JPH07165657A - フルオレン誘導品の製造方法及びその精製方法 - Google Patents

フルオレン誘導品の製造方法及びその精製方法

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JPH07165657A
JPH07165657A JP5310089A JP31008993A JPH07165657A JP H07165657 A JPH07165657 A JP H07165657A JP 5310089 A JP5310089 A JP 5310089A JP 31008993 A JP31008993 A JP 31008993A JP H07165657 A JPH07165657 A JP H07165657A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 硫酸とチオールを触媒として用いて、フルオ
レノンとフェノキシエタノールとを反応させ、得られる
反応液を、低級脂肪族アルコールに溶解させた後、水を
添加して9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレン〔フルオレン誘導品〕を析出
させる。溶媒として低級脂肪族アルコールを用いて再結
晶させて高純度のフルオレン誘導品を得る。 【効果】 工業的に経済的な方法によってフルオレンを
無駄にすることなく高収率で且つ効率的に短時間でフル
オレン誘導品を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルオレン誘導品の製
造方法に係り、詳しくは、フルオレノンとフェノキシエ
タノールとを反応させて9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造する方法
に関する。本発明は、また、粗製9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの精
製方法に関する。
【0002】9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル)フルオレンは、構造式1:
【0003】
【化1】
【0004】で表されるフルオレン誘導品であり、エポ
キシ樹脂、ポリエステル等の製造原料として有用な物質
である。
【0005】
【従来の技術】従来技術として、フルオレンを液相空気
酸化して得られるフルオレノンを出発原料とし、塩化水
素−メルカプトプロピオン酸を触媒として用いたフルオ
レノンとフェノールとの縮合反応により、9,9−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレンを合成
することが知られており〔J.Appl.Polym.
Sci.,27(9),3289,1982〕、9,9
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フ
ルオレンは9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレンと酸化エチレンとの付加反応により得られる。
【0006】しかしながら、前述の合成方法は、9,9
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フ
ルオレンを合成するにあたり、フルオレノンを出発原料
とした場合、2段階のプロセスを必要とし、目的の化合
物である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンの分離及び精製の他に、1段
階目のプロセスにおいて中間物質である9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの分離及び精製
並びに未反応のフェノール及び塩化水素ガスの処理を必
要とし、更に2段階目のプロセスにおいて未反応の酸化
エチレンの処理を必要とするため、工業的に実施するに
は、工程数が多く生産効率が悪いという問題点がある。
また、化学的に重合しやすい酸化エチレンを使用してい
ることから、得られる目的化合物中に酸化エチレンの重
合物が含まれるおそれもある。本発明者らが、前述の製
造方法を実際に行ったところ、製品の純度が92.5
%、収率が52.5%と極めて効率が悪く、必ずしも充
分に満足のいくものでなかった。
【0007】なお、本明細書中において、収率は以下の
式により表される値である。
【0008】収率(%)=〔9,9−ビス(4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのモル数〕
÷〔原料中のフルオレノンのモル数〕×100
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的な実施に好適であり且つ経済的に有利なフルオレン誘
導品の製造方法、即ち、9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法を提
供することにある。すなわち、本発明の目的は、フルオ
レノンから9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンを1段階のプロセスで製造す
る方法を提供することにある。
【0010】本発明の目的は、また、反応生成物である
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)フルオレンの分離、精製がより簡素化されたフルオ
レン誘導品の製造方法を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の目的は、簡素化された粗
