JPH06321836A - 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法 - Google Patents
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法Info
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- JPH06321836A JPH06321836A JP11323293A JP11323293A JPH06321836A JP H06321836 A JPH06321836 A JP H06321836A JP 11323293 A JP11323293 A JP 11323293A JP 11323293 A JP11323293 A JP 11323293A JP H06321836 A JPH06321836 A JP H06321836A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを80%以上の回収率で純度99.8%以上
に精製する。 【構成】 粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを室温で酢酸エステル類に完全に溶解させ、
そこにヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤を添加して結
晶を析出させる精製方法である。析出した結晶について
は、濾別した後、必要により上記操作を繰り返し、最終
的には100〜150℃で乾燥させて製品とする。 【効果】 従来の方法に比べて簡易な手段により、粗
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
精製を容易にかつ高回収率で行うことができ、工業的に
極めて有利である。
フルオレンを80%以上の回収率で純度99.8%以上
に精製する。 【構成】 粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを室温で酢酸エステル類に完全に溶解させ、
そこにヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤を添加して結
晶を析出させる精製方法である。析出した結晶について
は、濾別した後、必要により上記操作を繰り返し、最終
的には100〜150℃で乾燥させて製品とする。 【効果】 従来の方法に比べて簡易な手段により、粗
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
精製を容易にかつ高回収率で行うことができ、工業的に
極めて有利である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性ポリエステル等
の原料として有用な9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンの精製方法に関するものである。
の原料として有用な9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンの精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノールとフルオレンを反応させて
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
合成する方法として、金属塩化物−塩化水素を触媒とし
て使用する方法が知られている〔例えば、P. Morgan, M
acromolecules, 3, 536(1970);米国特許第 4,467,122号
明細書〕。他に、チェンらは、金属塩化物に代えてメル
カプトプロピオン酸−塩化水素を触媒として用い、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを合成
したことを報告している〔J. Appl. Polym. Sci., 27
(9), 3289(1982) 〕。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
合成する方法として、金属塩化物−塩化水素を触媒とし
て使用する方法が知られている〔例えば、P. Morgan, M
acromolecules, 3, 536(1970);米国特許第 4,467,122号
明細書〕。他に、チェンらは、金属塩化物に代えてメル
カプトプロピオン酸−塩化水素を触媒として用い、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを合成
したことを報告している〔J. Appl. Polym. Sci., 27
(9), 3289(1982) 〕。
【0003】また、特開平3−28222号公報には、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
用いたポリエステル合成において、純度99.8%以上
のポリマーを使用しなければ、充分な破断点伸びを示す
ポリエステルが得られないことが記載されている。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
用いたポリエステル合成において、純度99.8%以上
のポリマーを使用しなければ、充分な破断点伸びを示す
ポリエステルが得られないことが記載されている。
【0004】ところで、種々の方法によって得られた
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
精製方法として、粗原料をメタノールに溶解させた後、
水を添加し析出させる方法(米国特許第 4,049,721号明
細書)や、アセトン等と錯体を形成させ精製させる方法
(特開昭 62-52,324号公報)が知られている。前者は、
脱色が主目的であってその純度については不明なうえ、
回収率も60%程度である。また、後者は、本発明者ら
追試によれば後述の比較例1に示すように、その操作だ
けでは純度が99.8%以上にならないうえ、回収率も
69.1%であり、従って純度を99.8%以上にする
ためには更にもう一段階以上別の溶媒で再結晶化するこ
とが必要になり、そのために回収率が50%未満になっ
てしまう。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
