JP3566361B2 - ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法およびこの方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物 - Google Patents

ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法およびこの方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法およびこの方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物に関するものである。詳しくは、該微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の高温度での触媒活性が高く、かつ、該ガラス転移点未満での触媒活性が強く抑制されたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法およびこの方法により得られる樹脂微粒子を触媒として含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロシリル化反応は、ケイ素−炭素結合を形成する数少ない反応のひとつであり、有機ケイ素化合物の合成やシリコーンエラストマー組成物の架橋に広く利用されている。しかしながら、この反応は極く微量のヒドロシリル化反応用金属触媒の存在下で反応が開始するため、ヒドロシリル化反応系に該触媒を配合した状態で、室温にて一定時期まで未反応の状態に保持することが非常に困難であった。この問題は、特にヒドロシリル化反応で硬化するシリコーンエラストマー組成物において重大な支障となっていた。この問題を解決する手段のひとつとして、ヒドロシリル化反応用金属触媒と熱可塑性樹脂との混合物からなる粉体をヒドロシリル化反応用触媒として使用する方法が数多く提案されている。
たとえば、特公昭53−41707号公報や特開昭58−37053号公報においては、ヒドロシリル化反応用金属触媒と軟化点を持つシリコーン樹脂との混合物を粉砕して、触媒活性の抑制されたシリコーン樹脂粉体を得る方法およびこの樹脂粉体をシリコーンエラストマー組成物に添加混合する方法が提案されている。ところが、これらの方法は活性の比較的低いヒドロシリル化反応用金属触媒に適用した場合には有効であったが、活性の高いヒドロシリル化反応用金属触媒に適用した場合には触媒活性抑制効果がほとんどないという問題点があった。
これらの問題点を解決する方法が、特開昭64−45468号公報、特開昭64−47442号公報、特開昭64−51140号公報、特開平2−4833号公報などで提案されている。その内容は2つに整理できる。第一は、ヒドロシリル化反応用金属触媒と軟化点を持つ熱可塑性樹脂およびそれらと相溶する溶媒からなる溶液を界面活性剤水溶液で乳化し、その乳化液から溶媒を乾燥除去することにより、ヒドロシリル化反応用金属触媒を含有する熱可塑性樹脂粉体を得る方法である。第二は、上記のような方法で得られたヒドロシリル化反応用金属触媒を含有する熱可塑性樹脂粉体を、ヒドロシリル化反応用金属触媒は溶解するが熱可塑性樹脂は溶解しない溶媒で洗浄することによって、熱可塑性樹脂粉体表面およびその表面近傍に残存するヒドロシリル化反応用金属触媒を除去した粉体を得る方法である。第一の方法によって、平均粒子径が10μm以下の微粒子状の粉体が製造でき、これによってシリコーンエラストマー組成物の架橋反応が完結できるようになった。第二の方法によって、活性の高いヒドロシリル化反応用金属触媒でも触媒活性を制御できるようになった。これらの提案によって、ヒドロシリル化反応系に該触媒を配合した状態で、室温にて一定時期まで未反応の状態に保持すること、特に、ヒドロシリル化反応で硬化するシリコーンエラストマー組成物を全成分配合後に室温にて長期間保存することが技術的には可能となった。しかしながら、これらの方法は目的とする微粒子状粉体の製造に非常に手間がかかるため、工業的に実施することが経済的に困難であるという問題が残っていた。また、このような方法で製造した微粒子状粉体は凝集し易いものであり、ヒドロシリル化反応系に均一に分散させることが難しいという問題点があった。
このため本発明者らは、特開平4−29748号公報で、ヒドロシリル化反応用触媒と軟化点もしくはガラス転移点が40〜200℃の熱可塑性樹脂を溶媒に溶解させた溶液を形成し、次いで該溶液を熱気流中に噴霧して前記溶媒を揮発させると共に、噴霧状態で前記熱可塑性樹脂を微粒子状に固化させてヒドロシリル化反応用触媒含有熱可塑性樹脂微粒子を製造する方法を提案した。この方法は上記問題を解決する方法として有効であったが、溶媒の完全な乾燥が困難であるという問題点があった。このため、製造された微粒子中に若干量残った溶媒によって最終組成物が悪影響を受けたり、また、微粒子のガラス転移点が低下して、その結果、最終組成物の十分な貯蔵安定性が得られないなどの問題が生じることがあった。さらに得られたヒドロシリル化反応用触媒含有熱可塑性樹脂微粒子はわずかながら可燃性であるため、製造時の粉塵爆発を避けねばならないという問題点があった。この問題を回避するためには、爆発酸素濃度以下の雰囲気で製造しなければならず、そのためには窒素などの不活性ガスが必要となった。不活性ガスは、通常、循環使用されるが、循環系に溶媒回収装置を設けても若干量の溶媒は系を循環することになり、これが溶媒乾燥の不完全さを助長するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の高温度での触媒活性が高く、かつ、該ガラス転移点未満での触媒活性が強く抑制されたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を生産性よく製造する方法およびこの方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】
