JP3983546B2 - スルホンアミド誘導体の製造方法およびその結晶 - Google Patents

スルホンアミド誘導体の製造方法およびその結晶 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、Nα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの製造方法およびその結晶に関する。
背景技術
α−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンはWO97/27174等に記載されている。
該化合物を製造する際のキーステップとして用いられているハロゲン化アリールとアセチレン誘導体のカップリング反応(薗頭反応)がWO97/27174およびTetrahedron Lett.1975,4467−4470に記載されている。
通常、薗頭反応においては、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、ヨウ化銅、塩基、パラジウム触媒の存在下、ハロゲン化アリール、ハロゲン化ヘテロアリール等とアセチレン誘導体をカップリングさせるが、酢酸エチル中での反応例および触媒としてパラジウム炭素を用いた反応例は報告されていない。
薗頭反応をテトラヒドロフラン中で行った例としては、J.Org.Chem.1998,8551−8553に記載の方法が挙げられる。
薗頭反応を含水系で行った例としては、Tetrahedron Lett.1996,897−900およびTetrahedron Lett.1996,5527−5530記載の方法が挙げられるが、酢酸エチル−水系での反応例は報告されていない。
一般的に工業的な製造法においては、反応の後処理を考えると反応溶媒はジメチルホルムアミドのような水との相互溶解性の高い溶媒ではなく、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルブチル等の酢酸エステル、またはトルエン、ジクロルメタン等の水との相互溶解性の低い溶媒が好ましい。
薗頭反応で通常用いられるホスフィン配位子等を有する有機パラジウム触媒は脂溶性が高いことから、反応生成物の脂溶性が高い場合は、その生成物と有機パラジウム触媒の分離が困難になる。特に医薬品を製造する場合は、最終原薬中の重金属濃度の上限が日本薬局方によって定められていることから、残存パラジウム量は大きな問題となる。
α−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンはWO97/27174等に記載されているが、その結晶形については開示されていない。
発明の開示
医薬品としての規格を満しうるNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの工業的製造方法が望まれている。また、安定性および吸収性の高いNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶を得ることが望まれている。
本発明者らは以上の点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、医薬品として使用しうるNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの工業的製造法および結晶を見出した。
すなわち、本発明は、1)式:
Figure 0003983546
(式中、Xはハロゲン)
で表わされる化合物(III)を溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、触媒、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I’)の製造方法、に関する。
さらに詳しくは、以下の2)〜21)に関する。
2)式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I’)を溶媒中、アルコールの存在下、塩基性物質で処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
(Aは使用した塩基性物質由来のカチオン)
で表わされる化合物(II)の製造方法。
3)1)記載の製造方法により得られた化合物(I’)を出発原料とした2)記載の製造方法。
4)3)記載の方法により得られた式:
Figure 0003983546
(Aは使用した塩基性物質由来のカチオン)
で表わされる化合物(II)を酸で処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I)の製造方法。
5)式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(IV)を溶媒中、塩基の存在下、式:
Figure 0003983546
(式中、XおよびX’はそれぞれ独立してハロゲン)
で表わさせる化合物(V)と反応させることを特徴とする、式:
Figure 0003983546
(式中、Xはハロゲン)
で表わされる化合物(III)の製造方法。
6)(1)式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(IV)を溶媒中、塩基の存在下、式:
Figure 0003983546
(式中、XおよびX’はそれぞれ独立してハロゲン)
で表わさせる化合物(V)と反応させることを特徴とする、式:
Figure 0003983546
(式中、Xはハロゲン)
で表わされる化合物(III)の製造工程、
(2)化合物(III)を溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、触媒、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I’)の製造工程、
(3)化合物(I’)を溶媒中、塩基性物質で処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
(Aは使用した塩基性物質由来のカチオン)
で表わされる化合物(II)の製造工程、および
