JPH1045656A - フルオレン誘導体の製造法 - Google Patents

フルオレン誘導体の製造法

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JPH1045656A
JPH1045656A JP8218004A JP21800496A JPH1045656A JP H1045656 A JPH1045656 A JP H1045656A JP 8218004 A JP8218004 A JP 8218004A JP 21800496 A JP21800496 A JP 21800496A JP H1045656 A JPH1045656 A JP H1045656A
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JP
Japan
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fluorene
bis
phenyl
hydroxyethoxy
water
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JP8218004A
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English (en)
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Toshiharu Uesawa
俊治 上澤
Yoshinori Kawamura
芳範 河村
Takashi Mori
隆司 森
Koichi Ohashi
紘一 大橋
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Taoka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Taoka Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、工業的な実施に好適であり、
且つ経済的に有利なフルオレン誘導体の製造方法、即
ち、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル)フルオレンを高品質、高収率で工業的に有利に
製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 【請求項1】 硫酸とチオールを触媒として用いてフル
オレノンとフェノキシエタノールとを反応させて9,9
−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フ
ルオレンを製造する方法において、反応溶媒として、以
下の条件(1)、(2)及び(3) (1)水と相溶し難い (2)硫酸と反応し難い (3)目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル)フルオレンが溶解し易いこと を同時に満たす有機溶剤を使用することを特徴とするフ
ルオレン誘導体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルオレン誘導体
の製造方法の改良に係り、詳しくは、フルオレノンとフ
ェノキシエタノールとを反応させて9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製
造する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル)フルオレンは、エポキシ樹脂、ポリ
エステル等の製造原料として有用な物質であり、従来技
術としては種々の方法が見出されているが、特開平7−
165657号によれば、硫酸とチオールを触媒として用い
て、フルオレノンとフェノキシエタノールとを反応させ
て9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル)フルオレンを得るフルオレン誘導品の製造方法が
工業的に最も好ましい方法として示されている。
【0003 】しかるに、これら従来の方法では高価なフ
ェノキシエタノールを反応溶媒を兼ねて多量に使用する
必要があり、一般にその回収工程が必要等、工業的製法
として充分とは言えない。また、触媒に用いる硫酸を目
的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンから完全に分離することが困
難であり、これらの改善が要請されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的な実施に好適であり、且つ経済的に有利なフルオレン
誘導体の製造方法、即ち、9,9−ビス(4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを高品質、高
収率で工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、硫酸とチオー
ルを触媒として用いてフルオレノンとフェノキシエタノ
ールとを反応させて9,9−ビス(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)フルオレンを製造する方法にお
いて、反応溶媒として、以下の条件(1)、(2)及び
(3) (1)水と相溶し難い (2)硫酸と反応し難い (3)目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル)フルオレンが溶解し易いこと を同時に満たす有機溶剤を使用することを特徴とするフ
ルオレン誘導体の製造法である。
【0005】更にまた、本発明は、前記した方法によっ
てフルオレノンとフェノキシエタノールとを反応させて
得られた反応液に、水と相溶し難い有機溶剤及び水を加
