JP3735902B2 - 新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 - Google Patents
新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3735902B2 JP3735902B2 JP23655895A JP23655895A JP3735902B2 JP 3735902 B2 JP3735902 B2 JP 3735902B2 JP 23655895 A JP23655895 A JP 23655895A JP 23655895 A JP23655895 A JP 23655895A JP 3735902 B2 JP3735902 B2 JP 3735902B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- ruthenium
- triphenylphosphine
- producing
- dicarboxylic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 *C1=C(*)C2C(C3)C4C=CCC4C3C12 Chemical compound *C1=C(*)C2C(C3)C4C=CCC4C3C12 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は式〔1〕
【0002】
【化4】
【0003】
(R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表す。)
で表される新規なノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸ジエステルであるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレート及びその製造方法に関する。ノルボナン骨格を有するジカルボン酸ジエステルは、一般にエポキシ系熱硬化剤、ポリエステル樹脂等の樹脂分野の中間原料として有用な化合物である。
【0004】
【従来の技術】
従来ノルボルナン骨格を有するポリエステルはガラス転移温度が高く、寸法安定性が優れており写真用フィルムのベース等に用いられている(米国防衛特許第896033号)。
これまでのノルボルナン骨格を有する多環式化合物の合成には、多くの場合多工程を要し、製造コスト面で不利を強いられていた。
【0005】
一方、ノルボルネル誘導体とジメチレンアセチレンジカルボキシレートからルテニウム触媒を用いてそれらの〔2+2〕クロス付加体を合成する方法は知られている(ジヤーナル オブ オーガニック ケミストリー 44巻 25号 4492〜4496頁(1979年)。しかし、実用的に安価で大量に入手可能なジシクロペンタジエンを原料にした検討はなされていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
工業的に経済的価値が高いジシクロペンタジエンを原料として、その骨格の特異性を生かした諸物性の改良されたポリエステルの原料モノマーとなる新規なノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、式〔1〕
【0008】
【化5】
【0009】
(R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表す。)
で表されるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートに関する。また、本発明は、式〔2〕
【0010】
【化6】
【0011】
(R1、R2は上記と同じ)
で表されるジアルキルアセチレンジカルボキシレートとジシクロペンタジエンを触媒として周期律表第8族金属を用い付加反応させることを特徴とする上記式〔1〕で表されるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレート(以下DADEと略す。)の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明化合物の製造方法につて述べる。
出発原料のジシクロペンタジエンは、工業的に流通している純度の製品をそのまま使用することができる。
【0013】
もう一方の原料であるジアルキルアセチレンジカルボキシレートは種々の誘導体が使用できる。例えば、具体的には、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボキシレート、ジプロピルアセチレンジカルボキシレート、ジブチルアセチレンジカルボキシレート、ジペンチルアセチレンジカルボキシレート、ジヘキシルアセチレンジカルボキシレート、ジシクロペンチルアセチレンジカルボキシレート及びジシクロヘキシルアセチレンジカルボキシレート等が挙げられる。
【0014】
触媒として用いる周期律表第8族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、鉄、ニッケル及びコバルト等である。特に好ましいのはルテニウムである。触媒の形態としては、金属錯体、金属塩、金属単身、担持金属及び金属酸化物等が使用できる。
【0015】
金属錯体としては、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロビスベンゾニトリル金属、トリス(アセチルアセトナト)金属、ジクロロシクロジエン金属、ホルマトジカルボニル金属、ドデカカルボニル三金属、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)金属及びテトラキストリフェニルホスフィン金属等が使用できる。
【0016】
金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸塩が挙げられる。
担持金属としては、炭素、アルミナ及び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。
【0017】
更に、具体的にはジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ジクロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ホルマトジカルボニルルテニウム及びドデカカルボニル三ルテニウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、塩化ルテニウム、ルテニウム/活性炭、パラジウム/活性炭、ルテニウム黒及び酸化ルテニウム等が挙げられる。