製9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル)フルオレンの精製方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するため、フルオレノンとフェノキシエ
タノールとを反応させれば9,9−ビス(4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを1段階のプ
ロセスで得られるのではないかとの知見の下、鋭意研究
した結果、該反応を、硫酸及びチオールの存在下で行う
ことにより、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル)フルオレンを高収率で得られること、
該反応の反応液に低級脂肪族アルコールを添加して溶解
させた後に水を添加することにより9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが析
出してその回収が容易にできること、並びに、粗製9,
9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
フルオレンを精製するための再結晶溶媒として低級脂肪
族アルコールが優れていることを見出して本発明を完成
した。
【0013】すなわち、本発明は、硫酸とチオールを触
媒として用いて、フルオレノンとフェノキシエタノール
とを反応させて9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル)フルオレンを得ることを特徴とする
フルオレン誘導品の製造方法に関する。
【0014】本発明は、また、このようなフルオレン誘
導品の製造方法において、フルオレノンとフェノキシエ
タノールとを反応させて得られる反応液に、低級脂肪族
アルコールを添加して溶解させた後、水を添加して9,
9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
フルオレンを析出させて回収することを特徴とするフル
オレン誘導品の製造方法に関する。
【0015】さらに、本発明は、溶媒として低級脂肪族
アルコールを用いて、9,9−ビス(4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル)フルオレンを再結晶させるこ
とを特徴とする粗製9,9−ビス(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)フルオレンの精製方法に関す
る。以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】本発明においては、触媒である特定の酸及
びチオールの存在下で、フルオレノンとフェノキシエタ
ノールとを反応させる。この際の反応方式は、バッチ方
式でも連続方式でもよく、反応温度は、30〜150
℃、好ましくは50〜100℃とするのがよく、バッチ
方式で反応させる場合の反応時間は1〜10時間、好ま
しくは3〜6時間とするのがよい。反応温度を低くする
と反応速度が低下して反応効率が悪くなる傾向があり、
高くすると副生物が増加し目的化合物の収率が低下する
傾向がある。反応時間を短くすると未反応のフルオレノ
ンが残留し、目的化合物の収率が低下する傾向があり、
反応時間を長くすると副生物が増加し、目的化合物の収
率が低下する傾向がある。
【0017】本発明において触媒として用いる硫酸につ
いては、濃度75%以上のもの、好ましくは95%以上
のものを用いるのがよく、フルオレノン1モルに対し、
10〜500ml、好ましくは80〜200ml用いる
とよい。濃度が低い硫酸を用いたり、又、使用量を少な
くすると、触媒としての作用が低下する傾向があり、使
用量を必要以上に多くすると、触媒としての作用は向上
し、反応時間を短くすることが出来るが、急激な温度の
上昇を伴い、工業的には好ましいものではない。
【0018】反応系への酸の添加方法については特に限
定はなく、使用量、反応条件等にもよるが、バッチ式で
反応させる場合、一般に、反応系を反応温度とする前に
反応温度よりも低い温度で、液状のもの全量を15分〜
2時間かけて滴下して添加するのがよい。
【0019】また、本発明において触媒として用いるチ
オールは、主に、触媒として作用する硫酸の助触媒とし
て作用するものと考えられ、具体的には、メルカプタ
ン、特に炭素数1〜10、好ましくは2〜4のメルカプ
タン、メルカプトカルボン酸、特に炭素数2〜11、好
ましくは2〜4のメルカプトカルボン酸等であり、例え
ば、エチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、1
−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、β−メルカプ
トプロピオン酸等を挙げることができ、フルオレノン1
モルに対し、0.01〜100ml、好ましくは0.1
〜10ml用いるとよい。炭素数が大きいチオールを用
いると多大な反応時間を要する傾向がある。チオールの
使用量を少なくすると触媒としての作用が低下する傾向
があり、使用量を必要以上に多くしても触媒としての作
用はそれほど向上しない。
【0020】本発明において原料として用いるフルオレ
ノン及びフェノキシエタノールについては特に限定はな
いが、反応効率及び精製の点から、双方とも高純度のも
のを用いるのが好ましい。例えば、コールタールから得
られるフルオレン又は脱アルキル法ベンゼン製造プロセ
スにおいて副生するフルオレンを液相空気酸化して得ら
れるフルオレノンを原料フルオレノンとして用いること
ができ、この場合、不純物としてアセナフテン、ジベン
ゾフラン、ビフェニル、メチルビフェニル等を含有する
ものであっても問題はないが、フルオレノン含有量が7
0重量%以上のもの、好ましくは90重量%以上のもの
として用いるとよい。フルオレノンとフェノキシエタノ