えて溶解、水洗し、水層と油層に分離し、油層から目的
とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル)フルオレンを回収することを特徴とするフル
オレン誘導体の製造法である。
【0006】本発明の好ましい実施態様としては、硫酸
とチオールを触媒として用いてフルオレノンとフェノキ
シエタノールとを反応させて9,9−ビス(4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造する
際の反応溶媒、すなわち、前記(1)、(2)及び
(3)を同時に満たす有機溶剤と前記フルオレンの回収
溶媒とを同一の有機溶剤で行うこともできる場合があ
り、この場合には有機溶剤の回収、後処理等において極
めて効率的に目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造すること
ができる。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においては、触媒である硫酸及びチオールの存在下
で、フルオレノンとフェノキシエタノールとを反応させ
る。この際の反応方式は、バッチ方式でも連続方式でも
よく、反応温度は、30〜150℃、好ましくは40〜
70℃とするのがよく、バッチ方式で反応させる場合の
反応時間は1〜10時間、好ましくは1〜7時間とする
のがよい。反応温度を低くすると反応速度が低下して反
応効率が悪くなる傾向があり、高くすると副生物が増加
し目的化合物の収率が低下する傾向がある。反応時間を
短くすると未反応のフルオレノンが残留し、目的化合物
の収率が低下する傾向があり、反応時間を長くすると副
生物が増加し、目的化合物の収率が低下する傾向があ
る。
【0008】本発明において触媒として用いる硫酸につ
いては、濃度75%以上のもの、好ましくは95%以上
のものが用いられ、使用量はフルオレノン1モルに対し
10〜500ml、好ましくは80〜300mlであ
る。ここで濃度が低い硫酸を用いたり、又、使用量を少
なくすると、触媒としての作用が低下する傾向があり、
使用量を必要以上に多くすると、触媒としての作用は向
上し、反応時間を短くすることが出来るが、副生物が増
加し、目的化合物の収率が低下するので工業的には好ま
しいものではない。
【0009】反応系への硫酸の添加方法については特に
限定はなく、使用量、反応条件等にもよるが、バッチ式
で反応させる場合、一般に、反応系を反応温度とする前
に反応温度よりも低い温度で、液状のもの全量を15分
〜2時間かけて滴下して添加するのが好ましい。
【0010】また、本発明において触媒として用いるチ
オールは、主に、触媒として作用する硫酸の助触媒とし
て作用するものと考えられ、具体的には、メルカプタ
ン、特に炭素数1〜10、好ましくは2〜4のメルカプ
タン、メルカプトカルボン酸、特に炭素数2〜11、好
ましくは2〜4のメルカプトカルボン酸等であり、例え
ば、エチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、1
−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、β−メルカプ
トプロピオン酸等を挙げることができる。その使用量
は、フルオレノン1モルに対し0.01〜100ml、
好ましくは0.1〜10mlである。ここで炭素数が大
きいチオールを用いると多大な反応時間を要する傾向が
あり、チオールの使用量を少なくすると触媒としての作
用が低下する傾向があり、使用量を必要以上に多くして
も触媒としての作用はそれほど向上しない。
【0011】本発明において原料として用いるフルオレ
ノン及びフェノキシエタノールについては特に限定はな
いが、反応効率及び精製の点から、双方とも高純度のも
のを用いるのが好ましい。例えば、コールタールから得
られるフルオレン又は脱アルキル法ベンゼン製造プロセ
スにおいて副生するフルオレンを液相空気酸化して得ら
れるフルオレノンを原料フルオレノンとして用いること
ができ、この場合、不純物としてアセナフテン、ジベン
ゾフラン、ビフェニル、メチルビフェニル等を含有する
ものであっても問題はないが、フルオレノン含有量が7
0重量%以上のもの、好ましくは90重量%以上のもの
として用いることが好ましい。
【0012】フルオレノンとフェノキシエタノールとの
使用割合については、フルオレノン1モルに対し、フェ
ノキシエタノールを2〜10倍モル、好ましくは2.1
〜5倍モル使用するのが好ましい。ここでフェノキシエ
タノールの使用割合を少なくすると副生物が増加し、目
的化合物の収率が低下する傾向があり、多くすると触媒
が薄められ、触媒の作用が低下し、多大な反応時間を要
する傾向がある。
【0013】本発明に用いられる反応溶媒、すなわち以
下の条件(1)、(2)及び(3) (1)水と相溶し難い (2)硫酸と反応し難い (3)目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル)フルオレンが溶解し易いこと を同時に満たす有機溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、ジクロロベンゼン等の低級アルキル基もしくはハロ
ゲン原子置換芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、ブチ
ルクロライド、ジクロロプロパン等の環状もしくは直鎖
状脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素等の脂肪
族炭化水素類から選ばれる有機溶剤が用いられる。本発
明の方法において、用いられる有機溶剤の添加量は反応
液中に含まれる原料フルオレノン骨格1モルに対して2
0〜300ml、好ましくは50〜200mlである。
【0014】本発明の特徴は、硫酸とチオールを触媒と