(4)化合物(II)を酸で処理することを特徴とする工程を包含する、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I)の製造方法。
7)溶媒がジメチルホルムアミドである1)記載の製造方法。
8)溶媒が酢酸エチル−水の混合溶媒である1)記載の製造方法。
9)触媒が、パラジウム黒、パラジウム炭素、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酸化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、および酢酸パラジウム(II)からなる群から選択されるものである1)記載の製造方法。
10)溶媒がジメチルホルムアミドであり、触媒がパラジウム炭素である1)記載の製造方法。
11)溶媒が酢酸エチル−水の混合溶媒であり、触媒が塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)である1)記載の製造方法。
12)溶媒が酢酸エチル−水の混合溶媒であり、触媒がテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である1)記載の製造方法。
13)アルコールがメタノールである2)記載の製造方法。
14)塩基性物質が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである2)記載の製造方法。
15)アルコールがメタノールであり、塩基性物質が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである2)記載の製造方法。
16)溶媒がアセトン−水の混合溶媒であり、塩基が炭酸ナトリウムである5)記載の製造方法。
17)(1)式:
Figure 0003983546
(式中、Xはハロゲン)
で表わされる化合物(III)を酢酸エチル−水の混合溶媒中、p−トリルアセチレン、ヨウ化銅もしくは臭化銅、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)もしくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、および塩基と反応させ、酸で処理した後、メタノールの存在下、水酸化ナトリウムもしくはナトリウムメトキシドで処理することを特徴とする、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(II’)の製造工程、および
(2)化合物(II’)を酸で処理する工程を包含する、式:
Figure 0003983546
で表わされる化合物(I)の製造方法。
18)式(II’’):
Figure 0003983546
(式中、BはNa、K、またはNH
で表わされる化合物。
19)粉末X線回折によるX線粉末回折パターンが、回折角度(2θ)=10.86、18.14、19.62、21.60、22.74、23.38、25.54、27.22、および28.12(度)に主ピークを有するNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶。
20)粉末X線回折によるX線粉末回折パターンが、回折角度(2θ)=7.28、11.18、15.20、16.58、18.24、21.20、22.46、25.66、および33.16(度)に主ピークを有するNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶。
21)X線回折によるX線粉末回折パターンが、回折角度(2θ)=6.62、10.46、16.58、16.82、23.28、および23.98(度)に主ピークを有するNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶。
本明細書中、「塩基性物質由来のカチオン」としては、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等の2価のカチオン、Na、K、NH 、Li、Rb、Cs等の1価のカチオンが例示される。1価のカチオンが好ましい。特にNaが好ましい。
本明細書中、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。
発明を実施するための最良の形態
出発原料のD−トリプトファン(IV)からNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファン(I)を工業的に製造するための方法を以下のスキームを示す。
Figure 0003983546
(式中、XおよびX’はそれぞれ独立してハロゲン、AはNa、K、NH 等のカチオン)
以下に各工程の詳細について説明する。
(第1工程)
本工程は、出発原料の化合物(IV)とハロゲンスルホニル化された化合物(V)をShotten−Baumann法を用いてカップリングさせる工程である。
水−アセトン混合溶媒、水−1,4−ジオキサン混合溶媒、水−テトラヒドロフラン混合溶媒、水−ジメトキシエタン混合溶媒、水−アセトニトリル混合溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、化合物(IV)と0.9〜2当量、好ましくは1.0当量〜1.2当量の化合物(V)を2当量〜10当量、好ましくは2当量〜3当量の塩基の存在下、−20℃〜30℃、好ましくは−5℃〜10℃で1〜20時間、好ましくは1時間〜3時間反応させ、通常行われる後処理を行うことにより化合物(III)を得ることができる。
溶媒としては、アセトン−水の混合溶媒が好ましい。混合比率としては、アセトン:水=5:1〜1:5が好ましい。さらに好ましくは2:1〜1:2が挙げられる。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸アンモニウム等の無機塩基や、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロビルエチルアミン等の第3アミン等が例示される。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等が好ましい。
