明の目的を阻害しない限り添加することがで
きる(ここでRはいずれも、炭素数1〜8のアルキル
基、アルケニル基、アリール基等の1価炭化水素基を示
す)。 【0042】この場合、接着性向上剤としては、反応性
基を有するカーボンファンクショナルシラン又はシロキ
サンが有効であり、例えばγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン等のエポキシ官能性基、アクリル官能性基などの
反応性基を有する(トリ)アルコキシシラン及びその部
分加水分解縮合物、末端トリアルコキシシリル基封鎖の
メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメトキシシ
リルプロピル変性環状メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、トリアリルイソシアヌレート等を使用することが
でき、その配合量は、(A)成分100重量部に対して
0〜50重量部、好ましくは0.01〜50重量部、よ
り好ましくは0.01〜10重量部程度とすることがで
きる。 【0043】本発明組成物の硬化条件は用途において適
宜選定することができるが、通常60〜150℃で2〜
120分程度の範囲で行われる。 【0044】 【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物
は、保存性と硬化性が両立したものである。 【0045】 【実施例】以下、触媒の合成例と実施例、比較例を挙げ
て本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に
限定されるものではない。なお、下記例中の部は重量部
を示す。 【0046】〔触媒合成例1〕白金原子として5,00
0ppmのシロキサン変性白金錯体のトルエン溶液中
に、トルエンと同量の融点78℃のC65SiO3/2
位及び(CH2=CH)SiO3/2単位を含有してなるフ
ェニル基及びビニル基含有シリコーンレジンを添加し、
均一になるまで撹拌し、スプレードライ法によりレジン
パウダー白金触媒(触媒1、白金原子量:5,000p
pm)を調製した。 【0047】〔触媒合成例2〕3,6−ジメチル−4−
オクチン−3,6−ジオール(融点54℃)5gに、塩
化白金酸から誘導されたビニル基含有シロキサン錯体5
gを加え、80℃にて1時間熱処理し、ストリップした
後、冷却して固体のヒドロシリル化触媒(触媒2、白金
原子量:5,000ppm)を調製した。 【0048】〔触媒合成例3〕1,3−ビス(トリメチ
ルシリルエチニル)ベンゼン(融点58℃)5gに、塩
化白金酸から誘導されたビニル基含有シロキサン錯体5
gを加え、80℃にて1時間熱処理し、これにポリグリ
セリン系界面活性剤0.5gを添加し、水中で乳化処理
した後、濾過、乾燥して微粉状のヒドロシリル化触媒
(触媒3、白金原子量:5,000ppm)を調製し
た。 【0049】〔実施例1〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで混合
を行い、ベースコンパウンドを調製した。 【0050】このベースコンパウンド100部に対し
て、上記触媒合成例1にて得た触媒1を2.0部(前記
ベースコンパウンドに対して白金換算で100pp
m)、触媒合成例1において使用したものと同様のシロ
キサン変性白金錯体のトルエン溶液を0.1部(前記ベ
ースコンパウンドに対して白金換算で5.0ppm)、
及び2−エチルヘキサノールを0.002部添加し、万
能混合機にて均一になるまで撹拌した後、更に両末端が
トリメチルシリル基で封鎖されたSiH基0.005m
ol/gを有するメチルハイドロジェンポリシロキサン
を16部加えて混合し、組成物1((D)成分中の白金
原子に対する(E)成分中の白金原子の重量比は0.0
5%)を得た。 【0051】〔実施例2〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで混合
を行い、ベースコンパウンドを調製した。 【0052】このベースコンパウンド100部に対し
て、水を0.2部、触媒1を1.0部(ベースコンパウ
ンドに対して白金換算で50ppm)、触媒合成例1で
使用したものと同様のシロキサン変性白金錯体のトルエ
ン溶液を0.01部(ベースコンパウンドに対して白金
換算で0.5ppm)、及び2−エチルヘキサノールを
0.002部添加し、万能混合機にて均一になるまで撹
拌した後、更に両末端がトリメチルシリル基で封鎖され
た25℃の粘度が40cpのメチルハイドロジェンポリ
シロキサン(SiH基量が0.016mol/g)を5
部及びフェニルシランを0.3部加えて混合し、組成物
2((D)成分中の白金原子に対する(E)成分中の白
金原子の重量比は0.01%)を得た。 【0053】〔実施例3〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで撹拌
し、ベースコンパウンドを調製した。 【0054】このベースコンパウンド100部に対し