精製方法として、粗原料をメタノールに溶解させた後、
水を添加し析出させる方法(米国特許第 4,049,721号明
細書)や、アセトン等と錯体を形成させ精製させる方法
(特開昭 62-52,324号公報)が知られている。前者は、
脱色が主目的であってその純度については不明なうえ、
回収率も60%程度である。また、後者は、本発明者ら
追試によれば後述の比較例1に示すように、その操作だ
けでは純度が99.8%以上にならないうえ、回収率も
69.1%であり、従って純度を99.8%以上にする
ためには更にもう一段階以上別の溶媒で再結晶化するこ
とが必要になり、そのために回収率が50%未満になっ
てしまう。
【0005】また、前記特開平3−28222号公報に
は、ジクロロエタンを用いた再結晶による精製法の記載
があるが、本発明者らが追試したところ、純度99.8
%以上にまで精製するとその時の回収率は比較例2に示
すように75.6%になって不十分であるほか、ジクロ
ロエタンはハロゲン系の溶媒であるために分解して有害
物質に変化し、地球環境汚染の点においても非常に問題
である。また、工業化する場合においても、再結晶であ
るためにジクロロエタンの沸点まで加温する必要があ
り、操作が煩雑であるほか、パッキン等に特殊なものを
使用しなければならないという問題がある。
は、ジクロロエタンを用いた再結晶による精製法の記載
があるが、本発明者らが追試したところ、純度99.8
%以上にまで精製するとその時の回収率は比較例2に示
すように75.6%になって不十分であるほか、ジクロ
ロエタンはハロゲン系の溶媒であるために分解して有害
物質に変化し、地球環境汚染の点においても非常に問題
である。また、工業化する場合においても、再結晶であ
るためにジクロロエタンの沸点まで加温する必要があ
り、操作が煩雑であるほか、パッキン等に特殊なものを
使用しなければならないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、目的物として純度99.8%以上の9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを得るため、公
知の方法で合成して得られた粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレンを簡単な方法でしかも高い
回収率で精製する方法について鋭意検討した結果、本発
明を完成した。従って、本発明の目的は、これまで知ら
れていた方法により9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンを合成し、その精製過程を改善し、簡
易な操作で収率と回収率の向上を図り、高純度の目的物
質である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンを得ることにある。
は、目的物として純度99.8%以上の9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを得るため、公
知の方法で合成して得られた粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレンを簡単な方法でしかも高い
回収率で精製する方法について鋭意検討した結果、本発
明を完成した。従って、本発明の目的は、これまで知ら
れていた方法により9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンを合成し、その精製過程を改善し、簡
易な操作で収率と回収率の向上を図り、高純度の目的物
質である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、粗
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
酢酸エステル類に溶解させた後、これに脂肪族炭化水素
系溶剤を添加して9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの結晶を析出させる9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法である。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
酢酸エステル類に溶解させた後、これに脂肪族炭化水素
系溶剤を添加して9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの結晶を析出させる9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法である。
【0008】本発明は、公知の方法により合成して得ら
れた反応生成物である粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンを原料とし、反応後にこの反応生
成物に含まれる副生成物の9,9−ビス(2,4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン(式I)や1つのフェノー
ル環を共用する2量体(式II)
れた反応生成物である粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンを原料とし、反応後にこの反応生
成物に含まれる副生成物の9,9−ビス(2,4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン(式I)や1つのフェノー
ル環を共用する2量体(式II)
【0009】
【化1】 を除くために、原料の粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンを酢酸エステル類に一旦溶解さ
せ、更にヘキサン等の脂肪族炭化系溶剤を添加して結晶
を析出させるものであり、この方法を繰り返すことによ
り、容易に純度99.8%以上の9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンを回収率80%以上で得
ることができる。
フェニル)フルオレンを酢酸エステル類に一旦溶解さ
せ、更にヘキサン等の脂肪族炭化系溶剤を添加して結晶
を析出させるものであり、この方法を繰り返すことによ