(第2工程)
本工程は、薗頭反応を用いて化合物(III)とp−トリルアセチレンをカップリングさせる工程である。
酢酸エチル−水混合溶媒、酢酸イソプロピル−水混合溶媒、酢酸イソブチル−水混合溶媒、酢酸ノルマルブチル−水混合溶媒等の酢酸エステル−水混合溶媒、またはテトラヒドロフラン−水混合溶媒、1,4−ジオキサン−水混合溶媒、ジメトキシエタン−水混合溶媒、トルエン−水混合溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の溶媒中、0.001当量〜0.5当量、好ましくは0.005当量〜0.05当量の第一銅塩、1当量〜10当量、好ましくは2当量〜4当量の塩基、および0.001当量〜0.5当量、好ましくは0.002当量〜0.05当量の触媒の存在下、化合物(III)と0.8〜5当量、好ましくは1当量〜1.5当量のp−トリルアセチレンを30℃〜200℃、好ましくは50℃〜80℃で1時間〜30時間、好ましくは1.5時間〜5時間反応させ、通常行われる後処理を行うことにより化合物(I’)を得ることができる。また、後処理を行うことなく、反応液を以下の第3−A工程に付することもできる。
溶媒としては、酢酸エチル−水の混合溶媒が好ましい。混合比率としては、酢酸エチル:水=500:1〜1:1が好ましい。さらに好ましくは100:1〜100:10が挙げられる。
第一銅塩としては、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、硫化銅、セレン化銅、酢酸銅、シアン化銅、チオシアン化銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅が挙げられる。好ましくは、塩化銅、臭化銅およびヨウ化銅が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン、メチルジベンジルアミンなどの第3アミン等が例示される。トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
触媒としては、パラジウム黒、パラジウム炭素、塩化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)ビスベンゾニトリル、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)、硫化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、プロピオン酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム(II)、水酸化パラジウム(II)、シアン化パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化ビストリフェニルホスフインパラジウム(II)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が挙げられる。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)および塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)が好ましい。
パラジウム触媒としてパラジウム炭素を使用した場合は、溶媒としては特にジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ヘキサメチルホスホアミドが好ましい。
本工程で用いる反応は、工業的製法においては有用な酢酸エチル溶媒中にて実施できること、および系中に水を存在させることにより反応が加速することを見出した。
(第3工程)
第三工程は以下に示す第3−A工程または第3−B工程に記載の方法により化合物(II)を得る工程である。
化合物(II)は水および有機溶媒ともに溶解しにくい性質を有しているので、第2工程の酸処理後に有機層に存在するアセチレン化合物、パラジウム触媒等および水層に存在する銅塩、塩基等の不純物を容易に取り除くことができる。
(第3−A工程)
第2工程の反応完了後、反応液に酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルブチル等の酢酸エステル、またはジクロルメタン、メチルイソブチルケトン等の抽出溶媒、および塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、硝酸等の酸、および必要に応じて食塩水を加えて液性を酸性とし、化合物(III)の抽出液を得る。該抽出液を必要に応じて活性炭等で処理した後、アルコールおよび塩基性物質を加え液性をアルカリ性とする。必要に応じて種晶を加え、析出した化合物(II)の結晶を得る。
抽出溶媒としては酢酸エチルが好ましい。
酸としては塩酸が好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げれる。メタノールが好ましい。
塩基性物質としては水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、リチウムメトキシド、カリウムメトキシド、セシウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムエトキシド、セシウムエトキシド、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム等が挙げられる。水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドが好ましい。
(第3−B工程)
化合物(I’)を酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルブチル等の酢酸エステル等の有機溶媒に溶解し、必要に応じて活性炭等で処理した後、メタノールおよび塩基性物質を加え液性をアルカリ性とする。必要に応じて種晶を加え、析出した化合物(II)の結晶を得る。
溶媒としては酢酸エチルが好ましい。