て、水を0.2部、触媒2を1.0部(ベースコンパウ
ンドに対して白金換算で50ppm)、触媒合成例1で
使用したものと同様のシロキサン変性白金錯体のトルエ
ン溶液を0.01部(ベースコンパウンドに対して白金
換算で0.5ppm)、及び2−エチルヘキサノールを
0.002部添加し、万能混合機にて均一になるまで撹
拌した後、更に両末端がトリメチルシリル基で封鎖され
た25℃の粘度が40cpのメチルハイドロジェンポリ
シロキサン(SiH基量が0.016mol/g)を5
部及びフェニルシランを0.3部加えて混合し、組成物
3((D)成分中の白金原子に対する(E)成分中の白
金原子の重量比は0.01%)を得た。 【0055】〔比較例1〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで撹拌
し、ベースコンパウンドを調製した。 【0056】このベースコンパウンド100部に対し
て、触媒1を2.1部(ベースコンパウンドに対して白
金換算で105ppm)添加し、万能混合機にて均一に
なるまで撹拌した後、更に両末端がトリメチルシリル基
で封鎖されたSiH基0.005mol/gを有するメ
チルハイドロジェンポリシロキサンを16部加えて混合
し、組成物4を得た。 【0057】〔比較例2〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで撹拌
し、ベースコンパウンドを調製した。 【0058】このベースコンパウンド100部に対し
て、触媒合成例1で使用したものと同様のシロキサン変
性白金錯体のトルエン溶液を2.1部(ベースコンパウ
ンドに対して白金換算で105ppm)、及び2−エチ
ルヘキサノールを0.002部添加し、万能混合機にて
均一になるまで撹拌した後、更に両末端がトリメチルシ
リル基で封鎖されたSiH基0.005mol/gを有
するメチルハイドロジェンポリシロキサンを16部加え
て混合し、組成物5を得た。 【0059】〔比較例3〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで撹拌
し、ベースコンパウンドを調製した。 【0060】このベースコンパウンド100部に対し
て、触媒1を2.1部(ベースコンパウンドに対して白
金換算で105ppm)、及び2−エチルヘキサノール
を0.002部添加し、万能混合機にて均一になるまで
撹拌した後、更に両末端がトリメチルシリル基で封鎖さ
れたSiH基0.005mol/gを有するメチルハイ
ドロジェンポリシロキサンを16部加えて混合し、組成
物6を得た。 【0061】〔比較例4〕分子鎖両末端がビニルジメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が30,000c
pのジメチルポリシロキサン100部と、表面がジクロ
ロシランで処理された比表面積130m2/gの煙霧状
シリカ10部を万能混合機に入れて均一になるまで撹拌
し、ベースコンパウンドを調製した。 【0062】このベースコンパウンド100部に対し
て、水を0.2部、触媒2を1.01部(ベースコンパ
ウンドに対して白金換算で50.5ppm)、及び2−
エチルヘキサノールを0.002部添加し、万能混合機
にて均一になるまで撹拌した後、更に両末端がトリメチ
ルシリル基で封鎖された25℃の粘度が40cpのメチ
ルハイドロジェンポリシロキサン(SiH基量が0.0
16mol/g)を5部及びフェニルシランを0.3部
加えて混合し、組成物7を得た。 【0063】〔実施例4〕分子鎖両末端が水酸基で封鎖
された25℃の粘度が20,000cpのジメチルポリ
シロキサン100部と、表面がジクロロシランで処理さ
れた比表面積130m2/gの煙霧状シリカ10部を万
能混合機に入れて均一になるまで撹拌し、ベースコンパ
ウンドを調製した。 【0064】このベースコンパウンド100部に対し
て、水を0.2部、触媒3を1.0部(ベースコンパウ
ンドに対して白金換算で50ppm)、触媒合成例1で
使用したものと同様のシロキサン変性白金錯体のトルエ
ン溶液を0.01部(ベースコンパウンドに対して白金
換算で0.5ppm)、及び2−エチルヘキサノールを
0.002部添加し、万能混合機にて均一になるまで撹
拌した後、更に両末端がトリメチルシリル基で封鎖され
た25℃の粘度が40cpのメチルハイドロジェンポリ
シロキサン(SiH基量が0.016mol/g)を5
部加えて混合し、組成物8((D)成分中の白金原子に
対する(E)成分中の白金原子の重量比は0.01%)
を得た。 【0065】得られた組成物1〜8について、以下の実
験を行った。まず、実施例1、比較例1,2,3につい
ては、キュラストメーターにて硬化性の差を確認した。
測定の結果を表1に示す。 【0066】 【表1】 【0067】表1に示すように、比較例1の通常のマイ
クロカプセル化白金触媒(即ち、(D)成分のみ)では
硬化の立ち上がりから硬化の終了までの時間が3分以上
かかっている。また、比較例2の無処理の白金触媒(即