り、容易に純度99.8%以上の9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンを回収率80%以上で得
ることができる。
【0010】本発明を実施するには、先ず、例えば触媒
として塩化水素及びメルカプトプロピオン酸を用い、フ
ルオレンとフェノールにより9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレンを合成する。次いで、この反
応により得られた反応混合物の中には、目的物の9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのほか、
未反応のフェノールや、触媒の塩化水素及びメルカプト
プロピオン酸等が存在しているので、最初に減圧蒸留や
トルエン等の溶剤を用いて、未反応のフェノールや触媒
のβ−メルカプトプロピオン酸を除去する。
として塩化水素及びメルカプトプロピオン酸を用い、フ
ルオレンとフェノールにより9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレンを合成する。次いで、この反
応により得られた反応混合物の中には、目的物の9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのほか、
未反応のフェノールや、触媒の塩化水素及びメルカプト
プロピオン酸等が存在しているので、最初に減圧蒸留や
トルエン等の溶剤を用いて、未反応のフェノールや触媒
のβ−メルカプトプロピオン酸を除去する。
【0011】このようにして得られた反応生成物中に
は、この段階で上記式Iや式IIの副生成物等の不純物が
3〜5%の割合で含まれるため、引続き以下のようにし
て精製する。先ず、反応生成物を室温下で酢酸エステル
類に完全に溶解させ、この溶液を攪拌機で攪拌しなが
ら、そこにヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤を徐々に
滴下し、結晶を析出させる。
は、この段階で上記式Iや式IIの副生成物等の不純物が
3〜5%の割合で含まれるため、引続き以下のようにし
て精製する。先ず、反応生成物を室温下で酢酸エステル
類に完全に溶解させ、この溶液を攪拌機で攪拌しなが
ら、そこにヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤を徐々に
滴下し、結晶を析出させる。
【0012】ここで、溶剤として酢酸エステル類を用い
る理由は、目的物の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンや上記式Iや式IIの副生成物に対する
溶解度が高く、溶剤が少量でも比較的大量の粗原料を溶
解でき、回収率が高くなる上、工業化において釜効率に
優れているからである。このような酢酸エステル類とし
ては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等やこれら
の混合溶剤を使用することができ、好ましくは酢酸エチ
ルである。また、使用する脂肪族炭化系溶剤としては、
石油エーテル、ヘキサンヘプタン、石油ベンジン等やこ
れらの混合溶剤を挙げることができる。
る理由は、目的物の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンや上記式Iや式IIの副生成物に対する
溶解度が高く、溶剤が少量でも比較的大量の粗原料を溶
解でき、回収率が高くなる上、工業化において釜効率に
優れているからである。このような酢酸エステル類とし
ては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等やこれら
の混合溶剤を使用することができ、好ましくは酢酸エチ
ルである。また、使用する脂肪族炭化系溶剤としては、
石油エーテル、ヘキサンヘプタン、石油ベンジン等やこ
れらの混合溶剤を挙げることができる。
【0013】脂肪族炭化水素系溶剤を滴下完了後、更に
必要により30〜120分間程度攪拌を継続し、完全に
結晶を析出させる。析出した結晶を濾別した後、必要に
より再び酢酸エステル類に溶解し、再度上記操作を繰り
返す。この操作を適宜回数繰り返すことにより、目的と
する高純度の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを得ることができる。
必要により30〜120分間程度攪拌を継続し、完全に
結晶を析出させる。析出した結晶を濾別した後、必要に
より再び酢酸エステル類に溶解し、再度上記操作を繰り
返す。この操作を適宜回数繰り返すことにより、目的と
する高純度の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレンを得ることができる。
【0014】最終的には濾別した後、100〜150℃
で乾燥させて製品とする。この精製工程において、その
純度の分析は、好ましくは液体クロマトグラフィーによ
り行うのがよい。
で乾燥させて製品とする。この精製工程において、その
純度の分析は、好ましくは液体クロマトグラフィーによ
り行うのがよい。
【0015】
【作用】本発明の方法は、ヘキサン等の脂肪族炭化水素
系溶剤に対する目的物の9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンと副生成物である9,9−ビス
(2,4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(式I)や
1つのフェノール環を共用する2量体(式II)等との
間の溶解度の差を利用したものである。目的物の9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに出発原
料や式Iや式IIの副生成物が混在していると、最終製品
であるポリマーの重合度低下や、ワニスへの着色の原因
となるが、本発明方法により95〜97%程度の純度で
ある粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンを容易に純度99.8%以上の純度に精製でき、し
かも、その時の回収率をこれまでの60%程度から80
%以上に改善できる。
系溶剤に対する目的物の9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンと副生成物である9,9−ビス