ールとの使用割合については、フルオレノン1モルに対
し、フェノキシエタノールを2〜10倍モル、好ましく
は3〜6倍モル使用するとよい。フェノキシエタノール
の使用割合を少なくすると副生物が増加し、目的化合物
の収率が低下する傾向があり、多くすると触媒が薄めら
れ、触媒の作用が低下し、多大な反応時間を要する傾向
がある。
【0021】フルオレノンとフェノキシエタノールとの
反応終了後に、反応液から反応生成物である9,9−ビ
ス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオ
レンを回収する方法については、特に限定はないが、本
発明においては、反応液に低級脂肪族アルコールを添加
し、必要に応じて撹拌等することにより、均一な溶液と
した後、水を添加して9,9−ビス(4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)フェニル)フルオレンを析出させ、析出
した目的化合物を、必要に応じて濾過・乾燥等して回収
する方法が効果的である。ここで反応液の溶解に用いる
低級脂肪族アルコールは、炭素数1〜5、好ましくは1
〜3の脂肪族アルコールであり、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール等を挙げることができ、大規
模な実施にあたっては工業的に安価に供給されるメタノ
ールが好ましい。また、反応液の溶解に用いる低級脂肪
族アルコールの使用量については、反応液中に含まれる
フルオレン骨格1モルに対して、100〜2000m
l、好ましくは200〜1000mlとなる量を用いる
とよい。低級脂肪族アルコールの使用量が少ないと溶液
が均一とならない傾向があり、多いと後工程で用いる水
の量を多くしなければならない傾向がある。目的化合物
を析出させるために用いる水の使用量については、反応
液中に含まれるフルオレン骨格1モルに対して、200
〜2000ml、好ましくは600〜1000mlとな
る量を用いるのがよい。
【0022】回収した反応生成物〔粗製9,9−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
ン〕を更に精製する場合の精製方法としては、溶媒とし
て低級脂肪族アルコール、具体的には炭素数1〜5、好
ましくは1〜3の脂肪族アルコールを用いる再結晶が有
効である。回収した反応生成物の再結晶溶媒として用い
る低級脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等を挙げることができ、
大規模な実施にあたっては工業的に安価に供給されるメ
タノールが好ましい。また、回収した反応生成物の再結
晶溶媒として用いる低級脂肪族アルコールの使用量につ
いては、回収した反応生成物に含まれるフルオレン骨格
1モルに対して、200〜5000ml、好ましくは8
00〜3500mlとなる量を用いるとよい。再結晶の
具体的な操作方法・条件については特に限定はないが、
得られた粗製品に低級脂肪族アルコールを加え、加温し
て溶解させた後、撹拌しながら室温,もしくは,冷水で
容器の回りを冷却しながら固体を析出させ,次いで、得
られた固形物を濾過し、乾燥させるのがよい。なお、本
発明の精製方法は、純度85〜92%程度の粗製品を純
度94%以上、好ましくは95%以上、更に好ましくは
98%以上の精製品とする場合に特に有効である。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に経済的な方法
によってフルオレノンを無駄にすることなく高収率で且
つ効率的に短時間でフルオレノンから9,9−ビス(4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを
製造できる。また、本発明においては、フルオレノンと
フェノキシエタノールとの反応により生成した9,9−
ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フル
オレンを反応系から容易に取り出すことができる。さら
に、本発明の精製方法によれば、再結晶という簡便な方
法により、高純度の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)フルオレンを得ることができ
る。
【0024】
【実施例】実施例1 攪拌機、冷却管及びビュレットを備えた内容積1000
mlの容器に純度99.5重量%のフルオレノン(フル
オレンを液相空気酸化して得たもの)45g(0.25
mol)とフェノキシエタノール(四日市合成株式会社
製、PHE−G)138g(1.00mol)を仕込
み、β−メルカプトプロピオン酸0.2mlを加えて、
95%の硫酸40mlを30分かけて滴下した後、反応
温度を50℃に保ち、5時間反応を続けて完結させた。
【0025】反応終了後、反応液にメタノール100m
lを加えて1時間撹拌を継続した。次に純水150ml
を加えて反応生成物を析出させ、室温まで冷却した後、
濾過を行って分離した。得られた固形分に対して800
mlのメタノールを用いて再結晶を行い精製した。具体
的には、得られた固形分にメタノールを加え、加温して
溶解させた後、撹拌しながら室温でもしくは必要に応じ
て冷水で容器の回りを冷却しながら固体を析出させ、次
いで、得られた固形物をろ過し、乾燥させた。
【0026】得られた化合物〔9,9−ビス(4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン〕の純度
は98.7重量%であり、収量は81.5gであり、収
率は73.8%であった。
【0027】実施例2 実施例1と同じ容器に純度99.5重量%のフルオレノ
ン45g(0.25mol)とフェノキシエタノール
(四日市合成株式会社製、PHE−G)121g(0.