ち、(E)成分)に少量の制御剤を添加した系では、硬
化の立ち上がりまでの時間が短い分、室温での十分な可
使時間は得られず、室温で保存した場合、3時間でゲル
化してしまった。比較例3のマイクロカプセル化白金触
媒((D)成分)に制御剤を加えた系では、比較例1よ
りも10%トルク時間が長くはなるが、10%トルク時
間から90%トルク時間までの時間が極めて長く、硬化
終了までに時間がかかりすぎる。これに対して実施例1
では、比較例1よりもポットライフが長くなると共に、
硬化終了までの時間は短くなり、長いポットライフと速
やかな硬化特性が得られていることがわかる。この場
合、マイクロカプセル化白金触媒((D)成分)の濃
度、後で加える制御剤((F)成分)の添加量、白金触
媒((E)成分)の添加量によって、望むポットライフ
と硬化スピードを併せ持つ組成物を得ることができる。 【0068】次に、実施例2,3,4及び比較例4につ
いては、120℃,20分の硬化条件にてスポンジ状の
発泡体に硬化発泡させた後のセル状態にて比較した。結
果を表2に示す。 【0069】 【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83:05) (72)発明者 村松 宏信 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−14244(JP,A) 特開 平4−36354(JP,A) 特開 平4−46962(JP,A) 特開 平5−247348(JP,A) 特開 平6−57142(JP,A) 特開 平7−53873(JP,A) 特開 平11−124503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/00 - 83/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で示されるオル
    ガノポリシロキサン100重量部、 【化1】 (但し、式中R1及びXは、炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、及びこ
    れらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部がハロゲ
    ン原子で置換された基、並びに水酸基から選ばれる基、
    kは4以上の整数を示し、R1及びXの全量中にアルケ
    ニル基及び/又は水酸基を0.001〜1モル%含有す
    る。) (B)分子中に少なくとも3個の珪素原子に結合した水
    素原子を有する下記一般式(2)で示されるオルガノハ
    イドロジェンポリシロキサン 0.1〜5
    0重量部、 【化2】(但し、式中R2は、炭素数1〜10のアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基、及びこれらの基の炭素原子に
    結合した水素原子の一部がハロゲン原子で置換された1
    価の基から選ばれる基、Yは水素原子及びR2から選ば
    れる原子又は1価の基、mは1以上の整数、nは0以上
    の整数、m+nは3〜500の整数である。) (C)活性水素基を有する化合物
    0〜20重量部、 (D)融点又は軟化点が40〜200℃である熱可塑性
    有機樹脂、熱可塑性シリコーン樹脂、及び2−ブチン−
    1,4−ジオール、ジフェニルアセチレン、4−ヘキシ
    ルレゾルシン、2−ビニルナフタレン、2−アセチル−
    1−テトラロン、2,5−ジフェニルオキサゾール、
    3,6−ジクロロピリダジン、2,5−トルキノン、
    3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、
    ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
    ル)セブケート、3,3'−チオジプロピオン酸−ジ−
    n−オクタデシル、2,4,7,9−テトラメチル−5
    −デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−
    ヘキシン−2,5−ジオール、1,3−ビス(トリメチ
    ルシリルエチニル)ベンゼン、チオクマロン−4−オー
    ルから選択される熱融解性化合物から選ばれるいずれか
    によって包埋された白金族金属触媒 白金族金
    属原子として組成物の全量に対して1〜1,000pp
    m、 (E)白金族金属触媒 (D)成分から供給される白金
    族金属原子の1/10重量以下の量の白金族金属原子を
    供給する量、 (F)付加反応抑制剤
    0.001〜20重量部、 (G)充填剤
    0〜1,000重量部を含有してなることを特
    徴とするオルガノポリシロキサン組成物。
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