して用いてフルオレノンとフェノキシエタノールとを反
応させて9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンを製造する方法において、反
応溶剤として前記した特定の有機溶剤を使用することに
より目的とするフルオレンを工業的に有利に製造するこ
とであるが、本発明者らは、更に該反応により得られた
反応液に、水と相溶し難い有機溶剤及び水を加えて溶
解、水洗し、水層と油層に分離し、油層から目的とする
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)フルオレンを回収することにより、目的とする製品
から触媒として用いた硫酸の除去に好ましく、更に工業
的に有利な9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンの製造方法となることを見出
した。
【0015】本発明者らはまた、反応溶媒として用いた
前記(1)、(2)及び(3)の要件を同時に満たす有
機溶剤を、前記フルオレン回収の際の抽出溶媒、すなわ
ち、水と相溶し難い有機溶剤として使用することによ
り、一つの有機溶剤で反応と回収が可能となり、更に工
業的に有利な製造方法となることを見出した。
【0016】ここで、水と相溶し難い有機溶剤とは、目
的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンに相溶し易いが水と相溶し難
い有機溶剤(以下、単に水と相溶し難い有機溶剤とい
う)であり、具体的にはトルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン系溶剤、その他イソブチルアセテー
ト等が挙げられる。この水と相溶し難い有機溶剤の添加
量は、反応液中に含まれるフルオレノン骨格1モルに対
して500〜5000ml、好ましくは1000〜30
00mlである。
【0017】本発明において、フルオレノンとフェノキ
シエタノールとの反応終了後の反応液に水と相溶し難い
有機溶剤及び水を加えて溶解、洗浄する工程は、通常の
方法で行われる。すなわち、前記反応液に水と相溶し難
い有機溶剤及び水を添加し、必要に応じて攪拌下に、好
ましくは高められた温度、具体的には油層が均一になる
温度に加温し、攪拌することにより油層を洗浄する。
【0018】水と相溶し難い有機溶剤及び水の添加は、
同時でもよいし、何れか一方を後から添加してもよい。
通常は水の後添加が好ましい。ここで、添加する水の量
については、油層に対し1/10〜2倍量、好ましくは
1/8〜1倍量である。
【0019】かくして洗浄操作が完了する。次に該反応
混合液を静置し、油層と水層に分離させ、油層から目的
とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル)フルオレンを回収する。この回収方法につい
ては、油層を冷却し、目的とする9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを晶
析させて回収することができる。かくして、目的製品中
の残存硫酸を著しく低減させることができる。
【0020】更に、本発明者らは、油層より有機溶剤を
留去し、低級脂肪族アルコール又は低級脂肪族アルコー
ルと水を添加して溶解させた後、冷却して目的とする
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)フルオレンを晶析させて回収することにより、本発
明の目的とする高品質、高収率が容易に達成されること
を見出した。なお、析出した目的化合物は、必要に応じ
て濾過・乾燥等して製品とすることができる。
【0021】ここで用いる低級脂肪族アルコールとして
は、炭素数1〜5、好ましくは1〜3の脂肪族アルコー
ルであり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等を挙げることができ、大規模な実施にあたっては
工業的に安価に供給されるメタノールが好ましい。また
低級脂肪族アルコールの使用量は、反応液中に含まれる
フルオレン骨格1モルに対して500〜5000ml、
好ましくは1000〜3000mlである。低級脂肪族
アルコールの使用量が少ないと溶液が均一とならない傾
向があり、多いと容積効率が低くなり、工業的に好まし
くない傾向がある。目的化合物を析出させるために用い
る水の使用量については、反応液中に含まれるフルオレ
ン骨格1モルに対して0〜2000ml、好ましくは1
00〜1000mlである。
【0022】なお、回収した反応生成物〔9,9−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
ン〕を更に精製する場合の精製方法としては、溶媒とし
て低級脂肪族アルコール、芳香族化合物、ケトン化合
物、エステル化合物及びこれらの2種以上の混合物を用
いて再結晶する方法が挙げられる。これらの溶媒の具体
例としては、メタノール、エタノール、プロパノール等
の低級脂肪族アルコール、トルエン、キシレン等の芳香
族化合物、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン化合物、メチルアセテート、エ
チルアセテート、ブチルアセテート等のエステル化合物
等が挙げられる。この再結晶溶媒の使用量については、
回収した反応生成物に含まれるフルオレン骨格1モルに
対して、1000〜8000ml、好ましくは2000
〜6000mlとなる量を用いるとよい。
【0023】この再結晶精製方法の具体的な操作方法・
条件については特に限定はないが、得られた粗製品に溶
媒を加え、攪拌下加温して溶解させた後、熱濾過する。
これらの濾過工程において、通常の精製方法において用
いられる活性炭、活性白土、酸性白土、活性アルミナ、
ゼオライト、イオン交換樹脂等による処理を併用するこ
とができる。