本発明は、ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成され、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を製造する際に、第1段階として両成分からなる微粒子を製造した後、次いで第2段階として該微粒子を、換気することができ、かつ、ガラス転移点より5℃以上低い温度条件下で5〜700時間エージングすることを特徴とする、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法、および
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
本成分の配合量は、本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と
(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル数との比が0.5/1〜10/1の範囲になるような量である。
(C)上記の製造方法により得られる、ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成され、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子0.005〜100重量部、
からなることを特徴とする、加熱硬化性シリコーン組成物に関するものである。
【0005】
最初に、本発明のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明に使用されるヒドロシリル化反応用金属触媒は、ヒドロシリル化反応用触媒としての触媒活性を有する金属系触媒であればよく、塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,白金とオレフィンとの錯体,塩化白金酸とジケトンとの錯体,白金もしくは塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体,アルミナ,シリカ,カーボンブラックなどに担持された白金,白金黒などで例示される白金系触媒;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム系触媒;ロジウム,ニッケル,コバルトなどの錯体触媒が例示される。これらの中でも触媒活性の高さの点から白金系触媒が好ましく、特に白金とビニルシロキサンとの錯体が好ましい。これらの触媒は単独で使用することができるが、触媒を溶解する液体に溶解した触媒組成物として使用することもできる。白金とビニルシロキサンとの錯体を使用する場合には、常温で液状のポリシロキサン溶液として使用することが好ましい。
【0006】
本発明に使用される樹脂は、ガラス転移点が40〜200℃の範囲内にあることが必須であり、この条件を満たせばヒドロシリル化反応用金属触媒を被毒するものでない限り従来公知のすべての樹脂が使用できる。ここで、ガラス転移点はDSC(デファレンシャル・スキャンニング・カロリメーター)を使用することにより測定することができる。このような樹脂としては、シリコーン樹脂,ポリシラン樹脂,アクリル系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,メチルセルロース類,フェノール系樹脂,メラミン系樹脂,エポキシ系樹脂などが例示される。これらの中でも、本発明の製造方法で得られるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子をシリコーンエラストマー組成物の硬化触媒として使用する場合には、耐熱性の点からシリコーン樹脂,アクリル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂などが好ましい。
【0007】
本発明の製造方法によって得られるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は0.01〜10μmの範囲内にあることが必要である。これは、粒子径が0.01μmより小さいと生成した微粒子の回収率が低下し、さらに触媒活性抑制能力も低下するためであり、また、10μmより大きいと十分な触媒活性効果が発現できなくなるためである。このヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の形状に特に制限はないが、安定した触媒活性抑制作用と触媒活性発現作用を再現性よく得るには球状であることが好ましい。
【0008】
本発明の製造方法によって得られるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子中のヒドロシリル化反応用金属触媒の含有量は、金属原子として0.01〜5重量%の範囲内にあることが必要である。これは、0.01重量%未満であると本発明によって得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子をヒドロシリル化反応系に添加した場合に、その添加量が多くなり過ぎて弊害が生じるためであり、また、5重量%を越えると該微粒子を構成する樹脂のガラス転移点より低い温度での触媒活性抑制効果が得られなくなるためである。
【0009】