(2,4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(式I)や
1つのフェノール環を共用する2量体(式II)等との
間の溶解度の差を利用したものである。目的物の9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンに出発原
料や式Iや式IIの副生成物が混在していると、最終製品
であるポリマーの重合度低下や、ワニスへの着色の原因
となるが、本発明方法により95〜97%程度の純度で
ある粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンを容易に純度99.8%以上の純度に精製でき、し
かも、その時の回収率をこれまでの60%程度から80
%以上に改善できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
の内容をより詳細に説明する。
の内容をより詳細に説明する。
【0017】実施例1 原料として純度96.4%の粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これを室
温で30分かけて酢酸エチル40g中に完全に溶解し
た。次いで、このようにして得られた溶液中に30分か
けてヘキサン100mlを添加し、結晶を析出させた。
このヘキサン滴下終了後、更に1時間攪拌を継続した。
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これを室
温で30分かけて酢酸エチル40g中に完全に溶解し
た。次いで、このようにして得られた溶液中に30分か
けてヘキサン100mlを添加し、結晶を析出させた。
このヘキサン滴下終了後、更に1時間攪拌を継続した。
【0018】攪拌終了後、析出した結晶を濾別し、得ら
れた結晶を再び40gの酢酸エチル中に溶解した。この
溶液を室温で30分間攪拌した後、溶液中にヘキサン1
00mlを滴下し、滴下終了後更に1時間攪拌を継続し
た。析出した結晶を濾別した後、120℃で乾燥し、得
られた結晶品の純度を液体クロマトグラフィー(カラ
ム:Nucleosol 50-5、移動層:ヘキサン13/酢酸エチ
ル3/メタノール1)で測定した。結果は結晶の純度:
99.82%及び回収率:83.3%であった。
れた結晶を再び40gの酢酸エチル中に溶解した。この
溶液を室温で30分間攪拌した後、溶液中にヘキサン1
00mlを滴下し、滴下終了後更に1時間攪拌を継続し
た。析出した結晶を濾別した後、120℃で乾燥し、得
られた結晶品の純度を液体クロマトグラフィー(カラ
ム:Nucleosol 50-5、移動層:ヘキサン13/酢酸エチ
ル3/メタノール1)で測定した。結果は結晶の純度:
99.82%及び回収率:83.3%であった。
【0019】実施例2 原料として純度96.4%の粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、室温で3
0分かけて酢酸ブチル40g中に完全に溶解した。次い
で、このようにして得られた溶液中に30分かけて石油
エーテル100mlを添加し、結晶を析出させた。この
石油エーテル滴下終了後、更に1時間攪拌を継続した。
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、室温で3
0分かけて酢酸ブチル40g中に完全に溶解した。次い
で、このようにして得られた溶液中に30分かけて石油
エーテル100mlを添加し、結晶を析出させた。この
石油エーテル滴下終了後、更に1時間攪拌を継続した。
【0020】析出した結晶を濾別した後、得られた結晶
を再び40gの酢酸エチル中に溶解した。この溶液を3
0分攪拌した後、ヘキサン100mlを滴下し、滴下終
了後更に1時間攪拌を継続した。析出した結晶を濾別し
た後、120℃で乾燥し、実施例1と同様に得られた結
晶品の純度を液体クロマトグラフィーで測定した。結果
は、結晶の純度:99.81%及び回収率:80.5%
であった。
を再び40gの酢酸エチル中に溶解した。この溶液を3
0分攪拌した後、ヘキサン100mlを滴下し、滴下終
了後更に1時間攪拌を継続した。析出した結晶を濾別し
た後、120℃で乾燥し、実施例1と同様に得られた結
晶品の純度を液体クロマトグラフィーで測定した。結果
は、結晶の純度:99.81%及び回収率:80.5%
であった。
【0021】比較例1 原料として純度96.4%の粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これをア
セトン40gに加熱溶解させた。その後、室温で放置
し、析出した結晶を濾別し、得られた結晶を100℃で
乾燥させ、実施例1と同様に液体クロマトグラフィーで
その純度を測定した。結果は、結晶の純度:98.82
%及び回収率:69.1%であった。
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これをア
セトン40gに加熱溶解させた。その後、室温で放置
し、析出した結晶を濾別し、得られた結晶を100℃で
乾燥させ、実施例1と同様に液体クロマトグラフィーで
その純度を測定した。結果は、結晶の純度:98.82
%及び回収率:69.1%であった。
【0022】比較例2 原料として純度96.4%の粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これをジ
クロロエタン70gに加熱溶解させた。30分間加熱還
流した後、室温で放置し、析出した結晶を濾別した。得
られた結晶を150℃で乾燥させ、実施例1と同様に液
体クロマトグラフィーでその純度を測定した。結果は、
結晶の純度:99.81%及び回収率:75.6%であ
った。
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、これをジ
クロロエタン70gに加熱溶解させた。30分間加熱還
流した後、室温で放置し、析出した結晶を濾別した。得
られた結晶を150℃で乾燥させ、実施例1と同様に液
体クロマトグラフィーでその純度を測定した。結果は、
結晶の純度:99.81%及び回収率:75.6%であ
った。
【0023】比較例3 原料として純度96.4%の粗9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、一般の再
結晶法のように、酢酸エチルとヘキサン1:2の混合溶