【0024】目的物の取り出しは、得られた濾液を撹拌
しながら室温もしくは冷水で徐々に冷却しながら固体を
析出させ、次いで、得られた固形物を濾過し、乾燥させ
るのがよい。なお、本発明によれば、純度99.4%以
上、残存硫酸量150ppm 以下の目的とする〔9,9−
ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フル
オレン〕を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、工業的な実施に好適で
あり且つ経済的に有利な方法で、フルオレノンから9,
9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
フルオレンを高品質、高収率で製造することができる。
特に反応原料となるフェノキシエタノールの使用量を削
減し、反応を効率的に行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明の方法を更に詳
しく説明する。 実施例1 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた内容積1000
mlの4つ口フラスコに純度99.5重量%のフルオレ
ノン(フルオレンを液相空気酸化して得たもの)45g
(0.25mol)とフェノキシエタノール(四日市合
成株式会社製、PHE−G)87g(0.63mo
l)、β−メルカプトプロピオン酸0.2ml及びトル
エン43mlを仕込み、均一に溶解させてから95%硫
酸35mlを30分かけて滴下した後、反応温度を65
℃で3時間保温し、反応を続けて完結させた。
【0027】次いで、反応液に水90ml、トルエン4
50mlを加え、80〜85℃で30分間攪拌、水洗
後、30分間静置して、下層の水層を分離した。更に2
回同量の水を加えて水洗を繰り返し、硫酸を除去した。
反応液を室温まで冷却して結晶を析出させ、減圧濾過し
て、112gの粗結晶(9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを得た。
【0028】次いで、上記粗結晶をトルエン650ml
に攪拌下に80〜85℃に加熱溶解し、更に太閤活性炭
(二村化学工業株式会社製)2gを添加して30分間よ
く混合した後、熱濾過した。得られた濾液を室温まで徐
々に冷却して結晶を析出させ、濾過し、70℃で1日間
減圧乾燥した。得られた結晶(9,9−ビス(4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの純度は
99.3%、収量は74.0g、収率67.5%であっ
た。また、結晶中の残存硫酸は130ppm であった。
【0029】実施例2 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた内容積1000
mlの4つ口フラスコに純度99.5重量%のフルオレ
ノン(フルオレンを液相空気酸化して得たもの)45g
(0.25mol)とフェノキシエタノール(四日市合
成株式会社製、PHE−G)103g(0.75mo
l)、β−メルカプトプロピオン酸0.2ml及びシキ
ロヘキサン43mlを仕込み、均一に溶解させてから9
5%硫酸41mlを30分かけて滴下した後、反応温度
を65℃で1時間保温し、反応を続けて完結させた。
【0030】次いで、反応液に水90ml、メチルイソ
ブチルケトン400mlを加え、80〜85℃で30分
間攪拌、水洗後、30分間静置して、下層の水層を分離
した。更に2回同量の水を加えて水洗を繰り返し、硫酸
を除去した。反応液を室温まで冷却して結晶を析出さ
せ、減圧濾過して、120gの粗結晶(9,9−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
ンを得た。
【0031】次いで、上記粗結晶をメチルイソブチルケ
トン600mlに攪拌下に80〜85℃に加熱溶解し、
熱濾過した。得られた濾液を室温まで徐々に冷却して結
晶を析出させ、濾過し、70℃で1日間減圧乾燥した。
得られた結晶(9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル)フルオレンの純度は99.5%、収
量は74.3g、収率68%であった。また、結晶中の
残存硫酸は140ppm であった。
【0032】実施例3 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた内容積1000
mlの4つ口フラスコに純度99.5重量%のフルオレ
ノン(フルオレンを液相空気酸化して得たもの)45g
(0.25mol)とフェノキシエタノール(四日市合
成株式会社製、PHE−G)76g(0.55mo
l)、β−メルカプトプロピオン酸0.2ml及びジク
ロロプロパン24mlを仕込み、均一に溶解させてから
95%硫酸35mlを30分かけて滴下した後、反応温
度を65℃で3時間保温し、反応を続けて完結させた。
【0033】次いで、反応液に水90ml、キシレン4
50mlを加え、80〜85℃で30分間攪拌、水洗
後、30分間静置して、下層の水層を分離した。更に2
回同量の水を加えて水洗を繰り返し、硫酸を除去した。
反応液を室温まで冷却して結晶を析出させ、減圧濾過し
て、116gの粗結晶(9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを得た。
【0034】次いで、上記粗結晶をキシレン330ml
及びアセトン85mlからなる混合溶媒に攪拌下に80
〜85℃に加熱溶解し、熱濾過した。得られた濾液を室
温まで徐々に冷却して結晶を析出させ、濾過し、70℃
で1日間減圧乾燥した。得られた結晶(9,9−ビス
(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
ンの純度は99.6%、収量は74.5g、収率68.