本発明の製造方法における第1段階は、前記したヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成される微粒子を製造する工程であり、その方法は特に制限されない。例えば、上記2成分を熱ロールで混合してから粉砕する方法(特公昭53−41707号公報参照)、上記2成分を溶媒に溶解させた溶液から溶媒を乾燥した後粉砕する方法(特開昭58−37053号公報参照)、上記2成分を溶媒に溶解させてから界面活性剤水溶液で乳化し、その乳化液から溶媒を乾燥除去することによりヒドロシリル化反応用金属触媒を含有する樹脂粉体を製造した後、ヒドロシリル化反応用金属触媒を溶解するが樹脂は溶解しない溶媒で洗浄する方法(特開昭64−47442号公報、特開平2−4833号公報参照)、上記2成分を溶媒に溶解させた溶液を形成し、次いで該溶液を熱気流中に噴霧して前記溶媒を揮発させると共に、噴霧状態で前記樹脂を微粒子状に固化させる方法(特開平4−29748号公報参照)が挙げられる。これらの中でも、効率および整った粒径と形状の微粒子が得られるという点から、特開平4−29748号公報で提案されている方法が好ましい。この方法に使用される溶媒としては、上記2成分を溶解することができ、ヒドロシリル化反応用金属触媒を被毒せず、熱気流中で揮発し得るものが好ましい。中でも、両成分を分解させないために、沸点が30〜250℃の範囲内にあるものが特に好ましい。また、球状の微粒子を製造するには、沸点が50℃以上異なる2種類の溶媒からなる混合溶媒を使用するのが好ましい。溶媒の量は上記2成分を均一に溶解でき、溶液とすることができる量であり、かつ、この溶液を噴霧状態にできる量であればよい。またその噴霧方法は、溶液を微粒子状液滴として噴霧できる方法であればよく、例えば、高速回転ディスクに溶液を滴下して遠心力で微粒子化して噴霧する方法、溶液を気体と共に噴射することによって噴霧する方法、溶液を超音波で微粒子化して噴霧する方法などが挙げられる。これらの中でも、一般に2流体ノズルと言われている噴霧ノズルを使用して溶液を気体と共に噴霧し、かつ、2方向から噴霧した微粒子を衝突させてより細かい微粒子にする方法が好ましい。噴霧温度と熱気流の温度は、通常、室温から該微粒子を構成する樹脂のガラス転移点までの範囲内、すなわち40〜200℃の範囲内である。熱気流としては、不活性ガスを使用するのが好ましい。生成した微粒子を捕集する方法としては、例えば、サイクロン,フィルター,液体への吹き込みなどの方法が挙げられる。
【0010】
本発明の製造方法における第2段階は、本発明の特徴となる製造段階であり、第1段階で製造された微粒子を、換気することができ、かつ、ガラス転移点より5℃以上低い温度条件下で5〜700時間エージングすることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2段階における換気の目的は、第1段階で残存した溶媒を除去することにある。さらに本発明においては、残存した溶媒を除去した後も換気条件下でエージングすることにより、本発明で得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の触媒活性が向上することが見出された。換気条件はエージング条件によって異なるが、少なくとも残存した溶媒が揮発し得ない条件は避けねばならない。例えば、微粒子の量に対してエージングの容器が十分に大きくても、密閉条件では本発明は達成できない。また、換気条件がよいほど、エージング時間が短縮できる。静置状態でエージングする場合には、容器の容量に対する換気量が高いほど、微粒子表面近傍の空気の流れが大きいほど、微粒子の厚みが薄いほどエージングは容易になる。換気条件の限界はエージング温度にも依存するが、通常、エージング中に高温での触媒活性が大幅に低下しない範囲までである。ここで、大幅な触媒活性の低下がないということは、得られた微粒子がヒドロシリル化反応用触媒として使用される温度において、反応に要する時間が50%以上延びないことと解釈される。
【0012】
本発明の第2段階におけるエージング温度は、微粒子を構成する樹脂のガラス転移点より5℃以上低いことが必要である。これは、これより高い温度でエージングするとエージング中に微粒子の融着や凝集が起こって最終製品への分散が不良となり、その結果、触媒活性が低下するためである。この範囲内ならば、エージング温度は高いほどその効果が発揮される。室温でのエージングも可能であるが、エージング時間短縮のためには上記範囲内で加熱することが望ましい。例えば、ガラス転移点が60℃のシリコーン樹脂を使用する場合には、35〜55℃の温度条件下でエージングを行うのが望ましい。また、ガラス転移点が140℃のポリカーボネート樹脂を使用する場合には、100〜120℃の温度条件下でエージングを行うのが望ましい。
【0013】
本発明の第2段階におけるエージング時間は5〜700時間の範囲内であることが必要である。これは、5時間未満であると優れたエージング効果が得られず、また、700時間を越えると得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の触媒活性が低下するためである。
【0014】
次に、本発明の加熱硬化性シリコーン組成物について詳細に説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは本発明組成物の主剤となる成分であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有する。アルケニル基としては、ビニル基,アリル基,ヘキセニル基などが例示される。このオルガノポリシロキサン中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,オクチル基のようなアルキル基;フェニル基などのアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換炭化水素基で例示される1価炭化水素基が挙げられる。ケイ素原子に結合する有機基の数は平均1.0〜2.3であるのが望ましい。このオルガノポリシロキサンは一般的には直鎖状であるが、一部に分岐状を有してもよい。またその重合度は、通常、25℃における粘度が10〜1,000,000センチポイズの範囲内となるような数であることが好ましい。