塩基性物質としては水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、リチウムメトキシド、カリウムメトキシド、セシウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリウムエトキシド、セシウムエトキシド、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム等が挙げられる。水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドが好ましい。
(第4工程)
本工程は化合物(II)を酸処理することにより化合物(I)を得る工程である。
酢酸エチル−水混合溶媒、酢酸イソプロピル−水混合溶媒、酢酸イソブチル−水混合溶媒、酢酸ノルマルブチル−水混合溶媒等の酢酸エステル−水混合溶媒、またはジクロルメタン−水混合溶媒等の溶媒中、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、硝酸等の酸を加え、液性を酸性にし、通常行われる後処理を行うことにより、化合物(I)を得ることができる。必要に応じて種晶を加え、アセトン−水混合溶媒、アセトニトリル−水混合溶媒、メタノール−水混合溶媒、酢酸エチル、酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒、テトラヒドロフラン−水混合溶媒、ジメチルホルムアミド−水混合溶媒、ジメチルアセトアミド−水混合溶媒、ジメチルスルホキシド−水混合溶媒等の溶媒から結晶として化合物(I)を得ることができる。
溶媒としては、アセトン−水の混合溶媒が好ましい。混合比率としては、アセトン:水=2:1〜1:10が好ましい。さらに好ましくは1:1〜1:4が挙げられる。
19)に示すX線粉末回折パターンを実質的に示す、Nα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶(A型結晶)の製造方法。
化合物(I)をメタノールまたはアセトンに溶解し、0℃〜55℃、好ましくは30℃〜50℃に温度を調整する。該溶液に水、必要に応じて種晶を加え、1時間〜5時間、好ましくは1時間〜2時間攪拌し、温度を0℃〜55℃、好ましくは20℃〜30℃に調整した後、さらに1時間〜2時間攪拌する。析出した結晶を濾取および乾燥してA型結晶を得る。
上記の化合物(I)のメタノールまたはアセトン溶液を、種晶を含んでいてもよい水中に同様の方法で加えてもよい。
20)に示すX線粉末回折パターンを実質的に示す、Nα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの結晶(B型結晶)の製造方法。
化合物(I)をメタノールに溶解し、0℃〜30℃、好ましくは15℃〜25℃に温度を調整する。該溶液に水、必要に応じて種晶を加え、0℃〜30℃、好ましくは5℃〜20℃で0.1時間〜2時間、好ましくは0.1時間〜0.2時間攪拌する。得られた1水和物結晶を濾取し、減圧下、0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃で乾燥してB型結晶を得る。
21)に示すX線粉末回折パターンを実質的に示す、Nα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファン1水和物の結晶(C型結晶)の製造方法
化合物(I)をメタノールに溶解し、0℃〜30℃、好ましくは15℃〜25℃に温度を調整する。該溶液に水、必要に応じて種晶を加え、0℃〜30℃、好ましくは15℃〜25℃で0.1時間〜2時間、好ましくは0.1時間〜0.2時間攪拌する。得られた1水和物結晶を濾取し、大気圧下、0℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃で乾燥してC型結晶を得る。
化合物(I)をジメチルスルホキシドに溶解する。該溶液を0℃〜60℃、好ましくは25℃〜45℃で水中に加え、10℃〜60℃、好ましくは25℃〜45℃で0.1時間〜2時間、好ましくは0.1時間〜0.5時間攪拌する。攪拌する。この溶液を0℃〜40℃、好ましくは10℃〜30℃に調整し、0.1時間〜2時間、好ましくは0.1時間〜0.5時間攪拌する。析出した結晶を濾取し、大気圧下、0℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃で乾燥してC型結晶を得る。
(B型および/またはC型結晶からA型結晶への変換)
B型および/またはC型結晶をメタノール−水中あるいはアセトン−水中、0℃〜30℃、好ましくは20℃〜30℃で1時間〜8時間、好ましくは2時間〜4時間攪拌する、あるいは、30℃〜60℃、好ましくは40℃〜50℃で1時間〜8時間、好ましくは2時間〜4時間攪拌することことによりA型結晶へと変換することができる。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例中、以下の略号を使用する。
Me:メチル
NMM:N−メチルモルホリン
実施例
実施例1 化合物(III−1)の調製
Figure 0003983546
炭酸ナトリウム259gおよび化合物(IV)200g(0.98mol)を水1000mLとアセトン750mLの混合溶媒に懸濁し、4℃に冷却した。そこに化合物(V−1)264g(1.0mol)を加え、約4℃で2時間攪拌した。反応後、水2900mLと酢酸エチル1410mLを加えて水層に抽出し、酢酸エチルで洗浄した。その後、抽出水層に酢酸エチルと塩酸を加え、目的物を有機層に抽出した。pH酸性を確認後、有機層を食塩水で洗浄し、濃縮して化合物(III−1)の酢酸エチル溶液700mL(含量換算の収率約95%)を得た。
H−NMR(DMSO−d6,ppm)δ 2.90(dd,J=14.7,8.7Hz,1H,CH),3.11(dd,J=14.7,5.4Hz,1H,CH),3.97(q−like,J=8.7,5.4,Hz,1H,CH),6.95−7.39(m,7H,Ar−H),8.65(d,J=8.5Hz,1H,SO2NH),10.83(s,1H,ArNH),12.8(br s,1H,CO2H).