【0018】
これらの中で特に好ましいものは、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム等である。
【0019】
その使用量は、原料のジシクロロペンタジエンに対し、0.1〜30モル%、特には,0.5〜20モル%が好ましい。
本反応では溶媒を使用しなくとも、反応は進行するが、通常使用する事が好ましい。溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びキュメン等の芳香族炭化水素類及びテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が特に好ましいが、他の溶媒例えばヘキサンやヘプタン等の脂肪族炭化水素類でも進行する。
【0020】
その使用量は、ジシクロペンタジエンに対し1〜20重量倍、特には2〜10重量倍が経済的に好ましい。
また、本反応の原料であるジシクロペンタジエンやジアルキルアセチレンジカルボキシレートの反応中の重合を抑制するために重合禁止剤を添加することもできる。
【0021】
重合禁止剤としては例えば、ジフェニルピクリルヒドラジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
【0022】
重合禁止剤の添加量は、ジシクロペンタジエンやジアルキルアセチレンジカルボキシレートに対して0.01〜1モル%が好ましい。
【0023】
反応温度は、高温ほど反応が速いが、通常50〜180℃の範囲、好ましくは60〜160℃の範囲である。
本反応は常圧でも加圧でも、また回分式でも連続反応でも可能である。以下実施例でさらに具体的に本発明を説明するが、これらによって本発明が何ら制限されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1
ジシクロペンタジエン1.32g(10ミリモル)、ジメチルアセチレンジカルボキシレート1.42g(10ミリモリ)、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)〔RuH2(PPh3)4〕0.23g(0.2ミリモル)及びベンゼン10gを反応フラスコに仕込み、80℃で20時間撹拌した。
【0025】
反応後、濃縮すると油状物質2.2gが得られた。この油状物質をシリカゲルカラムで精製するとガスクロマトグラフィーで純度98.8%の油状物質1.2gが得られた。この油状物質の分析結果は以下の通りであった。
【0026】
MASS(EI+ m/e(%)):274(M+)(8)、242(40)、214(34)、207(34)、177(98)、149(100)
1H−NMR(CDCl3,TMS,δppm):5.65(dd,J1=2.1Hz,J2=4.8Hz,1H,オレフィン)、5.55(dd,J1=2.3Hz,J2=4.6Hz,1H,オレフィン)、3.77(s,6H,OCH3)、3.19(m,1H,エキソ−シクロブテン)、2.80(d,J=3.2Hz,1H,エンド−シクロブテン)、2.71(d,J=3.2Hz,1H,エンド−シクロブテン)、2.69(m,1H,エキソ−シクロペンタン)、2.37(d,J=5.3Hz,1H,エキソ−シクロペンタン)、2.27(m,2H,ブリッジヘッド)、2.25(d,J=5.3Hz,1H,エキソ−シクロペンテン)、1.47(d,J=10.8Hz,1H,ブリッジ)、1.30(d,J=10.7Hz,1H,ブリッジ)
以上から、本物質は、目的とするジメチルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートであることを確認した。
【0027】
実施例2〜17
実施例1において、反応条件を変えた他は同様に操作をして反応させた結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たジメチルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートについての1H−NMRチャート。
【発明の属する技術分野】
本発明は式〔1〕
【0002】
【化4】
【0003】
(R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表す。)
で表される新規なノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸ジエステルであるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレート及びその製造方法に関する。ノルボナン骨格を有するジカルボン酸ジエステルは、一般にエポキシ系熱硬化剤、ポリエステル樹脂等の樹脂分野の中間原料として有用な化合物である。
【0004】
【従来の技術】
従来ノルボルナン骨格を有するポリエステルはガラス転移温度が高く、寸法安定性が優れており写真用フィルムのベース等に用いられている(米国防衛特許第896033号)。
これまでのノルボルナン骨格を有する多環式化合物の合成には、多くの場合多工程を要し、製造コスト面で不利を強いられていた。
【0005】
一方、ノルボルネル誘導体とジメチレンアセチレンジカルボキシレートからルテニウム触媒を用いてそれらの〔2+2〕クロス付加体を合成する方法は知られている(ジヤーナル オブ オーガニック ケミストリー 44巻 25号 4492〜4496頁(1979年)。しかし、実用的に安価で大量に入手可能なジシクロペンタジエンを原料にした検討はなされていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
工業的に経済的価値が高いジシクロペンタジエンを原料として、その骨格の特異性を生かした諸物性の改良されたポリエステルの原料モノマーとなる新規なノルボルナン骨格を有する脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、式〔1〕
【0008】
【化5】
【0009】
(R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基を表す。)