【0015】
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分のオルガノポリシロキサンの架橋剤であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する。このオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の水素原子以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,オクチル基のようなアルキル基;フェニル基などのアリール基;3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換炭化水素基で例示される1価炭化水素基が挙げられる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、直鎖構造、網状構造、3次元構造が挙げられ、これらの単一重合体または共重合体もしくは2種以上の重合体の混合物が使用できる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの重合度は、通常、25℃における粘度が0.5〜50,000センチポイズの範囲内となるような数であり、好ましくは1〜10,000センチポイズの範囲内となるような数である。本成分の配合量は、本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル数との比が、0.5/1〜10/1の範囲内になるような量である。
【0016】
(C)成分のヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成されるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子は本発明組成物の特徴となる成分であり、(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基と、(B)成分のケイ素原子結合水素原子とをヒドロシリル化反応によって架橋させるための触媒である。本成分の樹脂微粒子は、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるものであり、前記の製造方法により得られる。本成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.005〜100重量部の範囲内であり、好ましくは、白金原子に換算して0.1〜100ppmの範囲内となるような量である。
【0017】
本発明組成物は、上記(A)成分〜(C)成分からなるものであるが、これらの成分に加えて、フュームドシリカや湿式シリカなどの微粉状シリカ,表面疎水化処理された微粉状シリカ,クレープハードニング防止剤,シリコーン以外のポリマー,有機溶媒,酸化鉄,希土類化合物のような耐熱剤,炭酸マンガン,煙霧状酸化チタンのような難燃剤,トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物,トリブチルアミンやテトラメチルエチレンジアミン,ベンゾトリアソールなどの窒素含有化合物,硫黄含有化合物,アセチレン系化合物,アルケニル基を2個以上含む化合物,ハイドロパーオキシ化合物,マレイン酸誘導体などのヒドロシリル化反応阻害性化合物,けいそう土,炭酸カルシウム,ガラス繊維,カーボンブラックなどを必要に応じて添加配合することは、本発明の目的を損わない限り差し支えない。
【0018】
本発明組成物は、上記(A)成分〜(C)成分を均一に混合することによって容易に得ることができる。このとき、(C)成分を少量の(A)成分に添加して均一に分散させた後、これを(A)成分と(B)成分の混合物に添加するのが好ましい。また、温度条件は、(C)成分を構成する樹脂のガラス転移点を50℃以上越えないことが好ましい。
【0019】
以上のような本発明の製造方法によれば、得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子中の溶媒をほとんど完全に除去することができる。そのため、本発明の製造方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる本発明の加熱硬化性シリコーン組成物は、室温で長期間保管でき、しかも加熱によって、エージング前の樹脂微粒子よりも速やかに反応を開始できるという特徴を有する。このような本発明のシリコーン組成物は、1液型加熱硬化性シリコーン組成物として非常に有用である。
【0020】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例、比較例によって説明する。実施例中、Phはフェニル基を表し、Meはメチル基を表し、Viはビニル基を表す。粘度は25℃における測定値であり、cpはセンチポイズである。加熱減量は150℃で1時間加熱後の重量変化によって測定した。
【0021】
【参考例1】
塩化白金酸水溶液(白金金属含有量33重量%)6gと1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン16gをイソプロピルアルコール35gに溶解した。この溶液に重炭酸ソーダ10gを加えて懸濁状態で撹拌しながら70〜80℃で30分間反応させた。反応後、イソプロピルアルコールと水を圧力50mmHg、温度45℃の条件下で揮発除去し、固形分を濾過することによって白金金属含有量8.5重量%のビニルシロキサン配位白金錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液を調製した。