実施例2 化合物(II−1)の調製
Figure 0003983546
化合物(III−1)(化合物(IV)24mmol相当)の酢酸エチル濃縮液22.5mLに水2.5gを加え、そこにp−トリルアセチレン2.84g(0.024mol)、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)0.43g(0.6mmol)、ヨウ化銅0.23g(1.2mmol)、トリエチルアミン4.95g(0.048mol)を加えて約60℃に昇温後、約2時間攪拌した。反応後、食塩水41mL、酢酸エチル40mL、塩酸3.8gの混合液中に反応液を加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液を活性炭で処理後、メタノール13mLと水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて晶析し、ろ取乾燥して化合物(II−1)を9.4g(含量換算で8.6g)得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率74%。
H−NMR(DMSO−d6,ppm)δ 2.35(s,3H,CH3),3.09(dd,J=15.0,8.7Hz,1H,CH),3.16(dd,J=15.0,4.5Hz,1H,CH),3.50(q−like,J=8.7,4.5Hz,1H,CH),6.89−7.58(m,11H,Ar−H),10.69(s,1H,ArNH).
実施例3 化合物(II−1)の調製
Figure 0003983546
化合物(III−1)(化合物(IV)24.5mmol相当)の酢酸エチル濃縮液18.82g(水分0.96%)、p−トリルアセチレン2.84g(0.024mol)、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)0.17g(0.24mmol)、臭化銅0.07g(0.48mmol)、トリエチルアミン4.95g(0.048mol)を加えて約60℃に昇温後、約3時間攪拌した。途中、原料のp−トリルアセチレンを追加した。反応後、食塩水41mL、酢酸エチル40mL、塩酸3.8gの混合液中に反応液を加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液を活性炭で処理後、メタノール13mLと水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて晶析し、ろ取乾燥して化合物(II−1)を9.2g得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率72.5%。
実施例4 化合物(II−2)の調製
Figure 0003983546
化合物(III−1)(化合物(IV)24mmol相当)の酢酸エチル濃組液22.5mLに水2.5gを加え、そこにp−トリルアセチレン2.84g(0.024mol)、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)0.43g(0.6mmol)、ヨウ化銅0.23g(1.2mmol)、トリエチルアミン4.95g(0.048mol)を加えて約60℃に昇温後、約2時間攪拌した。反応後、食塩水41mL、酢酸エチル40mL、塩酸3.8gの混合液中に反応液を加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液を活性炭で処理後、メタノール13mLと水酸化カリウム水溶液を加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて晶析し、ろ取乾燥して化合物(II−2)を9.9g(含量換算で9.0g)得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率75%。
H−NMR(DMSO−d6,ppm)δ 2.35(s,3H,CH3),3.11(q−like,J=5.1,4.2Hz,2H,CH),3.51(dd,J=5.1,4.2Hz,1H,CH),6.89−7.58(m,11H,Ar−H),10.69(s,1H,ArNH).
実施例5 化合物(II−3)の調製
Figure 0003983546
化合物(III−1)(化合物(IV)24mmol相当)の酢酸エチル濃縮液22.5mLに水2.5gを加え、そこにp−トリルアセチレン2.84g(0.024mol)、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)0.43g(0.6mmol)、ヨウ化銅0.23g(1.2mmol)、トリエチルアミン4.95g(0.048mol)を加えて約60℃に昇温後、約2時間攪拌した。反応後、食塩水41mL、酢酸エチル40mL、塩酸3.8gの混合液中に反応液を加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液を活性炭で処理後、メタノール13mLとアンモニア水溶液を加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて晶析し、ろ取乾燥して化合物(II−3)を9.5g(含量換算で8.6g)得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率75%。
H−NMR(DMSO−d6,ppm)δ 2.35(s,3H,CH3),3.08(d,J=5.1Hz,2H,CH),3.50(t,J=5.1Hz,1H,CH),6.92−7.54(m,11H,Ar−H),10.70(s,1H,ArNH).