88mol)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸
0.2mlを加えて、95%の硫酸45mlを45分か
けて滴下した後、反応温度を65℃に保ち、4時間反応
を続けて完結させた。
【0028】反応終了後、反応液を50℃まで冷却し、
メタノール100mlを加えて1時間撹拌を継続した。
次に純水200mlを加えて反応生成物を析出させ、室
温まで冷却した後、濾過を行って分離した。得られた固
形分に対して800mlのメタノールを用いて再結晶を
行い精製した。
【0029】得られた化合物〔9,9−ビス(4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン〕の純度
は96.9重量%であり、収量は84.1gであり、収
率は74.8%であった。
【0030】実施例3 実施例1と同じ容器に純度99.5重量%のフルオレノ
ン45g(0.25mol)とフェノキシエタノール
(四日市合成株式会社製、PHE−G)138g(1.
00mol)を仕込み、β−メルカプトプロピオン酸
0.2mlを加えて、95%の硫酸60mlを45分か
けて滴下した後、反応温度を65℃に保ち、5時間反応
を続けて完結させた。
【0031】反応終了後、反応液を50℃まで冷却し、
メタノール100mlを加えて1時間撹拌を継続した。
次に純水200mlを加えて反応生成物を析出させ、室
温まで冷却した後、濾過を行って分離した。得られた固
形分に対して800mlのメタノールを用いて再結晶を
行い精製した。
【0032】得られた化合物〔9,9−ビス(4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン〕の純度
は94.9重量%であり、収量は79.6gであり、収
率は68.6%であった。
【0033】実施例4 実施例1と同じ容器に純度99.5重量%のフルオレノ
ン45g(0.25mol)とフェノキシエタノール1
38g(1.00mol)を仕込み、1−オクチルメル
カプタン0.5mlを加えて、50mlの95%硫酸を
50分かけて滴下した後、反応温度を65℃に保ち、6
時間反応を続けて完結させた。
【0034】反応終了後、50℃まで冷却し、100m
lのメタノールを加えて1時間撹拌を継続した。次に純
水200mlを加えて反応生成物を析出させ、室温まで
冷却した後、濾過を行って分離した。得られた固形分に
対して800mlのメタノールを用いて再結晶を行い精
製した。
【0035】得られた化合物〔9,9−ビス(4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン〕の純度
は96.9重量%であり、収量は72.1gであり、収
率は64.1%であった。
【0036】比較例1 攪拌機、冷却管及びガス吹込管を備えた内容積1000
mlの容器に純度99.5重量%のフルオレノン45g
(0.25mol)とフェノキシエタノール138g
(1.00mol)を仕込み、β−メルカプトプロピオ
ン酸0.2mlを加えて、反応温度を65℃に保ち、塩
化水素ガス1分間に100mlの流量で180分間流通
させた後、さらに5時間反応を継続した。
【0037】得られた反応液から微量を取り出して分析
した結果、フルオレノンの3%が9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンに転
化しただけであり、反応終了後、反応液を50℃まで冷
却し、窒素ガスを用いて残留塩化水素ガスを追い出した
後、メタノール100mlを加えて1時間撹拌を継続
し、次に純水200mlを加えて室温まで冷却したもの
の固形物は得られなかった。
【0038】この結果より、フルオレノンとフェノキシ
エタノールとを反応させて9,9−ビス(4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造するた
めのの触媒としては、フルオレノンとフェノールとの縮
合反応の触媒として知られている塩化水素−メルカプト
プロピオン酸よりも、本発明において用いる特定の酸及
びチオールのほうが好適であることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 克幸 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸とチオールを触媒として用いて、フ
    ルオレノンとフェノキシエタノールとを反応させて9,
    9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
    フルオレンを得ることを特徴とするフルオレン誘導品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフルオレン誘導品の製
    造方法において、フルオレノンとフェノキシエタノール
    とを反応させて得られる反応液に、低級脂肪族アルコー
    ルを添加して溶解させた後、水を添加して9,9−ビス
    (4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
    ンを析出させて回収することを特徴とするフルオレン誘
    導品の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶媒として低級脂肪族アルコールを用い
    て、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
    ェニル)フルオレンを再結晶させることを特徴とする粗
    製9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
    ニル)フルオレンの精製方法。
JP5310089A 1993-12-10 1993-12-10 フルオレン誘導品の製造方法及びその精製方法 Expired - Lifetime JP2559332B2 (ja)

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