2%であった。また、結晶中の残存硫酸は140ppm で
あった。
【0035】比較例1 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた内容積1000
mlの容器に純度99.5重量%のフルオレノン(フル
オレンを液相空気酸化して得たもの)45g(0.25
mol)とフェノキシエタノール(四日市合成株式会社
製、PHE−G)103g(0.75mol)を仕込
み、β−メルカプトプロピオン酸0.2ml及びn−ブ
タノール43mlを加えて、95%の硫酸41mlを3
0分かけて滴下した後、反応温度を65℃に保ち、9時
間反応を続けたが、未反応フルオレノンが多量に残存
し、反応は完結しなかった。
【0036】比較例2 比較例1のn−ブタノールに代え、アセトンを用いて、
比較例1と同様にして反応させた。しかし、9時間反応
後も未反応フルオレノンが多量に残存し、反応は完結し
なかった。
【0037】比較例3 攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた内容積1000
mlの容器に純度99.5重量%のフルオレノン(フル
オレンを液相空気酸化して得たもの)45g(0.25
mol)とフェノキシエタノール(四日市合成株式会社
製、PHE−G)76g(0.55mol)を仕込み、
β−メルカプトプロピオン酸0.2mlを加えて、95
%の硫酸41mlを30分かけて滴下した。次いで反応
温度を65℃で保温に入ったのち、約10分後に粘度が
急上昇し、攪拌不能となった。また、反応物中には未反
応フルオレノンが多量に残存し、反応は完結しなかっ
た。
【0038】なお、本明細書中において、収率は以下の
式により表される値である。 収率(%)=〔9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル)フルオレンのモル数〕÷〔原料中の
フルオレノンのモル数〕×100 また、残存硫酸量については、資料中のS分を電量滴定
法によって求め、硫酸として換算した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 紘一 大阪市淀川区西三国4丁目2番11号 田岡 化学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸とチオールを触媒として用いてフル
    オレノンとフェノキシエタノールとを反応させて9,9
    −ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フ
    ルオレンを製造する方法において、反応溶媒として、以
    下の条件(1)、(2)及び(3) (1)水と相溶し難い (2)硫酸と反応し難い (3)目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
    エトキシ)フェニル)フルオレンが溶解し易いこと を同時に満たす有機溶剤を使用することを特徴とするフ
    ルオレン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 以下の条件(1)、(2)及び(3) (1)水と相溶し難い (2)硫酸と反応し難い (3)目的とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
    エトキシ)フェニル)フルオレンが溶解し易いこと を同時に満たす有機溶剤が、芳香族炭化水素類及び脂肪
    族炭化水素類から選ばれる請求項1に記載のフルオレン
    誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】 硫酸とチオールを触媒として用いてフル
    オレノンとフェノキシエタノールとを反応させて得られ
    た反応液に、水と相溶し難い有機溶剤及び水を加えて溶
    解、水洗し、水層と油層に分離し、油層から目的とする
    9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
    ル)フルオレンを回収することを特徴とする請求項1又
    は請求項2のいずれかに記載のフルオレン誘導体の製造
    法。
  4. 【請求項4】 水と相溶し難い有機溶剤が、芳香族炭化
    水素系溶剤及び脂肪族ケトン類から選ばれる請求項3に
    記載のフルオレン誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】 油層を冷却し、目的とする9,9−ビス
    (4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレ
    ンを晶析させて回収することを特徴とする請求項3又は
    請求項4のいずれかに記載のフルオレン誘導体の製造
    法。
  6. 【請求項6】 油層より有機溶剤を留去し、低級脂肪族
    アルコール又は低級脂肪族アルコールと水を添加して溶
    解させた後、冷却して目的とする9,9−ビス(4−
    (2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを晶
    析させて回収することを特徴とする請求項3〜請求項5
    のいずれかに記載のフルオレン誘導体の製造方法。
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