【0022】
【実施例1】
ガラス製の撹拌機付容器に、平均組成式:
(PhSiO3/20.78(MeSiO)0.22で示されるガラス転移点60℃の熱可塑性シリコーン樹脂900g、トルエン500gおよびジクロロメタン4,600gを投入して均一に混合した。次いでこれに、参考例1で得られたビニルシロキサン配位白金錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液44.4gを投入して混合することにより、白金ビニルシロキサン錯体と熱可塑性シリコーン樹脂の均一な溶液を得た。この溶液を2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレードライヤー槽内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱気流温度はスプレ−ドライヤ−の入口で80℃であり、スプレ−ドライヤ−の出口で50℃であり、熱気流速度は1.3m/minであった。上記条件で運転して、生成した微粒子をバッグフィルターによって捕集した。この微粒子20gを、底面積100cm、高さ4cmの金属缶に入れて、これを容量27リットル、300リットル/hrの速度で窒素により換気した40℃のオーブン中で96時間エージングして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は0.39%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0023】
【実施例2】
ガラス製の撹拌機付容器に、平均組成式:
(PhSiO3/20.78(MeSiO)0.22で示されるガラス転移点60℃の熱可塑性シリコーン樹脂900g、トルエン500gおよびジクロロメタン4,600gを投入して均一に混合した。次いでこれに、参考例1で得られたビニルシロキサン配位白金錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液44.4gを投入して混合することにより、白金ビニルシロキサン錯体と熱可塑性シリコーン樹脂の均一な溶液を得た。この溶液を2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレードライヤー槽内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱気流温度はスプレ−ドライヤ−の入口で80℃であり、スプレ−ドライヤ−の出口で50℃であり、熱気流速度は1.3m/minであった。上記条件で運転して、生成した微粒子をバッグフィルターによって捕集した。この微粒子20gを、底面積100cm、高さ4cmの金属缶に入れて、これを容量27リットル、300リットル/hrの速度で窒素により換気した50℃のオーブン中で48時間エージングして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は0.25%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0024】
【比較例1】
実施例1において、オーブンによるエージングをせず、バッグフィルターに捕集された微粒子を直接回収した以外は実施例1と同様にして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は1.50%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0025】
【比較例2】
実施例1において、オーブンによるエージング時間を2時間とした以外は実施例1と同様にして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は0.52%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0026】
【比較例3】
実施例1において、オーブンの温度を60℃にした以外は実施例1と同様にして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.7μmであり、加熱減量は0.23%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0027】
【比較例4】
実施例1において、金属缶に蓋をして密閉状態でオーブンに入れた以外は実施例1と同様にして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は1.05%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、球状体であることが確認された。
【0028】
【実施例3】
粘度12,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gおよび粘度2,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gに、ヘキサメチルジシラザンで表面疎水化処理した比表面積200m/gのフユームドシリカ10gを加えて十分に混合した後、平均分子式:
MeSiO(MeSiO)(MeHSiO)SiMeで示されるジオルガノシロキサン1.36gおよび1,3,5,7−テトラビニル−テトラメチルシクロテトラシロキサン0.10gを添加して、これらを均一に混合した。次いでこの混合物に、実施例1,実施例2および比較例1〜比較例4で得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を、組成物中の白金金属含有量が14ppmとなるような量それぞれ混合して、加熱硬化性シリコーン組成物を調製した。得られた加熱硬化性シリコーン組成物の加熱硬化特性を、キュラストメータ3型[東洋ボルドウィン(株)製]により130℃にて測定した。ここで、加熱硬化特性は、トルクが最大の10%に達するまでの時間を硬化開始時間(T10)とし、トルクが最大の90%に達するまでの時間を硬化完了時間(T90)として測定した。また、得られた加熱硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性を加速試験によって調べるため、これらを密閉容器に入れて40℃で24時間保管した後の外観を測定した。このとき未硬化であった場合にはその粘度を測定した。これらの測定結果を表1に示した。これらの結果から、本発明の製造方法により得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子は、エージングによって、該シリコーン樹脂のガラス転移点以上の高温度での触媒活性が高まり、かつ、かかる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性も向上することが確認された。
【0029】
【表1】
Figure 0003566361
【0030】
【実施例4】
粘度12,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gおよび粘度2,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gに、ヘキサメチルジシラザンで表面疎水化処理した比表面積200m/gのフユームドシリカ10gを加えて十分に混合した後、平均分子式:
MeSiO(MeSiO)(MeHSiO)SiMeで示されるジオルガノシロキサン1.36gおよびフェニルブチノール0.01gを添加して、これらを均一に混合した。次いでこの混合物に、実施例1,実施例2,比較例1,比較例3および比較例4で得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を、組成物中の白金金属含有量が5ppmとなるような量それぞれ混合して、加熱硬化性シリコーン組成物を調製した。得られた加熱硬化性シリコーン組成物の加熱硬化特性を、キュラストメータ3型[東洋ボルドウィン(株)製]により130℃にて測定した。ここで、加熱硬化特性は、トルクが最大の10%に達するまでの時間を硬化開始時間(T10)とし、トルクが最大の90%に達するまでの時間を硬化完了時間(T90)として測定した。これらの測定結果を表2に示した。これらの結果から、本発明の製造方法により得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子は、エージングによって、該シリコーン樹脂のガラス転移点以上の高温度での触媒活性が高まることが確認された。
【0031】
【表2】
Figure 0003566361
【0032】
【実施例5】
ガラス製の撹拌機付容器に、ガラス転移点145℃のポリカーボネート樹脂500g、トルエン1,000gおよびジクロロメタン8,500gを投入して均一に混合した。次いでこれに、参考例1で得られたビニルシロキサン配位白金錯体の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液44.4gを投入して混合することにより、白金ビニルシロキサン錯体とポリカーボネート樹脂の均一な溶液を得た。この溶液を2流体ノズルを使って、窒素ガスを熱気流にしたスプレードライヤー槽内に連続して噴霧した。ここで、窒素ガスの熱気流温度はスプレ−ドライヤ−の入口で100℃であり、スプレ−ドライヤ−の出口で70℃であり、熱気流速度は1.3m/minであった。上記条件で運転して、生成した微粒子をバッグフィルターによって捕集した。この微粒子20gを、底面積100cm、高さ4cmの金属缶に入れて、これを容量27リットル、300リットル/hrの速度で窒素により換気した100℃のオーブン中で24時間エージングして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.5μmであり、加熱減量は0.25%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、若干の凹みを有する球状体であることが確認された。
【0033】
【比較例5】
実施例5において、オーブンによるエージングをせず、バッグフィルターに捕集された微粒子を直接回収した以外は実施例5と同様にして、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を得た。得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の平均粒子径は1.6μmであり、加熱減量は3.4%であり、白金含有量は0.4重量%であった。またこの微粒子の形状を走査型電子顕微鏡により観察したところ、若干の凹みを有する球状体であることが確認された。
【0034】
【実施例6】
粘度12,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gおよび粘度2,000cpのα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン50gに、ヘキサメチルジシラザンで表面疎水化処理した比表面積200m/gのフユームドシリカ10gを加えて十分に混合した後、平均分子式:
MeSiO(MeSiO)(MeHSiO)SiMeで示されるジオルガノシロキサン1.36gおよびフェニルブチノール0.01gを添加して、これらを均一に混合した。次いでこの混合物に、実施例5および比較例5で得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を、組成物中の白金金属含有量が5ppmとなるような量それぞれ混合して、加熱硬化性シリコーン組成物を調製した。得られた加熱硬化性シリコーン組成物の加熱硬化特性を、キュラストメータ3型[東洋ボルドウィン(株)製]により170℃にて測定した。ここで、加熱硬化特性は、トルクが最大の10%に達するまでの時間を硬化開始時間(T10)とし、トルクが最大の90%に達するまでの時間を硬化完了時間(T90)として測定した。また、得られた加熱硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性を加速試験によって調べるため、これらを密閉容器に入れて50℃で保管した。数週間毎に取り出して粘度を測定し、粘度が初期の2倍となるまでの日数を測定してこれを貯蔵可能期間とした。これらの測定結果を表3に示した。これらの結果から、本発明の製造方法により得られたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の触媒活性にほとんど影響なく、かかる樹脂微粒子を含有してなる加熱硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性が著しく向上することが確認された。
【0035】
【表3】
Figure 0003566361
【0036】
【発明の効果】
本発明のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法は、ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成され、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を製造する際に、第1段階として両成分からなる微粒子を製造した後、次いで第2段階として該微粒子を、換気することができ、かつ、ガラス転移点より5℃以上低い温度条件下で5〜700時間エージングすることを特徴とするものであり、本製造方法は、該微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の高温度では触媒活性が高く、かつ、該ガラス転移点未満では触媒活性が強く抑制されたヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を生産性よく製造できるという特徴をする。また、この方法により得られる樹脂微粒子を含有してなる本発明の加熱硬化性シリコーン組成物は、室温で長期間保管でき、しかも加熱によって速やかに反応を開始できるという特徴を有する。

Claims (7)

  1. ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成され、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子を製造する際に、第1段階として両成分からなる微粒子を製造した後、次いで第2段階として該微粒子を、換気することができ、かつ、ガラス転移点より5℃以上低い温度条件下で5〜700時間エージングすることを特徴とする、ヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  2. 第1段階において、ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂を溶媒に溶解させた溶液を形成し、次いで該溶液を熱気流中に噴霧して前記溶媒を揮発させると共に、噴霧状態で前記樹脂を微粒子状に固化させることを特徴とする、請求項1記載のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  3. 熱気流が不活性ガスである、請求項2記載のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  4. ヒドロシリル化反応用金属触媒が白金化合物触媒である、請求項1または請求項2記載のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  5. ガラス転移点が40〜200℃の樹脂がシリコーン樹脂である、請求項1または請求項2記載のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  6. ガラス転移点が40〜200℃の樹脂がポリカーボネート系樹脂である、請求項1または請求項2記載のヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子の製造方法。
  7. (A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
    (B)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    本成分の配合量は、本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と
    (A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基のモル数との比が0.5/1〜10/1の範囲になるような量である。
    および
    (C)請求項1記載の製造方法により得られる、ヒドロシリル化反応用金属触媒とガラス転移点が40〜200℃の樹脂から構成され、平均粒子径が0.01〜10μmであり、かつ、該ヒドロシリル化反応用金属触媒が金属原子として0.01〜5重量%含まれるヒドロシリル化反応用金属触媒含有樹脂微粒子0.005〜100重量部、
    からなることを特徴とする、加熱硬化性シリコーン組成物。
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