で表されるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートに関する。また、本発明は、式〔2〕
【0010】
【化6】
【0011】
(R1、R2は上記と同じ)
で表されるジアルキルアセチレンジカルボキシレートとジシクロペンタジエンを触媒として周期律表第8族金属を用い付加反応させることを特徴とする上記式〔1〕で表されるジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレート(以下DADEと略す。)の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明化合物の製造方法につて述べる。
出発原料のジシクロペンタジエンは、工業的に流通している純度の製品をそのまま使用することができる。
【0013】
もう一方の原料であるジアルキルアセチレンジカルボキシレートは種々の誘導体が使用できる。例えば、具体的には、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、ジエチルアセチレンジカルボキシレート、ジプロピルアセチレンジカルボキシレート、ジブチルアセチレンジカルボキシレート、ジペンチルアセチレンジカルボキシレート、ジヘキシルアセチレンジカルボキシレート、ジシクロペンチルアセチレンジカルボキシレート及びジシクロヘキシルアセチレンジカルボキシレート等が挙げられる。
【0014】
触媒として用いる周期律表第8族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、鉄、ニッケル及びコバルト等である。特に好ましいのはルテニウムである。触媒の形態としては、金属錯体、金属塩、金属単身、担持金属及び金属酸化物等が使用できる。
【0015】
金属錯体としては、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)金属、ジクロロビスベンゾニトリル金属、トリス(アセチルアセトナト)金属、ジクロロシクロジエン金属、ホルマトジカルボニル金属、ドデカカルボニル三金属、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)金属及びテトラキストリフェニルホスフィン金属等が使用できる。
【0016】
金属塩としては、塩酸、硫酸、硝酸及び燐酸等の鉱酸塩、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸等の有機酸塩が挙げられる。
担持金属としては、炭素、アルミナ及び珪藻土等の担体に担持させた金属が使用できる。
【0017】
更に、具体的にはジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、ジクロロ(η−1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ホルマトジカルボニルルテニウム及びドデカカルボニル三ルテニウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、塩化ルテニウム、ルテニウム/活性炭、パラジウム/活性炭、ルテニウム黒及び酸化ルテニウム等が挙げられる。
【0018】
これらの中で特に好ましいものは、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム及びトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム等である。
【0019】
その使用量は、原料のジシクロロペンタジエンに対し、0.1〜30モル%、特には,0.5〜20モル%が好ましい。
本反応では溶媒を使用しなくとも、反応は進行するが、通常使用する事が好ましい。溶媒としては例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びキュメン等の芳香族炭化水素類及びテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン及び1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等が特に好ましいが、他の溶媒例えばヘキサンやヘプタン等の脂肪族炭化水素類でも進行する。
【0020】
その使用量は、ジシクロペンタジエンに対し1〜20重量倍、特には2〜10重量倍が経済的に好ましい。
また、本反応の原料であるジシクロペンタジエンやジアルキルアセチレンジカルボキシレートの反応中の重合を抑制するために重合禁止剤を添加することもできる。
【0021】
重合禁止剤としては例えば、ジフェニルピクリルヒドラジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニトロベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド及び塩化銅(II)等が挙げられる。
【0022】
重合禁止剤の添加量は、ジシクロペンタジエンやジアルキルアセチレンジカルボキシレートに対して0.01〜1モル%が好ましい。
【0023】
反応温度は、高温ほど反応が速いが、通常50〜180℃の範囲、好ましくは60〜160℃の範囲である。
本反応は常圧でも加圧でも、また回分式でも連続反応でも可能である。以下実施例でさらに具体的に本発明を説明するが、これらによって本発明が何ら制限されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1
ジシクロペンタジエン1.32g(10ミリモル)、ジメチルアセチレンジカルボキシレート1.42g(10ミリモリ)、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)〔RuH2(PPh3)4〕0.23g(0.2ミリモル)及びベンゼン10gを反応フラスコに仕込み、80℃で20時間撹拌した。
【0025】
反応後、濃縮すると油状物質2.2gが得られた。この油状物質をシリカゲルカラムで精製するとガスクロマトグラフィーで純度98.8%の油状物質1.2gが得られた。この油状物質の分析結果は以下の通りであった。
【0026】
MASS(EI+ m/e(%)):274(M+)(8)、242(40)、214(34)、207(34)、177(98)、149(100)