実施例6 化合物(II−1)の調製
Figure 0003983546
化合物(I’−1)を含む薗頭反応液(化合物(IV)12.9mmol相当)に、酢酸エチル28mL、水25mL、塩酸2gを加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液にメタノール5mLと20%水酸化ナトリウム水溶液5gを加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて室温で3時間攪拌、晶析し、結晶をろ取乾燥して化合物(II−1)を5.4g得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率72%。パラジウム含量24ppm。
実施例7 化合物(II−1)の調製
Figure 0003983546
化合物(I’−1)を含む薗頭反応液(化合物(IV)12.9mmol相当)に、酢酸エチル28mL、水25mL、塩酸2gを加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液にメタノール7mLと28%メチラート4.8gを加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて室温で3時間攪拌、晶析し、結晶をろ取乾燥して化合物(II−1)を4.7g得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率66%。パラジウム含量24ppm。
実施例8 化合物(II−1)の調製(パラジウム炭素法)
Figure 0003983546
化合物(III−1)216mg(純度約97%)、p−トリルアセチレン80mg(0.69mmol)、10%パラジウム(0)炭素15.1mg(0.03eq)、ヨウ化銅5mg(0.05eq)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.1mL、トリエチルアミン90mg(1.8eq)を加えて約60℃に昇温後、約2時間攪拌した。反応後、食塩水、酢酸エチル、塩酸の混合液中に反応液を加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液を活性炭で処理後、メタノール13mLと水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて晶析し、ろ取乾燥して化合物(II−1)を180mg得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率70%。
実施例9 化合物(I)の調製
Figure 0003983546
化合物(II−1)210g(純度91%、正味191g)に酢酸エチル2430mL、水1050mL、塩酸90gを加えて溶解し、pH酸性を確認後、有機層に抽出した。酢酸エチル溶媒を留去することにより化合物(I)182g(100%)得た。
実施例10 化合物(I)A型結晶の調製
化合物(I)16.1gをメタノールに溶解して380mLに調製した。45℃に温度調節後、水30mL、種晶0.01gを加え、さらに水120mLを加えて約1時間攪拌し、晶析した。室温に冷却してさらに約1時間攪拌した後、得られた結晶をろ取、乾燥して、化合物(I)のA型結晶15.8gを得た。工程収率98%であった。
粉末X線回折は以下の条件で測定した。すなわち、理学電機RAD−II C型粉末X線回折測定装置を用い、target Cu、tube voltage 40kV、tube current 40mA、graphitemonochrometer、slit DS=0.5°、RS=0.3mm、ss=1.0°、RS=0.6mm、scan speed 3°/min、detector scintilation counter、回転試料台使用、測定範囲:5〜40°、試料セル 小型微量試料用(Φ5mm)で測定した。
得られたA型結晶における粉末X線回折による回折パターンには、回折角度(2θ)=10.86、18.14、19.62、21.60、22.74、23.38、25.54、27.22、および28.12(度)に主ピークが存在した。得られた回折パターンを図1に示した。
実施例11 化合物(I)A型結晶の調製
化合物(I)170gをアセトンに溶解して1600mLに調製した。水1970mLに種晶を加え、40℃に温度調節後、アセトン溶液を滴下して晶析した。室温まで冷却し、得られた結晶をろ取乾燥して、化合物(I)のA型結晶163gを得た。工程収率96%であった。この結晶のX線回折パターンは実施例10に示す値と一致した。
実施例12 化合物(I)B型結晶の調製
化合物(I)16.1gをメタノールに溶解して380mLに液量調製後、室温中、水30mL、種晶0.01gを加え、さらに水120mLを加えて室温で約20分間攪拌し、晶析した。得られた1水和物結晶をろ取し、減圧下約50〜80℃で乾燥して、化合物(I)のA型結晶15.8gを得た。工程収率は98%であった。実施例10と同条件でX線回折を測定した。
得られたB型結晶における粉末X線回折による回折パターンには、回折角度(2θ)=7.28、11.18、15.20、16.58、18.24、21.20、22.46、25.66、および33.16(度)に主ピークが存在した。得られた回折パターンを図2に示した。
実施例13 化合物(I)C型結晶の調製
化合物(I)1gをジメチルスルホキシド(DMSO)2mLに溶解し、それを水20mL中に45℃で約2分間かけて滴下した。40〜45℃で30分間攪拌後、室温に冷却してさらに1時間攪拌した。ろ取、乾燥して化合物(I)の1水和物の結晶を0.99g得た。工程収率(含量換算)は95%であった。実施例10と同条件でX線回折を測定した。
得られたC型結晶における粉末X線回折による回折パターンには、回折角度(2θ)=6.62、10.46、16.58、16.82、23.28、および23.98(度)に主ピークが存在した。得られた回折パターンを図3に示した。
実施例14 化合物(I)C型結晶の調製
化合物(I)16.1gをメタノールに溶解して380mLに液量調製後、室温中、水30mL、種晶0.01gを加え、さらに水120mLを加えて室温で約20分間攪拌し、晶析した。得られた結晶をろ取し、大気圧下室温で乾燥して、化合物(I)の1水和物の結晶を16.4g得た。工程収率(含量換算)は98%であった。この結晶のX線回折パターンは実施例13に示す値と一致した。
実施例15 化合物(I)B型結晶またはC型結晶からA型結晶の調製
化合物(I)のB型結晶またはC型結晶を、メタノール水中、室温で4時間攪拌することで、B型結晶またはC型結晶がA型結晶に変換した。
実施例16 化合物(I)B型結晶またはC型結晶からA型結晶の調製
化合物(I)のB型結晶またはC型結晶を、メタノール中、40℃で1時間攪拌することで、B型結晶またはC型結晶がA型結晶に変換した。
参考例1 化合物(V−1)の調整
Figure 0003983546
クロルスルホン酸8ml(120mmol、ジクロロエタン30mlおよび五塩化リン20.8g(100mmol)の混合液を0℃に冷却した。その混合液に化合物(VI)16.3g(100mmol)を加え、約0℃で2時間攪拌した。その後、60℃に昇温して、更に1時間攪拌した。反応後、35℃に冷却し、水30ml、クロロホルム100mlの混合液に反応液を加え、有機層に抽出し、水で洗浄した。抽出液は30gまで濃縮し、ヘキサン30mlを加えて更に濃縮後、ヘキサン25ml、種晶を加えて冷却晶析し、ろ過乾燥して融点40−41℃の化合物(V−1)23gを得た(反応および抽出溶媒はジクロロメタンでも可)。収率87%。
参考例2
以下のスキームに従って化合物(I)を合成することができる。
Figure 0003983546
比較例1 実施例7との比較(メタノール無し)
Figure 0003983546
化合物(I’−1)を含む薗頭反応液(化合物(IV)12.9mmol相当)に、酢酸エチル28mL、水25mL、塩酸2gを加え、pH酸性を確認後、有機層に抽出し、食塩水で洗浄した。抽出液に4%水酸化ナトリウム水溶液25gを加え、pHアルカリ性を確認後、種晶を加えて室温で3時間攪拌、晶析し、結晶をろ取乾燥して化合物(II−1)を4.7g得た。化合物(IV)からの含量換算通算収率66%。パラジウム含量180ppm。
産業上の利用可能性
本発明に係るNα−[[2−[5−[[4−メチルフェニル]エチニル]チエニル]]スルホニル]−D−トリプトファンの製造方法およびその結晶は工業的製法および医薬製剤として有用であることを見出した。
【図面の簡単な説明】
図1 実施例9により得られたA型結晶の粉末X線測定結果である。
図2 実施例11により得られたB型結晶の粉末X線測定結果である。
図3 実施例12により得られたC型結晶の粉末X線測定結果である。

Claims (9)

  1. 式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I’)を溶媒中、アルコールの存在下、塩基性物質で処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    (Aは使用した塩基性物質由来のカチオン)
    で表わされる化合物(II)の製造方法。
  2. 式:
    Figure 0003983546
    (式中、Xはハロゲン)
    で表わされる化合物(III)を酢酸エチル−水の混合溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、触媒、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I’)の製造方法。
  3. 式:
    Figure 0003983546
    (式中、Xはハロゲン)
    で表わされる化合物(III)をジメチルホルムアミド溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、パラジウム炭素、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I’)の製造方法。
  4. 式:
    Figure 0003983546
    (式中、Xはハロゲン)
    で表わされる化合物(III)を酢酸エチル−水の混合溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I’)の製造方法。
  5. 式:
    Figure 0003983546
    (式中、Xはハロゲン)
    で表わされる化合物(III)を酢酸エチル−水の混合溶媒中、p−トリルアセチレン、第一銅塩、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、および塩基と反応させた後、酸で処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I’)の製造方法。
  6. アルコールがメタノールである請求項記載の製造方法。
  7. 塩基性物質が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである請求項記載の製造方法。
  8. アルコールがメタノールであり、塩基性物質が水酸化ナトリウムまたはナトリウムメトキシドである請求項記載の製造方法。
  9. (1)式:
    Figure 0003983546
    (式中、Xはハロゲン)
    で表わされる化合物(III)を酢酸エチル−水の混合溶媒中、p−トリルアセチレン、ヨウ化銅もしくは臭化銅、塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)もしくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、および塩基と反応させ、酸で処理した後、メタノールの存在下、水酸化ナトリウムもしくはナトリウムメトキシドで処理することを特徴とする、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(II’)の製造工程、および
    (2)化合物(II’)を酸で処理する工程を包含する、式:
    Figure 0003983546
    で表わされる化合物(I)の製造方法。
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