液340mlに加熱下に溶解させた。その後、30分間
加熱還流した後、室温で放置し、析出した結晶を濾別し
た。得られた結晶を150℃で乾燥させ、実施例1と同
様に液体クロマトグラフィーでその純度を測定した。結
果は、結晶の純度:99.80%及び回収率:33.6
%であった。
ロキシフェニル)フルオレン20gを使用し、一般の再
結晶法のように、酢酸エチルとヘキサン1:2の混合溶
液340mlに加熱下に溶解させた。その後、30分間
加熱還流した後、室温で放置し、析出した結晶を濾別し
た。得られた結晶を150℃で乾燥させ、実施例1と同
様に液体クロマトグラフィーでその純度を測定した。結
果は、結晶の純度:99.80%及び回収率:33.6
%であった。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来の方法に比べ
て簡易な手段により、粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンの精製を容易にかつ高回収率で行
うことができ、工業的に極めて有利である。本発明の方
法で精製された9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンは、その純度が極めて高いので、耐熱性
を要求される高分子用のモノマーあるいは中間体として
広範に用いることができ、特にポリエステル、ポリカー
ボネート、エポキシ樹脂、ヒドロキシアクリレート等の
原料として有用である。従って、本発明の方法によれ
ば、このように有用な原料を高純度で安価にかつ安定し
て供給できることになり、産業上極めて有意義である。
て簡易な手段により、粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンの精製を容易にかつ高回収率で行
うことができ、工業的に極めて有利である。本発明の方
法で精製された9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンは、その純度が極めて高いので、耐熱性
を要求される高分子用のモノマーあるいは中間体として
広範に用いることができ、特にポリエステル、ポリカー
ボネート、エポキシ樹脂、ヒドロキシアクリレート等の
原料として有用である。従って、本発明の方法によれ
ば、このように有用な原料を高純度で安価にかつ安定し
て供給できることになり、産業上極めて有意義である。
Claims (1)
- 【請求項1】 粗9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを酢酸エステル類に溶解させた後、これ
に脂肪族炭化水素系溶剤を添加して9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの結晶を析出させるこ
とを特徴とする9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11323293A JPH06321836A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11323293A JPH06321836A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06321836A true JPH06321836A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=14606919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11323293A Withdrawn JPH06321836A (ja) | 1993-05-14 | 1993-05-14 | 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06321836A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248176A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-11-04 | Honshu Chem Ind Co Ltd | 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法 |
KR20150101932A (ko) * | 2014-02-27 | 2015-09-04 | 신닛테츠 수미킨 가가쿠 가부시키가이샤 | 플루오렌 골격 함유 에폭시 수지의 제조 방법, 에폭시 수지 조성물, 및 경화물 |
JP2015178592A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-10-08 | 新日鉄住金化学株式会社 | フルオレン骨格含有エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物、及び硬化物 |
CN116332730A (zh) * | 2023-03-17 | 2023-06-27 | 三峡大学 | 一种电子级芴类化合物精制纯化方法 |
-
1993
- 1993-05-14 JP JP11323293A patent/JPH06321836A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248176A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-11-04 | Honshu Chem Ind Co Ltd | 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法 |
KR20150101932A (ko) * | 2014-02-27 | 2015-09-04 | 신닛테츠 수미킨 가가쿠 가부시키가이샤 | 플루오렌 골격 함유 에폭시 수지의 제조 방법, 에폭시 수지 조성물, 및 경화물 |
JP2015178592A (ja) * | 2014-02-27 | 2015-10-08 | 新日鉄住金化学株式会社 | フルオレン骨格含有エポキシ樹脂の製造方法、エポキシ樹脂組成物、及び硬化物 |
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