1H−NMR(CDCl3,TMS,δppm):5.65(dd,J1=2.1Hz,J2=4.8Hz,1H,オレフィン)、5.55(dd,J1=2.3Hz,J2=4.6Hz,1H,オレフィン)、3.77(s,6H,OCH3)、3.19(m,1H,エキソ−シクロブテン)、2.80(d,J=3.2Hz,1H,エンド−シクロブテン)、2.71(d,J=3.2Hz,1H,エンド−シクロブテン)、2.69(m,1H,エキソ−シクロペンタン)、2.37(d,J=5.3Hz,1H,エキソ−シクロペンタン)、2.27(m,2H,ブリッジヘッド)、2.25(d,J=5.3Hz,1H,エキソ−シクロペンテン)、1.47(d,J=10.8Hz,1H,ブリッジ)、1.30(d,J=10.7Hz,1H,ブリッジ)
以上から、本物質は、目的とするジメチルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートであることを確認した。
【0027】
実施例2〜17
実施例1において、反応条件を変えた他は同様に操作をして反応させた結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たジメチルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートについての1H−NMRチャート。
Claims (3)
- 周期律表第8族金属がルテニウム及びパラジウムである請求項2記載のジアルキルテトラシクロ〔7.2.0.12,8.03,7〕ドデカ−4,10−ジエン−10,11−ジカルボキシレートの製造方法。
【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23655895A JP3735902B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23655895A JP3735902B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0977721A JPH0977721A (ja) | 1997-03-25 |
JP3735902B2 true JP3735902B2 (ja) | 2006-01-18 |
Family
ID=17002428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23655895A Expired - Fee Related JP3735902B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3735902B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4506917B2 (ja) * | 2000-07-04 | 2010-07-21 | 日産化学工業株式会社 | 新規シクロペンテノン化合物及びその製造法 |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP23655895A patent/JP3735902B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0977721A (ja) | 1997-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3450389B2 (ja) | L−5−(2−アセトキシ−プロピオニルアミノ)−2,4,6−トリヨード−イソフタル酸ジクロライドの製造方法 | |
JP3735902B2 (ja) | 新規脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造方法 | |
US6803489B2 (en) | Purification process of fluorenylidenediallylphenol | |
US5998652A (en) | Process for preparing 2-cyanobiphenyl compound | |
JPH0637414B2 (ja) | ビタミンk4及びビタミンk4ジアセテートの製法 | |
US5811610A (en) | Tricyclocarboxylate, method for preparing the same and perfume comprising the same | |
JP3640319B2 (ja) | ベンズアミド誘導体の製造方法 | |
JP3605732B2 (ja) | ピロメリット酸誘導体の製造方法 | |
JP3530925B2 (ja) | オキソエステル化合物の製造方法 | |
JPH09291065A (ja) | 脂環式ジカルボン酸ジエステル及びその製造法 | |
JP4288372B2 (ja) | アルファーピロン類およびその製造方法 | |
JPH09249613A (ja) | 新規脂環式化合物及びその製造方法 | |
IL99378A (en) | Synthesis of monoalkanoyl prodrugs | |
JPH0469132B2 (ja) | ||
JP3981822B2 (ja) | 脂環式ジカルボン酸ジエステルの製造法 | |
JP3360867B2 (ja) | ビフェニル−4−カルボン酸誘導体の製造方法 | |
JP2003238500A (ja) | 含フッ素3級アミン化合物及び含フッ素4級アンモニウム塩の製造方法 | |
JP4168184B2 (ja) | N−アシル(メタ)アクリルアミド誘導体の製造方法 | |
JP4641772B2 (ja) | フラノンの製造方法 | |
JPS6332778B2 (ja) | ||
JPH0316354B2 (ja) | ||
JPH0259132B2 (ja) | ||
JPS63264539A (ja) | 2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−1,1’−ビナフチル類 | |
JPH08268957A (ja) | トランス−4−フェニルシクロヘキサン系化合物の製造方法 | |
JPS588388B2 (ja) | ジベンズアミドルイノ セイゾウホウホウ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051017 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |